JP4191144B2 - ナビゲーションシステム、経路探索サーバ、携帯端末装置およびそのプログラム - Google Patents

ナビゲーションシステム、経路探索サーバ、携帯端末装置およびそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、携帯電話などの携帯端末と経路探索サーバとからなるナビゲーションシステムに関するものであり、特に、交通機関を利用して出発地から目的地までの乗り継ぎを含む経路を探索して案内するナビゲーションシステムにおいて、乗り継ぎ場所における乗り継ぎ時間(乗り換え時間)を最適化して経路探索を行い、最適経路を案内できるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバ、携帯端末装置およびそのプログラムに関するものである。
従来から、地図データ、道路データ、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を行う通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに列車時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。
また、航空機、列車、電車、バスなどの交通手段を用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索システムも知られている。このような経路探索システムは一般的には、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行データをデータベース化した運行データDB(データベース)を参照して、乗り継ぎを含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数(乗り換え回数)、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
歩行者ナビゲーションシステムやカーナビゲーションシステムにおける経路探索のための道路ネットワークは、例えば、道路が図11に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで道路ネットワークデータを構成している。すなわち、図11において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図11では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図11において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。図11ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクスラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
このような道路ネットワークは、図11に模式的に示すようにリンクコストが固定であり、経路が定まればその累積リンクコストは一意に定まる静的なネットワークデータであり、データの量も道路ネットワークの量に比例したものになる。
これに対して、交通機関の運行ネットワークデータは、例えば、交通期間の路線が図12に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図12において、○印、◎印がノードを示し、◎印は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図12では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
しかしながら、交通機関の運行ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通機関の運行ネットワークでは、図12に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数あり、各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
図12に例示する交通機関の運行ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になり、道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量のネットワークデータとなる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
このような交通機関の運行ネットワークデータを用いてある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。例えば、図12において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択し、交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノード(乗り換えノード)において乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して乗り継ぎ時間(乗り換え時間)を含む各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
ところで、交通機関を用いた経路探索においては、探索した経路に乗り継ぎが含まれる場合、所要時間は乗り継ぎ場所における乗り継ぎ時間(以下、乗り換え時間という)をリンクコストに加える必要がある。乗り換え時間をリンクコストに加えて経路探索を行う技術としては、例えば、下記の特許文献1(特開平8−263786号公報)に移動経路案内装置として開示されている。
