JP2014163433A - 電動式鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】後輪を軸支するスイングユニットに有段式変速機を備えながら、スイングユニットの車幅方向の張り出しを抑制すること。
【解決手段】スイングユニットを備えた電動式鞍乗型車両において、前記スイングユニットは、車体フレームに軸支される一対のピボット部を含むメインケース、出力軸が車両前後方向に指向して配置されたモータ、モータのドライブユニット、有段式変速機を備え、モータ及びドライブユニットが、後輪よりも車両前後方向前方でピボット部に近接した側において車幅方向に並べて配設され、有段式変速機のカウンタ軸及び変速操作機構が、メイン軸に対して上側又は下側に配置されたことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、電動式鞍乗型車両に関する。
モータによって駆動輪を駆動する電動式鞍乗型車両が提案されている。例えば、特許文献1には、後輪を軸支するスイングアームにモータとそのモータドライバを設けたものが開示されている。特許文献1の構造では、モータドライバを後輪の前方に配置する一方、モータはその駆動軸を車幅方向に指向させて後輪側方に配置しており、減速機構を介して後輪の車軸が回転駆動される。
特開2010−247811号公報
モータの効率を考慮した駆動を考えた場合、変速機を設けてモータの回転出力を変速することが好ましい。しかし、特許文献1の構造のように、後輪の側方にモータを配置した構成の場合、変速機を配設しようとすると、車幅方向へのこれらの張り出しが大きくなってしまい、車両のバランスが悪くなる場合がある。特に、変速段の数だけ軸線方向の幅が大きくなることから、車幅方向への張り出しが大きくなる。
本発明の目的は、後輪を軸支するスイングユニットに有段式変速機を備えながら、スイングユニットの車幅方向の張り出しを抑制することにある。
本発明によれば、車体フレーム(9)に揺動可能に軸支されると共に後輪(RW)を回転可能に軸支するスイングユニット(10)を備えた電動式鞍乗型車両(A)において、前記スイングユニット(10)は、前記車体フレーム(9)に軸支される、車幅方向に離間した一対のピボット部(111)を含むメインケース(11)と、出力軸(142b)が車両前後方向に指向して配置され、前記後輪(RW)の駆動力を出力するモータ(14)と、前記モータ(14)の駆動回路を有するドライブユニット(15)と、前記モータ(14)の出力回転を変速する有段式変速機(20)と、を備え、前記有段式変速機(20)は、前記後輪(RW)の側方において車両前後方向に延設され、前記モータ(14)によって回転されるメイン軸(21)と、前記メイン軸(21)と平行に延設されるカウンタ軸(22)と、前記メイン軸(21)及び前記カウンタ軸(22)間に配設された複数のギア列(G1-G3)と、変速段を切り替える変速操作機構(23)と、を備え、前記モータ(14)及び前記ドライブユニット(15)が、前記後輪(RW)よりも車両前後方向前方で前記ピボット部(111)に近接した側において車幅方向に並べて配設され、前記カウンタ軸(22)及び前記変速操作機構(23)が、前記メイン軸(21)に対して上側又は下側に配置されたことを特徴とする電動式鞍乗型車両が提供される(請求項1)。
本発明においては、前記ドライブユニット(15)は、その長手方向を上下方向に指向させて前記メインケース(11)の車幅方向一方側に取り付けられ、前記モータ(14)は、前記メインケース(11)の車幅方向他方側に取り付けられる構成としてもよい(請求項2)。
また、本発明においては、前記出力軸(142b)と前記メイン軸(21)とが同軸上で連結され、前記複数のギア列(G1-G3)は、前記メイン軸(21)に対して相対回転不能に設けられた複数のギア(gm1-gm3)と、前記カウンタ軸(22)に対して相対回転自在に設けられ、前記複数のギア(gm1-gm3)と常時噛み合う複数のギア(gc1-gc3)と、を備え、前記カウンタ軸(22)が筒状をなし、前記変速操作機構(23)は、前記カウンタ軸(22)内を軸方向にスライドし、前記カウンタ軸(22)の前記複数のギア(gc1-gc3)と前記カウンタ軸(22)との係合状態を選択的に切り替えるスライド部材(60,70)を備えた構成としてもよい(請求項3)。
また、本発明においては、前記有段式変速機(20)が自動変速機であり、前記変速操作機構(23)は、変速操作に応じて、前記スライド部材(60,70)をスライドさせる駆動力を出力するアクチュエータ(231)を備える構成としてもよい(請求項4)。
