JP2014164041A - 反射型表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セル内に気泡が形成されることがなく、シール材と基板との接着が所望の程度以上である反射型表示装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】対向する2枚の基板間に表示媒体が封入されている、反射型表示装置、を製造する方法であって、一方の基板の表示領域の外側に第1シール材を配置する第1シール材配置工程と、他方の基板上であって前記一方の基板と前記他方の基板とが対向して所望に位置決めされる際に前記第1シール材に接触することができるような位置に、第2シール材を配置する第2シール材配置工程と、前記表示媒体配置工程の後に実施され、前記第1シール材と前記第2シール材とが互いに接触するように、前記一方の基板と前記他方の基板とを対向して所望に位置決めする対向基板配置工程と、を備えたことを特徴とする反射型表示装置の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子ペーパー等に応用されている反射型表示装置及びその製造方法に関する。
反射型表示装置として、最近、表示媒体に含まれる電気応答性材料として電気泳動体を用いた電気泳動表示装置が広く用いられている。電気泳動表示装置とは、空気中または溶媒中の電気泳動体(通常は電気泳動する粒子)の電気的な泳動、すなわち粒子移動を利用して情報を表示する装置である。通常、2枚の基板間に電界を与えることで電気的な泳動の状態が制御され、それによって所望の表示が実現されるように構成される。電気泳動体としては、荷電粒子の他、荷電粉体をも利用され得る。その場合、当該荷電粉体は気体中を電気的に泳動する。
電気泳動表示装置は、近年では特に、電子ペーパーとしての応用が注目されている。電子ペーパーとして応用する場合には、印刷物レベルの視認性(目にやさしい)、情報書き換えの容易性、低消費電力、軽量といった利点を享受できる。
電気泳動表示装置では、しかし、粒子や粉体の沈降や偏在に起因して、表示の不良、特にコントラストの低下が生じることがある。この現象を防止するべく、上下の電極基板間に隔壁を形成して、電気泳動する粒子や粉体の泳動空間、すなわち移動空間を微小な空間に分割することが採用されている。この微小な空間は、セルと呼ばれている。各セルの中に、電気泳動体を含むインキやガス(表示媒体)が封入されている。
例えば特許文献1(特許第4764069号公報)には、液状の電気泳動材料を固めて表示シートを作製し、当該表示シートを電極基板に貼った後、外周をシール材で封止する電気泳動表示装置の製造方法の従来例が開示されている。
また、特許文献2(特開2007−163660号公報)には、電気泳動材料を液状のまま上下の電極基板間に配置する電気泳動表示装置の製造方法が開示されている。
特許第4764069号公報 特開2007−163660号公報
ところで、セル内に封入された表示媒体の性状の変化やセル内における気泡の存在は、反射型表示装置の表示品質の低下につながってしまうが、本件発明者は、この問題について鋭意研究を重ねるうち、以下のような知見を得るに至った。
表示装置の表示領域に位置するセル内に当該領域の外部から水分が浸入したり、当該セル内の表示媒体に含まれる溶剤が外部に浸出すると、当該セル内の表示媒体の性状が変化してしまう。従って、表示領域を囲うようにシール材を配置して当該表示領域を上下の電極基板と共同して密閉すれば、当該表示領域のセル内に当該表示領域の外部から水分が浸入したり、当該セル内の表示媒体に含まれる溶剤が外部に浸出することを防ぐことができると考えられる。
液状の表示媒体を液状のままセル内に封入する場合、図16に示すように、表示媒体を表示領域のセル内に配置して上下の電極基板を貼り合わせた後、当該表示領域を囲うようにシール材を配置して表示媒体を当該表示領域に封止する方法が考えられる。しかし、この方法は、表示媒体が大気中でセル内に配置されるため、セル内に気泡が形成されやすく、また、シール材の配置が困難であった。また、シール材を配置する際、一方の基板上に表示媒体が付着しているため、図17に示すように、基板とシール材との間に表示媒体が挟まってしまい、基板と表示媒体との接着が所望の程度以上になされないという問題があった。
セル内に気泡が形成されるのを防ぐため、また、シール材の配置を容易にするため、図13に示すように、予め一方の基板上に表示領域を囲うようにシール材を配置し、当該シール材で囲まれた領域に当該領域内のセルの容積を超える量の表示媒体を配置し、余剰の表示媒体をシール材で囲まれた領域から押し出しながら上下の電極基板を貼り合わせる方法が考えられる。しかし、この方法においても、表示媒体を配置したり余剰の表示媒体を押し出したりする際、シール材の電極基板との貼合面に表示媒体が付着してしまうため、図14に示すように、当該電極基板とシール材との間に表示媒体が挟まってしまい、当該基板と表示媒体との接着が所望の程度以上になされないという問題があった。
本発明は、このような事情に基づいて行われたものであり、その目的は、セル内に気泡が形成されることがなく、シール材と基板との接着が所望の程度以上になされた反射型表示装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくとも一方が透明であり各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置、を製造する方法であって、一方の基板の所望の表示に利用される表示領域の外側に当該表示領域を囲むように第1シール材を配置する第1シール材配置工程と、他方の基板上であって前記一方の基板と前記他方の基板とが対向して所望に位置決めされる際に前記第1シール材に接触することができるような位置に、前記他方の基板の所望の表示に利用される表示領域を囲むように第2シール材を配置する第2シール材配置工程と、前記第1シール材配置工程の後の前記一方の基板の表示領域に、または、前記第2シール材配置工程の後の前記他方の基板の表示領域に、前記表示媒体を配置する表示媒体配置工程と、前記表示媒体配置工程の後に実施され、前記第1シール材と前記第2シール材とが互いに接触するように、前記一方の基板と前記他方の基板とを対向して所望に位置決めする対向基板配置工程と、を備えたことを特徴とする反射型表示装置の製造方法である。
本発明によれば、表示媒体が配置される前に予め一方の基板及び他方の基板にそれぞれシール材が配置され、表示領域の表示媒体は、シール材同士が互いに接触されることによって封止される。このため、一方の基板と他方の基板とが対向して所望に位置決めされた際、シール材と基板との間において、表示媒体が存在しない領域を形成することが容易であり、シール材と基板との接着が所望の程度以上になされることが、促進される。また、外部から表示領域への水分や空気の侵入や表示領域から外部への表示媒体の溶剤の浸出を許す経路が、シール材と各基板との間に挟まれた表示媒体によって形成される、ということが抑制される。
好ましくは、前記第1シール材と前記第2シール材とは、同一の材料で形成されている。この場合、第1シール材と第2シール材とのなじみが良く、第1シール材と第2シール材との間に表示媒体が挟まってしまった場合であっても、第1シール材と第2シール材との間に十分な接着強度を得ることができる。
好ましくは、前記反射型表示装置の製造方法は、前記表示媒体が配置される基板上に前記第1シール材または前記第2シール材が配置される前に、当該基板の表示領域を囲むようにシール材支持部材を配置する工程を更に備え、前記シール材支持部材は、当該シール材支持部材が配置された基板側とは反対の側が開放された空間を有しており、前記第1シール材及び前記第2シール材のうち前記表示媒体が配置される基板のシール材は、前記第1シール材配置工程または前記第2シール材配置工程において、前記シール材支持部材の前記空間内に配置される。この場合、表示媒体が配置される基板のシール材が硬化されていない状態で表示媒体が当該基板上に配置されても、当該シール材と表示媒体とが混ざってしまって当該シール材のシール性能が低下してしまうということが抑制される。
好ましくは、前記対向基板配置工程において、前記一方の基板と前記他方の基板とは、前記第1シール材及び前記第2シール材のうち前記表示媒体が配置される基板のシール材が硬化した後に、対向して所望に位置決めされる。この場合も、表示媒体が配置される基板のシール材と表示媒体とが混ざってしまって当該シール材のシール性能が低下してしまうということが抑制される。
あるいは、本発明は、少なくとも一方が透明であり各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置であって、一方の基板と他方の基板との間に、当該一方の基板及び当該他方の基板の表示領域を囲むように配置されたシール材を備え、前記シール材の前記一方の基板または前記他方の基板と接する幅に対して、当該幅のうち前記一方の基板または前記他方の基板側からの平面視において前記シール材と前記一方の基板との間において前記表示媒体が存在しない領域と前記シール材と前記他方の基板との間において前記表示媒体が存在しない領域とが重なり合う領域の幅は、5%以上であることを特徴とする反射型表示装置である。
本発明によれば、一方の基板と他方の基板との間に配置されたシール材のうちシール材と一方の基板との間において表示媒体が存在せず且つシール材と他方の基板との間において表示媒体が存在しないという部分の幅が、シール材の基板と接する幅に対して5%以上存在する。このため、シール材と基板との間に表示媒体が存在することによってシール材のシール性能が低下されることが、実用上十分なレベルに抑制される。この結果、優れた表示品質を提供することができる。
