JP2014160006A - センサプローブ - Google Patents

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Tomoko Oshima
智子 大島
Norihiko Taketsu
典彦 武津
Noriaki Kurita
典明 栗田
Yuji Okuyama
勇治 奥山
Koji Kimata
幸司 木股
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Abstract

【課題】測定対象に対する基準ガス等の影響を最小とすることのできるセンサプローブを提供することを目的とする。
【解決手段】先端部に開口4aを有する筒状のスリーブ4とスリーブ4内に位置する棒状のセンサ(固体電解質2)とセンサの外周面とスリーブ4の内周面との間に弾性的に介在してセンサをスリーブ4内に保持する介装材5とを有するセンサプローブ1であって、介装材は、使用環境で融解してスリーブの内部空間を軸方向に気密的に遮断する融解材を含むことを特徴とする。この構成によれば、スリーブの内部空間は使用環境で軸方向に気密的に遮断されるため、基準ガス等がスリーブを通過して測定対象に達することがなく正確な測定をすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、センサプローブに関するものであり、たとえば溶融金属中のガス濃度を測定するセンサプローブに関する。
溶融(融解)金属中のガスに起因する鋳造時のピンホール等の欠陥を低減するために、溶融金属中の水素や酸素のガス成分濃度を測定するセンサが実用化されている。
特許文献1や非特許文献1は、αアルミナを基材として二価のアルカリ土類金属を含有する、800〜1700Kでの測定が可能な固体電解質の濃淡電池型水素センサを開示しており、このうち非特許文献1は基準ガスを空気とする水素センサを開示している。
これらの水素センサは、固体電解質の一端を溶融金属(溶湯)に漬け、他端を基準ガスにさらすことにより、プロトン(水素イオン)が固体電解質中を移動して電位差を生じ濃淡電池となる。この電圧を測定することにより水素濃度を検出するものである。
国際公開第2002/082068号
Okuyama, Y et al."A new type of hydrogen sensor for molten metals usable up to 1600K"、Electrochimica Acta、2009年12月30日、Vol.55、Issue 2、P470-P474
基準電極には基準ガスとなる空気を常時送り流動させている。基準ガスとして導入される空気が溶湯面に接触する場合、空気の成分が溶湯内に溶け込み、水素濃度、酸素濃度の測定値に影響を与えることがわかっている。また、逆に溶湯金属の種類によっては溶湯から測定系に有害なガスが気化して基準電極側の測定系に影響を与えることも考えられる。またこれとは別に、αアルミナを固体電解質として水素センサとした場合、耐熱衝撃性に劣るため取り扱いに注意が必要であるという問題がある。
取り扱いでの破損を防ぐために、センサを金属製等のスリーブで囲み、センサとスリーブとの間に介装材を設けることが考えられる。しかしながら、介装材の組織が密な場合は、スリーブの熱膨張が介装材を通してセンサに作用して破壊してしまう。これを防ぐため、介装材を粗いものとすると、基準ガスや、溶湯からのガスが通過してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、基準ガスが測定値に与える影響を最小とし、溶湯面から気化するガスの影響を受けず、取り扱いで破損しにくいセンサプローブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者はセンサプローブについて鋭意検討した結果、本発明に至った。本発明のセンサプローブは、先端部に開口を有する筒状のスリーブと前記スリーブ内に位置する棒状のセンサと前記センサの外周面と前記スリーブの内周面との間に弾性的に介在して前記センサを前記スリーブ内に保持する介装材とを有するセンサプローブであって、前記介装材は、使用環境で融解して前記スリーブの内部空間を軸方向に気密的に遮断する融解材を含むことを特徴としている。
