JP2014157282A - 照明装置、及びプロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】スペックルを効果的に低減できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置(2)は、第1の光射出領域および第2の光射出領域を含む複数の光射出領域(11)を有し、複数の光射出領域のそれぞれから射出される光の光量を調整可能な光源装置(7)と、第1の期間において、第1の光射出領域から射出される光の光量が複数の光射出領域のうち他の光射出領域から射出される光の光量と異なり、第2の期間において、第2の光射出領域から射出される光の光量が第1の期間において第2の光射出領域から射出される光の光量と異なるように、光源装置を制御する光源制御装置(10)と、複数の光射出領域からの光を照明領域で重畳させる照明光学系(8)と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、照明装置、及びプロジェクターに関する。
従来から、表示装置の一つとしてプロジェクターが知られている(例えば、特許文献1参照)。プロジェクターは、例えば、照明装置からの光を光変調装置で変調することで画像を形成し、この画像を投写レンズなどでスクリーンに投写する。
照明装置の光源には、各種光源が用いられ、可干渉性を有する光(コヒーレント光)を発するコヒーレント光源が用いられることもある。コヒーレント光源は、レーザダイオード(LD)、スーパールミネッセンスダイオード(SLD)などを用いた固体光源、短アークのランプ光源などである。例えば、レーザー光源を用いたプロジェクターは、レーザー光源の波長域が狭いために色再現範囲を十分に広くすることができ、小型化や構成部品の削減も可能である。
ところで、コヒーレント光源を用いたプロジェクターにより表示を行うと、画像を観察する観察者に、いわゆるスペックルが認識されることがある。スペックルは、光の干渉により明点と暗点が縞模様あるいは斑模様に分布するパターンであり、観察者に対してぎらつき感を与え、画像鑑賞時に不快感を与えることがある。そのため、スペックルを認識されにくくする(以下、スペックルを「低減する」という)技術の案出が期待される。
スペックルを低減する技術の一つとして、特許文献1には、投写レンズの瞳面上に形成されるスポットを、この瞳面上で光軸周りに回転させる技術が提案されている。特許文献1の技術によれば、スクリーン上の各点に入射する光線の角度分布が時間的に変化し、スペックルのパターンが時間的に変化することになる。結果として、観察者にはスペックルが時間的に重畳(積分)されて観察され、スペックルが低減される。
特開2009−216843号公報
上述のような技術には、スペックルを効果的に低減する上で、改善の余地がある。例えば、瞳面上で瞳像を移動させる手法では、瞳像のパターンが変化しないのでスペックルを十分に低減できない。また、投写レンズの有効瞳(有効径)を大きくしなければならないため、投写レンズの大型化、高コスト化を招く。本発明は、スペックルを効果的に低減できる照明装置、及びプロジェクターを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様の照明装置は、第1の光射出領域および第2の光射出領域を含む複数の光射出領域を有し、該複数の光射出領域のそれぞれから射出される光の光量を調整可能な光源装置と、第1の期間において、前記第1の光射出領域から射出される光の光量が前記複数の光射出領域のうち他の光射出領域から射出される光の光量と異なり、第2の期間において、前記第2の光射出領域から射出される光の光量が前記第1の期間において前記第2の光射出領域から射出される光の光量と異なるように、前記光源装置を制御する光源制御装置と、前記複数の光射出領域からの光を照明領域で重畳させる照明光学系と、を備える。
この照明装置は、第1の期間と第2の期間とで異なる光射出領域から光が射出され、いずれの光射出領域から射出された光も照明領域に入射するので、照明領域に入射する光の角度分布が第1の期間と第2の期間とで変化する。そのため、第1の期間と第2の期間とでスペックルのパターンが変化し、スペックルのパターンが視認されにくくなる。
第1の態様の照明装置は、前記第1の期間において、前記第1の光射出領域から射出される光の強度が、少なくとも2つ以上の強度に設定されていてもよい。
この照明装置は、照明領域に入射する光の角度分布が第1の期間において変化するので、スペックルのパターンが視認されにくくなる。
第1の態様の照明装置において、前記光源装置は複数の光源を含み、前記光源制御装置は、前記複数の光源の少なくとも1つの光源の発光量を、前記第1の期間と前記第2の期間とで異ならせてもよい。
この照明装置は、発光量を変化させる光源に対応する光射出領域から射出される光の光量を、第1の期間と前記第2の期間とで異ならせることができる。
第1の態様の照明装置において、前記光源制御装置は、前記第1の期間において、前記複数の光源のうち第1の光源への供給電力を減少させるとともに、前記複数の光源のうち前記第1の光源に隣り合う第2の光源への供給電力を、前記複数の光源のうち他の光源への供給電力よりも大きくしてもよい。
この照明装置は、第1の期間において、光源装置から発せられる光の光量の減少を抑制できる。
第1の態様の照明装置において、前記光源制御装置は、前記第1の期間から前記第2の期間へ移行する際に、前記複数の光源のうち互いに隣接する少なくとも2つの光源のそれぞれへの供給電力を、ともに減少または増加させてもよい。
この照明装置は、互いに隣接する少なくとも2つの光源のそれぞれへの供給電力をともに減少または増加させるので、照明領域に入射する際の光の角度分布の変化を大きくすることができる。
第1の態様の照明装置において、前記複数の光源のそれぞれに所定の電力を供給したときに前記光源装置から射出される光の光量を基準光量として、前記複数の光源のうち第1の光源を消灯させたときに、前記光源装置から射出される光の光量の前記基準光量からの減少分を小さくするように、前記複数の光源のうち前記第1の光源以外の少なくとも一つの光源には前記所定の電力よりも大きい電力が供給されてもよい。
この照明装置は、第1の光源を消灯させたときに光源装置から発せられる光の光量の減少を抑制することができる。
第1の態様の照明装置において、前記光源制御装置は、前記複数の光射出領域から射出される光の光量が前記第1の期間と前記第2の期間とで同じになるように、前記光源装置を制御してもよい。
この照明装置は、照明領域の明るさを第1の期間と前記第2の期間とでほぼ同じにするこができる。
第1の態様の照明装置において、前記第1の期間と前記第2の期間のそれぞれは、1/24秒以下であってもよい。
この照明装置は、第1の期間におけるスペックルのパターンと、第2の期間におけるスペックルのパターンがそれぞれ視認されにいので、スペックルを格段に低減できる。
第1の態様の照明装置において、前記光源装置は、可干渉性の光を射出する固体光源を含んでいてもよい。
この照明装置は、光射出領域から射出される光の光量を時間的に変化させることが容易である。
第1の態様の照明装置において、前記照明光学系は、前記光源装置からの光が入射するレンズ要素を含むレンズアレイと、前記レンズ要素からの光を前記照明領域に重畳する重畳レンズと、を含んでいてもよい。
この照明装置は、照明領域における照度分布を均一にしつつ、スペックルを低減することができる。
第1の態様の照明装置において、前記照明光学系は、前記光源装置からの光が入射する入射端面、及び前記入射端面を経由した光が射出される射出端面を有する光学ロッドと、前記光学ロッドの射出端面と前記照明領域とを光学的に共役にするリレー系と、を含んでいてもよい。
この照明装置は、照明領域における照度分布を均一にしつつ、スペックルを低減することができる。
