JP5226278B2 - 研磨用スラリー - Google Patents

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本発明は、半導体ウェハー等を研磨する際に有用な研磨用スラリーに関する。
集積回路を形成するための基材として使用される半導体ウェハー等の鏡面加工においては、一般的に、シリカ系、セリア系等の無機砥粒を含有させた研磨用スラリーを研磨布あるいは研磨パッドと半導体ウェハー等の被研磨物との間に流入させて、化学的および機械的に研磨する方法(化学機械研磨;以下、CMPという場合がある)が採用されている。
近年、半導体ウェハーは、高集積化、多層配線化に伴い、より高い平坦性等の品質向上に加えて、さらに低価格化の要求が高まっている。それに伴い、研磨用スラリーに対しても、従来以上に被研磨物表面における傷の発生が少ない研磨を達成することができるものが要求されている。
従来の研磨用スラリーは、研磨効率の向上や、研磨スピード、平坦化能力、研磨均一性などの向上に重点が置かれ開発が進められていたが、研磨対象物の研磨表面に発生する傷等の欠陥低減に対する対策は未だ十分にはなされておらず、特に配線幅の微細化が一層進行している近年においては、被研磨物表面に発生する傷が原因となる配線の短絡等の不具合が多発することが懸念されるため、上記対策への要求がますます高まっている。
これまでに提案された具体的な改良技術の一つとして、以下に例示するように、研磨用スラリーに脂肪酸塩を配合するものがある(特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、アルミニウムを研磨することを主な目的として、油脂、研磨砥粒、界面活性剤および水を含有する研磨剤組成物に潤滑剤を配合した研磨剤組成物が記載されており、界面活性剤として陰イオン系界面活性剤(脂肪酸塩等)などを使用することができることが記載されており、当該界面活性剤の配合量は、一般的には2〜10質量%にすることが推奨されることが記載されている。しかしながら、界面活性剤を多量に配合した場合には、特に被研磨物がシリコンウェハーである場合に、研磨中において研磨剤組成物の発泡が多く、研磨速度が遅くなる問題が生じていた。
特許文献2には、スクラッチ防止剤と砥粒とを含有する化学機械研磨用水系分散体が記載されており、このような水系分散体が、弾性率が小さい特定の層間絶縁膜であってもスクラッチの発生を低減させることができることが記載されている。また当該水系分散体に含有されるスクラッチ防止剤として界面活性剤を使用することができることが記載されており、そのような界面活性剤としてカチオン系、アニオン系(脂肪酸石鹸等)、非イオン系のいずれも使用することができることが記載されており、界面活性剤としては、スクラッチの発生を抑える効果が大きいため非イオン系界面活性剤が特に好ましいことが記載されている。しかしながら、特許文献2に開示されている水系分散体は研磨速度が低く、また研磨中に研磨用スラリーの発泡が多いという問題があった。
特許文献3には、ポリオキソ酸(リンバナドモリブデン酸等)、アニオン系界面活性剤および水を含有してなる金属用研磨組成物が記載されており、このような研磨組成物によれば、エッチング、ディッシングを抑制すると同時に低研磨圧力下においても高速に銅膜等の金属膜を研磨することができることが記載されている。特許文献3には、アニオン系界面活性剤として脂肪酸またはその塩を使用することができることが記載されており、また金属用研磨組成物のディッシング抑制の観点から、アニオン性界面活性剤は塩を形成しているものよりも酸型のものが好ましいことが記載されている。しかしながら、研磨組成物に対して単にアニオン系界面活性剤を配合しただけでは、研磨速度の向上、スクラッチ発生防止および研磨中における研磨組成物の発泡の抑制等の研磨特性において十分ではない場合があった。
特開2000−328045号公報 特開2001−269859号公報 特開2007−12638号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、被研磨物表面のスクラッチの発生を抑制することができ、さらに研磨時の研磨速度に優れ、研磨中において研磨用スラリーの発泡の発生が少ない、CMPに有用な研磨用スラリーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する陰イオン系界面活性剤を、特定量、研磨用スラリーに添加すると、得られる研磨用スラリーを研磨時に使用した際に、目的とする特性を発現させることができることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化ケイ素、酸化セリウムおよび酸化タンタルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の無機砥粒(I)、ならびにリシノール酸のアルカリ金属塩(II)を含有するシリコンウェハー研磨用スラリーであって、研磨用スラリーにおける上記リシノールのアルカリ金属塩(II)の含有量が0.00001〜0.005質量%であるシリコンウェハー研磨用スラリー
