JP2014161940A - 研磨パッドおよび研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上を達成でき、且つスクラッチの発生が少なく、長時間使用可能な研磨パッドを提供すること。
【解決手段】エチレン共重合率が35〜55モル%であり、且つ結晶融解熱量が60〜110J/gであるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物を含む研磨層を有する、モース硬度が7以下の絶縁膜または金属膜を研磨するために用いられる研磨パッド。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体の製造などに用いる研磨パッド、および該研磨パッドを用いた研磨方法に関する。
従来、半導体ウェハを鏡面加工したり、半導体デバイス製造時に絶縁膜や金属膜の凹凸を平坦化加工したりする際に用いられる研磨パッドとしては、不織布にポリウレタン樹脂を含浸させた比較的軟質の研磨パッドや、発泡ポリウレタンから形成される研磨パッドなどが使用されている(特許文献1)。
近年、半導体ウェハは、高集積化、多層配線化に伴い、さらなる高平坦化等の品質向上に加えて低価格化の要求が増々高まっている。それに伴い、研磨パッドに対しても、従来以上の平坦化を可能にする等の高機能化や長時間使用可能であることなどが要求されている。
前記のような研磨パッドのうち、半導体デバイス製造用途においては、被研磨物上の研磨すべき部分である凸部の研磨速度(摩耗していく速度)をより大きくし、一方、研磨すべきでない部分である凹部の研磨速度をより小さくして、被研磨物を平坦化する性能が求められる。
このような平坦化への要求に応じるべく、従来では、一般的に、発泡ポリウレタンから形成される比較的硬質の研磨パッドが採用されている。しかしながら、近年、半導体の微細化が進むにつれ、要求される平坦化性能がますます高くなっており、前記の発泡ポリウレタンから形成される研磨パッドでは対応できない場合が増えており、これに代わる研磨パッドが望まれている。
上記の問題を解決するため、非水溶性の熱可塑性重合体中に水溶性物質が分散されてなる研磨パッド(特許文献2および3)、架橋重合体を含有する非水溶性マトリックス材と、該非水溶性マトリックス材中に分散された水溶性粒子とを含有する研磨パッド(特許文献4)等が提案されている。
特開平11−322878号公報 特開2000−34416号公報 特開2001−47355号公報 特開2001−334455号公報
しかしながら、特許文献2〜4に記載された研磨パッドは、平坦性についてはある程度の改善効果があるものの、分散された水溶性物質または水溶性粒子の平均粒径や分布を完全に均一とすることが極めて困難であり、そのような研磨パッドでは研磨速度などにバラツキが生じやすい。またはそのような研磨パッドでは、水溶性物質または水溶性粒子の存在によりマトリックスの樹脂の強度が低下するため、研磨速度の安定性やパッドの耐久性が必ずしも十分ではない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上を達成でき、且つスクラッチの発生が少なく、長時間使用可能な研磨パッドを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
[1] エチレン共重合率が35〜55モル%であり、且つ結晶融解熱量が60〜110J/gであるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物を含む研磨層を有する、モース硬度が7以下の絶縁膜または金属膜を研磨するために用いられる研磨パッド;
[2] エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶化度が60〜95%である、前記[1]の研磨パッド;
[3] エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度が99モル%以上であり、且つエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物中に含まれるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量が15質量ppm以下である、前記[1]または[2]の研磨パッド;
[4] 前記[1]〜[3]のいずれかの研磨パッドを用いてモース硬度が7以下の絶縁膜または金属膜を研磨する方法;
[5] 研磨層の初期摩耗高さ(Rpk)が1〜15μmであり、研磨層の油溜り深さ(Rvk)が0.1〜10μmであり、Rpk/Rvkが1〜8である、前記[4]の方法;
[6] 絶縁膜が酸化ケイ素膜であり、金属膜が銅膜である、前記[4]または[5]の方法;
[7] 酸化セリウムを含有する研磨スラリーを用いて初期段差が300nm以上の絶縁膜または金属膜を研磨する、前記[4]〜[6]のいずれかの方法;
に関する。
本発明によれば、被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上を達成でき、且つスクラッチの発生が少なく、長時間使用可能な研磨パッドを提供できる。
[研磨パッド]
本発明の研磨パッドは、エチレン共重合率が35〜55モル%であり、且つ結晶融解熱量が60〜110J/gであるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物を含む研磨層を有する点に特徴がある。エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の共重合率は、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物を重ジメチルスルホキシドに溶解させてH−NMR測定を行い、エチレン構造に含まれる水素原子のピーク面積と、ビニルエステル構造に含まれる水素原子のピーク面積およびビニルアルコール構造に含まれる水素原子のピーク面積を測定することにより求めることができる。
本発明で用いるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物は、エチレンと、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステルモノマーとを共重合した後、主鎖骨格中のビニルエステル構造をケン化(加水分解)によってビニルアルコール構造としたものである。エチレンとビニルエステルモノマーとの共重合は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合方法により行うことができ、ケン化は酸触媒や塩基触媒を用いた公知の方法で行うことができる。また、本発明の効果を阻害しない範囲でエチレンおよびビニルエステルモノマー以外の不飽和モノマーを共重合していてもよく、それらの共重合率は好ましくは10モル%以下、より好ましくは3モル%以下、さらに好ましくは1モル%以下である。
本発明で用いる研磨層を構成するエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のエチレン共重合率(以下「エチレン共重合率」と略称する場合がある)は35〜55モル%である。エチレン共重合率が35モル%より少ないと、研磨層が吸水により軟化し、研磨速度や平坦性が低下する。一方、エチレン共重合率が55モル%より多いと、研磨層の硬度が高くなるとともに親水性が低下し、被研磨面にスクラッチが発生しやすくなる。研磨速度、平坦性およびスクラッチ抑制の観点から、エチレン共重合率は36〜52モル%であることが好ましく、37〜49モル%であることがより好ましく、38〜46モル%であることがさらに好ましい。
