JP2016138875A - 光学センサ及び記録媒体判別装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、光学センサ個体毎の光源側の偏光比のバラツキを低減することを、その目的とする。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは1つのユニットとして使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、1つのユニットとして使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
定着装置2050では、熱と圧力とが用紙Pに加えられ、これによってトナーが用紙P上に定着される。定着された用紙Pは、排出ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)は、対応する感光体ドラムの表面に残った転写後のトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
さらに、近年の画像形成装置の進歩と表現方法の多様化に伴い、用紙Pの種類は印刷用紙だけでも数百種類以上存在し、さらにそれぞれの種類において坪量や厚さなどの仕様の違いで多岐にわたる銘柄がある。なお、以下では、坪量や厚さなどの仕様の違いも含めた用紙Pの最詳分類のことを銘柄と、銘柄を特定する判別のことを銘柄レベルでの判別とも記載する。高品質の画像形成のためには、これら銘柄の1つ1つに応じた細かな画像形成条件を設定する必要がある。
また、記録媒体として、近年、普通紙、グロスコート紙、マットコート紙、アートコート紙に代表される塗工紙、プラスチックシート、表面にエンボス加工が施された特殊紙に関しても銘柄が増加している。
正反射光及び拡散反射光の偏光方向は、照射光の偏光方向と同じである。一方、多重拡散反射光及び内部拡散反射光は、照射光の偏光方向に直交する偏光成分を含んでいる。ここで、用紙での反射で偏光方向が回転するのは、照射光がその進行方向に対して回転の向きに傾斜した面で反射されたときである。
なお、以下、用紙の反射で変化する偏光に関して言及する場合、基本的に照射する光がS偏光であり、反射によって変化した成分をP偏光として記載する。ただし、光学センサの実施形態としては照射する光をP偏光とし、反射によって変化したS偏光成分を検出する構成の光学センサであってもよい。
高いものではない。直線偏光を照射するための光源であっても、逆の方向の偏光成分を含
んでいる。すなわち、開示されている光学センサの光源も、完全にS偏光のみからなる光源ではなくP偏光を含んでいる。ここで、光源からの光にP偏光の成分が含まれている場合、判別の対象物である用紙での反射(多重拡散反射や内部拡散反射)によって変化する偏光成分よりも、光源由来のP偏光の成分を拡散反射光として検出してしまうと、判別が困難になってしまう。そのため、偏光の変化を検出する構成として、光源由来のP偏光成分を極力含まない、例えば正反射近傍の検出方向では検出しないなどの構成であることが必要となる。
ただし、完全に光源由来のP偏光成分を光学センサで検出できないレベルまでに無にすることは、最終的には光源の偏光比を高めることが必要となり高コスト化を招いてしまう。そこで精度向上のためには、光学センサは光源由来のP偏光成分を検出しながらも、光学センサ個体ごとの光源の偏光比の再現性を高めることとなる。すなわち、光学センサ毎の偏光比の再現性が高ければ判別性は保たれる。用紙判別のためのシステムにおいて避けるべきは、光学センサごとに光源由来のP偏光成分が紛れ込む量が異なってしまう状況であって、テーブルを作成した光学センサと量産機としての光学センサの出力に含まれる、光源由来のP偏光成分が再現されていればよい。
このような理由から、光学センサでは、偏光比の違いによる光学センサの出力のバラツキを低減することが求められる。
また、半導体レーザなどの光源では、発光する光量と偏光比には相関があることが知られている。
偏光比は、光学系における設置位置によっても変化してしまう。これは、光源とその他の光学センサを構成する部品との組みつけの誤差によるものである。光源の直線偏光の方向とは、照射する対象平面や受光素子が受光する偏光方向などに対する相対的な位置関係で決まることである。例えば、図22に示されるように、設計上の設置位置に対して、光源が光線の回転方向にずれて組みつけてしまった場合には、照射する対象物には光源単体の特性以上にP偏光が含まれてしまう。図23(a)には光源が正しく設置され対象平面に直線偏光の光がS偏光のみとして照射できる例を示した。図23(b)には光源を光線の回転方向にずれて組みつけてしまい、対象平面に直線偏光の光がP偏光としても照射される例を示した。
