JP4014250B2 - 炭酸ガスセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気相中の炭酸ガス(CO2ガス)の濃度を測定するための、固体電解質を用いた炭酸ガスセンサ、特に濃淡電池型の炭酸ガスセンサに関する。本発明の炭酸ガスセンサは、環境制御、医療技術、施設園芸、醗酵工業等の広い技術分野において、炭酸ガス濃度の測定及びその測定結果に基づく濃度制御などに使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ナトリウムイオン伝導性を有する固体電解質素子を用いた濃淡電池型炭酸ガスセンサが知られている。その基本的構成は、イオン伝導体である固体電解質素子の両側に基準電極と検知電極とが設けられ、検知電極に炭酸ナトリウム等が被覆されている。この従来の濃淡電池型炭酸ガスセンサを用いて炭酸ガス濃度の測定をする際には、ヒータにより一定温度に加熱され、検知電極と基準電極との間に生じる起電力を測定する。
【0003】
この濃淡電池型炭酸ガスセンサでは、測定精度や安定性等を維持するために基準電極側を外気もしくは被測定ガスと接触しないように遮断する構造とする必要がある。このように遮断構造を有するものとして、例えば、特開昭60−256043号公報には、金属電極が形成された固体電解質の表面の一部に金属塩層を焼付け形成し、その表面の残余の部分を耐熱性無機被覆剤で密閉被覆した構造のものが開示されている。また、特開平5−80021号公報には、両面に基準電極と検知電極とが形成されたナトリウムイオン伝導体が、裏面にヒータを設けたセラミック基板上に配され、その側面をガラス等からなるカバーで覆うことによって封止された構造のものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のような遮断構造では、被覆剤やカバー等の遮断部材が固体電解質素子に外付けされた構造であるため、遮断部材自体が外気と接触する面積が大きく、遮断部材にクラックが入ったり、加熱下での長期間の使用により固体電解質との界面に剥離が生じたりするおそれがある。また、外気に接する面積が大きいことにより保温性に乏しく、固体電解質の温度安定性が得られない。その結果、出力の不安定化あるいは変動をきたす等の問題がある。
【0005】
また、検知電極上に設けられる金属炭酸塩は一般的に非等方的な熱膨張係数を有しており、焼結性も高くない。そのため、昇温と降温とを何度も繰り返すと粒子間の結合が弱くなるとともに微小な亀裂等が発生し、見掛け上は金属炭酸塩が膨張してしまう。その結果、検知電極と金属炭酸塩との接触状態が変化し、センサの特性が不安定となり、長期間にわたって使用した場合に金属炭酸塩が検知電極から剥離してしまいセンサとしての機能を失うという問題もある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、固体電解質からなるイオン伝導体の基準電極側を外気もしくは被検ガスより効果的に遮断するとともに保温性を高め、出力のバラツキを低減させ、また加熱のための消費電力を低減させてなる濃淡電池型の炭酸ガスセンサを提供することを目的とする。
【0007】
請求項1の炭酸ガスセンサに係る発明は、発熱体を内蔵する基体に、基準電極と、固体電解質からなるイオン伝導体層と、検知電極と、金属炭酸塩層とがこの順に形成されてなり、前記イオン伝導体層が前記基体の一主表面に設けられた窪み部に配置されており、前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隙にシール材が充填されており、且つ前記シール材が、基準電極側が非晶質ガラス、検知電極側が結晶化ガラスであり、前記固体電解質がLiイオン伝導性固体電解質であることを特徴とする。
請求項2の炭酸ガスセンサに係る発明は、発熱体を内蔵する基体に、基準電極と、固体電解質からなるイオン伝導体層と、検知電極と、金属炭酸塩層とがこの順に形成されてなり、前記イオン伝導体層が前記基体の一主表面に設けられた窪み部に配置されており、前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隙にシール材が充填されており、且つ前記シール材が、基準電極側が非晶質ガラス、検知電極側が結晶化ガラスであり、前記固体電解質がNaイオン伝導性固体電解質であることを特徴とする。
【0008】
請求項3の炭酸ガスセンサに係る発明は、発熱体を内蔵する基体に、基準電極と、固体電解質からなるイオン伝導体層と、検知電極と、金属炭酸塩層とがこの順に形成されてなり、前記イオン伝導体層、検知電極及び金属炭酸塩層が前記基体の一主表面に設けられた窪み部に配置されており、前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隙にシール材が充填されており、且つ前記シール材が、基準電極側が非晶質ガラス、検知電極側が結晶化ガラスであり、前記固体電解質がLiイオン伝導性固体電解質であることを特徴とする。
請求項4の炭酸ガスセンサに係る発明は、発熱体を内蔵する基体に、基準電極と、固体電解質からなるイオン伝導体層と、検知電極と、金属炭酸塩層とがこの順に形成されてなり、前記イオン伝導体層、検知電極及び金属炭酸塩層が前記基体の一主表面に設けられた窪み部に配置されており、前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隙にシール材が充填されており、且つ前記シール材が、基準電極側が非晶質ガラス、検知電極側が結晶化ガラスであり、前記固体電解質がNaイオン伝導性固体電解質であることを特徴とする。

【0009】
請求項5の炭酸ガスセンサに係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサであって、前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隔が0.05〜1.0mmであることを特徴とする。
【0010】
請求項6の炭酸ガスセンサに係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサであって、前記シール材の非晶質ガラスがCaO−BaO−SiO2系ガラスであることを特徴とする。また、結晶化ガラスがSiO2−BaO−Al23系結晶化ガラスであることが好ましい(請求項7)。また、前記シール材が前記固体電解質と同材質からなる粒子を80体積%以下含有してなることが好ましい(請求項8)。また、前記シール材に含まれるアルカリ金属成分が酸化物換算で5重量%以下であることが好ましい(請求項9)
【0011】
また、前記非晶質ガラスの軟化点が、前記結晶化ガラスの軟化点より高いことが好ましい(請求項10)。
【0012】