本発明で用いるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶融解熱量(以下「結晶融解熱量」と略称する場合がある)は60〜110J/gである。結晶融解熱量が60J/g未満では研磨パッドが吸水により軟化しやすく、平坦性が悪化したり、研磨パッドの耐摩耗性が低下して研磨パッドの使用時間が短くなったりしやすい。一方、結晶融解熱量が110J/gを越えるパッドは製造自体が困難である上、結晶化させるために高温で極めて長時間熱処理をする必要があるため、研磨層を構成するエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の熱分解や酸化劣化が生じやすい。このような劣化した研磨層を用いると、被研磨面にスクラッチを誘発する場合がある。平坦性、パッド寿命およびスクラッチ抑制の観点から、結晶融解熱量は65〜105J/gであることが好ましく、70〜100J/gであることがより好ましく、75〜95J/gであることがさらに好ましい。
本発明で用いるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶化度(以下「結晶化度」と略称する場合がある)は、好ましくは60〜95%である。結晶化度が60%未満では研磨パッドが吸水により軟化しやすく、平坦性が悪化したり、研磨パッドの耐摩耗性が低下して研磨パッドの使用時間が短くなったりしやすい。一方、結晶化度が95%を越えると、結晶化させるために高温で極めて長時間熱処理をする必要があるため、研磨層を構成するエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の熱分解や酸化劣化が生ずる場合がある。このような劣化した研磨層を用いると、被研磨面にスクラッチを誘発する場合がある。平坦性、パッド寿命およびスクラッチ抑制の観点から、結晶化度は65〜90%であることがより好ましく、68〜88%であることがさらに好ましく、70〜87%であることが特に好ましい。
本発明で用いるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物は、熱処理によって結晶融解熱量および結晶化度が高められたものである。熱処理温度は、好ましくは80〜160℃、より好ましくは融点よりも10〜40℃低い温度である。熱処理時間は、例えば約10分〜20時間である。結晶融解熱量および結晶化度は、熱処理温度が高いほど、また熱処理時間が長いほど高くなる。エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の酸化劣化を防ぐため、窒素中または真空状態で熱処理しても良い。
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶融解熱量は、以下の実施例で示すように、示差熱量測定装置を用いて測定することができる。エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶化度は、その乾燥状態の密度を測定し、この測定密度、非晶部分の理論密度および結晶部分の理論密度に基づいて、下式より求めることができる[例えば、クラレ技術資料「エバール樹脂の酸素バリア性」(技術資料コードNo.A−1001,2010年7月発行)の図5および図6を参照]。
[結晶化度(%)]=([測定密度]−[非晶部分の理論密度])/([結晶部分の理論密度]−[非晶部分の理論密度])×100
本発明で用いるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度(以下「ケン化度」と略称する場合がある)は99モル%以上であり、且つエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物中に含まれるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量(以下「合計含有量」と略称する場合がある)が15質量ppm以下であることが好ましい。
合計含有量が低減された本発明の研磨パッドを半導体製造における研磨工程に用いれば、半導体の不良品発生率を低減することができる。合計含有量が15質量ppmを超える研磨パッドを用いると、被研磨物の内部に該金属が拡散しやすくなり、得られる半導体の信頼性が低下することがある。合計含有量は12質量ppm以下であることがより好ましく、10質量ppm以下であることがさらに好ましく、9質量ppm以下であることが特に好ましい。合計含有量を上記範囲にする方法としては、例えば、研磨層に加工する前のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のペレットまたは粉末を水または揮発性の酸の水溶液で洗浄する方法などが挙げられる。この際、ペレットまたは粉末の表面積が大きいほど、また洗浄回数が多いほど、合計含有量を低減できる。洗浄時に超音波やマイクロ波等の照射を併用して、洗浄効果を高めても良い。
合計含有量を15質量ppm以下にすると、半導体の不良品発生率を低減することができるが、他方でエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の熱安定性が低下しやすい。そのため、そのようなケン化物から製造した研磨層を有するパッドを用いた研磨時には架橋したゲル状物などが発生し、被研磨面にスクラッチを誘発することがある。しかし、このスクラッチの問題を、ケン化度を99モル%以上とすることによって防止できる。スクラッチ抑制の観点から、ケン化度は99.3モル%以上であることがより好ましく、99.5モル%以上であることがさらに好ましく、99.7モル%以上であることが特に好ましい。なお、ケン化度の条件に特に限定は無く、100モル%でもよい。但し、工業上、ケン化度が100モル%であるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物を得ることは困難である。エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度は、共重合率と同様にH−NMR測定を行い、ビニルエステル構造に含まれる水素原子のピーク面積と、ビニルアルコール構造に含まれる水素原子のピーク面積とを測定することにより求めることができる。
本発明で用いるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物は未架橋物であることが好ましい。エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物が架橋されていると、その結晶化が阻害されて、それから得られる研磨層が吸水による軟化が起こりやすくなり、その平坦性が悪化することがある。
本発明で用いるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物は、平均粒径が1μm以上の異物を含有しないことが好ましい。ここで異物とは、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物中に溶解せず、電子顕微鏡により観察することができる物体を意味する。また、異物の平均粒径は、電子顕微鏡により観察し、異物の長径を20個以上測定し、その平均値として求めることができる。平均粒径が1μm以上の異物を含有するエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物から研磨層を製造すると、その強度が低下し、研磨速度の安定性が低下したり、研磨パッドの使用時間が短くなったりしやすい。エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物は平均粒径が0.5μm以上の異物を含有しないことがより好ましく、平均粒径が0.1μm以上の異物を含有しないことがさらに好ましい。
