JP2014164000A - パターン光学フィルムの切断方法、および光学フィルム走行制御システム - Google Patents

パターン光学フィルムの切断方法、および光学フィルム走行制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】長尺状のパターン光学フィルムを、パターン境界の延在方向と平行な方向に切断するための方法、および光学フィルム走行制御システムを提供する。
【解決手段】本発明の製造方法は、長手方向に走行するパターン光学フィルム1の幅方向における走行位置が、位置検出部20よって検出される位置検出工程;位置検出工程における検出結果に応じて、光学フィルムの走行位置が幅方向において一定に保たれるように幅方向の走行位置が補正される位置補正工程;およびパターン光学フィルムが、パターン境界の延在方向と平行な方向に所定位置で切断される切断工程、を有する。位置検出工程では、パターン光学フィルムの第一の領域101と第二の領域102との境界105が、互いに異なる偏光に基づいて形成される明暗により光学的に検出される。
【選択図】図5

Description

本発明は、立体映像の形成等に用いられるパターン位相差板やパターン偏光板等のパターン光学フィルムの製造方法に関する。詳細には、本発明は、長尺状のパターン光学フィルム走行状態を制御して、パターン延在方向と平行に光学フィルムを切断する方法に関する。さらに、本発明は、パターン光学フィルムの走行状態を制御するための光学フィルム走行制御システムに関する。
高解像度の立体映像表示装置に対する需要が高まっており、各種の立体映像装置が実用化されている。立体表示の方式は、視認者に特殊な立体視用眼鏡を装着させる眼鏡方式と、立体視用眼鏡を必要としない裸眼方式とに大別される。眼鏡方式の一種に分類される偏光方式では、偏光方向が直交する右目用映像形成領域と左目用映像形成領域とが交互にストライプ状に形成されたパターン光学フィルムが用いられる(例えば特許文献1参照)。
立体映像表示用のパターン光学フィルムとして、例えば、吸収軸方向が直交する第一領域と第二領域とにパターニングされたパターン偏光板が挙げられる。遅相軸方向が直交する第一領域と第二領域とにパターニングされたパターン位相差板や、遅相軸方向が平行でリターデーションの差がλ/2である第一領域と第二領域とにパターニングされたパターン位相差板等も、立体映像表示用のパターン光学フィルムとして用いることができる。また、パターン位相差板と偏光板とが積層されたパターン円偏光板等も、立体映像表示装置に用いられている。
これらのパターン光学フィルムは、一般に、長尺状の基材フィルムを長手方向に搬送しながら、基材フィルム上に位相差層や偏光層等をストライプのパターン状に形成することによって製造される。そのため、パターン光学フィルムは、フィルムの長手方向とパターン延在方向とが平行であり、フィルムの幅方向に沿って第一領域と第二領域とを交互に有している。パターン光学フィルムは、一般に、映像表示装置よりも大きなサイズで製造された後、所定位置で切断され、映像表示装置の画面サイズと合致する製品サイズとなる。切断の際に、フィルムの切断位置が所期の位置と異なると、立体映像表示装置の画素領域と、パターン光学フィルムのパターンとの間に位置ズレを生じ、クロストークが生じる等の立体映像形成上の問題を生じる。
しかしながら、パターン形成やフィルム切断を行うために、長尺状のフィルムを巻回体から巻き出しながら搬送すると、フィルムの厚みムラや張力の不均一等に起因する蛇行が生じ、切断位置にズレを生じさせるとの問題がある。このような蛇行による位置ずれを防止するため、一般には、エッジポジションコントローラ(EPC:登録商標)が用いられる。EPCは、フィルムのエッジを検出し、その位置が常に一定となるように、フィルムの走行を制御するシステムである。
フィルムのエッジを検出して蛇行を補正する方法は、数mm程度の精度で、位置制御および補正が可能である。しかしながら、パターン光学フィルムを搬送しながら切断を行う場合、パターンの形成位置が一定でないと、所期の位置でのフィルムの切断が困難となる。例えば、フィルム上にパターン領域101,102が形成される際に蛇行が生じると、図10(A)に示すように、パターン光学フィルム1のエッジからパターン領域101までの距離W,Wが、フィルム長手方向(MD)で変化する。また、図10(B)に示すように、MD方向に対して斜め方向にパターンが形成されている場合も、パターン光学フィルム1のエッジからパターン領域101までの距離W31,W32が一定ではなくなる。
このように、光学フィルムのエッジからパターン形成領域までの距離Wが長手方向で変化する場合、フィルムのエッジを検出して蛇行を補正する方法を採用すると、切断線C2の位置が所期の切断位置と異なったり、切断線C3がパターン延在方向と非平行となり、製品不良の原因となる。
また、フィルム端部にカール等の変形が生じている場合、カールの発生状態等によって、エッジの位置が微妙に変化する。そのため、フィルムのエッジを検出する方法は、μmレベルの精度での位置制御は困難である。一方、立体映像表示用のパターン光学フィルムは、各パターン領域101,102の幅が、映像表示装置の画素の幅と略等しく、数十μmから数百μm程度である。そのため、切断位置を一定として、製品不良を抑制するためには、数μm〜10μm程度の位置精度での位置制御および補正が必要となる。
