JP2014160007A - レーダ装置 - Google Patents

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JP2014160007A JP2013030342A JP2013030342A JP2014160007A JP 2014160007 A JP2014160007 A JP 2014160007A JP 2013030342 A JP2013030342 A JP 2013030342A JP 2013030342 A JP2013030342 A JP 2013030342A JP 2014160007 A JP2014160007 A JP 2014160007A
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Abstract

【課題】本発明は、レーダ装置に関し、静止物とのレーダ干渉に起因する移動体の追尾精度の低下を抑えつつ移動物の追尾を適切に続行することにある。
【解決手段】レーダ装置は、レーダから照射されたレーダ波を反射する反射点を対象物の観測点として検出し、その検出された観測点に基づいて対象物を少なくとも静止物と移動物とに区別して検出する。また、対象物として静止物が検出される場合には、該静止物の観測点に基づいて該観測点に対してレーダ波の反射波が干渉し得る干渉範囲を設定すると共に、対象物として移動物が検出される場合には、該移動物の観測点に基づいて該移動物が今後到達し得る予測範囲を設定する。そして、上記の干渉範囲と上記の予測範囲とが重なるか否かを判別し、干渉範囲と予測範囲とが重なると判別される場合に、設定される予測範囲がその干渉範囲と重ならないようにパラメータ変更を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、レーダ装置に係り、特に、レーダから照射されたレーダ波を反射する反転点を観測点として検出して、その検出した観測点の検出パターンに基づいて移動物を追尾して検出するうえで好適なレーダ装置に関する。
従来、車両に搭載され、自車両周囲の所定検知範囲内に存在するすべての対象物のうちから自車両にとって必要な対象物を追尾して検出するレーダ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このレーダ装置は、対象物を静止物と移動物とに区別して検出する。また、このレーダ装置は、対象物が移動物であることを検出した場合はその対象物を追尾対象に設定し、一方、対象物が静止物であることを検出した場合はその対象物を追尾対象から除外する。そして、追尾対象に設定された移動物の移動軌跡に基づいてその移動物と自車両との衝突を回避するための制御や警報を発する制御などを行う。
国際公開第2006/013689号
ところで、自車両周囲の所定検知範囲内に、路側に設置される街路樹や看板などの静止物と他車両などの移動物とが混在する場合、それらの静止物と移動物とが自車両から等距離でかつ方位の異なる位置に存在すると、両物標でのレーダ波の反射波が干渉して、実際の位置とは異なる位置に対象物の観測点が検出されることが起こり得る。かかる観測点の位置がそのまま移動物の位置として用いられると、移動物の追尾精度が低下して、その移動物の位置や速度の検出精度が悪化するおそれがあり、また、移動物が所定の追尾対象範囲から外れたとして追尾対象から除外されて実際の移動物がロストされ、以後、その移動物への追尾が困難となるおそれがある。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、静止物とのレーダ干渉に起因する移動体の追尾精度の低下を抑えつつ移動物の追尾を適切に続行することが可能なレーダ装置を提供することを目的とする。
上記の目的は、レーダから照射されたレーダ波を反射する反射点を対象物の観測点として検出する観測点検出手段と、前記観測点検出手段により検出された前記観測点に基づいて対象物を少なくとも静止物と移動物とに区別して検出する対象物検出手段と、前記対象物検出手段により対象物として静止物が検出される場合に、該静止物の前記観測点に基づいて該観測点に対して前記レーダ波の反射波が干渉し得る干渉範囲を設定する干渉範囲設定手段と、前記対象物検出手段により対象物として移動物が検出される場合に、該移動物の前記観測点に基づいて該移動物が今後到達し得る予測範囲を設定する予測範囲設定手段と、前記干渉範囲設定手段により設定される前記干渉範囲と前記予測範囲設定手段により設定される前記予測範囲とが重なるか否かを判別する範囲重畳判別手段と、前記範囲重畳判別手段により前記干渉範囲と前記予測範囲とが重なると判別される場合に、前記予測範囲設定手段により設定される前記予測範囲が該干渉範囲と重ならないようにパラメータ変更を行うパラメータ変更手段と、を備えるレーダ装置により達成される。
