JP2014157765A - 微小径先端段付溶接電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】導体部材に金属部材をレーザ溶接によって接合する接合方法であって、望まれない窪みが形成され難いものを提供すること。
【解決手段】金属又はサーメットによって構成された導体部材20の上面に、軸線を有する形状を備えた金属部材10が、軸線が導体部材20の上面に垂直になるように、レーザ溶接によって接合される。導体部材20の上面に金属部材10が載置され、且つ、金属部材10の下側端部の周囲に、膨らみ部30が設けられる。膨らみ部30は、導体部材20に含まれる金属、金属部材10を構成する金属、又は、その他の導電性材料によって構成されるとともに、金属部材10に対して全周に亘って軸線から遠ざかる方向に突出している。レーザビームの中心軸が膨らみ部30に当たるように膨らみ部30に向けてレーザビームが照射される。
【選択図】図9
【解決手段】金属又はサーメットによって構成された導体部材20の上面に、軸線を有する形状を備えた金属部材10が、軸線が導体部材20の上面に垂直になるように、レーザ溶接によって接合される。導体部材20の上面に金属部材10が載置され、且つ、金属部材10の下側端部の周囲に、膨らみ部30が設けられる。膨らみ部30は、導体部材20に含まれる金属、金属部材10を構成する金属、又は、その他の導電性材料によって構成されるとともに、金属部材10に対して全周に亘って軸線から遠ざかる方向に突出している。レーザビームの中心軸が膨らみ部30に当たるように膨らみ部30に向けてレーザビームが照射される。
【選択図】図9
Description
本発明は、接合方法に関する。
従来より、金属又はサーメットによって構成された中心電極(導体部材)に、軸線を有する形状を備えた金属チップ(金属部材)が溶接によって接合された、点火プラグの電極等(接合体)が広く知られている(特許文献1を参照)。
出願人は、このような接合体の接合法として、入熱量が少なく、溶け込み深さが長く、且つ、精密溶接が可能なレーザ溶接を採用することを検討している。
図16は、円柱状の中心電極200の上面に、中心電極よりも小径の円柱状の金属チップ100が同軸的に載置された状態で、レーザビームの中心軸が中心電極200と金属チップ100との接触部の周囲に当たるようにレーザビームが照射される様子の一例を示す。レーザビームは、前記接触部の周囲に対して、周方向における複数の箇所に向けて間欠的に照射されてもよいし、全周に亘って連続的に照射されてもよい。これにより、前記接触部の全域(或いは、一部)が溶かし込まれることによって、中心電極200の上面に金属チップ100が連続的に接合される。
ところで、図16に示すように、レーザビームの中心軸が中心電極200と金属チップ100との接触部の周囲に当たるようにレーザビームが照射されると、図17に示すように、金属チップ100の側面における前記接触部の近傍部分において望まれない窪み(円柱形状の外径面に対して凹んだ窪み)が形成され易い、という問題があった。或いは、図18に示すように、中心電極200の上面における前記接触部の近傍部分において望まれない窪み(円柱形状の上面(平面)に対して凹んだ窪み)が形成され易い、という問題があった。これらの窪みは、レーザビームの照射中におけるレーザビームの反射等に起因して形成されると考えられる。このような窪みの形成が抑制されることが望まれるところである。
本発明は上記問題に対処するものであり、その目的は、導体部材に金属部材をレーザ溶接によって接合する接合方法であって、上述した窪みが形成され難いものを提供することにある。
本発明に係る接合方法は、金属又はサーメットによって構成された導体部材の接合面に、軸線を有する形状を備えた金属によって構成された金属部材における前記軸線の方向の一端に位置する前記軸線と垂直な接合面をレーザ溶接によって接合する接合方法である。
本発明の特徴は、前記導体部材の接合面と前記金属部材の接合面とが接触するように前記導体部材の上に前記金属部材が載置され、且つ、前記金属部材における前記軸線方向の前記接合面に近い側の端部の周囲に、前記導体部材に含まれる金属、前記金属部材を構成する金属、又は、その他の導電性材料によって構成されるとともに前記金属部材に対して全周に亘って前記軸線から遠ざかる方向に突出した膨らみ部が設けられた状態、を実現する第1工程と、レーザビームの中心軸が前記膨らみ部に当たるように前記膨らみ部に向けてレーザビームを照射する第2工程と、を備えたことにある。