また、本発明においては、前記変速操作機構(23)は、シフトドラム(234)と、前記アクチュエータ(231)により駆動され、前記シフトドラム(234)を間欠的に回転させるゼネバ間欠機構(233)と、を備え、前記スライド部材(60,70)は、前記シフトドラム(234)の回転に伴いスライドし、前記ゼネバ間欠機構(233)は、前記アクチュエータ(231)側の駆動ロータ(41)と、前記シフトドラム(234)側の従動ロータ(42)と、を備え、前記駆動ロータ(41)は、前記前記駆動ロータ(41)の回転中心から離間して設けられた駆動ピン(41b)と、前記駆動ロータ(41)の回転中心を中心とする円弧形状に形成された摺動部(41c)と、を備え、前記従動ロータ(42)は、前記従動ロータ(42)の径方向に延びて放射状に複数形成され、前記駆動ピン(41b)を選択的に係合可能な係合溝(42b)と、前記係合溝(42b)間において、前記摺動部(41c)の形状に応じて円弧形状に形成された被摺動部(42c)と、を備え、前記従動ロータ(42)は、前記駆動ピン(41b)と前記係合溝(42b)とが係合している状態においては、前記駆動ロータ(41)の回転にしたがって回転する一方、前記駆動ピン(41b)が前記係合溝(42b)から離脱した状態においては、前記被摺動部(42c)に前記摺動部(41c)が摺動して前記駆動ロータ(41)の回転に関わらず停止する構成としてもよい(請求項5)。
また、本発明においては、前記従動ロータ(42)と前記シフトドラム(234)とは同軸上に配設され、前記変速操作機構(23)は、前記従動ロータ(42)から前記シフトドラム(234)へ動力伝達を行うロストモーション機構(235)を備え、前記シフトドラム(234)の回転と前記駆動ロータ(41)の回転とをそれぞれ検出するセンサ(24,25)を備えた構成としてもよい(請求項6)。
また、本発明においては、前記カウンタ軸(22)及び前記変速操作機構(23)が、前記メイン軸(21)に対して下側に配置され、前記アクチュエータ(231)を前記スイングユニット(10)の下部に配置した構成としてもよい(請求項7)。
また、本発明においては、前記カウンタ軸(22)を前記メイン軸(21)に対して車幅方向内側にオフセットして配置した構成としてもよい(請求項8)。
また、本発明においては、前記複数のギア列(G1-G3)の車両前後方向の配置範囲が、前記後輪(RW)のホイール(W)の車両前後方向の幅内に収まっている構成としてもよい(請求項9)。
請求項1の本発明によれば、前記モータがその出力軸が車両前後方向に指向して配置し、前記メイン軸及び前記カウンタ軸を車両前後方向に延設する構成としたので、前記複数のギア列が車両前後方向に並べられ、変速段の数に応じて前記有段式変速機が車幅方向に張り出すことを抑制できる。また、前記カウンタ軸及び前記変速操作機構を、前記メイン軸に対して上側又は下側に配置することで前記有段式変速機の車幅方向のコンパクト化が図れ、前記有段式変速機が車幅方向に張り出すことを抑制できる。こうして本発明では、後輪を軸支するスイングユニットに有段式変速機を備えながら、スイングユニットの車幅方向の張り出しを抑制することができる。加えて、前記モータ及び前記ドライブユニットが、前記後輪よりも車両前後方向前方で前記ピボット部に近接した側において車幅方向に並べて配設されるので、ばね下の荷重を揺動中心寄りにすることができる。
請求項2の本発明によれば、前記モータ及び前記ドライブユニットの並設部分における幅をより短くでき、前記スイングユニットの車幅方向の張り出しを抑制することができる。
請求項3の本発明によれば、前記スライド部材が車両前後方向にスライドすることで、変速段の切り替えを行うことができ、車幅方向にスライドする構成に比べて前記有段式変速機が車幅方向に張り出すことを抑制できる。
請求項4の本発明によれば、自動変速による簡単な変速が可能となる。
請求項5の本発明によれば前記ゼネバ間欠機構によって、前記アクチュエータは変速時のみ駆動力を発揮すれば足り、前記駆動ロータ停止中は前記従動ロータの回転が規制されて変速段を維持することができる。
請求項6の本発明によれば、前記ロストモーション機構によって過負荷が作用する事態を回避できると共に、前記センサによって変速動作を確認することができると共に円滑な変速が行われるように前記モータを制御することも可能となる。
請求項7の本発明によれば、前記有段式変速機の車幅方向のコンパクト化を図れ、張り出しを抑制できる。
請求項8の本発明によれば、前記カウンタ軸に設けられた複数のギアを、より、車両の車幅方向中心側に配置することができ、前記有段式変速機の車幅方向のコンパクト化を図れ、張り出しを抑制できる。
請求項9の本発明によれば、前記メイン軸及び前記カウンタ軸間に配設された複数のギア列が車両側面視で後輪ホイール内に収まるので、前記有段式変速機の車両前後方向のコンパクト化を図れる。
本発明の一実施形態に係る電動式鞍乗型車両の側面図。 スイングユニットの上面展開図。 図2のスイングユニットの側面展開図。 図2のスイングユニットが備える構成のレイアウトを示す模式図。 図2のスイングユニットが備える変速機の説明図。 図5の変速機が備えるゼネバ間欠機構の説明図。 図5の変速機が備える係合機構の説明図。 図5の変速機が備える係合機構の説明図。 図5の変速機が備える係合機構の説明図。 別例の変速機の説明図。 図10の変速機が備える係合機構の説明図。 別例のレイアウトを示す模式図。
<第1実施形態>
図1は本発明の一実施形態に係る電動式鞍乗型車両A(以下単に車両Aともいう。)の側面図である。本実施形態では車両Aとして、前輪FW及び後輪RWを備えたスクータタイプの自動二輪車を例示するが、本発明は他の形式の自動二輪車を含む各種の電動式鞍乗型車両に適用可能である。