本実施形態に係る光学センサ2245は、図2に示すように、照射系100、第2光検出系101、第1光検出系102、コリメートレンズ12、これらの部品の位置関係を保持するためのハウジング21、及びこれらが収納される暗箱190を備えている。ハウジング21と暗箱190は共通部品であっても、別部材であっても良い。
暗箱190は、金属製の箱部材、例えば、アルミニウム製の箱部材であり、外乱光及び迷光の影響を低減するため、表面に黒アルマイト処理が施されている。暗箱190は、樹脂製であってもよく、ここでは材質を限定するものではない。暗箱190には照射系100から射出された照射光を対象物の表面となる用紙Pの表面Paに照射するための開口部191が形成されている。
照射系100は、第1の偏光方向の直線偏光を、用紙Pの表面Paに向けて、該表面Paの法線方向に対して傾斜した入射方向から射出するものである。コリメートレンズ12は、照射系100から射出されて光の光路(開口孔21a)上に固定されて配置されている。
ハウジング21には、照射系100から射出された光を開口部191まで案内する開口孔21aと、開口孔21bと開口孔21c形成されている。開口孔21bは、開口部191において用紙Pの表面Paで正反射された光が通る通路であり、開口孔21cは、用紙Pにおける入射面内で用紙Pの表面Paで拡散反射された光が通る通路である。コリメートレンズ12は、照射系100から射出されて光の光路(開口孔21a)上にハウジング21に固定されて配置されている。
第1光検出系102は、用紙Pにおける入射面内で、用紙Pの表面Paで拡散反射された光の光路(開口孔21c)上に配置され、第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の直線偏光成分を分離する偏光光学素子としての偏光フィルタ16を備えている。第1光検出系102は、偏光フィルタ16で分離された第2の偏光方向の直線偏光成分を受光する第1光検出器としての受光素子17を有している。偏光フィルタ16は、用紙Pの表面Paの法線方向に拡散反射された光の光路(開口孔21c)上にハウジング21に固定されて配置されている。
処理部109は、受光素子15及び受光素子17からの出力信号に基づいて、用紙Pを特定するものである。本実施形態では、光学センサ2245と処理部109とを個別にしているので、これら光学センサ2245と処理部109によって記録媒体判別装置300(図1参照)が構成されている。つまり、画像形成装置であるカラープリンタ2000は、記録媒体判別装置300を備えている。
なお、光学センサ2245と処理部109とを個別に配置しないで、処理部109を光学センサ2245と一体的に配置してもよい。この場合、処理部109を有する光学センサ2245は、記録媒体判別部材ともなる。本実施形態において、処理部109は、制御手段2090内に設けられている。
ところで、光が用紙Pの境界面に入射するとき、入射光線と入射点に立てた境界面の法線とを含む面は「入射面」と呼ばれている。なお、以下では、入射面内において、入射光線に平行な方向をX’軸方向、入射光線に直交する方向をZ’軸方向として説明する。また、実施形態中においては、用紙Pへの入射光だけでなく反射光に対してもS偏光やP偏光という表現を用いる。これは説明の便宜のために用紙Pへの入射光の偏光方向を基準とした表現であり、入射面内において入射光(本実施形態ではS偏光)と同一の偏光方向をS偏光、それに直交する偏光方向をP偏光と呼ぶこととする。なお、実施形態中、光源部の光の射出方向は、X’軸方向とし、光源部の光の射出方向の軸はX’軸としている。