この特許文献1に開示された移動経路案内装置は、操作表示部から利用者が搭乗するための移動手段を第1の地点で利用する利用者により目的地が入力されると、メモリから第1の地点で搭乗可能な第1の移動手段の出発時刻とこの第1の移動手段が乗り換え地点に到着する到着時刻を読み取り、この乗り換え地点における第1の移動手段の到着時刻に第2の記憶手段に記憶された乗り換え地点における乗り換え所要時間を加算する。そして、この算出された加算時刻に基づいてメモリから乗り換え地点で搭乗可能な第2の移動手段の出発時刻と第2の移動手段が目的地に到着する到着時刻を読み取り、操作表示部からこの移動手段と到着時刻を利用者に案内して、利用者に乗り換え地点において乗り換えに要する移動時間を考慮した移動経路情報を提供するようにしたものである。
乗り換えに要する移動時間を考慮するために、この移動経路案内装置においては、乗り換え所要時間情報として、各経由駅および各乗り換え駅構内の混雑情報に基づいて、降車番線のホームから乗換番線のホームまでの乗り換え移動に伴う平均的な乗り換え所要時間を記憶している。すなわち、時間単位毎に、かつ降車番線のホームと乗り換え番線のホームとの差毎に1ホーム移動、2ホーム移動、3ホーム以上移動の3パターンの乗り換え所要時間を記憶している。また、各駅における運行列車の発車時刻情報および到着時刻情報には、各列車に識別番号と発着番線が付されており、この識別番号をもとにして列車を判別して発車時刻または到着時刻を検索するようにされている。
また、下記の特許文献2(特開2003−182579号公報)には乗り換え場所である駅などの構造と探索した経路の組み合わせ(例えば、ある路線の上りホームに到着して、他の路線の下りホームから出発する列車に乗り継ぐなどの組み合わせ)について乗り換え時間を最小にすることのできる乗車車両位置を案内経路情報に加えるようにした最適経路探索装置が開示されている。
すなわち、この特許文献2に開示された最適経路探索装置は、CD−ROMの時刻表データに含まれる路線網データに、路線間の乗り換え駅につき、入線側路線及び入線方向と、出線側路線及び出線方向の組み合わせ別に、入線側路線での最適乗り換え車両位置情報を含めておく。そして、操作部で出発地、目的地、出発予定日時から成る探索条件が指定されて探索が指示がされると、最適経路探索部はCD−ROMの道路データと、交通機関の時刻表データを用いて徒歩と交通機関の組み合わせにより、指定探索条件に応じて出発地から目的地まで最短時間で移動できる最適な経路を探索し、結果を記憶部に記憶させる。また、最適経路上で乗り換えを行うべき駅があるとき、路線網データから最適な経路上での当該乗り換え駅での入線側路線及び入線方向と、出線側路線及び出線方向を判別したのち入線側路線での最適乗り換え車両位置情報を検索し、最適経路情報に付加するように構成したものである。
特開平8−263786号公報(図4、段落[0022]) 特開2003−182579号公報(図4、段落[0008]〜[0011])
一般に、乗り換え時間は乗り換え駅の構造に関連するものであり、乗車してきた列車の到着ホームと乗り継ぎ列車の出発ホームの位置関係(各ホーム間の距離)によって異なる。上記特許文献1に開示された移動経路案内装置においては、ホーム間の距離に基づいてその間を移動する場合の平均的な移動時間を机上計算で設定したものであった。
しかしながら、乗り換え時間はホーム間の距離だけによって定まるものではなく、乗り換え場所である駅や時間帯による混雑度合いの違い、移動する人の徒歩速度の違いによっても異なるものである。従って、上記特許文献1に開示された移動経路案内装置においては、設定した乗り換え時間のデータが実勢に合わないという問題点があった。このため、携帯電話など携帯端末を端末装置とした通信型のナビゲーションシステムを多くの人が日常的に利用するようになった現在では、「乗り換え時間が短すぎて乗り継ぎできなかった」あるいは「乗り換え時間が短くて焦った」という声が寄せられており、利便性に問題点があった。
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、携帯電話などの携帯端末を端末装置とした通信型のナビゲーションシステムにおいては、経路探索サーバが探索した案内経路に乗り継ぎが含まれる場合に、利用者がその案内経路を実際に移動する際に現実の乗り換え時間に関するデータを収集することが可能である点に着目し、多数の乗り換え時間を収集してこれを統計処理し、実勢にあった乗り換え時間を得て、乗り換え時間のデータを更新することによって前記問題点を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、前記問題点を解消することを課題とし、携帯端末と経路探索サーバとからなり、交通機関を利用して出発地から目的地までの乗り継ぎを含む経路を探索して案内するナビゲーションシステムにおいて、乗り継ぎ場所における乗り換え時間を最適化して経路探索を行い、最適経路を案内できるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバ、携帯端末とそのプログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
携帯端末装置から入力された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの交通手段を用いた経路であって、必要に応じて交通手段の乗り継ぎを含む経路を探索して案内経路とし前記携帯端末装置に配信する経路探索サーバを備えた経路探索システムにおいて、
前記経路探索システムは、乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置からの乗り換え時間を収集する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備え、
前記携帯端末装置は、加速度センサからなる歩行検出手段を備え、
前記乗り換え時間収集手段は、前記歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出し、前記統計処理手段は、前記乗り換え時間収集手段が算出した乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出し、
前記乗り換え時間DBに蓄積された乗り換え時間を、前記統計処理手段が算出した乗り換え時間により更新することを特徴とする。
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、