[2]上記リシノールのアルカリ金属塩(II)がリシノール酸のカリウム塩である上記[1]のいずれかのシリコンウェハー研磨用スラリー、
]上記無機砥粒(I)が酸化ケイ素である上記[1]または[2]シリコンウェハー研磨用スラリー
関する。
本発明によれば、研磨時の研磨速度に優れ、研磨後の被研磨物(シリコンウェハー等)の表面におけるスクラッチ数が少なく、研磨中において研磨用スラリーの発泡の発生が少ない、CMPに有用な研磨用スラリーが提供される。
本発明の研磨用スラリーは酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化ケイ素、酸化セリウムおよび酸化タンタルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の無機砥粒(I)を含む。
無機砥粒(I)の平均粒子径としては、あまりに小さいと研磨速度が低下する傾向があり、反対にあまりに大きいと無機砥粒(I)が沈降する傾向があることから、0.001〜1.0μmであることが好ましく、0.005〜0.5μmであることがより好ましく、0.01〜0.2μmであることがさらに好ましい。
本発明において使用される無機砥粒(I)としては研磨速度の安定性とスクラッチの発生抑制効果の観点から、酸化ケイ素(シリカ)であることが好ましい。
研磨用スラリーにおける無機砥粒(I)の含有量は、あまりに少ないと研磨速度が低下する傾向があり、反対にあまりに多いと無機砥粒(I)の分散安定性が低下する傾向がありコスト高にもなることから、0.001〜25質量%であることが好ましく、0.005〜15質量%であることがより好ましく、0.1〜13質量%であることがさらに好ましい。
本発明の研磨用スラリーは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩および不飽和脂肪酸のアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸塩(II)を含有する。不飽和脂肪酸塩(II)の具体例としては、パルミトレン酸等の炭素数16の不飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩;オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、リシノール酸、リシネライジン酸等の炭素数18の不飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩;アラキドン酸、エイコサペンタエン酸等の炭素数20の不飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩;ドコサヘキサエン酸等の炭素数22の不飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩などが挙げられ、これらのうちの1種あるいは2種以上を使用することができる。これらの不飽和脂肪酸塩(II)の中でも、無機砥粒(I)の分散安定性、スクラッチの発生抑制効果、研磨速度の安定性などの観点から、不飽和脂肪酸塩(II)としては、炭素数15〜19の不飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩および炭素数15〜19の不飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸塩であることが好ましい。また研磨用スラリーとして使用する際に、研磨中における当該研磨スラリーの発泡が少ないことなどに由来して、より高い研磨速度を維持することができ、スクラッチの発生抑制効果も高いことから、不飽和脂肪酸塩(II)としては、水酸基を1つ有する不飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩および水酸基を1つ有する不飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸塩であることがより好ましく、リシノール酸のアルカリ金属塩およびリシノール酸のアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸塩であることがさらに好ましい。
リシノール酸はひまし油中に存在するグリセリドより得ることができる。リシノール酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、リシノール酸を対応する塩基で中和することにより製造したものを使用することができるが、市販されているものを使用することもできる。リシノール酸は水酸基が結合する炭素原子に由来して光学異性体が存在する。本発明においては、(+)−体のリシノール酸に由来するアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩でも、(−)−体のリシノール酸に由来するアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩でも、これらの混合物でもよいが、入手性の観点から、(+)−体のリシノール酸に由来するアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩であることが好ましい。
上記のアルカリ金属塩としては、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。また上記のアルカリ土類金属塩としては、マグネシウム、カルシウムなどが挙げられる。
不飽和脂肪酸塩(II)としては、水への溶解性や無機砥粒(I)の分散安定性に優れることから、不飽和脂肪酸のナトリウム塩および/またはカリウム塩であることが好ましく、不飽和脂肪酸のカリウム塩であることがより好ましい。
本発明の研磨用スラリーにおける上記不飽和脂肪酸塩(II)の含有量は0.00001〜0.005質量%である。当該含有量が0.00001質量%未満であると、不飽和脂肪酸塩(II)の効果が十分に発揮されず、所望とするレベルのスクラッチ抑制効果が認められない。一方、当該含有量が0.005質量%を超えると、研磨中において研磨用スラリーの発泡の発生が多く、研磨速度の低下が著しく、均一な研磨の達成も困難となる。当該含有量は0.00002〜0.005質量%であることが好ましく、0.0001〜0.003質量%がより好ましい。
なお、不飽和脂肪酸塩(II)は研磨用スラリーにおいて、通常、一部または全部が電離しているが、上記含有量は、電離していない不飽和脂肪酸塩(II)および電離している不飽和脂肪酸塩(II)の合計値を意味する。
本発明の研磨用スラリーにおける媒体としては、特に制限されないが、水性媒体であることが好ましく、水を主成分とする媒体(水単独、あるいは水/メタノール、水/エタノール等の混合溶媒など)であることがより好ましい。
また、本発明の研磨用スラリーのpHとしては、無機砥粒(I)の分散安定性の観点から7〜13であることが好ましく、8〜12であることがより好ましい。なお、当該pHは25℃で測定された値を意味する。
研磨用スラリーのpHは、研磨用スラリーにpH調節剤を含有させることにより調節することができる。pH調節剤としては、塩基性化合物あるいは酸性化合物として公知の化合物を使用することができるが、無機砥粒(I)の分散安定性の観点から、アルカリ金属の水酸化物および/またはアルカリ土類金属の水酸化物であることが好ましく、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムであることがより好ましく、水酸化カリウムであることがさらに好ましい。
本発明の研磨用スラリーは、上記した無機砥粒(I)、不飽和脂肪酸塩(II)、媒体およびpH調節剤のみから実質的になることが可能であるが、被研磨物の種類や研磨方法等により、酸化剤、錯化剤、防錆剤、増粘剤、潤滑剤等、他の成分を含有することができる。これらの他の成分の研磨用スラリーにおける含有率は、その種類等により適宜設定することができるが、通常、0〜10質量%である。
本発明の研磨用スラリーの製造方法に特に制限はなく、目的に応じて必要な成分を配合することにより製造することができ、例えば、無機砥粒(I)およびpH調節剤を含有するスラリーに不飽和脂肪酸塩(II)を配合後、必要に応じてさらに媒体を追加配合することにより製造することができる。
また、本発明の研磨用スラリーの使用方法は特に限定されず、CMPにおいて研磨用スラリーの使用方法として知られている公知の方法に従い使用することができる。CMPは、公知のCMP用装置を使用し、研磨用スラリーを介して被研磨物の被研磨面と研磨パッドとを、加圧下、一定速度で、一定時間接触させることによって実施することができる。またCMPを行うに際しては、必要に応じて、研磨用スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを併用してもよい。
本発明の研磨用スラリーを使用して研磨をする際に使用される研磨パッドについては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン等の高分子発泡体からなる研磨パッド、ポリウレタン等の高分子からなる非発泡構造の研磨パッド、ポリウレタン等の高分子に無機砥粒を含有させてなる固定砥粒パッドなどを使用することができる。
本発明の研磨用スラリーを使用して研磨をする際の被研磨物としては特に制限はなく、例えば、水晶、シリコン(シリコンウェハー等)、ガラス、光学基板、電子回路基板、多層配線基板、ハードディスクなどが挙げられるが、本発明の効果がより顕著に見られることから、被研磨物がシリコンウェハーであることが好ましい。なお、シリコンウェハーは酸化膜を表面に有していてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお実施例および比較例で使用した研磨パッドは以下の方法により製造した。