この構成によれば、センサプローブはセンサの外周面とスリーブの内周面との間に弾性的に介在してセンサをスリーブ内に保持する介装材を有し、介装材は使用環境で融解してスリーブの内部空間を軸方向に気密的に遮断する融解材を含むため、基準ガス等がスリーブ4を通過して測定対象に達することがなく、正確な測定をすることができる。また、溶湯面から気化するガスが基準電極側の測定系に達することがなく、基準電極側の測定系を溶湯由来のガスから保護することができる。さらにまた、棒状のセンサは筒状のスリーブ内に位置するため、取り扱いによる破損を避けることができる。
前記介装材は、セラミック繊維の集積体で構成され、前記融解材はガラス粉末であるとよい。この構成によれば、測定対象が高温のものであってもよい。
前記センサは溶融金属中の水素濃度を測定する濃淡電池型水素センサであってもよい。溶融金属中の水素濃度を正確に測定することができる。
本発明の第1の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 本発明の第1の実施形態の組立方法を示す図である。 本発明の第2の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 本発明の第2の実施形態の組立方法を示す図である。 本発明の第3の実施形態を模式的に示す縦断面図である。
以下、本発明の電子装置の具体的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態のセンサプローブ1は、溶融金属(溶湯)を銅とする水素濃度センサであり、図1に示すように、セラミック製の固体電解質2と、固体電解質2の内面側に収容された熱電対3と、固体電解質2の周りを取り囲むように設けられたスリーブ4と、固体電解質2とスリーブ4との間を所定間隔保つために介在するセラミックロープ5と、セラミックロープ5とガラス粉末層7を保持するための無機接着剤6と、溶湯に漬けたときに軟化してガラス層を形成するガラス粉末層7とからなっている。
固体電解質2は、水素濃度を検出するセンサとして作用する部分であって、図1に示すように断面U字状の、先端(図では下端)が閉じた管状のものであり、内面に白金質電極を設けてある。固体電解質2の材質は、αアルミナを基材とし、アルミナ(Al)99.5質量%以上、酸化マグネシウム(MgO)0.2質量%以下、もしくは酸化カルシウム(CaO)0.05質量%以下のアルカリ土類金属を含有するものを使用した。酸素の影響を受けず、800〜1700Kの領域で正確な水素濃度の測定が可能なものである。
二価のアルカリ土類金属を含有したαアルミナは、高温においてプロトン導電性を示す固体電解質として作用するので、一方の面が水素を含有した溶湯に接すると、固体電解質の中をプロトンが移動し、基準ガスに接した他方の面に達し、電位差が生じ濃度電池となる。一方の面と他方の面との電位差を測定し、事前に校正しておいた値と対照することにより、溶湯の水素濃度とする。実施形態では、固体電解質2の外側の凸面が溶湯に接し、内側の凹面が基準ガスに接する。
熱電対3は管状の固体電解質2の内部の空間に収容されている。熱電対3は、白金−白金ロジウムの熱電対であり、2穴のアルミナ製の絶縁管3aに収容されている。先端の熱接点部が保護管3aから露出されたタイプであり、固体電解質2の内面に固定され、電気的に接続されている。
αアルミナからなる固体電解質2の管の厚さは0.75mmであり、また比熱も大きくないため、管の内外での温度差は無視できる。熱電対3は溶湯に直接漬けられないため、熱電対3を保護することになる。固体電解質2の起電力は水素濃度の他、温度にも依存するため、水素濃度を確定するために温度の測定は必須である。従来は非特許文献1に示されるように、熱電対を窒化ケイ素(Si)の管内に収容して溶湯に漬けることにより、溶湯から保護するようにしていたが、本実施形態では固体電解質2の管内に熱電対3を収容することにより、熱電対用の管を省略し、また、固体電解質2のリード線を、熱電対3で兼用することにより省略し簡素な構成としている。
