JP2014163429A - 防振装置及び防振機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送装置を支持する架台の振動を抑制し、架台を所定の位置決め範囲に制御する防振装置、及び防振機構を提供する。
【解決手段】防振装置10は、床面16Fに設置された弾性支持手段18、19で弾性支持され、加振源12を支持する架台14と、床面16Fと架台14との間に弾性支持手段18、19と並列に設置され、入力された信号に応じて動作し架台14を移動させるアクチュエータ20と、床面16Fと架台14との間の相対変位量を検出する相対変位検出手段24と、相対変位検出手段24の検出値と、床面16Fと架台14との相対変位量の目標値との差、及び差の1階積分に比例して、アクチュエータ20を駆動させる信号を出力する制御手段22と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、防振装置及び防振機構に関する。
精密機器類の製造過程においては、精密加工装置での加工に加え、精密加工装置間の精密機器類(加工段階の商品)の搬送工程も重要である。例えば、精密機器類を搬送する搬送装置と精密加工装置の間でも、精密機器類の確実な受け渡しが要求される。このためには、受け渡し時の搬送装置の振動を抑制する制御技術と、搬送装置と精密加工装置の間での受け渡しが可能な位置に制御する位置決め技術(位置静定性能)が重要となる。
搬送装置は、加振力を発生させるモータやポンプ等を備えた加振源であり、加振源となる搬送装置の振動抑制制御に関しては、搬送装置を支持する架台(例えば搬送路)と構造体(例えば床面)の間に弾性体を介し、架台から構造体へ伝播する振動を軽減する防振技術が広く用いられている。これは、弾性体の剛性と、弾性体が支持する架台の質量で振動系を形成し、固有振動数の付近では加振力が増幅するものの、固有振動数より高い高振動数領域で加振力を低減させる技術である。防振性能を高めるために、弾性体の剛性を低く、かつ加振力の減衰を小さくして対応している。
このため、一旦発生した振動が止まりにくいという問題があり、弾性体を介した防振技術の、例えば精密機器類を搬送する搬送装置等への適用は困難とされていた。
ここに、加振源の振動をアクチュエータで制御する防振技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1は、加振源を支持する本体(架台)を備え、本体を中間弾性部材を介して中間体で支持し、本体と中間体との間に中間弾性部材と並列にアクチュエータを設け、アクチュエータとコントローラを接続した構成である。更に、中間体には加速度計が取付けられ、弾性部材を介して支持座に支持されている。この構成とすることにより、中間体の加速度を加速度計で検出し、検出された加速度を積分して中間体の変位速度及び変位量を算出する。続いて、中間体の変位速度及び変位量に基づいて中間体の振動を打ち消す振動変位量を算出し、算出結果に基づいて、コントローラからの信号でアクチュエータを伸縮させて中間体の移動を制限し、中間体の振動を抑制する。
特開2009−197827号公報
しかし、特許文献1のアクチュエータは、加振源を支持する本体(架台)ではなく、本体を弾性支持する中間体の振動を打ち消すように制御する。このため、加振源を支持する本体の振動は抑制されない。この特許文献1の防振技術を、搬送装置を支持する架台に適用しても、架台の振動は抑制されず、架台と精密加工装置との間で、精密機器類の受け渡しが可能な範囲に、架台を制御することはできない。
本発明は、上記事実に鑑み、加振源を支持する架台の振動を抑制し、架台を所定の位置決め範囲に制御する防振装置、及び防振機構を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る防振装置は、床面に設置された弾性支持手段で弾性支持され、加振源を支持する架台と、前記床面と前記架台との間に前記弾性支持手段と並列に設置され、入力された信号に応じて動作し前記架台を移動させるアクチュエータと、前記床面と前記架台との間の相対変位量を検出する相対変位検出手段と、前記相対変位検出手段の検出値と、前記床面と前記架台との相対変位量の目標値との差、及び前記差の1階積分に比例して前記アクチュエータを駆動させる信号を出力する制御手段と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、弾性支持手段により架台が弾性支持され、相対変位検出手段により床面と架台との間の相対変位量が検出され、制御手段により、相対変位検出手段の検出値と、床面と架台との相対変位量の目標値との差、及び差の1階積分に比例してアクチュエータを伸縮させる信号が出力される(PI制御)。アクチュエータは、信号に応じて架台を移動させる。
