JP2014163793A - 通行経路探索システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】情報記憶装置20の記憶部21に、通行経路探索装置10の使用者とは異なる人物(プローブ端末保有者)が各通行経路を通行したときに計測した生体情報を、当該生体情報を計測した通行経路と対応付けて記憶する。情報記憶装置20(又は通行経路探索装置10)は、使用者が入力した目的地を取得すると、当該目的地までの通行経路候補を複数探索する。このとき、情報記憶装置20は、探索した通行経路候補に対応する生体情報を記憶部21から取得する。そして、通行経路探索装置10は、記憶部21から取得した生体情報をもとに、複数の通行経路候補の中から推奨経路を選択し、これを当該推奨経路に対応した生体情報と共に表示する。
【選択図】 図1
Description
そこで、本発明は、通行経路を探索しストレス度が相対的に低い経路(推奨経路)を表示することができる通行経路探索システムを提供することを課題としている。
(第1の実施の形態)
(構成)
図1は、本実施形態に係る通行経路探索システムの概略構成図である。
図中、符号1は通行経路探索システムであり、通行経路探索装置10と、車外の情報記憶装置20と、プローブ端末30とを備える。通行経路探索装置10と情報記憶装置20とは通信ネットワーク等を介してデータ通信が可能となっている。また、情報記憶装置20とプローブ端末30も通信ネットワーク等を介してデータ通信が可能となっている。
なお、ここでは、通行経路探索装置10を車両に搭載した場合について説明するが、例えば携帯電話に内蔵することもできる。この場合、使用者は歩行者であってもよい。また、使用者はこの他に、自転車に乗った人物やバスの乗員でもよい。
入力部11は、キーボードやリモコン、タッチスイッチ等を用いて使用者が入力した情報を取得する。取得する情報として、例えば目的地の情報がある。目的地の情報とは、目的地の名称、住所、座標等である。入力部11は、取得した情報を処理部12へ送信する。
送受信部14は、情報記憶装置20が備える送受信部22との間でデータを送受信する。情報記憶装置20に対して送信するデータとしては、出発地の情報及び目的地の情報がある。また、情報記憶装置20から受信するデータとしては、後述する情報記憶装置20の記憶部21に記憶した情報がある。
情報記憶装置20は、記憶部21と、送受信部22と、処理部23と、受信部24とを備える。
さらに、この記憶部21は、走行区間毎に、生体情報を記憶してからの経過時間についても記憶しておくものとする。
送受信部22は、上述したように、通行経路探索装置10が備える送受信部14との間でデータを送受信する。
プローブ端末30は、送信部31と、位置情報取得部32と、生体情報取得部33と、処理部34とを備える。
送信部31は、上述したように、情報記憶装置20が備える受信部24に対してデータを送信する。
処理部34は、位置情報取得部32で取得した現在値の情報と、生体情報取得部33で取得した生体情報とを入力し、これらを情報記憶装置20に送信するための指令を送信部31に送信する。
次に、通行経路探索装置10の処理部12で実行する通行経路探索処理について、具体的に説明する。
図3は、処理部12で実行する通行経路探索処理手順を示すフローチャートである。この通行経路探索処理は所定時間毎に繰り返し実行する。
先ずステップS1で、処理部12は、使用者が目的地の情報を入力したか、即ち入力部11を介して目的地の情報を受信したか否かを判定する。そして、目的地の情報を入力したと判定した場合にはステップS2に移行し、目的地の情報が未入力であると判定した場合には通行経路探索処理を終了する。
ステップS4では、処理部12は、情報記憶装置20が目的地及び出発地の受信を受けて送信した、出発地・目的地間の複数の通行経路候補の生体情報を、送受信部14を介して受信する。このとき受信する生体情報は、出発地と目的地とを結ぶ通行経路候補を構成する走行区間を特定するためのノード情報に対応付けられた生体情報である。
すなわち、使用者が優先項目として生体情報を指定している場合、生体情報への悪影響が少ない経路を推奨経路として選択する。具体的には、使用者が優先項目として生体情報中の血圧値を指定している場合、複数の通行経路候補について、それぞれ血圧値への影響度を算出する。例えば、血圧値への影響度としては、対象とする通行経路候補を通行したときの血圧最大上昇値や平均血圧上昇値を用いる。そして、複数の通行経路候補のうち血圧値への悪影響が少ない順に推奨経路を選択する。