本発明の第2の態様のプロジェクターは、第1の態様の照明装置と、前記照明装置からの光により画像を形成する画像形成系と、前記画像形成系が形成した画像を投写する投写系と、を備える。
このプロジェクターは、画像の観察者にスペックルが視認されにくいので、画像を高品位で表現できる。
第2の態様のプロジェクターにおいて、前記画像形成系は、前記照明領域に配列される複数の画素のそれぞれに設けられた第1のマイクロレンズと、前記第1のマイクロレンズとともにアフォーカル光学系を構成する第2のマイクロレンズとを含んでいてもよい。
このプロジェクターは、画像を示す光の角度分布が画像形成系で変化することが抑制されるので、画像が投写される投写面上の各点に入射する光の角度分布を高精度に制御でき、スペックルを効果的に低減できる。
第1実施形態のプロジェクターを示す図である。 照明装置、画像形成装置、色合成系、及び投写系を示す図である。 フレネル回折式中のパラメータの定義を説明するための図である。 開口関数を時間的に変化させる原理を説明するための図である。 レーザー光源の消灯による瞳像の変化の一例を示す図である。 第1例で説明する制御対象のレーザー光源の配置を示す図である。 レーザー光源の制御の第1例を示すタイミングチャートである。 第2例で説明する制御対象のレーザー光源の配置を示す図である。 レーザー光源の制御の第2例を示すタイミングチャートである。 第3例で説明する制御対象のレーザー光源の配置を示す図である。 レーザー光源の制御の第3例を示すタイミングチャートである。 レーザー光源の制御の第4例を示すタイミングチャートである。 レーザー光源の制御の第5例を示す図である。 レーザー光源の制御の第6例を示すタイミングチャートである。 レーザー光源の制御の第7例を示す図である。 画像形成装置の一例を示す図である。 画像形成装置の他の例を示す図である。 画像形成装置の他の例を示す図である。 画像形成装置の他の例を示す図である。 第2実施形態の照明装置および画像形成装置を示す図である。 光学ロッドを示す図である。 光学ロッドおよびリレー光学系を示す図である。 光源装置の点灯パターンの一例を示す図である。 図23の点灯パターンに対応する第3共役面上の光源像を示す図である。
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。ここでは、まず、本実施形態のプロジェクターの概略を説明し、次いで照明装置などのプロジェクターの各部の詳細について説明する。
図1は、第1実施形態のプロジェクター1を示す図である。プロジェクター1は、DVDプレイヤー、PCなどの信号源から供給される画像データに従って画像を形成し、形成した画像をスクリーンや壁などの投写面SC(表示画面)に投写する。
プロジェクター1は、照明系2と、照明系2からの照明光により画像を形成する画像形成系3と、画像形成系3が形成した画像を投写する投写系4と、プロジェクター1の各部を制御する制御系5とを備える。本実施形態のプロジェクター1は、いわゆる3板式のプロジェクターであり、赤緑青(RGB)の各色の画像を個別に形成し、形成した3色の画像を色合成系6によって合成(空間的に重畳)することで、フルカラーの画像を表現可能である。
照明系2は、赤色の照明光を射出する照明装置2aと、緑色の照明光を射出する照明装置2bと、青色の照明光を射出する照明装置2cとを含む。これら照明装置は、いずれも同様の構成であり、それぞれ光源装置7及び照明光学系8を含む。
画像形成系3は、赤色の画像を形成する画像形成装置3aと、緑色の画像を形成する画像形成装置3bと、青色の画像を形成する画像形成装置3cとを含む。照明系2の各色用の照明装置と画像形成装置とは、1対1で対応している。
各画像形成装置は、対応する各照明装置からの照明光により各色の画像を形成し、各色の画像に応じた画像光を射出する。例えば、赤色用の画像形成装置3aは、赤色用の照明装置2aからの照明光(赤色光)により、赤色の画像を形成する。画像形成装置3aは、画像に応じた光(画像光)を射出する。赤以外の色用の画像形成装置についても、赤色用の画像形成装置3aと同様に、形成した各色の画像に応じた各色の画像光を射出する。
画像形成系3から射出された各色の画像光は、色合成系6に入射する。色合成系6は、例えばダイクロイックプリズムであり、入射光の波長に応じて入射光を反射又は透過させる2つの波長分離膜を含む。1つの波長分離膜は、赤色光と緑色光とを透過させるとともに青色光を反射させる特性である。もう一つの波長分離膜は、緑色光と青色光とを透過させるとともに赤色光を反射させる特性である。
画像形成系3から色合成系6に入射した各色光は、波長分離膜での反射または透過により、進行方向が揃って色合成系6から出射する。色合成系6から出射した画像光は、投写系4に入射する。
投写系4は、いわゆる投写レンズであり、画像形成系3が形成した画像を投写面SCに拡大投写する。
次に、プロジェクター1の各部について、より詳しく説明する。本実施形態において、各色用の照明装置はいずれも同様の構成であり、各色用の画像形成装置はいずれも同様の構成である。そのため、緑色の画像に対応するシステムの構成を代表的に説明し、他色の画像に対応するシステムの説明を簡略化あるいは省略することがある。
図2は、照明装置2b、画像形成装置3b、色合成系6、及び投写系4を示す図である。照明装置2bは、画像形成装置3bにおける複数の画素が配列された領域を、ケーラー照明法などによりほぼ均一な明るさで照明する。
照明装置2bは、光源装置7、照明光学系8、及び光源制御装置10を備える。光源装置7は、光源制御装置10によって制御され、可干渉性を有する光を発する。照明光学系8は、光源装置7からの光の照度分布を照明領域IR(画像形成装置3b)において均一化する。
光源装置7は、可干渉性の光を射出する複数の光射出領域11を有し、光射出領域11のそれぞれから射出される光の光量(以下、セル光量という)を調整可能である。光源装置7は、いわゆるレーザー光源アレイであり、二次元的に配列された複数のレーザー光源(レーザーダイオード)12を含む。光源装置7において、複数の光射出領域11のそれぞれは、各レーザー光源12の光射出口に相当する。
レーザー光源12は、供給電力に応じた光量のレーザー光(可干渉光、コヒーレント光)を発する固体光源である。そのため、光源装置7は、各レーザー光源12への供給電力を調整することで、各レーザー光源12の単位時間あたりの発光量、すなわち各光射出領域11から射出される光の光量(セル光量)を調整可能である。
なお、セル光量は0を含む概念であり、例えばレーザー光源12に電力が供給されずにレーザー光源が消灯している状態では、セル光量は0である。すなわち、セル光量は、レーザー光源12の点灯と消灯を切替えることで調整でき、またレーザー光源12を点灯させたまま発光量を減らすことでも調整できる。
光源制御装置10は、光源装置7の各レーザー光源12への供給電力を制御することにより、各レーザー光源12(光射出領域11)の発光量(セル光量)を制御する。例えば、光源制御装置10は、レーザー光源12への電力供給を開始させることで、このレーザー光源12を消灯から点灯に切り替える。また、光源制御装置10は、レーザー光源12への電力供給を停止させることで、レーザー光源12を点灯から消灯へ切り替える。
また、光源制御装置10は、レーザー光源12の点灯時に、レーザー光源12への供給電力を増減させることで、このレーザー光源12の発光量を増減させる。レーザー光源12がパルス駆動である場合に、供給電力を増減させる手法としては、レーザー光源12へ供給される電流値を増減させる手法(例えば振幅変調)と、レーザー光源12へ電流が供給される時間を増減させる手法(パルス幅変調)の一方または双方を用いてもよい。
照明光学系8は、フライアイレンズ13、フライアイレンズ14、重畳レンズ15及びフィールドレンズ19を含む。