本発明によれば、静止物とのレーダ干渉に起因する移動体の追尾精度の低下を抑えつつ移動物の追尾を適切に続行することができる。
本発明の一実施例であるレーダ装置の構成図である。 自車両からほぼ等距離にありかつ方位が異なる位置に複数の対象物が存在する場合に観測点や追尾点の方位検出に誤差が発生する現象を説明するための図である。 本実施例のレーダ装置において、反射波の干渉が生じた際に観測される観測点を排除することで追尾点の位置精度を向上させる手法を説明するための図である。 本実施例のレーダ装置において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。 本発明の変形例であるレーダ装置において、反射波の干渉が生じた際に観測される観測点を排除することで追尾点の位置精度を向上させる手法を説明するための図である。
以下、図面を用いて、本発明に係るレーダ装置の具体的な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施例であるレーダ装置10の構成図を示す。本実施例のレーダ装置10は、例えば車両に搭載されており、自車両の周囲(前方や後方,側方など)に存在する対象物(ターゲット)を検知する。レーダ装置10は、自車両に対する対象物の位置(具体的には、距離及び方位)を検出することが可能な例えばモノパルス方式のレーダ装置に適用され、自車両から近距離(例えば30m以内)に存在する所定(例えば3cm)以上の大きさの対象物を高精度に検知する。
図1に示す如く、レーダ装置10は、信号生成器12及び送信回路14を備えている。信号生成器12は、例えば0〜2GHzの帯域幅を有する超広帯域(UWB;Ultra Wide Band)信号を生成する。信号生成器12の生成するUWB信号は、出力される信号の周波数が時間軸において順次変化するチャープ信号又は時間軸上におけるパルス幅が十分に狭いインパルス状のパルス信号である。
信号生成器12により生成されたUWB信号は、送信回路14に供給される。送信回路14は、信号生成器12から供給されるUWB信号を搬送波(周波数fc;例えば準ミリ波帯の26GHz)と混合してRF帯の高周波信号に周波数変換(アップコンバート)し、送信信号として送信アンテナ16から送信させる。尚、送信アンテナ16からの送信は、例えば自車両の前方や後方,側方或いは運転者(サイドミラー経由やバックミラー経由を含む。)からの死角領域に向けて行われる。レーダ装置10は、送信アンテナ16から自車両周辺の所定検知領域内に向けてUWB信号を含む送信信号を送信させる。
また、レーダ装置10は、受信回路18を備えている。送信アンテナ16から送信される送信信号は、対象物が存在する場合、その対象物(ターゲット)に反射して反射波としてレーダ装置10に戻ってくる。受信回路18には、対象物で反射された反射波を受信信号として受信する受信アンテナ20が接続されている。受信アンテナ20は、水平方向に所定距離だけ離れて配置された2つのアンテナからなる。受信アンテナ20の各アンテナに受信された受信信号はそれぞれ、受信回路18に供給される。
受信回路18は、受信アンテナ20の各アンテナから供給される受信信号をそれぞれ検波処理する。具体的には、受信回路18は、各受信信号から所定周波数帯域の信号を通過させると共に、搬送波を取り除いて0〜2GHz帯域のベースバンド信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。また、送信回路14の送信信号と受信回路18の受信信号とをA/D変換した後に高速フーリエ変換(FFT変換)を施して受信信号と送信信号との相関演算を行い、周波数ごとのビート信号の振幅及び位相を表す周波数スペクトラムを生成する。
そして、受信回路18は、振幅がピークとなるピーク周波数及び受信アンテナ20の各アンテナに受信される受信信号の位相差に基づいて、送信信号を反射する対象物の反射点までの距離及びその反射点の方位(角度)を検出し、その検出点(検知位置)を対象物が存在すると観測される観測点とする。尚、受信回路18は、所定検知領域内に複数の対象物が存在する場合は、複数の反射点或いは観測点それぞれについて距離及び方位を検出する。
また、受信回路18による方位検出は、例えば以下の手法で行われる。すなわち、受信アンテナ20の各アンテナでの受信信号についてのビート信号の位相差φは、次式(1)で表される。但し、λは電波の波長であり、dは受信アンテナ20の2つのアンテナ間の距離である。
Figure 2014160007

また、受信アンテナ20の各アンテナでの受信信号についてのビート信号をFFT処理した後のピーク周波数の位相は、実数/虚数軸上でベクトル表現されるので(ベクトルA及びベクトルB)、それら2つのアンテナ間の位相差φは、次式(2)で表される。
Figure 2014160007

