JP2014157034A - 光学センサおよびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体の搬送時の上下のばたつきを抑えることができ、記録媒体の平滑度を正確に検出することが可能な光学センサおよびこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体Pに光Bを照射する光源52と、光源52から記録媒体Pに照射される光Bの、検出位置Aからの正反射光Cの光強度を検出する光検出器54と、記録媒体Pに接触するローラ56と、を有する。ローラ56は、記録媒体Pとの接触面が、光源52から記録媒体Pに照射される光Bの照射位置と同一線上になるように配置されている。
【選択図】図2
【解決手段】記録媒体Pに光Bを照射する光源52と、光源52から記録媒体Pに照射される光Bの、検出位置Aからの正反射光Cの光強度を検出する光検出器54と、記録媒体Pに接触するローラ56と、を有する。ローラ56は、記録媒体Pとの接触面が、光源52から記録媒体Pに照射される光Bの照射位置と同一線上になるように配置されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、光学センサおよびこれを備えた画像形成装置に関するもので、特に、記録媒体の種類等を識別するための反射光方式の光学センサ、および、この光学センサを搭載した画像形成装置に関する。
デジタル複写機やレーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置は、記録紙等の記録媒体にトナー像を転写し、転写したトナー像を所定の条件で加熱および加圧して記録媒体に定着させることによって、記録媒体に対する画像の形成を行うものである。このような画像形成装置においては、画像形成時に、トナー像を定着させる際の加熱量や圧力等の条件を考慮する必要がある。特に、高画質な画像を形成する際には、トナー像を定着させるための条件を記録媒体の種類に応じて個別に設定する必要がある。
これは、記録媒体における画像品質が、記録媒体の材質、厚さ、湿度、平滑性および塗工状態等により大きく影響されるためである。たとえば、平滑性に関しては、定着の際の条件によっては記録媒体における凹凸の程度により凹部でのトナーの定着率を低下させる要因となる。すなわち、画像形成される記録媒体の平滑性に応じた条件で定着を行わないと色むら等が生じてしまい、高画質な画像を得ることができない。
一方、近年の画像形成装置の進歩と表現方法の多様化に伴い、記録媒体の種類は数百種類以上も存在し、さらに、各々の記録媒体の種類における坪量や厚さ等の違いにより多岐にわたる銘柄が存在している。このため、高画質な画像を形成するためには、記録媒体の銘柄に応じて、定着温度等の条件を細かく設定しなければならない。
画像形成に用いられる記録媒体としては、普通紙、グロスコート紙、マットコート紙、アートコート紙等の塗工紙、OHPシート等の他に、紙の表面にエンボス加工を施した特殊紙等も存在しており、このような記録媒体は現在も増加しつつある。なお、上記においては記録媒体として記録紙等について説明しているが、記録紙以外の記録媒体も存在している。
ところで、これまでの画像形成装置においては、画像形成時における定着の条件等を、ユーザ自らが設定するようになっている。このため、ユーザには種類や銘柄といった記録媒体の種類等の知識が要求される。また、ユーザ自らが定着の条件等を設定する必要から画像形成装置を操作しなければならず、煩わしい。さらには、定着の条件等の設定を誤ると、所望の画質の画像を得ることができない。
このような状況において、記録媒体の種類等を自動的に識別できる光学センサ、および、このような光学センサを搭載し、記録媒体の種類等に応じて画像形成条件、例えば定着温度を自動的に制御して画像形成を行うことができる画像形成装置が提案されている(例えば、引用文献1〜5参照)。
引用文献1〜5に記載されているように、光学センサとしては、記録媒体の種類等の識別に非接触による反射光方式を採用したものが注目されている。反射光方式とは、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の光源から発せられた光を識別の対象となる記録媒体に照射し、その記録媒体からの反射光量により記録媒体の種類等を識別する方法である。
すなわち、引用文献1に記載のものは、正確に安定して被記録媒体の種類を判別できるようにするために、照明手段に紫外領域光および赤外領域光を含む光源を用いるとともに、拡散光を受光する拡散光受光部に受光すべき波長域外にある特定の波長域の光線を遮断する光学フィルタを設けるようにしたものである。
引用文献2に記載のものは、光源以外の光が存在しても記録媒体の判定を行うことができ、キャリブレーションを行う必要がないようにするために、複数の光源を設け、光源毎に異なる変調を与えるとともに、記録媒体の反射光からこの変調を与える変調信号と同期する信号を抽出し、反射光に含まれる照射光を照射した光源を検出して記録媒体の種類を判定するようにしたものである。
引用文献3に記載のものは、記録材からの正反射光を受光する第1の受光手段と、拡散反射光を受光する第2の受光手段とを備え、二つの受光手段の受光光量により記録材の種類を判別するとともに、記録材の有無やカセット板の有無をも検出できるようにしたものである。
引用文献4に記載のものは、移動中のシート材の材質をシート材の表面で反射した反射光量とシート材を透過した透過光量に基づいて判別するようにしたものである。
引用文献5に記載のものは、光源より記録媒体に入射する光の記録媒体の法線に対する角度を80°以上、88°以下とし、画像形成装置における記録媒体の識別を詳細に行うことが可能な小型のセンサを低コストで実現できるようにしたものである。
しかしながら、引用文献1〜5に記載のものには、以下のような問題があった。すなわち、記録媒体からの正反射光を検出して記録媒体の種類等を識別するセンサの場合、記録媒体と記録媒体に光を照射する光源と記録媒体からの正反射光を検出する検出器との距離の変化が、検出の結果に大きな影響を及ぼす。例えば、記録媒体と検出器との距離が500μm程度離れただけで、検出器で検出される正反射光が弱まるため、記録媒体の種類等を正確に識別できなくなる虞がある。