前記携帯端末装置は、経路探索サーバから受信した案内経路に乗り継ぎが含まれる場合に、当該携帯端末装置を利用する利用者が該乗り継ぎ場所における乗り換え時間を設定するための入力手段を備え、前記入力手段により乗り換え時間を設定した携帯端末装置には当該入力手段により設定された乗り換え時間を使用し、前記入力手段により乗り換え時間を設定しない携帯端末装置には乗り換え時間DBに蓄積した乗り換え時間を使用して経路探索を行うことを特徴とする。
本願の請求項3にかかる発明は、
携帯端末装置から入力された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの交通手段を用いた経路であって、必要に応じて交通手段の乗り継ぎを含む経路を探索して案内経路とし前記携帯端末装置に配信する経路探索サーバにおいて、
前記携帯端末装置は、加速度センサからなる歩行検出手段を備え、
前記経路探索サーバは、乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置からの乗り換え時間を収集する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備え、
前記乗り換え時間収集手段は、前記歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出し、前記統計処理手段は、前記乗り換え時間収集手段が算出した乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出し、
前記乗り換え時間DBに蓄積された乗り換え時間を、前記統計処理手段が算出した乗り換え時間により更新することを特徴とする。
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項3にかかる発明において、
前記携帯端末装置は、経路探索サーバから受信した案内経路に乗り継ぎが含まれる場合に、当該携帯端末装置を利用する利用者が該乗り継ぎ場所における乗り換え時間を設定するための入力手段を備え、
前記入力手段により乗り換え時間を設定した携帯端末装置には当該入力手段により設定された乗り換え時間を使用し、前記入力手段により乗り換え時間を設定しない携帯端末装置には乗り換え時間DBに蓄積した乗り換え時間を使用して経路探索を行うことを特徴とする。
本願の請求項5にかかる発明は、
携帯端末装置から入力された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの交通手段を用いた経路であって、必要に応じて交通手段の乗り継ぎを含む経路を探索して案内経路とし前記携帯端末装置に配信する経路探索サーバであって、
乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置からの乗り換え時間を収集する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備えた経路探索サーバを構成するコンピュータに、
携帯端末装置が備えた加速度センサからなる歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出する乗り換え時間収集手段としての処理を実行させ、
前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段としての処理を実行させ、
前記乗り換え時間DBに蓄積された乗り換え時間を、前記統計処理手段が算出した乗り換え時間により更新する処理を実行させることを特徴とするプログラムである。
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかる発明において、
前記経路探索サーバを構成するコンピュータに、
前記入力手段により乗り換え時間を設定した携帯端末装置には当該入力手段により設定された乗り換え時間を使用し、前記入力手段により乗り換え時間を設定しない携帯端末装置には乗り換え時間DBに蓄積した乗り換え時間を使用して経路探索を行う処理を実行させることを特徴とする。
本願の請求項7にかかる発明は、
乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置が備えた加速度センサからなる歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備え、前記携帯端末装置から入力された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの交通手段を用いた経路であって、必要に応じて交通手段の乗り継ぎを含む経路を探索する経路探索サーバに接続される携帯端末装置において、
前記携帯端末装置は、経路探索サーバから受信した案内経路に乗り継ぎが含まれる場合に、当該携帯端末装置を利用する利用者が該乗り継ぎ場所における乗り換え時間を設定するための入力手段を備えたことを特徴とする。
本願の請求項8にかかる発明は、
乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置が備えた加速度センサからなる歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備え、前記携帯端末装置から入力された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの交通手段を用いた経路であって、必要に応じて交通手段の乗り継ぎを含む経路を探索する経路探索サーバに接続される携帯端末装置を構成するコンピュータに、
前記経路探索サーバから受信した案内経路に乗り継ぎが含まれる場合に、当該携帯端末装置を利用する利用者が該乗り継ぎ場所における乗り換え時間を設定するための入力手段としての処理を実行させることを特徴とするプログラムである。
請求項1にかかる発明においては、経路探索システムは、乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置からの乗り換え時間を収集する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間集収手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備え、前記携帯端末装置は、加速度センサからなる歩行検出手段を備え、