これにより、架台の振動を、相対変位検出手段の検出結果に基づいてアクチュエータで減衰させることができる。また、架台と床面との間の相対変位量が目標値との差で制御されるため、架台を所定の位置決め範囲に、早く正確に到達させることができる。
請求項2に記載の発明に係る防振装置は、床面に設置された弾性支持手段で弾性支持され、加振源を支持する架台と、前記床面と前記架台との間に前記弾性支持手段と並列に設置され、入力された信号に応じて動作し前記架台を移動させるアクチュエータと、前記床面と前記架台との間の相対変位量を検出する相対変位検出手段と、前記相対変位検出手段の検出値と、前記床面と前記架台との相対変位量の目標値との差の1階積分に比例して、前記アクチュエータを駆動させる信号を出力する制御手段と、を有することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、弾性支持手段により架台が弾性支持され、相対変位検出手段により床面と架台との間の相対変位量が検出され、制御手段により、相対変位検出手段の検出値と、床面と架台との相対変位量の目標値との差の1階積分に比例して、アクチュエータを伸縮させる信号が出力される(I制御)。アクチュエータは、信号に応じて架台を移動させる。
これにより、請求項1に比して時間を要するものの、架台の振動を、相対変位検出手段の検出結果に基づいてアクチュエータで減衰させることができる。また、床面と架台との間の相対変位量が目標値との差で制御されるため、架台を所定の位置決め範囲に到達させることができる。
請求項3に記載の発明に係る防振装置は、請求項1又は2に記載の防振装置において、前記弾性支持手段は、質量体を間に置いて直列に配置されていることを特徴としている。
これにより、架台を支持する弾性支持手段の弾性力の最適化を図ることができる。
請求項4に記載の発明に係る防振機構は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の防振装置の架台が、加振源としての搬送装置が搬送対象物を搭載して走行する搬送路の一部又は全部を支持し、又は前記搬送路の一部又は全部を形成することを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の防振装置の架台により、搬送装置が走行する搬送路の一部又は全部が支持される。これにより、架台を制御することで、架台に支持された搬送路の振動抑制と、搬送路を所定の位置決め範囲に制御する制御機能を備えた防振機構を提供できる。この結果、搬送装置と精密加工装置の間で、搬送対象物の確実な受け渡しができる。
なお、架台が搬送路の一部又は全部を形成してもよい。これにより、架台を制御することで、上記と同じ作用、効果を得ることができる。
本発明は、上記構成としてあるので、加振源を支持する架台の振動を抑制し、架台を所定の位置決め範囲に制御する防振装置、及び防振機構を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る防振装置の基本構成を模式的に示す側面図である。 (A)は従来の非防振の基本構成を模式的に示す側面図であり、(B)は従来のパッシブ防振の基本構成を模式的に示す側面図である。 は従来のアクティブ除振の基本構成を模式的に示す側面図である。 従来の防振装置の防振性能のシミュレーション結果を示す特性図である。 (A)は従来のパッシブ防振の位置静定性能のシミュレーション結果を示す特性図であり、(B)は従来のアクティブ除振の位置静定性能のシミュレーション結果を示す特性図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る防振装置の防振定性能のシミュレーション結果を示す特性図であり、(B)は位置静定性能のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の基本構成を模式的に示す側面図である。 (A)は本発明の第2実施形態に係る防振装置の防振性能のシミュレーション結果を示す特性図であり、(B)は位置静定性能のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明の第3実施形態に係る防振装置の基本構成を模式的に示す側面図である。 (A)は本発明の第3実施形態に係る防振装置の防振性能のシミュレーション結果を示す特性図であり、(B)は位置静定性能のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明の第4実施形態に係る防振装置の基本構成を模式的に示す側面図である。 (A)は本発明の第5実施形態に係る防振機構の基本構成を模式的に示す側面図であり、(B)はその平面図である。 (A)は本発明の第5実施形態に係る防振機構の他の基本構成を模式的に示す側面図であり、(B)はその平面図である。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係る防振装置10は、加振源12を支持する防振架台(架台)14を有している。
