JP2014157738A - 非水二次電池用電解液、非水二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器 - Google Patents

非水二次電池用電解液、非水二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた電池特性を得ることが可能な非水二次電池を提供する。
【解決手段】非水二次電池は、正極および負極と共に電解液を備える。電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、R1−N−[S(=O)2 −X1]2 (R1は炭化水素基等、X1はハロゲン基である。)で表されるジスルホニル化合物およびR2−N−[S(=O)−X2]2 (R2は炭化水素基等、X2はハロゲン基である。)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含む。
【選択図】図1

Description

本技術は、非水溶媒および電解質塩を含む非水二次電池用電解液、その非水二次電池用電解液を用いた非水二次電池、ならびにその非水二次電池を用いた電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器に関する。
近年、携帯電話機および携帯情報端末機器(PDA)などの多様な電子機器が広く普及しており、その電子機器のさらなる小型化、軽量化および長寿命化が要望されている。これに伴い、電源として、電池、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。
二次電池は、最近では、上記した電子機器に限らず、多様な他の用途への適用も検討されている。他の用途は、電子機器などに着脱可能に搭載される電池パック、電気自動車などの電動車両、家庭用電力サーバなどの電力貯蔵システム、および電動ドリルなどの電動工具であり、これら以外の用途も考えられる。
電池容量を得るためにさまざまな充放電原理を利用する二次電池が提案されているが、中でも、電極反応物質の吸蔵放出を利用する二次電池、および電極反応物質の析出溶解を利用する二次電池などが注目されている。高いエネルギー密度が得られるからである。
二次電池は、正極および負極と共に電解液を備えている。正極は、正極活物質が含有された正極活物質層を備えていると共に、負極は、負極活物質が含有された負極活物質層を備えている。電解液は、非水溶媒および電解質塩を含んでいる。
二次電池の構成は、電池性能に大きな影響を及ぼすため、その二次電池の構成については、各種目的に応じてさまざまな検討がなされている。
具体的には、充放電サイクル特性および高温保存特性を向上させるために、電解液にアルカンアミン誘導体を添加している(例えば、特許文献1参照。)。このアルカンアミン誘導体は、R4−N−[S(=O)2 −R5]2 (R4はアルキル基等、R5はパーフルオロアルキル基である。)で表される化合物である。また、アルカンアミン誘導体は、R6−N−[S(=O)−R7)2 ](R6はアルキル基等、R7はパーフルオロアルキル基である。)である。
また、高温保存時の膨れを抑制するために、正極活物質の表面または正極活物質層の表面に塩を設けている(例えば、特許文献2参照。)。この塩は、(NR1R2R)(A- )(M+ )(R水素基または炭化水素基等、R1およびR2は炭化水素基等、Aは酸アニオン、Mは金属イオンである。)で表される化合物である。
この他、関連技術として、電気化学キャパシタの耐電圧および長期信頼性を向上させるために、電解質塩が第四級アンモニウム塩を主成分とする電解液において、第三級アミン等の総含有率を所定量以下に抑えている(例えば、特許文献3参照。)。
また、電解液に有用な電解質塩を得るために、四級アルキルアンモニウムテトラフルオロボレート塩の製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。この製造方法では、二級アミンにハロゲン化アルキルを反応させたのち、ホウフッ化水素酸を反応させている。
特開2011−044352号公報 特開2010−080229号公報 特開2000−311839号公報 特開2000−226360号公報
近年、二次電池が適用される電子機器などは益々高性能化および多機能化しており、その電子機器などの使用頻度も高まっているため、二次電池の電池特性についてさらなる改善が求められている。
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、優れた電池特性を得ることが可能な非水二次電池用電解液、非水二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器を提供することにある。
本技術の非水二次電池用電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含むものである。
Figure 2014157738
(R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
Figure 2014157738
(R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
本技術の非水二次電池は、正極および負極と共に電解液を備え、その電解液が上記した本技術の非水二次電池用電解液と同様の組成を有するものである。また、本技術の電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具または電子機器は、非水二次電池を備え、その非水二次電池が上記した本技術の非水二次電池と同様の構成を有するものである。
ここで、「炭化水素基」とは、炭素(C)および水素(H)により構成される1価の基の総称であり、「ハロゲン化炭化水素基」とは、炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素がハロゲンにより置換された基である。「酸素含有炭化水素基」とは、炭素および水素と共に酸素(O)により構成される1価の基の総称であり、「ハロゲン化酸素含有炭化水素基」とは、酸素含有炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素がハロゲンにより置換された基である。「それらの2種類以上が結合された基」とは、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基およびハロゲン化酸素含有炭化水素基のうちの任意の2種類以上が全体として1価となるように結合された基である。
本技術の非水二次電池用電解液または非水二次電池によれば、電解液が上記したジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方を含んでいるので、優れた電池特性を得ることができる。また、本技術の電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器においても、同様の効果を得ることができる。
本技術の一実施形態の非水二次電池用電解液を備えた非水二次電池(円筒型)の構成を表す断面図である。 図1に示した巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本技術の一実施形態の非水二次電池用電解液を備えた他の非水二次電池(ラミネートフィルム型)の構成を表す斜視図である。 図3に示した巻回電極体のIV−IV線に沿った断面図である。 非水二次電池の適用例(電池パック)の構成を表すブロック図である。 非水二次電池の適用例(電動車両)の構成を表すブロック図である。 非水二次電池の適用例(電力貯蔵システム)の構成を表すブロック図である。 非水二次電池の適用例(電動工具)の構成を表すブロック図である。 XPSによるSnCoCの分析結果を表す図である。
以下、本技術の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.非水二次電池用電解液および非水二次電池
1−1.リチウムイオン二次電池(円筒型)
1−2.リチウムイオン二次電池(ラミネートフィルム型)
1−3.リチウム金属二次電池(円筒型,ラミネートフィルム型)
2.非水二次電池の用途
2−1.電池パック
2−2.電動車両
2−3.電力貯蔵システム
2−4.電動工具
<1.非水二次電池用電解液および非水二次電池>
<1−1.リチウムイオン二次電池(円筒型)>
図1および図2は、本技術の一実施形態の非水二次電池用電解液(以下、単に「電解液」という。)を用いた非水二次電池(以下、単に「二次電池」という。)の断面構成を表しており、図2では、図1に示した巻回電極体20の一部を拡大している。
[二次電池の全体構成]
ここで説明する二次電池は、電極反応物質であるリチウム(リチウムイオン)の吸蔵放出により負極22の容量が得られるリチウム二次電池(リチウムイオン二次電池)であり、いわゆる円筒型の電池構造を有している。
この二次電池は、例えば、中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の絶縁板12,13と、巻回電極体20とを収納している。巻回電極体20は、例えば、セパレータ23を介して正極21と負極22とが積層されてから巻回されたものである。
電池缶11は、例えば、一端部が閉鎖されると共に他端部が開放された中空構造を有しており、例えば、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)およびそれらの合金などにより形成されている。この電池缶11の表面には、ニッケル(Al)などが鍍金されていてもよい。一対の絶縁板12,13は、巻回電極体20を挟むように配置されていると共に、その巻回電極体20の巻回周面に対して垂直に延在している。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子(PTC素子)16がガスケット17を介してかしめられているため、その電池缶11は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により形成されている。安全弁機構15および熱感抵抗素子16は、電池蓋14の内側に設けられており、その安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されている。この安全弁機構15では、内部短絡、または外部からの加熱などに起因して内圧が一定以上になると、ディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、大電流に起因する異常な発熱を防止するものであり、その熱感抵抗素子16の抵抗は、温度の上昇に応じて増加するようになっている。ガスケット17は、例えば、絶縁性材料により形成されており、そのガスケット17の表面には、アスファルトが塗布されていてもよい。
巻回電極体20の巻回中心の空間には、例えば、センターピン24が挿入されている。ただし、センターピン24はなくてもよい。正極21には、例えば、アルミニウムなどの導電性材料により形成された正極リード25が接続されていると共に、負極22には、例えば、ニッケルなどの導電性材料により形成された負極リード26が接続されている。正極リード25は、例えば、安全弁機構15に溶接されていると共に、電池蓋14と電気的に接続されている。負極リード26は、例えば、電池缶11に溶接されており、その電池缶11と電気的に接続されている。
[正極]
正極21は、正極集電体21Aの片面または両面に正極活物質層21Bを有している。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム、ニッケルおよびステンレスなどの導電性材料により形成されている。
正極活物質層21Bは、正極活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出可能である正極材料のいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、さらに正極結着剤および正極導電剤などの他の材料のいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
正極材料は、リチウム含有化合物であることが好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。このリチウム含有化合物は、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物およびリチウム遷移金属リン酸化合物などである。リチウム遷移金属複合酸化物とは、リチウム(Li)と1または2以上の遷移金属元素とを構成元素として含む酸化物であり、リチウム遷移金属リン酸化合物とは、リチウムと1または2以上の遷移金属元素とを構成元素として含むリン酸化合物である。中でも、遷移金属元素は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)などのいずれか1種類または2種類以上であることが好ましい。より高い電圧が得られるからである。その化学式は、例えば、Lix M1O2 またはLiy M2PO4 で表される。式中、M1およびM2は、1種類以上の遷移金属元素である。xおよびyの値は、充放電状態に応じて異なるが、例えば、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウム遷移金属複合酸化物の具体例は、LiCoO2 、LiNiO2 、および下記の式(20)で表されるリチウムニッケル系複合酸化物などである。リチウム遷移金属リン酸化合物の具体例は、LiFePO4 およびLiFe1-u Mnu PO4 (u<1)などである。高い電池容量が得られると共に、優れたサイクル特性なども得られるからである。
LiNi1-z z 2 …(20)
(Mは、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、スズ(Sn)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、イッテルビウム(Yb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、ホウ素(B)、クロム(Cr)、ケイ素(Si)、ガリウム(Ga)、リン(P)、アンチモン(Sb)およびニオブ(Nb)のうちの少なくとも1種である。zは、0.005<z<0.5を満たす。)
この他、正極材料は、例えば、酸化物、二硫化物、カルコゲン化物および導電性高分子などのいずれか1種類または2種類以上でもよい。酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムおよび二酸化マンガンなどである。二硫化物は、例えば、二硫化チタンおよび硫化モリブデンなどである。カルコゲン化物は、例えば、セレン化ニオブなどである。導電性高分子は、例えば、硫黄、ポリアニリンおよびポリチオフェンなどである。ただし、正極材料は、上記した一連の材料に限られず、他の材料でもよい。
正極結着剤は、例えば、合成ゴムおよび高分子材料などのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。合成ゴムは、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンなどである。高分子材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデンおよびポリイミドなどである。
正極導電剤は、例えば、炭素材料などのいずれか1種類または2種類以上である。この炭素材料は、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックおよびケチェンブラックなどである。なお、正極導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料および導電性高分子などの他の材料でもよい。
[負極]
負極22は、負極集電体22Aの片面または両面に負極活物質層22Bを有している。