さらに、本発明の研磨パッド中の研磨層は発泡構造を有しないことが好ましい。研磨層が発泡構造を有すると、研磨層の強度が低下するとともに吸水による軟化が起こりやすくなり、平坦性や研磨速度の安定性が低下したり、研磨パッドの使用時間が短くなったりしやすい。
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、加工助剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、帯電防止剤、導電剤、着色剤、難燃剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、無機粒子などの添加剤を含有していても良い。エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物中の添加剤の合計含有量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明に用いる研磨パッドの研磨層を製造する方法としては公知の方法を用いることができる。例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形などの各種の成形法により、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物を成形した後、さらに必要に応じて、得られた成形体を切削、スライス、打ち抜きなどにより所望の寸法、形状に加工することにより、研磨層を製造することができる。また、研磨層の表面には研削やレーザー加工などにより溝や穴などを形成してもよい。本発明の研磨パッドは、研磨層のみからなる単層パッドでも良く、研磨層の下にクッション層を備えた二層構造のパッドでも良い。
[研磨方法]
次に、本発明の研磨パッドを用いてモース硬度が7以下の絶縁膜または金属膜(以下「被研磨物」と略称する場合がある)を研磨する方法について説明する。詳しくは、本発明の研磨方法では、本発明の研磨パッドの研磨層とモース硬度が7以下の被研磨物との間に砥粒および水を含有する研磨スラリーを供給して、前記研磨層と前記被研磨物とを接触させながら相対的に運動させて研磨を行う。
本発明の研磨パッドは、モース硬度が7以下の被研磨物を研磨するために用いられる。ここで、「モース硬度」とは、硬度1〜10の標準物質で引っかいたときの傷のつきやすさに基づいた指標である。モース硬度が7以下の絶縁膜としては、例えば酸化ケイ素(モース硬度5〜7)、各種のLow−k材料(モース硬度5以下)などが挙げられ、モース硬度が7以下の金属膜としては、例えば銅(モース硬度3〜4)、ルテニウム(モース硬度6〜7)などが挙げられる。中でも、良好な研磨速度および平坦性を達成できるため、被研磨物は酸化ケイ素または銅であることが好ましい。なお、酸化ケイ素は少量のホウ素、リン、炭素、フッ素などで変性されていても良い。被研磨物のモース硬度は6以下であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、2〜5であることが特に好ましい。なお、研磨の終了時点においては、モース硬度が7を超える絶縁膜または金属膜が、研磨側表面の一部または全面に露出しても良い。
本発明の研磨方法で使用される研磨スラリーは、水および砥粒を含有する。砥粒としては公知の砥粒を用いることができ、例えば、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウムなどの無機砥粒や、ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子などの有機砥粒、それらの複合粒子などが挙げられる。中でも、研磨速度および平坦性に優れ、被研磨面にスクラッチが発生しにくいことから、砥粒は、酸化ケイ素および/または酸化セリウムであることが好ましい。本発明の研磨パッドは、砥粒として酸化セリウムを含む研磨スラリーを用いて研磨した場合、研磨速度および平坦性に優れ、特に初期段差が300nm以上の被研磨物を研磨する場合に顕著な効果を奏する。ここで初期段差とは、研磨開始前の段差を意味する。
研磨スラリー中の砥粒の濃度は0.1〜25質量%であることが好ましく、0.2〜20質量%であることがより好ましく、0.3〜15質量%であることがさらに好ましい。
研磨スラリーは、酸性化合物、塩基性化合物および両性化合物からなる群より選ばれる少なくとも一つをさらに含有していることが好ましい。本発明において両性化合物とは、酸性を示す官能基と塩基性を示す官能基の両方を有する物質である。
酸性化合物としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの公知の無機酸;クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などの公知の有機酸;を用いることができる。
塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどの公知の無機塩基;水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン、トリ エチルアミン、グルカミン、ポリエチレンイミンなどの公知の有機塩基;を用いることができる。
両性化合物としては、例えば、グリシン、アラニン、プロリン、バリン、ロイシン、アスパラギン、ジヒドロキシエチルグリシン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸などを用いることができる。
さらに本発明の効果を阻害しない範囲で、研磨スラリーは、過酸化水素や過硫酸アンモニウムなどの酸化剤や、界面活性剤、分散剤、抗菌剤、還元剤、水溶性有機溶剤などを含有していても良い。
本発明の研磨方法は、公知の化学機械研磨用装置を使用して行うことができる。例えば、研磨定盤上に少なくとも研磨層を有する研磨パッドを貼り付け、研磨層表面に研磨スラリーを供給しながら、被研磨物(例えばウェハ)を押し当てて加圧し、研磨定盤と被研磨物をともに回転させて被研磨物を研磨することができる。
本発明の研磨方法において、研磨層の初期摩耗高さ(Rpk)が1〜15μmであり、油溜り深さ(Rvk)が0.1〜10μmであり、且つRvkに対するRpkの比(Rpk/Rvk)が1〜8であることが好ましい。Rpkが1μm未満では研磨層と被研磨物との接触が不十分となり研磨速度が低下しやすい。一方、Rpkが15μmを超えると、被研磨物の平坦性が低下しやすい。Rpkが1.2〜12μmであることがより好ましく、1.4〜10μmであることがさらに好ましく、1.6〜9μmであることが特に好ましい。また、Rvkが0.1μm未満では研磨層表面での研磨スラリーの保持性が不十分となり研磨速度が低下しやすい。一方、Rvkが10μmを越えると、研磨屑の排出性が低下して被研磨物にスクラッチが発生しやすくなる。Rvkが0.2〜8μmであることがより好ましく、0.3〜6μmであることがさらに好ましく、0.4〜4μmであることが特に好ましい。また、Rpk/Rvkが1未満であると、スクラッチの発生が多くなる傾向がある。一方、Rpk/Rvkが8より大きいと、研磨速度および平坦性が劣る傾向がある。Rpk/Rvkは1.1〜7.5であることがより好ましく、1.3〜7であることがさらに好ましく、1.5〜6.5であることが特に好ましい。なお、RpkおよびRvkは、JIS B0671−2:2002に準拠して求めることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、研磨層および研磨性能の評価は次の方法で実施した。
[エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の物性測定]