請求項11の炭酸ガスセンサに係る発明は、請求項1または請求項3に記載の炭酸ガスセンサであって、固体電解質が、LiSmSiO 4 を主結晶相とするものである。このとき、前記固体電解質が主結晶相である前記LiSmSiO4の他にAl23を含有するもの(請求項12)、または、主結晶相である前記LiSmSiO4の他にZrO2を含有するもの(請求項13)が好ましい。
【0013】
また、前記固体電解質がLiイオン伝導性固体電解質である場合には、前記金属炭酸塩層が炭酸リチウム(Li2CO3)または炭酸リチウムとアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、CaCO3、BaCO3等)とを主成分とすることが好ましい(請求項14)。さらに、このときの前記基準電極について、少なくとも前記イオン伝導体層と接する部分がAuからなることが好ましい(請求項15)。
【0014】
請求項16の炭酸ガスセンサに係る発明は、請求項1または請求項3に記載の炭酸ガスセンサであって、前記固体電解質が、NASICON(Na 1+X Zr 2 Si X 3 X 12 、0<X<3)を主結晶相とするものである。このとき、前記固体電解質が主結晶相である前記NASICONの他にZrO2を含有するものが好ましい(請求項17)。

【0015】
また、前記固体電解質がNaイオン伝導性固体電解質である場合には、前記金属炭酸塩層が炭酸リチウム(Li2CO3)または炭酸リチウムとアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、CaCO3、BaCO3等)とを主成分とすることが好ましい(請求項18)。さらに、このときの前記基準電極について、少なくとも前記イオン伝導体層と接する部分がPtからなることが好ましい(請求項19)。
【0016】
請求項20の炭酸ガスセンサに係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサであって、前記検知電極がAuからなることを特徴とする。また、請求項21の炭酸ガスセンサに係る発明は、請求項1または請求項2に記載の炭酸ガスセンサであって、前記イオン伝導体層の検知電極側の面が前記基体の一主表面と同一面上にあることを特徴とする。
【0017】
請求項22の炭酸ガスセンサに係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサであって、基体の前記一主表面に対して垂直な方向から見た場合、前記発熱体の有効発熱部の占有面積を1としたときの前記イオン伝導体層の面積が0.05〜1.30であることを特徴とする。
【0018】
請求項23の炭酸ガスセンサに係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサであって、発熱体、基準電極及び検知電極から基体の表面または側面に導出される各配線端部と導電性の接続部材を介して間接的に台座に取り付けられることを特徴とする。このとき、基体の前記一主表面に対して垂直な方向から見た場合、前記発熱体の有効発熱部の占有面積を1としたときの前記基体の面積が1.1〜3であることが好ましい(請求項24)。
【0019】
請求項25の炭酸ガスセンサに係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサであって、固体電解質の開気孔率が体積基準で15%以下であることを特徴とする。また、請求項26の炭酸ガスセンサに係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサであって、前記金属炭酸塩層内に金属網状体が設けられていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
上述のとおり。本発明のガスセンサ(以下。単に「センサ」ともいう)は、発熱体を内蔵する基体に、基準電極と、固体電解質からなるイオン伝導体層と、検知電極と、金属炭酸塩層とがこの順に形成されてなり、前記イオン伝導体層、またはこれに加えて前記検知電極及び前記金属炭酸塩層が前記基体の一主表面に設けられた窪み部に配置されており、前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隙にシール材が充填されており、且つ前記シール材が、基準電極側が非晶質ガラス、検知電極側が結晶化ガラスであることを基本的な構成とする。
【0021】
このセンサを測定ガス雰囲気中に置き、発熱体に通電すると、基準電極及び検知電極において次の反応が起こる。
検知電極側:M2CO3 ←→ 2M+ + (1/2)O2 + 2e- + O2
基準電極側:2M+ + (1/2)O2 + 2e- ←→ M2
なお、上記式中のMはアルカリ金属である。その結果、検知電極と基準電極との間には、測定雰囲気中の炭酸ガス分圧の対数値に応じて直線的に変化する起電力が発生するため、この起電力を計測することにより雰囲気中の炭酸ガス濃度を測定することができる。
【0022】
上記の「基体」は、センサの外形を構成する支持体となるものであって、全体の機械的強度を支えるものであるとともに、電気的絶縁性、耐熱性にも優れるものであることが望ましく、例えば比較的剛性が高く絶縁性にも優れたアルミナ等のセラミックスからなるものが好適である。また基体は、平板状、棒状、円柱状、円筒状など各種の形状とすることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0023】
さらに本発明においては、炭酸ガスの検知部位となる基体の一主表面に窪み部が設けられている。この窪み部は固体電解質からなるイオン伝導体層を一定の間隔を有しながら収容し得る形状と大きさを有し、特にその深さはイオン伝導体層の厚さとほぼ同じとなるように形成されている。この窪み部の中に基準電極及びイオン伝導体層を収容しシール材でシールすることによって、基準電極とイオン伝導体層とが基体に埋設された形となり、外気(被検ガス)との遮断性が確保されるとともに、保温性にも優れることとなる。また、このように窪み部を設けた構造とすることにより、充填されるシール材の量を低減することができるとともにその露出面積も小さくできるため、シール部の割れ不良や劣化を抑える効果がある。また、充填すべき部分が窪み部であるため、充填時に流動性の高いシール材を用いることも可能となる。
【0024】
上記の「発熱体」としては、イオン伝導体層を構成する固体電解質全体を200〜800℃程度の範囲の温度に加熱し均一に保持することができる面状ヒータ等を好ましく使用することができる。例えば、アルミナなどのセラミックからなる基板の一表面もしくはその内部であって、前記窪み部の形成位置に相当する部分に白金などからなる発熱体素子を配設したものを用いることができる。また、この発熱体としては、絶縁材料からなるシートの片面に、白金、ロジウム、白金−ロジウム合金、ニッケル−クロム合金、タングステン、モリブデンなどを、スパッタリング法、蒸着法、メッキ法、ペースト焼き付け法などによって長尺の帯状に形成し、その上から絶縁材料を積層したものを使用することもできる。
