JP2014162780A - Amp活性化プロテインキナーゼ活性化効果を有するヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、非常に簡便なまったく新しい方法かつ食品でも応用可能な合成方法によって得られるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を有効成分とするAMP活性化プロテインキナーゼ活性化剤に関するものである。
化合物の誘導体化技術は化合物の高機能化による医薬品の開発などで広く使われている。例えば、抗インフルエンザ薬として広く用いられているタミフル(登録商標)は、生薬である八角に含まれるシキミ酸を誘導体化して得られている。他にも、インスリン抵抗性改善薬であるピオグリタゾンはクロフィブラートをリード化合物とする誘導体合成の研究により得られたものである。
しかしこれらの技術で得られる化合物は合成反応時に使われる溶媒等や精製工程及びそれに掛かるコストの問題から用途が医薬品に限定される場合が多い。医薬品は対処療法としては有効ではあるが、たとえば人のQOL(Quality of Life)などの向上を目的とした予防医学的な用途に使用することは出来ない。したがって、医薬品での用途以外でも使用可能な素材が求められている。
人のQOL低下の原因には血中の中性脂肪値の上昇や血糖値の上昇が挙げられる。これらの症状がでると、肥満や糖尿病の原因となる。したがって、これらの上昇を抑制することが出来ればQOL向上につなげることが出来る。この目的を達成する最も確実な方法としては運動や食事制限がある。しかし、これらの実施はそれ自体が負荷となりQOLの低下を招くことがある。理想的にはそのような負荷を掛けずに中性脂肪値の上昇や血糖値の上昇を抑えることである。
そのような中でもっとも注目されているのが天然化合物である。自然界に存在する多くの天然化合物は肥満予防や糖尿病予防など様々な効果が期待されており、多くの研究及び先行技術が報告されている。例えば、赤ワインに含まれていることで有名なレスベラトロールはブドウ果皮などに含まれるヒドロキシスチルベン類であるが、1997年、レスベラトロールに高い抗ガン作用があることが報告された(非特許文献1)。この報告によりレスベラトロールを含むヒドロキシスチルベン類の生理活性に注目が集まり、多くの疾病に効果があることが明らかにされつつある(非特許文献2)。フランスにおいて循環器系疾患の発症率が著しく低い「フレンチパラドックス」とよばれる現象は赤ワインの摂取量と相関があることが知られており、レスベラトロールの抗酸化作用・抗炎症作用などによる心血管保護作用が要因であるといわれている。このことからレスベラトロールを初めとするヒドロキシスチルベン類は有効性と安全性を兼ね備えた機能性成分として注目されている。
レスベラトロールを含むヒドロキシスチルベン類の生体内での作用の特徴としてAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化がある。AMPKは糖代謝や脂質代謝に関わる代謝調節因子であり、必要に応じてAMPKがリン酸化されることにより活性化され、エネルギー産生量が増加していく。エネルギー産生は原料となる脂質や糖質を消費してエネルギーに変換するため、AMPKの活性化に伴い血中の中性脂肪量や血糖値が低下する。
実際にヒトを対象とした臨床試験において1日150mgのレスベラトロールを30日間摂取することで筋肉組織のAMPKが活性化されることが報告されている(非特許文献3)。同時にインスリン抵抗性指数であるHOMA−Rの改善も認められている。したがってAMPK活性化はQOL向上に優れた効果を発揮すると考えられる。
しかしレスベラトロールをはじめとする天然化合物の場合、効果を発揮するには日常的に摂取する摂取量が非現実的な量になってしまうこともあり、これを含有する食品などを開発するにあたりコスト面などで大きな障害となるため現実性に乏しい。
したがってQOL向上を目的とした化合物の新たな用途開発が望まれている。
このような現状のもと、本発明者らはこれまでにレスベラトロールを基材とする簡便かつまったく新しい合成方法にて新規なヒドロキシスチルベン類の誘導体を取得することに成功している(特許文献1)。これらの新規なヒドロキシスチルベン誘導体の合成方法はいずれも簡便であることのみならず、食品にも応用可能な合成方法である点で優れたものである。しかし、前記の新規なヒドロキシスチルベン誘導体についての機能性についてはまだ十分に検討できていなかった。
Science,275(10),p218−220(1997)
Drug Discovery,5,p493−506(2006)
Cell Metabolism,14,p612−622 (2011)
そこで、本発明者らは、取得することに成功している新規なヒドロキシスチルベン誘導体の機能性について検討したところ、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物が優れたAMPK活性化作用を有していることを見出すことに初めて成功し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を有効成分とする新たなAMPK活性化剤を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、式(1):