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶融解熱量は、メトラー社製示差熱量測定装置「TC10A/TC15」を用い、試料パンに試料10mgを秤取して昇温速度10℃/分の条件で20℃から250℃まで測定を行い、約120℃から200℃の間に現れるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶融解に由来する吸熱ピークの熱量を、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の単位質量当たりの値に換算することにより求めた(単位:J/g)。
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶化度は、エー・アンド・デイ社製電子比重計「MD−200S」を用いて、その乾燥状態の密度を測定し、この測定密度、非晶部の理論密度および結晶部の理論密度を用いて下式より計算して求めた。
[結晶化度(%)]=([測定密度]−[非晶部分の理論密度])/([結晶部分の理論密度]−[非晶部分の理論密度])×100
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のエチレン共重合率およびケン化度は、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物を重ジメチルスルホキシドに溶解させてH−NMR測定を行い、ビニルエステル構造に含まれる水素原子のピーク面積およびビニルアルコール構造に含まれる水素原子のピーク面積を測定することにより求めた。
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物中に含まれるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量は、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)により測定した。
なお、いずれの測定も、予めエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物を60℃で12時間真空乾燥して水分を除去した後に行った。
[研磨層の表面粗さ]
ミツトヨ社製表面粗さ測定器「サーフテストSJ−210」を用い、JIS B0671−2:2002に準拠して、研磨層のRpkおよびRvkを測定し、これらからRpk/Rvkを算出した。
[研磨速度および研磨均一性の測定]
研磨前および研磨後の酸化ケイ素膜または銅膜の膜厚をウェハ面内で各49点測定し、各点での研磨速度を求め、これらの研磨速度の平均値を研磨速度とした。この研磨速度は大きいことが好ましい。
研磨均一性は下式により求めた不均一性により評価した。不均一性が小さいほど、研磨パッドは研磨均一性に優れている。
不均一性(%)=(σ/R)×100
(式(1)中、σは49点の研磨速度の標準偏差を表し、Rは49点の研磨速度の平均値を表す。)
酸化ケイ素膜の膜厚は、ナノメトリクス社製膜厚測定装置「Nanospec Model5100」を用いて測定し、銅膜の膜厚は、ナプソン社製膜厚測定装置「RESISTAGE RT−80」を用いて測定した。
[スクラッチ測定]
研磨後のウェハ表面を、キーエンス社製レーザー顕微鏡「VK−X200」を使用して倍率1000倍でランダムに20ヶ所を観察して、スクラッチの有無を確認した。
[パターンウェハの段差測定]
ミツトヨ社製表面粗さ測定機「SJ−400」を用い、標準スタイラス、測定レンジ 80μm、JIS2001、GAUSSフィルタ、カットオフ値λc 2.5mm、およびカットオフ値λs 8.0μmの設定で測定を行い、断面曲線からパターンウェハの段差を求めた。
[酸化ケイ素膜の研磨性能評価]
研磨パッドをエム・エー・ティー社製研磨装置「BC−15」の研磨定盤に貼り付け、アライドマテリアル社製ダイヤモンドドレッサー(ダイヤ番手#100;直径190mm)を用い、純水を150mL/分の速度で流しながらドレッサー回転数140rpm、研磨パッド回転数100rpm、ドレッサー荷重5Nにて60分間研磨パッド表面を研削した(以下「コンディショニング(1)」と称する)。次いで、パッド研磨層の表面粗さ(RpkおよびRvk)を測定した。次に、研磨パッド回転数100rpm、ウェハ回転数99rpm、研磨圧力24kPaの条件において、キャボット社製研磨スラリー「SS25」(砥粒として酸化ケイ素、pH調整剤として水酸化カリウムを含有)100質量部および純水100質量部の混合液を120mL/分の速度で供給しつつ、初期膜厚が1000nmの酸化ケイ素膜(プラズマ化学蒸着により形成されたPETEOS酸化ケイ素膜、モース硬度5)を表面に有する直径4インチのシリコンウェハを60秒間、コンディショニング(1)を行わずに研磨した。その後、コンディショニング(1)を30秒間行った後、ウェハを交換して再度研磨およびコンディショニング(1)を繰り返し、計20枚のウェハを研磨した。20枚目に研磨したウェハについて、研磨速度、研磨均一性およびスクラッチを測定した。また、パッドの使用可能時間を評価するために、上記試験の前後でのパッド溝深さの変化量を測定した。溝深さの変化量が少ないほど、研磨パッドは耐摩耗性に優れ、使用可能時間が長い。さらに、研磨終了後にパッド研磨層の表面粗さ(RpkおよびRvk)を再度測定した。
[銅膜の研磨性能評価]
研磨パッドをエム・エー・ティー社製研磨装置「BC−15」の研磨定盤に貼り付け、アライドマテリアル社製ダイヤモンドドレッサー(ダイヤ番手#200;直径190mm)を用い、純水を150mL/分の速度で流しながらドレッサー回転数140rpm、研磨パッド回転数100rpm、ドレッサー荷重5Nにて60分間研磨パッド表面を研削した(以下「コンディショニング(2)」と称する)。次いで、パッド研磨層の表面粗さ(RpkおよびRvk)を測定した。次に、研磨パッド回転数100rpm、ウェハ回転数99rpm、研磨圧力24kPaの条件において、フジミ社製研磨スラリー「PL7101」(砥粒として酸化ケイ素を含有)100質量部および30質量%の過酸化水素水3.5質量部の混合液を200mL/分の速度で供給しつつ、初期膜厚が1500nmの銅膜(電解めっきにより形成された銅膜、モース硬度3)を表面に有する直径4インチのシリコンウェハを60秒間、コンディショニング(2)を行わずに研磨した。その後、コンディショニング(2)を30秒間行った後、ウェハを交換して再度研磨およびコンディショニング(2)を繰り返し、計20枚のウェハを研磨した。20枚目に研磨したウェハについて、研磨速度、研磨均一性およびスクラッチを測定した。また、パッドの使用可能時間を評価するために、上記試験の前後でのパッド溝深さの変化を測定した。溝深さの変化量が少ないほど、研磨パッドは耐摩耗性に優れ、使用可能時間が長い。さらに、研磨終了後にパッド研磨層の表面粗さ(RpkおよびRvk)を再度測定した。
[平坦性能評価]
研磨パッド表面を前記コンディショニング(1)の条件により研削した。次に、研磨パッド回転数100rpm、ウェハ回転数99rpm、研磨圧力24kPaの条件において、昭和電工社製研磨スラリー「GPL−C1010」(砥粒として酸化セリウムを含有)5質量部に対して純水95質量部を添加して混合した液を120mL/分の速度で供給しつつ、膜厚が1000nmでパターンのない酸化ケイ素膜(プラズマ化学蒸着により形成されたPETEOS酸化ケイ素膜)を表面に有する直径2インチのシリコンウェハを60秒間、コンディショニング(1)を行わずに研磨した。その後、コンディショニング(1)を30秒間行った後、ウェハを交換して再度研磨およびコンディショニング(1)を繰り返し、計10枚のウェハを研磨した。