そして、ステップS6では、処理部12は、前記ステップS5で探索した推奨経路の情報と、当該推奨経路に対応する生体情報とを表示部13に送信し、通行経路探索処理を終了する。これにより、表示部13に推奨経路を表示する。表示部13に推奨経路を表示する際には、各推奨経路を、それぞれ対応する生体情報と共に表示する。
また、このとき、各推奨経路の推奨度を併せて表示してもよい。2経路を比較すると、経路Aの最大血圧値は136、経路Bの最大血圧値は117となっている。すなわち、経路Bの方が経路Aと比較してストレス度の低い経路であるといえる。したがって、この場合、経路Bの推奨度を高く設定し、これが認識可能となるように、例えば表示する色や強度を分けるなど、表示方法を変えるようにしてもよい。
次に、情報記憶装置20の処理部23で実行する生体情報取得処理について、具体的に説明する。
図5は、処理部23で実行する生体情報取得処理手順を示すフローチャートである。この生体情報取得処理は所定時間毎に繰り返し実行する。
先ずステップS11で、処理部23は、通行経路探索装置10から目的地の情報及び出発地の情報を受信したか否かを判定する。そして、目的地及び出発地の情報を受信したと判定した場合にはステップS12に移行し、目的地及び出発地の情報を受信していないと判定した場合には、後述するステップS14に移行する。
ステップS14では、処理部23は、プローブ端末30からプローブ端末保有者の生体情報を受信したか否かを判定する。そして、生体情報を受信したと判定した場合にはステップS15に移行し、生体情報を受信していないと判定した場合には生体情報取得処理を終了する。
次にステップS16では、処理部23は、前記ステップS15の累積処理結果を記憶部21に記憶し、生体情報取得処理を終了する。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
プローブ端末30は、プローブ端末保有者の生体情報を計測し、これを現在位置情報と共に定期的に情報記憶装置20へ送信する。すると、情報記憶装置20は、プローブ端末30が送信したプローブデータを受信し(図5のステップS14でYes)、これを走行区間毎に分類し記憶部21に記憶する(ステップS15、S16)。このように、情報記憶装置20は、複数のプローブ端末30がそれぞれ送信した、プローブ端末保有者の生体情報を含むプローブデータを記憶部21に蓄積しておく。そして、通行経路探索装置10は、情報記憶装置20に記憶した生体情報を含むプローブデータをもとに経路探索を行い、その情報を提示する。
このように、使用者とは異なる人物が各通行経路を通行したときに計測した生体情報を、当該生体情報を計測した通行経路と対応付けて蓄積しておき、この蓄積したプローブデータをもとに、使用者の生体情報への影響度が低い通行経路を探索する。
なお、図3において、ステップS1が目的地取得部に対応し、ステップS4が生体情報取得部に対応し、ステップS5が推奨経路選択部に対応し、ステップS6及び表示部13が表示部に対応している。また、図5において、ステップS14〜S16及び記憶部21が生体情報記憶部に対応し、ステップS12が通行経路探索部に対応し、ステップS13が生体情報取得部に対応している。
第1の実施形態では、以下の効果が得られる。
(1)情報記憶装置20は、使用者とは異なる人物が各通行経路を通行したときに計測した生体情報を、少なくとも当該生体情報を計測した通行経路と対応付けて記憶する。また、通行経路探索装置10は、使用者が入力した目的地を取得する。そして、情報記憶装置20は、使用者が入力した目的地までの通行経路候補を複数探索し、探索した通行経路候補に対応する生体情報を記憶部21から取得する。通行経路探索装置10は、情報記憶装置20で取得した通行経路候補の生体情報をもとに、当該通行経路候補の中から推奨経路を選択し、これを当該推奨経路に対応した生体情報と共に表示する。
また、推奨経路を表示する際には、当該推奨経路に対応した生体情報を併せて表示するので、使用者は、各経路の生体情報への影響度を容易に認識することができる。そのため、使用者は生態情報へ悪影響を与える可能性のある経路を避けたり、やむを得ず通過しなくてはならない場合であっても、緊張状態の起こり易い経路であること(例えば、歩行者に対して警戒すべき経路である等)を認識しながら通行したりすることができる。
(3)使用者は、車両の乗員である。したがって、車両の運転者に対して目的地までの通行経路を適切に提示することができる。
このように、サーバ側で生体情報データベースを記憶するので、車両側に大容量のメモリを搭載する必要がない。また、サーバ側で通行経路探索を行うので、車両側(ナビゲーション装置)の計算負荷を低減することができる。したがって、ナビゲーション装置の軽量化や小型化を実現することができると共に、発熱量を小さくすることが可能になる。