光源部111は、ハウジング21に形成された開口孔21aの一方の端部と対向するようにハウジング21に取り付けられて配置されている。光源部111は、パッケージ115と、パッケージ115に実装された光源116を備えている。本実施形態において、光源116は、垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)アレイであり、図4に示すように、同一(1つ)の基板上に形成された複数の発光部111Aを有する。図4に示す光源116は、9個の発光部111Aが同一の基板上に2次元配列されていて、各発光部111Aに電極パッド113がそれぞれ接続されている。光源116がVCSELアレイのような複数の発光部111Aを持つものであった場合、拡散反射を起こす用紙Pなどの対象物に可干渉距離の長い半導体レーザ光を照射した際に特有のスペックル・パターンによるセンサ出力のバラツキを低減することができる。なお、ここでは、光源部111の光源116が9個の発光部111Aを有するVCSELアレイを備える場合について説明したが、これに限定されるものではない。
このため、一般的な光学センサは、用紙Pの反射による偏光の変化を判別のためのパラメータとしているセンサであって、特に銘柄までを判別するといった細分化された判別をする場合には、上記のように光源部111の偏光の個体差までを考慮し低減する必要がある。
このため、ハウジング21に対して光源部111を固定する際に、光源部111に直接応力がかかり、光源部111の偏光比が変化してしまうことを低減することができる。
この結果からは、パッケージ115の端面115aとハウジング21が接触している図25(b)側の構成でのみ、偏光比が大きく変化することが確認できる。図24では、パッケージ115に対し応力が発生し始めるねじ位置(回路基板112が湾曲しはじめる位置)から変化が確認できる。なお、図25(a)、図25(b)、図26(a)、図26(b)は、上記の2つの構成におけるねじの挿入量Lを説明するための図である。図25(a)、図25(b)は、図24中のL=L1、図26(a)、図26(b)は図24中のL>L1での状態を示した。
光源部の構成としては、光源部111と回路基板112とが一体化された光源部でもよい。この場合でも、光源部の面111aがハウジング21の底面210aに圧接せずに、光源部111の光の射出方向(X’軸方向)においてハウジング21に挟まれないように光源部111の光の射出方向(X’軸方向)に空間S1aを介してハウジング21に固定する。これにより応力Fを受けることがなくなり、光学センサの個体毎の偏光比のバラツキを低減することができる。
図27(a)、図27(b)に記載の線分は、計測した用紙銘柄の結果である。偏光の変化を検出する光検出器(第2の光検出器)においては、図27(b)に示すように、応力に起因した偏光比の変化による影響が顕著であることが確認できる。用紙銘柄によって異なるがこの実験では概ね0〜5%までの変化が見られた。一方、正反射を検出する光検出器(第1の光検出器)においては、図27(a)に示すように、その変化はあまり見られない。このことから、光源素子116への応力は、用紙Pに反射において特に偏光に関わる光検出に敏感であると言える。
つまり、第2の光検出器の出力がばらつき、対象物をより細かく特に銘柄まで判別する場合においては、似た反射特性をもつ銘柄同士で誤って判別してしまうことがあった。そのため、本実施形態では、パッケージ115の端面115aとハウジング21は接触せずに、パッケージ115が実装されている回路基板112とハウジング21が接触し、光学センサの個体ごとの偏光比のばらつきを低減させている。
このため、本実施形態における光センサでの用紙銘柄の識別は、予め用意されたデータベースの値と照合することで判別を行っている。データベースは、原器たる光センサで計測された各光検出器の出力であるが、ねじの挿入量Lが誤差要因となって光センサごとに第2の光検出器の出力がばらついてしまうと、用紙銘柄を誤ってしまうことを招く。
図28は、同一のねじの締結条件にて組み付けた光センサ(各構成ともに12台)で、第2の光検出器の出力のばらつきを計測したものである。この計測では、同一用紙の同一箇所を計測し、構成ごとに12台の平均値に対し規格化した値を示した。上記のように本発明実施のパッケージ115とハウジング21が接触していない構成にすることで、第2の光検出器の出力のばらつき(センサ個体差)を低減する効果がある。このため、本実施形態によれば、安定して用紙銘柄の判別を行うことができる。
なお、便宜上、内部拡散反射光に含まれるP偏光成分を「内部拡散反射光のP偏光成分」ともいう。また、内部拡散反射光に含まれるS偏光成分を「内部拡散反射光のS偏光成分」ともいう。内部拡散反射光の光量は、用紙Pの厚みや密度に相関を持つことが発明者らによって確認されている。これは、内部拡散反射光の光量が、用紙Pの繊維中を通過する際の経路長に依存するためである。