前記乗り換え時間収集手段は、前記歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出し、前記統計処理手段は、前記乗り換え時間収集手段が算出した乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出し、前記乗り換え時間DBに蓄積された乗り換え時間を、前記統計処理手段が算出した乗り換え時間により更新する。
従って、経路探索サーバは各乗り継ぎ場所における実勢に応じた乗り換え時間を用いた経路探索を行い、携帯端末装置の利用者に乗り継ぎを含む経路を案内することができるようになる。


また、請求項2に係る発明においては、携帯端末装置を利用する利用者が該乗り継ぎ場所における乗り換え時間を設定するための入力手段を備え、前記入力手段により乗り換え時間を設定した携帯端末装置には当該入力手段により設定された乗り換え時間を使用し、前記入力手段により乗り換え時間を設定しない携帯端末装置には乗り換え時間DBに蓄積した乗り換え時間を使用して経路探索を行う。
従って、経路探索サーバは、携帯端末装置の利用者が乗り換え時間を設定してカスタマイズした場合には該カスタマイズした乗り換え時間を用いた経路探索を行うことができ、利用者の好みに応じた乗り換え時間による経路を探索して案内することができるようになる。また、カスタマイズを行っていない携帯端末装置に対して、経路探索サーバは各乗り継ぎ場所における実勢に応じた乗り換え時間を用いた経路探索を行い、携帯端末装置の利用者に乗り継ぎを含む経路を案内することができるようになる。
請求項3、請求項4にかかる発明においては、請求項1、請求項2にかかる経路探索システムを構成する経路探索サーバを提供することができるようになる。
請求項5、請求項6にかかる発明においては、請求項3、請求項4にかかる経路探索サーバを実現するためのプログラムを提供することができるようになる。
請求項7にかかる発明においては、請求項1にかかる経路探索システムを構成する携帯端末装置を提供することができるようになる。
請求項8にかかる発明においては、請求項7にかかる携帯端末装置を実現するためのプログラムを提供することができるようになる。
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図2は、列車における乗り継ぎのパターンを説明するための模式図であり、図2(a)は、同一の駅で交通手段を乗り継ぐ場合、図2(b)は、近接した駅の間で交通手段を乗り継ぐ場合のパターンを示す図である。図3は、図2(a)に示す同一の駅が交通手段を乗り継ぐ場合の8通りの乗り継ぎパターンを示す図である。図4は、乗り換え時間DBのデータの1例を示すデータ構成図である。図5は、携帯端末装置に表示される案内経路の表示画面の1例を示す画面構成図である。図6は、再探索後の案内経路の表示画面の1例を示す画面構成図である。図7は、統計処理の1例を説明するための図である。
本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステム10は、インターネットなどのネットワーク11、12を介して通信する携帯端末装置20と、経路探索サーバ30と、道路ネットワークDB51と、各種の交通機関が運行する交通手段の運行データを蓄積した運行ネットワークDB(データベース)52と、を備えて構成されている。道路ネットワークDB51には図11で説明した道路ネットワークのデータが記憶されており、経路探索サーバ30は徒歩や自動車による移動経路を探索する際にこの道路ネットワークDB51を参照して経路探索を行う。また、運行ネットワークDB52には図12で説明した交通手段の運行ネットワークのデータが記憶されており、経路探索サーバ30は交通手段による移動経路を探索する際にこの運行ネットワークDB52を参照して経路探索を行う。
携帯端末装置20は、制御手段21、入力手段22、出力手段(表示手段)23、通信手段24などから構成されている。制御手段21は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。入力手段22は、数字やアルファベットキーやその他の機能キー、選択キーなどからなる入力手段であり、出力手段23である表示手段に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、数字やアルファベットキーを操作して経路探索の条件を入力するものである。通信手段24は、ネットワーク11を介して経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースである。移動手段、出発地、目的地、出発日時、到着日時などの経路探索条件は、入力手段22により行われる。
一方、経路探索サーバ30は、制御手段31、経路案内手段32、表示手段33、通信手段34、乗り継ぎに要する所要時間を収集する乗り換え時間収集手段35、経路探索手段36、統計処理手段37、各駅などの乗り継ぎ場所毎の乗り換え所要時間を記憶した乗り換え時間DB38から構成されている。制御手段31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。表示手段33は、経路探索サーバ30のモニタ表示手段であり、通信手段34は、ネットワーク11、12を介して携帯端末装置20や道路ネットワークDB51、運行ネットワークDB52と通信するためのインターフェースである。経路案内手段32は、経路探索手段36が探索した案内経路(個々の列車などの交通手段)を携帯端末装置20に配信するためのデータに編集するためのものである。
本実施例におけるナビゲーションシステム10は、前述したように道路ネットワークDB51を用いて徒歩あるいは自動車を移動手段とする経路探索、さらに、運行ネットワークDB52を併用して、徒歩および交通手段を移動手段とする経路探索が可能であるが、本発明においては、交通手段を移動手段とする場合の乗り換え時間を、実勢に応じて適切に経路案内するものであり、また、徒歩、自動車を用いる経路探索の手順、交通手段を用いる経路探索の手順の詳細については一般的なナビゲーションシステムと同様である。従って、以下の説明においては交通手段を用いた経路探索の手順については、その概要のみを説明する。