要するに、引用文献1〜5に記載のものは、いずれも記録媒体と検出器との距離(ギャップ)依存性が大きく、良好な識別を実現するためには、センサの検出面に対する記録媒体のばたつきである距離の変動を十分に抑えなければならないものであった。
記録媒体のばたつきを抑える方法としては、例えば、記録媒体の搬送路の上方および下方に設けられる案内ガイド板の相互間のギャップ(ガイド板ギャップ)により、検出器に対する記録媒体の上下のばたつきを抑える方法が考えられる。
ところが、A3サイズの記録媒体に対する画像形成が可能な画像形成装置の場合、案内ガイド板の幅が300mmを越える。このため、案内ガイド板の全域に渡ってガイド板ギャップを高精度に維持するのは困難であり、通常は、ガイド板ギャップが2〜4mm程度に設定されている。そのため、搬送時に記録媒体の上下のばたつきを十分に抑えることができず、記録媒体の種類等を正確に識別できない。
また、記録媒体のばたつきを抑える別の方法として、例えば、センサの検出面に対する記録媒体の進入角度が斜め(3°〜5°程度)になるように案内ガイド板を配置し、記録媒体のコシで撓ませながら、あるいは、センサの検出面と同一の高さの案内ガイド板に擦らせながら、記録媒体をセンサの検出面まで搬送する方法も考えられる。
しかし、この方法の場合、センサの検出面の前後における搬送ローラの位置や案内ガイド板の形状によって、記録媒体は、センサの検出面あるいは案内ガイド板との接触の状態が搬送の途中で変動し易く、記録媒体の安定した搬送を維持するのが難しかった。このため、搬送時に記録媒体の上下のばたつきを十分に抑えることができず、記録媒体の種類等を正確に識別できない。
本発明は、上述したような問題を解決するためになされたもので、記録媒体の安定した搬送を維持でき、記録媒体の種類等の識別の精度を向上させることが可能な光学センサおよびこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明に係る光学センサは、記録媒体に光を照射する光源と、前記光源から前記記録媒体に照射された光の正反射光の光強度を検出する光検出器と、前記記録媒体に接触するローラと、を有し、前記ローラは、前記記録媒体との接触面が、前記光源から前記記録媒体に照射される光の照射位置と同一線上になるように配置されている構成を有する。
本発明によれば、記録媒体の安定した搬送を維持でき、記録媒体の種類等の識別の精度を向上させることが可能な光学センサおよびこれを備えた画像形成装置を提供できる。
以下、本発明に係る光学センサおよびこれを備えた画像形成装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
(画像形成装置)
図1は、本発明の実施形態に係る、光学センサを搭載した画像形成装置を、電子写真方式のデジタル複写機に適用した場合の構成例を示すものである。
図1は、本発明の実施形態に係る、光学センサを搭載した画像形成装置を、電子写真方式のデジタル複写機に適用した場合の構成例を示すものである。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上部には、画像読取装置200が設置されている。画像形成装置本体100の一側面部には、両面ユニット300が取り付けられている。
画像形成装置本体100の内部には、複数のローラに掛け回され、ほぼ水平に張り渡されたエンドレスベルト状の中間転写ベルト11が配されている。中間転写ベルト11は、反時計回りに走行するように構成されている。中間転写ベルト11の下方部には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色トナー用の作像装置12c、12m、12y、12kが、中間転写ベルト11の走行方向に沿って四連タンデム式に並べて設けられている。各作像装置12c、12m、12y、12kは、時計回りに回転するドラム状の像担持体25c、25m、25y、25kの周囲に、帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等を設置してなる構成とされている。
さらに、作像装置12c、12m、12y、12kの下方部には、露光装置13が設けられている。
露光装置13の下方部には、記録紙等の記録媒体Pを積層して収納する給紙カセット15を有する給紙装置14が設けられている。当該給紙装置14は、本実施形態では、二つの給紙カセット15が上下方向に配置された二段構造となっている。二つの給紙カセット15には、同一サイズまたは異なるサイズの記録媒体Pもしくは種類や銘柄が同じ記録媒体Pまたは異なる記録媒体Pを自由に収納することができる。
各給紙カセット15の一端部側には、各給紙カセット15内の記録媒体Pを一枚ずつ繰り出して記録媒体搬送路16に送る給紙コロ17がそれぞれ設けられている。
記録媒体搬送路16は、画像形成装置本体100内部における一側部に、上下方向に向けて略垂直に形成されている。記録媒体搬送路16は、画像形成装置本体100と画像読取装置200との間に形成された胴内排紙部18へと通じている。
記録媒体搬送路16には、該搬送路16に沿って、搬送ローラ19、中間転写ベルト11に対向する二次転写装置21、定着装置119および一対の排紙ローラよりなる排紙装置23等が、記録媒体Pの搬送方向に順番に設けられている。記録媒体搬送路16には、記録媒体Pの搬送方向における搬送ローラ19の上流側において、給紙路37が接続されている。給紙路37は、一旦、画像が表面に形成・定着された記録媒体Pを両面ユニット300から記録媒体搬送路16へ再給紙するために、あるいは、両面ユニット300を横切って手差し給紙装置36からの記録媒体Pを手差し給紙するために設けられている。
また、記録媒体搬送路16には、定着装置119の下流側において、一旦、画像が表面に形成・定着された記録媒体Pを両面ユニット300へ分岐させるための、再給紙搬送路24が設けられている。
さらに、画像形成装置本体100には、搬送ローラ19の近傍に、記録媒体識別センサとしての光学センサ50が設けられている。この光学センサ50は、記録媒体Pの種類等を識別するために、検出の被対象物である記録媒体Pの被検出面の状態、例えば記録媒体Pの表面の平滑性(平滑度)を検出するもので、反射光方式の非接触型のセンサである。
ここで、上記した構成の画像形成装置本体100による画像形成に係る基本動作について説明する。