この制御手段2090は、光学センサ2245からの出力信号の信号レベルに応じて記録媒体となる用紙Pの銘柄を特定する処理部109を備えている。この処理部109は、CPU2091とROM2092から主に構成されている。
受光素子15及び受光素子17は、受光光量に対応する電気信号(光電変換信号)を処理部109に出力する。なお、処理部109に出力する値は、ある一定時間(以下、サンプリング時間と記載する)の電気信号の平均値などであってもいい。
処理部109を有する制御手段2090は、照射系100からの光束が用紙Pに照射された際の受光素子15の出力信号の「S01」および受光素子17の出力信号の「S02」に基づいて用紙Pの銘柄を推定(特定)する。ここでは、カラープリンタ2000が対応可能な複数銘柄の用紙Pに関して、予め調整工程等の出荷前工程で用紙Pの銘柄毎にS01及びS02の値を計測し、該計測結果を「用紙P判別テーブル」として制御手段2090のROM2092に格納している。
外乱光や迷光の影響で、誤った紙種判別をすることも想定される。
そこで本実施形態では、図13に示すように、実施形態1の構成に対して光検出系を増やしている。図13に示す光学センサ2245Aは、2つの受光素子15、17を備えた光学センサ2245の構成に、第3光検出系103と第4光検出系104を備えている。第3光検出系103は、第3光検出器として受光素子18を備えている。第4光検出系104は、偏光光学素子としての偏光フィルタ19及び第4光検出器としての受光素子20を備えている。すなわち、実施形態2に係る光学センサ2245Aは、第1〜第4光検出系101〜104を備えている。
光学センサ2245Aは、ハウジング21に、開口孔21a〜開口孔21cと開口孔21d、21eが形成されている。開口孔21dは、用紙Pにおける入射面内で用紙Pの表面Paで拡散反射された光が通る通路であり、開口孔21eは、用紙Pにおける入射面内で用紙Pの表面Paで拡散反射された光が通る通路である。
受光素子18は、用紙Pにおける入射面内で、用紙Pで拡散反射された光の光路(開口孔21d)上に配置されている。受光素子18は、表面拡散反射光、多重拡散反射及び内部拡散反射光を受光する位置に配置されている。
偏光フィルタ19は、用紙Pにおける入射面内で、用紙Pで拡散反射された光の光路(開口孔21e)上に配置され、受光素子20は、同光の光路(開口孔21e)上に配置され、偏光フィルタ19が分離した光を受光するものである。偏光フィルタ19は偏光フィルタ16と同様、P偏光を透過する向きに設置し、受光素子20は多重拡散反射及び内部拡散反射光を受光する位置に配置されている。
第1〜第4の複数の光検出系101〜104を備えた構成の場合、制御手段2090は、信号レベルであるS01とS02を用いて大まかに紙種を絞り込み、信号レベルであるS03とS04を用いて用紙Pの銘柄を特定しても良い。このように、互いに異なる方向に反射された光をそれぞれ検出する複数の光検出系(受光素子15、17、18、20と偏向フィルタ16、19)を設け、各受光素子15、17、18、20での出力信号の出力レベルを用いて用紙Pを判別することにより、外乱光や迷光などがあっても正確な判別を行うことができる。
なお、本実施形態では、光検出系として第3及び第4の光検出系103、104を備えた構成を説明したが、実施形態1で説明した光学センサ2245に、第3の光検出系103を追加した3つの光検出系を備えた光学センサであってもよい。
図16に示すように、本実施形態に係る光学センサ2245Bは、光源部111に発光部111Aの発光量を確認するための第5光検出系105を備えたものである。第5光検出系105は、発光部111Aの直後に配置され照射光の一部を分離する光学素子としてのビームスプリッタ23と、ビームスプリッタ23が分離した光を受光する第5の光検出器としての受光素子22とを有している。これら受光素子22とビームスプリッタ23は光源部111内に設置されている。本実施形態では、受光素子22の出力信号における信号レベルを「S05」と呼ぶ。
第5光検出系105は、発光部111Aの発光量を確認するために、光路中のハウジング21の開口孔21aの前部に設置する必要がある。これは、第5の光検出系105が光路中のハウジング21の開口孔21aの後部に配置された場合、受光素子22が検出する光量は、照射光の全光束のうち開口孔21aを通過した光束の光量であって、発光部自身の発光量とは異なるためである。すなわち、本実施形態において、照射光量と発光部111Aの発光量は異なっている。