<車両Aの概要>
車両Aは、乗員が着座するシート1を備えると共に、その前方には前輪FWを操舵するハンドル2が設けられている。前輪FWはフロントフォーク3の下端部に回転自在に軸支されており、フロンフォーク3にはステアリングステム(不図示)を介してハンドル2が取り付けられる。ハンドル2には、乗員が変速操作を行うためのスイッチ等の操作部(不図示)を設けることができる。また、ハンドル2の近傍には速度計等を含むメータユニット4が設けられている。
シート1とハンドル2との間の下部にはフロア部5が形成されている。フロア部5内には高出力バッテリ等を格納することができる。シート1の下部には制御装置や低出力バッテリ等を格納することができる。
シート1の後方には荷台部6が形成されている。シート1後部及び荷台部6の下方には、スイングユニット10が配設されている。スイングユニット10は後述するように、その前部において揺動可能に軸支されると共に後輪RWを回転可能に軸支する。スイングユニット10の後端部と、荷台部6内に設けられた後部フレーム(不図示)との間には、リアショックユニット7が設けられている。スイングユニット10の後端部はリアショックユニット7によって後部フレーム(不図示)に吊り下げられている。
スイングユニット10の側方にはサイドスタンド8aが揺動自在に配置されており、下方にはセンタスタンド8bが揺動自在に配置されている。
<スイングユニット>
次に、スイングユニット10について図2〜図4を参照して説明する。図2はスイングユニット10の上面展開図、図3はスイングユニット10の側面展開図、図4はスイングユニット10が備える構成のレイアウトを示す模式図であり、車両後方から見た場合の配置関係を示している。図2の上面展開図は、概ね図4の線I−I−Iに沿った展開図であり、図3の側面展開図は、概ね図4の線II−IIに沿った展開図となっている。
スイングユニット10は、メインケース11と、変速機ケース12と、減速機ケース13と、を備え、これらは車両前後方向に連結されている。
メインケース11は、その前端部に車幅方向に離間した一対のピボット部111、111を備える。ピボット部111、111はピボット軸9aを介して車体フレーム9、9に揺動可能に軸支されている。これによりスイングユニット10全体が車体フレーム9、9に揺動可能に軸支される。なお、スイングユニット10の各構成について方向を指す場合は、後述するメイン軸21が水平にある場合のスイングユニット10の位置を基準とする。
ピボット軸9aは長尺のボルトであり、車体フレーム9、9、ピボット部111、111及び円筒カラー111aを挿通してその端部にナット9bが締結される。円筒カラー111aは、車体フレーム9、9間に介挿されている。ピボット部111は前方に突出してその端部にブッシュ111bを有している。ブッシュ111bには円筒カラー111aが挿通すると共に固着されている。
メインケース11は、また、車幅方向に並設された取付部112、113を備える。取付部112には後輪RWの駆動力を出力するモータ14が取り付けられ、取付部113にはモータ14の駆動回路を有するドライブユニット15が取り付けられる。このような構成により、モータ14及びドライブユニット15が、後輪RWよりも車両前後方向前方でピボット部111に近接した側において車幅方向に並べて配設され、ドライブユニット15が車幅方向一方側に、モータ14が車幅方向他方側にそれぞれ取り付けられることになる。
モータ14は、ステータ141と、ロータ142と、を備える。ステータ141はコイル141aを備える共にメインケース111に固定され、ロータ142は永久磁石142a及び出力軸142bを備えると共に回転自在に支持されている。しかして、コイル141aへの通電によりロータ142が回転する。モータ14は、出力軸142bが車両前後方向に指向して配置されている。つまり、その回転軸線は車両前後方向である。出力軸142bは筒状をなし、後述する変速機20のメイン軸21が挿通している。メイン軸21は、例えばスプライン嵌合によって出力軸142bに対して相対回転不能に連結される。本実施形態では、このように出力軸142bとメイン軸21とを同軸上で連結したが、歯車機構等を介して異軸上に配置してもよい。しかし、同軸上で連結することで、スイングユニット10の車幅方向の張り出しを抑制できる。
ドライブユニット15は、外形の輪郭が方形状をなしており、その長手方向dLが上下方向に、短手方向dSが車幅方向に、それぞれ指向させて配置されている。長手方向dLを上下方向に指向させることで、モータ14及びドライブユニット15の並設部分における幅をより短くでき、スイングユニット10の車幅方向の張り出しを抑制できる。ドライブユニット15が備える駆動回路は、例えば、バッテリから供給される直流電流を交流電流に変換してモータ14に供給する。
一般に、電動式鞍乗型車両では、車両側方に重量物となる駆動用モータが位置するため、スイングユニットの揺動端側(後端側)がその分だけ重くなり易く、タイヤ及びスイングユニットの揺動における荷重を考慮する必要がある。本実施形態ではモータ14及びドライブユニット15をピボット部111、111近傍に配置したので、揺動荷重を小さくして、ばね下の荷重を揺動中心寄りにすることができる。