好ましくは、前記シール材の前記一方の基板または前記他方の基板と接する幅に対して、当該幅のうち前記一方の基板または前記他方の基板側からの平面視において前記シール材と前記一方の基板との間において前記表示媒体が存在しない領域と前記シール材と前記他方の基板との間において前記表示媒体が存在しない領域とが重なり合う領域の幅は、10%以上である。この場合、一方の基板と他方の基板との間に配置されたシール材のうちシール材と一方の基板との間において表示媒体が存在せず且つシール材と他方の基板との間において表示媒体が存在しないという部分の幅が、シール材の基板と接する幅に対して10%以上存在するため、シール材と基板との間に表示媒体が存在することによってシール材のシール性能が低下されることが、より一層抑制される。この結果、優れた表示品質を提供することができる。
好ましくは、前記反射型表示装置は、前記一方の基板と前記他方の基板との間に、当該一方の基板及び当該他方の基板の表示領域を囲むように配置されたシール材支持部材を更に備え、 前記シール材支持部材は、前記一方の基板に対向する側または前記他方の基板に対向する側が開放された空間を有しており、前記シール材は、前記シール材支持部材の前記空間内に配置されている。この場合、シール材と表示媒体とが混ざってしまってシール材のシール性能が低下してしまうということが抑制される。
本発明によれば、セル内に気泡が形成されることがなく、シール材と基板との接着が所望の程度以上になされた反射型表示装置及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による反射型表示装置の構成を概略的に示す断面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。 図3は、隔壁形成工程の一例を概略的に示す図である。 図4は、隔壁の頂面の幅の定義について説明する図である。 図5は、接着層形成工程の一例を概略的に示す図である。 図6は、表示媒体配置工程の一例を概略的に示す図である。 図7は、対向基板配置工程において、他方の基板上に一方の基板が接着されている様子を示す断面図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態による反射型表示装置の製造方法による、対向基板配置工程後の第1シール材及び第2シール材において高いシール性能が実現される領域を説明するための図である。詳しくは、図8(a)が、一方の基板上に配置された第1シール材と他方の基板上に配置された第2シール材とが略同量であり、第1シール材の位置と第2シール材の位置とが平面視で互いに一致するように一方の基板と他方の基板とが位置決めされる様子を説明するための図であり、図8(b)が、図8(a)のように位置決めされた場合の、対向基板配置工程後において第1シール材及び第2シール材が存在する領域と、第1シール材及び第2シール材において高いシール性能が実現される領域と、を説明するための図である。 図9は、本発明の第2の実施の形態による反射型表示装置の製造方法による、対向基板配置工程後の第1シール材及び第2シール材において高いシール性能が実現される領域を説明するための図である。詳しくは、図9(a)が、第1シール材と第2シール材とが少しずれた状態で一方の基板と他方の基板とが位置決めされる様子を説明するための図であり、図9(b)が、図9(a)のように位置決めされた場合の、対向基板配置工程後において第1シール材及び第2シール材が存在する領域と、第1シール材及び第2シール材において高いシール性能が実現される領域と、を説明するための図である。 図10は、本発明の第3の実施の形態による反射型表示装置の製造方法による、対向基板配置工程後の第1シール材及び第2シール材において高いシール性能が実現される領域を説明するための図である。詳しくは、図10(a)が、他方の基板に配置された第1シール材の量が一方の基板上に配置された第2シール材の量より少ないという一方の基板と他方の基板とが位置決めされる様子を説明するための図であり、図10(b)が、図10(a)のように位置決めされた場合の、対向基板配置工程後において第1シール材及び第2シール材が存在する領域と、第1シール材及び第2シール材において高いシール性能が実現される領域と、を説明するための図である。 図11は、本発明の第4の実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。詳しくは、図11(a)が、他方の基板上にシール材支持部材を配置する工程を示す図であり、図11(b)が、第2シール材をシール材支持部材内に配置する第2シール材配置工程を示す図であり、図11(c)が、表示媒体配置工程を示す図であり、図11(d)が、対向基板配置工程を示す図であり、図11(e)が、第1シール材及び第2シール材が硬化される工程を示す図である。 図12は、本発明の第5の実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。詳しくは、図12(a)が、第1シール材配置工程及び第2シール材配置工程を示す図であり、図12(b)が、表示媒体配置工程の前に第2シール材を硬化させる工程を示す図であり、図12(c)が、表示媒体配置工程を示す図であり、図12(d)が、対向基板配置工程を示す図であり、図12(e)が、第1シール材を硬化させる工程を示す図である。 図13は、本発明の比較例による、反射型表示装置の製造方法の他の例を概略的に示すフロー図である。詳しくは、図13(a)が、他方の基板のみにシール材を配置するシール材配置工程を示す図であり、図13(b)が、表示媒体配置工程を示す図であり、図13(c)が、対向基板配置工程を示す図であり、図13(d)が、シール材を硬化させる工程を示す図である。 図14に示す比較例による反射型表示装置の製造方法において、対向基板配置工程後、一方の基板とシール材との間に表示媒体が挟まれている状態を説明するための図である。 図15は、本発明の実施例及び比較例の表示装置の作製条件と評価結果とについて説明するための図である。 図16は、従来の反射型表示装置の製造方法の一例を概略的に示すフロー図である。詳しくは、図16(a)が、隔壁形成工程を示す図であり、図16(b)が、表示媒体配置工程を示す図であり、図16(c)が、対向基板配置工程を示す図であり、図16(d)が、一方の基板と他方の基板とが接着された状態でシール材を配置するシール材配置工程を示す図であり、図16(e)が、シール材を硬化させる工程を示す図である。 図16に示す従来の反射型表示装置の製造方法における、対向基板配置工程後、一方の基板及び他方の基板とシール材との間に表示媒体が挟まれている状態を説明するための図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態による反射型表示装置の構成を概略的に示す断面図である。本実施の形態による反射型表示装置は、少なくとも一方が透明であり各々電極111,161が形成されている対向する2枚の基板間11,16に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体13が封入されていて、2枚の基板11,16間に所定の電界が与えられる際に表示媒体13が所望の表示をするようになっている。
なお、図2乃至図17において、一方の基板11と他方の基板16の各面上には、それぞれ電極111,116が設けられているが、それら電極の図示は省略されている。本実施の形態においては、一方の基板11が視認側に配置され、他方の基板16が非視認側に配置される。
一方の基板11としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透明フィルムや透明ガラスに、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明電極111を付したものが、典型的に用いられ得る。
透明電極111は、塗工法や蒸着法等によって形成され得る。透明電極111は、アクティブマトリクス駆動の場合及びセグメント駆動の場合は共通電極として用いられるので、必ずしもパターンが形成されている必要は無く、基板全面が電極であってもよい。一方、パッシブマトリクス駆動の場合、対向する両方の基板はパターン電極である必要があるため、前記透明電極111もストライプなどのパターンで形成される。
なお、電極パターンの形成は、フォトリソ法、レーザ描画法、インクジェット法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、等によって行われ得る。
一方の基板11の厚みは、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
一方の基板11の表面には、メッキ処理による酸化防止処理が施されてもよい。また、一方の基板11の裏面(外側)には、バリア層が設けられてもよい。バリア層の機能は、インキが水分を吸着することによる表示劣化を防止することである。バリア層は、本実施形態では視認側に配置される一方の基板に設けられる場合には、透明である必要があり、無機膜を蒸着することで得られる。あるいは、予めバリア層が形成されたフィルムが貼り合わせられてもよい。
一方の基板11は、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