防振架台14は、床16から離して設置され、床面16Fと防振架台14の間に設けられたバネ18及びダンパー19で弾性支持されている。バネ18は所定の剛性k2を有し、ダンパー19は所定の減衰性能c2を有し、防振架台14と床面16Fの間に並列に配置され、防振架台14の鉛直方向の振動を減衰させる。
床面16Fと架台14の間には、バネ18及びダンパー19と並列に、アクチュエータ20が設置されている。アクチュエータ20は、例えばリニアモータ、エアアクチュエータ、油圧アクチュエータ等であり、入力された信号に応じて伸縮可能とされ、防振架台14を上下方向に移動させ、又は防振架台14の移動を制限する。更に、アクチュエータ20は、防振架台14を所定の位置に保持することができる。
防振架台14には、相対変位検出センサ24が設けられている。相対変位検出センサ24は、防振架台14と一体となって移動し、防振架台14の位置(x2)と、対面する床16に設けられた基準点16Pの位置(x1)との、相対変位量(x2−x1)を検出し、結果を出力する。なお、微細振動を問題にする場合には、床16自体の振動にも配慮が必要である。このため、図1においては、絶対的に移動のない不動点26を床16の下方に想定し、床16が、不動点26の上にバネ28やダンパー29等の弾性支持手段で弾性支持されている構成とした。
ここに、加振源12は、例えば、搬送対象物(加工段階の商品等)を次の加工工程へ搬送する搬送車両であり、防振架台14の上を走行し、床面16F上にある受け渡し場所で、次の工程へ搬送物の受け渡しを行う。搬送車両は、加振力を発生させるモータ等を備えており加振源となる。このため、搬送対象物が微小振動を問題にする精密機器類であり、加工工程が精密加工装置による精密加工工程の場合には、搬送対象物の受け渡し時に、搬送車両の振動を抑制すると共に、搬送車両と精密加工装置の間での受け渡しが可能な位置に、搬送車両の位置決めを行う必要がある。
アクチュエータ20には、制御用のコントローラ(制御手段)22が接続されている。コントローラ22は、図示しないCPU、ROM及びRAMを備え、制御目標値(r)66、1階積分回路68、Pゲイン値70、Iゲイン値72を有している。また、制御目標値66との差に対してPI制御を行う。コントローラ22には、相対変位検出センサ24から相対変位量が入力され、コントローラ22からの制御信号は、ドライバ74を介してアクチュエータ20へ出力される。
具体的には、コントローラ22は、先ず、相対変位検出センサ24から入力された検出値(x2−x1)と、予め定められた床16と架台14との相対変位量の制御目標値(r)66から、それらの差D(x2−x1−r)を求める。続いて、後述するように、差Dを1階積分回路68で積分し、積分値にIゲイン値72を掛ける(I×(x2−x1−r)の一回積分)。また、差DにPゲイン値70を掛ける(P×(x2−x1−r))。続いて、これらを加えた制御目標値を、ドライバ74を介してアクチュエータ20へ出力する。これにより、PI制御が実行され、計測された変異量に比例してアクチュエータ20を伸縮させることができる。
本実施形態とすることにより、床面16Fに設置されたバネ18及びダンパー19により、加振源12が載置される架台14が弾性支持され、架台14に取付けられた相対変位検出センサ24により、床16と防振架台14との間の相対変位量が検出される。また、コントローラ22により、相対変位検出手段の検出値と、床面と架台との相対変位量の目標値との差D、及び差Dの1階積分に比例して、アクチュエータ20を伸縮させる信号が出力される。これにより、床面16Fにバネ18やダンパー19と並列に設置されたアクチュエータ20が上下方向に伸縮し、防振架台14を移動させ、又は防振架台14の移動を抑制し、防振架台14の振動を抑制する。また、防振架台14を、所定の位置決め範囲に、早く正確に到達させることができる。
次に、本実施形態の作用、効果を従来の構成と対比しながら説明する。
図2(A)は、非防振装置36の基本構成を示している。非防振装置36は、他の防振装置との比較のために記載した構成であり、搬送装置12の振動を抑制する防振手段を備えていない。このため、搬送装置12の振動がそのまま床16へ伝達され、搬送装置12と床16が一体となって振動する。
