JP2014160187A - 自己治癒型高輝度プリズムシートおよび面光源ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自己治癒性を有する弾性樹脂がプリズム層として基材に転写されて形成された自己治癒型プリズムシートであって、プリズム層の膜屈折率が1.55以上から1.70以下の範囲内であり、弾性樹脂がアクリル系UV硬化樹脂で、25度での貯蔵弾性率が1×103Pa以上1×108Pa以下であり、プリズム層の山稜線がプリズム高さ方向に振幅(Vs)として3μm以上7μm以下の範囲で変動する正弦波状凹凸を備えた構成とされる。
【選択図】図1
Description
従来から、入力ペンや指などの入力による入力時の荷重によりタッチパネル表面に異常に大きな負荷を伴ったとき、下部電極板が大きく撓んでしまうことから、下部電極板の裏面が導光板の上面に存在するプリズムシートの微細な突起形状(プリズムの先端)を凹ませるなどして傷つけてしまうという問題があった。導光板の上面の微細な突起形状が傷つくと、表示パネルにおいて傷ついた箇所が明るく発光し、視認性が著しく低下してしまう。
特許文献1に開示された液晶表示装置の場合、自己治癒性樹脂層の柔軟性によって、タッチパネルへの入力時にプリズムシートが自己治癒性樹脂層に接触するとき、接触した部分にキズが発生することによるプリズムシートの損傷を防止するとともに、発生したキズの部分が時間経過とともに自動的に復元するものである。
そのため、タッチパネルの下部電極板の下に自己治癒性樹脂層を設ける特許文献1の液晶表示装置の構成では、対応が困難な状況である。
本発明の自己治癒型高輝度プリズムシートは、プリズム層の膜屈折率が1.55以上から1.70以下の範囲内であることから、集光率が高く、高輝度化を実現できる。
また、弾性樹脂がアクリル系UV硬化樹脂で、25度での貯蔵弾性率が1×103Pa以上から1×108Pa以下の範囲内であることが好ましい。
貯蔵弾性率が1×109Paを上回ると自己治癒性が著しく減少してしまい、上記目的を達成することが困難となる。
これにより、プリズムシートの上面に配置される他のプリズムシートや拡散シートやタッチパネルなどとの密着を防止でき、タッチパネル表面に大きな負荷をかかり撓みにより一時的に密着状態となった場合でもプリズムシートの剥離性を向上できる。
また、プリズム層の山稜線に沿った変動であって、プリズム層の高さの方向に振幅(Va)が0以上4μm以下の範囲で正弦波状変動に、ランダムに周期が変動する正弦波状凹凸の変動が重畳され、プリズム層の山稜線に沿った正弦波状変動の周期(Pe)が正弦波状凹凸の周期(Pi)の平均周期の素数倍(3倍,5倍,7倍,11倍,・・・)であることがさらに好ましい。
すなわち、プリズム山稜線に沿って振幅(Va)が0以上4μm以下の正弦波状変動に振幅(Vs)が3μm以上7μm以下であって周期(Pi)が50μm以上1mm以下の範囲でランダムな正弦波状変動を重畳し、前者の変動周期(Pe)は後者のランダム変動周期の平均周期の素数倍(k=3,5,7,11,・・・)のPe=k×平均(Pi)である不規則な周期をもつ正弦波状凹凸変動を付与することにより密着防止する。
プリズムシートを2層以上積層することにより、輝度が更に向上し、かつ耐衝撃性が向上できる。
また、自己治癒型高輝度プリズムシートが2層構造であり、各プリズムシートを第一プリズムシートと第二プリズムシートとし、第一プリズムシートが出射面側、第二プリズムシートが導光パネル側に積層されるとした場合、第一プリズムシートの貯蔵弾性率が、第二プリズムシートの貯蔵弾性率より大きい構成とするのが好ましい。
第一プリズムシートと第二プリズムシートを積層した構造で、かつ、第一プリズムシートの貯蔵弾性率を第二プリズムシートの貯蔵弾性率より大きくすることによって、耐衝撃性が向上する。