他方の基板16としては、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等の表面に金属等の導電性材料によって電極161が形成されたものが用いられ得る。また他方の基板16は、光透過性の基材が用いられてもよい。さらに光透過性で不透明な基材であってもよく、電極面とは異なるもう一方の面を粗面化した不透明なガラス基材、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等が用いられ得る。本実施の形態では、他方の基板16は、視認側と反対側の位置に配置されるため、透明である必然性はない。しかし、熱膨張特性など一方の基板11と同じ物性が必要とされる場合は、一方の基板11と同様の透明部材が使用され得る。
電極161としては、セグメント駆動およびパッシブマトリクス駆動の場合はパターン状の電極、また、アクティブマトリクス駆動の場合はTFT(Thin Film Transistor)が配置される画素電極が用いられる。
他方の基板16の厚みも、一方の基板11の厚みと同様に、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
他方の基板16には、更なる機能層が付加され得る。例えば、他方の基板16の表面に、バリアフィルムが貼付され得る。予め透明無機膜のバリア層が蒸着等で形成された透明フィルムが他方の基板16として採用されても、これと同様の機能を発揮できる。あるいは、他方の基板16の表面に、紫外線カットフィルムが貼付され得る。他方の基板16の表面に他の紫外線カット処理が施されても、これと同様の機能を発揮できる。その他の表面コート層として、防眩層(AG層)、傷防止層(HC層)、反射防止層(AR層)などが付加され得る。
他方の基板16も、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
以下では、一方の基板11ないし他方の基板16上において、一方の基板11及び他方の基板16を用いて製造される反射型表示装置において所望の表示に利用される領域を「表示領域」と称し、表示領域の周囲の領域を「外周部」と称する。なお、本件の明細書及び特許請求の範囲においては、「表示領域」という用語は、後述する個々の「セル」を意味するものではない。
<反射型表示装置の製造方法>
図2は、本発明の第1の実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。
図3は、隔壁形成工程の一例を概略的に示す図である。図3に示すように、まず、一般には水平方向に載置される一方の基板11の上面に、例えばフォトリソグラフィ法(紫外線(UV)照射による露光→現像→焼成)によって、所定のパターンの隔壁12が形成される。隔壁12は、少なくとも表示領域60において、後述する複数のセルを規定する部材である。
なお、本件の明細書においては、「セル」とは、粒子や粉体の沈降や偏在に起因して表示の不良、特にコントラストの低下を防止するべく上下の電極基板間に形成された隔壁によって分割された、電気泳動する粒子や粉体の微小な泳動空間、すなわち移動空間を意味する。
隔壁12は、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、常温硬化樹脂等によって構成可能であり、隔壁12の形成方法は、フォトリソグラフィ法の他、エンボス加工などの型転写方法も採用され得る。さらに、所望のパターンの構造物を隔壁として製造しておいて、それを一方の基板11に貼り付けるという方法も採用され得る。
本実施の形態では、隔壁12は、表示領域60のみに形成されるが、表示領域60及び外周部70の両方に形成されてもよい。
表示領域60の隔壁12の頂面の幅は、9μm〜50μm、好ましくは9μm〜20μmである。9μmというのは、隔壁12が倒れることなくパターニングできる線幅の下限である。隔壁12の頂面の幅が9μm未満である場合、隔壁12の長さが60μm以上に亘るようなパターンでは、少なくとも隔壁12の一部が倒れたり、剥がれたり、剥がれた隔壁12が基板上を移動したりする。そうなった場合には、隔壁12による粒子の移動を防ぐという機能が失われ、表示品質が劣化してしまう。一方、好適な範囲の上限である50μmというのは、目視したときに隔壁12が目立ち過ぎない上限である。
ここで、隔壁12の頂面の幅の定義を、図4に示す。頂面の角が丸まっていなければ、図4(a)や図4(b)に示すように、頂面の幅はそのまま定義される。一方、頂面の角が丸まっている場合には、図4(c)や図4(d)に示すように、頂面の延長面と壁面の延長面との交線間の幅として理解される。評価のための測定方法としては、隔壁12が形成された一方の基板11を硬化性樹脂にて包埋し、ミクロートーム(大和光機工業株式会社製:FX−801)により隔壁12の断面を切り出し、走査電子顕微鏡(SEM)によって撮影した画像に基づいて各幅を測定することができる。
一方、外周部70に隔壁12が配置される場合、外周部70に配置される隔壁12の頂面の幅は、5μm〜200μm、好ましくは10μm〜100μmである。隔壁12の頂面の幅が5μm未満である場合、隔壁12の長さが短くても、当該隔壁12の一部が倒れたり、剥がれたり、剥がれた隔壁12が基板上を移動したりする。
表示領域60に配置される隔壁12のパターンは、円、格子、ハニカム状(六角形)、その他の多角形など、基本的に任意である。開口率は、70%以上が好ましく、特に90%以上が好ましい。高開口率であるほど、表示可能エリアが広くなるため、高コントラストを得ることができる。
また、外周部70に配置される隔壁12のパターンも基本的に任意であり、円、格子、ハニカム状(六角形)、その他の多角形、及び、これらの組み合わせなどの他、セル構造を形成しないパターンも採用可能である。これは、外周部70の隔壁12は、基本的に表示領域60の外部に配置されるためである。
隔壁12の厚みは、5〜50μm、好ましくは10〜50μmである。5μm以下では、充填するインキ量が少なく、十分な表示特性、特にコントラストが得られない一方、50μm以上では、パネルの厚みが厚すぎて、駆動電圧が上昇し過ぎてしまう。低駆動電圧で良好な表示特性が得られるという観点から、10〜50μmの範囲の厚みが好適である。
セルのサイズ(ピッチ)は、表示パネルの大きさにもよるが、0.05〜1mmピッチ、好ましくは0.1〜0.5mmピッチである。ここで、ピッチとは、隣接するセルの中心点の距離、すなわち、隣接するセルを重ねるべく移動させるのに必要な距離を意味している。
次に、隔壁12上に接着層22が形成される(接着層形成工程:図2の工程(2))。この接着層形成工程では、例えば転写法や印刷法により、ポリエステル系熱可塑性接着剤のようなヒートシール剤が、1〜100μmの厚みで形成される。好ましくは、1〜50μmの厚みで形成され、特に好ましくは、1〜20μmの厚みで形成される。
転写法として典型的な熱転写法の一例について具体的な説明を補足すれば、図5に示すように、例えばPETフィルム21上に20μmの厚みでポリエステル系熱可塑性接着剤のようなヒートシール剤221を形成した転写シート20を用意し、この転写シート20のヒートシール剤221の面を隔壁上に常温で1kPaの圧力でラミネートする。これをヒートシール剤221の軟化温度以上の温度である例えば120℃に保たれたホットプレート上において1分間加熱し、その後転写シート20を剥離する。これにより、隔壁上に例えば6μm程度の接着層22が形成される。
なお、接着層22としては、ヒートシール剤221のような熱可塑性材料を用いたものが好ましく、加熱により軟化して、冷却すると固化する性質を有し、冷却と加熱を繰り返した場合に、塑性が可逆的に保たれる材料である。
熱可塑性材料からなるヒートシール剤を接着層22として用いた場合には、転写シート基材上の固化しているヒートシール剤をその軟化温度を超える温度にまで加熱することにより軟化させて、隔壁上面のみに確実にヒートシール剤を熱転写することもできる。また、熱転写後のヒートシール剤は常温まで冷却して再び固化することにより、タック、すなわちねばつきが無くなるため、取り扱いの便宜が極めて良い。また、タック、すなわちねばつきが無いことによって、セル内に充填された表示媒体がヒートシール剤と接着してしまうことがない。そして、再び隔壁上面のヒートシール剤をその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることにより、タック、すわなちねばつきを有するようになるため、他方の基板に確実に接着される。他方の基板との接着後のヒートシール剤は、再び常温においてはタック、すなわちねばつきが無いため、やはり表示媒体がヒートシール剤と接着してしまうことがなく、表示品質の低下のおそれもない。
具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタンなどの熱可塑性ベースポリマーや、天然ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体などの熱可塑性エラストマーを主成分とし、粘着性付与樹脂や可塑剤を配合した樹脂が主に使用される。
隔壁12とヒートシール剤221との密着性を上げるために、隔壁12に紫外線照射やプラズマ処理などにより表面処理が施されてもよいし、プライマーが形成されてもよい。あるいは、ヒートシール剤221の方にシランカップリング剤が添加されてもよい。
なお、本実施の形態では、隔壁頂面に対し接着層形成工程が行われるが、後述する第1シール材配置工程において一方の基板11上の表示領域60の外周に配置される第1シール材61と、第2シール材配置工程において他方の基板16上の表示領域60の外周に配置される第2シール材62と、により各パネルは封止及び接着されるため、隔壁頂面の接着層形成工程は省略することもできる。
次に、一方の基板11の表示領域60の外周に、表示領域60の外部から表示領域60内への水分や酸素の侵入を妨げ、表示領域60からその外部への表示媒体13中の溶剤の浸出を防止する第1シール材61が、当該表示領域60を連続的に囲むように配置される(第1シール材配置工程:図2の工程(3))。一方の基板11が複数の表示領域60を含む場合には、第1シール材61は、複数の表示領域60の各々の外周に配置される。