変速機ケース12には、変速機20が支持されている。変速機20はモータ14の出力回転を変速する有段式の変速機であり、本実施形態の場合、自動変速機である。その詳細については後述する。
減速機ケース13には、後輪RWのホイールWが固定される車軸131が回転自在に支持されている。こうして後輪RWはスイングユニット10に回転可能に軸支される。
減速機ケース13には、また、変速機20に回転駆動される減速ギア132と、車軸131に固定されて減速ギヤ132と噛み合う減速ギア133と、を備える。本実施形態の場合、減速ギア132、133はかさば歯車であり、減速ギア132はその回転中心線を車両前後方向とし、減速ギア133及び車軸131はその回転中心線を車幅方向としている。これらの減速ギア132、133を介して変速機20の出力が車軸131に伝達され、後輪RWが回転駆動される。
本実施形態の場合、後輪RWのホイールWは、車軸131の右側端部に固定されており、片持ち状態で支持されている。ホイールWの内側には制動装置134が配置されている。また、減速機ケース13は、リアショックユニット7の下端部が回動自在に軸支される取付部135が設けられている。
<変速機>
次に、変速機20について、図2〜図4に加えて図5〜図9を参照して説明する。図5は、変速機20の説明図であり、実質的に図3の部分拡大図に相当する。図6は変速機20が備えるゼネバ間欠機構233の説明図、図7〜図9は変速機20が備える係合機構236の説明図である。
変速機20は、メイン軸21、カウンタ軸22、複数のギア列G1〜G3(総称するときはギア列Gともいう)、及び、変速操作機構23を備える。
メイン軸21は、後輪RWの側方(左側)において車両前後方向に延設された筒状の部材であり、上記の通り、モータ14によって回転される。メイン軸21は、その前端部が減速機ケース13に設けた軸受に、それぞれ軸支されている。
カウンタ軸22はメイン軸21と平行に延設されている。カウンタ軸22は筒状の部材であり、その押端部には、減速ギア132が取り付けられている。減速ギア132はスプライン嵌合等により、カウンタ軸22に対して相対回転不能に取り付けられる。
ギア列Gは、メイン軸21とカウンタ軸22との間に配設されている。本実施形態の場合、3列のギア列G1〜G3が軸方向に配列されており、変速段が3段となっている。しかし、変速段数は3段以外であってもよい。
ギア列G1〜G3は、メイン軸21側の複数のギアgm1〜gm3(以下、総称するときはギアgmともいう)と、カウンタ軸22側の複数のギアgc1〜gc3(以下、総称するときはギアgcともいう)と、から構成されている。本実施形態の場合、ギア列Gは常時噛み合い方式を採用しており、各ギアgmと、対応する各ギアgcとは常時噛み合った状態にある。つまり、ギア列G1はギアgm1とギアgc1とが常時噛み合って構成され、ギア列G2はギアgm2とギアgc2とが常時噛み合って構成される。そして、ギア列G3はギアgm3とギアgc3とが常時噛み合って構成される。
ギアgmは、例えばスプライン嵌合によってメイン軸21に対して相対回転不能に設けられている。ギアgcは、カウンタ軸22に対して相対回転自在に設けられている。
変速操作機構23は、ギアgc1〜gc3のうちの1つを選択的にカウンタ軸22に係合させてカウンタ軸22に対して一時的に相対回転不能とすることにより、変速段を切り替える。本実施形態では、カウンタ軸22及び変速操作機構23が、メイン軸21に対して下側に配置された構成としており、特に、カウンタ軸22がメイン軸21に対して上下方向に重なる配置とされているため、変速機20を車幅方向にコンパクトに配置できる。
また、ギア列Gの車両前後方向の配置範囲が、後輪RWのホイールWの車両前後方向の幅内に収まっている構成としている。ギア列Gが車両側面視で後輪RWのホールW内に収まるので、変速機20の車両前後方向のコンパクト化を図れる。
変速操作機構23は、アクチュエータ231、減速機構232、ゼネバ間欠機構233、シフトドラム234及び係合機構236を備える。
アクチュエータ231は、変速段を切り替えるための駆動力を出力する。これにより、本実施形態では変速機20を乗員の変速操作に応じて変速段を簡単に切り替えられる自動変速機として構成しているが、マニュアルの変速機として構成することも可能である。アクチュエータ231は本実施形態の場合、モータであり、その出力軸はメイン軸21と平行に指向されると共にピニオンギア231aが取り付けられている。本実施形態の場合、アクチュエータ231はスイングユニット10の下部に配置されており、変速機20の車幅方向のコンパクト化を図れ、張り出しを抑制できる。
減速機構232は、ギア軸31及びギア32〜34を備える。ギア軸31はメイン軸21と平行に回転自在に支持されている。ギア32はギア軸31に固定されると共にピニオンギア231aと噛み合う平歯車である。