次いで、線状の凸部と凹部が交互に繰り返し並んだ凹凸パターンのある、SKW社製STI研磨評価用パターンウェハ「SKW3−2」を上記と同条件で1枚研磨した。該パターンウェハは様々なパターンの領域を有するものであり、膜厚および段差の測定対象として凸部幅100μmおよび凹部幅100μmのパターンを選択した。該パターンは、その凸部と凹部の初期段差が600nmであり、パターン凸部がシリコンウェハ上に膜厚15nmの酸化ケイ素膜、その上に膜厚140nmの窒化ケイ素膜、さらにその上に膜厚700nmの酸化ケイ素膜(高密度プラズマ化学蒸着により形成されたHDP酸化ケイ素膜、モース硬度7)を積層した構造であり、パターン凹部はシリコンウェハをエッチングして溝を形成した後に膜厚700nmのHDP酸化ケイ素膜(モース硬度7)を形成した構造である。該パターンウェハの研磨において、研磨によりパターン凸部の窒化ケイ素膜上の酸化ケイ素膜が消失するまでの時間、およびその時点でのパターン凸部と凹部の段差を求めた。パターンウェハの研磨時間が短く、段差が小さいほど、研磨速度および平坦性に優れ好ましい。
[参考例1]
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(エチレン共重合率44モル%)の樹脂ペレットを水/メタノール混合溶媒(質量比9/1)に浸漬し、60℃に加温しながら超音波を照射する操作を、溶媒を交換しながら繰り返した後、遠心分離と減圧乾燥により残存溶媒を除去して、樹脂ペレットを精製した。精製した樹脂ペレットを単軸押出成形機に仕込み、T−ダイより押出し、厚さ2mmのシートを成形した後、140℃で8時間熱処理を行い、次いで表面を研削して、厚さ1.8mmの均一なシートを調製した。得られたシート(即ち、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物)の結晶融解熱量は84J/gであった。上記エチレン共重合率におけるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の乾燥状態の測定密度(1.143g/cm)、上記エチレン共重合率における非晶部の理論密度(1.106g/cm)および結晶部の理論密度(1.150g/cm)から計算したその結晶化度は84%であった。また、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度は99.7%であり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量は7質量ppmであった。
[参考例2]
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(エチレン共重合率48モル%)の樹脂ペレットを水/メタノール混合溶媒(質量比8/2)に浸漬し、60℃に加温しながら超音波を照射する操作を、溶媒を交換しながら繰り返した後、遠心分離と減圧乾燥により残存溶媒を除去して、樹脂ペレットを精製した。精製した樹脂ペレットを単軸押出成形機に仕込み、T−ダイより押出し、厚さ2mmのシートを成形した後、120℃で12時間熱処理を行い、次いで表面を研削して、厚さ1.8mmの均一なシートを調製した。得られたシート(即ち、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物)の結晶融解熱量は81J/gであった。上記エチレン共重合率におけるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の測定密度(1.124g/cm)、上記エチレン共重合率における非晶部の理論密度(1.091g/cm)および結晶部の理論密度(1.133g/cm)から計算したその結晶化度は79%であった。また、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度は99.5%であり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量は9質量ppmであった。
[参考例3]
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(エチレン共重合率38モル%)の樹脂ペレットを水に浸漬し、80℃に加温しながら超音波を照射する操作を、溶媒を交換しながら繰り返した後、遠心分離と減圧乾燥により残存水を除去して、樹脂ペレットを精製した。精製した樹脂ペレットを単軸押出成形機に仕込み、T−ダイより押出し、厚さ2mmのシートを成形した後、160℃で5時間熱処理を行い、次いで表面を研削して、厚さ1.8mmの均一なシートを調製した。得られたシート(即ち、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物)の結晶融解熱量は94J/gであった。上記エチレン共重合率におけるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の乾燥状態の測定密度(1.167g/cm)、上記エチレン共重合率における非晶部の理論密度(1.129g/cm)および結晶部の理論密度(1.175g/cm)から計算したその結晶化度は83%であった。また、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度は99.8%であり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量は6質量ppmであった。
[参考例4]
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(エチレン共重合率32モル%)の樹脂ペレットを水に浸漬し、80℃に加温しながら超音波を照射する操作を、溶媒を交換しながら繰り返した後、遠心分離と減圧乾燥により残存水を除去して、樹脂ペレットを精製した。精製した樹脂ペレットを単軸押出成形機に仕込み、T−ダイより押出し、厚さ2mmのシートを成形した後、140℃で5時間熱処理を行い、次いで表面を研削して、厚さ1.8mmの均一なシートを調製した。得られたシート(即ち、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物)の結晶融解熱量は79J/gであった。上記エチレン共重合率におけるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の乾燥状態の測定密度(1.184g/cm)、上記エチレン共重合率における非晶部の理論密度(1.152g/cm)および結晶部の理論密度(1.200g/cm)から計算したその結晶化度は67%であった。また、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度は99.7%であり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量は8質量ppmであった。
[参考例5]
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(エチレン共重合率27モル%)の樹脂ペレットを水に浸漬し、80℃に加温しながら超音波を照射する操作を、溶媒を交換しながら繰り返した後、遠心分離と減圧乾燥により残存水を除去して、樹脂ペレットを精製した。精製した樹脂ペレットを単軸押出成形機に仕込み、T−ダイより押出し、厚さ2mmのシートを成形した後、160℃で5時間熱処理を行い、次いで表面を研削して、厚さ1.8mmの均一なシートを調製した。得られたシート(即ち、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物)の結晶融解熱量は88J/gであった。上記エチレン共重合率におけるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の乾燥状態の測定密度(1.208g/cm)、上記エチレン共重合率における非晶部の理論密度(1.170g/cm)および結晶部の理論密度(1.222g/cm)から計算したその結晶化度は73%であった。また、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度は99.6%であり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量は11質量ppmであった。