図2(B)は、パッシブ防振装置37の基本構成を示している。パッシブ防振装置37は、加振源12と床16の間に弾性体(バネ18、ダンパー19)が設けられている。バネ18、ダンパー19により搬送装置12から床16へ伝播される振動が軽減される。防振性能を高めるためには、バネ18とダンパー19の弾性体は、剛性が低く減衰が小さいことが望ましい。
しかし、パッシブ防振装置37は、一般に剛性が低く減衰が小さく構成されているために、一旦発生した振動が止まりにくいという問題がある。この問題のため、例えば、振動を嫌う精密機器を搬送する搬送装置や、シビアな位置合わせが要求される精密工作機械との受け渡し時に、パッシブ防振装置37を適用することは困難であった。
図3は、アクティブ除振装置38の基本構成を示している。アクティブ除振装置38は、床16と防振架台14を離して、それらの間に弾性体(バネ18、ダンパー19)、及びアクチュエータ20を並列に設けると共に、防振架台14に加速度センサ34を取付けている。加速度センサ34はコントローラ32と接続され、コントローラ32はアクチュエータ20の伸縮を制御する信号を出力して、積極的に防振架台14の振動を抑制する。アクティブ除振装置38は、一般に、防振架台14の絶対速度をフィードバックするスカイフック系の制御が基本になっている。
従来技術の問題点を明らかにするために防振架台の変位シミュレーションを行った。シミュレーションモデルは図2(A)、図2(B)、図3である。床16の変位量をx1、防振架台14の変位量をx2とした。解析諸元は、床の重量m1=100(ton)、防振架台の重量m2=1(ton)、床の面外方向の剛性k1=1×10(N/m)、防振架台の支持装置の剛性k2=1×10(N/m)、床の面外方向の振動の減衰係数c1=1×10(N・sec/m)、防振架台の振動係数C2=3×10(N・sec/m)とした。また、床16の固有振動数は16Hzとなるように設定し、防振架台14の固有振動数は5Hzとなるよう設定した。また、防振架台14の制御力をfaとした。
防振性能のシミュレーション結果を図4に示す。図4の横軸は振動数(Hz)、縦軸は床16へのアクセレランス(gal/ton)である。破線曲線T1は非防振装置36の特性であり、破線曲線T2はパッシブ防振装置37の特性であり、実線曲線T3はアクティブ除振装置38の特性である。
パッシブ防振装置37における位置静定性能のシミュレーション結果を図5(A)に示し、アクティブ除振装置38における位置静定性能のシミュレーション結果を図5(B)に示す。図5(A)、図5(B)は、いずれも横軸が時間(sec)であり、縦軸が防振架台14の変位量(cm)である。破線曲線J1は搬送重量が10tonの場合の特性であり、実線曲線J2は搬送重量が5tonの場合の特性である。
パッシブ防振装置37の場合、図4に示す防振性能の結果から、特性T2は主に10Hz以上の振動数において、非防振装置36の特性T1に比して、床16へのアクセレランスを効果的に低減させており、防振性能が改善されているといえる。
一方、図5(A)に示す位置静定性能の結果から、搬送装置が搬送する搬送重量が異なる場合、搬送装置の重量(搬送装置本体と搬送物の重量の合計)の違いによって、防振架台の静定位置が異なっている。例えば、搬送物の重量が10tonの場合(特性J1)、変位量は10cmの位置に収束し、搬送物の重量が5tonの場合(特性J2)、変位量は5cmの位置に収束する。即ち、静定位置が5cm異なる。この結果、搬送物の受け渡しに障害が発生する可能性がある。
一方、アクティブ除振装置38の場合、図4に示す防振性能の結果から、特性T3は、防振振動数成分の5Hz帯域の変動は無くなっているが、パッシブ防振装置37の特性T2に比べて、床へのアクセレランスが増大している。非防振装置36の特性T1よりは改善されているものの、防振性能の更なる改善が必要といえる。
また、図5(B)に示す位置静定性能の結果から、図5(A)に比べ早く収束しているが、図5(A)と同様に、搬送装置が搬送する搬送重量が異なる場合、搬送装置の重量(搬送装置本体と搬送物の重量の合計)の違いによって、防振架台の静定位置が異なっている。例えば、搬送物の重量が10tonの場合(特性J1)、変位量は10cmの位置に収束し、搬送物の重量が5tonの場合、変位量は5cmの位置に収束する(特性J2)。即ち、静定位置が5cm異なる。この結果、搬送物の受け渡しに障害が発生する可能性がある。
なお、アクティブ除振装置38においては、既往のアクティブ除振装置と同様のスカイフックダンパの考え方で制御を行うこととし、次式(1)の制御力を掛けて計算した。
制御力fa=A×x2…(1)