(但し、式(1)中、R1〜R4は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、あるいは炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、R1〜R4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表されるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物又はその薬学的に許容可能な塩を含有することを特徴とするAMPK活性化剤に関する。
で表されるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物又はその薬学的に許容可能な塩を含有することを特徴とするAMPK活性化剤に関する。
本発明の薬剤は、本発明品の基材の1つであり、天然化合物のなかで高いAMPK活性化作用を有することが知られているレスベラトロールより優れたAMPK活性化作用を有していることから、新規のAMPK活性化剤として有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、「AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化剤」は、いずれもヒト又は非ヒト動物でAMPKのリン酸化を促進できる薬剤をいう。
ヒト又は非ヒト動物のAMPK活性化効果は、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することで確認することができる。
ヒト又は非ヒト動物のAMPK活性化効果は、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することで確認することができる。
本発明のAMPK活性化剤は、式(1):
(但し、式(1)中、R1〜R4は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、あるいは炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、R1〜R4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表されるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物又はその薬学的に許容可能な塩を含有することを特徴とする。
で表されるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物又はその薬学的に許容可能な塩を含有することを特徴とする。
前記式(1)において、R1〜R4で表される炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基は、特に限定されるものではないが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基である。その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。
また、R1〜R4で表される炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基は、特に限定されるものではないが、好ましくは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
中でも、前記R1〜R4のうち1つ以上が水素原子であることが好ましく、R1〜R4が全て水素原子であるものやR1がヒドロキシ基でありR2〜R4が水素原子であるものがより好ましい。
また、R1〜R4で表される炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基は、特に限定されるものではないが、好ましくは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
中でも、前記R1〜R4のうち1つ以上が水素原子であることが好ましく、R1〜R4が全て水素原子であるものやR1がヒドロキシ基でありR2〜R4が水素原子であるものがより好ましい。
前記式(1)で表されるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物において、炭素−炭素2重結合は、トランス又はシスであってよい。また、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物としてはシス体とトランス体の混合物でもよい。
前記ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の薬学的に許容可能な塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アルミニウムヒドロキシド塩等の金属ヒドロキシド塩;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、アルキレンジアミン塩、シクロアルキルアミン塩、アリールアミン塩、アラルキルアミン塩、複素環式アミン塩等のアミン塩;α−アミノ酸塩、ω−アミノ酸塩等のアミノ酸塩;ペプチド塩又はそれらから誘導される第1級、第2級、第3級若しくは第4級アミン塩等が挙げられる。