フライアイレンズ13は、所定面に二次元的に配列された複数のレンズ要素13aを含む。レンズ要素13aが配列される所定面は、光源装置7において複数のレーザー光源12が配列されている面(以下、レーザー配置面という)とほぼ平行である。複数のレンズ要素13aのそれぞれは、レーザー配置面と光学的に共役な面(以下、第1共役面16という)を形成する。換言すると、レンズ要素13aのそれぞれは、第1共役面16上に光源像(二次光源)を形成する。
フライアイレンズ14は、二次元的に配列された複数のレンズ要素14aを含む。レンズ要素14aが配列される面は、フライアイレンズ13が形成する第1共役面16の位置またはその近傍に配置される。フライアイレンズ14のレンズ要素14aのそれぞれには光源像が形成され、フライアイレンズ14(第1共役面16)には複数の光源像を含む発光パターンが形成される。
重畳レンズ15は、フライアイレンズ14のレンズ要素14aのそれぞれから射出された光を、ほぼ同一の領域(照明領域IR)に重畳する。重畳レンズ15は、例えば、球面レンズや非球面レンズのような所定軸周りで回転対称な1または2以上のレンズを含む。この所定軸は、重畳レンズ15の光軸15a(照明光学系8の光軸)に相当し、光源装置7のレーザー配置面、フライアイレンズ13が形成する第1共役面に対してほぼ垂直である。また、重畳レンズ15と照明領域IRとの間の光路中には、フィールドレンズ19が設けられている。
以上のような構成の照明光学系8は、光源装置7から射出された光を、フライアイレンズ13のレンズ要素13aごとに複数の部分光束に分割する。照明光学系8は、フライアイレンズ13によって分割された複数の部分光束を、重畳レンズ15によって照明領域IR上にて重畳する。そのため、照明領域IR上での照度分布が均一化される。
図2の画像形成装置3bは、例えば透過型の液晶ライトバルブであり、複数の画素を有する液晶パネル17と、液晶パネル17の入射側(光源装置7側)に配置された偏光板18aと、液晶パネル17の射出側(投写系4側)に配置された偏光板18bとを含む。偏光板18aの入射側における照明領域IRの近傍には、フィールドレンズ19が配置されている。
射出側の偏光板18bは、例えば、その透過軸が入射側の偏光板18aの透過軸と直交するように配置される。画像制御装置20は、画像データに基づいて液晶パネル17を制御して、各画素を通った光の偏光状態を制御することにより、偏光板18aと液晶パネル17と偏光板18bの透過率を画素ごとに制御する。このようにして、画像形成装置3bは、画像データに規定された画像を形成する。
図1を参照して説明したように、画像形成装置3bから出射した画像光は、色合成系6を介して投写系4に入射する。投写系4は、画像形成装置3b(物体面)と光学的に共役な像面を形成し、この像面に配置される投写面SC上には、画像形成装置3bが形成した画像が投写される。
投写系4には、照明光の源になる光源像(フライアイレンズ14)と光学的に共役な第2共役面21が形成される。第2共役面21は、いわゆる瞳面であり、第2共役面21には、画像形成装置3bから射出された光の角度分布に応じたパターンのスポット(瞳像、角度像などとも呼ばれる)が形成される。
ところで、可干渉性を有する光を照明に用いて画像を形成する場合には、例えば投写面SCを経由した画像光の干渉により、明点と暗点が縞模様あるいは斑模様に分布するパターン(スペックル)が視認されることがある。スペックルが画像の観察者に視認されると、観察者にぎらつき感を与えることがあり、画像表示の品位が低下することがある。
スペックルを視認されにくくする方式の一つに、スクリーン上のスペックルのパターンを時間的に変化させる時間多重方式が挙げられる。この方式では、観察者が視認できないほどの周波数(例えば、24Hz以上)でスペックルのパターンを変化させることで、時間積分されたスペックルのコントラストが低下し、観察者には特定の明暗のパターンが視認されにくい。例えば、無相関のパターンが1/24秒以下の間にN回切り替わると、スペックルのコントラストは、1/√Nに低下する。
ここで、図3および下記の式(1)を参照しつつ、スペックルのパターンについて説明する。図3は、フレネル回折式(下記の式(1))中のパラメータの定義を説明するための図である。
Figure 2014157282
図3において、符号x、yは第2共役面21(投写系4の瞳面)上の座標を示し、符号x’、y’は投写面SC(スクリーン)上の座標を示す。ここでは、説明の便宜上、第2共役面21および投写面SCがXY平面(図2参照)と平行であるものとする。XY平面は光軸15aと直交する平面である。図3中の符号Rは、第2共役面21から投写面SCまでの距離を示す。
下記の式(1)は、いわゆるフレネル回折式であり、左辺のu(x’,y’)は投写面SC上の振幅分布、右辺のAは振幅、iは虚数単位、kは波数(伝播定数)、λは画像光の波長、f(x,y)は開口関数である。スペックルのパターンは、投写面SC上の振幅分布u(x’,y’)と対応関係があることから、開口関数f(x,y)に応じて変化すると類推される。本実施形態においては、第2共役面21上での明暗のパターンを示す開口関数f(x,y)を時間的に変化させることで、スペックルのパターンを変化させ、スペックルを低減できる。
図4は、本実施形態において、開口関数f(x,y)を時間的に変化させる原理を説明するための図である。ここでは、説明の便宜上、光源装置7の複数の光射出領域11は、それぞれ、フライアイレンズ14の複数のレンズ要素14aうちの1つと1対1で対応しているものとする。
第1の光射出領域11aから出射した光(以下、部分光束Laという)は、第1のレンズ要素14a1を通って、照明領域IRの全体に照射される。第2の光射出領域11bから出射した光(以下、部分光束Lbという)は、第2のレンズ要素14a2を通って、照明領域IRの全体に照射される。
ここで、部分光束Laの光量(セル光量)は部分光束Lbの光量(セル光量)と同じであるとし、部分光束Laと部分光束Lbを交互に射出するとする。この場合、照明領域IRでの明るさは変化しないが、第1の光射出領域11aの位置が第2の光射出領域11bの位置と異なることにより、照明領域IRに入射してくる光の入射方向は変化する。
本実施形態において、図2に示した光源制御装置10は、光源装置7の複数のレーザー光源12の点灯と消灯を切り替えつつ、点灯しているレーザー光源12の組み合わせを時間的に変化させる。これにより、照明領域IR上の各点に入射する光の角度分布は、時間的に変化することになる。
なお、レーザー光源12とレンズ要素14aは1対1の対応関係でなくてもよい。例えば、1つのレーザー光源12からの光が2以上のレンズ要素14aに入射してもよいし、2以上のレーザー光源12からの光が1つのレンズ要素14aに入射してもよい。
図5は、複数のレーザー光源12の一部を消灯したときの第2共役面21における明るさ分布(瞳像)の変化の一例を示す図である。図5(a)は複数のレーザー光源12をすべて点灯した状態に対応し、図5(b)は複数のレーザー光源12の一部を消灯した状態に対応する。第2共役面21(投写系4の瞳面)は、光源像(フライアイレンズ14)と光学的に共役であるので、第2共役面21における明るさ分布(スポットの分布)は、フライアイレンズ14における明るさの分布と対応関係がある。
複数のレーザー光源12をすべて点灯させた状態において、フライアイレンズ14のレンズ要素14aのそれぞれには、光源像が形成される。複数のレーザー光源12の一部を消灯させた状態においては、消灯させたレーザー光源12に由来する光源像が形成されないことになり、第2共役面21に暗部22ができる。このように、照明装置2bは、複数のレーザー光源12のうち少なくとも1つを選択して点灯と消灯とを切り替え、選択するレーザー光源12を時間経過とともに変えていくことで、瞳像を効果的に時間的に変化させることができる。
次に、光源制御装置10による制御の例について説明する。ここでは、複数のレーザー光源12のうち、いくつかのレーザー光源12の制御を代表的に説明する。
[制御方法の第1例]
