JP2015018010A - 反射型表示装置 - Google Patents

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Toru Miyoshi
好 徹 三
梅 谷 雅 規
Masaki Umetani
谷 雅 規 梅
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Abstract

【課題】表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に水分や酸素等が侵入することが抑制された反射型表示装置、及び、反射型表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】反射型表示装置であって、表示領域を含む第1領域に配置された第1隔壁と、第2パターンで形成され、前記第1領域の周囲の第2領域に配置された第2隔壁と、前記第1隔壁及び前記第2隔壁の頂面と、少なくとも一方の基板と、の間に配置された接着層と、前記2枚の基板間に前記第1領域を囲むように配置され、当該2枚の基板と共同して前記第1領域上の空間を密閉する密閉部材と、を備え、前記第2隔壁は、前記第2領域の少なくとも一部を区画するように閉じた環状のパターンで形成されており、前記第1領域は、閉じた環状のパターンで形成された前記第2隔壁によって区画された領域の外側に位置し、前記第1隔壁と前記第2隔壁とは、不連続であることを特徴とする反射型表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子ペーパー等に応用されている反射型表示装置に関する。
反射型表示装置として、最近、表示媒体に含まれる電気応答性材料として電気泳動体を用いた電気泳動表示装置が広く用いられている。電気泳動表示装置とは、空気中または溶媒中の電気泳動体(通常は電気泳動する粒子)の電気的な泳動、すなわち粒子移動を利用して情報を表示する装置である。通常、2枚の基板間に電界を与えることで電気的な泳動の状態が制御され、それによって所望の表示が実現されるように構成される。電気泳動体としては、荷電粒子の他、荷電粉体も利用され得る。その場合、当該荷電粉体は気体中を電気的に泳動する。
電気泳動表示装置は、近年では特に、電子ペーパーとしての応用が注目されている。電子ペーパーとして応用する場合には、印刷物レベルの視認性(目にやさしい)、情報書き換えの容易性、低消費電力、軽量といった利点を享受できる。
電気泳動表示装置では、しかし、粒子や粉体の沈降や偏在に起因して、表示の不良、特にコントラストの低下が生じることがある。この現象を防止するべく、上下の電極基板間に隔壁を形成して、電気泳動する粒子や粉体の泳動空間、すなわち移動空間を微小な空間に分割することが採用されている。この微小な空間は、セルと呼ばれている。各セルの中に、電気泳動体を含むインキやガス(表示媒体)が封入されている。
例えば特許文献1(特許第4764069号公報)及び特許文献2(特許第2777729号公報)には、上下の電極基板間に隔壁を形成した電気泳動表示装置の従来例が開示されている。
特許第4764069号公報 特許第2777729号公報
ところで、セル内に封入された表示媒体の性状の変化やセル内における気泡の発生は、反射型表示装置の表示品質の低下につながってしまうが、本件発明者は、この問題について鋭意研究を重ねるうち、以下のような知見を得るに至った。
表示装置の表示領域に位置するセル内に当該領域の外部から水分や酸素等が侵入すると、当該セル内の表示媒体の性状が変化したり、当該セル内において気泡が発生したりしてしまう。従って、表示領域を囲うように密閉部材を配置して当該表示領域上の空間を上下の電極基板と共同して密閉すれば、当該表示領域のセル内に外部から水分や酸素等が侵入することを防ぐことができると考えられる。
しかしながら、表示領域の周囲に優れた密閉性能を持つシール剤を密閉部材として使用して当該表示領域上の空間を密閉しようとしても、当該表示領域の隔壁とその外周部の隔壁とが連続している場合、当該連続部にはシール剤が介在できないため、シール剤による密閉性能が完全に発揮されず、例えば隔壁の連続部を介して、前記表示領域に位置するセル内に水分や酸素等が侵入してしまうことがある。さらに水分や酸素等は、隔壁の頂面と少なくとも一方の基板とを接着するために用いられる接着材を介しても、表示領域に位置するセル内に侵入し得る。すなわち、表示領域の隔壁とその外周部の隔壁とが連続していない場合であっても、当該表示領域の隔壁とその外周部の隔壁とが接着材を介して連続している場合には、表示領域に配置されたセル内に、表示領域の外部から水分や酸素等が侵入し得る。
本発明は、このような事情に基づいて行われたものであり、その目的は、表示領域に位置するセル内に水分や酸素等が侵入することが抑制された反射型表示装置、及び、反射型表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置であって、前記2枚の基板間において、当該2枚の基板の所望の表示に利用される表示領域を含む第1領域に配置された第1隔壁と、前記2枚の基板間において、前記第1領域の周囲の領域の少なくとも一部である第2領域に配置された第2隔壁と、前記第1隔壁及び前記第2隔壁の頂面と、少なくとも一方の基板と、の間に配置された接着層と、前記表示領域の前記第1隔壁で区画された各領域内に配置された前記表示媒体と、前記2枚の基板間に前記第1領域を囲むように配置され、当該2枚の基板と共同して前記第1領域上の空間を密閉する密閉部材と、を備え、前記第2隔壁は、前記第2領域の少なくとも一部を区画するように閉じた環状のパターンで形成されており、前記第1領域は、閉じた環状のパターンで形成された前記第2隔壁によって区画された領域の外側に位置し、前記第1隔壁と前記第2隔壁とは、不連続であることを特徴とする反射型表示装置である。