従って、本実施例において、受信回路18は、上記(1)式及び(2)式により求まる次式(3)に従って、自車両に対する対象物を構成する反射点(すなわち、観測点)の方位(角度)θを検出する。
Figure 2014160007

受信回路18には、ノイズ除去部22が接続されている。ノイズ除去部22には、受信回路18で検出された観測点の位置情報(距離情報及び方位情報)が供給される。ノイズ除去部22は、位置検出された観測点のうち、対象物を構成する反射点であると推定される観測点以外の観測点をノイズ/クラッタとして除去するフィルタ処理を行う。かかるフィルタ処理が行われると、以降の処理では、対象物を構成する反射点であると推定される観測点以外の観測点の位置使用が排除される。
レーダ装置10は、また、静止/移動物判定処理部24を備えている。静止/移動物判定処理部24には、ノイズ除去部22が接続されており、受信アンテナ20に受信されたノイズ/クラッタ除去後の観測点の位置情報が供給される。静止/移動物判定処理部24は、観測点ごとに、その観測点が示す自車両周囲に存在する対象物が、道路路面上で静止する静止物(街路樹や看板などを含む)であるか或いは道路路面上で移動する移動物であるかを判別する。尚、この判別は、送信アンテナ16から送信される送信信号の周波数と受信アンテナ20に受信される受信信号の周波数との差であるドップラ周波数の大きさに基づいて行われるものとすればよい。
レーダ装置10は、また、追尾処理部26を備えている。追尾処理部26には、静止/移動物判定処理部24が接続されており、受信アンテナ20に受信されたノイズ/クラッタ除去後の観測点の位置情報が供給されると共に、それぞれの観測点が静止物及び移動物のうちの何れを構成するか否かの情報が供給される。追尾処理部26は、観測点が位置検出されているすべての対象物のうち追尾対象としての移動物を抽出し、その移動物の観測点及びその観測点の検出以前におけるその移動物の移動データ(例えば、その移動物の速度や移動距離,移動方向など)に基づいて、自車両が追尾すべき移動物が位置すると推定される追尾点を求める。そして、その移動物の追尾点の移動軌跡を演算して、その移動物が次回処理時に到達すると予測される予測範囲を設定する。
上記の追尾処理部26は、追尾対象である対象物の移動軌跡の演算を、カルマンフィルタなどの追尾フィルタを用いて行う。この追尾フィルタの設計パラメータであるフィルタゲインは、対象物の運動モデル(例えば、等速運動モデルや等加速度運動モデル)に基づいて設定される。
例えば、追尾フィルタとしてのカルマンフィルタの演算は、観測点の更新部分と予測部分とからなり、更新部分の演算が次式(4)〜(6)に従って、また、予測部分の演算が次式(7)及び(8)に従って、それぞれサンプリング毎に逐次行われることで、対象物としての移動物の移動軌跡を求めるものである。尚、式(4)〜(8)において、Kはカルマンゲインであり、Pは誤差の共分散行列であり、Hは観測モデル行列であり、Rは観測値誤差の共分散行列であり、Qはモデル誤差の共分散行列であり、xは位置の推定値であり、また、zは位置の観測値である。カルマンゲインKは、観測値誤差分散Rと、1サンプリング毎にモデルに付加されるモデル誤差分散Qとに基づいて決定される。
Figure 2014160007
Figure 2014160007
Figure 2014160007
Figure 2014160007
Figure 2014160007

レーダ装置10は、また、位置検出部28を備えている。位置検出部28には、追尾処理部26が接続されており、追尾処理部26で演算された追尾対象としての移動物の移動軌跡データが供給される。位置検出部28は、追尾対象としての移動物の移動軌跡に基づいて、自車両に対するその移動物の位置を検出すると共に、更にはその移動物の速度を検出する。位置検出部28により検出された対象物の位置データ及び更には速度データは、自車両における各種制御(例えば、対象物との衝突を回避するためのブレーキ制御や警報制御など)に用いられる。
図2は、自車両からほぼ等距離にありかつ方位が異なる位置に複数の対象物が存在する場合に観測点や追尾点の方位検出に誤差が発生する現象を説明するための図を示す。尚、図2(A)には対象物として移動物のみが存在する場合に算出される観測点及び追尾点の時系列データを、また、図2(B)には対象物として静止物と移動物とが併存する場合に算出される観測点及び追尾点の時系列データを、それぞれ示す。
図2(A)に示す如く対象物として移動物のみが存在する場合は、その移動物を構成する反射点で反射した反射波は、受信アンテナ20の各アンテナに受信信号として受信され、他の反射波との間で干渉することはほとんどない。反射波の干渉が生じなければ、算出される観測点は運動モデルから予測される範囲内に位置するので、自車両にとって追尾すべき追尾点の位置を精度よく算出することが可能である。