負極集電体22Aは、例えば、銅(Cu)、ニッケルまたはステンレスなどの導電性材料により形成されている。この負極集電体22Aの表面は、粗面化されていることが好ましい。いわゆるアンカー効果により、負極集電体22Aに対する負極活物質層22Bの密着性が向上するからである。この場合には、少なくとも負極活物質層22Bと対向する領域において、負極集電体22Aの表面が粗面化されていればよい。粗面化の方法は、例えば、電解処理を利用して微粒子を形成する方法などである。この電解処理とは、電解槽中において電解法を用いて負極集電体22Aの表面に微粒子を形成することで、その負極集電体22Aの表面に凹凸を設ける方法である。電解法により作製された銅箔は、一般的に、電解銅箔と呼ばれている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出可能である負極材料のいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、さらに負極結着剤および負極導電剤などの他の材料のいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。負極結着剤および負極導電剤に関する詳細は、例えば、正極結着剤および正極導電剤と同様である。ただし、充電途中において意図せずにリチウム金属が負極22に析出することを防止するために、負極材料の充電可能な容量は正極21の放電容量よりも大きいことが好ましい。すなわち、リチウムイオンを吸蔵放出可能である負極材料の電気化学当量は正極21の電気化学当量よりも大きいことが好ましい。
負極材料は、例えば、炭素材料のいずれか1種類または2種類以上である。リチウムイオンの吸蔵放出時における結晶構造の変化が非常に少ないため、高いエネルギー密度および優れたサイクル特性が得られるからである。また、炭素材料は負極導電剤としても機能するからである。この炭素材料は、例えば、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素および黒鉛などである。ただし、難黒鉛化性炭素における(002)面の面間隔は0.37nm以上であることが好ましいと共に、黒鉛における(002)面の面間隔は0.34nm以下であることが好ましい。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、活性炭およびカーボンブラック類などである。このコークス類は、ピッチコークス、ニードルコークスおよび石油コークスなどを含む。有機高分子化合物焼成体は、フェノール樹脂およびフラン樹脂などの高分子化合物が適当な温度で焼成(炭素化)されたものである。この他、炭素材料は、約1000℃以下の温度で熱処理された低結晶性炭素でもよいし、非晶質炭素でもよい。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状および鱗片状のいずれでもよい。
また、負極材料は、例えば、金属元素および半金属元素のいずれか1種類または2種類を構成元素として含む材料(金属系材料)である。高いエネルギー密度が得られるからである。この金属系材料は、単体、合金および化合物のいずれでもよいし、それらの2種類以上でもよいし、それらの1種類または2種類以上の相を少なくとも一部に有する材料でもよい。なお、合金には、2種類以上の金属元素からなる材料に加えて、1種類以上の金属元素と1種類以上の半金属元素とを含む材料も含まれる。また、合金は、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、およびそれらの2種類以上の共存物などがある。
上記した金属元素および半金属元素は、例えば、リチウムと合金を形成可能である金属元素および半金属元素のいずれか1種類または2種類以上である。具体的には、例えば、Mg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Bi、Cd、Ag、Zn、Hf、Zr、Y、PdおよびPtなどである。中でも、SiおよびSnのいずれか一方または双方が好ましい。リチウムイオンを吸蔵放出する能力が優れているため、高いエネルギー密度が得られるからである。
SiおよびSnのいずれか一方または双方を構成元素として含む材料は、SiまたはSnの単体、合金および化合物のいずれでもよいし、それらの2種類以上でもよいし、それらの1種類または2種類以上の相を少なくとも一部に有する材料でもよい。なお、単体とは、あくまで一般的な意味合いでの単体(微量の不純物を含んでいてもよい)であり、必ずしも純度100%を意味しているわけではない。
Siの合金は、例えば、Si以外の構成元素として、Sn、Ni、Cu、Fe、Co、Mn、Zn、In、Ag、Ti、Ge、Bi、SbおよびCrなどのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。Siの化合物は、例えば、Si以外の構成元素として、CおよびOなどのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。なお、Siの化合物は、例えば、Si以外の構成元素として、Siの合金について説明した元素のいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
Siの合金およびSiの化合物の具体例は、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VSi2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 4 、Si2 2 O、SiOv (0<v≦2)、およびLiSiOなどである。なお、SiOv におけるvは、0.2<v<1.4でもよい。
Snの合金は、例えば、Sn以外の構成元素として、Si、Ni、Cu、Fe、Co、Mn、Zn、In、Ag、Ti、Ge、Bi、SbおよびCrなどのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。Snの化合物は、例えば、Sn以外の構成元素として、CおよびOなどのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。なお、Snの化合物は、例えば、Sn以外の構成元素として、Snの合金について説明した元素のいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。Snの合金およびSnの化合物の具体例は、SnOw (0<w≦2)、SnSiO3 、LiSnOおよびMg2 Snなどである。
特に、Snを構成元素として含む材料としては、例えば、Snを第1構成元素とし、それに加えて第2および第3構成元素を含む材料が好ましい。第2構成元素は、例えば、Co、Fe、Mg、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Ce、Hf、Ta、W、BiおよびSiなどのいずれか1種類または2種類以上である。第3構成元素は、例えば、B、C、AlおよびPなどのいずれか1種類または2種類以上である。第2および第3構成元素を含むことで、高い電池容量および優れたサイクル特性などが得られるからである。
中でも、Sn、CoおよびCを構成元素として含む材料(SnCoC含有材料)が好ましい。このSnCoC含有材料では、例えば、Cの含有量が9.9質量%〜29.7質量%、SnおよびCoの含有量の割合(Co/(Sn+Co))が20質量%〜70質量%である。高いエネルギー密度が得られるからである。
SnCoC含有材料は、Sn、CoおよびCを含む相を有しており、その相は、低結晶性または非晶質であることが好ましい。この相は、リチウムと反応可能な反応相であるため、その反応相の存在により優れた特性が得られる。この相のX線回折により得られる回折ピークの半値幅は、特定X線としてCuKα線を用いると共に挿引速度を1°/minとした場合において、回折角2θで1°以上であることが好ましい。リチウムイオンがより円滑に吸蔵放出されると共に、電解液との反応性が低減するからである。なお、SnCoC含有材料は、低結晶性または非晶質の相に加えて、各構成元素の単体または一部を含む相を含んでいる場合もある。
X線回折により得られた回折ピークがリチウムと反応可能な反応相に対応するものであるか否かは、リチウムとの電気化学的反応の前後におけるX線回折チャートを比較すれば容易に判断できる。例えば、リチウムとの電気化学的反応の前後で回折ピークの位置が変化すれば、リチウムと反応可能な反応相に対応するものである。この場合には、例えば、低結晶性または非晶質の反応相の回折ピークが2θ=20°〜50°の間に見られる。このような反応相は、例えば、上記した各構成元素を有しており、主に、Cの存在に起因して低結晶化または非晶質化しているものと考えられる。
SnCoC含有材料では、構成元素であるCのうちの少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。Snなどの凝集または結晶化が抑制されるからである。元素の結合状態については、例えば、X線光電子分光法(XPS)を用いて確認可能である。市販の装置では、例えば、軟X線としてAl−Kα線またはMg−Kα線などが用いられる。Cのうちの少なくとも一部が金属元素または半金属元素などと結合している場合には、Cの1s軌道(C1s)の合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる。なお、Au原子の4f軌道(Au4f)のピークは、84.0eVに得られるようにエネルギー較正されているものとする。この際、通常、物質表面に表面汚染炭素が存在しているため、その表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、それをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形が表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形で得られるため、例えば、市販のソフトウエアを用いて解析することで、両者のピークを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
なお、SnCoC含有材料は、構成元素がSn、CoおよびCだけである材料(SnCoC)に限られない。このSnCoC含有材料は、例えば、Sn、CoおよびCに加えて、さらにSi、Fe、Ni、Cr、In、Nb、Ge、Ti、Mo、Al、P、GaおよびBiなどのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含んでいてもよい。
SnCoC含有材料の他、Sn、Co、FeおよびCを構成元素として含む材料(SnCoFeC含有材料)も好ましい。このSnCoFeC含有材料の組成は、任意である。一例を挙げると、Feの含有量を少なめに設定する場合は、Cの含有量が9.9質量%〜29.7質量%、Feの含有量が0.3質量%〜5.9質量%、SnおよびCoの含有量の割合(Co/(Sn+Co))が30質量%〜70質量%である。また、Feの含有量を多めに設定する場合は、Cの含有量が11.9質量%〜29.7質量%、Sn、CoおよびFeの含有量の割合((Co+Fe)/(Sn+Co+Fe))が26.4質量%〜48.5質量%、CoおよびFeの含有量の割合(Co/(Co+Fe))が9.9質量%〜79.5質量%である。このような組成範囲において、高いエネルギー密度が得られるからである。なお、SnCoFeC含有材料の物性(半値幅など)は、上記したSnCoC含有材料の物性と同様である。
この他、負極材料は、例えば、金属酸化物および高分子化合物などのいずれか1種類または2種類以上でもよい。金属酸化物は、例えば、酸化鉄、酸化ルテニウムおよび酸化モリブデンなどである。高分子化合物は、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンおよびポリピロールなどである。
負極活物質層22Bは、例えば、塗布法、気相法、液相法、溶射法および焼成法(焼結法)などのいずれか1種類または2種類以上の方法により形成されている。塗布法とは、例えば、粒子(粉末)状の負極活物質を負極結着剤などと混合したのち、その混合物を有機溶剤などの溶媒に分散させてから負極集電体22Aに塗布する方法である。気相法は、例えば、物理堆積法および化学堆積法などである。より具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長、化学気相成長(CVD)法およびプラズマ化学気相成長法などである。液相法は、例えば、電解鍍金法および無電解鍍金法などである。溶射法とは、溶融状態または半溶融状態の負極活物質を負極集電体22Aに噴き付ける方法である。焼成法とは、例えば、塗布法を用いて、溶媒に分散された混合物を負極集電体22Aに塗布したのち、負極結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。この焼成法としては、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法およびホットプレス焼成法などを用いることができる。
この二次電池では、上記したように、充電途中において負極22にリチウム金属が意図せずに析出することを防止するために、リチウムイオンを吸蔵放出可能である負極材料の電気化学当量は正極の電気化学当量よりも大きくなっている。また、完全充電時の開回路電圧(すなわち電池電圧)が4.25V以上であると、4.20Vである場合と比較して、同じ正極活物質を用いても単位質量当たりのリチウムイオンの放出量が多くなるため、それに応じて正極活物質と負極活物質との量が調整されている。これにより、高いエネルギー密度が得られるようになっている。
[セパレータ]
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離することで、両極の接触に起因する短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、合成樹脂およびセラミックなどのいずれか1種類または2種類以上の多孔質膜であり、2種類以上の多孔質膜が積層された積層膜でもよい。合成樹脂は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどである。
特に、セパレータ23は、例えば、上記した多孔質膜(基材層)の片面または両面に高分子化合物層を有していてもよい。正極21および負極22に対するセパレータ23の密着性が向上するため、巻回電極体20の歪みなどが抑制されるからである。これにより、電解液の分解反応が抑制されると共に、基材層に含浸された電解液の漏液も抑制されるため、充放電を繰り返しても抵抗が上昇しにくくなると共に電池膨れが抑制される。
高分子化合物層は、例えば、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料を含んでいる。物理的強度に優れていると共に、電気化学的に安定だからである。ただし、高分子材料は、ポリフッ化ビニリデンに限られず、他の材料でもよい。この高分子化合物層を形成する場合には、例えば、有機溶剤などに高分子材料が分散または溶解された溶液を準備したのち、その溶液を基材層に塗布してから乾燥させる。なお、溶液中に基材層を浸漬させてから乾燥させてもよい。
[電解液]
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のいずれか一方または双方とを含んでいる。ただし、電解液は、さらに添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。
Figure 2014157738
(R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
Figure 2014157738
(R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
式(1)に示したジスルホニル化合物は、1つの非水素基(−R1)と2つのハロゲン化スルホニル基(−S(=O)2 −X1)とを置換基として有する第三級アミンである。一方、式(2)に示したジスルフィニル化合物は、1つの非水素基(−R2)と2つのハロゲン化スルフィニル基(−S(=O)−X2)とを置換基として有する第三級アミンである。電解液は、上記したように、ジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のうちのいずれか一方だけを含んでいてもよいし、双方を含んでいてもよい。
電解液がジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のいずれか一方または双方を含んでいるのは、それらを含んでいない場合と比較して、電解液の化学的安定性が向上するため、その電解液の分解反応が抑制されるからである。これにより、二次電池を繰り返して充放電させると共に保存しても放電容量の低下が抑制されるため、高い放電容量が得られやすくなる。また、電解液の分解反応に起因するガスの発生が抑制されるため、二次電池が膨れにくくなる。これらの傾向は、特に、高温などの厳しい温度環境中において二次電池を充放電および保存させた場合において顕著となる。