ここにおいて、前記膨らみ部が角部を備え、前記第2工程において、前記レーザビームの中心軸が前記膨らみ部の角部に当たるように前記膨らみ部に向けて前記レーザビームが照射されることが好適である。加えて、前記レーザビームが、前記膨らみ部のみに当たり、前記膨らみ部以外の部位には当たらないように照射されることが好ましい。
これによれば、膨らみ部に向けてレーザビームが照射される。従って、膨らみ部に加えて「導体部材と金属部材との界面部分の全域」が溶かし込まれ得、この結果、導体部材の上に金属部材が連続的に接合され得る。加えて、レーザビームの照射中において、膨らみ部の存在に起因して、上述したレーザビームの反射が低減され得る。また、レーザビームの照射中において、レーザビームの反射等に起因して上述のような窪みが仮に一時的に形成されたとしても、その後において、溶け込んだ「膨らみ部を構成していた材料」がその窪みを埋め得ることによって、上述した窪みの形成が抑制され得る。
以下、本発明の実施形態(本実施形態)に係る接合方法、並びに、その接合方法によって形成された点火プラグの電極について説明する。
(本実施形態に係る接合方法によって形成された点火プラグの電極の構成)
図1は、本実施形態に係る接合方法によって接合・製造された点火プラグの電極(接合体)の一例を示す。この点火プラグの電極は、円柱状の中心電極20と、中心電極20の上面にレーザ溶接によって同軸的に接合・固定された中心電極20よりも小径の円柱状の金属チップ10と、によって構成される。
図1は、本実施形態に係る接合方法によって接合・製造された点火プラグの電極(接合体)の一例を示す。この点火プラグの電極は、円柱状の中心電極20と、中心電極20の上面にレーザ溶接によって同軸的に接合・固定された中心電極20よりも小径の円柱状の金属チップ10と、によって構成される。
金属チップ10の下側端部は、後述する膨らみ部30に向けてレーザビームを照射することに起因して、径方向外側に周方向の全周に亘って若干膨らんでいる。この膨らんだ部分は、膨らみ部30(及び、金属チップ10及び中心電極20における膨らみ部30に近い領域)がレーザビームによって溶かし込まれたことに起因して形成されている。従って、この膨らんだ部分は、主として膨らみ部30を構成する材料(金属チップ10を構成する材料、及び中心電極20を構成する材料も含まれ得る)によって構成されている。
図1に示す点火プラグの電極は、例えば、図2に示すように、複数の点火プラグの電極が所定の間隔をあけて互いに平行に整列するように、それぞれの中心電極20がアルミナ等で構成される一つの円柱状の絶縁体40に埋設された状態で使用され得る。
(本実施形態に係る接合方法)
以下、図1に示した点火プラグの電極(接合体)の本実施形態に係る接合方法について、図3〜図11を参照しながら説明する。
以下、図1に示した点火プラグの電極(接合体)の本実施形態に係る接合方法について、図3〜図11を参照しながら説明する。
先ず、図3、及び図4に示すように、円柱状の金属チップ10が準備される。この円柱状の金属チップ10の下端部には、金属チップ10と同じ材料からなる円環状(ドーナツ状)の膨らみ部30が、金属チップ10と一体的に(連続的に)設けられている。即ち、金属チップ10と膨らみ部30とによって、段付き円柱状の一つの金属塊が構成されている。金属チップ10の直径D1、及び高さH1は、例えば、0.2〜0.5mm、及び0.5〜5mmである。膨らみ部30の外径D2、及び高さH2は、例えば、0.6〜2mm、及び0.1〜0.5mmである。
金属チップ10及び膨らみ部30を構成する金属材料としては、例えば、イリジウムIr、ニッケルNi、白金Pt等が挙げられる。この段付き円柱状の金属塊(金属チップ10+膨らみ部30)は、例えば、金属のバルク体に対する機械加工、金属粉末を用いたプレス成形等の周知の手法の一つによって得られる。
次いで、図5、及び図6に示すように、円柱状の中心電極20が準備される。中心電極20の直径D3、及び高さH3は、例えば、1〜10mm、及び5〜30mmである。中心電極20は、金属、又はサーメットによって構成される。中心電極20が金属で構成される場合、その金属材料としては、例えば、イリジウムIr、ニッケルNi、白金Pt等が挙げられる。中心電極20がサーメットで構成される場合、サーメットに含まれる金属としては、例えば、イリジウムIr、ニッケルNi、白金Pt等が挙げられ、サーメットに含まれる金属以外の材料(セラミックス材料)としては、シリカSiO2、アルミナAl2O3等が挙げられる。