また、他方の基板16上の表示領域60の外周にも、表示領域60の外部から表示領域60内への水分や酸素の侵入を妨げ、表示領域60からその外部への表示媒体13中の溶剤の浸出を防止する第2シール材62が、当該表示領域60を連続的に囲むように配置される(第2シール材配置工程:図2の工程(4))。他方の基板16が複数の表示領域60を含む場合には、第2シール材62は、複数の表示領域60の各々の外周に配置される。
第2シール材62は、後述する対向基板配置工程において一方の基板11と他方の基板16とが対向して所望に位置決めされる際に第1シール材61に接触することができるような位置に、配置される。本実施の形態では、図8に示すように、一方の基板11と他方の基板16とを位置決めした際に、一方の基板11側からの平面視において第1シール材61の位置と第2シール材62の位置とが一致するように配置される。
さらに本実施の形態では、第1シール材61及び第2シール材62は、図8に示すように、それぞれ一方の基板11及び他方の基板16上に、同じ線幅且つ同じ厚みで、すなわち同量、配置される。
また、本実施の形態においては、第1シール材61と第2シール材62とは、同一の材料で形成されている。なお、本件の明細書及び特許請求の範囲においては、「同一の材料」という用語の意味には、構成成分が完全に同一の材料のみならず、主成分のみが同じ材料も含まれるものとする。
第1シール材61及び第2シール材62の配置方法の一例について具体的な説明を補足すれば、当該第1シール材61及び第2シール材62は、例えばヒートシール樹脂のような接着剤を、ディスペンサを用いて線幅0.6mm、厚さ60μmで線状に塗布することによって配置される。第1シール材61及び第2シール材62の線幅は、好ましくは0.1mm以上である。線幅が0.1mm以上であれば、第1シール材61と一方の基板11との接着強度、及び、第2シール材62と他方の基板16との間の接着強度、を十分高くすることが可能である。さらに、第1シール材61及び第2シール材62を一方の基板11上または他方の基板16上に途切れることなく配置することが、容易である。
第1シール材61及び第2シール材62は、ヒートシール樹脂の他に、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂等によっても構成可能である。また、第1シール材61及び第2シール材62は、ディスペンサの他に、各種の印刷法によって、あるいは、熱圧着によっても配置可能である。
次に、他方の基板16上に表示媒体としてのインキ13が配置される(表示媒体配置工程:図2の工程(5))。図6は、表示媒体配置工程の一例を概略的に示す図である。ここでは、(1)ディスペンサ31あるいはインクジェット、ダイコートからインキ13が滴下され(インキ滴下工程)、(2)アプリケータ32あるいはドクターブレード、ドクターナイフ、中央スキージによって面内均一となるようにインキ13が塗布される(インキ塗布工程)。なお、インキ13は、一方の基板11上に配置されてもよい。
表示媒体13としては、少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む流動性のある表示媒体が用いられ得る。電気応答性材料としては、電荷粒子材料、液晶材料があり、電荷粒子材料には白や黒、カラーなどの色づけされた粒子が電場に応答して移動するいわゆる電気泳動材料、または、粒子が二色に色分けされ電場により回転するツイストボールに代表される材料、または、電場により移動するナノ粒子材料等がある。一方、液晶材料は、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)で知られる透過と散乱を電気的に制御する材料や、液晶に色素を混合した材料、コレステリック液晶材料などがある。これらの電気応答性を有し光学特性を変化させる材料は、種類を問わずセルに隔離する必要があり、本発明の適用対象である。
その後、一方の基板11と他方の基板16とは、一方の基板11側からの平面視において第1シール材61の位置と第2シール材62の位置とが一致するように、対向して位置決めされる(対向基板配置工程:図2の工程(6))。これにより、表示媒体(インキ13)が各セル内に封止される。
対向基板配置工程は、図7に示すように、接着層22として塗工されたヒートシール剤221ないし第1シール材61及び第2シール材62を加熱させて接着力を得るようになっている。具体的には、ラミネータ91によって所定の熱圧着圧力(ラミネート圧力)を付与しながら、接着層22のヒートシール剤221ないし第1シール材61及び第2シール材62を周辺からその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることによって、隔壁12とインキ13が塗工されている他方の基板16とを接着する。もっとも、他の熱圧着の態様が採用されてもよい。
対向基板配置工程では、一方の基板11と他方の基板16との間でセル内に気泡が残らないように、一方の基板11をカールさせて、一方の側(図7の場合、左側)から対向する他方の側(図7の場合、右側)に向けて、ラミネータ91によって一方の基板11と他方の基板16とが互いに押圧される部位を移動させ、他方の基板16上の余剰のインキを、第1シール材61及び第2シール材62で囲まれた領域から押し出しながら貼り合わせる。
ラミネータ91によってラミネート圧力が付与されると、第1シール材61と第2シール材62とは、互いに押し潰され合い、これにより互いに接着される。このとき、第1シール材61と第2シール材62とが互いに十分に押し潰され合うことにより、第シール材61と第2シール材62との間にインキ13や気泡が挟まれたとしても、第1シール材61と第2シール材62とは、インキ13や気泡を包み込みながら、十分な強度で互いに対して接着される。
同時に、シール材61,62は、互いに押し潰されて一方の基板11及び他方の基板16の平面方向に拡がる。このとき、シール材61,62は、一方の基板11又は他方の基板16上を、シール材61,62と一方の基板11または他方の基板16との界面にインキ13を挟み込みながら拡がる(図8参照)。なお、一方の基板11及び他方の基板16上の対向基板配置工程前に第1シール材61または第2シール材62が配置されていた部分、すなわち、第1シール材61または第2シール材62で覆われていた部分については、シール材61,62と一方の基板11または他方の基板16との界面にインキ13が入り込むことはない。
その後、第1シール材61及び前2シール材62を硬化させることによって表示領域60の外周が封止され、マザーパネル基板81が製造される。
その後、図2に示すように、マザーパネル基板81は、ギロチン、上刃スライド装置、レーザカット装置、レーザーカッター等の断裁装置51によって所定のサイズに断裁され、所望の反射型表示装置の製造が完了する。
このようにして製造された表示パネルにおいて、シール材61,62が配置されている部分のうち高いシール性能が実現される部分(以下「強接着部分」という。)は、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61の位置と第2シール材62の位置(領域)とが重なり合う領域(以下「シール重なり部分」という。)である。なぜなら、その他の部分は、シール材61,62と一方の基板11との界面、または、シール材61,62と他方の基板16との界面、にインキ13が存在するからである。
すなわち、本実施の形態では、第1シール材61が配置されていた位置sと第2シール材62が配置されていた位置sとは一致しているため、シール重なり部分s12の位置も位置sまたは位置sと一致し、この部分(領域)がシール材61,62の強接着部分となる(図8参照)。
なお、製造された表示パネルにおける強接着部分の特定は、以下の方法により行うことができる。まず、インキ13の成分の大きさがサブミクロンのオーダーである場合、例えば電気泳動粒子である場合、光学顕微鏡(オリンパス製:MHL110S)や走査電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテクノロジーズ社製:S−4800)などを用いることにより、インキ13の成分が存在するか否かを確認することができる。一方、インキ13の成分の大きさが分子レベルである場合には、パネルの一方の基板11ないし他方の基板16を剥がし、当該基板上のシール材61,62が配置されていた部分または当該基板が接着されていたシール材61,62の接着表面を、X線光電子分光装置(XPS)(Thermo VG Scientific社製:Theta Probe)や飛行時間二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)(IonTOF社製:Ion.TOF5)を用いて分析することによりインキ13の成分が存在するか否かを確認することができる。なお、XPSを用いた場合、基板表面またはシール材の接着表面の構成元素情報を得ることができる。したがって、インキ13には含まれるが基板やシール材には含まれない元素が存在する場合には、XPSを用いることにより強接着部分を特定することができる。また、TOF−SIMSを用いた場合、原子及び分子の化学情報を得ることができる。したがって、インキ13には含まれるが基板やシール材には含まれない分子構造が存在する場合には、TOF−SIMSを用いることにより強接着部分を特定することができる。