本件発明者が得た知見によれば、例えば接着層を形成するために転写シート上に塗布された接着材上に隔壁を配置して当該隔壁の頂面に接着材を付着させる時、隔壁頂面に付着された接着材が隔壁の壁面へ濡れ広がってしまって、当該隔壁が形成されている基板上に付着してしまうことがある。本発明によれば、表示領域の外周部に配置された第2隔壁は、前記第2領域の少なくとも一部を区画するように閉じた環状のパターンで形成されている。これにより、転写シートの接着材上に配置された第2隔壁の内側には密閉空間が形成され、当該密閉空間内の内圧が転写シートの接着材表面に付与されることにより、転写シート上の接着材が隔壁壁面へ濡れ広がることが抑制される。この結果、接着材が隔壁が形成されている基板上に付着してしまう、ということが抑制される。また、本発明によれば、表示領域の隔壁とその外周部の隔壁とは不連続であるため、表示領域の外部から水分や酸素等が隔壁を介して当該表示領域に位置するセル内に侵入することが抑制される。以上により、表示領域の隔壁とその外周部の隔壁とが当該基板上の接着材を介して連続してしまって、当該接着材を介して表示領域の外部から水分や酸素等が表示領域に位置するセル内に侵入してしまう、ということが抑制される。
例えば、前記第2領域には、複数の第2隔壁が配置されており、前記複数の第2隔壁は、互いに不連続である。
好ましくは、複数の前記第2隔壁は、互いに同一のパターンで形成されている。この場合、第2隔壁を容易に形成可能な反射型表示装置が提供され得る。
好ましくは、前記第2隔壁の前記接着層側の頂面の幅は、前記第1隔壁の前記接着層側の頂面の幅よりも狭い。この場合、外周部の第2隔壁上に形成された接着層の厚みが表示領域の第1隔壁上に形成された接着層の厚みよりも大きくなる、ということが抑制される。これにより、第2隔壁上に形成された接着層の厚みが邪魔をして、第1隔壁上に形成された接着層と他方の基板との間の接着強度が所望の程度以上にならない、ということが抑制される。また、表示領域の外周部付近において2枚の基板の間隔が表示部のその他の領域よりも大きくなってしまう、ということも抑制される。
好ましくは、前記第1隔壁の外周面と、当該外周面と隣り合って配置された前記第2隔壁の外側壁面と、の間の距離は、200μm〜800μmである。この場合、第1隔壁と第2隔壁との間隔が狭すぎて当該隔壁上に付着された接着材が毛細管現象によって当該隔壁が形成されている基板上に移動してしまう、ということが抑制される。また、第1隔壁と第2隔壁との間隔が広すぎて当該隔壁上に接着材が付着される時に、隔壁上に接着材を転写させるための転写シートが撓んでしまうなどして当該隔壁が形成されている基板上に接着材が付着してしまう、ということが抑制される。
好ましくは、互いに隣り合って配置された前記第2隔壁の外側壁面間の距離は、200μm〜800μmである。この場合、互いに隣り合う第2隔壁同士の間隔が狭すぎて当該隔壁上に付着された接着材が毛細管現象によって当該隔壁が形成されている基板上に移動してしまう、ということが抑制される。また、互いに隣り合う第2隔壁同士の間隔が広すぎて当該隔壁上に接着材が付着される時に、隔壁上に接着材を転写させるための転写シートが撓んでしまうなどして当該隔壁が形成されている基板上に接着材が付着してしまう、ということが抑制される。
本発明によれば、表示領域の外部から水分や酸素等が隔壁または接着材を介して当該表示領域に位置するセル内に侵入することが抑制される。
図1は、本発明の一実施の形態による反射型表示装置の構成を概略的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。 図3は、隔壁形成工程の一例を概略的に示す図である。 図4は、本発明の一実施の形態による第1隔壁及び第2隔壁のパターンと第1隔壁及び第2隔壁の配置の一例を概略的に示す平面図である。図4(a)においては、第1隔壁が形成される領域(第1領域)と等しい表示領域を斜線部として示しており、図4(b)においては、第2隔壁が形成される領域(第2領域)と等しい外周部を斜線部として示しており、図4(c)においては、図4(a)及び図4(b)に示す第1隔壁の一部と当該第1隔壁の周囲に配置された第2隔壁とを示している。 図5は、隔壁の頂面の幅の定義について説明する図である。 図6は、接着層形成工程の一例を概略的に示す図である。 図7は、表示媒体配置工程の一例を概略的に示す図である。 図8は、導電性ペーストの機能を説明するための概略図である。 図9は、対向基板接着工程において、他方の基板上に一方の基板が接着されている様子を示す断面図である。 図10は、本発明の実施例による表示パネルにおける、第1隔壁と、第2隔壁と、接着層と、密閉部材と、の配置関係を概略的に示す図である。詳しくは、図10(a)が、表示領域に形成された第1隔壁と、外周部に第1隔壁と不連続に閉じた環状のパターンで形成された第2隔壁と、第1隔壁が形成された領域を囲むように配置された密閉部材と、を示す平面図であり、図10(b)が、図10(a)の10b−10b線断面図であって、第1隔壁と第2隔壁とが外周部から表示領域に渡って接着材を介して連続していない状態を概略的に示す図である。 図11は、本発明の比較例による表示パネルにおける、第1隔壁と、第2隔壁と、接着層と、密閉部材と、の配置関係を概略的に示す図である。詳しくは、図11(a)が、表示領域に形成された第1隔壁と、外周部に第1隔壁と連続して格子状に形成された第2隔壁と、第1隔壁が形成された領域を囲むように配置された密閉部材と、を示す平面図であり、図11(b)が、図11(a)の11b−11b線断面図であって、第1隔壁及び第2隔壁が密閉部材内を外周部から表示領域に亘って連続している状態を概略的に示す図である。 図12は、本発明の他の比較例による表示パネルにおける、第1隔壁と、第2隔壁と、接着層と、密閉部材と、の配置関係を概略的に示す図である。詳しくは、図12(a)が、表示領域に形成された第1隔壁と、外周部に第1隔壁と不連続ではあるが線状のパターンで形成された第2隔壁と、第1隔壁が形成された領域を囲むように配置された密閉部材と、を示す平面図であり、図12(b)が、図12(a)の12b−12b線断面図であって、接着材が密閉部材内を外周部から表示領域に亘って連続して配置されている状態を概略的に示す図である。 図13は、本発明のさらに他の比較例による表示パネルにおける、第1隔壁と、第2隔壁と、接着層と、密閉部材と、の配置関係を概略的に示す図である。