これにより、使用者が入力した目的地までの通行経路として、使用者の生体情報への悪影響が少ない経路を推奨経路として選択することができる。したがって、使用者は、快適な通行経路を通って目的地に辿り着くことができる。
(1)上記実施形態では、通行経路探索装置10を車両に搭載し、乗員がこれを使用する場合について説明したが、通行経路探索装置10を携帯電話に内蔵すれば、歩行者がこれを使用することもできる。この場合、各走行区間における生体情報を取得することで、車の通行量が多く横断歩道を渡る際に注意が必要な交差点や、坂道により心拍数が高くなりやすい場所等の情報を得ることができる。したがって、経路探索の優先項目に応じて、健康状態への悪影響が少ない経路を探索したり、また逆に、運動の効果を上げるための経路を探索したりすることが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態において、目的地までの経路のうち、使用者が過去に実際に選択したことのある経路を推奨経路として探索するようにしたものである。
(構成)
図7は、第2の実施形態における通行経路探索システム1の概略構成図である。
この通行経路探索システム1は、図1に示す通行経路探索装置10において、経路選択履歴記憶部15を追加したことを除いては、図1と同様の構成を有する。
経路選択履歴記憶部15は、表示部13に表示した所定数の推奨経路のうち、実際に使用者が選択した経路の情報(経路選択履歴)を記憶するものである。ここで、経路選択履歴は、経路を特定する情報(ノード情報等)や当該経路を選択した回数などを含む。
図8は、本実施形態における通行経路探索装置10の処理部12で実行する通行経路探索処理手順を示すフローチャートである。この通行経路探索処理は、所定時間毎に繰り返し実行する。
先ずステップS21で、処理部12は、前記ステップS1と同様に、使用者が目的地の情報を入力したか、即ち入力部11を介して目的地の情報を受信したか否かを判定する。そして、目的地の情報を入力したと判定した場合にはステップS22に移行し、目的地の情報が未入力であると判定した場合には通行経路探索処理を終了する。
ステップS22では、処理部12は、前記ステップS2と同様に、出発地を設定する。
ステップS24では、前記ステップS21で取得した目的地の情報と、前記ステップS22で設定した出発地の情報と、前記ステップS23で取得した経路選択履歴の情報とを送受信部14に送信し、ステップS25に移行する。これにより、送受信部14から情報記憶装置20へ、目的地の情報と出発地の情報と経路選択履歴の情報とを送信することになる。
次にステップS26では、処理部12は、前記ステップS25で受信した生体情報を用いて、複数の通行経路候補の中から使用者に適合した最適な経路(推奨経路)を選択する。例えば、推奨経路は、経路選択履歴にマッチした通行経路のうち、使用者が良く選択している通行経路から順に所定数(例えば3経路)選択する。
ステップS28では、処理部12は、表示部13に推奨経路を表示した後、使用者が実際に通行する経路を選択したか否かを判定する。ここでは、使用者が、通行経路探索装置10に設置したキーボードや画面入力装置等から経路を入力したことをもって、経路を選択したと判断する。
そして、このステップS28では、処理部12は、経路を選択していないと判断した場合にはそのまま待機し、経路を選択したと判断するとステップS29に移行する。
ステップS29では、処理部12は、使用者が選択した経路に基づいて経路選択履歴の情報を作成し、これを経路選択履歴記憶部15に記憶してから通行経路探索処理を終了する。
図9は、本実施形態における情報記憶装置20の処理部23で実行する生体情報取得処理手順を示すフローチャートである。この生体情報取得処理は、図5におけるステップS11をステップS31に置換し、ステップS12をステップS32に置換したことを除いては、図5と同様の処理を行う。
ステップS31では、処理部23は、通行経路探索装置10から目的地の情報、出発地の情報、及び経路探索履歴の情報を受信したか否かを判定する。そして、これらを受信したと判定した場合にはステップS32に移行し、これらを受信していないと判定した場合には、前記ステップS14に移行する。
なお、使用者が入力した出発地・目的地間の経路を、当該使用者がこれまで一度も通行したことがない場合には、上述した第1の実施形態(図5のステップS12)と同様の方法で通行経路候補の探索と、生体情報の取得を行う。
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
通行経路探索装置10は、情報記憶装置20に記憶した生体情報を含むプローブデータをもとに目的地までの経路探索を行い、所定数の推奨経路を提供する。そして、使用者が実際に選択した通行経路の情報を、経路選択履歴として記憶しておく。