[製造例1]
研磨パッドの製造
数平均分子量1400のポリ(テトラメチレングリコール)[略号:PTMG1400]、1,4−シクロヘキサンジメタノール[略号:CHDM]および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート[略号:MDI]を、PTMG1400:CHDM:MDIの質量比が14.1:30.5:55.4(窒素原子の含有率:6.2質量%)となるような割合で用い、かつそれらの合計供給量が300g/分となるようにして定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して連続溶融重合を行って熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーによりペレット状に細断し、得られたペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより、熱可塑性ポリウレタンを製造した。
次に得られた熱可塑性ポリウレタンを単軸押出成形機(90mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜225℃、ダイス温度225℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。
得られたシート(60cm×60cm)を耐圧容器に入れ、温度110℃、圧力8MPaの条件下で10時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を3.6質量%含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを120℃のシリコーンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して発泡体を得た。得られた発泡体の密度(JIS K 7112に準拠)は0.85g/cm、平均気泡サイズ(発泡体と熱可塑性ポリウレタンの密度と、発泡体の気泡数とから、各気泡が真球であると仮定して算出)は18μm、JIS−D硬度(JIS K 7311に準拠)は70であった。
得られた発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡が表面に露出した厚さ1.5mmの均一なシートとした後、幅2.2mm、深さ1.2mmの溝を15.0mm間隔で格子状に形成し、直径51cmの円形状の研磨パッドを作製した。
以下の実施例および比較例においては以下の条件により研磨特性評価を行った。
研磨特性評価
製造例1で製造した研磨パッドをCMP研磨装置に設置し、ダイヤモンドドレッサー(番手:#100)を用い、0.18MPa、ドレッサー回転数110回転/分にて18分間研磨パッド表面を研削(シーズニング)した。次に、プラテン回転数50回転/分、ヘッド回転数49回転/分、研磨圧力45kPa、研磨時間100秒の条件で、各実施例または比較例で製造した研磨用スラリーを120ml/分の速度で供給しつつ直径8インチの酸化膜表面を有するシリコンウェハーを100秒間研磨した。研磨時の研磨速度、研磨後のシリコンウェハー表面のスクラッチ数、研磨中の研磨用スラリーの発泡状態を評価することにより、各研磨用スラリーの研磨特性評価を行った。なお、研磨速度、スクラッチ数および発泡状態は以下の方法によって評価した。
研磨速度
研磨前後のシリコンウェハー表面の酸化膜の膜厚を自動エリプソメーター(溝尻光学株式会社製DVA−36LS)により測定して研磨量を求めた。シリコンウェハー上の49点において研磨量を測定し、その平均値から研磨速度を求めた。
スクラッチ数
KLA−Tencor社製Surfscan SP1を用い、研磨後のシリコンウェハー表面に存在する0.20μm以上の大きさの傷の数を測定した。
発泡状態
研磨中の研磨用スラリーの発泡の程度を目視により評価した。
[実施例1]
キャボット社製スラリーSS25(ヒュームドシリカ(平均粒子径:0.16μm)25質量%、水酸化カリウムおよび純水とからなる。pH=10.7)(1kg)に33質量%リシノール酸カリウム(花王株式会社製FR25)を0.004g添加し、さらに蒸留水で全体が2kgになるように希釈して研磨用スラリー(スラリー1)を得た。このスラリー1を用いて上記した方法により研磨特性評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例2]
実施例1において、33質量%リシノール酸カリウム(花王株式会社製FR25)の使用量を0.004gに代えて0.04gとしたこと以外は実施例1と同様の方法により研磨用スラリー(スラリー2)を得た。このスラリー2を用いて上記した方法により研磨特性評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例1]