これらの薬学的に許容可能な塩は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記式(1)で表されるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物及びその薬学的に許容可能な塩(以下、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物と略する。)は、当該分野で周知の方法に従って化学合成することも可能ではあるが、反応工程が複雑であり、有害な試薬や工程を必要とするために安全性や回収率に課題がある。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、特許文献1に記載のように、ヒドロキシスチルベン類とシナピン酸を金属塩存在下で加熱処理することで、前記の化学合成法のように有害な試薬や工程を必要とせずに、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を効率的で安全に製造することができることを見出した。以下に、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の製造方法について具体的に説明する。
前記製造方法では、前駆体としてヒドロキシスチルベン類を用いる。
ヒドロキシスチルベン類とは、式(2):
ヒドロキシスチルベン類とは、式(2):
(但し、式(2)中、R1〜R4は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、あるいは炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、R1〜R4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表されるヒドロキシスチルベン誘導体及びその薬学的に許容可能な塩である。
で表されるヒドロキシスチルベン誘導体及びその薬学的に許容可能な塩である。
前記式(2)において、R1〜R4で表される炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基は、特に限定されるものではないが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基である。その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。
また、R1〜R4で表される炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基は、特に限定されるものではないが、好ましくは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
また、R1〜R4で表される炭素数1〜10の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基は、特に限定されるものではないが、好ましくは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
また、前記式(2)で表される化合物にはトランス体とシス体の構造異性体が存在するが、加熱や紫外線によってトランス体とシス体の変換が一部生じる。したがって、本発明では、ヒドロキシスチルベン類としては、トランス体でもシス体でも、あるいはトランス体とシス体の混合物であってもよい。
前記式(2)で表される化合物の薬学的に許容可能な塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アルミニウムヒドロキシド塩等の金属ヒドロキシド塩;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、アルキレンジアミン塩、シクロアルキルアミン塩、アリールアミン塩、アラルキルアミン塩、複素環式アミン塩等のアミン塩;α−アミノ酸塩、ω−アミノ酸塩等のアミノ酸塩;ペプチド塩又はそれらから誘導される第1級、第2級、第3級若しくは第4級アミン塩等が挙げられる。これらの薬学的に許容可能な塩は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記ヒドロキシスチルベン類は、ブドウ果皮から抽出・精製した天然由来のものであっても、化学合成された純度の高い化成品であっても良い。天然由来のヒドロキシスチルベン類を用いる場合は、完全に精製されたものである必要はなく、後述のように所望の生成反応が進み最終的に本発明で用いるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物が得られることから、ヒドロキシスチルベン類以外の成分を含む混合物も使用できる。
ただし、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の回収率の観点からは、ヒドロキシスチルベン類換算で1重量%以上含有された混合物が原料として好ましい。
前記ヒドロキシスチルベン類の具体例としては、レスベラトロール、ピセアタンノールのような化合物や、ブドウ果皮、ピーナッツ、イタドリの根又は根茎、パッションフルーツ種子等の原料からの抽出物、これらの抽出物の凍結乾燥品等を使用してもよい。
ただし、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の回収率の観点からは、ヒドロキシスチルベン類換算で1重量%以上含有された混合物が原料として好ましい。