中心電極20が金属で構成される場合、この円柱状の中心電極20は、例えば、金属のバルク体に対する機械加工、金属粉末を用いたプレス成形等の周知の手法の一つによって得られる。中心電極20がサーメットで構成される場合、この円柱状の中心電極20は、金属材料、及びセラミックス材料の粉末を含むスラリーを用いて円柱状に成形された成形体を焼成することによって得られる。
次に、図7に示すように、円柱状の中心電極20の上面に、断付き円柱状の金属塊(金属チップ10+膨らみ部30)が同軸的に載置される。これにより、図8に示す積層体が得られる。図8に示す積層体において、中心電極20の上に金属塊(金属チップ10+膨らみ部30)を仮止めするために、中心電極20と金属塊との接触部の周囲に対して、周方向における複数の箇所に向けて間欠的に、抵抗溶接(スポット溶接)が施されてもよい。
続いて、図9に示すように、レーザビームの中心軸が膨らみ部30の角部に当たるように膨らみ部30に向けてレーザビームが照射される。レーザビームの中心軸の水平面からの傾き角(照射角度)θは、15〜70°である。レーザビームは、レーザビームのスポット径に対応する部分が膨らみ部30の角部に当たるように照射される。スポット径とは、レーザビームが最も集まる箇所(焦点)のビーム径である。
また、レーザビームは、レーザビーム(より具体的には、レーザビーム照射装置)と積層体とが、積層体の中心軸に対して周方向に相対的に移動しながら照射される。このとき、レーザビームは、図10に示すように、膨らみ部30の角部に対して、周方向における複数の箇所に向けて間欠的に照射されてもよいし、図11に示すように、全周に亘って連続的に照射されてもよい。図10、及び図11において、微細なドットで示す領域は、膨らみ部30に対してレーザビームが当たる領域(スポット径に対応する領域)を示す。
レーザ照射装置としては、IPGフォトニクスジャパン(株)製の水冷式のシングルモードファイバレーザ(型式:YLR−300−SM)が使用された。レーザビームのコア径は9μmであり、レーザビームのスポット径は20μmであった。図10に示すようにレーザビームが間欠的に照射される場合、レーザビームの照射条件は、1箇所につき、300W(ワット)、1Hz(ヘルツ)で70msec(ミリ秒)であった。図11に示すようにレーザビームが連続的に照射される場合、レーザビームの照射条件は、300W、1Hz(ヘルツ)で、周方向の相対移動角速度が6°/sec(秒)であった。
上述したレーザビームの照射によって、膨らみ部30(並びに、金属チップ10及び中心電極20における膨らみ部30に近い領域)がレーザビームによって溶かし込まれる。この結果、中心電極20と金属塊との接触部の全域(或いは、一部)が溶かし込まれることにより、中心電極20の上面に金属チップ10が連続的に強固に接合・固定される。
なお、上述した図1に示すように、このレーザビームの照射後、金属チップ10の下側端部(即ち、膨らみ部30が存在していた部分)には、径方向外側に周方向の全周に亘って若干膨らんだ部分が形成される。この膨らんだ部分は、主として膨らみ部30を構成する材料(金属チップ10を構成する材料、及び中心電極20を構成する材料も含まれ得る)によって構成される。
以上、本実施形態に係る接合方法によれば、膨らみ部30に向けてレーザビームが照射される。従って、膨らみ部30に加えて「中心電極20と金属チップ10との界面部分の全域」が溶かし込まれ得、この結果、中心電極20の上に金属チップ10が連続的に強固に接合され得る。加えて、レーザビームの照射中において、膨らみ部30の存在に起因して、「発明の概要」の欄で述べたレーザビームの反射が低減され得る。また、レーザビームの照射中において、レーザビームの反射等に起因して「発明の概要」の欄で述べたような窪み(図17、図18を参照)が仮に一時的に形成されたとしても、その後において、溶け込んだ「膨らみ部30を構成していた材料」がその窪みを埋め得る。これにより、上述した窪みの形成が抑制され得る。