詳しくは、図13(a)が、表示領域に形成された第1隔壁と、外周部に第1隔壁と不連続ではあるがドットパターンで形成された第2隔壁と、第1隔壁が形成された領域を囲むように配置された密閉部材と、を示す平面図であり、図13(b)が、図13(a)の13b−13b線断面図であって、接着材が密閉部材内を外周部から表示領域に亘って連続して配置されている状態を概略的に示す図である。 図14は、本発明のさらに他の比較例による表示パネルにおける、第1隔壁と、第2隔壁と、接着層と、密閉部材と、の配置関係を概略的に示す図である。詳しくは、図14(a)が、表示領域に形成された第1隔壁と、外周部に第1隔壁と連続して且つ広い線幅で形成された第2隔壁と、第1隔壁が形成された領域を囲むように配置された密閉部材と、を示す平面図であり、図14(b)が、図14(a)の14b−14b線断面図であって、第1隔壁及び第2隔壁が密閉部材内を外周部から表示領域に亘って連続している状態、及び、第2隔壁上に形成されている接着層の厚みが邪魔をして第1隔壁上に形成された接着層と他方の基板とが所望のように接着されていない状態を概略的に示す図である。
図1は、本発明の一実施の形態による反射型表示装置の構成を概略的に示す断面図である。本実施の形態による反射型表示装置は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間11,16に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体13が封入されていて、2枚の基板11,16間に所定の電界が与えられる際に表示媒体13が所望の表示をするようになっている。ここで、本件の明細書及び特許請求の範囲において「透光性」とは、光を透過する性質、という程度の意味である。本実施の形態においては、視認側に配置される基板は、全光透過率が50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上となるような透光性を有している。
図1乃至図14において、一方の基板11及び他方の基板16の面上には、電極が設けられているが、それらの電極の図示は省略されている。本実施の形態においては、一方の基板11が視認側に配置され、他方の基板16が非視認側に配置される。
一方の基板11としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透光性フィルムや透光性ガラスに、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の透光性を有する電極(透光性電極)を付したものが、典型的に用いられ得る。
透光性電極は、塗工法やスパッタリング、真空蒸着法、CVD法等によって形成され得る。透光性電極は、アクティブマトリクス駆動の場合及びセグメント駆動の場合は共通電極として用いられるので、必ずしもパターンが形成されている必要は無く、基板全面が電極であってもよい。一方、パッシブマトリクス駆動の場合、対向する両方の基板はパターン電極である必要があるため、前記透明電極もストライプなどのパターンで形成される。
一方の基板11の厚みは、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
一方の基板11は、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
他方の基板16としては、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等の基材の表示媒体側の面に金属等の導電性材料によって対向電極が形成されたものが用いられ得る。また他方の基板16は、透光性を有する基材が用いられてもよい。さらに透光性を有しているが不透明な基材であってもよく、電極面とは異なるもう一方の面を粗面化した不透明なガラス基材、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等が用いられ得る。本実施の形態では、他方の基板16は、視認側と反対側の位置に配置されるため、透光性を有している必然性はない。しかし、熱膨張特性など一方の基板11と同じ物性が必要とされる場合は、一方の基板11と同様の透光性の部材が使用され得る。
対向電極としては、セグメント駆動及びパッシブマトリクス駆動の場合はパターン状の電極、また、アクティブマトリクス駆動の場合はTFT(Thin Film Transistor)が配置される画素電極が用いられる。
他方の基板16の厚みも、一方の基板11の厚みと同様に、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
他方の基板16も、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
以下では、一方の基板11ないし他方の基板16上において、所望の表示に利用される領域を「表示領域」と称し、表示領域の周囲の領域を「外周部」と称する。
<反射型表示装置の製造方法>
図2は、本発明の一実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。
図3は、隔壁形成工程の一例を概略的に示す図である。図3に示すように、まず、一般には水平方向に載置される一方の基板11の上面に、例えばフォトリソグラフィ法(紫外線(UV)照射による露光→現像→焼成)によって、所定のパターンの隔壁12が形成される。隔壁12は、少なくとも表示領域60において、後述する複数のセルを規定する部材である。
隔壁12は、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、常温硬化樹脂等によって構成可能であり、隔壁12の形成方法は、フォトリソグラフィ法の他、エンボス加工などの型転写方法も採用され得る。さらに、所望のパターンの構造物を隔壁として製造しておいて、それを一方の基板11に貼り付けるという方法も採用され得る。