このような問題に鑑み、特許文献2では、長尺フィルムを搬送しながらフィルム上にパターンを形成する際に、高精度で位置制御および補正を行う方法が提案されている。特許文献2に開示の方法では、フィルム搬送経路の上流で基準位置にマーキングを形成し、このマーキングを下流で検出することにより、フィルムの搬送状態(蛇行角度θ)が算出され、当該算出結果に基づいて走行位置の制御(蛇行の補正)が行われた後、パターンの形成が行われる。
特開平10−123461号公報 特開2012−230380号公報
特許文献2に開示されているような、搬送経路の上流で付されたマーキングを下流で検出して幅方向の走行位置の制御を行う方法は、パターン形成後にフィルムを所期の位置で切断する際にも適用可能である。しかしながら、上流で付されたマーキングを下流で検出する方法により蛇行角度θを正確に算出するためには、マーキング形成からマーキング検出までのスパンを長くする必要がある。そのため、所定位置からの走行位置のズレが、上流にフィードバックされて位置補正が行われるまでに時間を要し、その間の製品は不良品となってしまう。すなわち、走行位置のズレが検出されてから位置補正が行われるまでの間は、図10(A)および図10(B)の切断線C2,C3のように、所期の切断線C1とは異なる位置や角度でパターン光学フィルムが切断される不良が是正されない。そのため、マーキングの形成から検出までのスパンが長くなると、歩留りの低下を招く傾向がある。一方、マーキングの形成から検出までのスパンを短くすると、蛇行角θの算出精度が低下するため、所期の位置で切断が行われるようにフィルムの走行位置を制御することが困難となる傾向がある。
また、上流で付されたマーキングを下流で検出する方法は、マーキングを形成するための装置や制御機構が複雑となる傾向がある。さらに、パターン形成時とパターン光学フィルムの切断時の両方で、蛇行の検出および補正のためにマーキングが形成されると、光学フィルム切断時の位置補正の際に、両者のマーキングが混在することによるマーキングの誤検出を生じる等の問題も発生し得る。
上記課題に鑑み、本発明は、長尺状のパターン光学フィルムを所定位置で切断する際に、簡便かつ高精度にフィルムの走行位置を検出し、走行位置のズレを補正することによって、パターン光学フィルムを歩留り高く生産することを目的とする。
本発明は、パターン光学フィルムの製造方法であって、第一の領域と第二の領域とを幅方向に沿って交互に有する長尺状のパターン光学フィルムを、パターン境界の延在方向と平行な方向に切断する工程(切断工程)を有する。パターン光学フィルムの第一の領域と第二の領域とは、偏光状態が互いに異なる光学特性を有している。
本発明のパターン光学フィルムの製造方法は、位置検出工程、位置補正工程、および切断工程を有する。位置検出工程は、長手方向に走行するパターン光学フィルムの幅方向における走行位置が、位置検出部よって検出される工程である。位置検出部では、パターン光学フィルムの第一の領域と第二の領域との境界が、互いに異なる偏光に基づいて形成される明暗により、光学的に検出される。位置補正工程は、位置検出工程における検出結果に応じて、光学フィルムの走行位置が幅方向において一定に保たれるように、幅方向の走行位置が補正される工程である。切断工程は、パターン光学フィルムが、パターン境界の延在方向と平行な方向に所定位置で切断される工程である。
さらに、本発明は、第一の領域と第二の領域とを幅方向に沿って交互に有する長尺状のパターン光学フィルムを、パターン境界の延在方向と平行に走行させるための光学フィルム走行制御システムに関する。本発明の光学フィルム走行制御システムは、位置検出部および位置補正機構を備える。位置検出部は、長手方向に走行するパターン光学フィルムの幅方向における走行位置を検出する。位置検出部では、互いに異なる偏光に基づいて形成される明暗により、パターン境界の検出が行われる。位置補正機構は、位置検出部での検出結果に応じて、光学フィルムの走行位置が幅方向において一定に保たれるように幅方向の走行位置を補正する。
一実施形態において、本発明に用いられるパターン光学フィルムは、第一の領域と第二の領域とが互いに直交する光学特性を有している。この場合、位置検出部において、第一の領域と第二の領域との境界を、白黒(受光素子に光が到達する部分と光がほとんど到達しない部分)の境界として検出可能である。そのため、パターン境界の位置検出の際に、第一の領域と第二の領域のコントラストが高められ、検出精度が高められる。
第一の領域と第二の領域とが互いに直交する光学特性を有している例としては、両者が互いに直交する円偏光(右円偏光と左円偏光)を射出する光学特性を有している場合が挙げられる。このようなパターン光学フィルムとしては、例えばパターン位相差板と直線偏光板とが積層されたパターン円偏光板が挙げられる。
上記のように、第一の領域と第二の領域とが互いに直交する円偏光を射出する光学特性を有している場合、光学フィルム走行制御システムの位置検出部は、光学フィルム走行面の同一法線上に、受光部と円偏光板とを備えることが好ましい。当該構成によれば、前述のごとく、位置検出部において、第一の領域と第二の領域との境界を、白黒の境界として検出可能である。