乗り換え時間DB38は、駅などの各乗り継ぎ場所毎に、かつ、後述する乗り継ぎパターン毎に乗り換えに要する時間(乗り換え時間)を記憶しており、経路探索手段36が探索した案内経路に乗り継ぎが含まれる場合には、乗り換え時間DB38から該当する乗り継ぎ場所、乗り継ぎパターンの乗り換え時間を得て、経路案内データに含めて携帯端末装置20に送信する。乗り換え時間収集手段35は、利用者が乗り継ぎを含む案内経路を受信して実際にその案内経路を移動する際に、現実の乗り換え時間に関するデータを携帯端末装置20から収集するためのものである。
乗り換え時間収集手段35で収集した乗り換え時間のデータ数が所定のサンプル数になった場合、あるいは、所定の時間間隔で、乗り換え時間収集手段35が収集した乗り換え時間を統計処理手段37により統計処理して実勢に応じた最適な乗り換え時間を決定し、乗り換え時間DB38に記憶している該当する乗り換え時間のデータを更新する。これによって、経路探索サーバ30は実勢にあった乗り換え時間を案内することができるようになる。
駅などの乗り継ぎ場所(乗り換え駅)の構造と乗り継ぎのパターンについて図2を参照して説明する。乗り継ぎには、図2(a)に示すように同一の駅、例えば、X駅でA路線の列車からB路線の列車に乗り継ぐ場合と、図2(b)に示すように近接した駅、例えば、X駅でA路線の列車から下車してX駅に近接したY駅まで徒歩で移動し、Y駅でB路線の列車に乗り継ぐ場合とがある。図2はこの関係を路線の方向を考慮してリンク(矢印)とノードで模式的に示した図である。一般にN本の路線の乗り継ぎにおいて、路線の方向まで考慮した乗り継ぎ経路の組み合わせの最大値は、
N×(N−1)×2×2
である。上記式において、Nは最初に乗車していた路線、(N−1)は次に乗り継ぐ路線、最初の数値2は最初に乗っていた方向(上り/下り)、次の数2は次に乗り継ぐ方向(上り/下り)である。
従って、図2のような2路線の交差での乗り継ぎパターンの組み合わせは8通りのパターンになる。図3は、X駅におけるこの8通りの組み合わせを示している。X駅またはY駅における路線が始発駅である場合には組み合わせの数が減少する。また、快速と各駅停車を区別して探索する場合にはそれぞれを別路線として扱うこともできる。乗り継ぎに要する乗り換え時間は、それぞれの駅の構造によっては異なる時間になることがあり、また、時間帯、例えば、朝夕の通勤、通学時間帯には特定の方向に人の流れが集中するので乗り換えに要する時間が長くなることもある。図2(b)のように近接した2つの駅(X駅、Y駅)を乗り継ぎ駅として扱う場合、2つの駅の間が徒歩リンクで結ばれているが、それぞれの乗り継ぎパターンの行程を1つのまとまりとして乗り換え時間をデータ化してもよい。
このような乗り継ぎ場所毎、乗り換えパターン毎の乗り換え時間が乗り換え時間DB38に記憶されている。図4は、乗り換え時間DB38のデータ構成を示している。乗り換え時間データは、時間帯A〜時間帯Nに示すように時間帯別に乗り換え時間を記憶する構成としてもよい。また、時間帯によらず乗り換え時間の平均値を記憶する構成としてもよい。従って、この乗り換え時間DB38に記憶した乗り換え時間が最適化されていれば、経路探索において実勢に合った乗り換え時間を案内することができる。本発明でいう「最適化」とは、利用者が乗り継ぎを含む案内経路を移動する際に、現実の乗り換え時間に関するデータを収集し、これを統計処理して実勢に応じた乗り換え時間を得る処理をいい、例えば、乗り換え時間のデータの分布を調べ、分布の中心から60%のデータの平均値を算出して乗り換え時間とするような統計処理を行うことをいう。
乗り換え時間DB38に蓄積する乗り換え時間のデータは、前述のごとく、各乗り継ぎ場所毎、時間帯毎に記憶してもよく、更に、曜日毎、あるいは、年末年始や連休などの特異日を区別して乗り換え時間のデータを収集、統計処理して記憶することもでき、経路探索時に曜日や前記の特異日を経路探索条件に加味した経路探索を行うようにすれば、より実勢にあった経路案内を行うことができるようになる。
経路探索手段36における経路探索の方法には「平均探索」、「時刻表探索」がある。平均探索とは、時刻を指定せずに経路探索を行う方法であり、列車の所要時間も乗り継ぎ時間を平均的な値を用いて行う。また、乗り換え時間は、次に乗り継ぐ列車の平均待ち時間を加算して乗り換え時間とすることもある。時刻表検索とは、実際に乗り継ぎ可能名列車を逐次探索していく方法であり、この場合は、乗り換えに必要な時間(乗り換え時間)を満たす乗り継ぎ列車を乗り継ぎ可能な列車として案内する。いずれの場合であっても、乗り換え時間が実勢に合ったデータであるとより適切な経路探索、案内を行うことができる。
次に、利用者が乗り継ぎを含む経路探索を行って実際に案内経路を移動する際に、現実の乗り継ぎ時間に関するデータを収集する方法について説明する。携帯端末装置20が経路探索の条件を入力して経路探索サーバ30に送り、経路探索サーバ30が探索した案内経路のデータを受信する。携帯端末装置20は、経路探索サーバ30から受信した案内経路のデータを表示手段33に表示する。表示手段33に表示される案内経路のデータは図5に示すように、交通機関を利用する区間について、各駅の出発時刻が表示される。
図5の例では、15:45に霞ケ関駅で乗り継ぎが必要であることが示され、乗り換え時間が「乗換必要時間」として選択ボックス511に表示されている。選択ボックスに表示される乗り換え時間は、乗り換え時間DB38に記憶されている最新の乗り換え時間であり、本発明における最適化がなされていない状態では、初期値として従来の設定と同様の平均的な乗り換え時間が表示される。図5の場合は平均的な乗り換え時間「1分」が表示されており、次の乗り継ぎ可能な電車は1分後に乗り継ぎ可能な電車が案内経路として探索され、たまたま1分後の15:46発の電車があったので、この電車が経路として案内されている。