前記ヒドロキシスチルベン類の具体例としては、レスベラトロール、ピセアタンノールのような化合物や、ブドウ果皮、ピーナッツ、イタドリの根又は根茎、パッションフルーツ種子等の原料からの抽出物、これらの抽出物の凍結乾燥品等を使用してもよい。
また、前記製造方法では、前駆体としてシナピン酸も必要である。シナピン酸は、天然由来のものであっても、化学合成された純度の高い化成品であっても良い。天然由来のシナピン酸を用いる場合は、完全に精製されたものである必要はなく、後述のように所望の生成反応が進み最終的に本発明で用いるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物が得られるのであれば、シナピン酸以外の成分を含む混合物も使用できる。
ただし、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の回収量の観点からは、シナピン酸換算で5重量%以上含有された混合物が原料として好ましい。このような原料としては、例えば、リンゴ果実、ナタネ種子、ブロッコリー、穀物、和がらし、洋がらし等の原料からの抽出物、凍結乾燥品等を使用してもよい。
ただし、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の回収量の観点からは、シナピン酸換算で5重量%以上含有された混合物が原料として好ましい。このような原料としては、例えば、リンゴ果実、ナタネ種子、ブロッコリー、穀物、和がらし、洋がらし等の原料からの抽出物、凍結乾燥品等を使用してもよい。
前記製造方法では、ヒドロキシスチルベン類、シナピン酸、又はヒドロキシスチルベン類とシナピン酸との混合物を適切な溶媒に溶解させる。この際、溶媒が水のみであれば、ヒドロキシスチルベン類やシナピン酸の水への溶解度が著しく低いために、水と有機溶媒との混合液や、有機溶媒のみに溶解させればよい。水と有機溶媒との配合比や、有機溶媒の種類については特に制限はなく、ヒドロキシスチルベン類やシナピン酸が十分に溶解すれば良い。中でも、メタノールやエタノールのみの溶媒や、水とメタノール、水とエタノール等の混合液を使用することが、安全性やコスト面から好ましい。ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を含む反応後組成物に対して最終的な精製を十分に適用せずにその組成物を食品に使用する場合には、安全性や法規面から溶媒としてエタノールや含水エタノールを使用することが好ましい。
得られるヒドロキシスチルベン類、シナピン酸、又はヒドロキシスチルベン類とシナピン酸との混合物を含有する溶液中のヒドロキシスチルベン類及びシナピン酸の濃度について特に制限はないが、それぞれの濃度が高いほど、溶媒使用量が少ない等のメリットもあるため、ヒドロキシスチルベン類及びシナピン酸の濃度は各々の溶媒に対しヒドロキシスチルベン類及びシナピン酸がそれぞれ飽和する濃度近くが好ましい。
また、ヒドロキシスチルベン類、シナピン酸は前記溶液中において生成反応前に完全に溶解していなくともよい。例えば、ヒドロキシスチルベン類含有溶液とシナピン酸含有溶液とを混合する場合、それぞれの溶液中のヒドロキシスチルベン類濃度、シナピン酸濃度がともに飽和濃度以上であっても、混合液とした場合には、飽和濃度近くになるように調整しておけばよい。
得られるヒドロキシスチルベン類、シナピン酸、又はヒドロキシスチルベン類とシナピン酸との混合物を含有する溶液中のヒドロキシスチルベン類及びシナピン酸の濃度について特に制限はないが、それぞれの濃度が高いほど、溶媒使用量が少ない等のメリットもあるため、ヒドロキシスチルベン類及びシナピン酸の濃度は各々の溶媒に対しヒドロキシスチルベン類及びシナピン酸がそれぞれ飽和する濃度近くが好ましい。
また、ヒドロキシスチルベン類、シナピン酸は前記溶液中において生成反応前に完全に溶解していなくともよい。例えば、ヒドロキシスチルベン類含有溶液とシナピン酸含有溶液とを混合する場合、それぞれの溶液中のヒドロキシスチルベン類濃度、シナピン酸濃度がともに飽和濃度以上であっても、混合液とした場合には、飽和濃度近くになるように調整しておけばよい。
次に、前記ヒドロキシスチルベン類及びシナピン酸を含有する溶液(以下、ヒドロキシスチルベン類、シナピン酸含有溶液)のpHを8未満に調整することが好ましい。調整方法として、例えば、ヒドロキシスチルベン類、シナピン酸含有溶液を調製した後にpH調整剤を添加してpHを調整しても良いし、前記溶液の調製時に前もって溶媒のpHを調整しておいても良い。ヒドロキシスチルベン類、シナピン酸含有溶液の反応開始時のpHは8.0以上であれば、他の反応や目的化合物の分解も一方で生じるために最終的なヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の回収量が低下する。したがって、反応開始時のpHは3.0以上8.0未満が好ましい。
前記製造方法では、前記ヒドロキシスチルベン類、シナピン酸含有溶液中に金属塩を添加する。前記金属塩としては、酸性塩、塩基性塩、正塩のいずれでもよく、また、単塩、複塩、錯塩のいずれでもよい。さらに、金属塩は1種類であっても、複数種類の混合物であってもよい。金属塩の例としては、食品添加物として認可されているものが安全性の面で好ましい。例えば、食品に添加することが認められているマグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、銅塩等が挙げられる。