本発明によれば、パターン光学フィルムのパターン境界を検出することによって、光学フィルムの走行位置の検出が行われる。そのため、光学フィルムの端部にカール等の変形が生じている場合や、パターン形成時の蛇行等に起因してパターン形成方向がフィルム長手方向(MD)方向と平行でない場合であっても、光学フィルムのパターン境界が幅方向の一定位置となるように、幅方向の走行位置が補正される。このように、パターン境界を基準とした走行位置の補正が行われることによって、走行位置検出基準となるパターン境界と、切断工程での切断位置との相対的な位置関係が一定に保たれる。そのため、切断工程において、所期の位置で、パターン境界の延在方向と平行な方向に光学フィルムを切断できる。
また、本発明によれば、位置検出のためにマーキング等を付す必要がないため、搬送装置の構成や制御を簡素化できる。また、位置補正機構を、位置検出部の搬送経路上流の近傍位置に配置可能であるため、蛇行等の走行位置のズレが、短時間で上流にフィードバックされる。このような構成によって、切断位置が所期の位置から外れた不良品の発生が抑制され、歩留りを向上できる。
パターン光学フィルムの構成例を模式的に表す平面図である。 パターン位相差板の構成を模式的に表す図である。(A)は平面図、(B)は幅方向における断面図である。 光学フィルムの製造工程、および光学フィルム走行制御システムの構成の概要を表す断面図である。 図3の要部の斜視図である。 位置検出部の構成例、および位置検出の原理を説明するための概念図である。 パターン境界を検出することによりフィルムの走行位置の補正が行われる様子を説明するための模式的断面図である。 フィルムのエッジを検出することによりフィルムの走行位置の補正が行われる様子を説明するための模式的断面図である。 パターン光学フィルムが切断加工される様子の一例を模式的に表す平面図である。 パターン光学フィルムの走行位置が補正された場合における切断線の様子を模式的に表す平面図である。 フィルムエッジを検出して蛇行を補正する方法における切断線の様子を模式的に表す平面図である。 パターン光学フィルムの構成例を模式的に表す断面図である。 位置検出部の構成例を模式的に示す断面図である。
まず、本発明に用いられるパターン光学フィルムについて説明する。図1は、パターン光学フィルムの構成例を模式的に表す平面図である。パターン光学フィルム1は、第一の領域101と第二の領域102とを、幅方向(TD方向)に交互に有する。第一の領域101および第二の領域102は、長手方向(MD方向)に延在しており、ストライプ状のパターンが形成されている。この長尺状のパターン光学フィルム1は、切断工程を経て、最終的には、所定形状の枚葉体のパターン光学フィルム1a,1b,1c,1dに切断されて、製品となる。
パターン光学フィルム1の第一の領域101と第二の領域102とは、偏光状態が互いに異なる光学特性を有している。第一の領域と第二の領域の「偏光状態が互いに異なる」とは、直交ニコルあるいは平行ニコルに配置された2枚の偏光板(偏光子と検光子)の間に、パターン光学フィルムが任意の角度で配置された場合に、第一の領域と第二の領域との透過率が異なる場合を意味する。例えば、第一の領域と第二の領域の偏光軸方向が異なる場合や、第一の領域と第二の領域が異なる複屈折特性(リターデーションや光軸方向)を有している場合、両者の偏光状態は互いに異なる。
図2(A)は、パターン光学フィルムの一形態にかかるパターン位相差板の構成例を表す模式的平面図である。パターン位相差板1の第一の領域101および第二の領域102は、いずれも、可視光の1/4波長のリターデーションを有し、両者の遅相軸方向が直交するように構成されている。
図2(B)は、図2(A)のパターン位相差板の模式的断面図である。パターン位相差板は、パターニングされていない基材フィルム(例えば、光学等方性フィルム)110上に、パターン位相差層120を備える。パターン位相差層120では、第一の位相差領域121と第二の位相差領域122とが幅方向に沿って交互に配置されている。第一の位相差領域121および第二の位相差領域122は、いずれも、可視光の1/4波長のリターデーションを有し、両者の遅相軸方向が直交するように構成されている。
このようなパターン位相差板は、例えば、円偏光を利用する立体映像表示装置に用いられる。パターン位相差板は、例えば液晶表示装置の視認側偏光板よりもさらに視認者側に設けられ、第一の位相差領域および第二の位相差領域のそれぞれの遅相軸方向と、偏光板の吸収軸方向とのなす角が±45°となるように配置される。このような構成によれば、液晶セル等からの射出光が、第一の位相差領域と第二の位相差領域とで直交する円偏光(右円偏光と左円偏光)となって視認者側に射出される。第一の領域と第二の領域のそれぞれが、映像表示装置の右目用領域と左目用領域に対応するように配置されることで、例えば、右目用領域の映像光は右円偏光、左目用領域の映像光は左円偏光となって視認者側に到達する。視認者は、右目用視認部と左目用視認部とからなる立体視用偏光眼鏡を装着してこの映像光を視認する。立体視用偏光眼鏡の右目用視認部と左目用視認部とは、互いに直交する円偏光板を備える。例えば、右目用視認部は、左円偏光を吸収し、右円偏光のみを透過するように構成されており、左目目用視認部は、右円偏光を吸収し、左円偏光のみを透過するように構成されている。そのため、視認者の右目では右目用領域からの映像光のみが視認され、左目では左目用領域からの映像光のみが視認されるため、立体映像表示が実現される。