[参考例6]
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(エチレン共重合率58モル%)の樹脂ペレットを水/メタノール混合溶媒(質量比8/2)に浸漬し、80℃に加温しながら超音波を照射する操作を、溶媒を交換しながら繰り返した後、遠心分離と減圧乾燥により残存水を除去して、樹脂ペレットを精製した。精製した樹脂ペレットを単軸押出成形機に仕込み、T−ダイより押出し、厚さ2mmのシートを成形した後、100℃で24時間熱処理を行い、次いで表面を研削して、厚さ1.8mmの均一なシートを調製した。得られたシート(即ち、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物)の結晶融解熱量は77J/gであった。上記エチレン共重合率におけるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の乾燥状態の測定密度(1.081g/cm)、上記エチレン共重合率における非晶部の理論密度(1.052g/cm)および結晶部の理論密度(1.090g/cm)から計算したその結晶化度は76%であった。また、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度は99.5%であり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量は12質量ppmであった。
[参考例7]
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(エチレン共重合率58モル%)の樹脂ペレット100質量部およびβ−シクロデキストリン(塩水港精糖社製「デキシーパールβ−100」)50質量部の粉末を混合し、ニーダーで混練した後、熱プレスで厚さ2mmのシートを成形した。次いで表面を研削して、厚さ1.8mmの均一なシートを調製した。シートの一部を切断して断面を走査型電子顕微鏡により観察し、異物であるβ−シクロデキストリンの長径を20個以上測定し、その平均値(即ち、平均粒径)を求めたところ、7.5μmであった。エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶融解熱量は48J/gであった。なお、該シートは混合物であるため、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶化度を前記方法により測定できなかったが、一般に結晶化度は結晶融解熱量に比例するため、参考例6と7の結果より結晶化度は47%と推定される。また、β−シクロデキストリンと混練する前に測定したエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度は99.2%であり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量は172質量ppmであった。
[参考例8]
成型後にシートの熱処理を行わないこと以外は参考例1と同様にして、厚さ1.8mmの均一なシートを得た。得られたシート(即ち、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物)の結晶融解熱量は41J/gであった。上記エチレン共重合率におけるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の乾燥状態の測定密度は1.124g/cmであり、上記エチレン共重合率における非晶部の理論密度(1.106g/cm)および結晶部の理論密度(1.150g/cm)から計算したエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶化度は42%であった。
[参考例9]
成型後にシートの熱処理を行わないこと以外は参考例3と同様にして、厚さ1.8mmの均一なシートを得た。得られたシート(即ち、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物)の結晶融解熱量は49J/gであった。上記エチレン共重合率におけるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の乾燥状態の測定密度は1.151g/cmであり、上記エチレン共重合率における非晶部の理論密度(1.129g/cm)および結晶部の理論密度(1.175g/cm)から計算したエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶化度は47%であった。
[実施例1]
参考例1で得られたシートの表面に、幅1.0mm、深さ1.0mmの溝を11.0mm間隔で格子状に形成し、直径が38cmの円形状の研磨層を作製した。さらに研磨層の裏面にクッション層として発泡ポリウレタン(厚さ1.5mm、アスカーC硬度60)を貼りあわせて研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により酸化ケイ素膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は210nm/minであり、不均一性は3.6%であり、これらは共に良好であった、スクラッチも確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.01mmと少なく、該パッドは耐摩耗性にも優れていた。研磨前の研磨層のRpkは6.8μm、Rvkは2.4μm、Rpk/Rvkは2.8であり、研磨後の研磨層のRpkは7.1μm、Rvkは2.3μm、Rpk/Rvkは3.1であった。
[実施例2]
参考例2で得られたシートの表面に幅1.0mm、深さ0.8mmの溝を6.0mm間隔で同心円状に形成したこと以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により酸化ケイ素膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は221nm/minであり、不均一性は4.6%であり、これらは共に良好であった。スクラッチも確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.01mmと少なく、該パッドは耐摩耗性にも優れていた。研磨前の研磨層のRpkは6.6μm、Rvkは2.5μm、Rpk/Rvkは2.6であり、研磨後の研磨層のRpkは6.7μm、Rvkは2.6μm、Rpk/Rvkは2.6であった。
[実施例3]
参考例3で得られたシートを用いること以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により酸化ケイ素膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は203nm/minであり、不均一性は5.9%であり、これらは共に良好であった。スクラッチも確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.02mmと少なく、該パッドは耐摩耗性にも優れていた。研磨前の研磨層のRpkは5.5μm、Rvkは1.4μm、Rpk/Rvkは3.9であり、研磨後の研磨層のRpkは5.6μm、Rvkは1.2μm、Rpk/Rvkは4.7であった。
[比較例1]