また、前記金属塩の混合物としては、例えば、ミネラルプレミックス(田辺製薬株式会社製、グルコン酸亜鉛、クエン酸鉄アンモニウム、乳酸カルシウム、グルコン酸銅、リン酸マグネシウムを主成分としたミネラル混合物)のように金属塩を数種類含む物質が挙げられる。また、複数の金属塩を含む混合物として、ミネラルウォーターも挙げることができる。
なお、前記金属塩の含有量としては、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を生成可能な量であればよく、特に限定はない。
また、前記金属塩の混合物としては、例えば、ミネラルプレミックス(田辺製薬株式会社製、グルコン酸亜鉛、クエン酸鉄アンモニウム、乳酸カルシウム、グルコン酸銅、リン酸マグネシウムを主成分としたミネラル混合物)のように金属塩を数種類含む物質が挙げられる。また、複数の金属塩を含む混合物として、ミネラルウォーターも挙げることができる。
なお、前記金属塩の含有量としては、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を生成可能な量であればよく、特に限定はない。
次に、金属塩存在下で、ヒドロキシスチルベン類、シナピン酸含有溶液を加熱処理する。この加熱処理により、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の生成反応を行う。生成反応を効率的に進ませるために、ヒドロキシスチルベン類、シナピン酸含有溶液の加熱温度は110℃以上に調整することが好ましい。また、使用する溶媒の沸点から考え、加圧加熱が好ましい。例えば、開放容器にヒドロキシスチルベン類、シナピン酸含有溶液を入れ、溶媒の沸点を超える高温で前記容器を加熱する、密閉容器にヒドロキシスチルベン類、シナピン酸含有溶液を入れて前記容器を加熱する、レトルト装置やオートクレーブを用いて加圧加熱する等、少なくとも部分的に溶液温度が110℃以上に達するように加熱することが好ましい。回収効率面から、溶液温度が均一に110℃〜150℃になることが、さらに好ましい。加熱時間も加熱温度と同様に限られたものではなく、効率的に目的の反応が進行する時間条件とすればよい。特に、加熱時間は加熱温度との兼ね合いによるものであり、加熱温度に応じた加熱時間にすることが好ましい。例えば、130℃付近で加熱する場合は、5分〜120分の加熱時間が好ましい。また、加熱は、一度でも良いし、複数回に分けて繰り返し加熱しても良い。複数回に分けて加熱する場合、蒸発した溶媒を補うために溶媒を新たに追加して行うことが好ましい。
前記加熱処理によるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の生成反応の終了は、例えば、HPLCによる成分分析によりヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の生成量を確認して判断すればよい。
得られる反応液中には、本発明で用いるヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物が含有されている。
また、安全な原料のみを用いた工程でヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を製造した場合には、前記ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を含む混合物の状態で食品、医薬品又は医薬部外品に使用することが可能である。例えば、天然由来のヒドロキシスチルベン類、シナピン酸を含水エタノール溶媒に溶解し、ミネラルウォーターやミネラルプレミックスを添加して加熱処理した場合には、得られる反応液を食品、医薬品又は医薬部外品の原料の一つとして使用することが可能である。
また、安全な原料のみを用いた工程でヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を製造した場合には、前記ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を含む混合物の状態で食品、医薬品又は医薬部外品に使用することが可能である。例えば、天然由来のヒドロキシスチルベン類、シナピン酸を含水エタノール溶媒に溶解し、ミネラルウォーターやミネラルプレミックスを添加して加熱処理した場合には、得られる反応液を食品、医薬品又は医薬部外品の原料の一つとして使用することが可能である。
また、風味面での改良やさらなる高機能化を望む場合は、前記反応液を濃縮してヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の濃度を高めたり、前記反応液を精製しヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を得ることができる。濃縮、精製は、公知の方法で実施可能である。例えば、クロロホルム、酢酸エチル、エタノール、メタノール等を用いた溶媒抽出法や炭酸ガスによる超臨界抽出法等で抽出してヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を濃縮できる。また、カラムクロマトグラフィーを利用して濃縮や精製を施すことも可能である。再結晶法や限外ろ過膜等の膜処理法も適用可能である。