このようなパターン位相差板は、一般に、長尺の基材フィルム110を長手方向に搬送しながら、その上にパターン位相差層120等を形成することによって製造される。そのため、パターン光学フィルムは、フィルムの長手方向とパターン延在方向とが平行であり、フィルムの幅方向に沿って第一の領域と第二の領域とを交互に有している。パターン光学フィルムが立体映像表示装置に用いられる場合、第一の領域および第二の領域の幅は、表示装置の画素(または絵素)のピッチに等しく、例えば、数十μm〜数百μm程度である。
長手方向に連続してパターンが形成されたパターン光学フィルムは、最終的には、映像表示装置の画面サイズに合わせた枚葉体1a,1b,1c,1dに切断されて、製品となる。本発明は、このように長尺状に形成されたパターン光学フィルムを、パターン延在方向と平行な方向に所定位置で切断する方法、および当該切断に用いられる光学フィルム走行制御システムに関する。なお、フィルムの打ち抜き切断加工のように、パターン延在方向と平行な方向への切断と当時に、パターン延在方向の直交方向(幅方向)の切断が行われてもよい。
図3は、本発明の光学フィルムの製造工程、および当該製造工程に用いられる光学フィルム走行制御システムの構成概要を表す断面図である。図4は、図3における要部の斜視図である。光学フィルム走行制御システム500は、位置検出部20と、位置補正機構30を備える。位置検出部20は、MD方向に走行するパターン光学フィルム1の幅方向における走行位置を検出する。位置補正機構30は、位置検出部20における走行位置検出結果に応じて、光学フィルムの走行位置が一定に保たれるように、幅方向の走行位置を補正する。位置補正機構30は、例えば、アクチュエータ等の動作部31を備えるガイドローラ32を有し、位置検出部20と動作部31とは、適宜の制御部40を介して連動されている。
図5(A)は、位置検出部20の構成例、および偏光を利用した位置検出の原理を説明するための概念図である。位置検出部20において、フィルム走行面Sの法線上には、光源21と受光部29とが、フィルム走行面Sに対峙して設けられている。図5(A)では、光源21とフィルム走行面との間に、偏光板23が設けられており、受光部29とフィルム走行面Sとの間には、1/4波長板27と偏光板25とが積層された円偏光板24が設けられている。
位置検出部20は、偏光子としての偏光板23と、検光子としての円偏光板24との間に、フィルム走行面Sが位置するように構成されている。なお、以降において、光源21とフィルム走行面Sとの間に設けられた(円)偏光板等を「偏光子(polarizer)」、フィルム走行面Sと受光部29との間に設けられた(円)偏光板等を「検光子(analizer)」と称する場合がある。
光源21から射出された光(例えば、自然光)は、偏光板23により、紙面法線方向に振動する光が吸収され、紙面左右方向に振動する直線偏光としてパターン光学フィルム1側に射出される。図2に示すように、パターン光学フィルム1の第一の領域101と第二の領域102とが、いずれも1/4波長のリターデーションを有し、両者の遅相軸方向が直交するように構成されている場合、パターン光学フィルム1の第一の領域101から円偏光板24側に射出される光と第二の領域102から円偏光板24側に射出される光とは、互いに直交する円偏光となる。
円偏光板24は、直線偏光板25の光学フィルム走行面S側に、1/4波長板27が位置するように配置されている。直線偏光板25の吸収軸方向と1/4波長板の遅相軸方向とのなす角は45°に設定されている。直線偏光板25と1/4波長板27とは貼合積層されていてもよく、両者が分離可能に配置されていてもよい。
パターン光学フィルム1の第一の領域101および第二の領域102からは、直交する円偏光が射出されるため、一方の円偏光(第一の領域101からの射出光)は、円偏光板24によって吸収され、他方の円偏光(第二の領域102からの射出光)は、円偏光板24を透過して、受光部29側に射出される。
受光部29は、例えば、フォトダイオードアレイやカメラ等のイメージセンサであり、幅方向に複数の受光素子を備える。図5(A)に示す形態では、第一の領域101からの光は円偏光板24に吸収されるため、第一の領域101の位置に対応する受光素子(図5において、受光部29の右側半分)には光源21からの光が到達せず(あるいは僅かな光のみが到達し)、第二の領域102の位置に対応する受光素子(図5において、受光部29の左側半分)にのみ、光源21からの光が到達する。そのため、パターン光学フィルム1のパターン境界105の位置は、受光部内の各受光素子に到達する光量が所定の閾値を超える位置、すなわち、明暗の境界に基づいて検出される。明暗の境界、すなわち第一の領域と第二の領域のパターン境界は、各受光素子の受光量等に基づいて、画像解析等によって検出することもできる。