通常の片面コピー時には、まず、原稿画像が画像読取装置200により読み取られる。次いで、画像読取装置200が読み取った原稿画像は、帯電装置で一様に帯電された各作像装置12c、12m、12y、12kの像担持体25c、25m、25y、25kの表面上に、露光装置13により書き込まれて、各色トナー像に対応した潜像となる。そして、像担持体25c、25m、25y、25kの表面上における潜像は、現像装置から各色トナーが付与されることにより現像される、つまりトナー画像として形成される。
像担持体25c、25m、25y、25kの表面上に形成されたトナー画像は、一次転写装置を用いて、順次、中間転写ベルト11上に一次転写される。これにより、中間転写ベルト11上に所望のカラー画像が形成される。
一方、二次転写装置21に対して、給紙装置14からの記録媒体Pあるいは手差し給紙装置36から手差しされた記録媒体Pが供給される。すなわち、給紙装置14からの記録媒体Pは、二段構成の給紙カセット15に対応する給紙コロ17の一方が選択的に回転されることにより、対応する給紙カセット15から一枚ずつ繰り出される。そして、該記録媒体Pは、記録媒体搬送路16を搬送されて搬送ローラ19へと送られる。あるいは、手差し給紙装置36から手差しされた記録媒体Pは、給紙路37を経た後、記録媒体搬送路16を搬送されて搬送ローラ19へと送られる。
こうして、搬送ローラ19まで搬送された記録媒体Pは、搬送ローラ19により、中間転写ベルト11上に形成されたトナー画像とのタイミングを取って、画像形成位置である二次転写装置21の二次転写位置へと送り込まれる。その際、記録媒体Pには、二次転写装置21により中間転写ベルト11上のカラー画像が転写される。
カラー画像が転写された後の記録媒体Pは、定着装置119により加熱および加圧されることにより、記録媒体Pの表面にカラー画像が定着される。その後、記録媒体Pは排紙装置23により排紙され、胴内排紙部18上にスタックされることにより、記録媒体Pの表面に対する一連の画像形成動作(片面コピー)が完了する。
記録媒体Pの裏面にも画像を形成する両面コピーの場合には、記録媒体Pの表面に画像を定着させた後の記録媒体Pが、一旦、記録媒体搬送路16から再給紙搬送路24に送られる。経路の切り替えは、図示していない切り替え爪を利用して行われる。
再給紙搬送路24に送られた記録媒体Pは、両面ユニット300に導入される。そして、この両面ユニット300を通過する際に、記録媒体Pの表面と裏面とが反転させられる。その後、記録媒体Pは、両面ユニット300から給紙路37に導入される。こうして、表面に画像を定着させた後の記録媒体Pは、給紙路37に導入されることにより、表面と裏面とが反転させられた状態で記録媒体搬送路16に再給紙される。
記録媒体搬送路16により再給紙される記録媒体Pに対しては、別途、中間転写ベルト11上に形成された裏面用のカラー画像が、表面に対する片面コピーの場合と同様に、記録媒体Pの裏面に二次転写される。そして、再び定着装置119によって画像が定着された後、記録媒体Pは、排紙装置23により胴内排紙部18に排出される。
以上のようにして、記録媒体Pの裏面に対する一連の画像形成動作(両面コピー)が完了する。
(光学センサ)
図2は、本実施形態に係る光学センサ50の構成例を示すものである。
図2は、本実施形態に係る光学センサ50の構成例を示すものである。
図2に示すように、光学センサ50は筺体51を有し、その筺体51内には、光源52、コリメートレンズ53、正反射光検出器54、および、アパーチャ55が所定の角度により配置されている。光学センサ50は、筺体51の上面部が開口され、その開口の上方を検出の被対象物である記録媒体Pが通過するように、ローラ56が設けられている。
本実施形態の場合、ローラ56は、記録媒体Pの搬送方向(図示矢印Y方向)と直交する幅方向(図示矢印X方向)の両端部の、厚み方向(図示矢印Z方向)の下面に接触するように配置されている。すなわち、ローラ56は、記録媒体Pとの接触面が、光源52から記録媒体Pに照射される光の照射位置(検出位置A)と同一線上になるように配置されている。
そして、ローラ56の相互間には、ローラ56の軸57が設けられた筺体51内に、光源52、コリメートレンズ53、正反射光検出器54、および、アパーチャ55が、記録媒体Pの幅方向に沿って略一直線状に配置されている。
光源52は、検出点である検出位置Aにおいて記録媒体Pの表面(図示下面)に照射される、出射光Bを発生するものである。光源52としては、面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)を用いるのが望ましい。
コリメートレンズ53は、光源52から出射された出射光Bをコリメートし、検出位置Aにおいて、記録媒体Pの表面に照射するもので、光源52と検出位置Aとの間に配置されている。
正反射光検出器54は、記録媒体Pの表面で正反射された正反射光Cの光強度を検出するもので、フォトダイオードやフォトディテクタ等によって構成されている。
アパーチャ55は、正反射光検出器54に所定の角度の正反射光Cのみを入射させるためのもので、検出位置Aと正反射光検出器54との間に配置されている。
光学センサ50においては、例えば記録媒体Pに照射される出射光Bの入射角θが、記録媒体Pの法線に対して80°〜88°となるように、光源52およびコリメートレンズ53が配置されている。
また、正反射光検出器54には、光学センサ50の制御および各種の演算等を行う制御部(処理部)500が接続されている。制御部500は、図示していない画像形成装置本体100の制御回路とは別途に設けられるものであるが、画像形成装置本体100の制御回路と一体化させて構成することも可能である。
ローラ56は、筺体51の両側面部に、軸57を介して、回転(回動)自在に取り付けられている。ローラ56は、記録媒体搬送路16を搬送される記録媒体Pの被検出面である下面を、例えば搬送ローラ19の直前において、光学センサ50の検出位置Aに対応させるためのローラである。
すなわち、記録媒体搬送路16から光学センサ50の上方に導かれた記録媒体Pは、さらにローラ56によって保持され、記録媒体Pの表面が検出位置Aに対峙した状態において、光源52からの出射光Bがコリメートレンズ53を介して照射される。記録媒体Pの表面に照射された出射光Bは記録媒体Pの表面の検出位置Aで反射され、その反射光のうち、アパーチャ55を通過した正反射光Cのみが正反射光検出器54によって受光される。