通行経路探索装置10を搭載した車両の乗員が、ナビゲーション装置を操作して出発地及び目的地を入力すると、通行経路探索装置10は、先ず経路選択履歴を参照する。このとき、出発地及び目的地が、乗員が入力した出発地及び目的地と等しい経路を選択した履歴がある場合には、その経路の情報を取得する(図8のステップS23)。取得した経路選択履歴は、乗員が入力した出発地及び目的地の情報と共に情報記憶装置20に送信する(ステップS24)。
例えば図6に示すように、出発地Sと目的地Gとの間に、ノードA1〜A3及びB1〜B3が存在しており、S→A1→B1→Gの経路が経路選択履歴にマッチするものとする。この場合、情報記憶装置20は、S→A1→B1→Gの経路上の各走行区間(S→A1、A1→B1、B1→G)の生体情報を記憶部21から取得する。
このように、情報記憶装置20は、経路選択履歴にマッチする経路や、経路選択履歴から想定される使用者の選択傾向にマッチした経路を、通行経路候補として探索する。そして、これら通行経路候補の生体情報を取得し、これを通行経路探索装置10に送信する(ステップS13)。
このように、使用者が過去に実際に選択した経路の履歴を記憶しておき、目的地までの経路探索を行う際には、使用者が過去に実際に通行したことのある経路を優先的に探索する。すなわち、蓄積したプローブデータから当該履歴にマッチする経路の生体情報を取得し、これを提示する。これにより、使用者の傾向を反映した通行経路探索が可能となる。
なお、図8において、ステップS21が目的地取得部に対応し、ステップS25が生体情報取得部に対応し、ステップS26が推奨経路選択部に対応し、ステップS27及び表示部13が表示部に対応している。また、図9において、ステップS32が通行経路探索部に対応している。
第2の実施形態では、以下の効果が得られる。
(1)通行経路探索装置10は、推奨経路を複数選択する。また、通行経路探索装置10は、表示部13で表示した複数の推奨経路のうち、使用者が採用した推奨経路の情報を記憶する。そして、情報記憶装置20は、目的地までの通行経路の候補として、使用者が過去に採用した通行経路を優先的に探索する。
このように、経路選択の履歴をもとに通行経路候補を探索し生体情報を取得するので、使用者の傾向を反映した通行経路を探索し、提示することができる。そのため、使用者は経路選択時に不要な経路を検討する必要がなくなる。
(1)上記実施形態においては、経路選択履歴を記憶する経路選択履歴記憶部15を経路探索装置10内に設ける場合について説明したが、経路選択履歴記憶部15を情報記憶装置20内に設けるようにしてもよい。この場合、経路探索装置10から情報記憶装置20に、使用者の情報(例えば、使用者IDのようなもの)と併せて経路選択履歴の情報を送信し、情報記憶装置20内では使用者の情報と紐付けて経路選択履歴の情報を記憶するようにすればよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、上述した第2の実施形態において、経路選択履歴にマッチングした通行経路探索を行っているのに対し、使用者の属性に応じた通行経路探索を行うようにしたものである。
(構成)
図10は、第3の実施形態における通行経路探索システム1の概略構成図である。
この通行経路探索システム1は、図1に示す通行経路探索装置10において、属性情報記憶部16を追加し、プローブ端末30において、属性情報取得部35を追加したことを除いては、図1と同様の構成を有する。
属性情報記憶部16は、使用者の属性情報を予め記憶する。属性情報には、人物によるものと、人物以外によるものとがある。人物によるものとしては、性別、年齢、職業、在籍地、運転経験(免許取得後の年数、免許取得後の累積運転距離等)がある。人物によらないものとしては、通行手段(徒歩、自転車、バス、電車、車等)、道路種別(一般道/高速道路)、時間(朝・昼・晩)、日種(曜日、平日/休日、大型連休等)、天候、路面状態がある。
また、個々の人物を属性で分類する際、複数の属性を組み合わせて分類するようにしてもよい。例えば、上記の年齢による分類に、行動範囲の違いが反映される可能性のある性別を加味してもよい。この場合、30歳未満の男性、30歳未満の女性、30歳以上50歳未満の男性、30歳以上50歳未満の女性、…といった分類方法となる。
属性情報取得部35は、プローブ端末保有者の属性情報を取得し、これを処理部34に送信する。
図11は、本実施形態における通行経路探索装置10の処理部12で実行する通行経路探索処理手順を示すフローチャートである。この通行経路探索処理は、所定時間毎に繰り返し実行する。