熱電対3は、固体電解質2の内面に白金ペースト等を用いて、所定の焼結条件により接続される。白金ペーストは焼結後ポーラス状となり、基準ガスである空気を透過する。よって固体電解質2の内面のポーラス状の白金部が基準電極となる。
スリーブ4は、下端は閉じているが側面にスリット4aが開口しており、溶湯に漬けられた際には溶湯がスリーブ4内側に侵入し固体電解質2に接触できるようにしている。スリット4aの位置が先端に近いと固体電解質2に溶湯が接しないため、固体電解質2の位置まで溶湯が侵入して接することができるような位置とする。スリーブ4は下端が開放されている形状でもよい。
スリーブ4の材質は耐熱ステンレスである。スリーブ4により、取り扱いによるセラミックの固体電解質2の破損を防ぐことができる。また、スリーブ4は導電性なので、測定電極として機能させることができるため、別途電極棒を用意する必要はない。
測定電極としてステンレス製のスリーブ4を用いるため、水素濃度の測定回路は、電圧計(−側)−スリーブ(測定電極)−溶湯(銅)−固体電解質(水素センサ、αアルミナ)−電極(白金、基準電極)−熱電対(白金側)−電圧計(+側)となる。また、電池図式は、
(−、work.)、Cr−Ni−Fe、Cu(H)|α−Al|Pt(air)、
(ref.+)……(1)
となる。なお、熱電対3による測定と、熱電対3の白金側を利用した水素濃度の測定は回路を切り替えて交互に行う。
セラミックロープ5は溶湯温度で影響されないセラミック繊維からなる「ひも」であり、固体電解質2に巻きつけることにより、固体電解質2がスリーブ4のほぼ中央に配置されるようにする。また、固体電解質2とスリーブ4との間を塞ぐので、溶融金属の侵入と基準ガスが溶湯面に達することを妨げるという効果もある。しかしながら、セラミックロープ5には細かな隙間があり、気密性は完全ではない。
無機接着剤6はセラミックロープ5を固定し、ガラス粉末層7を保持するためのものである。乾燥、硬化後はポーラス状となるため気密性はない。
ガラス粉末層7は図に示すように上下を無機接着剤6に挟まれている。センサプローブ1が溶湯に漬けられる際、熱伝導により軟化点(900℃から1000℃程度)以上に昇温して液状化したガラス層となる。これにより、スリーブの中で、基準ガスが入る空間と溶湯面のガスの空間とが遮断され、基準ガスが溶湯面に到達することがなくなる。なお、軟化点の高いガラス粉末を使用した。
組立方法を述べる。図1に示すように、固体電解質2の周囲二箇所にセラミックロープ5を巻きつけ、スリーブ4の内径とほぼ同じになるようにしスリーブ4に挿入する。つづいて、図2に示すように、上下を逆にし、先端のスリーブ4の側面に設けられたスリット4aから無機接着剤6をセラミックロープ層の上に一様な層ができるまで充填し(図2(a))、所定条件で乾燥、硬化処理を行う。つぎに同様にスリット4aからガラス粉末を入れ、無機接着剤6の層の上にガラス粉末層7を形成する(図2(b))。さらに再び無機接着剤6を充填し(図2(c))、乾燥、硬化処理を行う。
このように固体電解質2とスリーブ4との間にはセラミックロープ5と無機接着剤6とガラス粉末層7(溶湯に漬けられたときには溶融ガラスとなる)が介在することになり、スリーブ4の上部から基準ガスとして導入される空気が溶湯面に接触し、空気の成分が溶湯内に入り込み水素濃度、酸素濃度の測定値に影響を与えることを防ぐよう、空気の流入を防止している。
さらに、セラミックロープ5で巻くことは、固体電解質2とスリーブ4の内面との距離を所定間隔として、固体電解質2が局部的にスリーブに近接しすぎて、周方向の温度が不均一にならないよう距離を保ち、均一に温度上昇させて熱衝撃から防ぐ機能がある。また、巻きつけたセラミックロープ5は弾性があるため、溶湯に漬ける際にスリーブ4と固体電解質2の熱膨張係数の違いによる熱膨張の違いを吸収して、固体電解質2に不要な力を加えないようにしている。