なお、本実施形態の光学センサ50は、光源52からの出射光Bおよび記録媒体Pからの正反射光Cの光路が、記録媒体Pの搬送方向と直交する幅方向に一致するように配置されている。
以下に、光学センサ50を構成する各部について、より詳細に説明する。
(光源)
本実施形態に係る光学センサ50においては、光源52として、VCSELが用いられている。
本実施形態に係る光学センサ50においては、光源52として、VCSELが用いられている。
安定した光源としては、LED(Light Emitting Diode)や端面LD(Laser Diode)が一般的である。しかし、LEDは発光面が広く、FFP(ファーフィールドパターン:ビーム広がり角、半値の値)が大きいため、精度のよい光学系を形成することが難しい。すなわち、記録媒体Pに対しては、精度のよいコリメート光(出射光B)を照射することが望まれるが、LEDでは、そのような光学系を形成することが難しい。また、LEDを光源として用いるようにした場合、光学系が非常に大型になってしまう。
本実施形態に係る光学センサ50は、画像形成装置本体100に組み込むことが可能なものであり、大きさが数10mmオーダーのものしか利用することができない。ビーム品質のよい端面LD等を利用することも可能であるが、検出の被対象物が非常に強い散乱体である記録紙等の記録媒体Pであるため、スペックルによるノイズが検出の精度を低下させる。スペックルによるノイズを低減するためには、複数のチャンネル(ch)を同時に発光させることが必要である。
このような理由から、光源52としては、ビーム品質がよく、スペックルを発生させない、VCSELのマルチ光源が最適である。
以下の説明では、VCSELのマルチ光源として2次元配列されているそれぞれの発光点をchと略記する。
光源52にVCSELを用いることにより、FFPを10°程度に抑えることが可能となる。FFPを10°程度とすることで、コリメートレンズ53によって形成されるコリメート光はビーム径にして約1mmφ程度に絞ることが可能である。検出の精度を20secオーダーにするには高いコリメート精度が必要であり、コリメート光の照射エリア(検出位置Aに対応する)を1mm程度にすることによって平滑度の検出を高精度化することが可能になる。また、高いコリメート性と小さいビーム径とをマルチビームにより実現するには、光源間距離を小さくできる2次元配列のVCSELしかない。
高いコリメート性とコリメート光の照射エリアを小さくすることで、平滑度センシングが高精度化する、その要因について以下に述べる。
図3に示したように、出射光Bの入射角θと平滑度センシングの検出の精度との相関には非常に綿密な関係がある。つまりは、入射角θを80°とした時、出射光Bのコリメート性が悪いと、その精度に±数°の幅を持ってしまう。
図3に示すように、正反射光強度は入射角θが80°の辺りから著しく上昇するが、入射角θが87°の辺りから急激に低下する。このことから、入射角θとしては、85°を中心に±2°程度に設定する必要がある。すなわち、光学センサ50において、記録媒体Pに対してコリメート光を照射する場合には、光源52からの光の入射角θを85°±2°程度に設定することが望ましい。
この場合のコリメート光の精度は±2°程度だといえる。光源52からの光を高い精度でコリメート光に変換するには、光源52のFFPは小さい方が有利である。VCSELは、FFPを10°程度に小さくすることができる。
図4は、照射エリアを小さくするために、照射するコリメート光のビーム径を1mm程度とし、A4サイズの一枚の記録媒体Pの反射光出力である正反射光強度を検出した際の結果(面内分布)を示すものである。
本図からも明らかなように、約20%程度の凹凸が数mmオーダーで検出されていることが判る。これは非常に再現性がよく、かつ、記録媒体Pの種類等が異なる場合でも同様に現れる。つまりは、記録媒体Pの平滑度には正反射光強度の面内分布が存在することを示している。ただし、図4の検出結果には、平滑度とは無関係な記録媒体Pの"うねり"の影響も含まれている。
コリメート光が照射される照射エリアを1mm程度にすることで、記録媒体Pには、正反射光強度の面内分布があることが判明した。これは、照射エリアを数cmにしていた従来の光学系では検出できない分布である。特に、従来において、平滑度を検出するエアリーク試験機では、測定エリアが数cmと決まっているため、上記のような微小なエリアの面内分布を検出することは不可能であった。
光源52を、端面LDのようなコヒーレント性が高くて品質のよいものとすることによって、ビーム径は小さくすることが可能である。しかし、端面LDには非点収差があり、径の小さなコリメート光を発生させるのは難しい。また、端面LDではスペックルが発生するため、その防止策が必要である。さらに、端面LDは、VCSELのように複数のchからのマルチビームを同時に一箇所に照射することができない。
ビーム径を1mm程度にするには、VCSELの場合も端面LDと同様に、それ以下の光源間距離で複数のchを集積させる必要があり、集積させていない場合には複数のchからのマルチビームを同時に一個所に照射させることができない。
そこで、光源52として、VCSELの複数のchを集積化し、例えば約200μm程度のエリアに9chを配列させるように構成する。これにより、スペックルを低減できるとともに、照射エリアが1mm程度の平滑度センシングが可能になり、記録媒体Pにおける正反射光強度の面内分布を高精度に検出することが可能となる。
したがって、光学センサ50によれば、記録媒体Pの平滑度を検出する際には、記録媒体Pの実際の面内分布を検出することにより、特徴的な面内分布を取得することができる。例えば、図4に示した面内分布のデータをフーリエ変換すると、周期性や振幅強度を検出できる。
周期性とは、記録媒体Pの製紙過程において、脱水工程や加圧圧縮する伸縮工程等の製紙条件によって決定されるもので、記録媒体Pの種類等、記録媒体Pの種類や銘柄によって異なったものとなっている。同一の種類や銘柄の記録媒体Pの場合であれば、ロットが違っても製紙条件は略同様であり、検出される周期性や振幅強度もロットにかかわらず略同一になる。
このように、光学センサ50においては、記録媒体Pの種類等を識別する際の指標として、記録媒体Pの種類等によって異なる周期性や振幅強度を利用することができる。すなわち、光学センサ50によって記録媒体Pの面内分布を検出し、その検出結果に基づいて制御部500により正確に演算処理することで、平滑度の検出の精度を向上させることが可能となる。
