JP2014163512A - ダンパ - Google Patents

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Atsushi Toyouchi
敦士 豊内
Shinichi Sekine
伸一 関根
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啓司 斎藤
Tetsuya Tamura
徹弥 田村
Yuji Fukuzawa
祐二 福沢
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Abstract

【課題】ロッドの摺動性が悪化することのないダンパを提供することである。
【解決手段】上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダ1と、シリンダ1の一端1a側から当該シリンダ1内に出入自在に挿入されるロッド2とを備えたダンパDにおいて、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるフリーピストン3を設け、フリーピストン3でシリンダ1内をロッド2の挿通を許容するロッド側室4とロッド2が挿通されない反ロッド側室5とに区画し、ロッド側室4内には鉱物油を充填し、反ロッド側室5内にはシリコンオイルを充填した。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダンパに関する。
車椅子や台車等のキャスタには、車輪の上下動を許容する構造を採用しているものがある。このような構造を持つキャスタにあっては、凹凸のある路面を走行する際に車椅子等への振動が伝わりにくくするため、車輪と、この車輪を揺動自在に保持するブラケットとの間に小型のダンパを備えるものがある。
このようなキャスタに使用されるダンパにあっては、シリンダと、シリンダ内に出入り自在に挿入されるロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダの一端を閉塞するとともにロッドを軸支するロッドガイドと、ロッドガイドの内周に装着されてロッドの外周をシールする環状のシールリングとを備えて構成され、シリンダ内にシリコンオイルを充填している。また、シリンダ内は、ピストンによって二つの部屋に区画されており、これらの部屋はシリンダとピストンとの間に形成される環状隙間によって連通されている。
シリコンオイルは、作用する圧力が大きくなると粘度を増す物性をもっており、ロッドがシリンダに対して出入りさせると、圧力の作用により粘度が高くなったシリコンオイルが上記した環状隙間を介して部屋同士を行き来し、これら部屋間に差圧が生じて、ダンパは、ロッドのシリンダに対する相対移動を抑制する減衰力を発揮するようになっている。(たとえば、特許文献1参照)。
特開2012−149690号公報
ところで、シリコンオイルは、体積変化率に富んでいるので、ロッドがシリンダ内に出入りする体積をシリコンオイルの体積変化によって補償することができ、シリコンオイルを使用することでダンパの構造が簡易となる利点がある一方、シリコンオイルは、結晶化して硬質なシリカを生成することがあり、シリカがロッドの外周に付着するとロッドとロッドガイドとの摺動性を悪化させる可能性がある。
そこで、本発明は上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ロッドの摺動性が悪化することのないダンパを提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、当該シリンダの一端側から当該シリンダ内に出入自在に挿入されるロッドとを備えたダンパにおいて、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるフリーピストンを設け、当該フリーピストンで上記シリンダ内を上記ロッドの挿通を許容するロッド側室と上記ロッドが挿通されない反ロッド側室とに区画し、上記ロッド側室内には鉱物油を充填し、上記反ロッド側室内にはシリコンオイルを充填したことを特徴とする。
本発明のダンパにあっては、シリンダにフリーピストンで区画したロッドの挿通が許容されるロッド側室に鉱物油を充填し、ロッドが挿通されない反ロッド側室にシリコンオイルを充填しているので、ロッドは鉱物油のみに接触しており、シリコンオイルが酸化してシリカが反ロッド側室内で生成されることがあっても、ロッドの外周に付着することがない。よって、ロッドの摺動部にシリカが入り込むことがない。
以上より、本発明のダンパによれば、ロッドの摺動性が悪化することがない。
一実施の形態におけるダンパの縦断面図である。
以下、図に基づいて本発明を説明する。本発明のダンパDは、図1に示すように、シリンダ1と、当該シリンダ1の一端側から当該シリンダ1内に出入自在に挿入されるロッド2と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるフリーピストン3と、当該フリーピストン3でシリンダ1内に区画したロッド側室4と反ロッド側室5とを備えて構成されている。