図6は、第1例で説明する制御対象のレーザー光源12の配置を示す図である。図7は、光源制御装置10によるレーザー光源12の制御の第1例を示すタイミングチャートである。ここでは、説明の便宜上、光源装置7の光源配置エリア23に、レーザー光源12が格子状に配列されているものとする。
図6の符号25a〜25cは、光源装置7に設けられた複数のレーザー光源12から任意に選択されるレーザー光源である。ここでは、レーザー光源25a(第1の光射出領域)、レーザー光源25b(第2の光射出領域)、およびレーザー光源25cは、光源配置エリア23の中心23aからの距離が互いに異なるように選択されている。
図7において、横軸は光源装置7が駆動されている間の時刻、縦軸はレーザー光源25a〜25cに供給される電力(電流値)のレベルを示す。符号PHは供給電力のハイレベル、符号PLは供給電力のローレベルを示す。例えば、レベルPHは、レーザー光源が所定の光量の光を発光する供給電力であり、レベルPLはレーザー光源が発光しない供給電力(端的には0)である。レベルPLは、レベルPHよりも少ない光量の光をレーザー光源が発光する供給電力でもよい。
光源制御装置10は、時刻t0からt1までの期間T1(第1の期間)において、レーザー光源25aへの供給電力をレベルPLに維持することで、レーザー光源25aを消灯状態に維持する。また、光源制御装置10は、期間T1において、レーザー光源25b及びレーザー光源25cへの供給電力をレベルPHに維持することで、レーザー光源25b及びレーザー光源25cを点灯状態に維持する。
光源制御装置10は、時刻t1に、レーザー光源25aへの供給電力をレベルPHに切り替えることでレーザー光源25aを点灯させ、かつレーザー光源25bへの供給電力をレベルPLに切り替えることでレーザー光源25bを消灯させる。光源制御装置10は、時刻t1からt2までの期間T2(第2の期間)において、レーザー光源25a及びレーザー光源25cを点灯状態に維持し、レーザー光源25bを消灯状態に維持する。同様に、光源制御装置10は、時刻t2から時刻t3までの期間T3(第3の期間)において、レーザー光源25a及びレーザー光源25bを点灯状態に維持し、レーザー光源25cを消灯状態に維持する。
以上のように、光源制御装置10は、複数のレーザー光源12のうち点灯状態にあるレーザー光源12の組み合わせ(以下、点灯パターンという)が期間T1と期間T2とで変わるように、光源装置7を制御する。期間T1と期間T2のそれぞれの長さは、例えば、人間が画像の変化を知覚できる時間以下に設定され、1/24秒以下であってもよいし、1/30秒以下であってもよい。
光源制御装置10が点灯パターンを期間T1と期間T2とで異ならせるので、フライアイレンズ14に形成される光源像は、期間T1と期間T2とで異なるパターンになる。そのため、フライアイレンズ14と光学的に共役な第2共役面21に形成される瞳像は、期間T1と期間T2とで異なるパターンになる。
結果として、投写面SC上の各点に入射する光の角度分布は、期間T1と期間T2とで異なるパターンになり、スペックルのパターンが期間T1と期間T2とで異なることになる。このことは、上記の式(1)における右辺の開口関数f(x,y)が時間的に変化することで、写面SC上の振幅分布u(x’,y’)が時間的に変化することに相当する。観察者には、期間T1と期間T2のスペックルのパターンが時間的に重なって視認されるので、スペックルが特定のパターンとして視認されにくくなる。
なお、図7には3つのレーザー光源25a〜25cへの供給電力を代表的に示したが、光源制御装置10は、複数のレーザー光源12のうち点灯状態にあるレーザー光源12の数が期間T1と期間T2とで同じになるように、光源装置7を制御する。これにより、光源装置7から射出される光の光量が期間T1と期間T2とでほぼ同じになり、照明装置2bは、照明領域IR(画像形成系3)を期間T1と期間T2とでほぼ同じ明るさで照明する。
なお、光源装置7から光が射出される期間の各時刻に消灯状態に維持されるレーザー光源12の数は、1つでもよいし、2以上でもよい。また、点灯状態にあるレーザー光源12の数を期間T1と期間T2とで同じにする代わりに、光源装置7から射出される光の光量が期間T1と期間T2とでほぼ同じになるように、点灯させるレーザー光源12の発光量を調整してもよい。また、照明装置2bは、例えばダイナミックレンジを広げるために、光源装置7から射出される光の光量を期間T1と期間T2とで異ならせてもよい。
本例において、光源制御装置10は、複数のレーザー光源12のうち、光源配置エリア23の中心23aからの距離が異なるレーザー光源を、異なるタイミングで消灯状態(または点灯状態)に維持するので、投写面SCの各点に入射する光の角度分布を効果的に変化させることができる。なお、複数のレーザー光源12のうち、各期間に点灯状態に維持されるレーザー光源12の組み合わせ(点灯パターン)は、適宜、変更できる。
[制御方法の第2例]
図8は、第2例で説明する制御対象のレーザー光源12の配置を示す図である。図9は、光源制御装置10によるレーザー光源12の制御の第2例を示すタイミングチャートである。
図8の符号26a〜26dは、光源装置7に設けられた複数のレーザー光源12から任意に選択されるレーザー光源である。ここでは、レーザー光源26a(第1の光射出領域)とレーザー光源26bは、互いに隣り合うレーザー光源であり、レーザー光源26c(第2の光射出領域)およびレーザー光源26dは、互いに隣り合うレーザー光源である。
ここでは、レーザー光源26aとレーザー光源26bとがレーザー光源12の配列の列方向に並んでおり、レーザー光源26cとレーザー光源26dとがレーザー光源12の配列の列方向に並んでいる。また、レーザー光源26aとレーザー光源26cとがレーザー光源12の配列の行方向に並んでおり、レーザー光源26bとレーザー光源26dとがレーザー光源12の配列の行方向に並んでいる。
光源制御装置10は、時刻t4から時刻t5までの期間T5(第1の期間)において、互いに隣り合うレーザー光源26aとレーザー光源26bを消灯状態に維持し、互いに隣り合うレーザー光源26cとレーザー光源26dを点灯状態に維持する。光源制御装置10は、時刻t5においてレーザー光源26aとレーザー光源26bを点灯させ、レーザー光源26cとレーザー光源26dを消灯させる。光源制御装置10は、時刻t5から時刻t6までの期間T6(第2の期間)において、レーザー光源26aとレーザー光源26bを点灯状態に維持し、互いに隣り合うレーザー光源26cとレーザー光源26dを消灯状態に維持する。
本例においても、光源制御装置10が点灯パターンを期間T5と期間T6とで異ならせるので、観察者にスペックルが特定のパターンとして視認されにくくなる。また、光源制御装置10は、期間T5から期間T6へ移行する際に、互いに隣接する少なくとも2つのレーザー光源のそれぞれへの供給電力を、ともに減少または増加させるので、光源配置エリアの発光パターンの変化を大きくすることができる。そのため、投写系4の第2共役面21における瞳像の光強度分布の変化が大きくなり、投写面SC上の各点に入射する光の角度分布の変化が大きくなるので、スペックルが視認されることを効果的に抑制できる。
なお、複数のレーザー光源12のうち、点灯と消灯が一括して切り替えられるレーザー光源12の光源グループは、格子配列において行方向に並ぶ2以上のレーザー光源を含んでいてもよいし、列方向に並ぶ2以上のレーザー光源を含んでいてもよく、図6に示した中心23aの周りの周方向に並ぶ2以上のレーザー光源を含んでいてもよい。この周方向に並ぶ2以上のレーザー光源を含む光源グループを一括して点灯または消灯すると、投写面SC上の各点に入射する光の角度分布において、図6に示した光源配置エリア23の中心23aから光源グループまでの距離(径)に応じた角度成分の変化を大きくすることができる。
[制御方法の第3例]
図10は、第3例で説明する制御対象のレーザー光源12の配置を示す図である。図11は、光源制御装置10によるレーザー光源12の制御の第3例を示すタイミングチャートである。