参考例4で得られたシートを用いること以外は、実施例2と同様にして研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により酸化ケイ素膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は144nm/minであり、不均一性は12.6%であり、これらは共に劣っていた。スクラッチは確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.04mmとやや多く、該パッドは耐摩耗性がやや劣っていた。研磨前の研磨層のRpkは5.2μm、Rvkは0.6μm、Rpk/Rvkは8.7であり、研磨後の研磨層のRpkは4.8μm、Rvkは0.5μm、Rpk/Rvkは9.6であった。
[比較例2]
参考例5で得られたシートを用いること以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により酸化ケイ素膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は91nm/minであり、不均一性は21.4%であり、これらは共に劣っていた。スクラッチは確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.07mmと多く、該パッドは耐摩耗性が劣っていた。研磨前の研磨層のRpkは3.4μm、Rvkは0.3μm、Rpk/Rvkは11.3であり、研磨後の研磨層のRpkは3.2μm、Rvkは0.3μmであり、Rpk/Rvkは10.7であった。
[比較例3]
参考例6で得られたシートを用いること以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により酸化ケイ素膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は229nm/minであり、不均一性は7.1%であり、これらは共に良好であった。しかし、研磨後のウェハ表面にスクラッチが確認された。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.01mmと少なく、該パッドは耐摩耗性に優れていた。研磨前の研磨層のRpkは6.8μm、Rvkは2.9μm、Rpk/Rvkは2.3であり、研磨後の研磨層のRpkは6.9μm、Rvkは3.1μm、Rpk/Rvkは2.2であった。
[比較例4]
参考例7で得られたシートを用いること以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により酸化ケイ素膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は172nm/minであり、不均一性は9.8%であり、これらは共にやや劣っていた。研磨後のウェハ表面にスクラッチも確認された。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.04mmとやや多く、該パッドは耐摩耗性がやや劣っていた。研磨前の研磨層のRpkは5.1μm、Rvkは6.2μm、Rpk/Rvkは0.82であり、研磨後の研磨層のRpkは4.9μm、Rvkは5.8μm、Rpk/Rvkは0.84であった。
[比較例5]
参考例8で得られたシートを用いること以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により酸化ケイ素膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は165nm/minであり、不均一性は11.4%であり、これらは共に劣っていた。スクラッチは確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.04mmとやや多く、該パッドは耐摩耗性がやや劣っていた。研磨前の研磨層のRpkは5.5μm、Rvkは1.3μm、Rpk/Rvkは4.2であり、研磨後の研磨層のRpkは5.3μm、Rvkは1.1μm、Rpk/Rvkは4.8であった。
[比較例6]
参考例9で得られたシートを用いること以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により酸化ケイ素膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は138nm/minであり、不均一性は14.2%であり、これらは共に劣っていた。スクラッチは確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.06mmと多く、該パッドは耐摩耗性がやや劣っていた。研磨前の研磨層のRpkは4.6μm、Rvkは0.5μm、Rpk/Rvkは9.2であり、研磨後の研磨層のRpkは4.4μm、Rvkは0.5μm、Rpk/Rvkは8.8であった。
[実施例4]
実施例1と同様にして得られたパッド(参考例1で得られたシートから研磨層を作製)を用いて上記方法により銅膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は903nm/minであり、不均一性は3.5%であり、これらは共に良好であった。スクラッチも確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.01mmと少なく、該パッドは耐摩耗性にも優れていた。研磨前の研磨層のRpkは2.5μm、Rvkは0.6μm、Rpk/Rvkは4.2であり、研磨後の研磨層のRpkは2.4μm、Rvkは0.5μm、Rpk/Rvkは4.8であった。
[実施例5]
参考例1で得られたシートを用いること以外は、実施例2と同様にして研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により銅膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は959nm/minであり、不均一性は4.4%であり、これらは共に良好であった。スクラッチも確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.01mmと少なく、該パッドは耐摩耗性にも優れていた。研磨前の研磨層のRpkは2.1μm、Rvkは0.4μm、Rpk/Rvkは5.3であり、研磨後の研磨層のRpkは2.2μm、Rvkは0.4μm、Rpk/Rvkは5.5であった。
[実施例6]
実施例3と同様にして得られたパッド(参考例3で得られたシートから研磨層を作製)を用いて上記方法により銅膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は886nm/minであり、不均一性は4.2%であり、これらは共に良好であった。スクラッチも確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.01mmと少なく、該パッドは耐摩耗性にも優れていた。研磨前の研磨層のRpkは2.2μm、Rvkは0.5μm、Rpk/Rvkは4.4であり、研磨後の研磨層のRpkは2.0μm、Rvkは0.4μm、Rpk/Rvkは5.0であった。
[実施例7]
参考例3で得られたシートを用いること以外は、実施例2と同様にして研磨パッドを作製した。得られたパッドを用いて上記方法により銅膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は956nm/minであり、不均一性は4.5%であり、これらは共に良好であった。スクラッチも確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.01mmと少なく、該パッドは耐摩耗性にも優れていた。研磨前の研磨層のRpkは2.0μm、Rvkは0.4μm、Rpk/Rvkは5.0であり、研磨後の研磨層のRpkは1.8μm、Rvkは0.4μm、Rpk/Rvkは4.5であった。
[比較例7]