ここに、A:ゲイン
続いて本実施形態の防振装置10を、同じ条件でシミュレーションした。
シミュレーションモデルは図1とし、防振性能の結果を図6(A)に示し、位置静定性能の結果を図6(B)に示す。
防振装置10は、防振架台の位置決めを行う制御系としてPI制御を採用しており、制御力faは下記(2)式で求めた。即ち、床16と防振架台14との相対変位量を検出し、目標値との差にPゲイン値を掛け、目標値との差の1階積分値に対してIゲイン値を掛けた。
制御力fa=P×(x2−x1−r)+I×{(x2−x1−r)の1階積分}
…(2)
ここに、r:相対変位の目標値
P:Pゲイン値
I:Iゲイン値
図6(A)の防振性能に示す本実施形態の特性T4は、パッシブ防振装置37の特性T2に比べると、高振動数領域が若干悪化している。しかし、非防振の特性T1よりも大きく改善され、床へのアクセラランスが小さい値となっている。防振性能については、防振支持の剛性をより低く設定することにより、パッシブ防振装置37の特性T2と同等程度となるよう設計することは可能である。
図6(B)の位置静定性能については、最大発生変位はパッシブ防振装置37の特性J1、J2に比べて小さくなっている。更に、最終的な静定位置(変位量)はゼロに戻る。このため、搬送物の受け渡し位置が搬送装置の荷重に影響されることがない。
これにより、防振架台14の振動を、相対変位検出センサ24の検出結果に基づいて、アクチュエータ20で減衰させる防振装置10を提供することができる。また、床16と防振架台14との間の相対変位量が、目標値との差で制御されるため、防振架台14を所定の位置決め範囲に制御することができる。
この結果、防振架台14の静的・準静的な変位を大幅に低減することができる。
なお、本実施形態において、搬送装置を、搬送車両を例にとり説明した。しかし、これに限定されることはなく、搬送対象物を搬送する搬送手段であれば特に制限はない。
また、本実施例では、アクチュエータ20は、コントローラ22からの制御出力に応じて伸縮する構成で説明した。しかし、これに限定されることはなく、例えば、コントローラ22からの制御出力に応じて回転する構成であってもよい。
(第2実施形態)
図7に示すように、第2実施形態に係る防振装置30は、コントローラ32が相対変位検出センサ24の検出値と、床16と防振架台14との相対変位量の目標値との差の1階積分に比例して、アクチュエータ20を伸縮させる信号を出力する(I制御)点で第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
コントローラ32は、図示しないCPU、ROM及びRAMを備え、制御目標値66、1階積分回路68、Iゲイン値72を有し、防振架台14の位置制御に、いわゆるI制御を行う。コントローラ32には、相対変位検出センサ24から相対変位量が入力され、コントローラ32からの制御信号は、ドライバ74を介してアクチュエータ20へ出力される。
具体的には、コントローラ32は、先ず、入力された相対変位検出センサ24の検出値(x2−x1)と、床16と架台14との相対変位量の制御目標値(r)66との差D(x2−x1−r)を求める。続いて、後述するように、差Dを1階積分回路68で積分し、積分値にIゲイン値72を掛ける(I×(x2−x1−r)の1階積分)。続いて、得られた制御目標値を、ドライバ74を介してアクチュエータ20へ出力する。これにより、I制御が実行され、計測された変位量に比例してアクチュエータ20を伸縮させることができる。
防振装置30によれば、床面16Fに設置された弾性支持手段であるバネ18とダンパー19により、加振源12を支持する防振架台14が弾性支持される。バネ18とダンパー19は並列に配置され、更にアクチュエータ20が、バネ18、ダンパー19と並列に配置される。また、相対変位検出センサ24により、床16と防振架台14との間の相対変位量が検出され、コントローラ32により、相対変位検出センサ24の検出値と、床16と防振架台14との相対変位量の目標値との差の1階積分に比例して、アクチュエータ20の伸縮量が制御される。
これにより、防振装置30が、防振架台14の振動を、防振装置10に比して時間を要するものの、相対変位検出センサ24の検出結果に基づいてアクチュエータ20で減衰させる。また、床面16Fと防振架台14との間の相対変位量が目標値との差で制御されるため、防振架台14を所定の位置決め範囲に制御することができる。
ここに、防振装置10のPI制御において、高振動数領域の床へのアクセレランスがパッシブ防振装置37に比べて悪化した原因は、変位に比例したゲイン(Pゲイン)を掛けることによって、防振架台14の見かけの剛性が上昇し、防振振動数が高くなることによるものと思われる。そこで、防振装置30では、PI制御ではなくI制御のみで制御を行う構成とした。