【0025】
上記の「基準電極」は、固体電解質からなるイオン伝導体層の片面に導体ペースト、例えば市販の金ペーストを印刷し、900℃前後の温度で10分間焼成する等の方法により形成できる。また、この基準電極は白金を用いて形成されていてもよく、印刷法の他に蒸着法、スパッタ法などにより形成してもよく、塗布焼き付け法により厚膜に形成してもよい。
【0026】
上記の「イオン伝導体層」は、固体電解質から構成される。この固体電解質は、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンのいずれかを伝導種とするものであれば好ましいが、より好ましいのはリチウムイオン又はナトリウムイオンを伝導種とするものである。リチウムイオンを伝導種とする固体電解質としては、例えば、LISICON(Lithium Super Ionic Conductor)、LiAlSiO4、LiLnSiO4 (Ln;ランタニド元素、例えばSm、La、Ndなど)、Li3.6Si0.60.44及びLiTi2(PO43などを用いることができる。この中で特に好ましいのは、LiLnSiO4 であってランタニド元素としてSmを選択した場合の、すなわち、LiSmSiO4を主結晶相とするものである。なお、前記のリチウムイオン伝導性の固体電解質においては、主結晶相の他にAl23またはZrO2を含有していてもよい。これらを含有することにより、固体電解質自体の機械的強度が向上するとともに、センサの特性として湿度の影響の少ないものが得られるからである。
【0027】
一方、ナトリウムイオンを伝導種とする固体電解質としては、例えば、NASICONとも称されるNa1+XZr2SiX3ーX12(0≦X≦3)、ベータ・アルミナ(Na2O・nAl23、5≦n≦11)等が用いられるが、NaAlSi310、NaAlSi410等も使用することもできる。この中で特に好ましいのはNASICON(特に前記一般式においてX=2のもの)を主結晶相とするものである。なお、前記のナトリウムイオン伝導性の固体電解質においては、主結晶相の他にZrO2を含有していてもよい。これらを含有することにより、湿度によるセンサ出力の変化、すなわち湿度依存性を低減することができるからである。
【0028】
また、湿度依存性は、これらの固体電解質からなるイオン伝導体層の開気孔の量によっても変化し、開気孔の量を少なくするほど湿度依存性を低減することができる。具体的には、開気孔率が体積基準で15%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは2%以下である。さらに、開気孔の全細孔体積が0.05cc/g以下、特に0.03cc/g以下であることが好ましい。これらの気孔特性は、例えば水銀圧入式の気孔分布測定装置(ポロシメーター)を用いて測定することができる。
【0029】
上記の「検知電極」は、上記固体電解質の表面に導体ペーストを印刷したり、あるいは導体材料をスパッタリング若しくは蒸着等の方法により形成されるが、開孔部を有するメッシュ状(網状)の膜として形成されたものが好ましい。このようにすれば検知電極の各開孔部において、金属炭酸塩層とイオン伝導体層とが密着し得るため、金属炭酸塩層がイオン伝導体層である固体電解質と確実に且つ強固に接合されたセンサを作製することができる。
【0030】
上記の「金属炭酸塩層」は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩を用いて形成することができる。具体的には、必要であればこれら炭酸塩を水、アルコール等の溶媒及び有機結合剤等と適宜混合してペースト状若しくは溶液とし、その後、イオン伝導体層の検知電極が形成もしくは配置された面に塗布し、乾燥した後、所要温度にて焼成することにより形成することができる。
【0031】
長期間の加熱冷却繰り返し使用による金属炭酸塩層の剥離を防止するためには、金属網状体を検知電極上に配して固定し、この金属網状体を埋入するように金属炭酸塩層を形成することが好ましい。この金属網状体の材質としては、Au、Pt等の貴金属からなるものが好ましい。金属網状体は必ずしも検知電極と接触している必要はないが、固体電解質素子または基体の一部に固着されていることが望ましい。また、金属網状体の開口幅や線径等の形状については特に限定されず、市販のものを適宜用いることができる。
【0032】
上記の「シール材」としては非晶質ガラスまたは結晶化ガラスを好ましく用いることができる。また、非晶質ガラスとしては特にCaO−BaO−SiO2系ガラスを、結晶化ガラスとしては特にSiO2−BaO−Al23系結晶化ガラスを好ましく用いることができる。これらは上記の各酸化物成分を必須の構成成分とするものであるが、軟化点や熱膨張特性等に大きな影響を与えない範囲内でその他の成分を含んでいてもよい。このとき、上記各ガラスが前記固体電解質と同材質からなる粒子を80体積%以下(特に、固体電解質がLiイオン伝導性固体電解質である場合にあっては10〜80体積%)含有していることはさらに好ましい。前記範囲で含有していることにより、シール材と固体電解質との熱膨張差が緩和されてシール部に割れや剥離等が発生するのを防止する効果があるからである。また、上記各ガラス中に含まれるアルカリ金属成分(例えば、NaやK)の含有量が酸化物換算で5重量%以下であることが特に好ましい。5重量%を越えて含有する場合には、ガラス中のアルカリ金属成分が固体電解質もしくは金属炭酸塩と反応し、センサの耐久性に影響を与えるからである。
【0033】
シール材として上記のガラスを使用する場合において、非晶質ガラスと結晶化ガラスとの両者を組み合わせて使用することもできる。この場合、イオン伝導体層と窪み部の周壁との間隙のうち、窪み部の深さ方向に見て基準電極形成側の部分を非晶質ガラスでシールし、検知電極形成側の部分を結晶化ガラスでシールすることが好ましいが、前記間隙のうち、少なくとも後述する検知電極から導出される検知電極用配線が形成される部分については、結晶化ガラスでシールされることが好ましい。検出電極及び検出電極用配線の形成の際の熱処理によってシール材の軟化・流動による配線の断線等を防ぐためである。また、その両ガラスの体積割合は、その合計を100体積%としたとき、非晶質ガラスが50〜98体積%、結晶化ガラスが50〜2体積%の範囲内で好ましく用いることができる。非晶質ガラスが上記範囲より少ない場合には、基準電極を外気もしくは被検ガスから遮断するための気密性が不十分となりやすく、一方、上記範囲より多い場合には、検知電極を形成する際の熱処理によってシール材が流動しやすくなるために検知電極の電気的導通不良の原因となるからである。
【0034】