比較例2と同様にして得られたパッド(参考例5で得られたシートから研磨層を作製)を用いて上記方法により銅膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は687nm/minであり、不均一性は9.8%であり、これらは共にやや劣っていた。スクラッチは確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.06mmと多く、該パッドは耐摩耗性が劣っていた。研磨前の研磨層のRpkは2.0μm、Rvkは0.2μm、Rpk/Rvkは10.0であり、研磨後の研磨層のRpkは1.6μm、Rvkは0.1μm、Rpk/Rvkは16.0であった。
[比較例8]
比較例3と同様にして得られたパッド(参考例6で得られたシートから研磨層を作製)を用いて上記方法により銅膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は972nm/minであり、不均一性は4.9%であり、これらは共に良好であった。しかし、研磨後のウェハ表面にスクラッチが確認された。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.01mmと少なく、該パッドは耐摩耗性に優れていた。研磨前の研磨層のRpkは2.3μm、Rvkは2.5μm、Rpk/Rvkは0.92であり、研磨後の研磨層のRpkは2.3μm、Rvkは2.4μm、Rpk/Rvkは0.96であった。
[比較例9]
比較例4と同様にして得られたパッド(参考例7で得られたシートから研磨層を作製)を用いて上記方法により銅膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は863nm/minであり、不均一性は6.1%であり、これらは共に良好であった。しかし、研磨後のウェハ表面にスクラッチが確認された。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.03mmであった。研磨前の研磨層のRpkは2.3μm、Rvkは3.0μm、Rpk/Rvkは0.77であり、研磨後の研磨層のRpkは2.2μm、Rvkは2.7μm、Rpk/Rvkは0.81であった。
[比較例10]
比較例6と同様にして得られたパッド(参考例9で得られたシートを用いて研磨層を作製)を用いて上記方法により銅膜の研磨性能を評価した結果、研磨速度は727nm/minであり、不均一性は10.7%であり、これらは共にやや劣っていた。スクラッチは確認されなかった。また、パッド中心から100mmの位置における溝深さの変化量は0.04mmとやや多く、該パッドは耐摩耗性が劣っていた。研磨前の研磨層のRpkは1.9μm、Rvkは0.2μm、Rpk/Rvkは9.5であり、研磨後の研磨層のRpkは1.8μm、Rvkは0.2μm、Rpk/Rvkは9.0であった。
参考例1〜9で得られたシートの物性を表1に、実施例1〜7および比較例1〜10の結果を表2に示す。なお、表面粗さは研磨後の測定値を記載した。また、表2には研磨層作製に使用したシートの参考例の番号も記載した。
Figure 2014161940
Figure 2014161940
実施例1〜7で用いた本発明の研磨パッドは、研磨速度、研磨均一性(不均一性)および耐摩耗性(研磨前後での溝深さの変化量)が全て良好であり、これらを用いても被研磨膜にスクラッチが発生しなかった。一方、比較例1〜10で用いた本発明の範囲外の研磨パッドは、研磨速度、研磨均一性、スクラッチ、耐摩耗性の全てが良好なものは無かった。また、比較例3、4、8および9では被研磨膜にスクラッチが発生した。
[実施例8]
実施例2と同様にして得られたパッド(参考例2で得られたシートから研磨層を作製)を用いて、上記した方法により平坦性能を評価した結果、パターン凸部の窒化ケイ素膜上の酸化ケイ素膜が消失するまでの研磨時間は165秒であり、その時点でのパターン凸部と凹部の段差は160nmであり、該パッドの研磨速度および平坦性はともに優れていた。
[実施例9]
実施例7と同様にして得られたパッド(参考例3で得られたシートから研磨層を作製)を用いて、上記した方法により平坦性能を評価した結果、パターン凸部の窒化ケイ素膜上の酸化ケイ素膜が消失するまでの研磨時間は155秒であり、その時点でのパターン凸部と凹部の段差は150nmであり、該パッドの研磨速度および平坦性はともに優れていた。
[比較例11]
比較例2と同様にして得られたパッド(参考例5で得られたシートから研磨層を作製)を用いて、上記した方法により平坦性能を評価した結果、パターン凸部の窒化ケイ素膜上の酸化ケイ素膜が消失するまでの研磨時間は210秒であり、その時点でのパターン凸部と凹部の段差は240nmであり、該パッドの研磨速度および平坦性はともにやや劣っていた。
[比較例12]
比較例3と同様にして得られたパッド(参考例6で得られたシートから研磨層を作製)を用いて、上記した方法により平坦性能を評価した結果、パターン凸部の窒化ケイ素膜上の酸化ケイ素膜が消失するまでの研磨時間は270秒であり、研磨速度が劣っておりその時点でのパターン凸部と凹部の段差は240nmであり、該パッドの研磨速度は劣っており、その平坦性はやや劣っていた。
[比較例13]
クッション層を下層に有する市販の発泡ポリウレタン研磨パッド(ニッタハース社製「IC1400」)を用いて、上記した方法により平坦性能を評価した結果、パターン凸部の窒化ケイ素膜上の酸化ケイ素膜が消失するまでの研磨時間は330秒であり、その時点でのパターン凸部と凹部の段差は280nmであり、該パッドの研磨速度および平坦性はともに劣っていた。
実施例8、9および比較例11〜13の結果を表3に示す。なお表3には、研磨層作製に使用したシートの参考例の番号等も記載する。
Figure 2014161940
実施例8、9および比較例11〜13の対比から分かるように、本発明の研磨パッドは研磨速度および平坦性にも優れる。
本発明の研磨パッドおよび研磨方法は、酸化ケイ素膜、銅膜等の研磨に有用である。

Claims (7)

  1. エチレン共重合率が35〜55モル%であり、且つ結晶融解熱量が60〜110J/gであるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物を含む研磨層を有する、モース硬度が7以下の絶縁膜または金属膜を研磨するために用いられる研磨パッド。
  2. エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の結晶化度が60〜95%である、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度が99モル%以上であり、且つエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物中に含まれるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の合計含有量が15質量ppm以下である、請求項1または2に記載の研磨パッド。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨パッドを用いてモース硬度が7以下の絶縁膜または金属膜を研磨する方法。
  5. 研磨層の初期摩耗高さ(Rpk)が1〜15μmであり、研磨層の油溜り深さ(Rvk)が0.1〜10μmであり、Rpk/Rvkが1〜8である、請求項4に記載の方法。
  6. 絶縁膜が酸化ケイ素膜であり、金属膜が銅膜である、請求項4または5に記載の方法。
  7. 酸化セリウムを含有する研磨スラリーを用いて初期段差が300nm以上の絶縁膜または金属膜を研磨する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
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