一方、図2(B)に示す如く、自車両からほぼ等距離にありかつ方位が異なる位置に複数の対象物が存在すると、具体的には、方位が異なる位置に存在する複数の対象物ごとの自車両からの距離の差がレーダ装置10の有する距離分解能以下であると、受信アンテナ20の各アンテナに受信される受信信号が、各反射点からの反射波を合成した合成波となる。この場合は、受信信号のビート信号の周波数スペクトルにおいて、反射点ごとのピーク周波数の中間の周波数で振幅ピークが生じ、反射波の干渉が生ずることとなる(方位干渉)。かかる方位干渉が生ずると、算出される観測点が運動モデルに基づく予測範囲から外れる可能性が高くなり、自車両にとって追尾すべき追尾点の位置精度が悪化し、或いは、追尾対象としての移動体の追尾を以後続行することができなくなってしまう。
図3は、本実施例のレーダ装置10において、反射波の干渉が生じた際に観測される観測点を排除しつつ追尾を続行することで追尾点の位置精度を向上させる手法を説明するための図を示す。また、図4は、本実施例のレーダ装置10において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
尚、図3において、J1、J2、及びJ3はそれぞれ、各時点t1,t2,t3での対象物としての移動物の観測点である。J2−0は、時点t2での対象物としての移動物の実際の位置(反射点)である。G1は、時点t1での対象物としての静止物(路側物など)の観測点である。Jt1及びJt3はそれぞれ、観測点J1,J3とその観測点J1,J3の観測以前に得られているデータ(位置データや速度データなど)とに基づいて追尾フィルタ(カルマンフィルタなど)を用いて求められる追尾点である。Kn2は、時点t2における自車両(具体的には、レーダ装置10のアンテナ)を基準にして静止物までの距離と等距離の関係にある、距離分解能分の幅を有する円弧状の干渉範囲である。また、Km2及びKm3はそれぞれ、追尾点Jt1に基づいて追尾フィルタ(カルマンフィルタなど)を用いて求められる予測範囲である。
本実施例において、レーダ装置10は、受信回路18にて、自車両周辺の所定検知領域内における送信信号を反射した対象物の反射点の位置を検出して、対象物の観測点を求める。そして、静止/移動物判定処理部24にて、観測点ごとに、その今回処理時の観測点と前回処理時の観測点或いは更にはその前回処理時までに求めた観測点との位置関係、及び、自車両の前回処理時から今回処理時にかけての位置移動データ(例えば、自車両の速度や移動距離,移動方向など)に基づいて、今回処理時に求めた観測点が示す対象物が静止物であるか或いは移動物であるかを判別する(ステップ100)。
レーダ装置10は、対象物の観測点を全く検出しない場合は、以後、何ら処理を進めることなくルーチンを終了する。一方、上記ステップ100において対象物の観測点を検出しかつその観測点が示す対象物が道路路面上で静止する静止物であると判別した場合は、次に、次回処理時にその静止物が同じ位置に存在するものとしたときにその静止物の観測点(反射点)に対して送信信号の反射波が干渉し得る干渉範囲Knを設定する(ステップ110)。
上記の干渉範囲Knは、次回処理時の自車両(具体的には、レーダ装置10の受信アンテナ20)の位置を基準としてその自車両から静止物までの距離と略等距離の関係にある円弧状に形成され、かつ、距離分解能分の幅を有する範囲である。この干渉範囲Knの設定は、上記の如く検出された静止物の観測点と、今回処理時における自車両の位置及び速度に基づいて算出される自車両が次回処理時に到達すると予測される位置との関係に基づいて行われる。
また、レーダ装置10は、上記ステップ100において対象物の観測点を検出しかつその観測点が示す対象物が道路路面上で移動する移動物であると判別した場合は、次に、カルマンフィルタなどの追尾フィルタを用いて、自車両が追尾すべき移動物の追尾点を求め、その移動物が次回処理時に到達すると予測される予測範囲Kmを設定する(ステップ120)。
上記の予測範囲Kmは、今回処理時の追尾点を基準としてその移動物が次回処理時までに移動する移動距離と略等距離の関係にある円弧状に形成され、かつ、所定距離分の幅を有する範囲である。この予測範囲Kmの設定は、上記の如く求めた移動物の追尾点及びその速度に基づいて行われる。
次に、レーダ装置10は、上記ステップ110において設定した、次回処理時において静止物の観測点に対して送信信号の反射波が干渉し得る干渉範囲Knと、上記ステップ120において設定した、次回処理時において移動物が到達すると予測される予測範囲Kmと、が重なり合うか否かを判別する(ステップ130)。その結果、干渉範囲Knと予測範囲Kmとが重なり合わないと判別した場合は、自車両が追尾すべき移動物の追尾点を求める次回処理を通常どおりのタイミングで行っても、静止物と移動物との間で送信信号の反射波が干渉することは無いので、以後、何ら処理を進めることなくルーチンを終了する。この場合は、次回処理は、通常どおりのタイミングで行われる。