図4に示すように、本実施の形態においては、隔壁12は、表示領域60を含む第1領域に格子状のパターンで形成された第1隔壁121と、第1領域の周囲の領域の少なくとも一部である第2領域に形成された第2隔壁122と、を含んでいる。第2領域には、複数の第2隔壁が互いに不連続に形成される。第2隔壁122の各々は、第2領域の少なくとも一部を区画するように閉じた環状のパターンで形成され、第1領域は、閉じた環状のパターンで形成された第2隔壁122によって区画された領域の外側に位置している。ここで、本件の明細書及び特許請求の範囲においては、「第2隔壁によって区画された領域」とは、第2隔壁122が形成されている側から一方の基板11または他方の基板16の側に向かう方向に見て、閉じた環状のパターンで形成された第2隔壁122によって閉じられた領域、すなわち第2隔壁122の内側の領域を意味する。また、表示領域60を含む第1領域に形成される第1隔壁121とその周囲の第2領域に形成される第2隔壁122とは、不連続に形成される。本実施の形態においては、第1領域及び表示領域60、並びに、第2領域及び外周部70は、図4(a)及び図4(b)に示すように、一致している。
なお、本件の明細書及び特許請求の範囲においては、「表示領域を含む(第1)領域」という用語の意味には、「表示領域をその一部に含む(第1)領域」という意味だけでなく、図4(a)に示すような「表示領域に一致する(第1)領域」という意味も含まれている。
表示領域60に形成される第1隔壁121の頂面の幅は、9μm〜50μm、好ましくは9μm〜20μmである。9μmというのは、隔壁12が倒れることなくパターニングできる線幅の下限である。隔壁12の頂面の幅が9μm未満である場合、隔壁12の長さが60μm以上に亘るようなパターンでは、少なくとも隔壁12の一部が倒れたり、剥がれたり、剥がれた隔壁12が基板上を移動したりする。そうなった場合には、隔壁12による粒子の移動を防ぐという機能が失われ、表示品質が劣化してしまう。一方、好適な範囲の上限である50μmというのは、目視したときに隔壁12が目立ち過ぎない上限である。
ここで、隔壁12の頂面の幅の定義を、図5に示す。頂面の角が丸まっていなければ、図5(a)や図5(b)に示すように、頂面の幅はそのまま定義される。一方、頂面の角が丸まっている場合には、図5(c)や図5(d)に示すように、頂面の延長面と壁面の延長面との交線間の幅として理解される。評価のための測定方法としては、隔壁12が形成された一方の基板11を硬化性樹脂にて包埋し、ミクロートーム(大和光機工業株式会社製:FX−801)により隔壁12の断面を切り出し、走査電子顕微鏡(SEM)によって撮影した画像に基づいて各幅を測定することができる。
一方、外周部に形成された第2隔壁122の頂面の幅は、9μm〜20μm、好ましくは9μm〜10μmである。隔壁122の頂面の幅が9μm未満である場合、当該隔壁122の一部が倒れたり、剥がれたり、剥がれた隔壁122が基板上を移動したりする。本実施の形態では、第2隔壁122の頂面の幅は、第1隔壁121の頂面の幅と同じであるが、後述する接着層形成工程において第2隔壁122上に形成される接着層22の厚さが第1隔壁121上に形成される接着層22の厚さよりも小さくなるように、第2隔壁122の頂面の幅は、第1隔壁121の頂面の幅よりも狭くてもよい。
表示領域60に形成される第1隔壁121のパターンの形状は、円、格子、ハニカム状(六角形)、その他の多角形など、基本的に任意である。開口率は、70%以上が好ましく、特に90%以上が好ましい。高開口率であるほど、表示可能エリアが広くなるため、高コントラストを得ることができる。
また、外周部70に形成される第2隔壁122のパターンの形状は、本実施の形態では円形であるが、閉じた環状のパターンであれば、六角形やその他の多角形など、他の形状を採用可能である。第2隔壁122のパターンの形状は、円形が最も好ましく、多角形の場合には、正多角形或いはそれに近い形状であることが好ましい。さらに、多角形の場合には、五角形以上の多角形であることが好ましい。なぜなら、このような場合、第2隔壁122によって区画されるセルの角部の角度が小さすぎて毛細管現象により当該セル内に接着材221が侵入してしまう、ということが抑制されるからである。セル内に接着材221が侵入してしまうと、当該セルを区画する第2隔壁122上に形成される接着層22の厚みが大きくなってしまうことがある。接着層22が大きな厚みを有する場合、後述する対向基板配置工程において接着層22と他方の基板16とが接着される時に、周囲の隔壁12上の接着層22同士が連続して水分や酸素が表示領域60内に侵入する経路を形成してしまうことがある。また、この場合、接着層22と他方の基板16との貼り合わせの為の圧力を高くする必要があるが、本件発明者の知見によれば、貼り合わせのための圧力が過剰に高い場合、各セルの表示媒体13中の粒子の濃度分布にバラツキが生じてしまったり、セル内が過剰に減圧されてしまって当該セル内における気泡の発生を引き起こしてしまう。
また、本実施の形態においては、第2隔壁122のパターンの形状は、互いに同一であるが、互いに異なっていてもよい。閉じた環状のパターンで形成された第2隔壁122の内径Rは、好ましくは50μm〜800μmである。ここで、第2隔壁122の内径Rは、第2隔壁122のパターンの形状が多角形の場合には、第2隔壁122の頂面の側から一方の基板11の側に向かう方向に見て、第2隔壁122の内側壁面と外接する最大の円の半径として定義される。
内径Rが50μmよりも小さい場合には、後述する接着層形成工程において第2隔壁122上に付着された接着材221が、第2隔壁122の頂面が転写シート20から剥離された後に毛細管現象によって第2隔壁122の内側に侵入してしまうからである。また、800μmより大きいと、当該接着層形成工程において隔壁121,122上に接着材221を転写させるための転写シート20が撓むなどして、当該転写シート20上の接着材221が一方の基板11上に付着してしまう虞がある。一方の基板11上に付着した接着材221の厚みが大きいと、接着層22と他方の基板16とが貼り合わされた時、当該接着材221の周囲における一方の基板11と他方の基板16との間の距離が、他の領域における一方の基板11と他方の基板16との間の距離よりも大きくなってしまう。或いは、基板間の距離を一定にするために、一方の基板11と他方の基板16との貼り合わせの為の圧力を大きくする必要が生じてしまい、各セルの表示媒体13中の粒子の濃度分布にバラツキが生じてしまったり、セル内が過剰に減圧されてしまって当該セル内における気泡の発生を引き起こしてしまうことがある。