また、前記反応液からヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を分離して回収する場合には、カラムクロマトグラフィー、HPLC等を用いてもよい。
前記濃縮物や精製物を、必要に応じて、減圧乾燥や凍結乾燥して溶媒除去することで、粉末状のヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を得ることができる。
また、得られたヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物は、必要に応じて、当該分野で公知の方法により、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の塩としてもよい。
前記のヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物は、レスベラトロールよりも優れたAMPK活性化作用を有する。
したがって、本発明は、前記ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を有効成分として含有することで、優れたAMPK活性化剤等を提供することができる。
したがって、本発明は、前記ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を有効成分として含有することで、優れたAMPK活性化剤等を提供することができる。
本発明のAMPK活性化剤は、有効成分として前記ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物のみからなるものであってもよいが、前記ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物をエタノール又はエタノール含有水溶液等の溶媒に溶解した液剤としたり、公知の方法で乳剤、懸濁剤としてもよい。本発明のAMPK活性化剤中の前記ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の含有量は、0.001重量%以上であればよい。
本発明のAMPK活性化剤は、医薬品として製剤化してもよい。この製剤形態としては特に限定されず、例えば、注射剤、坐剤、点眼剤、軟膏剤、エアゾール剤等の非経口剤、錠剤、被覆錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、トローチ剤、チュアブル錠、シロップ剤等の経口剤等が挙げられる。製剤化の際には、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、希釈剤、安定化剤、等張化剤、pH調整剤、緩衝剤等が用いられる。
担体や賦形剤としては、例えば、乳糖、ショ糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、マルトース、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、イノシトール、デキストラン、ソルビトール、アルブミン、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、メチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム及びこれらの混合物等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール及びこれらの混合物等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、水、エタノール、リン酸カリウム及びこれらの混合物等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、水、エタノール、リン酸カリウム及びこれらの混合物等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖及びこれらの混合物等が挙げられる。
希釈剤としては、例えば、水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸、チオ乳酸及びこれらの混合物等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸、チオ乳酸及びこれらの混合物等が挙げられる。
等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、ホウ酸、ブドウ糖、グリセリン及びこれらの混合物等が挙げられる。
pH調整剤及び緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム及びこれらの混合物等が挙げられる。
pH調整剤及び緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム及びこれらの混合物等が挙げられる。
さらに本発明のAMPK活性化剤は、増量剤、可溶化剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、抗酸化剤、細菌抑制剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を含んでいてもよい。