ギア33はギア軸31と一体的に形成された平歯車であり、ギア34と噛み合う。ギア34は駆動ロータ41に固定された平歯車である。こうしてアクチュエータ231の回転駆動力が駆動ロータ41に伝達され、回転させることになる。
主に図5及び図6を参照して、ゼネバ間欠機構233について説明する。ゼネバ間欠機構233はアクチュエータ231の駆動力により駆動され、シフトドラム234aを間欠的に回転させる。
ゼネバ間欠機構233は、駆動ロータ41と、従動ロータ42と、を備える。駆動ロータ41は減速機構232を介してアクチュエータ231に駆動される点で、アクチュエータ231側のロータである。従動ロータ42は、駆動ロータ41から駆動力が付勢されてシフトドラム234に駆動力を伝達する点でシフトドラム234側のロータである。
駆動ロータ41は、軸部41aと、駆動ピン41bと、摺動部41cと、を一体的に備える。軸部41aはメイン軸21と平行に延設されていると共にその軸心を回転中心として回転自在に支持されている。駆動ピン41bは駆動ロータ41の回転中心から離間して設けられると共に軸部41aの軸方向と平行に突出している。摺動部41cは、駆動ロータ41の回転中心を中心とする円弧形状に形成されている。
従動ロータ42はシフトドラム軸234aに対して相対回転可能に支持されている。シフトドラム軸234aはメイン軸21と平行に配設されている。シフトドラム234はシフトドラム軸234aに、例えばスプライン嵌合によって、相対回転不能に取り付けられており、本実施形態では従動ロータ42とシフトドラム234とが同軸上に配設されている。
従動ロータ42は、放射状に延びる複数の花弁部42aと、花弁部42aの側方に形成された係合溝42bと、花弁部42aの先端に形成された被摺動部42cと、連続する2つの花弁部42aに相当する部分を一体にしたピン支持部42dと、を備える。
係合溝42bは、従動ロータ42の径方向に延びて放射状に複数形成されており、駆動ピン41bと選択的に係合するように構成されている。被摺動部42は係合溝42b間に位置し、摺動部41cの形状(円弧形状)に応じた円弧形状に凹状に形成されている。
係る構成からなるゼネバ間欠機構233では、アクチュエータ231の駆動力により駆動ロータ41が回転する。従動ロータ42は、駆動ピン41bと係合溝42とが係合している状態においては、駆動ロータ41の回転にしたがって回転する。一方、駆動ピン41bが係合溝42bから離脱した状態においては、被摺動部42cに摺動部41cが摺動して駆動ロータ41の回転に関わらず停止する。また、駆動ロータ41が静止している状態においては、被摺動部42と摺動部41cとの当接により従動ロータ42も静止し、外力が作用しても被摺動部42と摺動部41cとが当接している限り、静止することになる。こうしてアクチュエータ231の駆動力によって従動ロータ42を間欠的に回転することができる。
このようにゼネバ間欠機構233によって、アクチュエータ231は変速時のみ駆動力を発揮すれば足り、駆動ロータ41停止中は従動ロータ42の回転が規制されて変速段を維持することができる。
従動ロータ42をシフトドラム234と固定して回転力を伝達する構成としてもよいが、本実施形態では、ロストモーション機構235を介して従動ロータ42からシフトドラム234へ動力伝達を行うようにしている。
主に図5及び図6を参照して、本実施形態のロストモーション機構235は、ピン51と、ピン52と、コイルスプリング53と、を備える。ピン51は従動ロータ42のピン支持部42dに植設されると共にシフトドラム234側に突出している。ピン52はシフトドラム234の端部に植設されると共に従動ロータ42側に突出している。ピン51及びピン52は、シフトドラム軸234aの径方向に互いに重なるように配置される。
コイルスプリング53はシフトドラム軸234aに装填され、その両端部ed、edがピン51及び52を挟み込むように配置される。従動ロータ42が回転すると、コイルスプリング53を介して回転力がシフトドラム234へ伝達され、シフトドラム234及びシフトドラム軸234aが一体的に回転する。負荷が一定量を超えた状態下においては、コイルスプリング53の弾性変形によって、従動ロータ42とシフトドラム234との相対回転が許容される。負荷が低下するとコイルスプリング53の弾性復帰力等で元の位置関係に戻ることになる。このようにロストモーション機構235によって過負荷が作用する事態を回避できる。
シフトドラム軸234aの前端部近傍にはセンサ24が、駆動ロータ41の軸部41aの前端部近傍にはセンサ25が、それぞれ配設されている。センサ24はシフトドラム軸234aの回転を検出し、これによりシフトドラム234の回転を検出する。センサ25は駆動ロータ41の回転を検出する。センサ24、25の検出結果に基づいてシフトドラム234、駆動ロータ41の回転量をそれぞれ検出でき、両者の差分により変速動作を確認することができると共に、変速時にはモータ14の出力を落とす等、円滑な変速が行われるようにモータ14を制御する手立てとなる。センサ24、25の形式や配置に特に制約はなく、シフトドラム234、駆動ロータ41の回転を検出できればよい。