ここで、レーザビームは、膨らみ部30のみに当たり、膨らみ部30以外の部位(具体的には、金属チップ10及び中心電極20における膨らみ部30に近い部位)には当たらないように照射されることが好適である。これにより、上述した窪みの形成がより一層抑制され得る。
(本実施形態の第1変形例に係る接合方法)
次に、図1に示した点火プラグの電極(接合体)の第1変形例に係る接合方法について、図12、図13を参照しながら説明する。上記本実施形態に対する第1変形例の相違点は、図12、図13から理解できるように、円環状の膨らみ部30が、円柱状の金属チップ10とは別体である点のみである。即ち、第1変形例では、膨らみ部30は、金属チップ10の下端部の周囲において前記下端部の周囲を覆うように設けられている。
次に、図1に示した点火プラグの電極(接合体)の第1変形例に係る接合方法について、図12、図13を参照しながら説明する。上記本実施形態に対する第1変形例の相違点は、図12、図13から理解できるように、円環状の膨らみ部30が、円柱状の金属チップ10とは別体である点のみである。即ち、第1変形例では、膨らみ部30は、金属チップ10の下端部の周囲において前記下端部の周囲を覆うように設けられている。
この第1変形例では、円柱状の金属チップ10に円環状の膨らみ部30が取り付けられた後に、円柱状の中心電極20の上面に金属チップ10(及び膨らみ部30)が同軸的に載置されてもよいし、円柱状の中心電極20の上面に円柱状の金属チップ10が同軸的に載置された後に、金属チップ10に円環状の膨らみ部30が取り付けられてもよい。図12に示す積層体において、金属チップ10と膨らみ部30とを仮止めするために、金属チップ10と膨らみ部30との接触部の周囲に対して、周方向における複数の箇所に向けて間欠的に、抵抗溶接(スポット溶接)が施されてもよい。
この第1変形例では、膨らみ部30を構成する材料は、金属チップ30を構成する材料と異なっていてもよい。具体的には、膨らみ部30を構成する材料は、中心電極20を構成する材料に含まれる金属であってもよいし、その他の導電性材料であってもよい。
図12、図13に示す例では、膨らみ部30は、断面が四角形の円環状を呈していて、全周に亘って連続する角部を有しているが、膨らみ部30は、紐状の金属材料片を円柱状の金属チップ10の下端部に巻きつけることで構成されてもよい。この場合、膨らみ部30の角部は、形成されないか、或いは、全周に亘っては連続しない。
この第1変形例においても、膨らみ部30に角部が存在する場合には、上記本実施形態(図9を参照)と同様、図13に示すように、レーザビームの中心軸が膨らみ部30の角部に当たるように膨らみ部30に向けてレーザビームが照射される。レーザビームの照射条件(出力、照射時間、照射角度θ)は、上記本実施形態と同じである。膨らみ部30に角部が存在しない場合には、レーザビームの中心軸が膨らみ部30のどこかに当たるように膨らみ部30に向けてレーザビームが照射される。
この第1変形例においても、上記本実施形態と同様のメカニズムによって、上述した窪みの形成が抑制され得る。ここで、レーザビームが、膨らみ部30のみに当たり、膨らみ部30以外の部位(具体的には、金属チップ10及び中心電極20における膨らみ部30に近い部位)には当たらないように照射されることが好適である。これにより、上述した窪みの形成がより一層抑制され得る。
(本実施形態の第2変形例に係る接合方法)
次に、図1に示した点火プラグの電極(接合体)の第2変形例に係る接合方法について、図14、図15を参照しながら説明する。上記本実施形態に対する第2変形例の相違点は、図14、図15から理解できるように、「円柱状の金属部材10が、上側の円柱状の第1部分10aと、第1部分10aとは別体の下側の円柱状の第2部分10bと、で構成された点」、並びに、「膨らみ部30が、第1、第2部分10a、10bと同じ材料で、第2部分10bと一体で構成されている点」のみである。換言すれば、第2部分10bと膨らみ部30とによって、一つの円柱状の金属塊(大径部分)が構成され、その金属塊の上に同軸上に円柱状の第1部分10a(小径部分)が載置されている。第1、第2部分10a、10b、並びに、膨らみ部30は、全て同じ金属材料で構成されている。