このように、発光部111Aの発光量を一定にすることで、光学センサ個体によっては偏光比が低下した個体を存在させることを回避でき、ひいてはより正確な判別が可能となる。
図17に示すように、本実施形態に係る光学センサ2245Cは、照射系100の構成として、ハウジング21に、光源部111および回路基板112のX’軸を中心軸とした矢印Bで示す回転方向を規制するガイド部212A、212Bを備えたものである。このガイド部212A、212Bは、回路基板112とハウジング21との締結固定部213よりも外側に配置されている。
このように、ガイド部212A、212Bを備えることで、X’軸を中心軸とした回転方向Bへの設置位置のバラツキを低減できる。これにより、図22で説明した理由で、光学センサ個体によっては偏光比が低下した個体を存在させることを回避でき、ひいてはより正確な判別が可能となる。なお、本変形例ではZ’軸の平行となる2辺のガイド部212A、212Bをハウジング21に設ける例を示したが、回転方向の規定を可能とするものであれば、この形状に限定するものではない。
また、本実施形態では、光源部111における、光源部111の光の射出方向(X’軸方向)に位置する面111bを開口21a内に配置している。本実施形態では、光の射出方向に位置する回路基板112の面112aと凹部211の底部211aとの間の空間S1bを形成するように回路基板112をハウジング21に固定している。つまり、光源部111と回路基板112とが別構成な場合、光の射出方向の空間とは、開口21a内の空間S1cとなり、光源部と回路基板とが一体に構成された光源部の場合、光の射出方向の空間とは空間S1a2となる。
このように光源部111と開口21aの大きさによっては、面111bを開口21a内に配置し、回路基板112の面112aと底部211aとが接触しないようにハウジング21に固定することでも、応力Fを受けることがなくなり、光学センサの個体毎の偏光比のバラツキを低減することができる。
実施形態1〜実施形態4において、処理部109は各光学センサ2245〜2245Cの外部に設置する構成として説明したが、本実施形態に係る光学センサ2245Dは、図18に示すように、光学センサ2245D自身が処理部109を備えものである。この場合、処理部109の設置場所としては、暗箱190が挙げられるが、暗箱190に限定するものではない。
このように光学2245D自身が処理部109を備えていると、制御手段2090の処理負荷を軽減できるとともに、光学センサ2245D単独で記録媒体判別装置を構成することができるので好ましい。
なお、実施形態1〜実施形態5において、ハウジング21は照射光の光路中心を遮るものではない。
図19に示す変形例1は、照射系100が光源部111から設置可能な範囲で遠い箇所で回路基板112を介しハウジング21に固定されたものである。すなわち、本実施形態では、光源部111からの光の出射方向と交差する凹部211の幅Cを実施形態1に比べて大きくするとともに、符号A2で示す締結部材114による締結固定部213の固定ピッチを、実施形態1の固定ピッチA1よりも広げている。これは光源部111かかる応力Fは、固定のために加わる力のモーメントに相当するためである。これにより、上記で応力Fによる理由で、光学センサ個体によっては偏光比が低下した個体を存在させることを回避でき、ひいてはより正確な判別が可能となる。
各実施形態では、ハウジング21と回路基板112の締結固定部213が4箇所の場合について説明したが、ハウジング21と回路基板112の位置関係を保つことができる範囲で少ない箇所で保持されていることが望ましい。これは接触する部分の形状誤差によっては回路基板112および光源部111にかかる応力が発生するためであり、その誤差因子を省くためである。例えば、平面的な回路基板112を保持する上では図20に示すように3点保持が望ましく、ハウジング21と回路基板112の締結固定部213が3箇所であってもよい。
各実施形態において、各受光素子の前方(入射側)に少なくとも1つの光学素子である集光レンズをそれぞれ設けても良い。図21は、実施形態1で説明した光学センサ2245を構成する受光素子15、17の前方(入射側)集光レンズ151、171を配置した変形例を示している。