次に、係合機構236の構成について説明する。図5に示すように、係合機構236は、スライド部材60を備える。本実施形態では、スライド部材60をカウンタ軸22内で軸方向にスライドさせ、カウンタ軸22の複数のギアgcとカウンタ軸22との係合状態を選択的に切り替えることで変速段を切り替える。
スライド部材60をスライドさせる駆動力はアクチュエータ231が出力し、減速機構232、ゼネバ間欠機構233、ロストモーション機構235及びシフトドラム234を介してスライド部材60に駆動力を伝達する。
シフトドラム234の周面には螺旋状に溝grが形成されている。スライド部材60は、軸部61の前端に軸受を介して回転自在に摺動部62が取り付けられている。摺動部62は、メイン軸21と平行に配設された案内軸237に案内されつつ溝grを摺動し、シフトドラム234の回転に伴ってスライド部材60全体をメイン軸21と平行な方向にスライドさせる。以下、主に図5、図7〜図9を参照して係合機構236について説明する。
図7は、カウンタ軸22の横断面で見た係合機構236を示している。各ギアgcの内周面には切り欠きegが周方向に4か所形成されている。係合機構236は、各ギアgc毎に4つの爪部材64を有しており、爪部材64が矢印方向に回動することで、カウンタ軸22と係合するギアgcとを切り替えることができる。図7は爪部材64が係合状態にある場合を示している。
カウンタ軸22は、90度間隔で交互に周方向に配置された突起部221、222を有している。突起部221、222は、各ギアgc毎に2つずつ、合計4つ設けられる。突起部222には、鋼球65が挿入される孔部223が形成されている。本実施形態の場合、鋼球65の移動により爪部材64を回動させることができる。鋼球65は、各ギアgc毎に4つずつ設けられている。
スライド部材60の軸部61の周面には、その軸方向に長片の係合片63が周方向に8つ固定されている。カウンタ軸22の内部には、軸部61及び係合片63の断面形状に応じた貫通孔がその軸方向に貫通しており、スライド部材60の軸部61及び係合片63はこの貫通孔内を移動することができる。
係合片63は、軸部61の軸方向の途中部位に凹部63aが形成されている。鋼球65が凹部63aに落し込まれることで鋼球65は爪部材64から退避し、鋼球65が凹部63a以外の部分に押し上げられることで鋼球65は爪部材64側へ移動する。つまり、スライド部材60がスライドすることで、鋼球65を爪部材64に対して進退させることができる。図7は鋼球65が凹部63aに落し込まれた状態を示している。
そして、係合片63上の凹部63aの位置によって、スライド部材60のスライド位置と、係合状態となるギアgcとの組み合わせとを設定することができることになる。
図8(A)は爪部材64の斜視図である。爪部材64は、その回動中心となる軸部64a、64aと、溝部64cと、鋼球65が挿入される半球状の凹部64bとを有する。溝部64cには、図8(B)に示すように環状のスプリング64が挿入される。
上記の通り、各ギアgc毎に4つの爪部材64が設けられ、これら1組の爪部材64は、1つのスプリング64により付勢される。本実施形態の場合、スプリング64が当接する溝部64cの底部傾斜によって、各爪部材64はスプリング64によって常時係合位置に付勢される(図7の状態)。そして、図7の状態からスライド部材60をスライドさせ、係合片63の凹部63a以外の部分を鋼球65に当接させると鋼球65が爪部材64側に押し出されて爪部材64を非係合位置に回動させると共に凹部64bに挿入された状態となる。
図9に示すように、各爪部材64は突起部221と突起部222との間の隙間に配置され、軸支部材67によって軸支される。軸支部材67は、爪部材64の軸部61が挿入される溝部67aを有している。図9はカウンタ軸22を破断図で示しており、2つのギアgc分の爪部材64、軸支部材67を示している。
軸支部材67は半円形状をなし、2つ1組で環状体を構成し、軸方向における突起部221及び突起部222間の隙間に装着される。更に、1組の軸支部材67は、その外周が不図示の円筒状のカラー部材によって囲まれて分離が防止される。
以上の構成によって、係合機構236は、シフトドラム234の回転によってスライド部材60がスライドして鋼球65を爪部材64に対して進退させ、3つのギアgc1〜3のうち、目的とする変速段に対応するギアgcとカウンタ軸22とを係合状態にする一方、他のギアgcとカウンタ軸22とを非係合状態にすることができる。
<第1実施形態のまとめ>
本実施形態の車両Aによれば、モータ14がその出力軸142bが車両前後方向に指向して配置し、メイン軸21及びカウンタ軸22を車両前後方向に延設する構成としたので、複数のギア列G1〜G3が車両前後方向に並べられ、変速段の数に応じて有段式の変速機20が車幅方向に張り出すことを抑制できる。また、カウンタ軸22及び変速操作機構23を、メイン軸21に対して上側に配置することで速機20の車幅方向のコンパクト化が図れ、変速機20が車幅方向に張り出すことを抑制できる。
こうして本実施形態では、後輪RWを軸支するスイングユニット10に有段式の変速機20を備えながら、スイングユニット10の車幅方向の張り出しを抑制することができる。加えて、モータ14及びドライブユニット15が、後輪RWよりも車両前後方向前方において車幅方向に並べて配設されるので、ばね下の荷重を揺動中心寄りにすることができる。