ダンパDの各部について説明する。シリンダ1は、筒状であって一端1aが開口しており、他端1bは閉塞されており、外部機器への取り付けを可能とする取付孔1cを備えている。また、この実施の形態の場合、シリンダ1の一端1aの内周には、螺子部1dが設けられており、この螺子部1dには、筒状のロッドガイド6が螺着されている。
ロッドガイド6は、外周に螺子部6aを備えていて、この螺子部6aを上述したシリンダ1の螺子部1dに螺着することでシリンダ1の一端1aの内周に固定され、シリンダ1の一端1aを閉塞している。
また、ロッドガイド6は、内周に環状溝6bを備え、当該環状溝6b内には、ロッド2の外周に摺接する環状のシール部材7が装着されている。また、ロッドガイド6の下端外周には環状凹部6cが設けられている。この環状凹部6cには、環状のシールリング8が装着されており、シールリング8は、シリンダ1の内周とロッドガイド6に密着してロッドガイド6とシリンダ1との間を密にシールしている。
そして、ロッド2は、上記したロッドガイド6の内周に挿通され、図1中下端側がシリンダ1内に挿入され、シリンダ1に出入自在とされている。また、このロッド2の図1中下端である先端の外周には、ピストン9が取り付けられている。また、ロッド2のシリンダ1外へ突出する端部には、取付孔2aが設けられており、この取付孔2aとシリンダ1の取付孔1cを利用してダンパDを図示しないキャスタ等の外部機器へ取り付けることができるようになっている。
フリーピストン3は、シリンダ1内に摺動自在に挿入されていて、シリンダ1内の当該フリーピストン3より図1中上方側にロッド2の挿通を許容するロッド側室4を区画するとともに、シリンダ1内の当該フリーピストン3より図1中下方側にロッド2が挿通されない図1中下方側の反ロッド側室5を区画している。そして、ロッド側室4内には、鉱物油が充填されており、反ロッド側室5内にはシリコンオイルが充填されている。フリーピストン3の外周には、環状溝3aが設けられていて、この環状溝3a内には、シリンダ1の内周に摺接するシールリング12が装着されており、このフリーピストン3とシリンダ1との間がシールされているので、反ロッド側室5おけるシリコンオイルのロッド側室4内への侵入が防止されている。また、フリーピストン3は、合成樹脂製とされており、シリンダ1との摩擦が低減されている。したがって、フリーピストン3がシリンダ1内で移動しても、フリーピストン3とシリンダ1の摩擦による発熱が低減されていて、ダンパDが伸縮作動を繰り返してもシリコンオイルの温度上昇を抑制することができるようになっている。シリコンオイルは、高温高圧下で酸化反応してシリカを生成しやすくなるため、このように温度上昇を抑制することでシリカの生成を抑制することができるが、フリーピストン3を合成樹脂以外の材料で形成することも可能である。
また、フリーピストン3には、ロッド側室4と反ロッド側室5とを連通を許容する通孔としての螺子孔3bが設けられており、この螺子孔3bには、プラグ3cが螺着されている。このプラグ3cによって螺子孔3bは、閉塞されていてロッド側室4と反ロッド側室5との連通が阻止されている。
このようにフリーピストン3に通孔として機能する螺子孔3bを設けることで、反ロッド側室5へ所定量のシリコンオイルを充填したのちにフリーピストン3をシリンダ1へ挿入する際に、螺子孔3bを利用して反ロッド側室5の空気を抜くことができ、空気を抜いたのちにプラグ3cで螺子孔3bを閉塞することで反ロッド側室5内の空気の残留と、シリコンオイルのロッド側室4への漏洩を防止することができ、ダンパDを容易に製造することができるようになる。予め、フリーピストン3をシリンダ1内の所定位置に挿入しておき、螺子孔3bを利用してシリコンオイルを反ロッド側室5に充填するようにしてダンパDを製造することも可能である。
なお、プラグ3cに嫌気性接着剤等の接着剤を塗布して螺子孔3bに螺着することで、ロッド側室4と反ロッド側室5との連通を確実に阻止することができ、かつ、螺子孔3bからのプラグ3cの脱落を防止することができる。通孔は、閉塞することができれば螺子孔でなくともよいが、螺子孔3bとすることで、シリンダ1内に移動が許容される状態で収容されているフリーピストン3へプラグ3cを容易に取り付けることができる。
転じて、ロッド側室4は、ロッド2の先端に設けたピストン9によって、ピストン9より図1中上方側の上方作動室13と、ピストン9より図1中下方側の下方作動室14とに仕切られている。
ピストン9の外径は、シリンダ1の内径よりも小径とされていて、ピストン9とシリンダ1との間には環状隙間15が形成されている。この環状隙間15は、上方作動室13と下方作動室14とを連通しており、ロッド2に外部から力が入力されてロッド2がシリンダ1に対して相対移動し、ピストン9がロッド側室4内で図1中上下方向へ移動する場合、上方作動室13と下方作動室14のうち圧縮される一方から拡大される他方へと環状隙間15を介して鉱物油が移動することになる。
ダンパDは、以上のように構成されており、ロッド2をシリンダ1に対して軸方向である図1中上下方向に相対移動させて、ダンパDを伸縮させると、ロッド側室4内でピストン9が図1中上下方向に移動して、上方作動室13と下方作動室14の一方を圧縮し、他方を拡大させる。上方作動室13と下方作動室14のうち圧縮される一方の室内の鉱物油は、環状隙間15を介して上方作動室13と下方作動室14のうち拡大される他方の室へ移動するが、鉱物油が環状隙間15を通過する際に当該鉱物油の流れに抵抗が与えられるので、上方作動室13と下方作動室14のうち圧縮側の室の圧力と上方作動室13と下方作動室14のうち拡大側の室の圧力とに差圧が生じて、ピストン9の移動を妨げる。