このように受光素子15、17の前方(入射側)に集光レンズ151、171を配置する場合、出力信号の信号レベルの計測のバラツキを低減することができる。反射光量に基づいて用紙Pを判別する光学センサにとって、測定の再現性は重要である。光学センサは、測定時に測定面と用紙Pの表面Paとが同一平面にあることを前提に設置されている。しかしながら、用紙Pは、撓みや振動等の理由から、測定面に対し表面Paが傾斜又は浮き上がってしまい、用紙Pの表面Paが測定面と同一平面にならないことがある。これは、反射光の光強度分布の変化を招来し、受光光量が変化するため、詳細な判別を安定して行うことが難しい。そこで、各受光素子の前方に集光レンズを配置することで、反射光の光強度分布が変化しても受光光量を安定化させることができる。
無論、受光素子の前方(入射側)に少なくとも1つの光学素子である集光レンズを設ける構成は、実施形態2〜実施形態4の構成に適用することで、実施形態1への適用と同等の効果を得ることができる。
各受光素子に受光領域がアレイ化されたフォトダイオードを用いて、全体として反射光強度分布のシフト量に対して十分大きな受光領域を有する構成としても良い。この場合、反射光の光強度分布がシフトしたとしても、各フォトダイオードが検出した信号のうちの最大信号を利用すれば、各受光素子の出力レベルを安定化させることができる。また、複数のフォトダイオードがアレイ化された場合に、個々のフォトダイオードの受光領域を小さくすることにより、入射光と受光領域の中心のずれによる出力の変動も低減できるため、より正確な検出を行うことができる。
例えば、用紙Pの搬送中に用紙Pの銘柄を特定しても良い。この場合は、光学センサ2245、2245A、2245B、2245C、2245Dは、用紙搬送路の近傍に配置する。例えば、光学センサ2245を、給紙コロ2054と2次転写ローラ2042との間の搬送路に配置し、2次転写部に向かって搬送されている用紙Pに光学センサ2245から光を照射して銘柄を特定する。
あるいは、用紙Pを収納トレイ2060に充填する以前に、用紙Pの銘柄を特定しても良い。この場合は、各光学センサはカラープリンタ2000の外部に設置される。例えば、各光学センサをカラープリンタ2000の外装の上面に据え置きしても良い。また、一例として光学センサをハンディースキャナのように、作業者が手で持ちやすく、カラープリンタ2000が離脱可能とし、用紙Pの銘柄を特定する際に各光学センサを手で持って用紙Pの銘柄を特定するようにして良い。
各実施形態では、像担持体として4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)を有するカラープリンタ2000を用いた場合について説明したが、このような形態に限定されるものではない。例えば、像担持体として5つの感光体ドラムを有するカラープリンタであっても良い。
各実施形態では、トナー像が各感光体ドラム2030a、2030b、2030c、2030dから転写ベルト2040を介して用紙Pに転写される中間転写方式の画像形成装置について説明したが、このような形態に限定されるものではない。例えば、トナー像が感光体ドラムから用紙Pに直接転写されるモノクロ又はカラーの画像形成装置であっても良い。
各実施形態では、光学センサ2245、2245A、2245B、2245C、2245Dを、用紙Pにトナー像を用いて画像形成する電子写真方式の画像形成装置に適用しているが、適用対象となる画像形成装置としては、用紙Pにインクを吹き付けて画像を形成する画像形成装置であっても良い。
15 第2光検出器(受光素子)
16 偏光光学素子(偏光フィルタ)
17 第1光検出器(受光素子)
18 第3光検出器(受光素子)
19 偏光光学素子(偏光フィルタ)
20 第4光検出器(受光素子)
21 ハウジング
21b〜21e 光路
22 第5光検出器(受光素子)
23 光学素子(ビームスプリッタ)
101 第2光検出系
102 第1光検出系
103 第3光検出系
104 第4光検出系
105 第5光検出系
109 処理部
100 照射系
111 光源部
111A 複数の発光部
112 回路基板
115 パッケージ
116 光源
151、171 光学素子
190 暗箱
212A、212B ガイド部
300 記録媒体判別装置
2000 画像形成装置
2010 光走査装置
2090 調整装置(プリンタ制御装置)
2245(A、B、C) 光学センサ
2245D 光学センサ、記録媒体判別装置
B 光源部の回転方向
F 応力
P 対象物、記録媒体
Pa 対象物の表面、入射面(記録媒体の表面)
S01〜S05 光検出器の出力信号の信号レベル
S1a1、S1a2、S1a3 空間
X’ 光源部の光の射出方向
Claims (20)