また、スライド部材60が車両前後方向にスライドすることで、変速段の切り替えを行うことができ、車幅方向にスライドする構成に比べて有段式の変速機20が車幅方向に張り出すことを抑制できる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、係合機構236として、爪部材64の回動を利用した構成としたが、カウンタ軸22と各ギアgcとの係合機構は他の構成も採用可能である。図10及び図11は、その一例を示す。
図10は上記第1実施形態における図5に相当する。上記第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態の構成は上記第1実施形態の構成と基本的に同じであるが、シフトドラム234、ギア列G1〜G3等に形状の相違がみられると共に、係合機構236に対応する係合機構236’の構成が以下に述べるものとなっている。
係合機構236’は、スライド部材70を備える。本実施形態においても、スライド部材70をカウンタ軸22内で軸方向にスライドさせ、カウンタ軸22の複数のギアgcとカウンタ軸22との係合状態を選択的に切り替えることで変速段を切り替える。
スライド部材70は、軸部71の前端に軸受を介して回転自在に摺動部72が取り付けられている。摺動部72は案内軸237に案内されつつシフトドラム234の溝grを摺動し、シフトドラム234の回転に伴ってスライド部材70全体をメイン軸21と平行な方向にスライドさせる。
図11は、カウンタ軸22の横断面で見た係合機構236’を示している。各ギアgcの内周面には切り欠きegが周方向に4か所形成されている。スライド部材70は軸部71の後端に十字型の係合部71が固定されている。係合部71の先端は溝grと係合可能となっている。スライド部材70のスライドによって係合部71が移動することで、カウンタ軸22と係合するギアgcを切り替えることができる。
カウンタ軸22は、カウンタ軸22の内部には、軸部71及び係合部71の断面形状に応じた貫通孔がその軸方向に貫通しており、スライド部材70の軸部71及び係合部71係はこの貫通孔内を移動することができる。
以上の構成によって、係合機構236’は、シフトドラム234の回転によってスライド部材70がスライドして係合部71を移動させ、3つのギアgc1〜3のうち、目的とする変速段に対応するギアgcとカウンタ軸22とを係合状態にする一方、他のギアgcとカウンタ軸22とを非係合状態にすることができる。
<第3実施形態>
上記第1実施形態では、カウンタ軸22及び変速操作機構23をメイン軸21に対して下側に配置された構成としたが、上側に配置してもよく、この場合も、変速機20を車幅方向にコンパクトに配置できる。図12はその一例を示している。
図12の例は実質的に、上記第1実施形態において、変速機20をメイン軸21を中心として上下反転し、後輪RWに対してスイングユニット10全体を少し下げた構成となっている。モータ14として高重量のものを採用する場合、図12の構成は低重心化の点でメリットがある場合がある。また、アクチュエータ231が地面から遠ざかるので、アクチュエータ231を誤って地面に摺ってしまうことを防止できる。
<第4実施形態>
上記第1実施形態や上記第3実施形態では、メイン軸21とカウンタ軸22との各軸心が同一垂直面上に位置する場合について説明したが、これらが互いに車幅方向にオフセットしていてもよい。例えば、カウンタ軸22をメイン軸21に対して車幅方向内側(車両Aの中心側)にオフセットして配置してもよい。これにより、カウンタ軸22に設けられた複数のギアgcを、より、車両Aの車幅方向中心側に配置することができ、変速機20の車幅方向のコンパクト化を図れ、張り出しを抑制できる。
A 電動式鞍乗型車両
G1〜G3 ギア列
RW 後輪
9 車体フレーム
10 スイングユニット
14 モータ
15 ドライブユニット
20 変速機
21 メイン軸
22 カウンタ軸
23 変速操作機構

Claims (9)

  1. 車体フレーム(9)に揺動可能に軸支されると共に後輪(RW)を回転可能に軸支するスイングユニット(10)を備えた電動式鞍乗型車両(A)において、
    前記スイングユニット(10)は、
    前記車体フレーム(9)に軸支される、車幅方向に離間した一対のピボット部(111)を含むメインケース(11)と、
    出力軸(142b)が車両前後方向に指向して配置され、前記後輪(RW)の駆動力を出力するモータ(14)と、
    前記モータ(14)の駆動回路を有するドライブユニット(15)と、
    前記モータ(14)の出力回転を変速する有段式変速機(20)と、を備え、
    前記有段式変速機(20)は、
    前記後輪(RW)の側方において車両前後方向に延設され、前記モータ(14)によって回転されるメイン軸(21)と、
    前記メイン軸(21)と平行に延設されるカウンタ軸(22)と、
    前記メイン軸(21)及び前記カウンタ軸(22)間に配設された複数のギア列(G1-G3)と、