記録媒体Pの平滑度を検出する方法としては、例えば図4に示した、A4サイズの記録媒体Pより検出された面内分布のデータの平均値を求める方法が知られている。だが、単に平均値を求める方法の場合、外乱要因があった場合に検出の精度を低下させる。外乱要因としては、例えば搬送中の記録媒体Pが微小な折れ曲がりやゆがみを持つ場合等があげられる。
光学センサ50は、照射エリアにおいて、記録媒体Pが若干でも傾くと、正反射光強度の検出に際して大きな影響を受ける。このような外乱要因による正反射光強度の変動は、記録媒体Pの面内分布による変動とは明らかに相違する。少なくとも、記録媒体Pの種類や銘柄によって異なる周期性等からは大きく外れたものとなる。外乱要因による正反射光強度の変動は、フーリエ変換を行うことでキャンセルすることが容易である。
外乱要因は、記録媒体Pを搬送する際の搬送ローラ19等の振動による特徴的なノイズの場合もある。この種のノイズは特定周波数であることから、容易に取り除くことが可能である。記録媒体Pの面内分布のデータからノイズ成分を除去することで、A4サイズの記録媒体Pの面内分布の平均値を正確に算出することが可能となる。
また、光学センサ50における検出の精度を低下させる要因として、外乱光がある。外乱光とは、室内の電灯光や太陽光である。特に、偏光回転する正反射光の強度は非常に弱いので、感度よく検出する必要がある。
光学センサ50は、光源52にVCSELを採用しているため、正反射光の波長を単一化させることが可能である。すなわち、正反射光検出器54を光源52からの波長のみを検出できるように構成することで、正反射光検出器54は、外乱光に強く、精度の高い検出が可能となる。この機能は、光源52にLED等を採用した場合には得られないものである。
(コリメートレンズ)
コリメートレンズ53は、記録媒体Pへの出射光Bの入射角θを80°以上とし、かつ、コリメート光の平行性を±4°とすることで、飛躍的に平滑度の検出時のセンサ感度を上昇させることができる。コリメートレンズ53によって、コリメート光を正確に変換し、そのコリメート光を記録媒体Pの検出位置Aにおいて記録媒体Pに入射させることで、入射角θは正確に実現される。
コリメートレンズ53は、記録媒体Pへの出射光Bの入射角θを80°以上とし、かつ、コリメート光の平行性を±4°とすることで、飛躍的に平滑度の検出時のセンサ感度を上昇させることができる。コリメートレンズ53によって、コリメート光を正確に変換し、そのコリメート光を記録媒体Pの検出位置Aにおいて記録媒体Pに入射させることで、入射角θは正確に実現される。
図5に示すように、平滑度を検出するには、入射角θを80°〜88°に設定するのが最適である。入射角θを84°±4°に設定するためには、コリメート光の平行性を±4°とし、記録媒体Pに対する中心入射角を84°に設定することにより、容易に実現できる。
VCSELを採用した光源52からのビームをコリメート光に変換するには、コリメートレンズ53は凸面レンズであればよい。凸面レンズの焦点にVCSELが対応するように、光源52が配置される。
凸面レンズは単純な球面レンズであっても構わないが、コリメートレンズ53を非球面レンズにすることによって、VCSELのchの位置による球面収差を低減させることができる。つまりは、コリメートレンズ53に非球面レンズを用いれば、像面の異なる全てのchに対して、概ねコリメート光を形成できる。
コリメート光の平行性を±4°とし、中心入射角を84°とすることにより、VCSELからの全ビームの入射角を84°±4°とすることができる。これにより、記録媒体Pに照射される出射光Bの入射角θを80°〜88°に設定することが可能となる。したがって、平滑度の検出時のセンサ感度が高い光学センサ50を実現することができる。
(アパーチャ)
アパーチャ55は、光学センサ50において、正反射光検出器54に入射する正反射光Cの入射角を制限するためのもので、例えば正反射光Cの反射角θoを±4°に限定できるようになっている。
アパーチャ55は、光学センサ50において、正反射光検出器54に入射する正反射光Cの入射角を制限するためのもので、例えば正反射光Cの反射角θoを±4°に限定できるようになっている。
正反射光Cの反射角θoを高い精度で制限しても、正反射光Cには散乱光が混じり、それがノイズとなって正反射光検出器54での検出の精度を低下させる。つまり、正反射光検出器54の入射角である正反射光Cの反射角θoを正確に制限するとともに、受光側でのSN比を上げる必要がある。
アパーチャ55によって、あまり入射角に制限を加えてしまうと、アパーチャ55を透過する正反射光Cの光量が低下する。すると、正反射光検出器54のフォトディテクタ等の検出光量が低下し、ノイズが上昇する。つまり、アパーチャ55による入射角の制限をできるだけ抑えた方が、検出強度に関しては、より望ましいことになる。
入射角θおよび反射角θoについて、高精度なフォトゴニオメーターを利用して、様々な記録媒体Pについて実験した。その結果、特に普通紙等の表面粗さ(平均2乗高さRa)が0.5μm〜10μm程度の記録媒体Pにおいて、図5に示したような結果を得ることができた。
図5に示したように、出射光Bの入射角θは80°〜88°がよいことから、この範囲の成分をできるだけ透過できるアパーチャが、光学センサ50のアパーチャ55としては最適であることが判る。
アパーチャ55は、誤差を1°以下に制限している。図5の結果より、出射光Bの入射角θが最適な角度(±4°)となるように、アパーチャ55による正反射光Cの入射角を±4°に限定することで、正反射光検出器54の検出光量を最大限確保しつつ、平滑度の検出の精度を十分に確保できるようになる。
これによって、散乱光によるノイズを低減しつつ、検出光量の低下によるノイズを極力抑えることが可能な光学センサ50を実現できる。
次に、本発明の実施形態に係る光学センサ50の構成について、さらに説明する。
(ローラ)
図6(a)および(b)に示すように、光学センサ50の筺体51には、その両側面部に、軸57が設けられている。各軸57には、同軸上に、回動可能なローラ56が係合されている。
図6(a)および(b)に示すように、光学センサ50の筺体51には、その両側面部に、軸57が設けられている。各軸57には、同軸上に、回動可能なローラ56が係合されている。