第1隔壁121の外周面121aと、当該外周面121aと隣り合って配置された第2隔壁122の外側壁面122aと、の間の距離L1は、好ましくは200μm〜800μmである。また、互いに隣り合って配置された第2隔壁122の外側壁面122a間の距離L2は、好ましくは200μm〜800μmである。200μmより小さいと、後述する接着層形成工程において隔壁121,122上に接着層22として配置された接着材221が、毛細管現象によって一方の基板11上に移動してしまうからである。また、800μmより大きいと、当該接着層形成工程において隔壁121,122上に接着材221を転写させるための転写シート20が撓むなどして、当該転写シート20上の接着材221が一方の基板11上に付着してしまうからである。
隔壁121,122の厚みは、5〜50μm、好ましくは10〜50μmである。5μm以下では、充填するインキ量が少なく、十分な表示特性、特にコントラストが得られない一方、50μm以上では、パネルの厚みが厚すぎて、駆動電圧が上昇し過ぎてしまう。低駆動電圧で良好な表示特性が得られるという観点から、10〜50μmの範囲の厚みが好適である。
第1隔壁121のセルのサイズ(ピッチ)は、表示パネルの大きさにもよるが、0.05〜1mmピッチ、好ましくは0.1〜0.5mmピッチである。ここで、ピッチとは、隣接するセルを重ねるべく移動させるのに必要な距離を意味している。
次に、隔壁12上に接着層22が形成される(接着層形成工程:図2の工程(2))。この接着層形成工程では、例えば転写法や印刷法により、ポリエステル系熱可塑性接着材のような熱可塑性樹脂が、1μm〜100μmの厚みで形成される。好ましくは、1μm〜50μmの厚みで形成され、特に好ましくは、1μm〜20μmの厚みで形成される。
転写法として典型的な熱転写法の一例について具体的な説明を補足すれば、図6に示すように、例えば基材21としてのPETフィルム上に20μmの厚みでポリエステル系熱可塑性接着剤のような接着材221を形成した転写シート20を用意する。次に、この転写シート20を、接着材221の面が一方の基板11の隔壁12の頂面上に配置されるように、一方の基板11と対向して配置する。この状態で、一方の基板11と転写シート20とを、常温で1kPaの圧力でラミネートする。ラミネートの後で、一方の基板11を、一方の基板11側の隔壁12の端部が一方の基板11とは反対の側の当該隔壁12の頂面よりも高い位置となるように向けられた状態にして、一方の基板11と転写シート20とを接着材221の軟化温度以上の温度で1分間加熱する。これにより、隔壁12上に接着層22が形成される。
接着層22を形成するための接着材221としては、熱可塑性材料を用いた接着材が好ましく、加熱により軟化して、冷却すると固化する性質を有し、冷却と加熱を繰り返した場合に、塑性が可逆的に保たれる材料である。
熱可塑性材料からなる接着材221を接着層22として用いた場合には、転写シート基材21上の固化している接着材221をその軟化温度を超える温度にまで加熱することにより軟化させて、隔壁頂面のみに確実に接着材221を熱転写することもできる。また、熱転写後の接着材221は常温まで冷却して再び固化することにより、タック、すなわちねばつきが無くなるため、取り扱いの便宜が極めて良い。また、タック、すなわちねばつきが無いことによって、セル内に充填された表示媒体13が接着材221と接着してしまうことがない。そして、再び隔壁頂面の接着材221をその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることにより、タック、すなわちねばつきを有するようになるため、他方の基板16に確実に接着される。他方の基板16との接着後の接着材221は、再び常温においてはタック、すなわちねばつきが無いため、やはり表示媒体13が接着材221と接着してしまうことがなく、表示品質の低下のおそれもない。
具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタンなどの熱可塑性ベースポリマーや、天然ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体などの熱可塑性エラストマーを主成分とし、粘着性付与樹脂や可塑剤を配合した樹脂が主に使用される。
隔壁12と接着材221との密着性を上げるために、隔壁12に紫外線照射やプラズマ処理などにより表面処理が施されてもよいし、プライマーが形成されてもよい。あるいは、接着材221の方にシランカップリング剤が添加されてもよい。
次に、一方の基板11の表示領域60の外周に、表示領域60の外部から表示領域60内への水分や酸素等の侵入を妨げる密閉部材61が、一方の基板11の隔壁の頂面と他方の基板16とが接着される際に一方の基板11及び他方の基板16と共同して表示領域60上の空間を密閉することができるように、配置される(密閉部材配置工程:図2の工程(3))。
密閉部材61の配置方法の一例について具体的な説明を補足すれば、当該密閉部材61は、例えば紫外線硬化性樹脂のような接着材を、ディスペンサを用いて線幅0.5mm、高さ50μmで線状に塗布することによって配置される。
密閉部材61は、紫外線硬化性樹脂の他に、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、ヒートシール樹脂等によっても構成可能である。また、密閉部材61は、ディスペンサの他に、各種の印刷法によって、あるいは、熱圧着によっても配置可能であり、他方の基板16上に配置されてもよい。
次に、一方の基板11上に表示媒体としてのインキ13が配置される(表示媒体配置工程:図2の工程(4))。図7は、表示媒体配置工程の一例を概略的に示す図である。ここでは、(1)ディスペンサ31あるいはインクジェット、ダイコートからインキ13が滴下され(インキ滴下工程)、(2)アプリケータ32あるいはドクターブレード、ドクターナイフ、中央スキージによって面内均一となるようにインキ13が塗布される(インキ塗布工程)。なお、インキ13は、一方の基板16上に配置されてもよい。