図5(A)では、受光部29とフィルム走行面Sとの間に設けられる検光子として、円偏光板24を用いる例が図示されているが、円偏光板24は、光学フィルム走行面Sの法線上に配置されていればよい。例えば、図5(B)に示すように、光源21とフィルム走行面Sとの間の偏光子として、偏光板23と1/4波長板27とが積層された円偏光板24が設けられていてもよい。この場合、光源21から射出された光は、円偏光板24により、円偏光に変換され、パターン光学フィルム1に到達する。第一の領域101から偏光板25側に射出される光と、第二の領域102から偏光板25側に射出される光とは、偏光方向が直交する直線偏光となる。一方の領域からの光は直線偏光板25で吸収され、他方の領域からの光は直線偏光板25を透過するため、図5(A)に示す形態と同様に、明暗の境界に基づいてパターン境界105の位置が検出される。
なお、光源21から受光部29までの光路上には、レンズやミラー等の光学素子が配置されていてもよい。ミラー等が配置されている場合、「『光学フィルム走行面の法線上』に、光源,(円)偏光板,受光部等が配置される」とは、光源から受光部までの光路とフィルム走行面Sが直交しており、当該光路上に(円)偏光板等の光学素子が配置されている場合を包含する。
光学フィルム走行制御システム500において、位置検出部20は、位置補正機構30のガイドローラ32の近傍に配置されている。位置検出部20による位置検出結果は、制御部40に出力される。制御部40には、予め、光学フィルムの走行基準位置Vが設定されており、位置検出部20での検出結果(光学フィルムのパターン境界の位置)が、基準位置Vと一致しているか否かが判定される。フィルムの走行位置が走行基準位置と一致していない場合、走行位置が基準位置に対してどちら側にずれているかが判定されるとともに、光学フィルム1の走行位置と基準位置との距離が算出される。当該算出結果に基づいて、制御部40は、光学フィルム1の境界105走行位置の基準位置Vからのずれを修正させるべく、位置補正機構30に指令を送信し、動作制御(位置補正)が行われる。なお、制御部40に所定の閾値が予め入力され、境界105の走行位置と基準位置Vとの距離が閾値以上である場合のみ、上記動作制御が行われてもよい。
位置補正機構30は、フィルムの走行位置を幅方向で変更(制御)可能なものであれば、その構成は特に限定されない。位置補正機構30は、例えば、アクチュエータ等の動作部31が設けられたガイドローラ32を備え、制御部40からの指令に従って、動作部31がガイドローラ32の姿勢(位置や角度等)を変更することによって、フィルム走行位置の補正を行う。
図6は、位置検出部20がパターン境界105を検出することにより、フィルムの走行位置の補正が行われる様子を表す断面図である。位置検出部20によってパターン境界105の位置が検出され、その位置が基準位置Vと一致するように位置補正機構30による走行位置の補正が行われる。そのため、パターン光学フィルム1のエッジからパターン領域101までの距離がWである図6(A)、および光学フィルム1のエッジからパターン領域101までの距離がWである図6(B)のいずれの場合も、パターン境界105が基準位置Vに戻るように、位置補正機構30による走行位置の補正が行われる。すなわち、パターン境界105の相対位置が一定となるように、位置補正が行われ、フィルムの走行状態が制御される。
図7は、位置検出部220がフィルムのエッジ位置Eを基準として位置検出を行うことにより、フィルムの走行位置の補正が行われる場合を表している。図7(A)に示すように、パターン光学フィルム1のエッジからパターン領域101までの距離がWの場合は、パターン境界105が基準位置Vと一致するように走行位置の制御が行われる。一方、図7(B)に示すように、パターン光学フィルム1のエッジからパターン領域101までの距離がWに変化すると、フィルムのエッジが基準位置Eと一致するように走行制御の制御が行われる。そのため、パターン境界105の位置が、基準位置Vとは異なる基準位置V’となるような走行制御が行われ、後の切断工程において、所期の位置とは異なる位置に切断線が形成されてしまう。
本発明においては、図6に示すように、パターン光学フィルムがパターン境界の左右で異なる偏光特性を有することを利用して、偏光素子を備える位置検出部20によって、パターン境界105を検出し、その位置が一定となるように制御が行われる。そのため、繰出部50から位置検出部20までの間のフィルムの走行に蛇行が生じている場合のみならず、パターン形成時の蛇行等によってパターン形成位置にはらつきが生じている場合でも、第一の領域および第二の領域のパターン位置が一定となるように、走行制御を行うことができる。なお、図5および図6では、パターン光学フィルム1のエッジに最も近接するパターン境界105の位置検出を行う例が図示されているが、位置検出部20は、幅方向のいずれの位置のパターン境界を検出するものであってもよい。