ローラ56は、その円周面であるローラ面の最上面(最高位置)が、光学センサ50の検出位置Aの高さと同じになるように配設されている。すなわち、ローラ56は、筺体51の両側面部に対して、ローラ面の一部が筺体51の上面部よりも上方に突出し、ローラ56の最上面を仮想的に結んだ線Aoが光学センサ50の検出位置Aと一致する位置に取り付けられている。
ローラ56は、摩擦抵抗の小さいポリアセタール等の樹脂コロを用いることにより、安価で軽量に構成できる。
なお、光学センサ50においては、ローラ56の最上面を仮想的に結んだ線Aoと光学センサ50の検出位置Aの高さが一致するように、光源52、コリメートレンズ53、正反射光検出器54、および、アパーチャ55を配置するようにしてもよい。
また、光学センサ50は上下を逆にして配置することも可能であり、光学センサ50の下方を記録媒体Pが通過するようにしてもよい。
このような構成において、記録媒体Pは、短手(幅)方向の端部をローラ56の最上面に線接触で接しながら線Aoの高さで搬送される。記録媒体Pには、検出位置Aにおいて、光源52からの出射光Bがコリメートレンズ53を介して照射される。記録媒体Pに照射された出射光Bは、検出位置Aにおいて反射されて正反射光Cとなり、アパーチャ55を通過した後、正反射光検出器54によって受光される。
ローラ56の最上面を仮想的に結んだ線Aoは、記録媒体Pの搬送方向と直交している。サイズの大きい記録媒体P、例えばA3サイズの記録媒体Pの場合、その搬送方向の長さは420mmにもおよぶ。そのため、搬送方向である記録媒体Pの長手方向に関しては、記録媒体搬送路16の案内ガイド板(ガイド部材)の形状や搬送ローラ19等の配置によって容易に撓んだり湾曲したりする。
これに対し、搬送方向と直交する記録媒体Pの短手方向に関しては、記録媒体Pの自身のコシによって撓みや湾曲はほとんど発生しない。
したがって、上記のようにして、記録媒体Pの搬送方向と直交する幅方向の高さ(Ao)を規制することにより、検出位置Aでの高さを良好に維持した状態のまま、記録媒体Pを搬送することが可能となる。その結果、光学センサ50において、検出時の記録媒体Pの上下のばたつきを抑えることができ、記録媒体Pの平滑度を正確に検出することが可能となる。
特に、本実施形態においては、例えば図7に示すように、記録媒体搬送路16に設けられる上下の案内ガイド板(図示していない)のうち、上側の案内ガイド板に沿って加圧部材としての面状のマイラ58を設ける。これにより、搬送中の記録媒体Pをローラ56の最上面に確実に接触させながら移動させることが可能となる。
すなわち、上側の案内ガイド板の、少なくともローラ56が対応する部位には、マイラ58が貼付されている。マイラ58は、ローラ56の最上面に軽い接触圧で接している。これにより、検出時の記録媒体Pの上下のばたつきを抑えることが可能となるとともに、ローラ56の回転時の振動をも抑えることが可能となり、記録媒体Pの平滑度を安定に検出できるようになる。
また、マイラ58の記録媒体Pとの接触面には、フッ素樹脂系のテープなどからなるマイラ58よりも摩擦係数の小さい摩擦抑制部材59が貼付されている。これにより、記録媒体Pの搬送負荷や紙粉の発生を、さらに低く抑えることができる。
すなわち、摩擦抑制部材59を介して、マイラ58と記録媒体Pとが接触していることで、摺動性の確保が可能となる。摩擦抑制部材59に採用したフッ素樹脂は、接触面の摩擦抵抗を低減できるので、マイラ58の摩耗を抑制できるとともに、記録媒体Pを傷付けたりすることがなく、記録媒体Pの平滑度に大きな影響を与えない。したがって、紙粉の発生を抑えることができ、平滑度の高精度な検出が可能となる。
また、光学センサ50は、筺体51の上面部の高さが検出位置Aよりも下方に位置するように構成されている。これにより、搬送中に記録媒体Pが筺体51と擦れることによる紙粉の発生を抑制できる。
また、記録媒体Pの搬送方向に対応する、筺体51の上面部の少なくとも上流側の端部には、傾斜面からなるガイド面51aが形成されている。このガイド面51aは、たとえ記録媒体Pが撓んだ状態で搬送されてきた場合にも、記録媒体Pの先端が筺体51に引っ掛かるのを防ぐために設けられている。
(制御部)
制御部500は、光学センサ50の制御とともに、正反射光検出器54からの信号出力である光強度に基づいて所定の演算処理等を行うことにより、記録媒体Pの表面の平滑度を算出するものである。また、制御部500は、算出した記録媒体Pの平滑度にしたがって、記録媒体Pの種類等を識別するようになっている。
制御部500は、光学センサ50の制御とともに、正反射光検出器54からの信号出力である光強度に基づいて所定の演算処理等を行うことにより、記録媒体Pの表面の平滑度を算出するものである。また、制御部500は、算出した記録媒体Pの平滑度にしたがって、記録媒体Pの種類等を識別するようになっている。
制御部500は、画像形成装置本体100の制御回路(図示していない)に接続されており、識別した記録媒体Pの種類等に関する情報を出力するようになっている。
画像形成装置本体100では、光学センサ50の制御部500から供給された記録媒体Pの種類等に関する情報にしたがって画像形成時の諸条件を自動的に設定し、画像形成される記録媒体Pの種類等に応じた最適な条件での画像形成を行う。これによって、高画質な画像を得るようになっている。
なお、光学センサ50により記録媒体Pの平滑度を検出し、記録媒体Pの種類等を識別する方法や、記録媒体Pの種類等に応じて画像形成装置本体100における画像形成条件を自動的に制御する方法に関しては、例えば先行技術文献として列挙した特開2012−194445号公報(特許文献5)等に詳しく記載されている。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
上記したように、画像形成される記録媒体Pの表面の平滑度を検出し、記録媒体Pの種類等を識別するための光学センサ50において、検出時の記録媒体Pの上下のばたつきを抑え、記録媒体Pの平滑度を正確に検出できるようにしている。
すなわち、光学センサ50の筺体51の両側面部にローラ56を回転可能に支持するとともに、そのローラ56の最上面が光学センサ50の検出位置Aの高さと一致するようにしている。これにより、検出時に搬送方向と直交する記録媒体Pの短手方向の端部をローラ56の最上面に接触させることによって、検出位置Aでの高さを良好に維持した状態のまま、記録媒体Pを搬送できるようになる。したがって、光学センサ50において、検出時の記録媒体Pの検出位置Aに対する距離の変動を抑えることが可能となる結果、記録媒体Pの平滑度を正確に検出でき、識別の精度を向上させることが可能となるものである。