表示媒体13としては、少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が用いられ得る。電気応答性材料としては、電荷粒子材料、液晶材料があり、電荷粒子材料には白や黒、カラーなどの色づけされた粒子が電場に応答して移動するいわゆる電気泳動材料、または、粒子が二色に色分けされ電場により回転するツイストボールに代表される材料、または、電場により移動するナノ粒子材料等がある。一方、液晶材料は、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)で知られる透過と散乱を電気的に制御する材料や、液晶に色素を混合した材料、コレステリック液晶材料などがある。これらの電気応答性を有し光学特性を変化させる材料は、種類を問わずセルに隔離する必要があり、本発明の適用対象である。
図2に戻って、表示媒体配置工程の後で、導電性ペースト塗布工程が実施される(導電性ペースト塗布工程:図2の工程(5))。図8は、導電性ペーストの機能を説明するための概略図である。導電性ペースト14は、例えば銀ペーストのような金属ペーストであり、例えばディスペンサ41あるいはインクジェット、タンポ印刷、パット印刷、スタッピング印刷によって所定位置に塗布される。導電性ペースト14は、図8に示すように、他方の基板16に電圧をかけるための配線として機能する。一方の基板11の透光性電極と他方の基板16の対向電極との間に所定の電界(電圧)が与えられる際、表示媒体であるインキ13中の電気応答性材料が駆動され、文字パターン等の所望の情報が表示される。その後、電界が与えられなくなっても、新たな電界が両基板間に与えられるまで、当該情報表示状態が維持される。
その後、隔壁12上の接着層22及び密閉部材61と、一方の基板11に対して対向する他方の基板16とが接着される(対向基板接着工程:図2の工程(6))。これにより、表示媒体(インキ13)が各セル内に封止される。
対向基板接着工程は、図9に示すように、接着層22として転写された接着材221を加熱させて接着力を得るようになっている。具体的には、ラミネータ91によって所定の熱圧着圧力(ラミネート圧力)を付与しながら、接着材221を周辺からその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることによって、隔壁12と他方の基板16とを接着する。もっとも、他の熱圧着の態様が採用されてもよい。
更に、本実施の形態では、ラミネータ91による接着の後で、さらに両基板11、16の四辺(周辺部)を熱圧着する四辺熱圧着工程が実施される。具体的には、両基板11、16の四辺(周辺部)の下方にホットプレート92を敷いておいて、両基板11、16の四辺部を内側から外側に金属片93でラミネート圧を加えることで実施される。
その後、図2に示すように、ギロチン、上刃スライド装置、レーザカット装置、レーザーカッター等の断裁装置51によって所定のサイズに断裁され(断裁工程:図2の工程(7))、所望の反射型表示装置の製造が完了する。
以上のように、本実施の形態によれば、表示領域60の外周部70に配置された第2隔壁122は、外周部70の少なくとも一部の領域を区画するように閉じた環状のパターンで形成されている。これにより、転写シート20の接着材221上に配置された第2隔壁122の内側には密閉空間が形成され、当該密閉空間内の内圧が転写シート20の接着材221表面に付与されることにより、転写シート20上の接着材221が隔壁壁面へ濡れ広がることが抑制される。この結果、接着材221が隔壁12が形成されている基板11上に付着してしまう、ということが抑制される。また、表示領域60の隔壁121とその外周部70の隔壁122とは不連続であるため、表示領域60の外部から水分や酸素等が隔壁12を介して当該表示領域60に位置するセル内に侵入することが抑制される。以上により、表示領域60の隔壁121とその外周部70の隔壁122とが当該基板11上の接着材221を介して連続してしまって、当該接着材221を介して表示領域60の外部から水分や酸素等が表示領域60に位置するセル内に侵入してしまう、ということが抑制される。
また、本実施の形態においては、複数の第2隔壁122は、互いに同一のパターンで形成されているため、第2隔壁122を容易に形成し得る。
また、第2隔壁122の接着層22側の頂面の幅が第1隔壁121の接着層22側の頂面の幅よりも狭ければ、外周部70の第2隔壁122上に形成された接着層22の厚みが表示領域60の第1隔壁121上に形成された接着層22の厚みよりも大きくなる、ということが抑制される。これにより、第2隔壁122上に形成された接着層22の厚みが邪魔をして、第1隔壁121上に形成された接着層22と他方の基板16との間の接着強度が所望の程度以上にならない、ということが抑制される。また、表示領域60の外周部70付近において2枚の基板11,16の間隔が表示領域60のその他の領域よりも大きくなってしまう、ということも抑制される。
また、本実施の形態においては、第1隔壁121の外周面121aと、当該外周面121aと隣り合って配置された第2隔壁122の外側壁面122aと、の間の距離は、200μm〜800μmである。これにより、第1隔壁121と第2隔壁122との間隔が狭すぎて当該隔壁121,122上に付着された接着材221が毛細管現象によって当該隔壁121,122が形成されている一方の基板11上に移動してしまう、ということが抑制される。また、第1隔壁121と第2隔壁122との間隔が広すぎて当該隔壁121,122上に接着材221が付着される時に、隔壁121,122上に接着材221を転写させるための転写シート20が撓んでしまうなどして当該隔壁121,122が形成されている一方の基板11上に接着材221が付着してしまう、ということが抑制される。