先ずステップS41で、処理部12は、前記ステップS1と同様に、使用者が目的地の情報を入力したか、即ち入力部11を介して目的地の情報を受信したか否かを判定する。そして、目的地の情報を入力したと判定した場合にはステップS42に移行し、目的地の情報が未入力であると判定した場合には通行経路探索処理を終了する。
ステップS42では、処理部12は、前記ステップS2と同様に、出発地を設定する。
ステップS44では、前記ステップS41で取得した目的地の情報と、前記ステップS42で設定した出発地の情報と、前記ステップS43で取得した属性情報とを送受信部14に送信し、ステップS45に移行する。これにより、送受信部14から情報記憶装置20へ、目的地の情報と出発地の情報と属性情報とを送信することになる。
図12は、本実施形態における情報記憶装置20の処理部23で実行する生体情報取得処理手順を示すフローチャートである。
ステップS51では、処理部23は、通行経路探索装置10から目的地の情報、出発地の情報、及び属性情報を受信したか否かを判定する。そして、これらを受信したと判定した場合にはステップS52に移行し、これらを受信していないと判定した場合には、後述するステップS54に移行する。
ステップS55では、処理部23は、前記ステップS54で受信したプローブ端末保有者の生体情報を、併せて受信したプローブ端末30の現在地の情報及び属性情報をもとに分類する。すなわち、プローブ端末保有者の生体情報が、記憶部21に記憶している生体情報のどの分類項目(走行区間、属性情報)に当てはまるかを判定する。ここで、生体情報は、例えば図13に示すように、属性毎に分類したうえで、さらに走行区間毎に分類して記憶部21に記憶しているものとする。
次にステップS56では、処理部23は、前記ステップS55の累積処理結果を記憶部21に記憶し、生体情報取得処理を終了する。
次に、第3の実施形態の動作について説明する。
プローブ端末30は、プローブ端末保有者の生体情報を計測し、これを現在位置情報及び属性情報と共に定期的に情報記憶装置20へ送信する。すると、情報記憶装置20は、プローブ端末30が送信したプローブデータを受信し(図12のステップS54でYes)、これを属性毎に分類し、さらに走行区間毎に分類して記憶部21に記憶する(ステップS55、S56)。このように、情報記憶装置20は、複数のプローブ端末30が送信した生体情報を含むプローブデータを記憶部21に蓄積しておく。そして、通行経路探索装置10は、情報記憶装置20に記憶した生体情報を含むプローブデータをもとに経路探索を行い、その情報を提示する。
同じ通行経路を通行した場合であっても、年齢や運転経験、時間帯や天候などによって運転者の生体情報への影響度は大きく異なる。例えば、高齢者や運転初心者にとっては緊張により血圧が上昇する道路であっても、若者や運転熟練者は全く動じない場合がある。そのため、年齢や運転経験、時間帯や天候などといった、所謂属性を考慮せずに通行経路探索を行ってしまうと、探索結果が使用者に適合しない場合がある。
なお、図11において、ステップS41が目的地取得部に対応し、ステップS45が生体情報取得部に対応し、ステップS46が推奨経路選択部に対応し、ステップS47及び表示部13が表示部に対応している。また、図12において、ステップS54〜S56及び記憶部21が生体情報記憶部に対応し、ステップS52が通行経路探索部に対応し、ステップS53が生体情報取得部に対応している。
第3の実施形態では、以下の効果が得られる。
(1)通行経路探索装置10は、使用者の行動傾向を特定する指標である属性情報を予め記憶する。情報記憶装置20は、使用者とは異なる人物が各通行経路を通行したときに計測した生体情報を、当該生体情報を計測した通行経路と、当該使用者とは異なる人物の属性情報とに対応付けて記憶部21に記憶する。情報記憶装置20は、目的地までの通行経路の候補として、使用者の属性情報に適合した通行経路を優先的に探索する。
このように、使用者と似た行動傾向を有するプローブ端末保有者の生体情報を用いて通行経路探索を行うことができるので、さらに深く使用者の傾向を反映した通行経路探索が可能となる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態は、上述した第3の実施形態において、使用者の属性に応じた通行経路探索を行っているのに対し、さらに同じ属性内でも分布を持つものに対して補正を施すようにしたものである。
(構成)
第4の実施形態における通行経路探索システム1は、図10と同様の構成を有する。
本実施形態では、同じ属性内でも、個々の人物によって生体情報にばらつきがあることを考慮し、同じ属性の中でさらにいくつかの属性に分類するものとする。