さらに、上記の場合においては、前記非晶質ガラス及び結晶化ガラスの軟化点がセンサ使用時に発熱体により加熱される温度(350〜500℃)よりも高いこと、及び、非晶質ガラスの軟化点が結晶化ガラスの軟化点よりも高いことが好ましい。それは、センサ使用中におけるシール材の流動及び結晶化ガラスの焼成処理中における非晶質ガラスの流動を防ぎ、十分な気密性と電極の電気的導通を確保するためである。
【0035】
本発明の炭酸ガスセンサでは、前記イオン伝導体層の検知電極側の面が、窪み部が設けられた基体の一主表面と同一面上にあることが好ましく、さらにはイオン伝導体層の周囲に充填されたシール材の上面も上記と同一面上にあることが好ましい。このようにすることによって、検知電極の形成と検知電極用配線の形成とを厚膜法で同時に行なえるため、生産性に優れ、製作が容易になるという利点もある。
【0036】
本発明の炭酸ガスセンサは、通常、リード線との接続部において台座に固定されると共にさらに通気孔を有する保護キャップがかぶせられた形で測定に用いられる。測定時には一定の温度域に保持する必要があるが、基体と台座とが直接的に固定されていると基体から台座及び保護キャップへと熱が伝わることによる損失がある分、消費電力の面で不利である。また、基体自体の体積が大きくなると同様に熱損失が大きくなるという傾向がある。
【0037】
そこで、本発明では、前述の基本的な構成をなす炭酸ガスセンサのうち、検知部位以外の部分の基体寸法をできるだけ小さくするとともに、発熱体、基準電極及び検知電極から基体の表面または側面に導出される各配線端部と台座とを導電性の接続部材を介して間接的に取り付けるようにすることが好ましい。このようにすれば、センサは台座及び保護キャップからは接続部材で宙づりに保持された形となり、センサから台座等への熱の逃げはそのほとんどが熱輻射によるものとなるため、熱損失が少なくなり消費電力の低減に効果が大きい。このとき、前記接続部材のうち少なくとも基体の前記各配線端部との接続部が直径0.05〜1.0mmもしくはこれに相当する断面積を有する形状の金属線、例えば、白金線やステンレス線等が好ましく挙げられる。また、基体の前記一主表面に対して垂直な方向から見た場合、前記発熱体の有効発熱部の占有面積を1としたときの前記基体の面積が1.1〜3であることが好ましい。1.1未満では発熱体が露出してしまうおそれがあり、3を超えると熱損失の低減の効果が大きく得られないからである。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。なお、本発明の炭酸ガスセンサは、必ずしもここに記載の構造及び製造方法により得られるものに限定されるものではない。
【0039】
−実施例1−
図1は実施例1の炭酸ガスセンサの正面図であり、図2は図1のAA’線における断面を模式的に示した断面図である。また、図3は図1のBB’線における断面を模式的に示した断面図であるが、端子ピン側は省略してある。本実施例の炭酸ガスセンサ1は、内部に発熱体20が内蔵されるとともに、一主表面15に窪み部14が設けられたアルミナ基板からなる基体10、前記窪み部14の底面に形成された基準電極30、その上に載置された固体電解質素子40、その表面に形成された格子状の検知電極50、検知電極50を覆うようにして設けられた金属炭酸塩層60を基本的な構成とする。更に、基準電極30と被検ガスとの接触を防止するため、固体電解質素子40の周囲に充填されたシール材70、それぞれ基準電極30及び検知電極50に接続され出力電圧を取り出すための出力用端子ピン81,82及び前記発熱体20に通電するための発熱体用端子ピン83,84をそれぞれ備える。
【0040】
上記の炭酸ガスセンサを以下のようにして作製した。まず始めに、グリーンシート積層法によって内部に発熱体を内蔵したアルミナセラミックよりなる基体10を作製する。図1に示すように、基体10は三層構造をなし、第一層11と第二層12との間にPtよりなる発熱体20が形成されている。さらに第三層13はその一部が打ち抜き等により除去されており、第二層の上に積層されることによって第三層の厚さ分の深さ(本実施例では、0.25mm)を有する窪み部14が形成されている。また、第二層と第三層との間には、基準電極30と出力用端子ピン81とを電気的につなぐPtよりなる基準電極用配線31が形成されている。
【0041】
次に、固体電解質素子40として、900℃で合成したLiSmSiO4粉末にAl23粉末を50重量%となるように添加し、混合、成形した後、1150℃で焼成してなる、2.5×2.5×厚さ0.25mmの平板状の焼結体を用意した。そして、平板状の固体電解質素子40の一方の面に基準電極となるAuペーストを塗布し、窪み部14に導出されている基準電極用配線31の端部と前記Auペーストの塗布部とが重なるように合わせて載せた状態でこれを1030℃で熱処理し、基準電極30を介して固体電解質素子40と基体10とを接着した。
【0042】
次に、固体電解質素子40と窪み部14の周壁との間に生ずる間隙に、シール材70として、CaO:14重量%、BaO:25重量%、SiO2:45重量%、B23:7重量%、Al23:6重量%、ZnO:2重量%を有する非晶質ガラス(熱膨張係数:66×10-7/℃)の粉末にLiSmSiO4粉末を50体積%加えた混合体を窪み部の深さの80%まで充填し、1000℃で熱処理してガラスを融着させた。さらにその上にSiO2:42重量%、BaO:16重量%、Al23:15重量%、ZnO:10重量%、CaO:9重量%、MgO:3重量%、ZrO2:3重量%、Na2O:2重量%を有する結晶化ガラス用粉末を充填し930℃で熱処理し結晶化させた。なお、この時の結晶化ガラスの充填は、熱処理後においてその露出上面が基体10の一主表面と同一面となるかあるいはやや凸状になるようにその量を加減した。このシール工程により、基準電極30を外部から遮断するとともに固体電解質素子40を基体10に強固に固定した。
【0043】
次に、固体電解質素子40の上に検知電極形成用のAuペーストを塗布し厚膜法で検知電極50を形成する。この検知電極は、適度な開孔パターンを用いてスクリーン印刷法で行なうことによりメッシュ状とした。固体電解質の検知電極側の面が基体の一主表面またはシール材の露出表面と同一面上にある場合にはそのまま行なえばよいが、シール材の部分に段差あるいは凹凸が生じている場合には研削等を行なって平滑化した後に前記Auペーストを塗布してもよい。このとき同ペーストを用いて検知電極用配線51も印刷した後、所定の温度で焼き付けした。そして、検知電極用配線51は、基体の第三層に設けられ、内部に導体が充填されたビア52(直径0.625mm)を介して第二層上の配線(図示せず)に導かれ、出力用端子ピン82と接続される。
【0044】