また、錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤の顆粒は、必要により、ショ糖等の糖類、マルチトール等の糖アルコールで糖衣を施したり、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等でコーティングを施したり、また、胃溶性又は腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。また、製剤の溶解性を向上させるために、公知の可溶化処理を施すこともできる。
本発明のAMPK活性化剤を使用する場合、例えば、前記ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物の摂取量は、所望の効果が得られるような量であれば特に制限されず、通常その態様、患者の年齢、性別、体質その他の条件、疾患の種類並びにその程度等に応じて適宜選択される。前記ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物換算で、1日当たり約0.1mg〜1,000mg程度とするのがよく、これを1日に1〜4回に分けて摂取することができる。
また、前記新規ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物は、安全性に優れたものであるので、ヒトに対してだけでなく、非ヒト動物、例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等の哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類等の治療剤又は飼料に配合してもよい。飼料としては、例えばヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、ウナギ、タイ、ハマチ、エビ等に用いる魚介類用飼料、イヌ、ネコ、小鳥、リス等に用いるペットフードが挙げられる。
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。ここでは、ヒドロキシスチルベン類としてトランス−レスベラトロールを用いた反応を示すが他のヒドロキシスチルベン類でも同様の反応で化合物が得られる。
(実施例1:UHA1028の生成及び単離・精製)
前記特許文献1の実施例7に記載の方法に準じて、トランス−レスベラトロール、シナピン酸をエタノールに溶解し、ミネラルウォーターを加えて、レスベラトロール、シナピン酸含有溶液(pH=4.9)を得、これをオートクレーブで130℃、90分間加熱して、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を作製した。次いで、前記特許文献1の実施例8に記載の方法に準じて、分取HPLCを用い、式(3):
前記特許文献1の実施例7に記載の方法に準じて、トランス−レスベラトロール、シナピン酸をエタノールに溶解し、ミネラルウォーターを加えて、レスベラトロール、シナピン酸含有溶液(pH=4.9)を得、これをオートクレーブで130℃、90分間加熱して、ヒドロキシスチルベン類・シナピン酸反応生成物を作製した。次いで、前記特許文献1の実施例8に記載の方法に準じて、分取HPLCを用い、式(3):
で表されるUHA1028を単離した。
(実施例2 活性型AMPKの定量)
活性型AMPKの発現量を評価するために、脂肪細胞である3T3−L1細胞(マウス由来脂肪前駆細胞)を用いて評価を行った。
活性型AMPKの発現量を評価するために、脂肪細胞である3T3−L1細胞(マウス由来脂肪前駆細胞)を用いて評価を行った。
試料にはレスベラトロール、実施例1で得られたUHA1028の2種類を用いた。各試料をジメチルスルホキシド(DMSO、和光純薬工業(株)社製)に2mMの濃度で溶解させて試験に使用した。
試験に使用する脂肪細胞は定法に従って調製した。つまり、細胞培養用12ウェルディッシュ(日本ベクトン・ディッキンソン(株)製)に3T3―L1細胞を5×104cells/mLで1mL播種して37℃、5%CO2条件下で48時間培養し、100%コンフルエントしたものを毎日培地交換しながらさらに48時間培養した。その後、培地を、脂肪細胞分化試薬(商品名:AdipoInducer Reagent、タカラバイオ(株)製)に付属の、インスリン、デキサメタゾン及びイソブチルメチルキサンチンをそれぞれ1%、0.5%及び0.1%添加した分化用DMEM培地2mLに交換し、37℃、5%CO2条件下で48時間分化・培養した。分化させた脂肪細胞の培地を、インスリン1%を含むDMEM培地(維持培地)に交換し、7日間培養した脂肪細胞を試験に使用した。
試験は以下のように行った。7日間培養した脂肪細胞に各試料5μL(終濃度10μM)を添加し、3時間、6時間、24時間、48時間培養した。なお、溶媒であるDMSOのみを0.5%添加したものをコントロールとした。
各培養時間で得られた脂肪細胞にRIPAバッファー(シグマ社製)300μLを添加し、タンパク質を抽出した。
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動に供するタンパク質サンプルは、タンパク質8μL、Laemmliサンプルバッファー(10%ドデシル硫酸ナトリウム、100mMジチオトレイトール、30%グリセロール、50mMTris−HCl、pH6.8)2μLを添加して70℃で60分間加熱変性させたものを使用した。ゲルには「ミニプロティアンTGX Any kD Gel」(バイオ・ラッド・ラボラトリーズ(株)製)を使用した。