上記は、位置検出部20が、パターン光学フィルム1のパターン境界105の幅方向の位置を検出する例について説明したが、位置検出部20は、パターン境界の位置に加えて、走行角度等を検出するように構成されていてもよい。例えば、面状の光源21、および複数の受光素子が面状に配置された受光部29(例えば、カメラ等)用いられる場合は、明暗の境界が二次元で検出されるため、パターン境界105の走行角度を求めることができる。この場合、位置補正機構30により、パターン境界105の位置が基準位置Vと一致するように走行位置の補正が行われるとともに、パターン境界の走行方向が所定角度となるように、フィルムの走行状態が制御されてもよい。例えば、2本以上のガイドローラ(例えば、ガイドローラ32に加えてガイドローラ55)を、制御部40からの指令に基づいて動作可能に構成すれば、フィルムの走行角度の制御を行い得る。このように、光学フィルム走行制御システムが、パターン境界の位置に加えて、走行角度が一定となるように制御可能に構成されていれば、図9(B)に示すように、フィルムのMD方向とパターンの延在方向とが平行でない場合でも、一定の切断位置(切断線)でパターン光学フィルムが切断されるような走行制御を、より容易に行うことができる。
なお、光学フィルム走行制御システムは、位置検出部20が、偏光に基づいて形成される明暗によってパターン境界105を検出できるように構成されていれば、位置補正機構30や制御部40の構成は特に限定されない。位置補正機構や制御部としては、例えば、フィルムのエッジを検出して蛇行を補正するシステム(エッジポジションコントローラ)に用いられる位置補正機構や制御部と同様の構成のものを適宜に採用できる。
本発明のパターン光学フィルムの製造方法では、図3に示すように、長尺状パターン光学フィルム1の巻回体2が繰出部50にセットされる。光学フィルム1は、繰出部50から、搬送ローラ51,52,53を経て、位置補正機構30ガイドローラ32上に搬送され、位置検出部20でパターン境界の位置検出が行われる。
位置検出工程では、前述のように、パターン境界105に対峙する第一の領域101と第二の領域102との偏光特性の相違を利用して、位置検出部20内の偏光素子等を用いて、パターン境界105の位置が検出される。位置補正工程では、検出されたパターン境界105の位置が、予め設定された走行基準位Vと一致しているか否かが判断される。両者に不一致の場合(あるいは両者の距離が閾値以上である場合)は、パターン境界105の位置が走行基準位置Vと一致するように、位置補正機構30による走行位置の補正(動作制御)が行われる。
その後、光学フィルム1は、ガイドローラ55経て切断加工部60へ搬送される。搬送経路の上流で幅方向の走行位置の補正が行われているため、光学フィルム1は、各パターン境界が、ガイドローラ55上の幅方向の所定位置を通過した後、その走行状態を保って切断加工部60へと導入される。
切断工程では、切断加工部60によって、パターン光学フィルム1が、パターン境界105の延在方向と平行な方向に切断される。図8は、切断加工部60によって、パターン光学フィルム1が切断加工される様子を模式的に表す平面図である。上流で幅方向の位置検出が行われ、走行位置が補正されたパターン光学フィルム1は、例えば、一定の間隔の切断線C11〜C14に沿って切断され、複数の帯状の切断片1A,1B,1Cとされる。光学フィルム1の幅方向端部の余白部1Xは、切断加工部60よる切断によって除去される。
各切断片1A,1B,1Cの幅は、パターン光学フィルムの用途等に応じて任意に設定され得る。例えば、パターン光学フィルムが立体映像表示装置に用いられる場合、各切断片の切断幅は、画面サイズ(画面の幅または画面高さ)に合わせて設定される。
図9は、パターン光学フィルム1の走行位置が補正された場合における切断線の様子を模式的に表す平面図である。パターン形成時の蛇行等に起因して、パターン光学フィルム1のエッジからパターン領域101までの距離W,Wが、フィルム長手方向(MD)において一定ではない場合でも、パターン境界105の位置が一定となるように走行位置が補正される。そのため、同一のパターン境界上に、切断線C1と切断線C21とが形成される(図9(A))。また、位置検出部20を位置補正機構30の近傍に配置して、位置検出結果のフィードバック時間を短縮することや、位置検出部においてパターン境界の走行角度を検出することによって、走行方向(走行角度)が一定となるような走行制御を行うことが可能となる。そのため、MD方向に対して斜め方向にパターンが形成されている場合も、パターン境界105の走行角度が一定となるように走行位置(走行方向)の補正が可能となり、同一のパターン境界上に、切断線C1と切断線C31とを形成できる(図9(B))。
図8および図9では、パターン境界105上に切断線Cが形成されるように切断を行う例が図示されているが、切断線は、パターン境界105の延在方向と平行な方向、すなわちMD方向に延在するものであれば、その位置はパターン境界線上に限定されない。
所定幅に切断された光学フィルムの切断片1A,1B,1Cは、その後、さらに幅方向にも切断され、所定サイズの枚葉のパターン光学フィルムとなる。なお、切断加工部60は、パターン境界105の延在方向と平行な方向に切断を行うことに加えて、パターン境界の延在方向と直交する方向、すなわち幅方向にも切断を行うものであってもよい。例えば、切断加工部60がトムソン刃等の打ち抜き加工手段を備える場合、長尺状のパターン光学フィルムを所定サイズに打ち抜き加工することで、枚葉のパターン光学フィルムが得られる。