一方、干渉範囲Knと予測範囲Kmとが重なり合うと判別した場合は、自車両が追尾すべき移動物の追尾点を求める次回処理を通常どおりのタイミングで行うと静止物と移動物との間で送信信号の反射波が干渉する可能性が高くなるので、その次回処理を通常どおりのタイミングで行わず、干渉範囲Kn内の観測点を追尾対象から除外するように追尾フィルタ(カルマンフィルタ)のパラメータ定数を変更して移動物の予測範囲Kmを変更する(ステップ140)。具体的には、追尾フィルタ(カルマンフィルタ)のパラメータ定数を、移動体の観測点に対して予測範囲Kmが示す予測時期が一制御周期分だけ遅れるように変更する。この場合は、その予測時期が次の算出時期まで延ばされ、次回処理が通常のタイミングよりも遅れて行われる。
図3に示す如く、静止物の観測点G1に対して送信信号の反射波が干渉し得る干渉範囲Kn2と、移動物が到達すると予測される予測範囲Km2と、が重なり合う場合、次回処理時に干渉範囲Kn2内に移動物が存在する可能性が高く、観測点J2が実際の位置J2−0に対して大きく異なるものとなるおそれがある。
これに対して、追尾フィルタ(カルマンフィルタ)のパラメータ定数が上記の如く変更されると、次回処理時に移動物が到達すると予測される予測範囲Kmが当初算出時のものKm2よりも先の範囲Km3となり、自車両が追尾すべき移動物の追尾点を求める次回処理が先延ばしになる。このため、次回処理時に静止物の観測点G1に対する干渉範囲Kn2と移動物の予測範囲Km3とが重なり合うことが回避され、次回処理時に検出される移動物の観測点J3が干渉範囲Kn2内に位置することが回避される。この場合は、次回処理時において、干渉範囲Kn2内に位置しない観測点J3に基づいて追尾点Jt3が求められ、追尾対象としての移動物の移動軌跡が演算されることとなる。
従って、本実施例のレーダ装置10においては、次回処理時に静止物の観測点Gに対して送信信号の反射波が干渉し得る干渉範囲Knと、次回処理時に移動物が到達すると予測される予測範囲Kmと、が重なり合う場合、すなわち、自車両からほぼ等距離にありかつ方位が異なる位置に静止物と移動物とが併存する場合、干渉範囲Kn内の観測点を追尾対象から除外するように追尾フィルタ(カルマンフィルタ)のパラメータ定数を変更することで、次回処理時に静止物と移動物との間で反射波の干渉が生ずることは抑制される。
このため、本実施例のレーダ装置10によれば、静止物の観測点Gに対して反射波が干渉し得る干渉範囲Kn内の観測点を追尾対象から除外することができるので、移動物を追尾するうえでの精度を向上させることができる。この点、本実施例によれば、静止物とのレーダ干渉に起因する移動体の追尾精度の低下を抑えつつ移動物の追尾を適切に続行することができるので、自車両において移動体の追尾に従って行われる各種制御(ブレーキ制御や警報制御など)を適切に実行させることが可能である。
尚、上記の実施例においては、レーダ装置10の送信アンテナ16から送信される送信信号が特許請求の範囲に記載した「レーダ信号」に相当している。また、受信回路18が受信アンテナ20に受信される受信信号に基づいて送信信号を反射する反射点を対象物の観測点として検出することにより特許請求の範囲に記載した「観測点検出手段」が、静止/移動物判定処理部24が観測点ごとにその観測点が示す自車両周囲に存在する対象物が静止物であるか或いは移動物であるかを判別することにより特許請求の範囲に記載した「対象物検出手段」が、追尾処理部26が図4に示すルーチン中ステップ110の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「干渉範囲設定手段」が、追尾処理部26がステップ120の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「予測範囲設定手段」が、追尾処理部26がステップ130の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「範囲重畳判別手段」が、追尾処理部26がステップ140の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「パラメータ変更手段」が、それぞれ実現されている。
ところで、上記の実施例においては、次回処理時に干渉範囲Knと予測範囲Kmとが重なり合うと判別された場合、追尾フィルタ(カルマンフィルタ)のパラメータ定数を、移動体の観測点に対して予測範囲Kmが示す予測時期が一制御周期分だけ遅れるように変更し、すなわち、追尾フィルタにおいて、検出された移動体の観測点を入力パラメータとして維持しつつ予測時期を一制御周期分だけ遅らせることとした。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、追尾フィルタ(カルマンフィルタ)のパラメータ定数の変更を、少なくとも次回処理時に干渉範囲Knと予測範囲Kmとが重なり合わないように移動体の観測点に対して予測範囲Kmが示す予測時期が変更される(遅れる或いは進める)ように行うこととしてもよい。