次に、図1に示した点火プラグの電極(接合体)の第2変形例に係る接合方法について、図14、図15を参照しながら説明する。上記本実施形態に対する第2変形例の相違点は、図14、図15から理解できるように、「円柱状の金属部材10が、上側の円柱状の第1部分10aと、第1部分10aとは別体の下側の円柱状の第2部分10bと、で構成された点」、並びに、「膨らみ部30が、第1、第2部分10a、10bと同じ材料で、第2部分10bと一体で構成されている点」のみである。換言すれば、第2部分10bと膨らみ部30とによって、一つの円柱状の金属塊(大径部分)が構成され、その金属塊の上に同軸上に円柱状の第1部分10a(小径部分)が載置されている。第1、第2部分10a、10b、並びに、膨らみ部30は、全て同じ金属材料で構成されている。
この第2変形例では、円柱状の上記金属塊(第2部分10b+膨らみ部30)に第1部分10aが取り付けられた後に、円柱状の中心電極20の上面にその積層体(金属塊+第1部分10a)が同軸的に載置されてもよいし、円柱状の中心電極20の上面に円柱状の上記金属塊(第2部分10b+膨らみ部30)が同軸的に載置された後に、その金属塊の上に円柱状の第1部分10aが同軸的に載置されてもよい。図14に示す積層体において、金属塊と中心電極20、及び、金属塊と第1部分10aを仮止めするために、各接触部の周囲に対して、周方向における複数の箇所に向けて間欠的に、抵抗溶接(スポット溶接)が施されてもよい。
この第2変形例では、図14に示すように、レーザビームの照射が2か所に対して実行され得る。この場合、先ず、レーザビームの中心軸が第1部分10aと金属塊(第2部分10b+膨らみ部30)との接触部の周囲に当たるように第1、第2部分10a、10bに向けてレーザビームL1が照射される。これにより、第1部分10aと金属塊(第2部分10b+膨らみ部30)との界面部分の全域が溶かし込まれ得、この結果、第1部分10aと金属塊(第2部分10b+膨らみ部30)とが強固に接合・固定される。その後、レーザビームの中心軸が膨らみ部30の角部に当たるように膨らみ部30に向けてレーザビームL2が照射される。これにより、金属塊(第2部分10b+膨らみ部30)と中心電極20とが強固に接合・固定される。
図10に示すようにレーザビームが間欠的に照射される場合、レーザビームL1の照射条件は、1箇所につき、300W(ワット)、1Hz(ヘルツ)で4msec(ミリ秒)、周方向の相対移動角速度が6°/sec(秒)、オーバーラップ率が80%であり、レーザビームL2の照射条件は、1箇所につき、300W(ワット)、1Hz(ヘルツ)で70msec(ミリ秒)、オーバーラップ率が50%であった。照射角度θは、レーザビームL1、L2ともに、上記本実施形態と同じである。
この第2変形例においても、上記本実施形態と同様のメカニズムによって、上述した窪みの形成が抑制され得る。ここで、レーザビームL2が、膨らみ部30のみに当たり、膨らみ部30以外の部位(具体的には、第1部分10a及び中心電極20における膨らみ部30に近い部位)には当たらないように照射されることが好適である。これにより、上述した窪みの形成がより一層抑制され得る。
以上、本発明は上記本実施形態、及び変形例に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記本実施形態等では、金属チップ10、及び中心電極20の(軸線と垂直な)断面形状が円形であり、膨らみ部30の(軸線と垂直な)断面形状が円環状(ドーナツ状)を呈しているが、軸線方向からみて、膨らみ部30が、金属チップ10に対して全周に亘って軸線から遠ざかる方向にはみ出し、かつ、中心電極20が膨らみ部30に対して全周に亘って軸線から遠ざかる方向にはみ出している限りにおいて、金属チップ10、中心電極20、及び膨らみ部30の(軸線と垂直な)断面形状が如何なる形状であってもよい。
10…金属チップ、10a、10b…第1、第2部分、20…中心電極、30…膨らみ部
Claims (8)
- 金属又はサーメットによって構成された導体部材の接合面に、軸線を有する形状を備えた金属によって構成された金属部材における前記軸線の方向の一端に位置する前記軸線と垂直な接合面をレーザ溶接によって接合する接合方法であって、
前記導体部材の接合面と前記金属部材の接合面とが接触するように前記導体部材の上に前記金属部材が載置され、且つ、前記金属部材における前記軸線方向の前記接合面に近い側の端部の周囲に、前記導体部材に含まれる金属、前記金属部材を構成する金属、又は、その他の導電性材料によって構成されるとともに前記金属部材に対して全周に亘って前記軸線から遠ざかる方向に突出した膨らみ部が設けられた状態、を実現する第1工程と、