また、プリズムシートの積層間に、光硬化性樹脂を含有する接着層が設けられたことが好ましい。光硬化性樹脂を含有する接着層を設けることにより、薄膜化してもプリズムシートのタワミを抑制することができる。
本発明の面光源ユニットは、上述の本発明の自己治癒型高輝度プリズムシートと、拡散シートと、導光パネルを備えた面光源ユニットであって、プリズムシートの基材面、拡散シートの片面あるいは両面、導光パネルの光出射面から選択される少なくとも一面に、自己治癒性を有する弾性樹脂が表面コーティングされた自己治癒層が設けられ、かつ、自己治癒層は隣接して積層されていない構成とされる。
かかる構成によれば、積層されたプリズムシート同士の接触によるキズの発生や、拡散シートとプリズムシートの接触によるキズの発生を効果的に防止できる。
光拡散層がフィラーを含有していないことで、フィラーの脱落によるキズの発生が無い。
モスアイ構造の反射防止層の光出射面に自己治癒性を有する弾性樹脂がコーティングされることで、タッチパネルの下部との接触によるキズの発生を低減し、かつ、反射防止層の光出射面のキズを自己修復できる。
プリズムシートの出射面に反射型偏光フィルム(DBEF)を設けることにより、従来の吸収型偏光板では利用できなかった偏光成分を有効に活用することができ、より輝度が向上する。
図1は、本発明のプリズムシートのプリズム層における山稜線の変動波形の模式図を示している。
本発明のプリズムシートは、自己治癒性を有する弾性樹脂がプリズム層として基材に転写形成され、プリズム層の膜屈折率が1.55以上1.70以下の範囲内にしたものである。本発明のプリズムシートによれば、自己治癒性と高輝度を実現できる。一般的に、自己治癒性のある弾性樹脂を用いるプリズムシートの場合、膜屈折率はせいぜい1.53程度である。膜屈折率が低ければ、透過率が低下し、ディスプレイの輝度が低下するため、自己治癒性の弾性樹脂をそのままプリズムシートに用いることは品質低下を招くために困難である。そこで、ジルコニアなどの屈折率が高い素材を弾性樹脂材に添加し、自己治癒性の弾性樹脂の屈折率を向上させ、プリズム層の膜屈折率を1.55以上1.70以下の範囲内に制御した。
表1より、プリズム層の屈折率は、1.55以上1.70以下の範囲内が好ましく、より好ましくは1.60以上1.68以下の範囲内であることがわかる。
なお、表1において、1.65以上の膜屈折率の実測値は、計算値を表している。
また、プリズム層に用いる弾性樹脂の可視光領域の透過率は90%以上の範囲のものを用いた。
そのため、本発明のプリズムシートでは、図1に示すように、プリズム層の山稜線に沿った振幅(Va)の正弦波状変動に、振幅(Vs)が3μm以上7μm以下であって周期(Pi)が50μm以上1mm以下の範囲でランダムな正弦波状変動を重畳させ、さらに、振幅(Va)の正弦波状変動の変動周期(Pe)が、振幅(Vs)のランダムな正弦波状変動の変動周期(Pi)の平均周期の素数倍(k=3,5,7,11,・・・)、Pe=k×平均(Pi)である不規則な周期をもつ正弦波状凹凸変動を付与させた。周期的な変動の場合、密着が避けられないことから、不規則な周期をもつランダムな正弦波状変動を設け、ウェットアウトを防止したのである。
貯蔵弾性率は、樹脂組成物の構成(硬化型樹脂の種類、添加物、それらの配合割合など)や膜厚などを適宜調整することで調節する。
落下試験(Ball Drop Test)は、以下の手順a)〜c)で行った。
a)試験対象のプリズムシートに対して、下拡散シート、プリズムシート、偏光板の順に積層させる。
b)重量200gのアクリル球を高さ30cmから垂直に落下させる。
c)プリズムシートの外観品質を目視で確認する。