- 第1の偏光方向の直線偏光を、対象物の表面に向けて、該表面の法線方向に対して傾斜した入射方向から射出する照射系と、
前記照射系から射出され対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に配置され、第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の直線偏光成分を分離する偏光光学素子、及び該偏光光学素子で分離された第2の偏光方向の直線偏光成分を受光する第1光検出器を備え、
前記照射系は、光を射出する光源を備える光源部を有し、
前記光源部が、前記照射系と前記第1光検出器と前記偏光光学素子を保持するハウジングに、前記光源部の光の射出方向に空間を介して固定されている光学センサ。 - 前記照射系から射出され前記対象物で正反射された光の光路上に配置され、正反射された光を受光する第2光検出器を有する請求項1に記載の光学センサ。
- 前記照射系は、前記光源部を取り付ける回路基板を有し、
前記光源部は、前記ハウジングに直接接触することなく、前記回路基板を介して前記ハウジングに固定されている請求項1又は2に記載の光学センサ。 - 前記光源は、複数の発光部を有する請求項1、2又は3に記載の光学センサ。
- 前記光源部は、前記光源が実装されたパッケージを備える請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学センサ。
- 前記偏光光学素子は、前記対象物の表面の法線方向に拡散反射された光の光路上に配置されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の光学センサ。
- 前記対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に配置された少なくとも1つの第3光検出器を備えた請求項1乃至6の何れか1項に記載の光学センサ。
- 前記対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に配置され、前記第2の偏光方向の直線偏光を分離させる少なくとも1つの光学素子、及び前記少なくとも1つの光学素子が分離した光を受光する少なくとも1つの第4光検出器を備えた請求項1乃至7の何れか1項に記載の光学センサ。
- 前記照射系が射出する光の光路中、前記発光部の直後に配置され照射光の一部を分離する光学素子と、該光学素子が分離した光を受光する第5光検出器を備えた請求項4乃至8の何れか1項に記載の光学センサ。
- 前記ハウジングは、前記光源部の光の射出方向を軸とした前記光源部の回転方向への移動を規制するガイド部を有する請求項1乃至9の何れか1項に記載の光学センサ。
- 前記第1光検出器及び第2光検出器の出力信号に基づいて、前記対象物を特定する処理部を備えた請求項2乃至6の何れか1項に記載の光学センサ。
- 前記第1、第2及び第3光検出器の出力信号に基づいて前記対象物を特定する処理部を備えた請求項7に記載の光学センサ。
- 前記第1、第2、第3及び第4光検出器の出力信号に基づいて前記対象物を特定する処理部を備えた請求項8に記載の光学センサ。
- 前記第1、第2、第3、第4及び第5光検出器の出力信号に基づいて前記対象物を特定する処理部を備えた請求項9に記載の光学センサ。
- 前記処理部は、前記第5光検出器の出力信号に基づいて、前記発光部の発光量を規定の量に保つように制御する請求項14に記載の光学センサ。
- 光学センサと、前記光学センサからの出力信号に基づいて対象物を特定する処理部を備えた記録媒体判別装置であって、
前記光学センサが請求項1乃至10の何れかに1つに記載の光学センサである記録媒体判別装置。 - 少なくとも請求項11乃至15の何れか1つに記載の光学センサを備えた記録媒体判別装置。
- 記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
前記記録媒体を対象物とする請求項16又は17に記載の記録媒体判別装置を備えた画像形成装置。 - 前記記録媒体判別装置で特定された対象物に応じて画像形成条件を調整する調整装置を備えた請求項18に記載の画像形成装置。
- 前記調整装置は、前記光学センサの出力信号の信号レベルに基づいて前記記録媒体の銘柄を特定し、該特定された銘柄に応じて画像形成条件を調整する請求項19に記載の画像形成装置。
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