レーザビームの中心軸が前記膨らみ部に当たるように前記膨らみ部に向けてレーザビームを照射する第2工程と、
を含む、接合方法。 - 請求項1に記載の接合方法において、
前記膨らむ部が角部を備え、
前記第2工程において、前記レーザビームの中心軸が前記膨らみ部の角部に当たるように前記膨らみ部に向けて前記レーザビームが照射される、接合方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の接合方法において、
前記膨らみ部は、前記金属部材を構成する金属で構成された、前記金属部材と一体の部分である、接合方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の接合方法において、
前記膨らみ部は、前記金属部材の前記端部の周囲において前記端部の周囲を覆うように設けられた、前記金属部材とは別体の部材である、接合方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の接合方法において、
前記金属部材は、前記軸線方向において前記金属部材の接合面から遠い側の第1部分と、前記第1部分とは別体の前記接合面に近い側の第2部分と、で構成され、
前記膨らみ部は、前記金属部材を構成する金属で構成された、前記金属部材の第2部分と一体の部分である、接合方法。 - 請求項5に記載の接合方法において、
前記膨らむ部が角部を備え、
前記第2工程において、
前記金属部材の前記第2部分の上に前記金属部材の前記第1部材が載置された状態において、
先ず、前記レーザビームの中心軸が前記金属部材の前記第1、第2部分の接触部の周囲に当たるように前記第1、第2部分に向けて前記レーザビームが照射され、
その後、前記レーザビームの中心軸が前記膨らみ部の角部に当たるように前記膨らみ部に向けて前記レーザビームが照射される、接合方法。 - 請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の接合方法において、
前記レーザビームが、前記膨らみ部のみに当たり、前記膨らみ部以外の部位には当たらないように照射される、接合方法。 - 請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の接合方法において、
前記膨らみ部の形状における前記軸線方向と垂直な方向の代表長さが、1mm以下である、接合方法。
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JP2017537444A (ja) * | 2014-12-10 | 2017-12-14 | ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 深溶け込み溶接部を備えたスパークプラグ電極及びスパークプラグ電極を備えたスパークプラグ、並びにスパークプラグ電極の製造方法 |
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2013
- 2013-02-18 JP JP2013028940A patent/JP2014157765A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017537444A (ja) * | 2014-12-10 | 2017-12-14 | ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 深溶け込み溶接部を備えたスパークプラグ電極及びスパークプラグ電極を備えたスパークプラグ、並びにスパークプラグ電極の製造方法 |
US10096976B2 (en) | 2014-12-10 | 2018-10-09 | Robert Bosch Gmbh | Spark plug with electrode with a deep welding seam, spark plug with the spark plug electrode, and production method for the spark plug electrode |
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