利用者がこの案内経路を参照して実際に乗り継ぎを行う場合、利用者は選択ボックス511をクリックしてプルダウンされた数値群512から利用者自身が必要と考える乗り換え時間を選択して自分の乗り換え時間として設定することができる。利用者が設定した乗り換え時間は、経路探索サーバ30に送られ、図示していないユーザDBに記録され、ユーザ単位でカスタマイズした乗り換え時間データが蓄積される。従って、携帯端末装置20にカスタマイズデータ利用モードを設け、経路探索サーバ30がカスタマイズされた乗り換え時間を用いた案内経路を提供するようにナビゲーションシステムを構成することもできる。このカスタマイズデータは、携帯端末装置20側にこれを記憶する構成とし、利用者自身が次に経路探索を行って、同一の乗り継ぎが発生した場合に参照して再探索するようにしてもよい。なお、記憶容量に制約がある場合には、記憶するカスタマイズデータは最新の100個のデータに制限することも可能である。
図5において、選択ボックス511に表示された乗り換え時間の初期値「1分」を利用者がプルダウンメニューを操作して「2分」を自分の乗り換え時間として設定すると、図6に矢印で示すように設定した乗り換え時間で乗り継ぎ可能な他電車を再探索する。この再探索の結果、経路探索サーバ30は最適経路を再探索して利用者が設定した乗り換え時間「2分」後に乗り継ぎ可能な経路を電車が案内経路として探索され、2分後の乗り換えの条件を満たす電車として6分後(15:51発の電車)が探索され、案内経路として表示される(図6参照)。このようにして利用者が乗り換え時間を設定し、カスタマイズを行った携帯端末装置20に対して経路探索サーバは、利用者が設定した乗り換え時間を使用して経路探索を行う。
一方、前述のようにして各利用者が選択ボックス512から設定した利用者毎の乗り継ぎ時間のデータは、経路探索サーバ30において、ユーザDBに記録されるとともに、乗り換え時間収集手段35によって収集される。乗り換え時間収集手段35に収集された乗り換え時間データのサンプル数が所定数になると統計処理手段37は、収集された全ての乗り換え時間データを統計処理し、利用者が設定した乗り換え時間の中で最も多い乗り換え時間を最適化した乗り換え時間として乗り換え時間DB38の乗り換え時間を更新する。統計処理のタイミングはデータサンプル数によらず、一定の周期毎に行ってもよい。図7は乗り継ぎ場所Xに関して収集した利用者毎の乗り換え時間のデータ数を示す図である。図7に示すように乗り換え時間2分を設定した利用者が162と最も多い。この場合、前述の統計処理を簡単するためには、最も多い162の利用者が設定した乗り換え時間「2分」を当該乗り継ぎ場所における乗り換え時間として、乗り換え時間DB38に蓄積してある乗り換え時間を更新するようにしてもよい。
また、統計処理は、前述したように、乗り換え時間のデータの分布を調べ、分布の中心から60%のデータの平均値を算出して乗り換え時間とする手法であってもよい。このように正規分布から外れたデータを統計処理から除外するのは、例えば、利用者によっては、乗り継ぎ駅において、買い物をしたり、飲食をするための時間を乗り換え時間に加算して設定する場合が想定されるためである。このように乗り換え時間DB38に蓄積した乗り換え時間のデータは、利用者が前述した乗り換え時間の設定を行っていない携帯端末装置20、すなわち、乗り換え時間のカスタマイズを行っていない携帯端末装置20からの経路探索要求に対する経路探索において使用される。従って、カスタマイズを行っていない携帯端末装置20に対して、実勢にあった乗り換え時間を加味した経路探索、経路案内を行うことができるようになる。
以上のように、本実施例によれば、多数の利用者が実際に乗り継ぎ駅で選択した利用者自身の乗り換え時間のデータを統計処理し、実勢に応じて最適化した乗り換え時間を乗り換え時間DBに蓄積することによって、より実際に則した最適経路を探索して案内することが可能となる。
以上説明した実施例1にかかるナビゲーションシステム10においては、利用者自身が乗り継ぎを含む案内経路を実際に移動する際に、利用者自身がカスタマイズのために設定する乗り換え時間のデータを収集して統計処理するものであった。これに対して、乗り継ぎ場所を利用者が実際に移動する際の歩行を検出して乗り継ぎ時間のデータを収集することもできる。本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステム10は、利用者の歩行を検出して乗り継ぎ場所における実際の乗り継ぎ時間データを収集する構成としたものであり、以下、詳細に説明する。図8は、本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図9は、本発明の実施例2にかかるナビゲーションステムの機能を説明するための表示画面構成を示す図である。図10は、経路探索サーバ30において解析した加速度サンプリングデータの波形を示す波形図である。
図8に示す実施例2にかかるナビゲーションシステム10において、図1の実施例1と異なる部分は、携帯端末装置20に3軸の加速度センサなどからなる歩行検出手段25を備えた点である。その他の構成要素は実施例1と同様であり、図8において図1と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。
図9は、本発明の実施例2にかかるナビゲーションステム10の機能を説明するための表示画面構成を示す図である。図9の矢印で示すように経路探索の結果表示から実際のルート案内を開始するときに、例えば、電車の前後に徒歩区間があって、最初の徒歩区間のルート案内開始をクリックした時から、最後の徒歩区間のルート案内開始をクリックした時まで、歩行検出手段25によって加速度のサンプリングを行う。
あるいは、携帯端末装置20(例えば、携帯電話)に内蔵した非接触IC(図8には図示していない)を用いて自動改札を通過するようになっている場合は、自動改札機に入場した時点て測定を開始し、自動改札機を出てから10分後まで歩行検出手段25によって加速度のサンプリングを行うものとする。サンプリング終了後は、自動的に経路探索サーバ30にサンプリングした加速度のデータ送信が行われて、携帯端末装置20の処理は終了する。
ここで、加速度のサンプリングとは、歩行検出のためであって、例えば8Hzでサンプリングを行う。3軸の加速度の二乗和を記憶するだけでもよく、例えば、1時間サンプリングを行ったとしても、8×3600=28Kbyte程度であり、昨今扱われている携帯電話の写真付きメールや、着信メロディーの音楽データよりもデータサイズが小さいことから、経路探索サーバ30に送信することは技術的に全く問題ない。