    変速段を切り替える変速操作機構(23)と、を備え、
    前記モータ(14)及び前記ドライブユニット(15)が、前記後輪(RW)よりも車両前後方向前方で前記ピボット部(111)に近接した側において車幅方向に並べて配設され、
    前記カウンタ軸(22)及び前記変速操作機構(23)が、前記メイン軸(21)に対して上側又は下側に配置されたことを特徴とする電動式鞍乗型車両。
  2. 前記ドライブユニット(15)は、その長手方向を上下方向に指向させて前記メインケース(11)の車幅方向一方側に取り付けられ、
    前記モータ(14)は、前記メインケース(11)の車幅方向他方側に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の電動式鞍乗型車両。
  3. 前記出力軸(142b)と前記メイン軸(21)とが同軸上で連結され、
    前記複数のギア列(G1-G3)は、
    前記メイン軸(21)に対して相対回転不能に設けられた複数のギア(gm1-gm3)と、
    前記カウンタ軸(22)に対して相対回転自在に設けられ、前記複数のギア(gm1-gm3)と常時噛み合う複数のギア(gc1-gc3)と、を備え、
    前記カウンタ軸(22)が筒状をなし、
    前記変速操作機構(23)は、
    前記カウンタ軸(22)内を軸方向にスライドし、前記カウンタ軸(22)の前記複数のギア(gc1-gc3)と前記カウンタ軸(22)との係合状態を選択的に切り替えるスライド部材(60,70)を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動式鞍乗型車両。
  4. 前記有段式変速機(20)が自動変速機であり、
    前記変速操作機構(23)は、
    変速操作に応じて、前記スライド部材(60,70)をスライドさせる駆動力を出力するアクチュエータ(231)を備えることを特徴とする請求項3に記載の電動式鞍乗型車両。
  5. 前記変速操作機構(23)は、
    シフトドラム(234)と、
    前記アクチュエータ(231)により駆動され、前記シフトドラム(234)を間欠的に回転させるゼネバ間欠機構(233)と、を備え、
    前記スライド部材(60,70)は、前記シフトドラム(234)の回転に伴いスライドし、
    前記ゼネバ間欠機構(233)は、
    前記アクチュエータ(231)側の駆動ロータ(41)と、
    前記シフトドラム(234)側の従動ロータ(42)と、を備え、
    前記駆動ロータ(41)は、
    前記前記駆動ロータ(41)の回転中心から離間して設けられた駆動ピン(41b)と、
    前記駆動ロータ(41)の回転中心を中心とする円弧形状に形成された摺動部(41c)と、を備え、
    前記従動ロータ(42)は、
    前記従動ロータ(42)の径方向に延びて放射状に複数形成され、前記駆動ピン(41b)を選択的に係合可能な係合溝(42b)と、
    前記係合溝(42b)間において、前記摺動部(41c)の形状に応じて円弧形状に形成された被摺動部(42c)と、を備え、
    前記従動ロータ(42)は、
    前記駆動ピン(41b)と前記係合溝(42b)とが係合している状態においては、前記駆動ロータ(41)の回転にしたがって回転する一方、前記駆動ピン(41b)が前記係合溝(42b)から離脱した状態においては、前記被摺動部(42c)に前記摺動部(41c)が摺動して前記駆動ロータ(41)の回転に関わらず停止することを特徴とする請求項4に記載の電動式鞍乗型車両。
  6. 前記従動ロータ(42)と前記シフトドラム(234)とは同軸上に配設され、
    前記変速操作機構(23)は、
    前記従動ロータ(42)から前記シフトドラム(234)へ動力伝達を行うロストモーション機構(235)を備え、
    前記シフトドラム(234)の回転と前記駆動ロータ(41)の回転とをそれぞれ検出するセンサ(24,25)を備えたことを特徴とする請求項5に記載の電動式鞍乗型車両。
  7. 前記カウンタ軸(22)及び前記変速操作機構(23)が、前記メイン軸(21)に対して下側に配置され、
    前記アクチュエータ(231)を前記スイングユニット(10)の下部に配置したことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の電動式鞍乗型車両。
  8. 前記カウンタ軸(22)を前記メイン軸(21)に対して車幅方向内側にオフセットして配置したことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の電動式鞍乗型車両。
  9. 前記複数のギア列(G1-G3)の車両前後方向の配置範囲が、前記後輪(RW)のホイール(W)の車両前後方向の幅内に収まっていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電動式鞍乗型車両。
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