本実施形態による制御力faは、次式(2)で決定される。
制御力fa=I×{(x2−x1−r)の1階積分}…(2)
I:比例ゲイン。
次に、防振装置30のシミュレーション結果について、図8を用いて説明する、
図8(A)は防振性能を示している。破線曲線T1は非防振装置36の特性であり、実線特性T2、T4はパッシブ防振装置37の特性、及び防振装置30の特性である。両者は、同じ値を示した。即ち、防振装置30は、パッシブ防振装置37に比して、高振動数成分の悪化は見られなかった。
また、図8(B)に示す位置静定性能については、搬送重量が異なる場合の位置静定については、搬送重量10tonの特性J1と、搬送重量5tonの特性J2は、いずれもPI制御時よりも静定時間は長くなるものの、ゼロ位置に静定(収束)し、残留変形は見られなかった。従って、異なる搬送重量の搬送対象物が搬送された場合でも、搬送物の受け渡しに障害が発生しないものと思われる。
以上から、本実施形態は、高振動数領域の防振性能を悪化させることなく、防振架台の静的・準静的な変位(搬送対象物を支持した状態の変位)を低減することができる。また、コントローラ32は、1階積分フィルタやゲイン調整のみで構成されるため、防振装置10よりも簡単な回路構成となる。他の構成は第1実施形態と同じであり、説明は省略する。
(第3実施形態)
図9に示すように、第3実施形態に係る防振装置40は、床面16Fと防振架台14の間に設けられ、防振架台14を弾性支持する弾性支持手段が2自由度系とされている点が第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
防振装置40の弾性支持手段は、中間質量体52を間に置いて、第1バネ42と第2バネ43が直列に配置されている。また、第1バネ42と第2バネ43に平行に、第1ダンパー46と第2ダンパー47が同様に、中間質量体52を間に置いて、直列に配置されている。更に、中間質量体53を間に置いて、第3バネ44と第4バネ45が直列に配置されている。また、第3バネ44と第4バネ45に平行に、第3ダンパー48と第4ダンパー49が同様に、中間質量体53を間に置いて、直列に配置されている。
また、アクチュエータ50は、床面16Fと架台14との間であり、直列に配置された第1バネ42及び第2バネ43と平行に取付けられている。このように、複数のバネ(第1バネ42〜第4バネ45)及び、複数のダンパー(第1ダンパー46〜第4ダンパー49)で防振架台14を支持することで、弾性力の最適化を図ることができる。
コントローラ22は、第1実施形態で説明したコントローラであり、いわゆるPI制御機能が搭載され、制御信号を、ドライバ74を介してアクチュエータ50へ出力する。
即ち、防振装置40は、1自由度系の防振のみならず、多自由度系の防振にも拡張できる。アクチュエータ50を床16と防振架台14を直接結び、相対変位検出センサ24は、床16と防振架台14の相対変位を検出することが望ましい。アクチュエータ50の位置や相対変位検出センサ24の位置、中間マスが独立になっているか等は問わない。
図10(A)は防振装置40の防振特性のシミュレーション結果を示している。特性T1が非防振装置36の特性であり、特性T2がパッシブ防振装置37の特性であり、特性T5が防振装置40の特性である。特性T5は、振動数が25Hz以上の範囲において、特性T2より性能が向上している。即ち、多自由度防振とすることにより、高振動数領域の防振性能は非常に高くなる。
また、図10(B)は防振装置30の位置静定性能のシミュレーション結果を示している。搬送重量10tonの特性J1と、搬送重量5tonの特性J2は、いずれもPI制御時よりも静定時間は長くなるものの、残留変形は見られず、防振架台14の変位は、ゼロ位置に静定(収束)しいている。従って、異なる重量の搬送対象物を搬送した場合でも、搬送物の受け渡しに障害が発生しないものと思われる。即ち、防振架台の静的・準静的な変位については、1自由度系の制御時と同様である。他の構成は、第1実施形態と同様であり説明は省略する。
(第4実施形態)
図11に示すように、第4実施形態に係る防振装置56は、I制御機能を搭載したコントローラ32を採用し、アクチュエータ50を制御している点において、第3実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
ここに、コントローラ32は、第2実施形態で説明したI制御機能を搭載した構成である。これにより、特性図は省略するが、第3実施形態のPI制御時よりも、静定時間は長くなるものの、残留変形は見られず、防振架台14の変位は、ゼロ位置に静定(収束)する。従って、異なる重量の搬送対象物を搬送した場合でも、搬送物の受け渡しに障害は発生しないものと思われる。