経路探索サーバ30は、携帯端末装置20から受信した加速度データから、例えば、15秒間隔でデータを抽出し(高速フーリエ変換を行うので、データは16秒分 128サンプリング抽出する)、スペクトル解析によって2Hz周辺に強いスペクトルが出ているか調べ、検出されれば、その15秒間は歩行していると見なす。これを、全サンプリングデータに行い、歩行とそれ以外の区間に分ける。
図10は、経路探索サーバ30において解析した加速度サンプリングデータの波形を示す波形図であり、縦軸は重力Gを、横軸は時間をとっている。このような波形を解析して前述の処理を行い、長い非歩行時間の間に存在する歩行時間を区別することができる。長い非歩行時間とは、電車に乗っているか、電車を待っている場合であり、その間に存在する歩行は、乗換えのための歩行である。
すなわち、図10の波形図において、Aが電車に乗車して駅に到着する時の振動であり、2Hzの顕著なスペクトルを含んでいない。Bは電車から降りて、ホームを歩いているときの波形である。もちろん、2Hzの強いスペクトルが検出された区間である。Cは実はエスカレータに乗っているときの波形である。ゆっくりとした等速度運動なので、加速度は安定している。Dは、エスカレータを降りて乗り換えの番線に到着し、乗車位置までの徒歩区間である。そして、Eは電車待ちであり、立っているだけなので加速度はまた重力加速度付近に安定している。
従って、BとDの時間が、乗り換えのために歩いていた時間であることがわかる。また、この乗り換えにはエスカレータが必要なことがわかっていれば、その時間を加えたものが乗り換えに必要な時間である。あるいは、長い非歩行時間の間に存在する歩行時間の最初の歩行時間から、最後の歩行終了までを、乗り換え時間とすることもできる。(そのあと、すぐに電車に乗っても、待ち時間があっても、どちらでも良い。長い非歩行時間の直前までが乗り換え動作である)
このように、各利用者から集めた乗り換え時間を、さらに統計処理することにより、乗換え時間の実勢が求められる。さきに述べたように、曜日、時間帯、また利用者の年齢、性別などの情報がわかれば、それらの条件で分類してもよい。そして、ある程度統計が集まったところで、標準の乗換え時間にフィードバックをかける。その後の経路探索では、新しい乗り換え時間が用いられて、より実勢にあわせた経路探索結果となり、乗り換えが間に合わなかったということがなくなる。このような効果は、実施例1のように各利用者が設定した乗り換え時間を統計処理した場合にも同様にえられる効果である。
本発明は、乗り換えの混雑度を測定する効果もあるので、最初に想定していた乗り換え時間と更新した乗り換え時間の差が大きい場合には、想定外の問題が発生していることが推測される。乗降客数に対して階段が少なすぎるとか、特定時刻に発着電車が密集しているとか、といった可能性もあるので、駅の構造やダイヤ編成を再検討する際の参考データを提供することもできる。
本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。 列車における乗り継ぎのパターンを説明するための模式図であり、図2(a)は、同一の駅で交通手段を乗り継ぐ場合、図2(b)は、近接した駅の間で交通手段を乗り継ぐ場合のパターンを示す図である。 図2(a)に示す同一の駅が交通手段を乗り継ぐ場合の8通りの乗り継ぎパターンを示す図である。 乗り換え時間DBのデータの1例を示すデータ構成図である。 携帯端末装置に表示される案内経路の表示画面の1例を示す画面構成図である。 再探索後の案内経路の表示画面の1例を示す画面構成図である。 統計処理の1例を説明するための図である。 本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2にかかるナビゲーションステムの機能を説明するための表示画面構成を示す図である。 経路探索サーバ30において解析した加速度サンプリングデータの波形を示す波形図である。 一般的な経路探索のための道路ネットワークを説明するための模式図である。 交通機関を使用した経路探索のための道路ネットワークを説明するための模式図である。
符号の説明
10・・・・ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・携帯端末装置
21・・・・制御手段
22・・・・入力手段
23・・・・出力手段
24・・・・通信手段
30・・・・経路探索サーバ
31・・・・制御手段
32・・・・経路案内手段
33・・・・表示手段
34・・・・通信手段
35・・・・乗り換え時間収集手段
36・・・・経路探索手段
37・・・・統計処理手段
38・・・・乗り換え時間DB
51・・・・道路ネットワークDB
52・・・・運行ネットワークDB

Claims (8)

  1. 携帯端末装置から入力された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの交通手段を用いた経路であって、必要に応じて交通手段の乗り継ぎを含む経路を探索して案内経路とし前記携帯端末装置に配信する経路探索サーバを備えた経路探索システムにおいて、
    前記経路探索システムは、乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置からの乗り換え時間を収集する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備え、
    前記携帯端末装置は、加速度センサからなる歩行検出手段を備え、
    前記乗り換え時間収集手段は、前記歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出し、前記統計処理手段は、前記乗り換え時間収集手段が算出した乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出し、
    前記乗り換え時間DBに蓄積された乗り換え時間を、前記統計処理手段が算出した乗り換え時間により更新することを特徴とする経路探索システム。