本実施の形態では、前述のように、第1シール材61及び第2シール材62は、それぞれ一方の基板11及び他方の基板16上に同じ線幅かつ同じ厚みで配置され、一方の基板11と他方の基板16とは、第1シール材61の位置sと第2シール材62の位置sとが一方の基板11側の平面視において一致するように位置決めされる。この場合、対向基板配置工程後のシール材61,62の一方の基板11または他方の基板16と接する幅Wに対するシール重なり部分s12の幅w(以下「シール重なり率」という。)は、好ましくは5%〜90%である。
ここで、シール重なり率が5%より小さいということは、第1シール材配置工程及び第2シール材配置工程において第1シール材61及び第2シール材62が大変狭い線幅で配置されたことを意味する。シール材をこのように配置することは技術的に難しく、しかも部分的に線幅が更に狭くなった場合にシール材が分断されてしまう恐れがあり、好ましくない。
一方、シール重なり率が90%より大きいということは、第1シール材配置工程及び第2シール材配置工程において第1シール材61及び第2シール材62が大変広い線幅で小さい厚さで配置されたことを意味する。シール材をこのように配置すると、第1シール材61と第2シール材62とが互いに十分に押し潰されることができないので、第1シール材61と第2シール材62との間に大量の気泡やインキ13が入って、第1シール材61と第2シール材62との間の接着強度が低くなってしまう恐れがあり、好ましくない。
なお、好適なシール重なり率の値は、第1シール材61及び第2シール材62の最終的な厚さ、すなわち、一方の基板11と他方の基板16とを貼り合わせた後の一方の基板11及び他方の基板16の対向する表面の最終的な間隔(セルギャップ)によって変化し得る。これは、第1シール材61と第2シール材62とが強く押し潰されるほどシール材61,62の一方の基板11または他方の基板16と接する幅Wも広くなるため、結果として、ある程度広いシール重なり幅wが採用される場合であってもシール重なり率が低くなってしまうからである。
また、前述のように、シール材61,62が配置されている部分のうち高いシール性能が実現される部分(強接着部分)は、シール重なり部分s12に一致しているため、対向基板配置工程後のシール材61,62の一方の基板11または他方の基板16と接する幅Wに対する強接着部分の幅(以下「強接着分率」という。)は、シール重なり率と同じである。
以上のように、本実施の形態によれば表示媒体13が配置される前に予め一方の基板11及び他方の基板16にそれぞれ第1シール材61及び第2シール材62が配置され、表示領域60の表示媒体13は、第1シール材61及び第2シール材62が互いに接触されることによって封止される。このため、一方の基板11と他方の基板16とが対向して所望に位置決めされた際、シール材61,62と一方の基板11及び他方の基板16との間において、表示媒体13が存在しない領域を形成することが容易であり、シール材61,62と一方の基板11及び他方の基板16との接着が所望の程度以上になされることが、促進される。また、外部から表示領域60への水分や空気の侵入や表示領域60から外部への表示媒体13の溶剤の浸出を許す経路が、シール材61,62と一方の基板11または他方の基板16との間に挟まれた表示媒体13によって形成される、ということが抑制される。
また、本実施の形態においては、第1シール材61と第2シール材62とは、同一の材料で形成されている。この場合、第1シール材61と第2シール材62とのなじみが良く、第1シール材61と第2シール材62との間に表示媒体13が挟まってしまった場合であっても、第1シール材61と第2シール材62との間に十分な接着強度を得ることができる。
また、本実施の形態においては、シール材61,62の一方の基板11または他方の基板16と接する幅Wに対して、幅Wのうち一方の基板11または他方の基板16側からの平面視においてシール材61,62と一方の基板11との間において表示媒体13が存在しない領域とシール材61,62と他方の基板16との間において表示媒体13が存在しない領域とが重なり合う領域s12の幅wは、5%以上である。このため、シール材と基板との間に表示媒体が存在することによってシール材のシール性能が低下されることが、実用上十分なレベルに抑制される。この結果、優れた表示品質を提供することができる。
また、本実施の形態においては、シール材61,62の一方の基板11または他方の基板16上の一方の基板11または他方の基板16と接する幅Wに対して、幅Wのうち一方の基板11または他方の基板16側からの平面視においてシール材61,62と一方の基板11との間において表示媒体13が存在しない領域とシール材61,62と他方の基板16との間において表示媒体13が存在しない領域とが重なり合う領域s12の幅wは、10%以上である。この場合、シール材61,62と一方の基板11との間及びシール材61,62と他方の基板16との間において、表示媒体13が存在しない領域が十分に存在するため、シール材61,62と一方の基板11または他方の基板16との間に表示媒体13が存在することによってシール材61,62のシール性能が低下されることが、より一層抑制される。この結果、優れた表示品質を提供することができる。
また、接着層22のヒートシール剤221は、熱可塑性材料からなる場合においては、常温においてはタック、すなわちねばつきが無いため、取り扱いの便宜が極めて良い。また、タック、すなわちねばつきが無いことによって、その後の表示媒体配置工程が容易である。具体的には、スキージあるいはドクターブレード、ドクターナイフ等を用いて表示媒体を配置しても、表示媒体(インキ13)がヒートシール剤221と接着してしまうことがない。
なお、一方の基板11の電極(不図示)と他方の基板16の電極(不図示)との間に所定の電界(電圧)が与えられる際、表示媒体であるインキ13中の電気応答性材料が駆動され、文字パターン等の所定の情報が表示される。その後、電界が与えられなくなっても、新たな電界が両基板間に与えられるまで、当該情報表示状態が維持される。
次に、図9により、本発明の第2の実施の形態による反射型表示装置に製造方法について説明する。
図9は、本発明の第2の実施の形態による反射型表示装置の製造方法による、対向基板配置工程後の第1シール材及び第2シール材の状態を説明するための図である。
本実施の形態では、第2シール材配置工程において、第2シール材62が、第1シール材61と同じ線幅かつ同じ厚さではあるが、第1シール材61が囲む領域よりも一回り大きな領域を囲むように配置される。そして、対向基板配置工程において、図9(a)に示すように、一方の基板11と他方の基板16とが、一方の基板11側からの平面視において第1シール材61の位置と第2シール材62の位置とが少しずれた状態で位置決めされる。
その他の構成は、図8に示す第1の実施の形態と略同様である。図9において、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、第1シール材61の位置sと第2シール材62の位置sとは少しずれている。シール重なり部分s12は一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61の位置sと第2シール材62の位置sとが重なり合う領域であるから、シール重なり部分s12の幅wは、第1シール材61及び第2シール材62の線幅よりも狭くなる。
しかし、本実施の形態においても、第1シール材61及び第2シール材62のシール重なり部分s12の幅wが十分に広ければ、製造されたパネルにおいてシール材61,62により高いシール性能が実現される。
本実施の形態では対向基板配置工程後のシール材61,62の一方の基板11または他方の基板16と接する幅Wに対するシール重なり部分s12の幅w(シール重なり率)は、第1の実施の形態と同様に5%〜90%である。
次に、図10により、本発明の第3の実施の形態による反射型表示装置に製造方法について説明する。
図10は、本発明の第3の実施の形態による反射型表示装置の製造方法による、対向基板配置工程後の第1シール材及び第2シール材の状態を説明するための図である。
本実施の形態においては、第2シール材配置工程において他方の基板16上に配置される第2シール材62の線幅及び厚さは、第1シール材配置工程において一方の基板11上に配置される第1シール材61の線幅及び厚さよりも、細くて小さい。また、一方の基板11と他方の基板16とは、対向基板配置工程において、図10(a)に示すように、一方の基板11側からの平面視において、他方の基板16上の第2シール材62の位置sが一方の基板11上の第1シール材61の位置sに含まれるように位置決めされる。
その他の構成は、図1に示す第1の実施の形態と略同様である。図10において、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、第2シール材62の位置sが第1シール材61の位置sに含まれている。シール重なり部分s12は一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61の位置sと第2シール材62の位置sとが重なり合う領域であるから、シール重なり部分s12の幅wは、第2シール材62の線幅と同じである。
しかし、本実施の形態においても、第1シール材61及び第2シール材62のシール重なり部分s12の幅wが十分に広ければ、製造されたパネルにおいてシール材61,62により高いシール性能が実現され得る。
本実施の形態では対向基板配置工程後のシール材61,62の一方の基板11または他方の基板16と接する幅Wに対するシール重なり部分s12の幅w(シール重なり率)は、第1の実施の形態と同様に5%〜90%である。
次に、図11により、本発明による反射型表示装置の第4の実施の形態について説明する。