キャボット社製スラリーSS25(1kg)を、蒸留水で全体が2kgになるように希釈して研磨用スラリー(スラリー3)を得た。このスラリー3を用いて上記した方法により研磨特性評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例1において、33質量%リシノール酸カリウム(花王株式会社製FR25)を0.004g使用したことに代えて、ステアリン酸カリウム(関東化学株式会社製試薬鹿一級)を0.004g使用したこと以外は実施例1と同様の方法により研磨用スラリー(スラリー4)を得た。このスラリー4を用いて上記した方法により研磨特性評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例3]
実施例1において、33質量%リシノール酸カリウム(花王株式会社製FR25)を0.004g使用したことに代えて、ラウリン酸カリウム(関東化学株式会社製試薬鹿一級)を0.04g使用したこと以外は実施例1と同様の方法により研磨用スラリー(スラリー5)を得た。このスラリー5を用いて上記した方法により研磨特性評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例4]
実施例1において、33質量%リシノール酸カリウム(花王株式会社製FR25)を0.004g使用したことに代えて、非イオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製エマルゲン120)を0.04g使用したこと以外は実施例1と同様の方法により研磨用スラリー(スラリー6)を得た。このスラリー6を用いて上記した方法により研磨特性評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例5]
実施例1において、33質量%リシノール酸カリウム(花王株式会社製FR25)を0.004g使用したことに代えて、カチオン系界面活性剤である脂肪族アミンアセテート(ステアリルアミンアセテートを主成分とする)(花王株式会社製アセタミン86)を0.004g使用したこと以外は実施例1と同様の方法により研磨用スラリー(スラリー7)を得た。このスラリー7を用いて上記した方法により研磨特性評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例6]
実施例1において、33質量%リシノール酸カリウム(花王株式会社製FR25)の使用量を0.004gに代えて0.4gとしたこと以外は実施例1と同様の方法により研磨用スラリー(スラリー8)を得た。このスラリー8を用いて上記した方法により研磨特性評価を行った。結果を表1に示した。
Figure 0005226278
表1から明らかなように、実施例1および2においては、シリコンウェハー研磨時に発生するスクラッチ数が少なく、実用的な研磨速度を維持することができ、研磨中において研磨用スラリーの発泡も見られなかった。
一方、比較例1においては、研磨速度は実用可能な範囲であるが、0.20μm以上の大きさのスクラッチの発生が多く、例えば配線幅がより微細な研磨対象物を研磨する際に配線間の短絡発生度合いが高まることが懸念された。比較例2においては、研磨速度が実用可能な範囲になく、0.20μm以上の大きさのスクラッチの発生も多かった。比較例3においては、研磨速度が実用可能な範囲になく、0.20μm以上の大きさのスクラッチの発生も多く、さらに研磨中において研磨用スラリーの発泡も多かった。比較例4においては、スクラッチの発生は比較的少ないものの、研磨速度が実用可能な範囲になく、研磨中において研磨用スラリーの発泡も多かった。比較例5においては、研磨速度が実用可能な範囲になく、0.20μm以上の大きさのスクラッチの発生も多かった。比較例6においては、スクラッチの発生は少ないものの、研磨速度が実用可能な範囲になく、研磨中において研磨用スラリーの発泡も多かった。
本発明によれば、研磨時の研磨速度に優れ、研磨後の被研磨物(シリコンウェハー等)の表面におけるスクラッチ数が少なく、研磨中において研磨用スラリーの発泡の発生が少ない、CMPに有用な研磨用スラリーが提供される。

Claims (3)

  1. 酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化ケイ素、酸化セリウムおよび酸化タンタルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の無機砥粒(I)、ならびにリシノール酸のアルカリ金属塩(II)を含有するシリコンウェハー研磨用スラリーであって、研磨用スラリーにおける上記リシノールのアルカリ金属塩(II)の含有量が0.00001〜0.005質量%であるシリコンウェハー研磨用スラリー。
  2. 上記リシノールのアルカリ金属塩(II)がリシノール酸のカリウム塩である請求項1に記載のシリコンウェハー研磨用スラリー。
  3. 上記無機砥粒(I)が酸化ケイ素である請求項1または2に記載のシリコンウェハー研磨用スラリー。
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