図14は、ある属性の人物がある経路を通行したときの血圧値の出現頻度である。この図14に示すように、年齢・性別等の属性が全く同じ条件で同じ道路を通行した場合でも、人によって血圧値にばらつきが生じる。これは、高速道路での運転が、緊張により血圧が高くでる人物と、全く動じない人物とがいるためである。
そして、このような生体情報の傾向を考慮して、使用者に適合した経路探索を行う。
図15は、本実施形態における情報記憶装置20の処理部23で実行する生体情報取得処理手順を示すフローチャートである。この生体情報取得処理は、図12におけるステップS52の後にステップS61の処理を追加したことを除いては、図12と同様の処理を行う。
ステップS61では、処理部23は、使用者の属性種別(標準/補正)に応じて、記憶部21から取得する生体情報を補正する。ここでは、使用者の属性種別が「補正」である場合にのみ、属性種別に適合した生体情報を記憶部21から取得し直し、前記ステップS53に移行する。具体的には、使用者の生体情報の傾向とマッチする別の属性分類を検索し、前記ステップS52で設定した通行経路候補の生体情報として、検索した属性分類の生体情報を取得し直す。一方、使用者の属性種別が「標準」である場合には、取得する生体情報の補正は行わずにそのまま前記ステップS53に移行する。
次に、第4の実施形態の動作について説明する。
通行経路探索装置10を搭載した車両の乗員が、ナビゲーション装置を操作して出発地S及び目的地Gを入力すると、通行経路探索装置10は、出発地の情報と目的地の情報とを乗員の属性情報と共に情報記憶装置20に送信する(図11のステップS44)。このとき、通行経路探索装置10は、乗員の生体情報の傾向に応じた属性種別(標準/補正)も併せて情報記憶装置20に送信する。
そして、取得したこれらの生体情報を通行経路探索装置10に送信する(ステップS53)。通行経路探索装置10は、情報記憶装置20から出発地Sと目的地Gとの間の各通行経路における生体情報を受信すると(図11のステップS45)、その情報を用いて推奨経路を探索する(ステップS46)。このとき、通行経路探索装置10は、複数の通行経路候補の中から、生体情報に悪影響の少ない経路を推奨経路として選択し、表示部13にこれを表示する(ステップS47)。このとき、図4に示すように、推奨経路と共に生体情報も表示する。
同じ属性を有する人物が同じ通行経路を走行した場合であっても、生体情報への影響度は大きく異なる。例えば、同じ年齢や運転経験、時間帯や天候であっても、高速道路を走行したときに緊張により血圧が高くでる人物と、全く動じない人物とがいる。そのため、このような同一属性内での生体情報の傾向の違いを考慮せずに、同一属性で通行経路探索を行ってしまうと、探索結果が使用者に適合しない場合がある。
なお、図15において、ステップS61が通行経路補正部に対応している。また、属性情報記憶部16が属性種別記憶部に対応している。
第4の実施形態では、以下の効果が得られる。
(1)通行経路探索装置10は、同一属性情報を有する人物毎に分類した同一属性分類内で、個々の人物によりばらつきを持つ生体情報について、使用者の前記生体情報が標準範囲内であるか否かを示す属性種別を予め記憶する。そして、情報記憶装置20は、使用者の属性情報に適合した通行経路の候補を、使用者の属性種別に基づいて補正する。
このように、使用者と似た生体情報の傾向を有するプローブ端末保有者の生体情報を用いて通行経路探索を行うことができるので、さらに深く使用者の傾向を反映した通行経路探索が可能となる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
この第5の実施形態は、使用者の属性情報を計測する機能を備え、計測した属性情報を通行経路探索で用いるようにしたものである。
(構成)
図17は、第5の実施形態における通行経路探索システム1の概略構成図である。
この通行経路探索システム1は、図10に示す通行経路探索装置10において、生体情報計測部17を追加したことを除いては、図10と同様の構成を有する。
生体情報計測部17は、使用者の属性情報を計測する。この生体情報計測部17は、例えば、血圧計、心電図センサ、脈波センサ、呼吸センサ、脳波センサ、温度センサ、撮像装置等を含んで構成する。なお、これら各種の生体情報計測器がBluetooth(登録商標)等の通信機器を内蔵しており、通行経路探索装置10がその受信機能を有している場合には、生体情報計測器で計測した生体情報を通信により受信するようにしてもよい。
図18は、本実施形態における通行経路探索装置10の処理部12で実行する通行経路探索処理手順を示すフローチャートである。この通行経路探索処理は、所定時間毎に繰り返し実行する。
先ずステップS71で、処理部12は、前記ステップS1と同様に、使用者が目的地の情報を入力したか、即ち入力部11を介して目的地の情報を受信したか否かを判定する。そして、目的地の情報を入力したと判定した場合にはステップS72に移行し、目的地の情報が未入力であると判定した場合には通行経路探索処理を終了する。