以上の耐スクラッチ性試験および落下試験を行い、目視評価を行って、ホワイトスポット(傷)が発生しているか否かを確認した。評価は3段階で、プリズムシートにホワイトスポット(傷)が無いものを◎、ホワイトスポット(傷)が時間経過で無くなるものを○、ホワイトスポット(傷)が見えるものを△の評価とした。
図20(3)の場合、左の画像(0s後)と右の画像(30s後)共に、画像中にはホワイトスポットが現れていない。
図2は、実施例1のプリズムシートの概略断面図である。実施例1のプリズムシート1は、PET(ポリエチレン・テレフタレート)フィルムを基材3として、上述のアクリル系UV硬化樹脂である弾性樹脂2を基材3上に金型の凹凸を転写成形して作製した。より詳しくは、表面が凹凸加工され所定温度に制御された金型(図示せず)の表面に基材3を押圧させ、基材3に塗布した弾性樹脂2を成形し、紫外線を照射して基材3に塗布した弾性樹脂2を硬化させた。
まず、図3に示す実施例1の光学フィルムの構成図では、基材3の表面に成形した弾性樹脂2から成るプリズムシート1の下に、拡散シート4、導光パネル5が積層されている。
図4に示す実施例1の光学フィルムの構成図では、図3の構成に加えて、プリズムシート1の上に、拡散シート6、反射型偏光フィルム(DBEF)7が積層されている。
図5に示す実施例1の光学フィルムの構成図では、図3の構成において、プリズムシート1と拡散シート4の間に自己治癒層10が設けられている。
図6に示す実施例1の光学フィルムの構成図では、図3の構成において、拡散シート4と導光パネル5の間に自己治癒層11が設けられている。
図7に示す実施例1の光学フィルムの構成図では、図3の構成において、プリズムシート1と拡散シート4の間に自己治癒層12が設けられ、拡散シート4と導光パネル5の間に自己治癒層11が設けられている。
図9に示す実施例1の光学フィルムの構成図では、図7の構成に加えて、プリズムシート1の上に、拡散シート6、反射型偏光フィルム(DBEF)7が積層されている。
図10に示す実施例1の光学フィルムの構成図では、図9の構成において、反射型偏光フィルム(DBEF)7の上に自己治癒層13が設けられている。
上記の拡散シート4,6は、フィラー(シリカ)などの微粒子を含有せず、シート表面の凹凸形状のみで光の拡散性を持たせている。
プリズムシート1a,1bの弾性樹脂2a,2bのそれぞれの貯蔵弾性率は同一にしている。プリズムシート1aの弾性樹脂2aの貯蔵弾性率が、プリズムシート1bの弾性樹脂2bの貯蔵弾性率より大きくしても、好適に用いることができる。
プリズムシートの積層間には、光硬化性樹脂を含有する接着層を設けている。
図12に示す実施例2の光学フィルムの構成図では、2層に積層されたプリズムシート(1a,1b)の下に、拡散シート4、導光パネル5が積層されている。
図13に示す実施例2の光学フィルムの構成図では、図12の構成に加えて、プリズムシート1の上に、拡散シート6、反射型偏光フィルム(DBEF)7が積層されている。
図14に示す実施例2の光学フィルムの構成図では、図12の構成において、プリズムシート1bと拡散シート4の間に自己治癒層10が設けられている。
図15に示す実施例2の光学フィルムの構成図では、図12の構成において、拡散シート4と導光パネル5の間に自己治癒層11が設けられている。
図16に示す実施例2の光学フィルムの構成図では、図12の構成において、プリズムシート1bと拡散シート4の間に自己治癒層12が設けられ、拡散シート4と導光パネル5の間に自己治癒層11が設けられている。
図18に示す実施例2の光学フィルムの構成図では、図16の構成に加えて、プリズムシート1aの上に、拡散シート6、反射型偏光フィルム(DBEF)7が積層されている。