  2. 前記携帯端末装置は、経路探索サーバから受信した案内経路に乗り継ぎが含まれる場合に、当該携帯端末装置を利用する利用者が該乗り継ぎ場所における乗り換え時間を設定するための入力手段を備え、前記入力手段により乗り換え時間を設定した携帯端末装置には当該入力手段により設定された乗り換え時間を使用し、前記入力手段により乗り換え時間を設定しない携帯端末装置には乗り換え時間DBに蓄積した乗り換え時間を使用して経路探索を行うことを特徴とする請求項1に記載の経路探索システム。
  3. 携帯端末装置から入力された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの交通手段を用いた経路であって、必要に応じて交通手段の乗り継ぎを含む経路を探索して案内経路とし前記携帯端末装置に配信する経路探索サーバにおいて、
    前記携帯端末装置は、加速度センサからなる歩行検出手段を備え、
    前記経路探索サーバは、乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置からの乗り換え時間を収集する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備え、
    前記乗り換え時間収集手段は、前記歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出し、前記統計処理手段は、前記乗り換え時間収集手段が算出した乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出し、
    前記乗り換え時間DBに蓄積された乗り換え時間を、前記統計処理手段が算出した乗り換え時間により更新することを特徴とする経路探索サーバ。
  4. 前記携帯端末装置は、経路探索サーバから受信した案内経路に乗り継ぎが含まれる場合に、当該携帯端末装置を利用する利用者が該乗り継ぎ場所における乗り換え時間を設定するための入力手段を備え、
    前記入力手段により乗り換え時間を設定した携帯端末装置には当該入力手段により設定された乗り換え時間を使用し、前記入力手段により乗り換え時間を設定しない携帯端末装置には乗り換え時間DBに蓄積した乗り換え時間を使用して経路探索を行うことを特徴とする請求項3に記載の経路探索サーバ。
  5. 携帯端末装置から入力された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの交通手段を用いた経路であって、必要に応じて交通手段の乗り継ぎを含む経路を探索して案内経路とし前記携帯端末装置に配信する経路探索サーバであって、
    乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置からの乗り換え時間を収集する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備えた経路探索サーバを構成するコンピュータに、
    携帯端末装置が備えた加速度センサからなる歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出する乗り換え時間収集手段としての処理を実行させ、
    前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段としての処理を実行させ、
    前記乗り換え時間DBに蓄積された乗り換え時間を、前記統計処理手段が算出した乗り換え時間により更新する処理を実行させることを特徴とするプログラム。
  6. 前記経路探索サーバを構成するコンピュータに、
    前記入力手段により乗り換え時間を設定した携帯端末装置には当該入力手段により設定された乗り換え時間を使用し、前記入力手段により乗り換え時間を設定しない携帯端末装置には乗り換え時間DBに蓄積した乗り換え時間を使用して経路探索を行う処理を実行させることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
  7. 乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置が備えた加速度センサからなる歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備え、前記携帯端末装置から入力された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの交通手段を用いた経路であって、必要に応じて交通手段の乗り継ぎを含む経路を探索する経路探索サーバに接続される携帯端末装置において、
    前記携帯端末装置は、経路探索サーバから受信した案内経路に乗り継ぎが含まれる場合に、当該携帯端末装置を利用する利用者が該乗り継ぎ場所における乗り換え時間を設定するための入力手段を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
  8. 乗り継ぎ場所における乗り換え時間を蓄積した乗り換え時間DBと、携帯端末装置が備えた加速度センサからなる歩行検出手段から送信された歩行検出結果から乗り継ぎ場所における実質徒歩時間を乗り換え時間のデータとして算出する乗り換え時間収集手段と、前記乗り換え時間収集手段により収集した乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間のデータを統計処理して乗り継ぎ場所毎の乗り換え時間を算出する統計処理手段と、を備え、前記携帯端末装置から入力された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの交通手段を用いた経路であって、必要に応じて交通手段の乗り継ぎを含む経路を探索する経路探索サーバに接続される携帯端末装置を構成するコンピュータに、
    前記経路探索サーバから受信した案内経路に乗り継ぎが含まれる場合に、当該携帯端末装置を利用する利用者が該乗り継ぎ場所における乗り換え時間を設定するための入力手段としての処理を実行させることを特徴とするプログラム。
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