以上、説明したことから明らかなように、第1の実施形態によれば、センサプローブ1は、先端部に開口(スリット4a)を有する筒状のスリーブ4とスリーブ4内に位置する棒状のセンサ(固体電解質2)とセンサの外周面とスリーブ4の内周面との間に弾性的に介在してセンサをスリーブ4内に保持する介装材(セラミックロープ5)とを有するセンサプローブ1であって、介装材5は、使用環境で融解してスリーブの内部空間を軸方向に気密的に遮断する融解材(ガラス粉末層7)を含むことを特徴としている。
この構成によれば、介装材5は使用環境で融解してスリーブ4の内部空間を軸方向に気密的に遮断する融解材7を含むため、基準ガス等がスリーブ4を通過して測定対象に達することがないため正確な測定をすることができる。また、溶湯面から気化するガスが基準電極側の測定系に達することがなく、基準電極側の測定系を溶湯由来のガスから保護することができる。さらにまた、棒状のセンサは筒状のスリーブ内に位置するため、取り扱いによる破損を避けることができる。
また、介装材(セラミックロープ5)は、セラミック繊維の集積体で構成され、融解材(ガラス粉末層7)はガラス粉末であることを特徴としている。この構成によれば、測定対象が高温のものであっても適用することができる。
センサ(固体電解質2)は溶融金属中の水素濃度を測定する濃淡電池型水素センサであることを特徴としている。この構成によれば、溶融金属中の水素濃度を正確に測定することができる。
なお、図2(d)に示すようにスリーブ4は、端の部分が無いものでもよい。すなわちスリーブ4はセンサー(固体電解質2)の先端部を覆うものでなくともよい。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態のセンサプローブ1は、図3に示すように、固体電解質2と、固体電解質2の内面側に収容された熱電対3と、固体電解質2の周りを取り囲むように設けられたスリーブ4と、スリーブ4の内側に配置された酸素センサ8と、スリーブ4と、酸素センサ8と固体電解質2との間を所定間隔保ち、またスリーブ4との間を所定間隔保つために介在するセラミックロープ5と、セラミックロープ5とガラス粉末層7を保持するための無機接着剤6と、溶湯に漬けたときに軟化してガラス層を形成するガラス粉末層7とからなっている。これにより、水素濃度と温度に加え、酸素濃度の測定も可能としている。
酸素センサ8は、すでに実用化されているもので、アルミノケイ酸塩からなる支持管8a内に鉄からなるリード線(不図示)を収め、マグネシウムを含んだジルコニア(ZrO)を主体とする固体電解質を先端に配置した濃淡電池型酸素センサである。各実施形態に示したαアルミナを用いた固体電解質2は、従来の水素センサと異なり、酸素濃度に影響されない測定が可能である。しかしながら、金属の溶湯としては、酸素量の管理が必要であり、酸素濃度の測定を行う必要があるため、センサプローブ1として一体化して、測定回路を切り替えることにより水素濃度、温度、酸素濃度の三種類の測定を可能とした。
組立方法を述べる。図4に示すように、固体電解質2と酸素センサ8の支持管8aの周囲二箇所(図示は図3)にセラミックロープ5を、ほぼ同じ太さになるよう巻きつけ、次に両者の間にスペーサとしてセラミックロープ5を適宜配置して、さらに個別に両者に巻きつけたセラミックロープ5の上から全体の周りに、円形になるようセラミックロープ5を巻きつけ、スリーブの内径とほぼ同じになるようにしスリーブ4に挿入する。なお、このとき図4にあるような隙間はセラミックロープ5の切れ端で塞いでおく。
つづいて、第1の実施形態の図2と同様にして無機接着剤6を使ってガラス粉末層7を形成し、図3に示す形とする。使用した無機接着剤6は粘性の高いものを使用したため、セラミックロープ層に少々の隙間があってもスリーブ4内に抜け落ちることはなかった。
セラミックロープ5は、二つのセンサの距離を所定間隔として、互いに悪影響を及ぼさないようにすることや溶湯の動きを阻害しないようにする他、センサが局部的にスリーブに近接しすぎて、センサの周方向の温度が不均一にならないよう距離を保ち、均一に温度上昇させて熱衝撃から防ぐ機能がある。また、巻きつけたセラミックロープ5は弾性があるため、溶湯に浸漬する際にスリーブ4とセンサの熱膨張係数の違いによる膨張率の違いを吸収して、センサに不要な力を加えないようにしている。