即ち、本実施形態の場合、高振動数領域の防振性能を悪化させることなく、防振架台の静的・準静的な変位を低減することができる。また、コントローラ32は、1階積分フィルタやゲイン調整のみで構成されるため、防振装置40よりもさらに簡単な回路構成となる。他の構成は第3実施形態と同じであり、説明は省略する。
(第5実施形態)
図12(A)の側面図、図12(B)の平面図に示すように、第5実施形態に係る防振機構60は、第1実施形態で説明した防振装置10が、搬送路64の一部を支持している。ここに、搬送路64は、複数の精密加工装置76の間に、それらを結んで設けられ、搬送車両62が搬送対象物を搭載して移動し、搬送車両62と精密加工装置76との間で、搬送対象物の受け渡しをする。
防振装置10は搬送路64の下(床16に設けた凹部)に配置され、防振架台14の上面で搬送路64の下面を支持している。
ここに、搬送車両62は、加振力を発生させるモータを備えた加振源であり、搬送車両62が異なる重量の搬送対象物を搬送する場合には、搬送車両62と精密加工装置76との間の搬送対象物の受け渡し時には、搬送車両62と精密加工装置76との間の変位量を所定の範囲内に制御する必要がある。
上述したように、防振装置10を採用することにより防振架台14の振動が抑制され、搬送車両62と精密加工装置76との間の変位量を、所定の範囲内に制御することができる。この結果、搬送車両62と加工装置76の間で、搬送対象物の確実な受け渡しができる。
ここに、本実施形態では、1つの防振機構60で搬送路64の一部を支持させたが、これに限定されることはなく、図示は省略するが、防振装置10を搬送路64の長さ方向へ連続して複数配置し、搬送路64の全長に渡り、防振架台14で支持させる構成としてもよい。これにより、搬送路64のどこの位置においても、搬送車両62と加工装置76の間で、搬送対象物の確実な受け渡しができる。
更に、図13に示す防振機構61のように、防振装置10を搬送路65の長さ方向へ連続して複数配置し、搬送路65の全長に渡り、防振装置10のバネ18、ダンパー19、アクチュエータ20で、搬送路65を直接支持させる構成としてもよい。また、図示は省略するが、搬送路65の一部を、防振装置10のバネ18、ダンパー19、アクチュエータ20で直接支持させてもよい。上述の作用、効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、防振装置10を採用した防振機構60について説明した。しかしこれに限定されることはなく、防振装置30、防振装置40又は防振装置56を使用してもよい。
10 防振装置
12 加振源
14 防振架台(架台)
16 床面
18 バネ(弾性支持手段)
19 ダンパー(弾性支持手段)
20 アクチュエータ
22 コントローラ(制御手段)
24 相対変位検出センサ(相対変位検出手段)

Claims (4)

  1. 床面に設置された弾性支持手段で弾性支持され、加振源を支持する架台と、
    前記床面と前記架台との間に前記弾性支持手段と並列に設置され、入力された信号に応じて動作し前記架台を移動させるアクチュエータと、
    前記床面と前記架台との間の相対変位量を検出する相対変位検出手段と、
    前記相対変位検出手段の検出値と、前記床面と前記架台との相対変位量の目標値との差、及び前記差の1階積分に比例して、前記アクチュエータを駆動させる信号を出力する制御手段と、
    を有する防振装置。
  2. 床面に設置された弾性支持手段で弾性支持され、加振源を支持する架台と、
    前記床面と前記架台との間に前記弾性支持手段と並列に設置され、入力された信号に応じて動作し前記架台を移動させるアクチュエータと、
    前記床面と前記架台との間の相対変位量を検出する相対変位検出手段と、
    前記相対変位検出手段の検出値と、前記床面と前記架台との相対変位量の目標値との差の1階積分に比例して、前記アクチュエータを駆動させる信号を出力する制御手段と、
    を有する防振装置。
  3. 前記弾性支持手段は、質量体を間に置いて直列に配置されている請求項1又は2に記載の防振装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の防振装置の架台が、加振源としての搬送装置が搬送対象物を搭載して走行する搬送路の一部又は全部を支持し、又は前記搬送路の一部又は全部を形成する防振機構。
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