ジスルホニル化合物に関する式(1)において、R1の種類は、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基およびそれらの2種類以上が結合された基のいずれかであれば、特に限定されない。ジスルホニル化合物が1つの非水素基と2つのハロゲン化スルホニル基とを有する第三級アミンであることで、R1の種類に依存せずに上記した利点が得られるからである。
「炭化水素基」とは、炭素および水素により構成される1価の基の総称である。この炭化水素基は、直鎖状でもよいし、1または2以上の側鎖を有する分岐状でもよい。また、炭化水素基は、炭素間多重結合(炭素間二重結合または炭素間三重結合)を有する不飽和炭化水素基でもよいし、その炭素間多重結合を有しない飽和炭化水素基でもよい。
この炭化水素基は、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基およびシクロアルキル基などであり、それぞれの基の炭素数は、特に限定されない。炭素数に依存せずに上記した利点が得られるからである。
中でも、アルキル基の炭素数は1〜18、アルケニル基およびアルキニル基の炭素数は2〜18、アリール基の炭素数は6〜18、シクロアルキル基の炭素数は3〜18であることが好ましい。ジスルホニル化合物の溶解性および相溶性などが確保されるからである。
一例を挙げると、アルキル基は、メチル基(−CH3 )、エチル基(−C2 5 )、プロピル基(−C3 7 )、ヘキシル基(−C6 13)、オクチル基(−C8 16)、ドデシル基(−C12 25)およびオクタデシル基(−C18 37)などである。アルケニル基は、ビニル基(−CH=CH2 )およびアリル基(−CH2 −CH=CH2 )などである。アルキニル基は、エチニル基(−C≡CH)などである。アリール基は、フェニル基およびナフチル基などである。シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびシクロオクチル基などである。
「ハロゲン化基炭化水素基」とは、炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素がハロゲンにより置換(ハロゲン化)された基であり、1種類のハロゲンだけを含んでいてもよいし、2種類以上のハロゲンを含んでいてもよい。このハロゲンの種類は、特に限定されないが、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)などのいずれか1種類または2種類以上であり、中でも、フッ素が好ましい。より高い効果が得られるからである。
このハロゲン化炭化水素基は、例えば、フルオロメチル基(−CH2 F)、トリフルオロメチル基(−CF3 )、ペンタフルオロエチル基(−C2 5 )およびヘプタフルオロプロピル基(−C3 7 )などである。
「酸素含有炭化水素基」とは、炭素および水素と共に酸素により構成される1価の基の総称である。直鎖状でも分岐状でもよいこと、および炭素間多重結合を有していてもいなくてもよいことは、上記した炭化水素基と同様である。
この酸素含有炭化水素基は、例えば、アルコキシ基、第1エステル基(−C(=O)−O−R3:R3はアルキル基である。)、炭酸エステル基(−O−C(=O)−O−R4:R4はアルキル基である。)、第2エステル基(−O−C(=O)−R5:R5はアルキル基である。)、またはポリエーテル基(−(R6O)n −R7:R6はアルキレン基、R7はアルキル基、nは2以上の整数である。)などであり、それぞれの基の炭素数は、特に限定されない。R3〜R5およびR7(アルキル基)の具体例は、上記したアルキル基の具体例と同様である。R6(アルキレン基)の具体例は、メチレン基(−CH2 −)、エチレン基(−C2 4 −)およびプロピレン基(−C3 6 −)などであり、そのアルキレン基の炭素数は、アルキル基と同様の理由により、1〜18であることが好ましい。
中でも、アルコキシ基の炭素数は、1〜18であることが好ましい。ジスルホニル化合物の溶解性および相溶性などが確保されるからである。
一例を挙げると、アルコキシ基は、メトキシ基(−OCH3 )、エトキシ基(−OC2 5 )およびプロポキシ基(−OC3 7 )などである。第1エステル基は、−C(=O)−O−CH3 および−C(=O)−O−C2 5 などである。炭酸エステル基は、−O−C(=O)−O−CH3 および−O−C(=O)−O−C2 5 などである。第2エステル基は、−O−C(=O)−CH3 および−O−C(=O)−C2 5 などである。ポリエーテル基は、−(C2 4 O)2 −CH3 および−(C2 4 O)2 −C2 5 などである。
「ハロゲン化酸素含有炭化水素基」とは、酸素含有炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素がハロゲンにより置換(ハロゲン化)された基である。ハロゲンの種類などに関する詳細は、ハロゲン化炭化水素基と同様である。
このハロゲン化酸素含有炭化水素基は、例えば、トリフルオロメトキシ基(−OCF3 )およびペンタフルオロエトキシ基(−OC2 5 )などである。
「それらの2種類以上が結合された基」とは、上記した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基およびハロゲン化酸素含有炭化水素基のうちの任意の2種類以上が全体として1価となるように結合された基である。
この2種類以上が結合された基の種類は、特に限定されないが、一例を挙げると、以下の通りである。例えば、アリール基とアルキル基とが結合された基(ベンジル基)は、−CH2 −C6 5 などである。シクロアルキル基とアルキル基とが結合された基は、−CH2 −C6 11などである。アルコキシ基とアルキル基とが結合された基は、−CH2 −CH3 Oなどである。第1エステル基とアルキル基とが結合された基は、−CH2 −C(=O)−O−CH3 などである。炭酸エステル基とアルキル基とが結合された基は、−CH2 −O−C(=O)−O−CH3 、−C2 4 −C(=O)−O−CH3 および−C3 6 −C(=O)−O−CH3 などである。第2エステル基とアルキル基とが結合された基は、−C2 4 −O−C(=O)−CH3 および−C2 4 −O−C(=O)−C2 5 などである。ポリエーテル基とアルキル基とが結合された基は、−C2 4 −(C2 4 O)2 −CH3 および−C2 4 −(C2 4 O)2 −C2 5 などである。
この他、R1は、上記した一連の基以外の基でもよい。より具体的には、R1は、例えば、上記した一連の基の誘導体でもよい。この誘導体とは、一連の基に1または2以上の置換基が導入されたものであり、その置換基の種類は任意でよい。
X1の種類は、ハロゲン基であれば、特に限定されない。ジスルホニル化合物が2つのハロゲン化スルホニル基を有する第三級アミンであることで、X1の種類に依存せずに上記した利点が得られるからである。なお、一方のハロゲン化スルホニル基に含まれているX1の種類と、他方のハロゲン化スルホニル基に含まれているX1の種類とは、同じでもよいし、異なってもよい。
ハロゲン基の種類は、上記したハロゲン化炭化水素基およびハロゲン化酸素含有炭化水素基に含まれるハロゲンの種類と同様である。すなわち、ハロゲン基は、例えば、フッ素基、塩素基、臭素基およびヨウ素基などのいずれか1種類または2種類以上であり、中でも、フッ素基が好ましい。より高い効果が得られるからである。
ジスルフィニル化合物に関する式(2)において、R2に関する詳細は上記したR1と同様であると共に、X2に関する詳細は上記したX1と同様である。
ジスルホニル化合物の具体例は、下記の式(1−1)〜式(1−19)のそれぞれで表される化合物のいずれか1種類または2種類以上である。ただし、ジスルホニル化合物の具体例は、式(1)に示した化学式を満たしていれば、下記に示した化合物以外の化合物でもよい。
CH3 −N−(SO2 F)2 …(1−1)
2 5 −N−(SO2 F)2 …(1−2)
3 7 −N−(SO2 F)2 …(1−3)
CH2 =CH−N−(SO2 F)2 …(1−4)
CH≡C−N−(SO2 F)2 …(1−5)
6 5 −N−(SO2 F)2 …(1−6)
6 11−N−(SO2 F)2 …(1−7)
CH3 −C(=O)O−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−8)
CH3 OC(=O)−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−9)
CH3 OC(=O)O−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−10)
CH3 OC(=O)O−C3 6 −N−(SO2 F)2 …(1−11)
CF3−N−(SO2 F)2 …(1−12)
6 5 −CH2 −N−(SO2 F)2 …(1−13)
CH3 −N−(SO2 Cl)2 …(1−14)
CH3 −N−(SO2 Br)2 …(1−15)
CH3 −N−(SO2 I)2 …(1−16)
CH3 O−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−17)
CH3 −(OC2 4 2 −N−(SO2 F)2 …(1−18)
CH3 OC(=O)−N−(SO2 F)2 …(1−19)
ジスルフィニル化合物の具体例は、下記の式(2−1)〜式(2−19)のそれぞれで表される化合物のいずれか1種類または2種類以上である。ただし、ジスルフィニル化合物の具体例は、式(2)に示した化学式を満たしていれば、下記に示した化合物以外の化合物でもよい。
CH3 −N−(SOF)2 …(2−1)
2 5 −N−(SOF)2 …(2−2)
3 7 −N−(SOF)2 …(2−3)
CH2 =CH−N−(SOF)2 …(2−4)
CH≡C−N−(SOF)2 …(2−5)
6 5 −N−(SOF)2 …(2−6)
6 11−N−(SOF)2 …(2−7)
CH3 −C(=O)O−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−8)
CH3 OC(=O)−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−9)
CH3 OC(=O)O−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−10)
CH3 OC(=O)O−C3 6 −N−(SOF)2 …(2−11)
CF3−N−(SOF)2 …(2−12)
6 5 −CH2 −N−(SOF)2 …(2−13)
CH3 −N−(SOCl)2 …(2−14)
CH3 −N−(SOBr)2 …(2−15)
CH3 −N−(SOI)2 …(2−16)
CH3 O−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−17)
CH3 −(OC2 4 2 −N−(SOF)2 …(2−18)
CH3 OC(=O)−N−(SOF)2 …(2−19)
電解液中におけるジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のいずれか一方または双方の含有量は、特に限定されないが、中でも、0.0005質量%〜8質量%であることが好ましく、0.001質量%〜5質量%がより好ましい。より高い効果が得られるからである。
非水溶媒は、有機溶媒などのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この有機溶媒は、例えば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、ラクトン、鎖状カルボン酸エステルおよびニトリルなどである。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。環状炭酸エステルは、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレンおよび炭酸ブチレンなどであり、鎖状炭酸エステルは、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルおよび炭酸メチルプロピルなどである。ラクトンは、例えば、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンなどである。カルボン酸エステルは、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルおよびトリメチル酢酸エチルなどである。ニトリルは、例えば、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリルおよび3−メトキシプロピオニトリルなどである。
この他、非水溶媒は、例えば、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチルおよびジメチルスルホキシドなどでもよい。同様の利点が得られるからである。
中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルのいずれか1種類または2種類以上が好ましい。より優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。この場合には、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルおよび炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
特に、非水溶媒は、下記の式(3)で表される第1不飽和環状炭酸エステル、式(4)で表される第2不飽和環状炭酸エステル、式(5)で表される第3不飽和環状炭酸エステル、式(6)で表されるハロゲン化環状炭酸エステル、式(7)で表されるハロゲン化鎖状炭酸エステルのいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。充放電時において主に負極22の表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。
第1〜第3不飽和環状炭酸エステルは、1または2以上の不飽和結合(炭素間二重結合)を有する環状炭酸エステルである。より具体的には、第1不飽和環状炭酸エステルは炭酸ビニレン系化合物、第2不飽和環状炭酸エステルは炭酸ビニルエチレン系化合物、第3不飽和環状炭酸エステルは炭酸メチレンエチレン系化合物である。式(3)中のR11およびR12は、同じ種類の基でもよいし、異なる種類の基でもよい。このことは、式(4)中のR13〜R16についても同様である。なお、R11〜R16、R31およびR32の候補であるアルキル基に関する詳細は、上記したジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物に関するアルキル基と同様である。
Figure 2014157738
(R11およびR12は水素基またはアルキル基である。)
Figure 2014157738
(R13〜R16は水素基、アルキル基、ビニル基またはアリル基であり、R13〜R16のうちの少なくとも1つはビニル基またはアリル基である。)
Figure 2014157738
(R17は>CR31R32であり、R31およびR32はアルキル基である。)
第1不飽和環状炭酸エステルの具体例は、炭酸ビニレン(1,3−ジオキソール−2−オン)、炭酸メチルビニレン(4−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、炭酸エチルビニレン(4−エチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4,5−ジエチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソール−2−オン、および4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソール−2−オンなどである。中でも、炭酸ビニレンが好ましい。容易に入手できると共に、高い効果が得られるからである。
第2不飽和環状炭酸エステルの具体例は、炭酸ビニルエチレン(4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン)、4−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−n−プロピル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、および4,5−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどである。中でも、炭酸ビニルエチレンが好ましい。容易に入手できると共に、高い効果が得られるからである。もちろん、R13〜R16としては、全てがビニル基でもよいし、全てがアリル基でもよいし、ビニル基とアリル基とが混在してもよい。