次に、炭酸リチウム粉末をペースト状とし、前記固体電解質素子40及び検知電極50を覆うように厚さ約0.3mmに塗布し、550℃で熱処理することにより金属炭酸塩層60を形成し、炭酸ガスセンサの素子とした。最後に、図4に示すように、得られたセンサ素子を台座90に固着し、出力用端子ピン81,82及び発熱体用端子ピン83,84にそれぞれリード線91,92,93,94を取付け、さらに通気孔95を有する保護キャップ96を被せて固定するとともに、各端子ピン及びリード線との接続部を無機系接着剤97でシールした。
【0045】
−実施例2−
図5は実施例2の炭酸ガスセンサの構造を模式的に示した断面図(端子ピン側は省略してある)である。本実施例の炭酸ガスセンサ2は、実施例1の炭酸ガスセンサにおいて、基体10を四層構造とするとともに第三層と第四層とで窪み部14が形成されており、この窪み部14において固体電解質素子40及び金属炭酸塩層60の両者を包囲するようにしたものである。なお、本実施例では、検知電極50と検知電極用配線51とは、Auワイヤー54により接続されている。その他の点においては実施例1と同様にして炭酸ガスセンサ2を得た。
【0046】
−起電力値の評価−
上記のようにして得られた実施例1及び実施例2の炭酸ガスセンサをそれぞれ4本用意し、所定の炭酸ガス濃度に調整された雰囲気のチャンバー中に設置し、各リード線を電圧計及び加熱用電源に接続した。そして発熱体に通電して基体の表面温度を450℃とし、各種炭酸ガス濃度における炭酸ガスセンサの起電力の変化を測定した。それぞれの炭酸ガス濃度における起電力値を、炭酸ガス濃度の対数に対してプロットした結果を図7及び図8に示す。
【0047】
また、従来タイプに相当する比較例として、窪み部のない平面型の基体10を用い、検知電極50と検知電極用配線(図示省略)とをAuワイヤー54で接続するとともに固体電解質素子40及び金属炭酸塩層60の周囲を無機系接着剤75でシールした以外は前記実施例1と同様にして炭酸ガスセンサ3を作製し、上記各実施例と同様にして起電力の変化を測定した。この比較例の炭酸ガスセンサの断面図を図6(端子ピン側は省略してある)に、炭酸ガス濃度に対する起電力の変化を図9にそれぞれ示す。
【0048】
図7〜図9によれば、炭酸ガス濃度が50〜5000ppmの範囲においては、いずれの炭酸ガスセンサも、起電力と炭酸ガス濃度との間にはネルンストの式に従った良好な直線関係があることが確認された。しかし、実施例1(図7)及び実施例2(図8)の炭酸ガスセンサにおいては、各センサ間の起電力のバラツキが比較例(図9)に比べて大きく低減されており、基体に窪み部を設けてその内部にイオン伝導体層を形成することで出力のバラツキが少なくなることが確認された。
【0049】
−実施例3−
実施例1の構造を有する炭酸ガスセンサにおいて、基体の窪み部14の大きさを変えることにより、固体電解質素子40との間隙を0.01〜2.0mmの間で変化させたセンサを作製し、シール部の不良の発生率を調査した。また、シール部に不良の認められなかったセンサの出力特性を測定し、炭酸ガス濃度に対する起電力変化の直線勾配(いわゆる感度に相当)を調べた。これらの結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004014250
【0051】
表1の結果より、固体電解質素子と窪み部の周壁との間隙が小さいと、充填が不十分となるためにシール材不足による割れが発生するようになり、一方、間隙が大きくなると、直線勾配が減少することが確かめられた。これは、間隙が大きいとシール材も多量に必要になり、固体電解質素子の温度が安定に保持されないためであると考えられる。
【0052】
−実施例4−
実施例1の構造を有する炭酸ガスセンサにおいて、シール材70として用いたCaO−BaO−SiO2系非晶質ガラス粉末に混合するLiSmSiO4粉末の添加量を0〜100体積%の範囲内で変えた場合のシール部の不良の発生率を調査した。その結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
Figure 0004014250
【0054】
表2の結果より、LiSmSiO4粉末の添加量が10〜80体積%の範囲内である場合には、不良の発生率が低く、30〜70体積%、さらには40〜50体積%であると特に良好であることがわかった。
【0055】
−実施例5−
実施例1の構造を有する炭酸ガスセンサにおいて、シール材70として用いた結晶化ガラスと非晶質ガラスとの体積比を変えた場合の、検知電極50と検知電極用配線に接続された端子ピン82との間の導通不良の発生率、及びシール部の不良の発生率について調査した。その結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
Figure 0004014250
【0057】
表3の結果より、結晶化ガラスが2体積%より少ない場合にはシール部の流動によるものと思われる電極の導電不良の発生率が高くなり、一方、50体積%より多くなるとシール部に割れが多く発生することが確かめられた。
【0058】
−実施例6−
実施例1の構造を有する炭酸ガスセンサにおいて、発熱体の面積と固体電解質素子の面積との比を変えて、発熱体に通電を開始してから測定が可能となるまでの時間を調査した。基体10に内蔵される発熱体20の形成パターンを変えることにより、窪み部が設けられている基体の一主表面に対して垂直な方向から見た場合の、発熱体パターンの有効発熱部の占有面積を1としたときの固体電解質素子40の面積(以下、素子面積比という)を0.05〜200の範囲で変化させた。その結果を表4に示す。
【0059】
【表4】
Figure 0004014250
【0060】
表4の結果より、素子面積比が130より大きくなると、測定できるようになるまでの時間がかかりすぎることがわかった。素子面積比は小さいほど立ち上げ時間が短くできるので好ましいが、固体電解質素子の面積比があまり小さくなりすぎると発熱体からの熱の逃げが大きくなり、発熱体の消費電力が大きくなってしまうので、素子面積比は30〜80程度が好ましい。
【0061】
−実施例7−
実施例7は、実施例1の炭酸ガスセンサの変形例である。実施例7の炭酸ガスセンサは、基体10、基準電極30、固体電解質素子40、検知電極50、金属炭酸塩層60及びシール材70等からなる基本的な構成は実施例1と同じであるが、基体の全長並びに出力用端子ピン及び発熱体用端子ピンの形態が実施例1と異なり、台座90への取り付け法が異なるものである。実施例7の炭酸ガスセンサが台座90に付けられた状態の正面図を図10に示す。炭酸ガスセンサの基体10は長さ5mm×幅4mmであり、実施例1の炭酸ガスセンサの検知部位の大きさは変えずに各端子ピン側の中間部分を約10mm短くした形状のもので構成されている。また、台座90には断面が0.5mm×0.2mmの角棒状のステンレス(SUS304)製の出力用ピン85,86(長さ15mm)とヒータ用ピン87,88(長さ22mm)が上下に平行に貫通して設けられており、その一端は実施例1の炭酸ガスセンサの出力用端子ピン及び発熱体用端子ピンと同様に突出し、そこでリード線91,92,93,94に接続される。