図11は、本発明の第4の実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。詳しくは、図11(a)が、他方の基板16上にシール材支持部材63を配置する工程を示す図であり、図11(b)が、第2シール材62をシール材支持部材内63に配置する第2シール材配置工程を示す図であり、図11(c)が、表示媒体配置工程を示す図であり、図11(d)が、対向基板配置工程を示す図であり、図11(e)が、第1シール材61及び第2シール62材が硬化される工程を示す図である。
図11に示す実施の形態においては、表示媒体配置工程の前に、シール材支持部材63が、他方の基板16上の表示領域60を囲むように配置される。本実施の形態では、シール材支持部材63は、当該シール材支持部材63の全周に亘って一方の基板11に対向する側が開放された空間を有している。そして、第2シール材配置工程では、第2シール材は、シール材支持部材63の空間内に連続的に配置される。
その他の構成は、図1に示す第1の実施の形態と略同様である。図11において、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
シール材支持部材63は、外周部70にも隔壁が形成された場合にあっては、当該隔壁で構成されたセル内に配置されてもよい。
本実施の形態では、シール材支持部材63は、好ましくは、その厚みが隔壁12の厚みより小さくなるように形成される。
また、第2シール材62は、好ましくは、その厚みがシール材支持部材63の厚みよりも小さくなるように配置される。
本実施の形態によれば、第2シール材62が硬化されていない状態で表示媒体13が他方の基板16上に配置されても、第2シール材62と表示媒体13とが混ざってしまって第2シール材16のシール性能が低下してしまうということが抑制される。
また、シール材支持部材63の厚みが隔壁12の厚みより小さいので、シール材支持部材63が邪魔をして、一方の基板11と他方の基板16との間隔が所望の大きさにならないということが防止される。
次に、図12により、本発明による反射型表示装置の第5の実施の形態について説明する。
図12は、本発明の第5の実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。詳しくは、図12(a)が、第1シール材配置工程及び第2シール材配置工程を示す図であり、図12(b)が、表示媒体配置工程の前に第2シール材62を硬化させる工程を示す図であり、図12(c)が、表示媒体配置工程を示す図であり、図12(d)が、対向基板配置工程を示す図であり、図12(e)が、第1シール材61を硬化させる工程を示す図である。
図12に示す実施の形態においては、対向基板配置工程において、一方の基板11と他方の基板16とは、第1シール材61が硬化する前であって第2シール材62が硬化した後に、対向して所望に位置決めされる。
その他の構成は、図1に示す第1の実施の形態と略同様である。図12において、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、第2シール材62は、その厚みが隔壁12の厚みよりも小さくなるように形成される。
本実施の形態によれば、第2シール材62と表示媒体13とが混ざってしまって第2シール材62のシール性能が低下してしまうということが抑制される。
また、第2シール材62の厚みが隔壁12の厚みより小さいので、硬化された第2シール材62が邪魔をして一方の基板11と他方の基板16との間隔が所望の大きさにならないということが防止される。
<反射型表示装置の実施例>
次に、実際に行われた実施例について説明する。
<実施例1−1>
まず、本発明の第1の実施の形態による反射型表示装置の製造方法の具体的な実施例について説明する。
一方の基板11として、150mm×150mm×厚さ0.125mmのPETフィルム(東洋紡製A4100)の一方の面に透明電極111として酸化インジウムスズ(ITO)蒸着膜(厚さ0.2μm)が設けられた基板が用意された。透明電極111は、スパッタリング、真空蒸着法、CVD法などの一般的な成膜方法によって形成され、酸化インジウムスズ(ITO)の他に、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等によっても形成され得る。
次に、一方の基板11上に、後述する他方の基板16のITO電極161に対応して、4インチ相当の表示領域60が画定され、当該一方の基板11の表示領域60に、ネガ型感光性樹脂材料(デュポンMRCドライフィルムレジスト(株)製のドライフィルムレジスト)を30μmの厚さにラミネートして100℃、1分間の条件で加熱し、次いで露光マスクを使用して露光(露光量500mJ/cm)し、その後、1%KOH水溶液を用いた現像を30秒行い、150℃、60分間の条件で焼成することで、線幅20μm、セルピッチ300μmのハニカム状パターンの隔壁12が形成された。
続いて、表示領域60の外周に、ディスペンサを用いて紫外線硬化樹脂(スリーボンド製:3170)が切れ目なく塗工されて、第1シール材61が、線幅0.6mm、厚さ60μmで形成された。
次いで、他方の基板16として、150mm×150mm×厚さ0.7mmの無アルカリガラス(日本電気硝子製OA−10G)に、4インチ相当のパネルの駆動電極に相当するITO電極である電極161がパターン状に形成されたものが用いられた。ITO電極161のパターン形成は、一方の基板11における透明電極111の形成と同様の方法で行われた。
続いて、ITO電極161のパターンが形成された領域の外周に、ディスペンサを用いて紫外線硬化樹脂(スリーボンド製:3170)が切れ目なく塗工されて、第2シール材62が、線幅0.6mm、厚さ60μmで形成された。第2シール材62は、図8に示すように、一方の基板11と他方の基板16とを位置決めした際に、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61の位置と第2シール材62の位置とが一致するように配置された。
その後、表示媒体として、以下の成分を有するインキ13が用いられ、他方の基板16上にディスペンサ31から滴下されて、スキージ(ニューロング製スキージ)にてスキージ処理されて、他方の基板16の表示領域60を覆うようにインキ13が塗工された。
<インキ成分>
・電気泳動粒子(二酸化チタン)・・・60重量部
・分散液 ・・・40重量部
そして、大気中にて、他方の基板16の上に一方の基板11を、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61の位置と第2シール材62の位置とが一致するように重ね合わせて(シール重なり幅0.6mm)、ラミネータ91で一定の押圧力をさらに付与しつつ、セルギャップ間隔が0.3mmとなるように、一方の基板11の第1シール材61と他方の基板16の第2シール材62とが密着された(図7参照)。このとき、両基板の間に気泡が残らないように、一方の基板11はカールされた状態で、一方の基板11及び他方の基板16の一方の側から対向する他方の側に向けて、第1シール材61及び第2シール材62で囲まれた空間の容積を超える余剰のインキを押し出しながら、貼り合わされた。この結果、セル内には規定量のインクのみが充填された。
その後、紫外線を露光(露光量3000mJ/cm)してシール材61,62を硬化させた。
以上により作製されたマザーパネル基板81は、断裁装置51によって所定のサイズに断裁され、表示パネルが作製された。
以上のようにして得られた表示パネル1において、対向基板配置工程後のシール材61,62の一方の基板11と接する幅Wを観察したところ、幅Wは、1.9mmであった。本実施例では第1シール材61と第2シール材62とは、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61の位置sと第2シール材62の位置sとが一致するように配置されたため、シール重なり部分の幅wは、第1シール材61及び第2シール材62の線幅と同じである。したがって、シール重なり率すなわち強接着分率は、31%(=(0.6mm/1.9mm)×100%)であった。
そして表示パネル1に対して、小型冷熱衝撃装置(エスペック製:TSE11A)を用いてヒートショック試験(−20℃の環境下に30分間及び80℃の環境下に30分間置き、これを10サイクル及び20サイクル繰り返す)を行った。このような表示パネル1に対して表示品質を評価したところ、10サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル1においては、表示品質が極めて良好であり、気泡の発生も観測されなかった。また、20サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル1においても、表示品質が極めて良好であり、気泡の発生も観測されなかった。
これは、第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり部分s12の幅wが十分に広かったため、強接着分率も十分に高く、結果として、シール材61,62のシール性能を十分に高くすることができたためであると考えられる。すなわち、表示パネル1においては、ヒートショック試験において繰り返された基板やシール材の膨張収縮により基板とシール材との間に繰り返し加えられた力に十分に耐えることのできるシール性能を実現することができたためであると考えられる。
また、第1シール材61及び第2シール材62が十分に太い線幅で一方の基板11及び他方の基板16上に塗工されたため、シール材61,62と一方の基板11及び他方の基板16との間にインキ13が存在しない領域を切れ目無く実現することができ、シール材61,62と一方の基板11との間、及びシール材61,62と他方の基板16との間に、外部からの水分や空気の侵入や表示領域60からのインキ13の溶剤の浸出を許す経路が形成されなかったためであると考えられる。