変性させたタンパク質サンプルを10μLゲルに供し、200V、30分間電気泳動した。
電気泳動後、セミドライ式ブロッティング装置「TRANS−BLOT S−D SEMI−DRY TRANSFER CELL」(商品名、バイオ・ラッド・ラボラトリーズ(株)製)でPVDF膜(ミリポア(株)社製)に転写し、5%イムノブロックでブロッキングした。ここから、「Phospho−AMPKα(Thr172)(40H9)Rabbit monoclonal Antibody」(一次抗体、CSTジャパン(株)製)、「Anti−Rabbit IgG,HRP−linked Antibody」(二次抗体、CSTジャパン(株)製)を用いた抗体反応によって活性型AMPK(p−AMPK)の検出を行った。検出したPVDF膜を「Restore PLUS Western Blot Stripping Buffer」(サーモサイエンティフィック社製)でリプローブし、これに一次抗体「AMPKα Rabbit Polyclonal Antibody」(CSTジャパン(株)製)及びに二次抗体「Anti−Rabbit IgG,HRP−linked Antibody」(二次抗体、CSTジャパン(株)製)を用いて総AMPK量を確認した。検出されたバンドを画像解析ソフト「Image J」を用いてバンド強度の算出し、総AMPK中のリン酸化AMPK量を算出した。これらの結果を図1に示した。
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動に供するタンパク質サンプルは、タンパク質8μL、Laemmliサンプルバッファー(10%ドデシル硫酸ナトリウム、100mMジチオトレイトール、30%グリセロール、50mMTris−HCl、pH6.8)2μLを添加して70℃で60分間加熱変性させたものを使用した。ゲルには「ミニプロティアンTGX Any kD Gel」(バイオ・ラッド・ラボラトリーズ(株)製)を使用した。
変性させたタンパク質サンプルを10μLゲルに供し、200V、30分間電気泳動した。
電気泳動後、セミドライ式ブロッティング装置「TRANS−BLOT S−D SEMI−DRY TRANSFER CELL」(商品名、バイオ・ラッド・ラボラトリーズ(株)製)でPVDF膜(ミリポア(株)社製)に転写し、5%イムノブロックでブロッキングした。ここから、「Phospho−AMPKα(Thr172)(40H9)Rabbit monoclonal Antibody」(一次抗体、CSTジャパン(株)製)、「Anti−Rabbit IgG,HRP−linked Antibody」(二次抗体、CSTジャパン(株)製)を用いた抗体反応によって活性型AMPK(p−AMPK)の検出を行った。検出したPVDF膜を「Restore PLUS Western Blot Stripping Buffer」(サーモサイエンティフィック社製)でリプローブし、これに一次抗体「AMPKα Rabbit Polyclonal Antibody」(CSTジャパン(株)製)及びに二次抗体「Anti−Rabbit IgG,HRP−linked Antibody」(二次抗体、CSTジャパン(株)製)を用いて総AMPK量を確認した。検出されたバンドを画像解析ソフト「Image J」を用いてバンド強度の算出し、総AMPK中のリン酸化AMPK量を算出した。これらの結果を図1に示した。
図1の結果より、UHA1028で処理した場合には、レスベラトロールの場合と比較したところ、いずれの処理時間でもより高いAMPK活性化作用が発揮されていることが確認された。
なお、UHA1028について、本発明者らは、これまでに抗癌作用(特願2011−118382)、ヒト血管内皮細胞におけるサーチュイン発現促進作用(特願2011−118367)、成熟脂肪細胞におけるアディポネクチン産生促進作用(特願2011−145331)、成熟脂肪細胞におけるリポプロテインリパーゼ促進作用(特願2011−186054)、前駆脂肪細胞の成熟脂肪細胞への分化抑制作用(特願2012−240364)、コレステロール産生抑制作用(特願2012−284572)等を有することを確認しているが、AMPK活性化に対する効果については確認しておらず、一般的にも未だ知られていない。
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JP2012246242A (ja) * | 2011-05-26 | 2012-12-13 | Uha Mikakuto Co Ltd | サーチュイン発現増強剤およびサーチュイン活性促進剤 |
JP2013010721A (ja) * | 2011-06-30 | 2013-01-17 | Uha Mikakuto Co Ltd | アディポネクチン産生促進剤 |
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日本内科学会雑誌, vol. 100, no. 9, JPN6016045547, 2011, pages 2437 - 2446 * |
糖尿病, vol. 55, no. 5, JPN6016045549, 2012, pages 306 - 308 * |
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