しかも、記録媒体Pのローラ56との接触が線となるとともに、ローラ56が回転することによって接触の際の負荷をより小さくできる。
また、ローラ56は、搬送する記録媒体Pの搬送方向と直交する幅方向の表面の高さが検出位置Aの高さとなるように、ローラ56の最上面の高さ(Ao)が設定されている。これにより、記録媒体Pが搬送方向に湾曲等したとしても、検出位置Aでの記録媒体Pの搬送方向と直交する方向の高さを良好に維持することができる。
また、光源52および正反射光検出器54を保持する筺体51の両側面部に、軸57によりローラ56を回転可能に支持するようにしている。これにより、筺体51と軸57とを一体化した場合には、ローラ56と検出位置Aとの組み付けの精度を向上できる。また、少ない部品点数により安価に構成できるとともに、構成の簡素化も図れる。
また、光源52および正反射光検出器54は、光源52からの出射光Bおよび記録媒体Pからの正反射光Cの光路が、記録媒体Pの搬送方向と直交する幅方向に一致するように配置されている。これにより、検出時に記録媒体Pを保持する間隔(短手方向の長さ)が短くて済むため、記録媒体Pの検出位置Aに対する距離の変化を、より高精度に制御できる。
また、検出位置Aに記録媒体Pを案内するための案内ガイド板の、ローラ56が対応する部位にマイラ58を設けるようにしている。これにより、簡単な構成でありながら、記録媒体Pをローラ56の最上面に確実に沿わせることが可能となり、検出時の記録媒体Pの検出位置Aに対する距離の変動を抑えて、平滑度の安定した検出を実現できる。
また、マイラ58の記録媒体Pとの接触面に、マイラ58よりも摩擦係数の小さい摩擦抑制部材59を設けるようにしている。これにより、接触圧を決めるマイラ58とは別に、記録媒体Pとマイラ58との接触面での摺動時の摩擦係数を下げることが可能となり、最適な圧を保ちながら搬送抵抗を低減できるとともに、マイラ58の摩耗および紙粉の発生を防ぐことが可能となる。したがって、搬送中の記録媒体Pの摺動による紙粉の発生が著しく、画像形成装置本体100の内部、特に搬送ローラ19や画像形成位置の周辺部への紙粉の散布および付着は記録媒体Pの搬送特性や画質に悪影響を及ぼす、という問題を解決できる。
なお、光学センサ50としては、図8に示すように、光源52からの出射光Bと記録媒体Pからの正反射光Cとの光路が記録媒体Pの搬送方向に一致するように配置することも可能である。この場合、記録媒体Pを保持するローラ56の間隔をより短くすることができ、記録媒体Pと検出位置Aとの距離の変動をさらに高精度に抑えることが可能である。
また、上記した実施形態においては、案内ガイド板のローラ56が対応する部位にマイラ58を設けるようにした場合について説明したが、これに限らず、搬送ローラを設けることによっても実現できる。
(第1の変形例)
図9に示す第1の変形例のように、光学センサ501は、ローラ56の円周面である最上面に、ローラ面が接触した状態で搬送ローラ(加圧用ローラ)61を設けるようにしてもよい。搬送ローラ61は、記録媒体Pの搬送方向(図示矢印F方向)に回転駆動可能に支持されている。
図9に示す第1の変形例のように、光学センサ501は、ローラ56の円周面である最上面に、ローラ面が接触した状態で搬送ローラ(加圧用ローラ)61を設けるようにしてもよい。搬送ローラ61は、記録媒体Pの搬送方向(図示矢印F方向)に回転駆動可能に支持されている。
搬送ローラ61の軸受けの一端および他端には、図示していないスプリング等の加圧部材により、片側2kgf以下程度の圧力が図示矢印Z方向に加えられるようになっている。
これにより、この構成の光学センサ501によれば、搬送される記録媒体Pに対して、ローラ56と搬送ローラ61とによって所定の搬送力を与えることができるため、記録媒体Pを確実に保持しながら負荷なく搬送できる。
なお、搬送方向に駆動される搬送ローラ61の軸受けを固定し、光学センサ501の筺体51を図示していないスプリング等の加圧部材により図示矢印Z方向とは逆の−Z方向へ加圧するようにしてもよい。
このように、本実施形態の第1の変形例に係る光学センサ501は、マイラ58に代えて、搬送方向に回転駆動される搬送ローラ61を、ローラ56の円周面に加圧しながら当接させるように構成している。これにより、検出位置Aにおいて、記録媒体Pに所定の搬送力を与えることが可能となり、搬送時の負荷がなく、記録媒体Pと検出位置Aとの距離の変動(記録媒体Pの上下のばたつき)を抑えながら、より安定した検出を行えるようになる。
なお、光学センサ501としては、図10に示すように、光源52からの出射光Bと記録媒体Pからの正反射光Cとの光路が記録媒体Pの搬送方向に一致するように配置することも可能である。この場合、記録媒体Pを保持するローラ56の間隔をより短くすることができ、記録媒体Pと検出位置Aとの距離の変動をさらに高精度に抑えることが可能である。
(第2の変形例)
図11に示す第2の変形例のように、樹脂や板金等からなるブラケット502に軸57および軸受け58を介してローラ56を回転可能に支持させ、光学センサ50の筺体51を位置決めしながら配置してなるセンサ装置503として構成することも可能である。
図11に示す第2の変形例のように、樹脂や板金等からなるブラケット502に軸57および軸受け58を介してローラ56を回転可能に支持させ、光学センサ50の筺体51を位置決めしながら配置してなるセンサ装置503として構成することも可能である。
このセンサ装置503の場合、ローラ56は、記録媒体Pの搬送方向と直交する方向の筺体51の両側部におけるさらにその外側に、それぞれ最上面が検出位置Aの高さに一致するようにして軸57および軸受け58により支持されている。
ローラ56には、その最上面に搬送ローラ(図9参照)61のローラ面が当接されるようになっている。搬送ローラ61およびブラケット502の少なくともいずれか一方は、スプリング等の加圧部材により加圧されている。
なお、搬送ローラ61の代わりに、図7に示したような、マイラ58や摩擦抑制部材59を設けるようにすることも可能である。