さらに、第1シール材61と第2シール材62とが互いに十分に押し潰されたため、第1シール材61と第2シール材62との間に挟まれた気泡やインキ13の量が少なく、第1シール材61と第2シール材62との間の接着強度も十分に高かったためであると考えられる。
<実施例1−2>
前記実施例1−1に対して第2シール材62の位置を外側にずらし、第2シール材62を実施例1−1の場合よりも0.2mm外側に配置した。また、一方の基板11と他方の基板16とを、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり部分s12の幅wが0.4mmとなるように重ね合わせ貼り合わせた。そして、その他は同じ工程で、表示パネル2を作製した。
以上のようにして得られた表示パネル2において、対向基板配置工程後のシール材61,62の一方の基板11と接する幅Wを観察したところ、幅Wは、約1.9mmであった。本実施例では第1シール材61と第2シール材62とは、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり幅0.4mmとなるように、配置されたため、第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり率すなわち強接着分率は、約21%(=(0.4mm/1.9mm)×100%)であった。
そして表示パネル2に対して、前記実施例1−1と同様のヒートショック試験を行い、表示品質を評価したところ、10サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル2においては、表示品質が極めて良好であり、気泡の発生も観測されなかった。また、20サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル2においても、表示品質が極めて良好であり、気泡の発生も観測されなかった。
これは、第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり部分s12の幅wが十分に広かったため、強接着分率も十分に高く、結果として、シール材61,62のシール性能を高くすることができたためであると考えられる。すなわち、表示パネル2においては、ヒートショック試験において繰り返された基板やシール材の膨張収縮により基板とシール材との間に繰り返し加えられた力に十分に耐えることのできるシール性能を実現することができたためであると考えられる。
また、第1シール材61及び第2シール材62が十分に太い線幅で一方の基板11及び他方の基板16上に塗工されたため、シール材61,62と一方の基板11及び他方の基板16との間にインキ13が存在しない領域を切れ目無く実現することができ、シール材61,62と一方の基板11との間、及びシール材61,62と他方の基板16との間に、外部からの水分や空気の侵入や表示領域60からのインキ13の溶剤の浸出を許す経路が形成されなかったためであると考えられる。
さらに、第1シール材61と第2シール材62とが互いに十分に押し潰されたため、第1シール材61と第2シール材62との間に挟まれた気泡やインキ13の量が少なく、第1シール材61と第2シール材62との間の接着強度も十分に高かったためであると考えられる。
<実施例1−3>
前記実施例1−2に対して第2シール材62の位置をさらに外側にずらし、第2シール材62を実施例1−1の場合よりも0.4mm外側に配置した。また、一方の基板11と他方の基板16とを、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり部分s12の幅wが0.2mmとなるように重ね合わせ貼り合わせた。そして、その他は同じ工程で、表示パネル3を作製した。
以上のようにして得られた表示パネル3において、対向基板配置工程後のシール61,62の一方の基板11と接する幅Wを観察したところ、幅Wは、2mmであった。本実施例では第1シール材61と第2シール材62とは、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり幅0.2mmとなるように、配置されたため、第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり率すなわち強接着分率は、10%(=(0.2mm/2mm)×100%)であった。したがって、表示パネル3の強接着分率も10%であった。
そして表示パネル3に対して、前記実施例1−1と同様のヒートショック試験を行い、表示品質を評価したところ、10サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル3においては、表示品質が極めて良好であり、気泡の発生も観測されなかった。また、20サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル3においても、表示品質が極めて良好であり、気泡の発生も観測されなかった。
これは、第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり部分s12の幅wが十分に広かったため、強接着分率も十分に高く、結果として、シール材61,62のシール性能を高くすることができたためであると考えられる。すなわち、表示パネル3においては、ヒートショック試験において繰り返された基板やシール材の膨張収縮により基板とシール材との間に繰り返し加えられた力に十分に耐えることのできるシール性能を実現することができたためであると考えられる。
また、第1シール材61及び第2シール材62が十分に太い線幅で一方の基板11及び他方の基板16上に塗工されたため、シール材61,62と一方の基板11及び他方の基板16との間にインキ13が存在しない領域を切れ目無く実現することができ、シール材61,62と一方の基板11との間、及びシール材61,62と他方の基板16との間に、外部からの水分や空気の侵入や表示領域60からのインキ13の溶剤の浸出を許す経路が形成されなかったためであると考えられる。
さらに、第1シール材61と第2シール材62とが互いに十分に押し潰されたため、第1シール材61と第2シール材62との間に挟まれた気泡やインキ13の量が少なく、第1シール材61と第2シール材62との間の接着強度も十分に高かったためであると考えられる。
<実施例1−4>
前記実施例1−3に対して第2シール材62の位置をさらに外側にずらし、第2シール材62を実施例1−1の場合よりも0.5mm外側に配置した。また、一方の基板11と他方の基板16とを、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり部分s12の幅wが0.1mmがとなるように重ね合わせ貼り合わせた。そして、その他は同じ工程で、表示パネル4を作製した。
以上のようにして得られた表示パネル4において、対向基板配置工程後のシール材61,62の一方の基板11と接する幅Wを観察したところ、幅Wは、2mmであった。本実施例では第1シール材61と第2シール材62とは、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり幅0.1mmとなるように、配置されたため、第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり率すなわち強接着分率は、5%(=(0.1mm/2mm)×100%)であった。したがって、表示パネル4の強接着分率も5%であった。
そして表示パネル4に対して、前記実施例1−1と同様のヒートショック試験を行い、表示品質を評価したところ、10サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル4においては、表示品質が極めて良好であり、気泡の発生も観測されなかった。しかし、20サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル4においては、少量の気泡の発生が観測された。
20サイクルのヒートショック試験後に少量の気泡の発生が観察されたのは、表示パネル4のシール材61,62の強接着分率が表示パネル1乃至3のシール材61,62の強接着分率よりも低く、シール材61,62と一方の基板11及び他方の基板16との間の接着強度が表示パネル1乃至3よりも低かったためであると考えられる。すなわち、表示パネル4のシール材61,62のシール性能は、20サイクルのヒートショック試験において繰り返された基板やシール材61,62の膨張収縮によって基板とシール材61,62との間に繰り返し加えられ力に耐えることができるほど高くはなかったためであると考えられる。
しかし、表示パネル4のシール材61,62のシール性能は、10サイクルのヒートショック試験に耐えることができる程高く、したがって実用上問題のない程度に十分高いといえる。
<実施例2−1>
前記実施例1−1に対して、第2シール材62を第1シール材61の線幅よりも細い0.3mmで第1シール材61の厚さより小さい30μmで配置した。また、一方の基板11と他方の基板16とを、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり幅が0.3mmとなるように重ね合わせ貼り合わせた。そして、その他は同じ工程で、表示パネル5を作製した。