図10の符号27a〜27cは、光源装置7に設けられた複数のレーザー光源12から任意に選択されるレーザー光源である。ここでは、レーザー光源27a(第1の光射出領域)は、レーザー光源27b(第2の光射出領域)の隣に配置されており、レーザー光源27cは、レーザー光源27bの隣(レーザー光源27aの反対側)に配置されている。
図11において、符号PTは、レベルPHよりも高いレベルの供給電力である。光源制御装置10は、時刻t7から時刻t8までの期間T8(第1の期間)において、レーザー光源27aへの供給電力をレベルPLに維持し、レーザー光源27bおよびレーザー光源27cへの供給電力をレベルPHに維持する。
光源制御装置10は、時刻t8に、レーザー光源27aへの供給電力をレベルPTに切り替えるとともに、レーザー光源27bへの供給電力をレベルPLに切り替える。光源制御装置10は、時刻t8から時刻t9までの期間T9(第2の期間)において、レーザー光源27aへの供給電力をレベルPTに維持し、レーザー光源27bへの供給電力をレベルPLに維持し、レーザー光源27cへの供給電力をレベルPHに維持する。
光源制御装置10は、時刻t9に、レーザー光源27aへの供給電力をレベルPHに切り替えるとともに、レーザー光源27bへの供給電力をレベルPTに切り替え、レーザー光源27cへの供給電力をレベルPLに切り替える。光源制御装置10は、時刻t9から時刻t10までの期間T10(第3の期間)において、レーザー光源27aへの供給電力をレベルPHに維持し、レーザー光源27bへの供給電力をレベルPTに維持し、レーザー光源27cへの供給電力をレベルPLに維持する。
図11には、3つのレーザー光源への供給電力を代表的に示したが、光源装置7から光が射出される期間において、複数の光源のうち供給電力がレベルPHであるレーザー光源の数は、供給電力がレベルPLであるレーザ光源の数よりも多く、かつ供給電力がレベルPTであるレーザ光源の数よりも多い。すなわち、光源装置7から光が射出される期間において、複数のレーザー光源12での供給電力の平均値と比較して、レベルPTは相対的に高い供給電力のレベルであり、レベルPLは相対的に低い供給電力のレベルである。
換言すると、光源制御装置10は、期間T9において、レーザー光源27bへの供給電力を複数のレーザー光源12のうち相対的に小さく(レベルPLに)するとともに、レーザー光源27bに隣り合うレーザー光源27aへの供給電力を複数のレーザー光源12のうち相対的に大きく(レベルPTに)する。
期間T9においては、レーザー光源27b(供給電力がレベルPL)の発光量は、レーザー光源27c(供給電力がレベルPH)の発光量よりも少なくなるが、一方でレーザー光源27a(供給電力がレベルPT)の発光量は、レーザー光源27c(供給電力がレベルPH)の発光量よりも多くなる。そのため、光源装置7は、レーザー光源27bの発光量の減少分の少なくとも一部を、レーザー光源27aの発光量の増加分で補うことができる。
また、供給電力が相対的に低いレーザー光源27bは、隣のレーザー光源27aよりも発熱量が少なくなるので、レーザー光源27aの供給電力を相対的に大きくした場合の放熱性を確保できる。また、レーザー光源27bは、期間T9において供給電力が相対的に低いので冷却されており、期間T9に続く期間T10において供給電力が相対的に高くした際の発光効率が高くなる。
[制御方法の第4例]
図12は、光源制御装置10によるレーザー光源12の制御の第4例を示すタイミングチャートである。第4例において、第1のレーザー光源から射出される光の光量が他のいずれかのレーザー光源から射出される光の光量と異なる期間(第1の期間)は、第2のレーザー光源から射出される光の光量が他のいずれかのレーザー光源から射出される光の光量と異なる期間(第2の期間)と一部が重複し、一部が重複しない。以下、詳しく説明する。
まず、第1のレーザー光源の制御について説明する。光源制御装置10は、時刻t11から時刻t13までの期間T13(第1の期間)において、第1のレーザー光源への供給電力をレベルPLに維持し、第1のレーザー光源を消灯状態に維持する。光源制御装置10は、時刻t13に第1のレーザー光源への供給電力をレベルPHに切り替える。光源制御装置10は、時刻t13からの期間において、第1のレーザー光源を点灯状態に維持する。
次に、第2のレーザー光源の制御について説明する。光源制御装置10は、時刻t11から時刻t12までの期間において、第2のレーザー光源を消灯状態に維持し、時刻t12に第2レーザー光源を点灯させる。時刻t12は、時刻t11から時刻t13までの間のいずれかの時刻であり、例えば期間T13の中心の時刻である。光源制御装置10は、時刻t12から時刻t14までの期間T14(第2の期間)に第2のレーザー光源を点灯状態に維持する。時刻t14は、第1のレーザー光源が消灯から点灯に切り替わる時刻t12よりも後のいずれかの時刻であり、例えば時刻t13が期間T14の中心の時刻になるように設定される。
次に、第3のレーザー光源、第4のレーザー光源の制御について説明する。光源制御装置10は、第3のレーザー光源を、時刻t11から時刻t12までの期間に点灯状態に維持し、時刻t12から時刻t14までの期間に消灯状態に維持する。光源制御装置10は、時刻t14から時刻t15までの期間に、第3のレーザー光源を点灯状態に維持する。光源制御装置10は、第4のレーザー光源を、時刻t11から時刻t13までの期間T13に点灯状態に維持し、時刻t13からの時刻t15までの期間に消灯状態に維持する。
このように、第1のレーザー光源は、期間T13(第1の期間)のうち時刻t11からt112までの期間において第2のレーザー光源と発光量がほぼ同じ(ここでは0)であり、期間T13のうち時刻t12からt13までの期間において第2のレーザー光源と発光量が異なる。また、第2のレーザー光源は、期間T14(第2の期間)のうち時刻t12からt13までの期間において第1のレーザー光源と発光量が異なり、期間T14のうち時刻t13からt14までの期間において第1のレーザー光源と発光量がほぼ同じである。
ここで、各レーザー光源の点灯状態を1、消灯状態を0で表し、第1〜第4のレーザー光源の点灯状態または消灯状態を順に並べた数字の組、例えば(0,0,1,1)で点灯パターンを表すことにする。例えば、時刻t11から時刻t12までの期間に、第1のレーザー光源が消灯(0)、第2のレーザー光源が消灯(0)、第3のレーザー光源が点灯(1)、第4のレーザー光源が消灯(1)であるので、この期間の点灯パターンは(0,0,1,1)である。
時刻t12から時刻t13までの期間の点灯パターンは(0,1,0,1)、時刻t13から時刻t14までの期間の点灯パターンは(1,1,0,0)、時刻t14から時刻t15までの期間の点灯パターンは(1,1,1,0)である。このように、点灯パターンは、時刻t11からt15までの間に4つのパターンに変化する。すなわち、前述した第1例、第2例、第3例では、点灯パターンが変化する頻度は一のレーザー光源の発光量が変化する頻度と同じであるが、本例の駆動方法では、一のレーザー光源の発光量が変化する頻度よりも高い頻度で点灯パターンを変化させることができる。そのため、スペックルのコントラスを効果的に減らすことができる。
[制御方法の第5例]
図13は、光源制御装置10によるレーザー光源12の制御の第5例を示す図である。図13において、横軸は時間を示し、縦軸はレーザ光源の発光強度を規格化した値を示す。第1例乃至第4例では、一のレーザー光源の発光強度が各期間内ではほぼ一定の強度を維持するように供給電力を制御していたが、第5例では、図13に示すように一の期間内で発光強度が変化するように供給電力を制御する。
ここで、レーザー光源の発光強度の期間Tnでの積分値を、レーザー光源の期間Tnでの発光量と定義する。図13では、期間Tnでの発光量を所定の発光量の50%に制御する例を示している。所定の発光量は、例えば、期間Tnの間にレーザー光源の発光強度が100%の維持された場合の発光量である。