第3不飽和環状炭酸エステルの具体例は、炭酸メチレンエチレン(4−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オン)、4,4−ジメチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オン、および4,4−ジエチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オンなどである。この炭酸メチレンエチレン系化合物は、式(5)に示したように1つのメチレン基を有する化合物の他、2つのメチレン基を有する化合物でもよい。
この他、第1〜第3不飽和環状炭酸エステルに代えて、ベンゼン環を有する炭酸カテコール(カテコールカーボネート)を用いてもよい。
非水溶媒中における第1〜第3不飽和環状炭酸エステルのいずれか1つまたは2つ以上の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01重量%〜10重量%である。なお、第1〜第3不飽和環状炭酸エステルの具体例は、上記した化合物以外の化合物でもよい。
ハロゲン化環状炭酸エステルとは、1または2以上のハロゲンを構成元素として含む環状の炭酸エステルであり、ハロゲン化鎖状炭酸エステルとは、1または2以上のハロゲン基を構成元素として含む鎖状の炭酸エステルである。式(6)中のR21〜R24は、同じ種類の基でもよいし、異なる種類の基でもよい。もちろん、R21〜R24のうちの一部が同じ種類の基でもよい。このことは、式(7)中のR25〜R30についても同様である。なお、R21〜R30の候補であるハロゲン基、アルキル基およびハロゲン化アルキル基に関する詳細は、上記したジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物に関するハロゲン基などと同様である。すなわち、ハロゲン基の種類は、フッ素基、塩素基、臭素基およびヨウ素基のいずれか1種類または2種類以上が好ましく、フッ素がより好ましい。ただし、ただし、ハロゲンの数は、1つよりも2つが好ましく、さらに3つ以上でもよい。保護膜を形成しやすくなるため、より強固で安定な保護膜が形成されるからである。
Figure 2014157738
(R21〜R24は水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基であり、R21〜R24のうちの少なくとも1つはハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2014157738
(R25〜R30は水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基であり、R25〜R30のうちの少なくとも1つはハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
ハロゲン化環状炭酸エステルの具体例は、下記の式(6−1)〜式(6−21)のそれぞれで表される化合物などのいずれか1種類または2種類以上であり、その化合物には、幾何異性体も含まれる。中でも、式(6−1)に示した4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、および式(6−3)に示した4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンが好ましい。また、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとしては、シス異性体よりもトランス異性体が好ましい。容易に入手できると共に、高い効果が得られるからである。
Figure 2014157738
ハロゲン化鎖状炭酸エステルの具体例は、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ビス(フルオロメチル)および炭酸ジフルオロメチルメチルなどである。
非水溶媒中におけるハロゲン化環状炭酸エステルおよびハロゲン化鎖状炭酸エステルのいずれか一方または双方の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01重量%〜50重量%である。なお、ハロゲン化環状炭酸エステルおよびハロゲン化鎖状炭酸エステルの具体例は、上記した化合物以外の化合物でもよい。
また、非水溶媒は、スルトン(環状スルホン酸エステル)のいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。電解液の化学的安定性がより向上するからである。スルトンの具体例は、プロパンスルトンおよびプロペンスルトンなどである。非水溶媒中におけるスルトンの含有量は、特に限定されないが、例えば、0.5重量%〜5重量%である。なお、スルトンの具体例は、上記以外の化合物でもよい。
さらに、非水溶媒は、酸無水物のいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。電解液の化学的安定性がより向上するからである。酸無水物の具体例は、カルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物およびカルボン酸スルホン酸無水物などである。より具体的には、カルボン酸無水物は、無水コハク酸、無水グルタル酸および無水マレイン酸などである。ジスルホン酸無水物は、無水エタンジスルホン酸および無水プロパンジスルホン酸などである。カルボン酸スルホン酸無水物は、無水スルホ安息香酸、無水スルホプロピオン酸および無水スルホ酪酸などである。非水溶媒中における酸無水物の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.5重量%〜5重量%である。なお、酸無水物の具体例は、上記以外の化合物でもよい。
電解質塩は、例えば、リチウム塩のいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、電解質塩は、例えば、リチウム塩以外の他の塩を含んでいてもよい。この「他の塩」とは、例えば、リチウム塩以外の軽金属塩などである。
このリチウム塩は、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C6 5 4 )、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3 SO3 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4 )、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2 SiF6 )、塩化リチウム(LiCl)、および臭化リチウム(LiBr)などである。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。ただし、リチウム塩の具体例は、上記以外の化合物でもよい。
中でも、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 およびLiAsF6 のいずれか1種類または2種類以上が好ましく、LiPF6 がより好ましい。内部抵抗が低下するため、より高い効果が得られるからである。
特に、電解質塩は、下記の式(8)で表される化合物、式(9)で表される化合物および式(10)で表される化合物のいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。より高い効果が得られるからである。式(8)中のR41およびR43は、同じ種類の基でもよいし、異なる種類の基でもよい。このことは、式(9)中のR51〜R53、式(10)中のR61およびR62についても同様である。もちろん、R51〜R53のうちの一部が同じ種類の基でもよい。
Figure 2014157738
(X41は長周期型周期表における1族元素または2族元素、またはアルミニウムである。M41は遷移金属、または長周期型周期表における13族元素、14族元素または15族元素である。R41はハロゲン基である。Y41は−C(=O)−R42−C(=O)−、−C(=O)−CR432 −、または−C(=O)−C(=O)−である。ただし、R42はアルキレン基、ハロゲン化アルキレン基、アリーレン基またはハロゲン化アリーレン基である。R43はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール基である。なお、a4は1〜4の整数であり、b4は0、2または4の整数であり、c4、d4、m4およびn4は1〜3の整数である。)
Figure 2014157738
(X51は長周期型周期表における1族元素または2族元素である。M51は遷移金属、または長周期型周期表における13族元素、14族元素または15族元素である。Y51は−C(=O)−(CR512 b5−C(=O)−、−R532 C−(CR522 c5−C(=O)−、−R532 C−(CR522 c5−CR532 −、−R532 C−(CR522 c5−S(=O)2 −、−S(=O)2 −(CR522 d5−S(=O)2 −、または−C(=O)−(CR522 d5−S(=O)2 −である。ただし、R51およびR53は水素基、アルキル基、ハロゲン基またはハロゲン化アルキル基であり、それぞれのうちの少なくとも1つはハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。R52は水素基、アルキル基、ハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。なお、a5、e5およびn5は1または2の整数であり、b5およびd5は1〜4の整数であり、c5は0〜4の整数であり、f5およびm5は1〜3の整数である。)
Figure 2014157738
(X61は長周期型周期表における1族元素または2族元素である。M61は遷移金属、または長周期型周期表における13族元素、14族元素または15族元素である。Rfはフッ素化アルキル基またはフッ素化アリール基であり、いずれの炭素数も1〜10である。Y61は−C(=O)−(CR612 d6−C(=O)−、−R622 C−(CR612 d6−C(=O)−、−R622 C−(CR612 d6−CR622 −、−R622 C−(CR612 d6−S(=O)2 −、−S(=O)2 −(CR612 e6−S(=O)2 −、または−C(=O)−(CR612 e6−S(=O)2 −である。ただし、R61は水素基、アルキル基、ハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。R62は水素基、アルキル基、ハロゲン基またはハロゲン化アルキル基であり、そのうちの少なくとも1つはハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。なお、a6、f6およびn6は1または2の整数であり、b6、c6およびe6は1〜4の整数であり、d6は0〜4の整数であり、g6およびm6は1〜3の整数である。)
なお、1族元素とは、H、Li、Na、K、Rb、CsおよびFrである。2族元素とは、Be、Mg、Ca、Sr、BaおよびRaである。13族元素とは、B、Al、Ga、InおよびTlである。14族元素とは、C、Si、Ge、SnおよびPbである。15族元素とは、N、P、As、SbおよびBiである。
式(8)に示した化合物の具体例は、下記の式(8−1)〜式(8−6)のそれぞれで表される化合物などのいずれか1種類または2種類以上である。式(9)に示した化合物の具体例は、下記の式(9−1)〜式(9−8)のそれぞれで表される化合物などのいずれか1種類または2種類以上である。式(10)に示した化合物の具体例は、下記の式(10−1)で表される化合物などのいずれか1種類または2種類以上である。ただし、式(8)〜式(10)のそれぞれに示した化合物は、他の化合物でもよい。
Figure 2014157738
Figure 2014157738
Figure 2014157738
また、電解質塩は、下記の式(11)で表される鎖状イミド化合物、式(12)で表される環状イミド化合物および式(13)で表される鎖状メチド化合物のいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。より高い効果が得られるからである。式(11中のmおよびnは、同じ値でもよいし、異なる値でもよい。このことは、式(13)中のp、qおよびrについても同様である。
LiN(Cm 2m+1SO2 )(Cn 2n+1 SO2 ) …(11)
(mおよびnは0以上の整数である。)
Figure 2014157738
(R71は炭素数=2〜4の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキレン基である。)
LiC(Cp 2p+1SO2 )(Cq 2q+1SO2 )(Cr 2r+1SO2 ) …(13)
(p、qおよびrは1以上の整数である。)
鎖状イミド化合物の具体例は、以下の通りである。m≠0およびn≠0である場合は、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 2 )、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(C2 5 SO2 2 )、(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )(C2 5 SO2 ))、(トリフルオロメタンスルホニル)(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )(C3 7 SO2 ))、および(トリフルオロメタンスルホニル)(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )(C4 9 SO2 ))などのいずれか1種類または2種類以上である。m=0およびn=0である場合は、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(FSO2 2 )である。
環状イミド化合物の具体例は、式(12−1)〜式(12−4)のそれぞれで表される化合物などのいずれか1種類または2種類以上である。
Figure 2014157738
鎖状メチド化合物の具体例は、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3 SO2 3 )などのいずれか1種類または2種類以上である。
中でも、電解質塩は、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムを含んでいることが好ましい。電解液の分解反応が抑制されるため、充放電を繰り返しても放電容量が低下しにくくなると共にガスが発生しにくくなるからである。
電解質塩の含有量は、特に限定されないが、中でも、非水溶媒に対して0.3mol/kg〜3.0mol/kgであることが好ましい。高いイオン伝導性が得られるからである。
[二次電池の動作]
この二次電池は、例えば、以下のように動作する。充電時には、正極21から放出されたリチウムイオンが電解液を介して負極22に吸蔵される。一方、放電時には、負極22から放出されたリチウムイオンが電解液を介して正極21に吸蔵される。
[二次電池の製造方法]
この二次電池は、例えば、以下の手順により製造される。
最初に、正極21を作製する。この場合には、正極活物質と、正極結着剤および正極導電剤などとを混合して、正極合剤とする。続いて、正極合剤を有機溶剤などに分散させて、ペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、正極集電体21Aの両面に正極合剤スラリーを塗布してから乾燥させて、正極活物質層21Bを形成する。こののち、ロールプレス機などを用いて正極活物質層21Bを圧縮成型してもよい。この場合には、正極活物質層21Bを加熱しながら圧縮成型してもよいし、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。