以上のようにして得られた表示パネル5において、対向基板配置工程後のシール材61,62の一方の基板11と接する幅Wを観察したところ、幅Wは、1.2mmであった。本実施例では第1シール材61と第2シール材62とは、一方の基板11側からの平面視において対向基板配置工程前の第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり部分s12の幅wが0.3mmとなるように、配置されたため、第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり率すなわち強接着分率は、25%(=(0.3mm/1.2mm)×100%)であった。したがって、表示パネル5の強接着分率も25%であった。
そして表示パネル5に対して、前記実施例1−1と同様のヒートショック試験を行い、表示品質を評価したところ、10サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル5においては、表示品質が極めて良好であり、気泡の発生も観測されなかった。また、20サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル5においても、表示品質が極めて良好であり、気泡の発生も観測されなかった。
これは、第1シール材61と第2シール材62とのシール重なり部分s12の幅wが十分に広かったため、強接着分率も十分に高く、結果として、シール材61,62のシール性能を高くすることができたためであると考えられる。すなわち、表示パネル5においては、ヒートショック試験において繰り返された基板やシール材の膨張収縮により基板とシール材との間に繰り返し加えられた力に十分に耐えることのできるシール性能を実現することができたためであると考えられる。
また、第1シール材61及び第2シール材62が十分に太い線幅で一方の基板11及び他方の基板16上に塗工されたため、シール材61,62と一方の基板11及び他方の基板16との間にインキ13が存在しない領域を切れ目無く実現することができ、シール材61,62と一方の基板11との間、及びシール材61,62と他方の基板16との間に、外部からの水分や空気の侵入や表示領域60からのインキ13の溶剤の浸出を許す経路が形成されなかったためであると考えられる。
さらに、第1シール材61と第2シール材62とが互いに十分に押し潰されたため、第1シール材61と第2シール材62との間に挟まれた気泡やインキ13の量が少なく、第1シール材61と第2シール材62との間の接着強度も十分に高かったためであると考えられる。
<比較例1−1>
前記実施例1−1に対して、図13に示すように、表示媒体配置工程の前に他方の基板16上のみにシール材64を線幅1.0mm厚さ100μmで配置しその他は同じ工程で、表示パネル6を作成した。
以上のようにして得られた表示パネル6において、対向基板配置工程後のシール材64の一方の基板11と接する幅Wを観察したところ、幅Wは、2.6mmであった。本実施例ではシール材は一方の基板11上には配置されず他方の基板16上にのみ配置されたため、シール材64と一方の基板11との界面にインキ13が挟まってしまい、表示パネル6の強接着分率は0%であった。
そして表示パネル6に対して、前記実施例1−1と同様のヒートショック試験を行い、表示品質を評価したところ、10サイクルのヒートショック試験を行った表示パネル6において、気泡の発生が確認された。
これは、シール材64と基板との間の強接着分率が0%であったため、シール材64と一方の基板11との間の接着が所望の程度以上になされなかったためであると考えられる。すなわち、10サイクルのヒートショック試験において繰り返された基板やシール材64の膨張収縮により基板とシール材との間に繰り返し加えられた力によって、シール材64の少なくとも一部が基板から剥がされてしまったためであると考えられる。
また、前述のようにシール材64と一方の基板11との界面にインキ13が存在しない領域が実現されなかったため、シール材64と一方の基板11との間に、外部からの水分や空気の侵入や表示領域60からのインキ13の溶剤の浸出を許す経路が形成されたためであると考えられる。
各実施例及び各比較例の作製条件と評価結果について、図15に纏めて示す。なお、図15では、20サイクルのヒートショック試験を行っても気泡の発生が観察されなかったパネルを「優」と評価し、10サイクルのヒートショック試験を行っても気泡の発生が観察されなかったものの、20サイクルのヒートショック試験を行った場合に気泡の発生が確認されたパネルを「良」と評価し、10サイクルのヒートショック試験で気泡の発生が観察されたパネルを「不良」と評価している。
図15に示された結果から分かるように、強接着分率が高い表示パネルほどシール材61,62のシール性能も高く、強接着分率が10%以上の表示パネルでは、シール材61,62は、非常に高いシール性能を有している。また、シール材強接着分率が5%以上の表示パネルでは、シール材61,62は、少なくとも実用上問題のない程度に十分高いシール性能を有している。一方、強接着分率が0%の表示パネルでは、シール材64のシール性能は最も低く、10サイクルのヒートショック試験にも耐えることができなかった。
11 一方の基板
12 隔壁
13 インキ(表示媒体)
16 他方の基板
22 接着層
221 ヒートシール剤
31 ディスペンサ
32 アプリケータ
51 断裁装置
60 表示領域
61 第1シール材
62 第2シール材
63 シール材支持部材
64 シール材
70 外周部
81 マザーパネル基板
91 ラミネータ

Claims (7)

  1. 少なくとも一方が透明であり各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置、を製造する方法であって、
    一方の基板の所望の表示に利用される表示領域の外側に当該表示領域を囲むように第1シール材を配置する第1シール材配置工程と、
    他方の基板上であって前記一方の基板と前記他方の基板とが対向して所望に位置決めされる際に前記第1シール材に接触することができるような位置に、前記他方の基板の所望の表示に利用される表示領域を囲むように第2シール材を配置する第2シール材配置工程と、
    前記第1シール材配置工程の後の前記一方の基板の表示領域に、または、前記第2シール材配置工程の後の前記他方の基板の表示領域に、前記表示媒体を配置する表示媒体配置工程と、
    前記表示媒体配置工程の後に実施され、前記第1シール材と前記第2シール材とが互いに接触するように、前記一方の基板と前記他方の基板とを対向して所望に位置決めする対向基板配置工程と、
    を備えたことを特徴とする反射型表示装置の製造方法。
  2. 前記第1シール材と前記第2シール材とは、同一の材料で形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型表示装置の製造方法。
  3. 前記表示媒体が配置される基板上に前記第1シール材または前記第2シール材が配置される前に、当該基板の表示領域を囲むようにシール材支持部材を配置する工程
    を更に備え、
    前記シール材支持部材は、当該シール材支持部材が配置された基板側とは反対の側が開放された空間を有しており、
    前記第1シール材及び前記第2シール材のうち前記表示媒体が配置される基板のシール材は、前記第1シール材配置工程または前記第2シール材配置工程において、前記シール材支持部材の前記空間内に配置される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の反射型表示装置の製造方法。
  4. 前記対向基板配置工程において、前記一方の基板と前記他方の基板とは、前記第1シール材及び前記第2シール材のうち前記表示媒体が配置される基板のシール材が硬化した後に、対向して所望に位置決めされる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の反射型表示装置の製造方法。
  5. 少なくとも一方が透明であり各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置であって、
    一方の基板と他方の基板との間に、当該一方の基板及び当該他方の基板の表示領域を囲むように配置されたシール材
    を備え、
    前記シール材の前記一方の基板または前記他方の基板と接する幅に対して、当該幅のうち前記一方の基板または前記他方の基板側からの平面視において前記シール材と前記一方の基板との間において前記表示媒体が存在しない領域と前記シール材と前記他方の基板との間において前記表示媒体が存在しない領域とが重なり合う領域の幅は、5%以上である
    ことを特徴とする反射型表示装置。
  6. 前記シール材の前記一方の基板または前記他方の基板と接する幅に対して、当該幅のうち前記一方の基板または前記他方の基板側からの平面視において前記シール材と前記一方の基板との間において前記表示媒体が存在しない領域と前記シール材と前記他方の基板との間において前記表示媒体が存在しない領域とが重なり合う領域の幅は、10%以上である
    ことを特徴とする請求項5に記載の反射型表示装置。
  7. 前記一方の基板と前記他方の基板との間に、当該一方の基板及び当該他方の基板の表示領域を囲むように配置されたシール材支持部材
    を更に備え、
    前記シール材支持部材は、前記一方の基板に対向する側または前記他方の基板に対向する側が開放された空間を有しており、
    前記シール材は、前記シール材支持部材の前記空間内に配置されている
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の反射型表示装置。
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