グラフ50は、期間Tnの間に発光強度をステップ状に変化させる例である。例えば、発光強度が0%の期間と50%の期間と100%の期間を有しており、積分すれば期間Tnでの発光量は所定の発光量の50%である。グラフ51は、期間Tnの間に発光強度を正弦波状に変化させる例である。グラフ52は、期間Tnの間に発光強度を線形に変化させる例である。グラフ53は、期間Tnの間に100%以外の二つの発光強度を設定する例である。
このように、一の期間において2以上の互いに異なる発光強度を用いることにより、一の光源からの光に対応する角度成分の光量が互いに異なる2以上の瞳像が順次形成される。そのため、期間Tnの間、同一光量で発光させる場合に比べて、より多くの異なる瞳像を形成できる。これによりスペックルを抑えた良好な画質を提供できる。
[制御方法の第6例]
図14は、光源制御装置10によるレーザー光源12の制御の第5例を示すタイミングチャートである。上述の制御方法の各例は、振幅変調により発光量を変化させているが、第6例においては、パルス幅変調によりレーザー光源の発光量を変化させる。
図14に示すように、第1〜第4のレーザー光源には、時刻t16から時刻t20の間に、パルス状の波形で表される電力が供給される。第1のレーザー光源には、時刻t16から時刻t17までの期間T17(第1の期間)に複数のパルスを含む第1波形Waの電力が供給され、時刻t17から時刻20までの期間には複数のパルスを含む第2波形Wbの電力が供給される。第1波形Waと第2波形Wbとでは、振幅と周期のそれぞれがほぼ同じであるが、パルスの幅が異なっている。ここでは、第1波形Waのパルスの幅は、第2波形Wbのパルスの幅よりも狭い。そのため、第1波形Waの単位時間当たりの供給電力が第2波形Wbの単位時間当たりの供給電力よりも小さく、第1のレーザー光源は、期間T17における単位時間あたりの発光量(発光量の時間平均値)が、時刻t17から時刻t20までの期間における単位時間あたりの発光量よりも小さくなる。
光源制御装置10は、第2のレーザー光源の供給電力を、時刻t16から時刻t17までの期間に第2波形Wbに維持し、時刻t17から時刻t18までの期間T18(第2の期間)に第1波形Waに維持し、時刻t18から時刻t20までの期間に第2波形Wbに維持する。そのため、第2のレーザー光源の発光量は、期間T17において第1のレーザー光源の発光量よりも多くなり、期間T18において第1のレーザー光源の発光量よりも少なくなる。
光源制御装置10は、第3のレーザー光源の供給電力を、時刻t16から時刻t18までの期間に第2波形Wbに維持し、時刻t18から時刻t19までの期間に第1波形Waに維持し、時刻t19から時刻t20までの期間に第2波形Wbに維持する。また、光源制御装置10は、第4のレーザー光源の供給電力を、時刻t16から時刻t19までの期間に第2波形Wbに維持し、時刻t19から時刻t20までの期間に第1波形Waに維持する。このように、パルス幅変調によってレーザー光源の発光量を制御する場合にも、観察者にはスペックルが特定のパターンとして視認されにくくなる。
[制御方法の第7例]
図15は、光源制御装置10によるレーザー光源12の制御の第7例を示す図である。本例において、光源制御装置10は、一部のレーザー光源を消灯させたときに、光源装置7から射出される光の光量の減少分を補うように、他のレーザー光源への供給電力を増加させる。
図15(a)に示す第1状態において、光源装置7の5つのレーザー光源12は、それぞれ、所定の光量の光を射出している。図15(b)に示す第2状態において、光源装置7の4つのレーザー光源12は、所定の光量の光を射出し、1つのレーザー光源12は消灯状態になっている。
ここで、所定の光量を1とすると、図15(a)の第1状態に光源装置7から射出される光の総光量(基準光量)は5であり、図15(b)の第2状態に光源装置7から射出される光の総光量は4である。すなわち、第2状態では、光源装置7から射出される光の総光量(4)が基準光量(5)よりも減少している。
そこで、光源制御装置10は、図15(c)に示す第3状態のように、レーザー光源12の消灯による光量の減少分(1)を補うように、少なくとも一つの点灯状態のレーザー光源12に供給される電力を、第1状態で供給される電力よりも増加させる。例えば、光源制御装置10は、第3状態において光源装置7から射出される光の光量が基準光量とほぼ同じになるように、すなわち4つのレーザー光源各々から光量が1.25の光が射出されるように、4つの点灯状態のレーザー光源12への供給電力を増加させる。
このように、複数のレーザー光源12の点灯状態を第1状態と第3状態との間で切り替えることで、スペックルが見えづらく、かつ明るさの変動がない画像を鑑賞することができる。
なお、上述した各例の制御方法は、適宜、組み合わせることができる。例えば、図8および図9を用いて説明したように、列方向に並ぶ2以上のレーザー光源を一括して点灯または消灯させつつ、図10および図11を用いて説明したように、消灯状態にあるレーザー光源の列の隣の列のレーザー光源の発光量を増加させてもよい。
上述の実施形態では、画像形成装置3bとして透過型の液晶ライトバルブを用いている。透過型の液晶ライトバルブでは、一般的に、画素Pの周辺部を覆う遮光層(ブラックマトリクス)が設けられている。遮光層は照明光の一部を遮光するために、照明光の利用効率が低下する。そのため、透過型の液晶ライトバルブには、画素ごとにマイクロレンズが設けられる場合がある。しかしながら、マイクロレンズの屈折力が大きい場合には、瞳像を時間的に変化させることによるスペックル低減効果が減少することがありえる。そのような場合には、画像形成装置3bがアフォーカル光学系を備えることで、スペックル低減効果の低減を抑えることができる。
画像形成装置3bの構成例について説明する。図16は、画像形成装置3bの一例を示す図である。画像形成装置3bは、アフォーカル光学系30を備え、このアフォーカル光学系30は、第1のマイクロレンズ31aおよび第2のマイクロレンズ31bを含む。本例において、第1のマイクロレンズ31aと第2のマイクロレンズ31bは、同じ光学部材上に設けられたレンズアレイであり、この光学部材は、液晶層32の入射側に配置されている。
本例のアフォーカル光学系30は、いわゆるケプラー式であり、第1のマイクロレンズ31aおよび第2のマイクロレンズ31bは、それぞれ正のパワー(屈折力)を有する凸レンズである。第1のマクロレンズAaは、画素Pごとに、液晶層32に対する照明光の入射側に設けられている。第2のマイクロレンズ31bは、第1のマイクロレンズ31aの焦点位置と液晶層32との間に配置されている。
画像形成装置3bは、画素Pの周辺部を覆う遮光層33(ブラックマトリクス)を備え、アフォーカル光学系30は、画素Pに向かって進行する光束が画素Pの内部に入射するように、ビーム径を縮小する。そのため、画像形成装置3bでは、遮光層33での光のロスが少なくなり、光の利用効率が高くなる。
また、アフォーカル光学系30は、各画素Pへ入射する光束を平行光束にするので、画像形成装置3bを通る光の角度分布に及ぼす画像形成装置3bの影響を減らすことができる。そのため、照明装置2bが時間的に変化させる光の角度分布を、第2共役面21上での瞳像に反映させやすくなり、スペックルを視認されにくくする効果を高めることができる。
図17〜図19は、それぞれ、画像形成装置3bの他の例を示す図である。図17に示す画像形成装置3bにおいて、アフォーカル光学系30は、いわゆるガリレオ式であり、第1のマイクロレンズ31aが正のパワーを有する凸レンズであり、第2のマイクロレンズ31bが負のパワーを有する凹レンズである。ガリレオ式のアフォーカル光学系30は、ケプラー式よりも光路長を短くできる。