上記の拡散シート4,6は、フィラー(シリカ)などの微粒子を含有せず、シート表面の凹凸形状のみで光の拡散性を持たせている。
(1)上記の実施例1では、反射型偏光フィルム(DBEF)7が積層されているが(図5,図9,図10,図11)、反射型偏光フィルム(DBEF)の替わりにモスアイ構造の反射防止層でもよい。また、上記の実施例2では、反射型偏光フィルム(DBEF)7が積層されているが(図13,図17,図18)、反射型偏光フィルム(DBEF)の替わりにモスアイ構造の反射防止層でもよい。
2 弾性樹脂
3 基材
4,6 拡散シート
5 導光パネル
7 反射型偏光フィルム(DBEF)
10,11,12,13 自己治癒層
Claims (11)
- 自己治癒性を有する弾性樹脂がプリズム層として基材に転写形成され、
プリズム層の膜屈折率が1.55以上1.70以下の範囲内であることを特徴とする自己治癒型高輝度プリズムシート。 - 前記弾性樹脂がアクリル系UV硬化樹脂で、25℃での貯蔵弾性率が1×103Pa以上1×108Pa以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の自己治癒型高輝度プリズムシート。
- 前記プリズム層の山稜線がプリズム高さ方向に振幅(Vs)として3μm以上7μm以下の範囲で変動する正弦波状凹凸を備えたことを特徴とする請求項1〜3に記載のいずれかの自己治癒型高輝度プリズムシート。
- 前記正弦波状凹凸の周期(Pi)が前記プリズム層の山稜線に沿って50μm以上1mm以下の範囲でランダムに変動することを特徴とする請求項3に記載の自己治癒型高輝度プリズムシート。
- 前記プリズム層の山稜線に沿った変動であって、前記プリズム層の高さの方向に振幅(Va)が0以上4μm以下の範囲で正弦波状変動に、ランダムに周期が変動する前記正弦波状凹凸の変動が重畳され、前記プリズム層の山稜線に沿った正弦波状変動の周期(Pe)が前記正弦波状凹凸の周期(Pi)の平均周期の素数倍(3倍,5倍,7倍,11倍,・・・)であることを特徴とする請求項4に記載の自己治癒型高輝度プリズムシート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の自己治癒型高輝度プリズムシートが、少なくとも2層に積層されたことを特徴とする自己治癒型高輝度プリズムシート。
- 前記プリズムシートの積層間に、光硬化性樹脂を含有する接着層が設けられたことを特徴とする請求項6に記載の自己治癒型高輝度プリズムシート。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の自己治癒型高輝度プリズムシートと、
拡散シートと、導光パネルと、を備えた面光源ユニットであって、
前記プリズムシートの基材面、前記拡散シートの片面あるいは両面、前記導光パネルの光出射面から選択される少なくとも一面に、自己治癒性を有する弾性樹脂が表面コーティングされた自己治癒層が設けられ、
かつ、自己治癒層は隣接して積層されていない、
ことを特徴とする面光源ユニット。 - 前記プリズムシートの出射面に光拡散層が設けられ、
該光拡散層は、フィラーを含有していない、
ことを特徴とする請求項8に記載の面光源ユニット。 - 前記プリズムシートの出射面にモスアイ構造の反射防止層が設けられ、
該反射防止層の光出射面に自己治癒性を有する弾性樹脂がコーティングされた、
ことを特徴とする請求項8に記載の面光源ユニット。 - 前記プリズムシートの出射面に反射型偏光フィルム(DBEF:Dual Brightness Enhancement Film)が設けられたことを特徴とする請求項8に記載の面光源ユニット。
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