このように、ローラ56を光学センサ50の筺体51に軸57を介して一体的に設ける場合に限らず、センサ装置503として別体に構成することによっても、同様の効果を発揮できる。例えば、光学センサ50の検出位置Aに対する記録媒体Pのばたつきである、検出位置Aの高さと記録媒体Pとの距離の変動を500μm以下に抑えることが可能となる。このような効果を、光学センサ50とローラ56との組み合わせにより容易に達成できるものである。
なお、光学センサ50やセンサ装置503としては、搬送ローラ(いわゆる、レジストローラ)19の近傍に設置するのが効果的であるが、搬送ローラ19の上流側に限らず、他の箇所、例えば搬送ローラ19の下流側に設置することも可能である。
例えば、光学センサ50やセンサ装置503を、画像形成装置本体100の給紙カセット15の近傍に設置し、最上紙である記録媒体Pの表面を検出することも考えられる。しかし、光学センサ50を給紙カセット15の近傍に設置するようにした場合には、給紙カセット15の個数に応じて光学センサ50の数が増えるため、コスト高になるという不具合がある。また、光学センサ50を設置する位置によっては、給紙カセット15に記録媒体Pを補給する際の妨げとなる。そのため、給紙カセット15の開閉と同期してセンサ位置を移動するための機構が必要となる等、画像形成装置本体100の構造が複雑化するという不具合がある。
このような不具合も、光学センサ50やセンサ装置503を搬送ローラ19の近傍に設置する構成とすることにより解消できる。
なお、上記した実施形態の説明では、電子写真方式の画像形成装置としてデジタル複写機に適用した場合を例に説明したが、これに限らず、例えばカラープリンタや光プロッタであってもよい。
また、デジタル複写機等の電子写真方式の画像形成装置に限定されるものではないことは、勿論である。
詳述したように、本発明によれば、記録媒体の安定した搬送を維持でき、記録媒体の種類等の識別の精度を向上させることが可能な光学センサおよびこれを備えた画像形成装置を提供できる。
50,501 光学センサ
51 筺体
52 光源
54 正反射光検出器
56 ローラ
57 軸
58 マイラ(加圧部材)
59 摩擦抑制部材
61 搬送ローラ(加圧用ローラ)
100 画像形成装置本体
500 制御部(処理部)
503 センサ装置
A 検出位置
P 記録媒体
51 筺体
52 光源
54 正反射光検出器
56 ローラ
57 軸
58 マイラ(加圧部材)
59 摩擦抑制部材
61 搬送ローラ(加圧用ローラ)
100 画像形成装置本体
500 制御部(処理部)
503 センサ装置
A 検出位置
P 記録媒体
Claims (10)
- 記録媒体に光を照射する光源と、
前記光源から前記記録媒体に照射された光の正反射光の光強度を検出する光検出器と、
前記記録媒体に接触するローラと、
を有し、
前記ローラは、前記記録媒体との接触面が、前記光源から前記記録媒体に照射される光の照射位置と同一線上になるように配置されていることを特徴とする光学センサ。 - 前記ローラは、接触する前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の表面の高さが前記照射位置の高さとなるように、前記ローラ面が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光学センサ。
- 前記光源および前記光検出器を保持する筺体と、
前記筺体の両側面部に設けられ、前記ローラをそれぞれ回転可能に支持する軸と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光学センサ。 - 前記光源および前記光検出器は、前記光源からの出射光および前記記録媒体からの正反射光の光路が、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に一致するように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光学センサ。
- 前記光源および前記光検出器は、前記光源からの出射光および前記記録媒体からの正反射光の光路が、前記記録媒体の搬送方向に一致するように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光学センサ。
- 前記検出位置に前記記録媒体を案内するためのガイド部材と、
前記ガイド部材の、前記ローラが対応する部位に設けられた加圧部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学センサ。 - 前記加圧部材の、前記記録媒体との接触面には、前記加圧部材よりも摩擦係数の小さい摩擦抑制部材をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の光学センサ。
- 前記ローラに当接され、前記ローラ面を加圧しながら回転駆動する加圧用ローラをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学センサ。
- 前記光検出器において検出された光強度に基づき、前記記録媒体の平滑度を算出する処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学センサ。
- 前記請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学センサを備えることを特徴とする画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019104624A (ja) * | 2017-12-14 | 2019-06-27 | コニカミノルタ株式会社 | 用紙種類判別装置及び画像形成装置 |
-
2013
- 2013-02-14 JP JP2013026821A patent/JP2014157034A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7124310B2 (ja) | 2017-12-14 | 2022-08-24 | コニカミノルタ株式会社 | 用紙種類判別装置及び画像形成装置 |
JP2022172123A (ja) * | 2017-12-14 | 2022-11-15 | コニカミノルタ株式会社 | シート種類判別装置及び画像形成装置 |
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