図18に示す画像形成装置3bにおいて、アフォーカル光学系30は、ケプラー式であり、第1のマイクロレンズ31aと第2のマイクロレンズ31bがいずれも正のパワーを有する凸レンズである。本例において、第1のマイクロレンズ31aと第2のマイクロレンズ31bは、それぞれ、別の光学部材に設けられたレンズアレイである。第1のマイクロレンズ31aは、液晶層32に対する入射側に配置されており、その焦点位置が例えば液晶層32の内部に配置される。第2のマイクロレンズ31bは、液晶層32に対する光の射出側に配置されている。
ケプラー式のアフォーカル光学系30を用いる場合に、本例のように、第1のマイクロレンズ31aと第2のマイクロレンズ31bとの間の光路を液晶層32の配置スペースに利用することで、例えば画像形成装置3bを薄型にできる。また、ケプラー式のアフォーカル光学系30は、ガリレオ式と比較して、遮光層33の開口を通る際の光のビーム径を絞りやすいので、遮光層33での光のロスを減らしやすい。
図19に示す画像形成装置3bにおいて、アフォーカル光学系30は、ガリレオ式であり、第1のマイクロレンズ31aが正のパワーを有する凸レンズ、第2のマイクロレンズ31bが負のパワーを有する凹レンズである。第1のマイクロレンズ31aは、液晶層32の入射側に配置されており、第2のマイクロレンズ31bは、液晶層32の射出側に配置されている。このような画像形成装置3bは、例えばケプラー式と比較して、格段に薄型にできる。
上述したような構成の本実施形態の照明装置2bは、光源制御装置10により光源装置7の点灯パターンを時間的に変化させるので、瞳像のパターンを時間的に変化させることができ、スペックルを効果的に低減できる。また、この照明装置2bを備えるプロジェクター1は、画像の観察者にスペックルが視認されにくいので、画像の表示品質の低下を抑制できる。
また、プロジェクター1は、投写系4の外部の装置(照明装置2b)により瞳像のパターンを時間的に変化させるので、投写系4の大型化、高コスト化などを避けることができる。また、プロジェクター1は、投写面SCの瞳面上で固定のパターンの瞳像を移動させる方式と比較して、投写系4の瞳面の有効径を広げる必要性が低いので、投写系4の大型化、高コスト化などを避けることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。図20は、第2実施形態の照明装置2bおよび画像形成系3(画像形成装置3b)を示す図である。この照明装置2bは、照明光学系8の構成が第1実施形態と異なっている。本実施形態において、照明光学系8は、インプットレンズ35、光学ロッド36、及びリレー光学系37を含む。
インプットレンズ35は、光源装置7からの光を、光学ロッド36の入射端面36aに収まるように集光する。インプットレンズ35は、例えば所定軸に関して軸対称なレンズを含み、この所定軸が照明光学系8の光軸8aに相当する。
図21は、光学ロッド36を示す図である。光学ロッド36は、いわゆるロッドインテグレータなどであり、照明光学系8の光軸8aに平行な方向に長手の四角柱状の光学部材である。光学ロッド36は、入射端面36a、内面36b、及び射出端面36cを有する。入射端面36aと射出端面36cは、互いにほぼ平行であり、それぞれ照明光学系8の光軸8aとほぼ直交する。内面36bは、入射端面36aと射出端面36cとを結ぶ4つの側面の内面であり、照明光学系8の光軸8aとほぼ平行である。
入射端面36aは、例えば、インプットレンズ35により光源像が形成される位置又はその近傍に配置される。入射端面36aには、光源装置7から射出された光がインプットレンズ35(図20参照)を介して入射する。入射端面36aに入射する際の光の角度分布は、光源装置7に設けられたレーザー光源12(図6参照)の点灯パターンに応じた分布になる。
例えば、光学ロッド36の入射端面36aに入射する光のうち相対的に広がり角が大きい成分(広角成分)は、複数のレーザー光源12のうち、照明光学系8の光軸8a(図6の中心23a)から相対的に遠い位置のレーザー光源12から射出された光に相当する。また、光学ロッド36の入射端面36aに入射する光のうち相対的に広がり角が小さい成分(望遠成分)は、複数のレーザー光源12のうち、照明光学系8の光軸8aから相対的に近い位置のレーザー光源12から射出された光に相当する。
光学ロッド36の入射端面36aに入射した光は、内面36bでの多重反射により射出端面36cに導かれる。内面36bでの光の反射回数は、角度成分ごとに異なっており、広角成分の反射回数は望遠成分の反射回数よりも多い。光学ロッド36の射出端面36cには、内面36bでの反射回数が0回の光束と、図21に示すような反射回数が1回の光束Lb、反射回数が2回の光束Lcなどの反射回数が互いに異なる複数の光束が重畳され、これにより射出端面36cでの照度分布が均一化される。
図22は、光学ロッド36およびリレー光学系37を示す図である。リレー光学系37は、光学ロッド36の射出端面36cと光学的に共役な面(照明領域IR)を形成する。光源装置7からの光の照度分布は、光学ロッド36の射出端面36cで均一化されるので、射出端面36cと共役な照明領域IRにおいても均一化される。このように、照明光学系8は、光源装置7の複数の光射出領域(レーザー光源12)からの光束を照明領域IRに重畳することで、照明領域IRにおける照度分布を均一にする。
ところで、リレー光学系37には、インプットレンズ35により形成される光源像と共役な第3共役面38(いわゆる瞳面)が形成される。この第3共役面38は、図2に示した投写系4の第2共役面21とも光学的に共役である。照明装置2bは、第3共役面38におけるスポットのパターンを時間的に変化させることで、投写系4の第2共役面21における瞳像のパターンを時間的に変化させる。
図23は、光源装置7の点灯パターンの一例を示す図である。図24は、図23の点灯パターンに対応して第3共役面38に形成されるスポットのパターン(光源像)を示す図である。図23に示す点灯パターンは、例えば、光学ロッド36の入射端面36aの位置またはその近傍に形成される光源像とほぼ同じパターンである。図23において、符号40a〜40dは、それぞれ、光源装置7の複数の光射出領域11のいずれかを示す。
図21に示したように、光学ロッド36の射出端面36cの各点には、内面36bでの反射回数が異なる複数の光束が入射する。そのため、光学ロッド36の射出側から観察すると、入射端面36aを含む面上に、光源像の実像Im1と複数の虚像Im2とが配列されているように見える。本例において、第3共役面38は、入射端面36aとほぼ共役な関係にあるので、第3共役面38上には、図24に示すような実像Im1に対応するパターン41aと虚像Im2に対応する複数のパターン41bとが配列される。パターン41aとパターン41bは、光学ロッド36の内面36bに相当する境界線42に関して線対称なパターン(鏡像、反転像)である。
ここで、第3共役面38上で光射出領域40aと共役な領域43aは、互いに交差する境界線42aおよび境界線42bの近傍に配置されるものとする。境界線42aに関して領域43aと対称な領域43b、境界線42bに関して領域43bと対称な領域43c、境界線42aに関して領域43cと対称な43dは、それぞれ、光射出領域40aと共役な領域である。また、境界線42cに関して領域43aと対称な領域43e、境界線42dに関して領域43eと対称な領域43f、境界線42cに関して領域43fと対称な43gも、それぞれ、光射出領域40aと共役な領域である。そのため、光射出領域40aから射出される光の光量が変化すると、多数の領域(図24の例では9個の領域)の明るさが一括して変化することになる。従って、第3共役面38上の光源像のパターンの変化が大きくなる。