【0062】
前記ヒータ用ピン87,88の先端部87a,88aには直径0.1mm、長さ3mmのPt線89a,89bの一端が抵抗溶接により接合され、各Pt線の他端側に炭酸ガスセンサの基体の一側面がAuペーストの焼き付けにより接合されている。また、ヒータ用ピン87,88の所定の場所87b,88bにも同様のPt線89c,89dが抵抗溶接により接合されており、そのPt線の他端側は、基体内部から基体側面に導出された発熱体用配線の端部とAuペーストの焼き付けにより接合されている。さらに、出力用ピン85,86の端部85a,86aにも直径0.1mm、長さ3mmのPt線89e,89fの一端が抵抗溶接により接合されており、その他端側が検知電極用配線及び基準電極用配線の各端部とAuペーストの焼き付けにより接合されている。なお、基準電極用配線は基体の側面より表面側に導出され、検知電極用配線の端部と同一面上に配置されている。以上のようにして本実施例の炭酸ガスセンサは計6本のPt線のみを介して空中に浮いた形で台座に保持されている。
【0063】
上記のようにして台座に取り付けた炭酸ガスセンサにさらに実施例1と同様の保護キャップをかぶせて固定し、発熱体への通電による加熱試験を行なった。検知部位の設定温度を450℃とした場合の消費電力を前述の実施例1のものと比較したところ、実施例1の炭酸ガスセンサが2.3〜2.4Wであったのに対し、本実施例では1.3〜1.4Wと大幅に低減させることができた。
【0064】
−実施例8−
発熱体を実施例1と同じ大きさ・形状にしたまま基体の長さのみを変えることによって、基体の一主表面に対して垂直な方向から見た場合の発熱体の有効発熱部の占有面積に対する基体の面積の比率を変えた以外は実施例7と同様にして炭酸ガスセンサを作製した。これらのセンサを一定温度に加熱した場合の消費電力について調べた結果を図11に示す。なお、同図では、実施例1の炭酸ガスセンサの基体の長さを100とした場合の各センサの基体の長さを横軸にとってそのときの消費電力をプロットしてある。この結果から明らかなように、基体の長さが短くなると、すなわち、発熱体の有効発熱部の占有面積に対する基体の面積が小さい程、消費電力が少なくなることがわかる。
【0065】
−実施例9−
実施例1における固体電解質素子40として、アルミナるつぼ中で900℃で熱処理して得たLiSmSiO4合成物をアルミナ質ボールミル及びアルミナ質球石を用いて粉砕し、この粉砕物を金型プレス成形した後、冷間静水圧プレス(CIP)成形し、1050〜1200℃の範囲の4種類の温度で焼成して平板状の焼結体を用意した。なお、前記粉砕物を蛍光X線分析により組成分析したところ20重量%のAl23が含まれていることが確認された。これらの焼結体を固体電解質素子40として用いた以外は実施例1と同様にして炭酸ガスセンサを作製した。
【0066】
−実施例10−
実施例1における固体電解質素子40として、アルミナるつぼ中で900℃で熱処理して得たLiSmSiO4合成物をメノウ乳鉢で粉砕し、この粉砕物に対して、8モル%のY23を含むZrO2粉末を焼結体全体における割合が20重量%となるように添加し混合した。これを金型プレス成形した後、冷間静水圧プレス(CIP)成形し、1000℃及び1100℃の2種類の温度で焼成して平板状の焼結体を用意した。これらの焼結体を固体電解質素子40として用いた以外は実施例1と同様にして炭酸ガスセンサを作製した。
【0067】
−実施例11−
実施例1における固体電解質素子40として、アルミナるつぼ中で1200℃で熱処理して得たNa3Zr2Si2PO12合成物をメノウ乳鉢で粉砕し、この粉砕物を金型プレス成形した後、冷間静水圧プレス(CIP)成形し、1220℃及び1270℃の2種類の温度で焼成して平板状の焼結体を用意した。また、シール材70となる非晶質ガラスの粉末にはNa3Zr2Si2PO12粉末を添加し、金属炭酸塩層60を炭酸リチウム粉末と炭酸カルシウム粉末との混合物(重量比で5:9)を用い480℃で熱処理して形成した。これらの点以外は実施例1と同様にして炭酸ガスセンサを作製した。
【0068】
以上の実施例9〜11において作製した各炭酸ガスセンサに用いた固体電解質素子40の開気孔率、全細孔体積及びかさ比重を水銀圧入式ポロシメーターを用いて測定した。これらの結果を表5に示す。また、各炭酸ガスセンサを長期間連続使用した場合の出力(起電力)に対する湿度の影響についても調査した。各炭酸ガスセンサを大気雰囲気中に設置するとともに各リード線を電圧計及び加熱用電源に接続し、発熱体に通電して基体の表面温度を450℃とした状態で連続稼働させた。そして、24日経過後に一定の二酸化炭素濃度(500ppm)のもとで相対湿度を0%及び90%とした場合における炭酸ガスセンサの起電力をそれぞれ測定した。その結果を連続稼働前の初期に調べた結果とともに表6にまとめて示す。
【0069】
【表5】
Figure 0004014250
【0070】
【表6】
Figure 0004014250
【0071】
表5及び表6の結果より、固体電解質素子の開気孔率が小さいと湿度の影響を受けにくくなり起電力値の変動も小さくなることがわかる。特に、開気孔率が体積基準で15%以下である場合には、相対湿度0%と90%との起電力値の差が初期において6mV以下、24日経過後においても7mV以下と小さく安定した出力を示しており、長期間にわたって湿度の影響の少ない炭酸ガス濃度測定が可能であることがわかった。なお、このときの固体電解質素子の全細孔体積は0.05cc/g以下であった。また、以上のような傾向は固体電解質素子の材質がLiSmSiO4系の場合もNa3Zr2Si2PO12系の場合も同様であった。
【0072】
−実施例12−
本発明の他の実施例に係る炭酸ガスセンサの断面を模式的に表わした断面図を図12に示す。前述の図3に示した実施例1の炭酸ガスセンサと異なる点は、基準電極30、固体電解質素子40、検知電極50及び金属炭酸塩層60が窪み部14の内部に収まるようにこの順に設けられ、金属炭酸塩層60の上面が基体10の一主表面15とほぼ同一面となるように構成されている点である。さらに、この実施例の炭酸ガスセンサでは、金属炭酸塩層60の内部に金属網状体65が埋入されている点においても実施例1のセンサと異なる。その他の点においては実施例1の炭酸ガスセンサとほぼ同一であるため、同一の構成部分についての説明は省略する。
【0073】
この実施例の炭酸ガスセンサの基体10は四層構造をなし、一部が打ち抜き等により除去された第三層と第四層が第二層の上に積層されることによって二層分の厚さに相当する深さを有する窪み部14が形成されている。また、固体電解質素子40は次のようにして用意した。出発原料の混合物をアルミナるつぼ中で900℃で熱処理することにより合成したLiSmSiO4粉末をアルミナ質のボールミル及び球石にて粉砕し、得られた粉末に成形助剤を添加して金型プレス成形し、冷間静水圧プレス(CIP)した後、大気中で1150℃で3時間焼成して平板状の焼結体を得た。なお、この焼結体の化学組成を蛍光X線分析で調べたところ、20重量%のAl23が含まれていた。このAl23成分は、粉砕時の磨耗により混入したものであると推測される。