また、上記した正極21と同様の手順により、負極22を作製する。この場合には、負極活物質と負極結着剤および負極導電剤などとが混合された負極合剤を有機溶剤などに分散させて、ペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、負極集電体22Aの両面に負極合剤スラリーを塗布してから乾燥させて、負極活物質層22Bを形成する。こののち、負極活物質層22Bを圧縮成型してもよい。
また、電解液を調製する。この場合には、非水溶媒に電解質塩を溶解させたのち、ジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のいずれか一方または双方を加える。
最後に、正極21および負極22を用いて二次電池を組み立てる。この場合には、溶接法などを用いて正極集電体21Aに正極リード25を取り付けると共に、同様に溶接法などを用いて負極集電体22Aに負極リード26を取り付ける。続いて、セパレータ23を介して正極21と負極22とを積層してから巻回させて巻回電極体20を作製したのち、その巻回電極体20の巻回中心の空間にセンターピン24を挿入する。続いて、一対の絶縁板12,13で挟みながら巻回電極体20を電池缶11の内部に収納する。この場合には、溶接法などを用いて正極リード25を安全弁機構15に取り付けると共に、同様に溶接法などを用いて負極リード26を電池缶11に取り付ける。続いて、電池缶11の内部に電解液を注入してセパレータ23に含浸させる。最後に、ガスケット17を介して電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をかしめる。これにより、二次電池が完成する。
[二次電池の作用および効果]
この円筒型の二次電池によれば、電解液がジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のいずれか一方または双方を含んでいる。これにより、上記したように、電解液がジスルホニル化合物等を含んでいない場合および電解液が他の化合物を含んでいる場合と比較して、電解液の化学的安定性が向上するため、その電解液の分解反応が抑制される。この「他の化合物」とは、例えば、下記の式(14−1)および式(14−2)のそれぞれで表される他のジスルホニル化合物や、式(14−3)および式(14−4)のそれぞれで表される他のジスルフィニル化合物などである。よって、二次電池が充放電および保存されても放電容量が低下しにくくなると共に二次電池が膨れにくくなるため、優れた電池特性を得ることができる。
CH3 −SO2 F …(14−1)
CH3 −N−[SO2 CF3 2 …(14−2)
CH3 −SOF …(14−3)
CH3 −N−[SOCF3 2 …(14−4)
特に、式(1)中のX1および式(2)中のX2がフッ素基であれば、より高い効果を得ることができる。また、電解液中におけるジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のいずれか一方または双方の含有量が0.0005質量%〜8質量%、さらに0.001質量%〜5質量%であれば、より高い効果を得ることができる。
また、電解液が第1〜第3不飽和環状炭酸エステル、ハロゲン化環状炭酸エステルおよびハロゲン化鎖状炭酸エステルのいずれか1種類または2種類以上を含んでいれば、放電容量の低下をより抑制できる。また、電解質塩がリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含んでいれば、放電容量の低下をより抑制できると共に、二次電池の膨れをより抑制できる。
<1−2.リチウムイオン二次電池(ラミネートフィルム型)>
図3は、他の二次電池の分解斜視構成を表しており、図4は、図3に示した巻回電極体30のIV−IV線に沿った断面を拡大している。以下では、既に説明した円筒型の二次電池の構成要素を随時引用する。
[二次電池の全体構成]
ここで説明する二次電池は、いわゆるラミネートフィルム型のリチウムイオン二次電池であり、例えば、フィルム状の外装部材40の内部に巻回電極体30を収納している。この巻回電極体30は、例えば、セパレータ35および電解質層36を介して正極33と負極34とが積層されてから巻回されたものである。正極33には正極リード31が取り付けられていると共に、負極34には負極リード32が取り付けられている。巻回電極体30の最外周部は、保護テープ37により保護されている。
正極リード31および負極リード32は、例えば、外装部材40の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。正極リード31は、例えば、アルミニウムなどの導電性材料により形成されていると共に、負極リード32は、例えば、銅、ニッケルおよびステンレスなどの導電性材料により形成されている。これらの導電性材料は、例えば、薄板状または網目状になっている。
外装部材40は、例えば、融着層と、金属層と、表面保護層とがこの順に積層されたラミネートフィルムである。この外装部材40は、例えば、融着層が巻回電極体30と対向するように2枚のラミネートフィルムが重ねられたのち、各融着層の外周縁部同士が融着されたものである。ただし、2枚のラミネートフィルムは、接着剤などを介して貼り合わされていてもよい。融着層は、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのフィルムである。金属層は、例えば、アルミニウム箔などである。表面保護層は、例えば、ナイロンおよびポリエチレンテレフタレートなどのフィルムである。
中でも、外装部材40は、ポリエチレンフィルムと、アルミニウム箔と、ナイロンフィルムとがこの順に積層されたアルミラミネートフィルムであることが好ましい。ただし、外装部材40は、他の積層構造を有するラミネートフィルムでもよいし、ポリプロピレンなどの高分子フィルムでもよいし、金属フィルムでもよい。
外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、例えば、外気の侵入を防止するために密着フィルム41が挿入されている。この密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料により形成されている。この密着性材料は、例えば、ポリオレフィン樹脂などであり、より具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンおよび変性ポリプロピレンなどである。
正極33は、例えば、正極集電体33Aの片面または両面に正極活物質層33Bを有していると共に、負極34は、例えば、負極集電体34Aの片面または両面に負極活物質層34Bを有している。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34Aおよび負極活物質層34Bの構成は、それぞれ正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22Aおよび負極活物質層22Bの構成と同様である。また、セパレータ35の構成は、セパレータ23の構成と同様である。
電解質層36は、高分子化合物により電解液が保持されたものであり、いわゆるゲル状の電解質である。高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)が得られると共に、電解液の漏液が防止されるからである。この電解質層36は、さらに添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。
高分子化合物は、高分子材料のいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この高分子材料は、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリフッ化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンおよびポリカーボネートなどである。この他、高分子材料は、共重合体でもよい。この共重合体は、例えば、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体などである。中でも、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体が好ましく、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。電気化学的に安定だからである。
電解液の組成は、例えば、円筒型の場合と同様であり、その電解液は、上記したジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のいずれか一方または双方を含んでいる。ただし、ゲル状の電解質である電解質層36において電解液の溶媒とは、液状の溶媒だけでなく、電解質塩を解離させることが可能なイオン伝導性を有する材料まで含む広い概念である。よって、イオン伝導性を有する高分子化合物を用いる場合には、その高分子化合物も溶媒に含まれる。
なお、ゲル状の電解質層36に代えて、電解液をそのまま用いてもよい。この場合には、電解液がセパレータ35に含浸される。
[二次電池の動作]
この二次電池では、例えば、以下のように動作する。充電時には、正極33から放出されたリチウムイオンが電解質層36を介して負極34に吸蔵される。一方、放電時には、負極34から放出されたリチウムイオンが電解質層36を介して正極33に吸蔵される。
[二次電池の製造方法]
ゲル状の電解質層36を備えた二次電池は、例えば、以下の3種類の手順により製造される。
第1手順では、正極21および負極22と同様の作製手順により、正極33および負極34を作製する。この場合には、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bを形成して正極33を作製すると共に、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bを形成して負極34を作製する。続いて、電解液と、高分子化合物と、有機溶剤などの溶媒とを含む前駆溶液を調製したのち、その前駆溶液を正極33および負極34に塗布して、ゲル状の電解質層36を形成する。続いて、溶接法などを用いて正極集電体33Aに正極リード31を取り付けると共に、溶接法などを用いて負極集電体34Aに負極リード32を取り付ける。続いて、セパレータ35を介して正極33と負極34とを積層してから巻回させて巻回電極体30を作製したのち、その最外周部に保護テープ37を貼り付ける。続いて、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込んだのち、熱融着法などを用いて外装部材40の外周縁部同士を接着させて、その外装部材40の内部に巻回電極体30を封入する。この場合には、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間に密着フィルム41を挿入する。
第2手順では、正極33に正極リード31を取り付けると共に、負極34に負極リード52を取り付ける。続いて、セパレータ35を介して正極33と負極34とを積層してから巻回させて、巻回電極体30の前駆体である巻回体を作製したのち、その最外周部に保護テープ37を貼り付ける。続いて、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回体を配置したのち、熱融着法などを用いて一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を接着させて、袋状の外装部材40の内部に巻回体を収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、さらに重合禁止剤などの他の材料とを混合して、電解質用組成物を調製する。続いて、袋状の外装部材40の内部に電解質用組成物を注入したのち、熱融着法などを用いて外装部材40を密封する。続いて、モノマーを熱重合させて、高分子化合物を形成する。これにより、高分子化合物に電解液が含浸され、その高分子化合物がゲル化するため、電解質層36が形成される。
第3手順では、高分子化合物が両面に塗布されたセパレータ35を用いることを除き、上記した第2手順と同様に、巻回体を作製して袋状の外装部材40の内部に収納する。このセパレータ35に塗布する高分子化合物は、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体(単独重合体、共重合体および多元共重合体)などである。具体的には、単独重合体は、例えば、ポリフッ化ビニリデンである。共重合体は、例えば、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとを成分とする二元系の共重合体などである。多元共重合体は、例えば、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとクロロトリフルオロエチレンとを成分とする三元系の共重合体などである。なお、フッ化ビニリデンを成分とする重合体と一緒に、他の1種類または2種類以上の高分子化合物を用いてもよい。続いて、電解液を調製して外装部材40の内部に注入したのち、熱融着法などを用いて外装部材40の開口部を密封する。続いて、外装部材40に加重をかけながら加熱して、高分子化合物を介してセパレータ35を正極33および負極34に密着させる。これにより、高分子化合物に電解液が含浸され、その高分子化合物がゲル化するため、電解質層36が形成される。
この第3手順では、第1手順よりも二次電池の膨れが抑制される。また、第3手順では、第2手順よりも高分子化合物の原料であるモノマーまたは溶媒などが電解質層36中にほとんど残らないため、高分子化合物の形成工程が良好に制御される。このため、正極33、負極34およびセパレータ35と電解質層36とが十分に密着する。
[二次電池の作用および効果]
このラミネートフィルム型の二次電池によれば、電解質層36の電解液がジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のいずれか一方または双方を含んでいる。よって、上記した円筒型の二次電池と同様の理由により、優れた電池特性を得ることができる。
特に、正極33、負極34および電解液がフィルム状の外装部材40の内部に収納されているラミネートフィルム型の二次電池では、ガス発生に応じて外装部材40が膨らみやすい性質を有しているため、より高い効果を得ることができる。これ以外の作用および効果は、円筒型の場合と同様である。
<1−3.リチウム金属二次電池(円筒型,ラミネートフィルム型)>
ここで説明する二次電池は、リチウム金属の析出溶解により負極22の容量が表されるリチウム二次電池(リチウム金属二次電池)である。この二次電池は、負極活物質層22Bがリチウム金属により形成されていることを除き、上記したリチウムイオン二次電池(円筒型)と同様の構成を有していると共に、同様の手順により製造される。
この二次電池では、負極活物質としてリチウム金属が用いられているため、高いエネルギー密度が得られるようになっている。負極活物質層22Bは、組み立て時から既に存在してもよいが、組み立て時には存在せず、充電時において析出したリチウム金属により形成されるようにしてもよい。また、負極活物質層22Bを集電体として利用することで、負極集電体22Aを省略してもよい。
この二次電池は、例えば、以下のように動作する。充電時には、正極21からリチウムイオンが放出され、そのリチウムイオンが電解液を介して負極集電体22Aの表面にリチウム金属となって析出する。一方、放電時には、負極活物質層22Bからリチウム金属がリチウムイオンとなって電解液中に溶出し、そのリチウムイオンが電解液を介して正極21に吸蔵される。
このリチウム金属二次電池によれば、電解液がジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のいずれか一方または双方を含んでいるので、上記したリチウムイオン二次電池と同様の理由により、優れた電池特性を得ることができる。これ以外の作用および効果は、リチウムイオン二次電池の場合と同様である。なお、ここで説明したリチウム金属二次電池は、円筒型に限らず、ラミネートフィルム型でもよい。この場合でも同様の効果を得ることができる。
<2.非水二次電池の用途>
次に、上記した二次電池の適用例について説明する。
二次電池の用途は、その二次電池を駆動用の電源または電力蓄積用の電力貯蔵源などとして利用可能な機械、機器、器具、装置およびシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。電源として使用される二次電池は、主電源(優先的に使用される電源)でもよいし、補助電源(主電源に代えて、または主電源から切り換えて使用される電源)でもよい。二次電池を補助電源として使用する場合には、主電源の種類は二次電池に限られない。