また、ロッド2がシリンダ1内に押し込まれる場合、ロッド2がシリンダ1に侵入する体積分に見合ってフリーピストン3がシリンダ1に対して図1中下方へ移動しシリコンオイルが圧縮されて、ロッド2がシリンダ1に侵入した体積をこのシリコンオイルの体積収縮によって補償されるとともに、シリンダ1内の圧力が上昇し、ロッド2のシリンダ1への侵入に抗する反力が生じる。
よって、ダンパDは、この反力と、上方作動室13と下方作動室14の差圧によるロッド2の移動を抑制する力との合力を減衰力とし、伸縮作動時に当該伸縮を妨げる方向へ減衰力を発揮する。
そして、本発明のダンパDによれば、シリンダ1にフリーピストン3で区画したロッド2の挿通が許容されるロッド側室4に鉱物油を充填し、ロッド2が挿通されない反ロッド側室5にシリコンオイルを充填しているので、ロッド2は鉱物油のみに接触しており、シリコンオイルが酸化してシリカが反ロッド側室5内で生成されることがあっても、ロッド2の外周に付着することがないので、ロッド2の摺動部にシリカが入り込むことがなく、ロッド2の摺動性が悪化することがなくなる。
さらに、ロッド2の外周にシリカが付着することがないので、ロッド2の外周をシールするシール部材7を痛めることもないので、ダンパDのシール性が向上し、ダンパDの寿命を長くすることができる。
また、本実施の形態におけるダンパDにあっては、フリーピストン3が合成樹脂製であるので、ダンパDが伸縮作動を繰り返してもシリンダ1とフリーピストン3との摩擦が低減されてダンパDの発熱を低減することができ、シリコンオイルの温度上昇を抑制することでシリカの生成を抑制することができる。よって、フリーピストン3とシリンダ1との摺動性についても良好に保つことができ、万が一、シリコンオイルがロッド側室4へ混入する事態となっても、シリカが生成しにくいので、ロッド2の摺動性を良好に保つことができる。
さらに、この実施の形態のダンパDにあっては、ピストン9を備えているので、ダンパDの伸縮時にロッド2のシリンダ1に対する相対移動を抑制する減衰力を発揮することができる。また、ピストン9は、ロッドガイド6に衝合してロッド2のシリンダ1からの抜け止めとしても機能することができる。なお、ロッド2のシリンダ1内への侵入時にのみロッド2の移動を抑制する場合、ピストン9を設けず、ダンパDの最伸長時においてロッドガイド6に衝合してロッド2のシリンダ1からの抜け止めをロッド2に設けておくことも可能である。また、ピストン9は、シリンダ1との間に環状隙間15を設けていて、シリンダ1の内周に干渉せずシリンダ1の内周の摩耗を防止することができるが、ピストン9の外周をシリンダ1の内周に摺接させて、ピストン9を貫くオリフィス等の孔で上方作動室13と下方作動室14とを連通させるようにしてもよいし、また、このような孔を開閉する減衰弁を設けるようにしてもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1 シリンダ
1a シリンダの一端
2 ロッド
3 フリーピストン
3b 通孔としての螺子孔
3c プラグ
4 ロッド側室
5 反ロッド側室
6 ロッドガイド
7 シール部材
9 ピストン
D ダンパ

Claims (5)

  1. シリンダと、当該シリンダの一端側から当該シリンダ内に出入自在に挿入されるロッドとを備えたダンパにおいて、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるフリーピストンを設け、当該フリーピストンで上記シリンダ内を上記ロッドの挿通を許容するロッド側室と上記ロッドが挿通されない反ロッド側室とに区画し、上記ロッド側室内には鉱物油を充填し、上記反ロッド側室内にはシリコンオイルを充填したことを特徴とするダンパ。
  2. 上記フリーピストンは、合成樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載のダンパ。
  3. 上記フリーピストンは、上記ロッド側室と上記反ロッド側室とに通じる通孔と、当該通孔に取り付けられて上記ロッド側室と上記反ロッド側室との連通を阻止するプラグとを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のダンパ。
  4. 上記ロッドの先端に上記ロッド側室内に移動自在に挿入されるピストンを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のダンパ。
  5. シリンダの開口端に固定されて上記ロッドを軸支するロッドガイドを備え、当該ロッドガイドの内周に上記ロッドの外周に摺接する環状のシール部材を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のダンパ。
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