また、本実施の形態においては、互いに隣り合って配置された第2隔壁122の外側壁面122a間の距離は、200μm〜800μmである。これにより、互いに隣り合う第2隔壁122同士の間隔が狭すぎて当該隔壁上122に付着された接着材221が毛細管現象によって当該隔壁122が形成されている一方の基板11上に移動してしまう、ということが抑制される。また、互いに隣り合う第2隔壁122同士の間隔が広すぎて当該隔壁122上に接着材221が付着される時に、隔壁12上に接着材221を転写させるための転写シート20が撓んでしまうなどして当該隔壁122が形成されている一方の基板11上に接着材221が付着してしまう、ということが抑制される。
次に、実際に行われた実施例について説明する。
<反射型表示装置の実施例>
<実施例1>
一方の基板11として、300mm×400mm×厚さ0.1mmのPETフィルム(東洋紡製A4100)の一方の面に透光性電極として酸化インジウムスズ(ITO)蒸着膜(厚さ0.2μm)が設けられた基板が用意された。透光性電極は、スパッタリング、真空蒸着法、CVD法などの一般的な成膜方法によって形成され、酸化インジウムスズ(ITO)の他に、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等によっても形成され得る。
次に、当該一方の基板11に、ネガ型感光性樹脂材料(デュポンMRCドライフィルムレジスト(株)製のドライフィルムレジスト)を20μmの厚さにラミネートして100℃、1分間の条件で加熱し、次いで露光マスクを使用して露光(露光量500mJ/cm)し、その後、1%KOH水溶液を用いた現像を30秒行い、200℃、60分間の条件で焼成することで、表示領域60に第1隔壁121が形成され、外周部70に複数の第2隔壁122が、互いに不連続に、且つ、第1隔壁121と不連続に形成された。第1隔壁121は、全体として格子状のパターン(ピッチ300μm)で形成された。また、各第2隔壁122は、外周部70の少なくとも一部を区画するように閉じた丸い環状のパターン(外径300μm)で形成された。第1隔壁121及び第2隔壁122の頂面の幅は、共に、20μmであった。第1隔壁121の外周面121aと、当該外周面121aと隣り合って形成された第2隔壁の外側壁面122aと、の間の距離L1は、300μmであった。また、互いに隣り合って形成された第2隔壁122の外側壁面122a間の距離L2は、300μmであった。
そして、転写シート基材21として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人・デュポン社製)が用いられ、これにヒートシール剤221(東洋紡製バイロン630)が厚さ20μmでダイコーダにて塗布され、乾燥された。これにより、10μmの接着層を有するロール状の転写シート20が作製された。なお、ヒートシール剤221の軟化温度は約110℃であった。
そして、転写シート20の上に、一方の基板11が、その隔壁12が形成されている側の面を下にした状態で載せられ、この状態で、1kPa程度の押圧力で常温でラミネートされた。その後、ヒートシール剤221の周辺がその軟化温度を超える温度、例えば130℃程度にまで加熱され、その状態で一方の基板11が、転写シート20から剥離された。その結果、ヒートシール剤221が隔壁12の頂面の全面に熱転写された。この時、表示領域60においても外周部70においても、転写シート20のヒートシール剤221は、一方の基板11上に付着されなかった。また、表示領域60においても外周部70においても、隔壁122の頂面に転写されたヒートシール剤221は、一方の基板11上に移動しなかった。また、第1隔壁121及び第2隔壁122の頂面からヒートシール剤221の頭頂部までの高さは、共に約7μmであった。
続いて、表示媒体として、以下の成分を有するインキ13が用いられ、ディスペンサ31から滴下されて、中央スキージ32(ニューロング製のスキージ1:ウレタン樹脂製)にてスキージ処理されて、各セル内に充填された。基板幅方向にはみ出した余剰インキは、別の両端スキージ33a、33b(ニューロング製のスキージ2:ウレタン樹脂製)にて掻き取られ、さらにロールワイパ34にて拭き取られた。
<インキ成分>
・電気泳動粒子(二酸化チタン)・・・60重量部
・分散液 ・・・40重量部
続いて、隔壁パターン外周の一部(2mm×2mmの正方形領域)に、銀ペースト(藤倉化成製)がディスペンサ41によって点塗布された。
次いで、他方の基板16として、300mm×400mm×厚さ0.5mmの無アルカリガラス(日本電気硝子製OA−10G)の一方の面に、Cu電極等の各種電極がパターン状に形成されたものが用いられた。各種電極のパターン形成は、一般的なエッチング法によって形成された。
続いて、表示領域60の外周を封止するために、他方の基板16上に、密閉部材61として紫外線硬化樹脂(イー・エッチ・シー(株)製:LCB−610)が、ディスペンサ(不図示)によって表示領域60の周囲に線状に切れ目無く塗工された。
そして、大気中にて、一方の基板11の隔壁12上の接着層22の上に他方の基板16を重ね合わせて、ラミネータ91で一定の熱圧着圧力をさらに付与しつつ、隔壁12内のセル容積を超える余剰のインクを押し出しながら、一方の基板11の隔壁12と他方の基板16とが密着された。
熱圧着時の温度は、ヒートシール剤221の軟化点または融点付近の温度であって、インクの蒸発が促進しない温度が好ましく、80℃〜150℃、好ましくは80℃〜90℃であり、本実施例では80℃であった。また、熱圧着圧力は、0.01MPa〜0.7MPaが好ましく、特には0.1MPa〜0.4MPaが好ましく、本実施例では0.3MPaであった。
続いて、表示領域60の周囲に配置された密閉部材61としての紫外線硬化樹脂に、一方の基板11側から紫外線を露光(露光量700mJ/cm)して硬化させた(外周封止処理)。その後、断裁装置51によって所定のサイズに断裁された。以上により表示パネルが作製された。
以上のようにして得られた表示パネルに対し、当該表示パネルを気温70℃の環境に1000時間おいた後に表示品質を評価するという環境試験を行ったところ、白反射率の低下は3%以内であった。また、表示領域60の外側と内側において、白及び黒の表示反射率は同等であった。なお、白反射率の低下の程度は、例えば白反射率50%程度の場合、5%以内であれば目立たない。