二次電池の用途は、例えば、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、コードレス電話機、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオ、携帯用テレビおよび携帯用情報端末などの電子機器(携帯用電子機器を含む)である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。着脱可能な電源としてノート型パソコンなどに用いられる電池パックである。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。もちろん、上記以外の用途でもよい。
中でも、二次電池は、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器などに適用されることが有効である。優れた電池特性が要求されるため、本技術の二次電池を用いることで、有効に性能向上を図ることができるからである。なお、電池パックは、二次電池を用いた電源であり、いわゆる組電池などである。電動車両は、二次電池を駆動用電源として作動(走行)する車両であり、上記したように、二次電池以外の駆動源を併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。電力貯蔵システムは、二次電池を電力貯蔵源として用いるシステムである。例えば、家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に電力が蓄積されているため、その電力を利用して家庭用の電気製品などを使用可能になる。電動工具は、二次電池を駆動用の電源として可動部(例えばドリルなど)が可動する工具である。電子機器は、二次電池を駆動用の電源(電力供給源)として各種機能を発揮する機器である。
ここで、二次電池のいくつかの適用例について具体的に説明する。なお、以下で説明する各適用例の構成はあくまで一例であるため、適宜変更可能である。
<2−1.電池パック>
図5は、電池パックのブロック構成を表している。この電池パックは、例えば、プラスチック材料などにより形成された筐体60の内部に、制御部61と、電源62と、スイッチ部63と、電流測定部64と、温度検出部65と、電圧検出部66と、スイッチ制御部67と、メモリ68と、温度検出素子69と、電流検出抵抗70と、正極端子71および負極端子72とを備えている。
制御部61は、電池パック全体の動作(電源62の使用状態を含む)を制御するものであり、例えば、中央演算処理装置(CPU)などを含んでいる。電源62は、1または2以上の二次電池(図示せず)を含んでいる。この電源62は、例えば、2以上の二次電池を含む組電池であり、それらの二次電池の接続形式は、直列でもよいし、並列でもよいし、双方の混合型でもよい。一例を挙げると、電源62は、2並列3直列となるように接続された6つの二次電池を含んでいる。
スイッチ部63は、制御部61の指示に応じて電源62の使用状態(電源62と外部機器との接続の可否)を切り換えるものである。このスイッチ部63は、例えば、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオード(いずれも図示せず)などを含んでいる。充電制御スイッチおよび放電制御スイッチは、例えば、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET)などの半導体スイッチである。
電流測定部64は、電流検出抵抗70を用いて電流を測定して、その測定結果を制御部61に出力するものである。温度検出部65は、温度検出素子69を用いて温度を測定して、その測定結果を制御部61に出力するようになっている。この温度測定結果は、例えば、異常発熱時において制御部61が充放電制御を行う場合や、制御部61が残容量の算出時において補正処理を行う場合などに用いられる。電圧検出部66は、電源62中における二次電池の電圧を測定して、その測定電圧をアナログ−デジタル変換して制御部61に供給するものである。
スイッチ制御部67は、電流測定部64および電圧検出部66から入力される信号に応じて、スイッチ部63の動作を制御するものである。
このスイッチ制御部67は、例えば、電池電圧が過充電検出電圧に到達した場合に、スイッチ部63(充電制御スイッチ)を切断して、電源62の電流経路に充電電流が流れないように制御する。これにより、電源62では、放電用ダイオードを介して放電のみが可能になる。なお、スイッチ制御部67は、例えば、充電時に大電流が流れた場合に、充電電流を遮断するようになっている。
また、スイッチ制御部67は、例えば、電池電圧が過放電検出電圧に到達した場合に、スイッチ部63(放電制御スイッチ)を切断して、電源62の電流経路に放電電流が流れないようにする。これにより、電源62では、充電用ダイオードを介して充電のみが可能になる。なお、スイッチ制御部67は、例えば、放電時に大電流が流れた場合に、放電電流を遮断するようになっている。
なお、二次電池では、例えば、過充電検出電圧は4.20V±0.05Vであり、過放電検出電圧は2.4V±0.1Vである。
メモリ68は、例えば、不揮発性メモリであるEEPROMなどである。このメモリ68には、例えば、制御部61により演算された数値や、製造工程段階で測定された二次電池の情報(例えば、初期状態の内部抵抗など)などが記憶されている。なお、メモリ68に二次電池の満充電容量を記憶させておけば、制御部61が残容量などの情報を把握可能になる。
温度検出素子69は、電源62の温度を測定すると共にその測定結果を制御部61に出力するものであり、例えば、サーミスタなどである。
正極端子71および負極端子72は、電池パックを用いて稼働される外部機器(例えばノート型のパーソナルコンピュータなど)や、電池パックを充電するために用いられる外部機器(例えば充電器など)などに接続される端子である。電源62の充放電は、正極端子71および負極端子72を介して行われる。
<2−2.電動車両>
図6は、電動車両の一例であるハイブリッド自動車のブロック構成を表している。この電動車両は、例えば、金属製の筐体73の内部に、制御部74と、エンジン75と、電源76と、駆動用のモータ77と、差動装置78と、発電機79と、トランスミッション80およびクラッチ81と、インバータ82,83と、各種センサ84とを備えている。この他、電動車両は、例えば、差動装置78およびトランスミッション80に接続された前輪用駆動軸85および前輪86と、後輪用駆動軸87および後輪88とを備えている。
この電動車両は、例えば、エンジン75またはモータ77のいずれか一方を駆動源として走行可能である。エンジン75は、主要な動力源であり、例えば、ガソリンエンジンなどである。エンジン75を動力源とする場合、そのエンジン75の駆動力(回転力)は、例えば、駆動部である差動装置78、トランスミッション80およびクラッチ81を介して前輪86または後輪88に伝達される。なお、エンジン75の回転力は発電機79にも伝達され、その回転力を利用して発電機79が交流電力を発生させると共に、その交流電力はインバータ83を介して直流電力に変換され、電源76に蓄積される。一方、変換部であるモータ77を動力源とする場合、電源76から供給された電力(直流電力)がインバータ82を介して交流電力に変換され、その交流電力を利用してモータ77が駆動する。このモータ77により電力から変換された駆動力(回転力)は、例えば、駆動部である差動装置78、トランスミッション80およびクラッチ81を介して前輪86または後輪88に伝達される。
なお、図示しない制動機構を介して電動車両が減速すると、その減速時の抵抗力がモータ77に回転力として伝達され、その回転力を利用してモータ77が交流電力を発生させるようにしてもよい。この交流電力はインバータ82を介して直流電力に変換され、その直流回生電力は電源76に蓄積されることが好ましい。
制御部74は、電動車両全体の動作を制御するものであり、例えば、CPUなどを含んでいる。電源76は、1または2以上の二次電池(図示せず)を含んでいる。この電源76は、外部電源と接続され、その外部電源から電力供給を受けることで電力を蓄積可能になっていてもよい。各種センサ84は、例えば、エンジン75の回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御するために用いられる。この各種センサ84は、例えば、速度センサ、加速度センサおよびエンジン回転数センサなどを含んでいる。
なお、電動車両がハイブリッド自動車である場合について説明したが、その電動車両は、エンジン75を用いずに電源76およびモータ77だけを用いて作動する車両(電気自動車)でもよい。
<2−3.電力貯蔵システム>
図7は、電力貯蔵システムのブロック構成を表している。この電力貯蔵システムは、例えば、一般住宅および商業用ビルなどの家屋89の内部に、制御部90と、電源91と、スマートメータ92と、パワーハブ93とを備えている。
ここでは、電源91は、例えば、家屋89の内部に設置された電気機器94に接続されていると共に、家屋89の外部に停車された電動車両96に接続可能になっている。また、電源91は、例えば、家屋89に設置された自家発電機95にパワーハブ93を介して接続されていると共に、スマートメータ92およびパワーハブ93を介して外部の集中型電力系統97に接続可能になっている。
なお、電気機器94は、例えば、1または2以上の家電製品を含んでおり、その家電製品は、例えば、冷蔵庫、エアコン、テレビおよび給湯器などである。自家発電機95は、例えば、太陽光発電機および風力発電機などのいずれか1種類または2種類以上である。電動車両96は、例えば、電気自動車、電気バイクおよびハイブリッド自動車などのいずれか1種類または2種類以上である。集中型電力系統97は、例えば、火力発電所、原子力発電所、水力発電所および風力発電所などのいずれか1種類または2種類以上である。
制御部90は、電力貯蔵システム全体の動作(電源91の使用状態を含む)を制御するものであり、例えば、CPUなどを含んでいる。電源91は、1または2以上の二次電池(図示せず)を含んでいる。スマートメータ92は、例えば、電力需要側の家屋89に設置されるネットワーク対応型の電力計であり、電力供給側と通信可能になっている。これに伴い、スマートメータ92は、例えば、外部と通信しながら、家屋89における需要・供給のバランスを制御することで、効率的で安定したエネルギー供給を可能とする。
この電力貯蔵システムでは、例えば、外部電源である集中型電力系統97からスマートメータ92およびパワーハブ93を介して電源91に電力が蓄積されると共に、独立電源である自家発電機95からパワーハブ93を介して電源91に電力が蓄積される。この電源91に蓄積された電力は、制御部91の指示に応じて電気機器94および電動車両96に供給されるため、その電気機器94が稼働可能になると共に、電動車両96が充電可能になる。すなわち、電力貯蔵システムは、電源91を用いて、家屋89内における電力の蓄積および供給を可能にするシステムである。
電源91に蓄積された電力は、任意に利用可能である。このため、例えば、電気使用料が安い深夜に集中型電力系統97から電源91に電力を蓄積しておき、その電源91に蓄積しておいた電力を電気使用料が高い日中に用いることができる。
なお、上記した電力貯蔵システムは、1戸(1世帯)ごとに設置されていてもよいし、複数戸(複数世帯)ごとに設置されていてもよい。
<2−4.電動工具>
図8は、電動工具のブロック構成を表している。この電動工具は、例えば、電動ドリルであり、プラスチック材料などにより形成された工具本体98の内部に、制御部99と、電源100とを備えている。この工具本体98には、例えば、可動部であるドリル部101が稼働(回転)可能に取り付けられている。
制御部99は、電動工具全体の動作(電源100の使用状態を含む)を制御するものであり、例えば、CPUなどを含んでいる。電源100は、1または2以上の二次電池(図示せず)を含んでいる。この制御部99は、図示しない動作スイッチの操作に応じて、電源100からドリル部101に電力を供給するようになっている。
本技術の具体的な実施例について、詳細に説明する。
(実験例1−1〜1−21,2−1〜2−21)
以下の手順により、図3および図4に示したラミネートフィルム型のリチウムイオン二次電池を作製した。
正極33を作製する場合には、最初に、正極活物質(LiCoO2 )90質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)5質量部と、正極導電剤(黒鉛)5質量部とを混合して、正極合剤とした。続いて、正極合剤を有機溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)に分散させて、ペースト状の正極合剤スラリーとした。続いて、コーティング装置を用いて正極集電体33A(20μm厚のアルミニウム箔)の両面に正極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させて、正極活物質層33Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて正極活物質層33Bを圧縮成型したのち、その正極活物質層33Bが形成された正極集電体33Aを帯状(50mm×350mm)に切断した。
負極34を作製する場合には、最初に、負極活物質(人造黒鉛)95質量部と、負極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)5質量部とを混合して、負極合剤とした。この人造黒鉛としては、平均粒径(メジアン径)が30μmである球状黒鉛を用いた。続いて、負極合剤を有機溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)に分散させて、ペースト状の負極合剤スラリーとした。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体34A(15μm厚の電解銅箔)の両面に負極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させて、負極活物質層34Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて負極活物質層34Bを圧縮成型したのち、その負極活物質層34Bが形成された負極集電体34Aを帯状(52mm×370mm)に切断した。
なお、正極33および負極34を作製する場合には、リチウムイオンの吸蔵放出に起因する容量成分により負極34の容量が表されるように、正極33と負極34との容量比を設計した。
電解質層36を形成するための前駆溶液を調製する場合には、非水溶媒にジスルホニル化合物および電解質塩を分散させて電解液としたのち、その電解液と高分子化合物(ポリフッ化ビニリデン)とを混合した。これにより、前駆溶液中において電解液が高分子化合物により保持された。
非水溶媒としては、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ジエチル(DEC)と共に、炭酸ビニレン(VC)および4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)を用いた。ECおよびPCを用いる場合には、ECとPCとを1:1の体積比で混合した。ECおよびPCと共にVCまたはFECを用いる場合には、ECとPCとを1:1の体積比で混合したのち、非水溶媒中の含有量が1質量%となるようにVCまたはFECを加えた。EC、PCおよびDECを用いる場合には、ECとPCとDECとを1:1:1の体積比で混合した。EC、PCおよびDECと共にVCまたはFECを用いる場合には、ECとPCとDECとを1:1:1の体積比で混合したのち、非水溶媒中の含有量が1質量%となるようにVCまたはFECを加えた。
電解質塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )およびビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(SO2 F)2 :LiFSI)を用いた。LiPF6 だけを用いる場合には、非水溶媒に対する含有量を1mol/dm3 (=mol/l)とした。LiPF6 と共にLiFSIを用いる場合には、LiPF6 の含有量を0.9mol/dm3 、LiFSIの含有量を0.1mol/dm3 とした。
ジスルホニル化合物の種類および電解液中の含有量(質量%)は、表1および表2に示した通りである。なお、比較のために、ジスルホニル化合物を含有していない電解液および他のジスルホニル化合物を含有する電解液も用いた。