【0074】
前記の基体10及び焼結体を用いて実施例1と同様の手順により炭酸ガスセンサを作製した。ただし、検知電極形成用のAuペーストを塗布した後にその上に金属網状体65となる55メッシュのAu網(ワイヤ径:0.12mm)を置き、検知電極の固体電解質素子への焼き付けと同時にAu網の固定も行なった。さらに、炭酸リチウムのペーストをAu網の上から塗布して550℃で熱処理し、Au網が炭酸リチウムからなる金属炭酸塩層中に埋入された構造とした。
【0075】
−実施例13−
実施例12と同様にして金属炭酸塩層60中に金属網状体65を配した点以外は前記実施例1と同様の構造で炭酸ガスセンサを作製した。
【0076】
実施例12及び実施例13にて得られた炭酸ガスセンサに対して発熱体のon/offサイクル試験(以下、単に「on/off試験」ともいう。)を行ない、金属炭酸塩層の剥離の有無及びセンサ出力特性の変動について調べた。on/off試験は、発熱体への通電を55分間行なった後、5分間通電を停止することを1サイクルとし、これを繰り返し連続して行ない、所定のサイクル数ごとに目視による外観検査をして金属炭酸塩層の剥離の有無を調べるとともに、センサの感度及び起電力についても測定した。なお、センサの感度は、被検ガス中の炭酸ガス濃度が10倍変化した時の起電力変化の直線勾配(mV/decade)により表わした。また、起電力の変動は、二酸化炭素ガス濃度が1000ppmのときの起電力について測定した。センサの感度の変動を図13に、起電力の変動を図14に示す。
【0077】
外観検査においては、実施例12、実施例13ともに150サイクル経過時までは金属炭酸塩層の剥離は認められなかった。しかし、実施例13では200サイクル経過の時点で金属炭酸塩層に剥離が観察されたのに対して、実施例12では500サイクル後においても金属炭酸塩層の剥離は認められなかった。このことから、金属炭酸塩層を基体の窪み部内に収めた構造とすることにより、金属炭酸塩層の剥離を防止する効果が確認された。また、センサの感度及び起電力についても、実施例12は実施例13に比べてサイクル数に対する安定性が高いことが認められた。
【0078】
【発明の効果】
本発明の炭酸ガスセンサは、基体の一主表面においてイオン伝導体層を搭載すべき部分に窪み部が設けられており、その中に固体電解質からなるイオン伝導体層またはイオン伝導体層から金属炭酸塩層までの積層部分がはめ込まれる形で搭載される。さらに、イオン伝導体層と窪み部との間隙には非晶質ガラス又は結晶化ガラスからなる所定のシール材が充填されている。従って、固体電解質からなるイオン伝導体層の基準電極側は完全に封止されて外気又は被検ガスから遮断される。また、イオン伝導体層と窪み部とのわずかな間隙のところで外気等と遮断するため、シール材が露出する面積が極めて少なく、また、シール材の使用量も少なくて済む。
【0079】
また、本発明の炭酸ガスセンサでは、イオン伝導体層の検知電極側の面が基体の一主表面と同一面上とすることにより、検知電極を厚膜法で形成することが容易となり、製作が簡便となる。また、イオン伝導体層の検知電極側と窪み部の周壁との間隔を0.05〜1.0mmの範囲内とすることにより、発熱体からの熱の損失を低く抑えることができ、センサの出力特性、すなわち炭酸ガス濃度に対する出力電圧勾配(mV/decade)を高く維持することができる。前記間隔が0.05mm未満であるとシール材が充填しきれない場合が生じ、基準電極と外気との遮断を確保できない。また、前記間隔が1.0mmよりも大きい場合には出力電圧勾配が激しく減少する。なお、発熱体の加熱温度を上昇させることにより出力電圧勾配を高めることも考えられるがこの方法では効率がよくない。
【0080】
また、本発明ではシール材として非晶質ガラスを用いる。所定の組成のガラス粉末をスラリーまたはペーストとし、これをイオン伝導体層の周囲の間隙に注入し乾燥後、ガラスの軟化点まで加熱してガラスを溶融させ、間隙の全体にわたって溶融ガラスを流れ込ませることにより封止が完全に行なわれる。非晶質ガラスの一部を結晶化ガラスに代えて用いることもできる。結晶化ガラスは溶融後の所定の熱処理下で結晶相を析出するため、その後の検知電極の焼付け時に軟化することがなく、配線の導通不良の発生を防ぐ効果がある。
【0081】
また、センサを細いPt線等を用いて台座に宙づり式に固定することにより、発熱体の消費電力を低減することができ、省エネ型の炭酸ガスセンサとすることができる。このとき、センサの基体全体に占める発熱体の有効発熱部の占有面積の比率を大きくすることによりその効果は一層大きなものとなる。また、上記の宙づり式とした場合には、激しい外力や振動等に対しても強度的に耐え得るセンサとすることができる。さらに、金属炭酸塩層の部分に金属網状体を配することにより、加熱冷却の繰り返しに対しても検知電極からの剥離を生ずることがなくなり、耐久性を向上することができる。
【0082】
以上のような炭酸ガスセンサは、例えば、自動換気装置などの空調設備やハウス栽培における作物の成長促進、作物輸送貯蔵時の鮮度管理などに用いられるセンサとして特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の炭酸ガスセンサの正面図である。
【図2】図1のA−A’線における断面図である。
【図3】図1のB−B’線における断面図である。
【図4】実施例1の炭酸ガスセンサに台座及び保護キャップを付けた状態を示す一部断面図である。
【図5】実施例2の炭酸ガスセンサの断面図である。
【図6】比較例の炭酸ガスセンサの断面図である。
【図7】実施例1における炭酸ガス濃度と起電力との関係を示すグラフである。
【図8】実施例2における炭酸ガス濃度と起電力との関係を示すグラフである。
【図9】比較例における炭酸ガス濃度と起電力との関係を示すグラフである。
【図10】実施例7の炭酸ガスセンサの正面図である。
【図11】基体の長さを変えた場合の消費電力の変化を示すグラフである。
【図12】実施例12の炭酸ガスセンサの断面図である。
【図13】on/off試験による炭酸ガスセンサの感度変化を示すグラフである。
【図14】on/off試験による炭酸ガスセンサの起電力変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10;基体
14;窪み部
20;発熱体
30;基準電極
31;基準電極用配線
40;固体電解質素子
50;検知電極
51;検知電極用配線
60;金属炭酸塩層
65;金属網状体
70;シール材
81,82;出力用端子ピン
83,84;発熱体用端子ピン

Claims (26)