また、上記の実施例においては、次回処理時に干渉範囲Knと予測範囲Kmとが重なり合うと判別された場合、追尾フィルタ(カルマンフィルタ)のパラメータ定数を、移動体の観測点に対して予測範囲Kmが示す予測時期が一制御周期分だけ遅れるように変更し、すなわち、追尾フィルタにおいて、検出された移動体の観測点を入力パラメータとして維持しつつ予測時期を一制御周期分だけ遅らせることとした。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、パラメータ定数の変更を、移動体の観測点に対して一旦設定された予測範囲Kmを基準にして次の一制御周期が経過した時点での予測範囲Km´が算出されるように変更し、すなわち、追尾フィルタにおいて、検出された移動体の観測点に対して一旦設定された干渉範囲Knと重畳する予測範囲Kmを入力パラメータとしかつ次の一制御周期が経過した時点での予測時期を示す予測範囲Km´を算出することとしてもよい。
かかる変形例の構成においては、一旦設定された次回処理時の予測範囲Kmを基準にして次回処理時の新たな予測範囲Km´を算出するので、今回処理時の移動物の観測点を基準にして次回処理時の予測範囲Kmを算出するものに比べて、図5に示す如く、予測範囲Kmを狭くすることができ、次回処理時における移動体の観測点の探索を確実にすることが可能となる。
10 レーダ装置
14 送信回路
16 送信アンテナ
18 受信回路
20 受信アンテナ
24 静止/移動物判定処理部
26 追尾処理部
28 位置検出部

Claims (6)

  1. レーダから照射されたレーダ波を反射する反射点を対象物の観測点として検出する観測点検出手段と、
    前記観測点検出手段により検出される前記観測点に基づいて対象物を少なくとも静止物と移動物とに区別して検出する対象物検出手段と、
    前記対象物検出手段により対象物として静止物が検出される場合に、該静止物の前記観測点に基づいて該観測点に対して前記レーダ波の反射波が干渉し得る干渉範囲を設定する干渉範囲設定手段と、
    前記対象物検出手段により対象物として移動物が検出される場合に、該移動物の前記観測点に基づいて該移動物が今後到達し得る予測範囲を設定する予測範囲設定手段と、
    前記干渉範囲設定手段により設定される前記干渉範囲と前記予測範囲設定手段により設定される前記予測範囲とが重なるか否かを判別する範囲重畳判別手段と、
    前記範囲重畳判別手段により前記干渉範囲と前記予測範囲とが重なると判別される場合に、前記予測範囲設定手段により設定される前記予測範囲が該干渉範囲と重ならないようにパラメータ変更を行うパラメータ変更手段と、
    を備えることを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記パラメータ変更手段は、前記予測範囲設定手段による前記予測範囲の設定に用いられるパラメータ定数を変更することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記パラメータ変更手段は、前記パラメータ定数を、移動物の前記観測点に対して前記予測範囲が示す予測時期が一制御周期分だけ遅れるように変更することを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  4. 前記パラメータ変更手段は、前記パラメータ定数を、移動物の前記観測点に対して一旦設定された前記予測範囲を基準にして次の一制御周期が経過した時点での前記予測範囲が算出されるように変更することを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  5. 前記予測範囲設定手段は、前記対象物検出手段により検出された移動物の前記観測点と該観測点の検出以前に取得されたデータとに基づいて算出される追尾すべき追尾点を基準とした前記予測範囲を設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のレーダ装置。
  6. 前記対象物検出手段は、前記対象物検出手段により検出された移動物の前記観測点と該観測点の検出以前に取得されたデータとに基づいて算出される追尾すべき追尾点に基づいて、移動物の移動軌跡を検出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載のレーダ装置。
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