二次電池を組み立てる場合には、最初に、正極集電体33Aにアルミニウム製の正極リード31を溶接すると共に、負極集電体34Aにニッケル製の負極リード32を溶接した。続いて、正極33および負極34のそれぞれに前駆溶液を塗布して、ゲル状の電解質である電解質層36を形成した。続いて、セパレータ35(25μm厚の微孔性ポリエチレンフィルム)を介して正極33と負極34とを積層してから長手方向に巻回させて巻回電極体30を作製したのち、その最外周部に保護テープ37を貼り付けた。最後に、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込んだのち、減圧環境中において外装部材40の外周縁部同士を熱融着して、その外装部材40の内部に巻回電極体30を封入した。この外装部材40は、外側から、25μm厚のナイロンフィルムと、40μm厚のアルミニウム箔と、30μm厚のポリプロピレンフィルムとが積層された耐湿性のアルミラミネートフィルムである。これにより、二次電池が完成した。
二次電池の諸特性(膨れ特性およびサイクル特性)を調べたところ、表1および表2に示した結果が得られた。
膨れ特性を調べる場合には、常温環境中(23℃)において二次電池を2サイクル充放電させたのち、その二次電池をエタノール浴中に浸漬させて、保存前の体積(cm3 )を測定した。続いて、エタノール浴中から引き上げた二次電池を十分に乾燥させてから、その二次電池を再び充電させた状態において恒温槽(60℃)中に保存(30日間)したのち、その二次電池を再びエタノール浴中に浸漬させて、保存後の体積(cm3 )を測定した。これらの測定結果から、膨張率(%)=(保存後の体積/保存前の体積)×100を算出した。充電時には、1680mAの電流で上限電圧が4.2Vに到達するまで定電流充電したのち、4.2Vの電圧で充電の総時間が4時間に到達するまで定電圧充電した。放電時には、1200mAの電流で電池電圧が2.5Vに到達するまで定電流放電した。
サイクル特性を調べる場合には、常温環境中(23℃)において二次電池を1サイクル充放電させて、放電容量を測定した。続いて、同環境中においてサイクル数の合計が300サイクルに到達するまで充放電を繰り返して、放電容量を測定した。これらの結果から、容量維持率(%)=(300サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100を算出した。充放電条件は、膨れ特性を調べた場合と同様である。
Figure 2014157738
Figure 2014157738
電解液がジスルホニル化合物を含有していると、電解液がジスルホニル化合物を含有していない場合および電解液が他のジスルホニル化合物を含有している場合と比較して、膨れ率が大幅に減少すると共に容量維持率が大幅に増加した。
特に、電解液がジスルホニル化合物を含有している場合には、そのジスルホニル化合物がハロゲン基(X1)としてフッ素基を含んでいると、膨れ率がより減少すると共に容量維持率がより増加した。また、ジスルホニル化合物の含有量が0.0005質量%〜8質量%であると、低い膨張率および高い容量維持率が得られると共に、その含有量が0.001質量%〜5質量%であると、膨張率がより減少すると共に容量維持率がより増加した。
この他、非水溶媒が第1不飽和環状炭酸エステル(VC)またはハロゲン化環状炭酸エステル(FEC)を含有していると、容量維持率がより増加した。また、電解質塩がLiFSIを含有していると、膨張率がより減少すると共に容量維持率がより増加した。
(実験例3−1〜3−10)
表3に示したように、正極活物質としてリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4 )を用いると共に、電解質塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 2 :LiTFSI)も用いたことを除き、実験例1−1〜1−21,2−1〜2−21と同様の手順により二次電池を作製して諸特性を調べた。なお、電解質塩としてLiFSIまたはLiTFSIだけを用いる場合には、非水溶媒に対する含有量を1mol/dm3 とした。
Figure 2014157738
正極活物質の種類を変更しても、電解液がジスルホニル化合物を含有していると、低い膨れ率および高い容量維持率が得られた。また、電解質塩がLiFSIを含有していると、膨れ率がより減少すると共に容量維持率がより増加した。
(実験例4−1,4−2,5−1,5−2)
表4および表5に示したように、負極活物質として金属系材料を用いたことを除き、実験例1−1〜1−24,2−1〜2−24と同様の手順により二次電池を作製して諸特性を調べた。
金属系材料としてケイ素(Si)を用いる場合には、負極活物質(Si)80質量部と、負極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)8質量部と、負極導電剤(黒鉛)12質量部とを混合して、負極合剤とした。このケイ素の平均粒径(メジアン径)は、1μmである。
金属系材料としてSnCoC含有材料(SnCoC)を用いる場合には、コバルト粉末とスズ粉末とを合金化してコバルト・スズ合金粉末としたのち、炭素粉末を加えて乾式混合した。続いて、伊藤製作所製の遊星ボールミルの反応容器中に混合物10gを直径9mmの鋼玉約400gと一緒にセットした。続いて、反応容器中をアルゴン雰囲気に置換したのち、毎分250回転の回転速度による10分間の運転と10分間の休止とを運転時間の合計が20時間になるまで繰り返した。続いて、反応容器を室温まで冷却して反応物であるSnCoCを取り出したのち、280メッシュのふるいを通して粗粉を取り除いた。
得られたSnCoCの組成を分析したところ、Snの含有量は49.5質量%、Coの含有量は29.7質量%、Cの含有量は19.8質量%、SnおよびCoの割合(Co/(Sn+Co))は37.5質量%であった。この際、SnおよびCoの含有量を測定するために誘導結合プラズマ(ICP)発光分析を用いると共に、Cの含有量を測定するために炭素・硫黄分析装置を用いた。また、X線回折法を用いてSnCoCを分析したところ、2θ=20°〜50°の範囲に半値幅を有する回折ピークが観察された。さらに、XPSを用いてSnCoCを分析したところ、図9に示したように、ピークP1が得られた。このピークP1を解析すると、表面汚染炭素のピークP2と、それよりも低エネルギー側(284.5eVよりも低い領域)にSnCoC中におけるC1sのピークP3とが得られた。この結果から、SnCoC中のCは他の元素と結合していることが確認された。
SnCoCを得たのち、負極活物質(SnCoC)80質量部と、負極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)8質量部と、負極導電剤(黒鉛)12質量部とを混合して、負極合剤とした。
Figure 2014157738
Figure 2014157738
負極活物質の種類を変更しても、電解液がジスルホニル化合物を含有していると、低い膨れ率および高い容量維持率が得られた。
(実験例6−1〜6−21,7−1〜7−21,8−1〜8−10,9−1,9−2,10−1,10−2)
表6〜表10に示したように、ジスルホニル化合物に代えてジスルフィニル化合物を用いたことを除き、実験例1−1〜1−21,2−1〜2−21,3−1〜3−10,4−1,4−2,5−1,5−2と同様の手順により二次電池を作製して諸特性を調べた。
Figure 2014157738
Figure 2014157738
Figure 2014157738
Figure 2014157738
Figure 2014157738
ジスルフィニル化合物を用いても、ジスルホニル化合物を用いた場合(表1〜表5)と同様の結果が得られた。すなわち、電解液がジスルフィニル化合物を含有していると、電解液がジスルフィニル化合物を含有していない場合および電解液が他のジスルフィニル化合物を含有している場合と比較して、膨れ率が大幅に減少すると共に容量維持率が大幅に増加した。これ以外の傾向は、ジスルホニル化合物を用いた場合と同様であるため、その説明を省略する。
表1〜表10の結果から、電解液がジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物のいずれか一方または双方を含んでいると、優れた電池特性が得られた。
以上、実施形態および実施例を挙げて本技術を説明したが、本技術は実施形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、電池構造が円筒型およびラミネートフィルム型であると共に、電池素子が巻回構造を有する場合を例に挙げたが、これに限られない。本技術の非水二次電池は、角型、コイン型およびボタン型などの他の電池構造を有する場合や、電池素子が積層構造などの他の構造を有する場合についても同様に適用可能である。
また、電極反応物質としてリチウム(Li)を用いる場合について説明したが、これに限られない。この電極反応物質は、例えば、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)などの他の1族元素でもよいし、マグネシウム(Mg)およびカルシウム(Ca)などの2族元素でもよいし、Alなどの他の軽金属でもよい。本技術の効果は、電極反応物質の種類に依存せずに得られるはずであるため、その電極反応物質の種類を変更しても同様の効果を得ることができる。
また、ジスルホニル化合物およびジスルフィニル化合物の含有量について、実施例の結果から導き出された適正範囲を説明した。しかしながら、その説明は、含有量が上記した範囲外となる可能性を完全に否定するものではない。すなわち、上記した適正範囲は、あくまで本技術の効果を得る上で特に好ましい範囲であるため、本技術の効果が得られるのであれば、上記した範囲から含有量が多少外れてもよい。
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
正極および負極と共に電解液を備え、
前記電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含む、
非水二次電池。
Figure 2014157738
(R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
Figure 2014157738
(R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
(2)
前記炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはシクロアルキル基であり、
前記酸素含有炭化水素基は、アルコキシ基、第1エステル基(−C(=O)−O−R3:R3はアルキル基である。)、炭酸エステル基(−O−C(=O)−O−R4:R4はアルキル基である。)、第2エステル基(−O−C(=O)−R5:R5はアルキル基である。)、またはポリエーテル基(−(R6O)n −R7:R6はアルキレン基、R7はアルキル基、nは2以上の整数である。)であり、
前記ハロゲン化炭化水素基および前記ハロゲン化酸素含有炭化水素基は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)からなる群から選択される元素のうちの少なくとも1種を含み、
前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)またはヨウ素基(−I)である、
上記(1)に記載の非水二次電池。
(3)
前記アルキル基および前記アルコキシ基の炭素数は、1〜18であり、
前記アルケニル基および前記アルキニル基の炭素数は、2〜18であり、
前記アリール基の炭素数は、6〜18であり、
前記シクロアルキル基の炭素数は、3〜18である、
上記(2)に記載の非水二次電池。
(4)
前記X1および前記X2は、フッ素基である、
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の非水二次電池。
(5)
前記ジスルホニル化合物は、式(1−1)〜式(1−19)からなる群から選択される化合物のうちの少なくとも1種を含み、
前記ジスルフィニル化合物は、式(2−1)〜式(2−19)からなる群から選択される化合物のうちの少なくとも1種を含む、
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の非水二次電池。
CH3 −N−(SO2 F)2 …(1−1)
2 5 −N−(SO2 F)2 …(1−2)
3 7 −N−(SO2 F)2 …(1−3)
CH2 =CH−N−(SO2 F)2 …(1−4)
CH≡C−N−(SO2 F)2 …(1−5)
6 5 −N−(SO2 F)2 …(1−6)
6 11−N−(SO2 F)2 …(1−7)
CH3 −C(=O)O−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−8)
CH3 OC(=O)−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−9)
CH3 OC(=O)O−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−10)
CH3 OC(=O)O−C3 6 −N−(SO2 F)2 …(1−11)
CF3−N−(SO2 F)2 …(1−12)
6 5 −CH2 −N−(SO2 F)2 …(1−13)
CH3 −N−(SO2 Cl)2 …(1−14)
CH3 −N−(SO2 Br)2 …(1−15)
CH3 −N−(SO2 I)2 …(1−16)
CH3 O−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−17)
CH3 −(OC2 4 2 −N−(SO2 F)2 …(1−18)
CH3 OC(=O)−N−(SO2 F)2 …(1−19)
CH3 −N−(SOF)2 …(2−1)
2 5 −N−(SOF)2 …(2−2)
3 7 −N−(SOF)2 …(2−3)
CH2 =CH−N−(SOF)2 …(2−4)
CH≡C−N−(SOF)2 …(2−5)
6 5 −N−(SOF)2 …(2−6)
6 11−N−(SOF)2 …(2−7)
CH3 −C(=O)O−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−8)
CH3 OC(=O)−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−9)
CH3 OC(=O)O−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−10)
CH3 OC(=O)O−C3 6 −N−(SOF)2 …(2−11)
CF3−N−(SOF)2 …(2−12)
6 5 −CH2 −N−(SOF)2 …(2−13)
CH3 −N−(SOCl)2 …(2−14)
CH3 −N−(SOBr)2 …(2−15)
CH3 −N−(SOI)2 …(2−16)
CH3 O−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−17)
CH3 −(OC2 4 2 −N−(SOF)2 …(2−18)
CH3 OC(=O)−N−(SOF)2 …(2−19)
(6)
前記電解液中における前記ジスルホニル化合物および前記ジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方の含有量は、0.0005質量%〜8質量%である、
上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の非水二次電池。
(7)
前記非水溶媒は、下記の式(3)で表される第1不飽和環状炭酸エステル、式(4)で表される第2不飽和環状炭酸エステル、式(5)で表される第3不飽和環状炭酸エステル、式(6)で表されるハロゲン化環状炭酸エステル、式(7)で表されるハロゲン化鎖状炭酸エステルからなる群から選択される化合物のうちの少なくとも1種を含む、
上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の非水二次電池。
Figure 2014157738
(R11およびR12は水素基またはアルキル基である。)
Figure 2014157738
(R13〜R16は水素基、アルキル基、ビニル基またはアリル基であり、R13〜R16のうちの少なくとも1つはビニル基またはアリル基である。)
Figure 2014157738
(R17は>CR31R32であり、R31およびR32は水素基またはアルキル基である。)