以上、パターン光学フィルム1として、第一の位相差領域121および第二の位相差領域122が、いずれも可視光の1/4波長のリターデーションを有し、両者の遅相軸方向が直交するように構成されているパターン位相差板を用いる場合を中心に、本発明の製造工程および光学フィルム走行制御システムの構成について説明した。なお、パターン位相差板は、上記の構成以外でも、第一の領域と第二の領域とが互いに直交する円偏光を射出するように構成できる。例えば、第一の領域と第二の領域の遅相軸方向が平行で、両者のリターデーションの差が、可視光の波長の1/2の奇数倍であるパターン位相差板も、直線偏光板と組み合わせることで、直交する円偏光を射出することができる。
また、パターン位相差板は、第一の領域と第二の領域とが、直交する円偏光を射出するものに限定されない。例えば、第一の位相差領域のリターデーションが可視光の波長の1/2の奇数倍であり、第二の位相差領域のリターデーションが可視光の波長の1/2の偶数倍(0の場合も含む)であれば、両者は、互いに直交する直線偏光を射出するように構成される。この場合、図5(A)および図5(B)において、円偏光板24に代えて1/4波長板27を有していない直線偏光板を用いれば、第一の領域および第二の領域のいずれか一方が受光部29における明領域、他方が暗領域となる。そため、両者の互いに直交する偏光特性に基づいて明暗が形成され、その明暗境界により、パターン境界の位置を検出できる。
このように、第一の位相差領域と第二の位相差領域の遅相軸方向が直交する場合や、両者のリターデーション値の差が波長の1/2倍である場合、すなわち、第一の位相差領域と第二の位相差領域とが互いに直交する偏光特性を有している場合、偏光素子を備える位置検出部によって、パターン境界の明暗を、白黒(受光素子に光が到達する部分と光がほとんど到達しない部分)の境界として検出可能である。そのため、パターン境界の検出精度および走行の補正精度が高められ、不所望の位置に切断線が形成される不良品の発生頻度が顕著に低減され得る。
なお、第一の位相差領域と第二の位相差領域とは、偏光状態が互いに異なる光学特性を有していれば、両者の偏光状態は必ずしも直交するものに限定されない。この場合、パターン境界を白黒の境界として検出することはできないが、第一の領域と第二の領域の偏光状態の相違に基づいて、パターン境界で明暗の差(透過率の差)が生じるために、偏光状態が直交する場合と同様にパターン境界を検出可能である。また、位相差層のリターデーションの波長分散等に起因して、透過光が着色している場合は、単なる明暗(透過率差)だけでなく、色の相違等に基づいてパターン境界を検出することも可能である。
また、本発明は、パターン位相差板以外のパターン光学フィルムにも適用可能である。例えば、吸収軸方向が異なる第一の偏光領域と第二の偏光領域とにパターニングされたパターン偏光板も、パターン光学フィルムとして適用可能である。パターン偏光板11は、例えば図11(A)に示されるように、パターニングされていない基材フィルム110上に、第一の偏光領域131と第二の偏光領域132が交互に配置されたパターン偏光層130を有する。第一の偏光領域131および第二の偏光領域132が、いずれも直線偏光子からなり、両者の吸収軸方向が直交するように構成されていれば、第一の領域と第二の領域とが互いに直交する偏光特性を有するため、位置検出部においてパターン境界を白黒境界として検出可能となる。
その他、位相差板と偏光板とが積層されたパターン光学フィルムも、本発明に適用可能である。例えば、図11(B)に示されるように、パターニングされていない直線偏光板135上にパターン位相差層120を有する、パターン位相差層付き偏光板12や、図11(C)に示されるように、パターニングされていない位相差板125上に、パターン偏光層130を有する、位相差板付きパターン偏光板13等も、本発明に適用可能である。これらのパターン位相差層付き偏光板や、位相差板付きパターン偏光板13は、位相差板(位相差層)のリターデーションが可視光の1/4倍であり、その遅相軸方向と、偏光板(偏光層)の吸収軸方向とのなす角が±45°となるように積層されていれば、パターン円偏光板となる。
光学フィルム走行制御システムにおける位置検出部20の構成は、パターン光学フィルムの構成等に応じて適宜に変更できる。例えば、パターン光学フィルムとして、図11(A)に示されるパターン偏光層11が用いられる場合、図12(A)に破線で示されるように、検光子としての円偏光板24は省略可能である。また、検光子を省略する代わりに、偏光子としての偏光板23が省略されてもよい。パターン偏光板のパターン境界の検出の際には、1/4波長板27は不要である。なお、検出部20において、フィルム走行面Sの法線上に、1/4波長板等の位相差板が含まれている場合でも、第一偏光領域と第二偏光領域とが異なる偏光を射出する特性を有していれば、明暗によるパターン境界の検出が可能である。
パターン光学フィルム1として、図11(B)に示されるパターン位相差層付き偏光板12や、図11(C)に示される位相差板付きパターン偏光板13が用いられる場合、図12(B)に破線で示されるように、偏光子としての偏光板23は省略可能である。図12(B)に示されるように、パターン光学フィルム1と、円偏光板24とが位相差板(層)同士が対向するように配置されていれば、図5(A)の場合と同様に、円偏光を直線偏光に変換して、白黒の明暗によるパターン境界105の検出が可能となる。なお、円偏光板24は、図5(B)に示すように、光源21とフィルム走行面Sとの間に設けられていてもよい。この場合も、パターン光学フィルムと円偏光板とが位相差板(層)同士が対向するように配置されていることが好ましい。