本実施形態の照明装置2bは、第1実施形態で説明したように、光源装置7の点灯パターンを時間的に変化させるので、観察者にスペックルが視認されにくくなる。また、光源装置7の各光射出領域11(例えば光射出領域40a)は、第3共役面38上の複数の領域と対応関係になるので、光源装置7の点灯パターンの変化に比べて、第3共役面38上の光源像のパターンの変化を大きくすることができ、スペックルを効果的に低減できる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、上記の実施形態で説明した要件の少なくとも1つは、省略されることある。
なお、上述の実施形態においては、画像形成装置ごとに照明装置が設けられているが、複数の画像形成装置に対して1つの照明装置が設けられていてもよい。例えば、照明装置は、複数の色光を含む光(端的には白色光)から各色光を分離し、各色光を各色用の画像形成装置に導く構成でもよい。白色光を発生させる光源装置としては、例えば、赤色のレーザー光を発するレーザー光源と、緑色のレーザー光を発するレーザー光源と、青色のレーザー光を発するレーザー光源とを備え、各色のレーザー光をダイクロイックプリズムまたはダイクロイックミラーで合成する構成でよい。また、白色光を発生させる光源装置は、発光ダイオードなどの固体光源、メタルハライドランプなどの短アークのランプ光源などを含むものでものでもよい。
なお、光射出領域のそれぞれから射出される光の光量を調整可能な光源装置としては、光源と、光源からの光の光路を時間的にシフトさせる光路シフト部とを備える装置を用いることもできる。このような光源装置は、例えば、光源と、光源からの光の偏光状態を調整可能な偏光調整部(例えば液晶装置)と、偏光調整部を経由した光が入射する偏光変換素子とを備えるものでもよい。
なお、照明光学系8の少なくとも一部は、光源装置7の一部として設けられていてもよい。例えば、図2に示した照明装置2bにおいて、光源装置7は、フライアイレンズ13およびフライアイレンズ14を含む光学ユニットであってもよい。この場合に、光源装置7は、レーザー光源12の発光量を調整することにより、フライアイレンズ14のレンズ要素14aのそれぞれから射出される光の光量を調整可能である。そのため、この光源装置7は、フライアイレンズ14のレンズ要素14aのそれぞれが光射出領域に相当する。
なお、上記の実施形態において、プロジェクター1は、三板式の透過型液晶を備えたプロジェクターであるが、各色の画像を時間順次で投写し、各色の画像が時間的に積分されて観察されることでフルカラーの画像が表現される形態でもよい。プロジェクター1が表示する画像の色数に限定はなく、単色の画像を表示するものでもよいし、3色(3チャンネル)の色光でフルカラー画像を表現する代わりに2または4以上の色光で画像を表示するものでもよい。
なお、画像形成装置に用いられる光変調器は、透過型の液晶装置の他に、反射型の液晶装置、デジタルミラーデバイス等であってもよい。光変調器は、HTPS(High Temperature Poly−Silicon)技術、LCOS(Licluid Crystal on Silicon)技術などによるライトバルブでもよく、図17〜図19に示したような遮光膜33(ブラックマトリックス)を備えていなくてもよい。光変調器として液晶装置以外の光変調器を使用する場合は、フィールドレンズ19を省略してもよい。
1 プロジェクター、2 照明系、2a〜2c 照明装置、3 画像形成系、3a〜3c 画像形成装置、4 投写系、5 制御系、6 色合成系、7 光源装置、8 照明光学系、10 光源制御装置、11 光射出領域、12 レーザー光源(固体光源)、13、14 フライアイレンズ、15 重畳レンズ、30 アフォーカル光学系、31a 第1のマイクロレンズ、31b 第2のマイクロレンズ、36 光学ロッド、36a 入射端面、36b 内面、36c 射出端面、37 リレー光学系

Claims (13)

  1. 第1の光射出領域および第2の光射出領域を含む複数の光射出領域を有し、該複数の光射出領域のそれぞれから射出される光の光量を調整可能な光源装置と、
    第1の期間において、前記第1の光射出領域から射出される光の光量が前記複数の光射出領域のうち他の光射出領域から射出される光の光量と異なり、第2の期間において、前記第2の光射出領域から射出される光の光量が前記第1の期間において前記第2の光射出領域から射出される光の光量と異なるように、前記光源装置を制御する光源制御装置と、
    前記複数の光射出領域からの光を照明領域で重畳させる照明光学系と、を備える照明装置。
  2. 前記第1の期間において、前記第1の光射出領域から射出される光の強度が、少なくとも2つ以上の強度に設定される
    請求項1に記載の照明装置
  3. 前記光源装置は複数の光源を含み、
    前記光源制御装置は、前記複数の光源の少なくとも1つの光源の発光量を、前記第1の期間と前記第2の期間とで異ならせる
    請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 前記光源制御装置は、前記第1の期間において、前記複数の光源のうち第1の光源への供給電力を減少させるとともに、前記複数の光源のうち前記第1の光源に隣り合う第2の光源への供給電力を、前記複数の光源のうち他の光源への供給電力よりも大きくする
    請求項3に記載の照明装置。
  5. 前記光源制御装置は、前記第1の期間から前記第2の期間へ移行する際に、前記複数の光源のうち互いに隣接する少なくとも2つの光源のそれぞれへの供給電力を、ともに減少または増加させる
    請求項3又は4に記載の照明装置。
  6. 前記複数の光源のそれぞれに所定の電力を供給したときに前記光源装置から射出される光の光量を基準光量として、前記複数の光源のうち第1の光源を消灯させたときに、前記光源装置から射出される光の光量の前記基準光量からの減少分を小さくするように、前記複数の光源のうち前記第1の光源以外の少なくとも一つの光源には前記所定の電力よりも大きい電力が供給される
    請求項3〜5のいずれか一項に記載の照明装置。
  7. 前記光源制御装置は、前記複数の光射出領域から射出される光の光量が前記第1の期間と前記第2の期間とで同じになるように、前記光源装置を制御する
    請求項1〜6のいずれか一項記載の照明装置。
  8. 前記第1の期間と前記第2の期間のそれぞれは、1/24秒以下である
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明装置。
  9. 前記光源装置は、可干渉性の光を射出する固体光源を含む
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の照明装置。
  10. 前記照明光学系は、
    前記光源装置からの光が入射するレンズ要素を含むレンズアレイと、
    前記レンズ要素からの光を前記照明領域に重畳する重畳レンズと、を含む
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の照明装置。
  11. 前記照明光学系は、
    前記光源装置からの光が入射する入射端面、及び前記入射端面を経由した光が射出される射出端面を有する光学ロッドと、
    前記光学ロッドの射出端面と前記照明領域とを光学的に共役にするリレー系と、を含む
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の照明装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の照明装置と、
    前記照明装置からの光により画像を形成する画像形成系と、
    前記画像形成系が形成した画像を投写する投写系と、を備えるプロジェクター。
  13. 前記画像形成系は、
    前記照明領域に配列される複数の画素のそれぞれに設けられた第1のマイクロレンズと、
    前記第1のマイクロレンズとともにアフォーカル光学系を構成する第2のマイクロレンズとを含む
    請求項12に記載のプロジェクター。
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