<実施例2>
前記実施例1に対し、第2隔壁122の頂面の幅を、第1隔壁122の頂面の幅よりも狭い15μmとして、その他は同じ工程で、表示パネルを作製した。
以上のようにして得られた表示パネルについて実施例1と同様の環境試験を行ったところ、白反射率の低下は3%以内であった。また、表示領域60の外側と内側において、白及び黒の表示反射率は同等であった。
<比較例1>
前記実施例1に対して、図11に示すように、第1隔壁121と第2隔壁122とを連続した格子状のパターンで形成し、その他は同じ工程で、表示パネルを作製した。
以上のようにして得られた表示パネルについて実施例1と同様の環境試験を行ったところ、表示品質の白反射率が5%以上低下した。また、表示領域60の外側と内側において、白及び黒の表示反射率は同等であった。
<比較例2>
前記実施例1に対して、図12に示すように、第1隔壁121の頂面幅と同じ頂面幅を有する第2隔壁122を、第1隔壁121と不連続ではあるが線状のパターンで形成し、その他は同じ工程で、表示パネルを作製した。
当該表示パネルの作製において、接着層形成工程で第2隔壁122の頂面上に付着された接着材221は、第2隔壁122の頂面から一方の基板11上に移動してしまって、第2隔壁122と第1隔壁121とが接着材221を介して連続した状態となってしまった。
以上のようにして得られた表示パネルについて実施例1と同様の環境試験を行ったところ、表示品質の白反射率が5%以上低下した。また、表示領域60の外側と内側において、白及び黒の表示反射率は同等であった。
<比較例3>
前記実施例1に対して、図13に示すように、第2隔壁122を、第1隔壁121と不連続ではあるドットパターンで形成し、その他は同じ工程で、表示パネルを作製した。
当該表示パネルの作製において、接着層形成工程で第2隔壁122の頂面上に付着された接着材221は、第2隔壁122の頂面から一方の基板11上に移動してしまって、第2隔壁122と第1隔壁121とが接着材221を介して連続した状態となってしまった。
以上のようにして得られた表示パネルについて実施例1と同様の環境試験を行ったところ、白反射率が5%以上低下した。また、表示領域60の外側と内側において、白及び黒の表示反射率は同等であった。
<比較例4>
前記実施例1に対して、図14に示すように、第2隔壁122を、第1隔壁121と連続して、第2隔壁122の頂面の幅が第1隔壁の頂面の幅よりも広い100μmの幅を有するように形成し、その他は同じ工程で、表示パネルを作製した。
以上のようにして得られた表示パネルについて実施例1と同様の環境試験を行ったところ、白反射率が5%以上低下した。また、表示領域60の外側と内側において、白及び黒の表示反射率が異なっていた。
また、当該表示パネルにおける第1隔壁及び第2隔壁と、他方の基板16と、の接着状況を観察したところ、図14(b)に示すように、第1隔壁121の一部が他方の基板16に所望のように接着されておらず、一方の基板11と他方の基板16との間隔が、表示領域60の他の領域における当該基板11及び16の間隔と比較して大きかった。
11 一方の基板
12 隔壁
121 第1隔壁
121a 第1隔壁の外周面
122 第2隔壁
122a 第2隔壁の外側壁面
13 インキ(表示媒体)
16 他方の基板
22 接着層
221 接着材(ヒートシール剤)
31 ディスペンサ
32 アプリケータ
51 断裁装置
60 表示領域
61 密閉部材
70 外周部
91 ラミネータ

Claims (6)

  1. 少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に所望の表示をする、反射型表示装置であって、
    前記2枚の基板間において、当該2枚の基板の所望の表示に利用される表示領域を含む第1領域に配置された第1隔壁と、
    前記2枚の基板間において、前記第1領域の周囲の領域の少なくとも一部である第2領域に配置された第2隔壁と、
    前記第1隔壁及び前記第2隔壁の頂面と、少なくとも一方の基板と、の間に配置された接着層と、
    前記表示領域の前記第1隔壁で区画された各領域内に配置された前記表示媒体と、
    前記2枚の基板間に前記第1領域を囲むように配置され、当該2枚の基板と共同して前記第1領域上の空間を密閉する密閉部材と、
    を備え、
    前記第2隔壁は、前記第2領域の少なくとも一部を区画するように閉じた環状のパターンで形成されており、
    前記第1領域は、閉じた環状のパターンで形成された前記第2隔壁によって区画された領域の外側に位置し、
    前記第1隔壁と前記第2隔壁とは、不連続である
    ことを特徴とする反射型表示装置。
  2. 前記第2領域には、複数の前記第2隔壁が配置されており、
    複数の前記第2隔壁は、互いに不連続である
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型表示装置。
  3. 複数の前記第2隔壁は、互いに同一のパターンで形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の反射型表示装置。
  4. 前記第2隔壁の前記接着層側の頂面の幅は、前記第1隔壁の前記接着層側の頂面の幅よりも狭い
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の反射型表示装置。
  5. 前記第1隔壁の外周面と、当該外周面と隣り合って配置された前記第2隔壁の外側壁面と、の間の距離は、200μm〜800μmである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の反射型表示装置。
  6. 互いに隣り合って配置された前記第2隔壁の外側壁面間の距離は、200μm〜800μmである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の反射型表示装置。
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