以上説明したように、本発明の光学フィルム走行制御システムでは、パターン光学フィルムがパターン境界の左右で異なる偏光特性を有することを利用して、偏光手段を備える位置検出部によってパターン境界の走行位置が検出される。そのため、フィルムの端部にカールが生じている場合や、フィルムエッジからパターン境界形成領域までの距離がMD方向で変化する場合であっても、走行システム内でのパターンの相対位置が一定となるように制御が行われる。
また、本発明の製造方法では、上記走行制御システムにより、走行位置が制御(補正)されたパターン光学フィルムが、切断工程に供される。そのため、パターン境界を基準として、一定の相対位置で切断を行うことができ、不所望の位置で切断される不良の発生が抑制され、歩留り向上に寄与し得る。
また、本発明の構成によれば、数μm〜数十μm単位の精度で、フィルム走行位置の制御および補正が可能である。そのため、立体映像表示装置に用いられるパターン位相差板やパターン円偏光板等のパターン光学フィルムのように、微小なパターンを有する光学フィルムの切断において、本発明は特に有用である。
1 :パターン光学フィルム
101 :第一の領域
102 :第二の領域
105 :パターン境界
110 :基材フィルム
120 :パターン位相差層
125 :位相差板
130 :パターン偏光層
135 :偏光板
20 :位置検出部
21 :光源
23,25 :偏光板
24 :円偏光板
27 :1/4波長板
29 :受光部
30 :位置補正機構
31 :駆動部
32 :ガイドローラ
40 :制御部
50 :繰出部
51,52,53,55 :ガイドローラ
60 :切断加工部
500 :光学フィルム走行制御システム
C1,C21,C31 :切断線
S :フィルム走行面
V :走行基準位置

Claims (7)

  1. 第一の領域と第二の領域とを幅方向に沿って交互に有する長尺状のパターン光学フィルムを、パターン境界の延在方向と平行な方向に切断する、パターン光学フィルムの製造方法であって、
    長手方向に走行するパターン光学フィルムの幅方向における走行位置が、位置検出部よって検出される位置検出工程;
    前記位置検出工程における検出結果に応じて、前記光学フィルムの走行位置が幅方向において一定に保たれるように幅方向の走行位置が補正される位置補正工程;および
    パターン光学フィルムが、前記パターン境界の延在方向と平行な方向に所定位置で切断される切断工程、を有し、
    前記パターン光学フィルムの第一の領域と第二の領域とは、偏光状態が互いに異なる光学特性を有しており、
    第一の領域と第二の領域との境界が、前記位置検出部において、互いに異なる偏光に基づいて形成される明暗により光学的に検出されることを特徴とする、パターン光学フィルムの製造方法。
  2. 前記パターン光学フィルムの、前記第一の領域と前記第二の領域とは、偏光状態が互いに直交する光学特性を有している、請求項1に記載のパターン光学フィルムの製造方法。
  3. 前記パターン光学フィルムは、第一の領域と第二の領域とが互いに直交する円偏光を射出する光学特性を有しており、
    前記位置検出部は、光学フィルム走行面の法線上に、円偏光板と受光部とを備える、請求項2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 前記パターン光学フィルムは、第一の領域と第二の領域とが互いに遅相軸方向が直交する1/4波長のリターデーションを有するパターン位相差板を備える、請求項3に記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 前記パターン光学フィルムは、第一の領域と第二の領域とが、遅相軸方向が平行で、両者のリターデーションの差が半波長の奇数倍であるパターン位相差板を備える、請求項3に記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 前記パターン光学フィルムは、前記パターン位相差板と直線偏光板とが積層されたパターン円偏光板である、請求項4または5に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 第一の領域と第二の領域とを幅方向に沿って交互に有する長尺状のパターン光学フィルムを、長手方向のパターン境界と平行に走行させるための光学フィルム走行制御システムであって、
    長手方向に走行するパターン光学フィルムの幅方向における走行位置を検出する位置検出部;および
    前記検出部の検出結果に応じて、前記光学フィルムの走行位置が幅方向において一定に保たれるように幅方向の走行位置を補正する位置補正機構、を備え、
    前記位置検出部は、光学フィルム走行面の法線上に、受光部と円偏光板とを備え、
    前記位置検出部において、互いに直交する偏光に基づいて形成される明暗により、パターン境界の検出が行われる、光学フィルム走行制御システム。
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