酸素濃度の測定電極としては固体電解質2と同様にステンレス製のスリーブ4を用いることができる。したがって、酸素濃度の測定回路は、電圧計(−側)−スリーブ(測定電極)−溶湯(銅)−酸素センサ(ジルコニア)−リード線(鉄、基準電極)−電圧計(+側)となる。また、電池図式は、
(−、work.)、Cr−Ni−Fe、Cu(O)|ZrO(+MgO)|
Fe、(ref.+)……(2)
となる。水素濃度と温度と酸素濃度の測定は、回路を切り替えることにより任意の測定が可能である。たとえば、水素濃度を重点的に測定したい場合、水素濃度→酸素濃度→水素濃度→温度→水素濃度の順番とする等、注目するパラメータの測定頻度や順番を変更できる。
以上に述べたように第2の実施形態によれば、センサプローブ1は、溶融金属を銅として、固体電解質2(水素センサ)と、熱電対3と、ステンレス製のスリーブ4と、酸素センサ8とからなることを特徴としている。この構成によれば、センサプローブ1により水素濃度、温度、酸素濃度を測定することが可能となる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態のセンサプローブ1は、図5に示すように、固体電解質2と、固体電解質2の内面側に収容された熱電対3と、固体電解質2の周りを取り囲むように設けられたスリーブ4と、スリーブ4の内側に配置された酸素センサ8と、スリーブ4と、酸素センサ8と固体電解質2との間を所定間隔保ち、またスリーブ4との間を所定間隔保つために介在するセラミックロープ5と、セラミックロープ5とガラス粉末層7を保持するための無機接着剤6と、溶湯に浸漬したときに軟化してガラス層を形成するガラス粉末層7と、スリーブ4の先端に設けられた、溶融金属と同種の銅製のキャップ状の保護部9とからなっている。固体電解質2は水素濃度を検出するセンサとして作用する部分であって、αアルミナからなるセラミック製である。酸素センサ8はジルコニアを主体とする固体電解質である。たとえば銅の融点は1083.4℃であるから、溶融金属の温度はこれより高く、これらのセンサを室温から溶融金属に浸漬すると熱衝撃により破壊されてしまう。このような破壊を防ぐため、使用前に徐々に加熱して予熱しておくことが必要となっている。保護部9はこの予熱時間を短縮し、これらのセンサを熱衝撃による破壊から守るために設けるものである。
保護部9は、スリーブ4の先端に機械的嵌合によって固定されている。材質は溶湯に合わせて溶湯の組成を維持するものとし、本実施形態では溶湯がタフピッチ銅であったためこれに合わせタフピッチ銅とした。厚さが10mm以上のときに熱衝撃を緩和する効果が良好であったが、固体電解質2の熱容量等により変化する性質のものであるから、これに限定するものではない。
保護部9は、水素濃度を測定するためにセンサプローブ1の先端が溶湯に漬けられる際に漬けられ、溶湯の熱により溶融して消失する。この過程において、保護部9は、スリーブ4やスリーブ4と各センサの間の空間を介して間接的に固体電解質2や酸素センサ8に熱を伝えながら溶けていくため、熱電対3で測定している固体電解質2の温度は比較的ゆるやかに上昇する。また酸素センサ8も同様にゆるやかに上昇すると考えられる。したがって、熱衝撃によりこれらのセンサにクラックが発生する可能性が減少する。
水素濃度、酸素濃度を測定するためにセンサプローブ1の先端が溶湯に漬けられる場合、まず保護部9が直接溶湯に接し、熱により溶融して消失する。この過程において、保護部9はスリーブ4に熱を伝えながら溶けていき、スリーブ4はスリーブ4と固体電解質2や酸素センサ8との間の空間の空気の温度を上昇させるので、固体電解質2や酸素センサ8の温度は上昇する。また、スリーブ4の内面からの放射熱によっても固体電解質2や酸素センサ8の温度は上昇する。また、先端部よりやや上部の位置で固体電解質2や酸素センサ8とスリーブ4とは無機接着剤6によって接触しているため、この無機接着剤6によっても伝わる。しかしながら、これらによる温度上昇は直接接触することによる温度上昇ほど急激ではない。その後保護部9が消失すると、溶湯はスリーブ4内にスリット4aを通って侵入し、直接固体電解質2や酸素センサ8に接し、溶湯の水素濃度や酸素濃度の測定が可能となる。したがって、熱電対3で測定している固体電解質2の温度は他の実施形態よりゆるやかに上昇する。また酸素センサ8も同様にゆるやかに上昇すると考えられる。よって、熱衝撃によりクラックが発生する可能性が減少する。
