JP2015079212A - 画像形成装置 - Google Patents

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有信 吉浦
洋 瀬尾
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洋 瀬尾
亮太 山科
Ryota Yamashina
亮太 山科
匠 和井田
Takumi Waida
匠 和井田
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Abstract

【課題】定着ニップ部の排出口付近における定着ベルトの曲率を最適化することができ、分離性を確保しつつ定着ベルトの長寿命化に貢献することができる定着装置及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】無端状の定着ベルト171を備えた加熱部と、定着ベルト171の外周面に当接する加圧部72と、定着ベルト171の内部に配置されて定着ベルト171と加圧部72とによる定着ニップ部Nを形成するニップ形成部材173と、定着ニップ部Nで定着した後の記録シートSの排出条件を取得する平滑度検出装置及びシート情報取得部と、定着ベルト171の内部に配置して平滑度検出装置及びシート情報取得部の取得結果に応じて定着ベルト171の回動移動経路を変更する曲率変更部材179と、を有する。
【選択図】図8

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ又はこれらを機能的に組み合わせた複合機等の画像形成装置に関する。
デジタル複写機やレーザプリンタ等のいわゆる電子写真方式の画像形成装置は、記録紙等の記録材にトナー像を転写し、所定の条件で加熱及び加圧することにより、トナー像を記録材に定着させて画像を形成するものである。
このような画像形成装置において考慮する必要があるのが、トナー像を定着する際の加熱量や加圧力等の定着条件であり、特に、高画質な画像を得るためには、トナー像を定着するための定着条件を記録材の種類や銘柄等に応じて個別に設定する必要がある。
これは記録材に記録される画像品質が、普通紙、グロスコート紙、マットコート紙、アートコート紙等の塗工紙、OHPシート等の他に、紙の表面にエンボス加工を施した特殊紙等の記録材の種類によって異なるからである。さらに、記録材の各種類には、例えば、坪量や厚さといった銘柄が複数存在しており、このような銘柄によっても画像品質が異なってくる。
また、画像品質は、上述した種類や銘柄の違いに加え、記録材の平滑性によっても大きく影響される。例えば、平滑性を表す指標として、平滑度がある。平滑度は記録材としての記録紙の表面に試験板を密着させ、その間を一定量の空気が流れる時間(単位はsec.)で表したもので、記録材の平滑度と画像品質とには極めて高い相関がある。これは記録材における凹凸の程度により、特に凹部におけるトナーの定着率が変化するためであり、平滑性を考慮しない定着条件で定着を行った場合、高画質な画像を得ることができないばかりか、場合によっては定着不良などの異常画像を引き起こしてしまう。
一方、近年の画像形成装置の進歩と表現方法の多様化に伴い、記録材となる記録紙の種類は数百種類以上存在し、更に、各々の記録紙の種類において坪量や厚さ等の違いにより多岐にわたる銘柄が存在している。このため、高画質な画像を形成するためには、記録紙等の記録材の種類や銘柄等に応じて、詳細な定着条件等を設定する必要がある。なお、上記においては記録材として記録紙等について説明しているが、記録紙等以外の記録材も存在している。
ところで、現状の画像形成装置における定着条件の設定は、記録材の坪量に応じて設定されていることが極めて一般的である。例えば、坪量60〜90g/mの紙を普通紙、91〜105g/mの紙を中厚紙、106〜200g/mの紙を厚紙といった具合に、坪量に応じて分類がなされており、分類ごとに定着温度や記録材の搬送速度等を変更している。
記録材の坪量情報は、一般には記録材を梱包したパッケージ等に記載しており、ユーザ自身が把握することができる。この坪量情報は、コピー機能を利用する場合であれば操作部(オペレーションパネル)上で、プリンタ機能を利用する場合であればパーソナルコンピュータのディスプレイに表示されたプリンタドライバ上で選択することにより認識させることができる。
このように、一般にはユーザ自らが坪量情報を設定する必要があり、設定作業が煩わしく、しかも誤って設定をしてしまうと、所望の高画質な画像を得ることができなくなる虞れがある。
このため、画像形成装置において、記録材の厚みを検知するセンサが搭載され、自動で記録材の選別を行い、画像形成することのできる画像形成装置に関する技術が検討されている。
一方、記録材の平滑度は、記録材を梱包したパッケージ等には印字されていないため、平滑度情報をユーザ自身が知ることは極めて困難である。したがって、この記録材の平滑度は、センサなどを用いて画像形成装置側で入手(認識)せざるを得なかった。
先にも述べたように、平滑度と定着品質とには高い相関があるが、平滑度は記録材と試験片との間に空気が一定量流れる時間であるから、短時間での検出は困難となる。
そこで、平滑度の代用特性として、平滑度と高い相関のある表面粗さや光の反射光量を計測するセンサが検討されてきた。
例えば、触針式プローブを用いて記録材の表面の摩擦抵抗を検知することで表面粗さを算出する方法がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法を用いると、記録材の表面にプローブ針が接触するため、記録材にダメージを与えてしまうという問題があった。
これに対し、光の反射光量を計測するセンサを用いた非接触による検出方法では、発光ダイオード(LED)等の光源から発せられた光を記録材に照射し、記録材からの反射光量により記録材の平滑度を検出する方法がある。
具体的には、記録材の表面に照射された検出光の正反射方向における反射光の光量を検出し、検出した正反射方向における光量に基づき記録材の平滑度を検出する方法(例えば、特許文献2参照)や、光量検出部を複数有するものであって、記録材の表面に照射された検出光の正反射方向における反射光の光量のみならず、散乱反射光の光量を検出し、検出された正反射方向における光量及び散乱反射光の光量に基づき記録材の平滑度を識別する方法(例えば、特許文献3参照)がある。
ところで、記録材にはその製造工程で作られる繊維の方向性があり、これらは一般に「紙のすき目」と称されている。この際、紙の繊維が、その紙の長い辺に平行に並んでいる場合を縦目(T目)と称し、その紙の短い辺に平行に並んでいる場合を横目(Y目)と称し、同じ銘柄の紙でも製法により縦目の紙と横目の紙が存在する。また、記録材を給紙カセット等に縦置きとした場合と横置きとした場合とでも紙のすき目が異なることとなる。