Figure 2014157738
(R21〜R24は水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基であり、R21〜R24のうちの少なくとも1つはハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2014157738
(R25〜R30は水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基であり、R25〜R30のうちの少なくとも1つはハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
(8)
前記電解質塩は、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(SO2 F)2 )を含む、
上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の非水二次電池。
(9)
前記正極、前記負極および前記電解液は、フィルム状の外装部材の内部に収納されている、
上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の非水二次電池。
(10)
リチウム二次電池である、
上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の非水二次電池。
(11)
非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含む、
非水二次電池用電解液。
Figure 2014157738
(R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
Figure 2014157738
(R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
(12)
上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の非水二次電池と、
その非水二次電池の使用状態を制御する制御部と、
その制御部の指示に応じて前記非水二次電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と
を備えた、電池パック。
(13)
上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の非水二次電池と、
その非水二次電池から供給された電力を駆動力に変換する変換部と、
その駆動力に応じて駆動する駆動部と、
前記非水二次電池の使用状態を制御する制御部と
を備えた、電動車両。
(14)
上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の非水二次電池と、
その非水二次電池から電力を供給される1または2以上の電気機器と、
前記非水二次電池からの前記電気機器に対する電力供給を制御する制御部と
を備えた、電力貯蔵システム。
(15)
上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の非水二次電池と、
その非水二次電池から電力を供給される可動部と
を備えた、電動工具。
(16)
上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の非水二次電池を電力供給源として備えた、電子機器。
11…電池缶、20,30…巻回電極体、21,33…正極、21A,33A…正極集電体、21B,33B…正極活物質層、22,34…負極、22A,34A…負極集電体、22B,34B…負極活物質層、23,35…セパレータ、36…電解質層、40…外装部材。

Claims (16)

  1. 正極および負極と共に電解液を備え、
    前記電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含む、
    非水二次電池。
    Figure 2014157738
    (R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
    Figure 2014157738
    (R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
  2. 前記炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはシクロアルキル基であり、
    前記酸素含有炭化水素基は、アルコキシ基、第1エステル基(−C(=O)−O−R3:R3はアルキル基である。)、炭酸エステル基(−O−C(=O)−O−R4:R4はアルキル基である。)、第2エステル基(−O−C(=O)−R5:R5はアルキル基である。)、またはポリエーテル基(−(R6O)n −R7:R6はアルキレン基、R7はアルキル基、nは2以上の整数である。)であり、
    前記ハロゲン化炭化水素基および前記ハロゲン化酸素含有炭化水素基は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)からなる群から選択される元素のうちの少なくとも1種を含み、
    前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)またはヨウ素基(−I)である、
    請求項1記載の非水二次電池。
  3. 前記アルキル基および前記アルコキシ基の炭素数は、1〜18であり、
    前記アルケニル基および前記アルキニル基の炭素数は、2〜18であり、
    前記アリール基の炭素数は、6〜18であり、
    前記シクロアルキル基の炭素数は、3〜18である、
    請求項2記載の非水二次電池。
  4. 前記X1および前記X2は、フッ素基である、
    請求項1記載の非水二次電池。
  5. 前記ジスルホニル化合物は、式(1−1)〜式(1−19)からなる群から選択される化合物のうちの少なくとも1種を含み、
    前記ジスルフィニル化合物は、式(2−1)〜式(2−19)からなる群から選択される化合物のうちの少なくとも1種を含む、
    請求項1記載の非水二次電池。
    CH3 −N−(SO2 F)2 …(1−1)
    2 5 −N−(SO2 F)2 …(1−2)
    3 7 −N−(SO2 F)2 …(1−3)
    CH2 =CH−N−(SO2 F)2 …(1−4)
    CH≡C−N−(SO2 F)2 …(1−5)
    6 5 −N−(SO2 F)2 …(1−6)
    6 11−N−(SO2 F)2 …(1−7)
    CH3 −C(=O)O−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−8)
    CH3 OC(=O)−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−9)
    CH3 OC(=O)O−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−10)
    CH3 OC(=O)O−C3 6 −N−(SO2 F)2 …(1−11)
    CF3−N−(SO2 F)2 …(1−12)
    6 5 −CH2 −N−(SO2 F)2 …(1−13)
    CH3 −N−(SO2 Cl)2 …(1−14)
    CH3 −N−(SO2 Br)2 …(1−15)
    CH3 −N−(SO2 I)2 …(1−16)
    CH3 O−C2 4 −N−(SO2 F)2 …(1−17)
    CH3 −(OC2 4 2 −N−(SO2 F)2 …(1−18)
    CH3 OC(=O)−N−(SO2 F)2 …(1−19)
    CH3 −N−(SOF)2 …(2−1)
    2 5 −N−(SOF)2 …(2−2)
    3 7 −N−(SOF)2 …(2−3)
    CH2 =CH−N−(SOF)2 …(2−4)
    CH≡C−N−(SOF)2 …(2−5)
    6 5 −N−(SOF)2 …(2−6)
    6 11−N−(SOF)2 …(2−7)
    CH3 −C(=O)O−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−8)
    CH3 OC(=O)−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−9)
    CH3 OC(=O)O−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−10)
    CH3 OC(=O)O−C3 6 −N−(SOF)2 …(2−11)
    CF3−N−(SOF)2 …(2−12)
    6 5 −CH2 −N−(SOF)2 …(2−13)
    CH3 −N−(SOCl)2 …(2−14)
    CH3 −N−(SOBr)2 …(2−15)
    CH3 −N−(SOI)2 …(2−16)
    CH3 O−C2 4 −N−(SOF)2 …(2−17)
    CH3 −(OC2 4 2 −N−(SOF)2 …(2−18)
    CH3 OC(=O)−N−(SOF)2 …(2−19)
  6. 前記電解液中における前記ジスルホニル化合物および前記ジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方の含有量は、0.0005質量%〜8質量%である、
    請求項1記載の非水二次電池。
  7. 前記非水溶媒は、下記の式(3)で表される第1不飽和環状炭酸エステル、式(4)で表される第2不飽和環状炭酸エステル、式(5)で表される第3不飽和環状炭酸エステル、式(6)で表されるハロゲン化環状炭酸エステル、式(7)で表されるハロゲン化鎖状炭酸エステルからなる群から選択される化合物のうちの少なくとも1種を含む、
    請求項1記載の非水二次電池。
    Figure 2014157738
    (R11およびR12は水素基またはアルキル基である。)
    Figure 2014157738
    (R13〜R16は水素基、アルキル基、ビニル基またはアリル基であり、R13〜R16のうちの少なくとも1つはビニル基またはアリル基である。)
    Figure 2014157738
    (R17は>CR31R32であり、R31およびR32は水素基またはアルキル基である。)
    Figure 2014157738
    (R21〜R24は水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基であり、R21〜R24のうちの少なくとも1つはハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
    Figure 2014157738
    (R25〜R30は水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基であり、R25〜R30のうちの少なくとも1つはハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
  8. 前記電解質塩は、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(SO2 F)2 )を含む、
    請求項1記載の非水二次電池。
  9. 前記正極、前記負極および前記電解液は、フィルム状の外装部材の内部に収納されている、
    請求項1記載の非水二次電池。
  10. リチウム二次電池である、
    請求項1記載の非水二次電池。
  11. 非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含む、
    非水二次電池用電解液。
    Figure 2014157738
    (R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
    Figure 2014157738
    (R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
  12. 非水二次電池と、
    その非水二次電池の使用状態を制御する制御部と、
    その制御部の指示に応じて前記非水二次電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と
    を備え、
    前記非水二次電池は、正極および負極と共に電解液を備え、
    前記電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含む、
    電池パック。
    Figure 2014157738
    (R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
    Figure 2014157738
    (R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
  13. 非水二次電池と、
    その非水二次電池から供給された電力を駆動力に変換する変換部と、
    その駆動力に応じて駆動する駆動部と、
    前記非水二次電池の使用状態を制御する制御部と
    を備え、
    前記非水二次電池は、正極および負極と共に電解液を備え、
    前記電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含む、
    電動車両。
    Figure 2014157738
    (R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
    Figure 2014157738
    (R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
  14. 非水二次電池と、
    その非水二次電池から電力を供給される1または2以上の電気機器と、
    前記非水二次電池からの前記電気機器に対する電力供給を制御する制御部と
    を備え、
    前記非水二次電池は、正極および負極と共に電解液を備え、
    前記電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含む、
    電力貯蔵システム。
    Figure 2014157738
    (R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
    Figure 2014157738
    (R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
  15. 非水二次電池と、
    その非水二次電池から電力を供給される可動部と
    を備え、
    前記非水二次電池は、正極および負極と共に電解液を備え、
    前記電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含む、
    電動工具。
    Figure 2014157738
    (R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
    Figure 2014157738
    (R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
  16. 非水二次電池を電力供給源として備え、
    前記非水二次電池は、正極および負極と共に電解液を備え、
    前記電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、下記の式(1)で表されるジスルホニル化合物および式(2)で表されるジスルフィニル化合物のうちの少なくとも一方とを含む、
    電子機器。
    Figure 2014157738
    (R1は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X1はハロゲン基である。)
    Figure 2014157738
    (R2は炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ハロゲン化酸素含有炭化水素基、またはそれらの2種類以上が結合された基であり、X2はハロゲン基である。)
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