保護部9が溶融して消失すると、各センサが直接溶湯に接し測定が可能となるが、これは熱電対3により測定されている温度が平衡になったことをもって判断し、水素濃度測定、酸素濃度測定を開始するものとする。
本実施形態の組立手順を述べる。第2の実施形態につづいて、スリーブ4の先端に保護部9を嵌挿し、図5に示すようなスリーブ4と保護部9との接触部に無機接着剤6を塗布し、所定の乾燥、硬化処理を行い接着する。
以上、説明したことから明らかなように、第3の実施形態によれば、センサプローブ1は、溶融金属を銅として、固体電解質2(水素センサ)と、熱電対3と、ステンレス製のスリーブ4と、酸素センサ8と、溶融金属と同様の材質からなるキャップ状の保護部9とからなることを特徴とする。
この構成によれば、センサプローブ1を溶湯に漬けた際、スリーブ4等に熱を伝えながら溶けていくため、熱電対3で測定している固体電解質2の温度はゆるやかに上昇する。また酸素センサ8も同様にゆるやかに上昇すると考えられる。よって、熱衝撃により固体電解質2や酸素センサ8にクラックが発生する可能性が減少する。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
各実施形態では溶融した銅の水素濃度をαアルミナの固体電解質で測定するものとしたが、他の金属の溶湯のガス濃度を測定する別のセンサであってもよい。その際ガラス粉末層のガラスの軟化点は、溶湯の温度を考慮して適切なものを選定する。外部のガスや空気による影響の少ない測定をすることができる。また、保護部の材質は溶湯に合わせた同種のものとする
スリーブ4の材質は溶湯を銅として耐熱ステンレスとしたが、溶湯に対する耐蝕性があり、機械強度があるものを選定すれば他の金属でもよい。また、導電性であれば金属とは限らず、たとえば炭化ケイ素(SiC)等が利用できる。
スリーブ4は、側面にスリットが設けられていたが、下方が開放していてもよい。
第3の実施形態では、センサとスリーブの間の空間に銅粉を入れるようにしてもよい。さらに熱容量が大きくなり、また、保護部が溶けた後も各センサの周囲には銅粉があるため、これが熱を伝えつつ溶融するため、溶湯が接触するまでの温度上昇がさらにゆるやかとなる。また、溶湯は銅以外でもよく、このとき銅粉や保護部は溶湯と同じ材質とする。
各実施形態では、水素濃度、酸素濃度を測定するものとしたが、それ以外の溶湯がガスの影響を避けるべき測定をするセンサ類にも適用することが可能である。
1 センサプローブ
2 固体電解質(水素センサ)
3 熱電対
3a 保護管
4 スリーブ
4a スリット
5 セラミックロープ(介装材)
6 無機接着剤
7 ガラス粉末層
8 酸素センサ
8a 支持管
9 保護部

Claims (3)

  1. 先端部に開口を有する筒状のスリーブと前記スリーブ内に位置する棒状のセンサと前記センサの外周面と前記スリーブの内周面との間に弾性的に介在して前記センサを前記スリーブ内に保持する介装材とを有するセンサプローブであって、
    前記介装材は、使用環境で融解して前記スリーブの内部空間を軸方向に気密的に遮断する融解材を含むことを特徴とするセンサプローブ。
  2. 前記介装材は、セラミック繊維の集積体で構成され、前記融解材はガラス粉末である請求項1に記載のセンサプローブ。
  3. 前記センサは溶融金属中の水素濃度を測定する濃淡電池型水素センサである請求項1または2に記載のセンサプローブ。
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