ステップS72では、処理部12は、前記ステップS2と同様に、出発地を設定する。
ステップS74では、処理部12は、生体情報計測部17で計測した生体情報を取得し、ステップS75に移行する。
ステップS75では、前記ステップS71で取得した目的地の情報と、前記ステップS72で設定した出発地の情報と、前記ステップS73で取得した属性情報と、前記ステップS74で取得した生体情報とを送受信部14に送信し、ステップS76に移行する。これにより、送受信部14から情報記憶装置20へ、目的地の情報と出発地の情報と属性情報と生体情報とを送信することになる。
次にステップS77では、処理部12は、前記ステップS76で受信した生体情報を用いて、複数の通行経路候補の中から使用者に適合した最適な経路(推奨経路)を探索する。例えば、推奨経路は、属性情報にマッチした通行経路のうち、生体情報や、目的地までの所要時間、目的地までの距離などの経路探索の優先項目に基づいて所定数(例えば3経路)選択する。
図19は、本実施形態における情報記憶装置20の処理部23で実行する生体情報取得処理手順を示すフローチャートである。この生体情報取得処理は、図15におけるステップS51をステップS81に置換し、ステップS61をステップS82に置換したことを除いては、図15と同様の処理を行う。
ステップS81では、処理部23は、通行経路探索装置10から目的地の情報、出発地の情報、属性情報及び生体情報を受信したか否かを判定する。そして、これらを受信したと判定した場合には前記ステップS52に移行し、これらを受信していないと判定した場合には、前記ステップS54に移行する。
次に、第5の実施形態の動作について説明する。
通行経路探索装置10を搭載した車両の乗員が、ナビゲーション装置を操作して出発地及び目的地を入力すると、通行経路探索装置10は、出発地の情報と目的地の情報とを、乗員の属性情報と乗員の生体情報と共に情報記憶装置20に送信する(図18のステップS75)。
すると、情報記憶装置20は、通行経路探索装置10が送信した出発地及び目的地の情報と属性情報と生体情報とを受信し(図19のステップS81でYes)、先ず、一般的な探索ロジックを用いて、出発地と目的地とを結ぶ通行経路を探索する。そして、探索した通行経路のうち、乗員の属性情報にマッチした通行経路を通行経路候補として探索し、その通行経路候補の生体情報を記憶部21から取得する(ステップS52)。
そして、取得したこれらの生体情報を通行経路探索装置10に送信する(ステップS53)。通行経路探索装置10は、情報記憶装置20から出発地Sと目的地Gとの間の各通行経路における生体情報を受信すると(図11のステップS45)、その情報を用いて推奨経路を探索する(ステップS46)。このとき、通行経路探索装置10は、複数の通行経路候補の中から、生体情報に悪影響の少ない経路を推奨経路として選択し、表示部13にこれを表示する(ステップS47)。このとき、図4に示すように、推奨経路と共に生体情報も表示する。
このように、使用者の生体情報の傾向(属性種別)を考慮して通行経路探索を行うので、自分と似た傾向を持つ人物の生体状態を用いて通行経路探索を行うことができ、より使用者にあった経路探索が可能となる。
なお、図18において、ステップS71が目的地取得部に対応し、ステップS74が生体情報計測部に対応し、ステップS76が生体情報取得部に対応し、ステップS77が推奨経路選択部に対応し、ステップS78及び表示部13が表示部に対応している。また、図19において、ステップS82が属性種別設定部及び通行経路補正部に対応している。
第5の実施形態では、以下の効果が得られる。
(1)通行経路探索装置10は、使用者の生体情報を計測する。そして、情報記憶装置20は、使用者の属性情報に適合した通行経路の候補を、使用者の属性種別に基づいて補正する。このとき、実際に計測した生体情報に基づいて使用者の属性種別を設定する。
このように、使用者と似た生体情報の傾向を有するプローブ端末保有者の生体情報を用いて通行経路探索を行うことができるので、さらに深く使用者の傾向を反映した通行経路探索が可能となる。また、使用者の生体情報を実際に計測し、計測した生体情報に基づいて使用者の生体情報の傾向を判別するので、使用者のその日の体調の変化に対応した通行経路探索が可能となる。
Claims (10)
- 使用者が入力した目的地までの通行経路を探索する通行経路探索システムであって、
前記使用者とは異なる人物が各通行経路を通行したときに計測した生体情報を、少なくとも当該生体情報を計測した通行経路と対応付けて記憶する生体情報記憶部と、