  1. 発熱体を内蔵する基体に、基準電極と、固体電解質からなるイオン伝導体層と、検知電極と、金属炭酸塩層とがこの順に形成されてなり、前記イオン伝導体層が前記基体の一主表面に設けられた窪み部に配置されており、前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隙にシール材が充填されており、且つ前記シール材が、基準電極側が非晶質ガラス、検知電極側が結晶化ガラスであり、前記固体電解質がLiイオン伝導性固体電解質であることを特徴とする炭酸ガスセンサ。
  2. 発熱体を内蔵する基体に、基準電極と、固体電解質からなるイオン伝導体層と、検知電極と、金属炭酸塩層とがこの順に形成されてなり、前記イオン伝導体層が前記基体の一主表面に設けられた窪み部に配置されており、前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隙にシール材が充填されており、且つ前記シール材が、基準電極側が非晶質ガラス、検知電極側が結晶化ガラスであり、前記固体電解質がNaイオン伝導性固体電解質であることを特徴とする炭酸ガスセンサ。
  3. 発熱体を内蔵する基体に、基準電極と、固体電解質からなるイオン伝導体層と、検知電極と、金属炭酸塩層とがこの順に形成されてなり、前記イオン伝導体層、検知電極及び金属炭酸塩層が前記基体の一主表面に設けられた窪み部に配置されており、前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隙にシール材が充填されており、且つ前記シール材が、基準電極側が非晶質ガラス、検知電極側が結晶化ガラスであり、前記固体電解質がLiイオン伝導性固体電解質であることを特徴とする炭酸ガスセンサ。
  4. 発熱体を内蔵する基体に、基準電極と、固体電解質からなるイオン伝導体層と、検知電極と、金属炭酸塩層とがこの順に形成されてなり、前記イオン伝導体層、検知電極及び金属炭酸塩層が前記基体の一主表面に設けられた窪み部に配置されており、前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隙にシール材が充填されており、且つ前記シール材が、基準電極側が非晶質ガラス、検知電極側が結晶化ガラスであり、前記固体電解質がNaイオン伝導性固体電解質であることを特徴とする炭酸ガスセンサ。
  5. 前記イオン伝導体層と前記窪み部の周壁との間隔が0.05〜1.0mmである前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
  6. 前記非晶質ガラスがCaO−BaO−SiO2系ガラスである前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
  7. 前記結晶化ガラスがSiO2−BaO−Al23系結晶化ガラスである前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
  8. 前記シール材が前記固体電解質と同材質からなる粒子を80体積%以下含有してなる前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
  9. 前記シール材に含まれるアルカリ金属成分が酸化物換算で5重量%以下である前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
  10. 前記非晶質ガラスの軟化点が、前記結晶化ガラスの軟化点より高い前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
  11. 前記固体電解質がLiSmSiO4を主結晶相とする前記請求項1または請求項3に記載の炭酸ガスセンサ。
  12. 前記固体電解質が主結晶相のLiSmSiO4の他にAl23を含有する前記請求項1または請求項3に記載の炭酸ガスセンサ。
  13. 前記固体電解質が主結晶相のLiSmSiO4の他にZrO2を含有する前記請求項1または請求項3に記載の炭酸ガスセンサ。
  14. 前記金属炭酸塩層が炭酸リチウムまたは炭酸リチウムとアルカリ土類金属炭酸塩とを主成分とする前記請求項1または請求項3に記載の炭酸ガスセンサ。
  15. 前記基準電極のうち少なくとも前記イオン伝導体層と接する部分がAuからなる前記請求項1または請求項3に記載の炭酸ガスセンサ。
  16. 前記固体電解質がNASICON(Na 1+X Zr 2 Si X 3 X 12 、0<X<3)を主結晶相とする前記請求項2または請求項4に記載の炭酸ガスセンサ。
  17. 前記固体電解質が主結晶相のNASICON(Na 1+X Zr 2 Si X 3 X 12 、0<X<3)の他にZrO2を含有する前記請求項2または請求項4に記載の炭酸ガスセンサ。
  18. 前記金属炭酸塩層が炭酸リチウムまたは炭酸リチウムとアルカリ土類金属炭酸塩とを主成分とする前記請求項2または請求項4に記載の炭酸ガスセンサ。
  19. 前記基準電極のうち少なくとも前記イオン伝導体層と接する部分がPtからなる前記請求項2または請求項4に記載の炭酸ガスセンサ。
  20. 前記検知電極がAuからなる前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
  21. 前記イオン伝導体層の検知電極側の面が基体の前記一主表面と同一面上にあることを特徴とする前記請求項1または請求項2に記載の炭酸ガスセンサ。
  22. 基体の前記一主表面に対して垂直な方向から見た場合、前記発熱体の有効発熱部の占有面積を1としたときの前記イオン伝導体層の面積が0.05〜1.30である前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
  23. 発熱体、基準電極及び検知電極から基体の表面または側面に導出される各配線端部と導電性の接続部材を介して間接的に台座に取り付けられる前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
  24. 基体の前記一主表面に対して垂直な方向から見た場合、前記発熱体の有効発熱部の占有面積を1としたときの前記基体の面積が1.1〜3である前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項、または請求項23に記載の炭酸ガスセンサ。
  25. 前記固体電解質の開気孔率が15%以下で前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
  26. 前記金属炭酸塩層内に金属網状体が設けられている前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炭酸ガスセンサ。
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