前記使用者が入力した目的地を取得する目的地取得部と、
前記目的地取得部で取得した目的地までの通行経路の候補を、複数探索する通行経路探索部と、
前記通行経路探索部で探索した通行経路の候補に対応する生体情報を、前記生体情報記憶部から取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部で取得した生体情報をもとに、前記通行経路探索部で探索した通行経路の候補の中から推奨経路を選択する推奨経路選択部と、
前記推奨経路選択部で選択した推奨経路を、当該推奨経路に対応した生体情報と共に表示する表示部と、を備えることを特徴とする通行経路探索システム。 - 前記推奨経路選択部は、前記推奨経路を複数選択するように構成されており、
前記表示部で表示した複数の推奨経路のうち、前記使用者が採用した推奨経路の情報を記憶する経路選択履歴記憶部を備え、
前記通行経路探索部は、前記目的地取得部で取得した目的地までの通行経路の候補として、前記経路選択履歴記憶部に記憶した、前記使用者が過去に採用した推奨経路のうち前記目的地までの通行経路を優先的に探索することを特徴とする請求項1に記載の通行経路探索システム。 - 前記使用者の行動傾向を特定する指標である属性情報を予め記憶する属性情報記憶部を備え、
前記生体情報記憶部は、前記使用者とは異なる人物が各通行経路を通行したときに計測した生体情報を、当該生体情報を計測した通行経路と、前記使用者とは異なる人物の属性情報とに対応付けて記憶するように構成されており、
前記通行経路探索部は、前記目的地取得部で取得した目的地までの通行経路の候補として、前記属性情報記憶部に記憶した属性情報に適合した通行経路を優先的に探索することを特徴とする請求項1に記載の通行経路探索システム。 - 前記使用者と同一の属性情報で分類した同一属性分類内で、前記使用者の前記生体情報の傾向が標準傾向にあるか否かを示す属性種別を予め記憶する属性種別記憶部と、
前記通行経路探索部で探索した、前記属性情報に適合した通行経路の候補を、前記属性種別記憶部に記憶した属性種別に基づいて補正する通行経路補正部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の通行経路探索システム。 - 前記使用者の生体情報を計測する生体情報計測部と、
前記生体情報計測部で計測した生体情報に基づいて、前記使用者と同一の属性情報で分類した同一属性分類内で、前記使用者の前記生体情報の傾向が標準傾向にあるか否かを示す属性種別を設定する属性種別設定部と、
前記通行経路探索部で探索した、前記属性情報に適合した通行経路の候補を、前記属性種別設定部で設定した属性種別に基づいて補正する通行経路補正部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の通行経路探索システム。 - 前記生体情報は、血圧、心拍数、脈拍数、呼吸数、体温、顔画像の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の通行経路探索システム。
- 前記属性情報は、性別、年齢、職業、在籍地、通行手段、運転経験、道路種別、時間、天候の少なくとも1つであることを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載の通行経路探索システム。
- 前記使用者が車両の乗員であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の通行経路探索システム。
- 前記使用者の使用端末である車載のナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置との間でデータ通信可能な情報管理サーバと、を備え、
前記情報管理サーバは、少なくとも前記生体情報記憶部と、前記通行経路探索部と、前記生体情報取得部と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、少なくとも前記目的地取得部と、前記推奨経路選択部と、前記表示部と、を備えることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の通行経路探索システム。 - 前記推奨経路選択部は、前記生体情報取得部で取得した生体情報をもとに、前記通行経路探索部で探索した通行経路の候補を通行したときの前記使用者の生体情報への影響度を算出し、当該影響度に基づいて前記推奨経路を選択することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の通行経路探索システム。
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