平滑度はすき目の方向によらず銘柄が同一であれば略一定の値となるが、反射光の強度はすき目の方向によって大きく異なることが知られている。
すなわち、記録材のすき目がどの方向を向いているかによって、反射光の拡散反射分布が変化する。例えば、記録材のすき目が発光源と受光部とを結ぶ光軸と直行する方向であると反射光の拡散反射分布は光軸中央のピーク値(光の強度)が高い分布となる。また、記録材のすき目が光軸と平行な方向であると、反射光の拡散反射分布は光軸中央のピーク値が低く広がった分布となり、光軸面に直交する方向に広がった分布となる。
このため、すき目の方向を考慮せず、反射光の強度のみを検出しただけでは、すき目の方向の違いに起因する光の強度差なのか、表面の凹凸に起因する光の強度差なのか、を認識することができず、正しい平滑度を認識することができないという問題が生じていた。
ところで、上述したすき目の方向は、定着後の定着ニップ部の排出口付近における記録材の分離性にも大きく影響することが判明した。すなわち、記録材のすき目が搬送方向と直交している場合、記録材のすき目が搬送方向と平行な場合に比べて分離性が低下することが判明した。
また、定着後の定着ニップ部の排出口付近における記録材の分離性は、記録材の種類(普通紙等)や銘柄(厚さ等)を含む記録材条件によっても異なり、特に薄紙になればなるほど分離性の低下は顕著であることが判明した。
さらに、定着後の定着ニップ部の排出口付近における記録材の分離性は、画像形成条件によっても異なり、特にトナー付着量が多い、画像面積が大きい、記録材の搬送方向先端側の余白が狭い場合、の分離性の低下は顕著であることが判明した。
一方、定着ニップ部の排出口付近における定着側の曲率(1/R)が大きい、すなわち、半径Rが小さいほど、定着ニップ部の排出口付近における記録材の分離性は向上する。
したがって、分離困難な上記各条件に対して曲率を大きくすることは有効な手段であるが、分離容易な条件に対しては逆に過剰機能となってしまう。しかも、分離性を確保するため、例えば、定着ベルトの回動移動経路を部分的に屈曲させて曲率を大きくすると、その屈曲部分の歪が増大し、定着ベルトの磨耗や疲労破壊等に起因する短寿命化を促進するという問題が発生する。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、定着ニップ部の排出口付近における定着ベルトの曲率を最適化することができ、分離性を確保しつつ定着ベルトの長寿命化に貢献することができる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、上記目的を達成するため、無端状の定着ベルトを備えた加熱手段と、前記定着ベルトの外周面に当接する加圧手段と、前記定着ベルトの内部に配置されて前記定着ベルトと前記加圧手段とによる定着ニップ部を形成するニップ形成手段と、前記定着ニップ部で定着した後の記録材の排出条件を取得する排出条件取得手段と、を備え、前記定着ベルトの内部に配置して前記排出条件取得手段の取得結果に応じて前記定着ベルトの回動移動経路を変更する変更手段を備える構成を有する。
本発明によれば、定着ニップ部の排出口付近における定着ベルトの曲率を最適化することができ、分離性を確保しつつ定着ベルトの長寿命化に貢献することができる定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の説明図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置に適用される光学センサの説明図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置に適用される光学センサと記録材のすき目との関係を示し、(A)はすき目が縦で光学センサが縦配置の場合の説明図、(B)はすき目が縦で光学センサが縦配置の場合のセンサ検出例のグラフ図、(C)はすき目が横で光学センサが縦配置の場合の説明図、(D)はすき目が横で光学センサが縦配置の場合のセンサ検出例のグラフ図、(E)は光学センサを縦横に2つ配置した場合の説明図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置のセンサ検出と定着温度とのタイミング関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置における実施例1の定着装置の断面図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置に適用される遮光部材の正面図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置に適用される曲率変更部材の作用説明図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置における実施例2の定着装置の断面図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置における実施例3の定着装置の断面図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置における実施例3の定着装置に適用される遮光部材を示し、(A)はA3通紙時の遮光部材の位置を示す説明図、(B)はハガキ通紙時の遮光部材の位置を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態の画像形成装置1は、電子写真方式を採用しており、図示上段から、原稿シート搬送装置100と、画像読取装置200と、画像形成装置本体300と、画像形成装置本体300の側面に配置した両面搬送装置400と、を有する。
原稿シート搬送装置100は、枚葉の原稿シートを載置して最上位の原稿シートから順に自動的に取り出して搬送する自動原稿シート搬送装置を用いており、オプションにより設置可能となっている。
また、原稿シート搬送装置100は、画像形成装置1の背面側を軸線として画像読取装置200に対して開閉可能となっている。なお、原稿シート搬送装置100は、公知の構成のものを採用することができる。したがって、ここでは、その詳細な説明は省略する。
画像読取装置200は、スキャナ装置であり、原稿シート搬送装置100によって搬送過程にある原稿シートの画像を読み取る機能と、固定原稿(図示せず)の画像を読み取る機能とを具備している。画像読取装置200で読み取った原稿シートの画像データは画像形成装置本体300に出力される。なお、画像読取装置200は、公知の構成のものを採用することができる。したがって、ここでは、その詳細な説明は省略する。
画像形成装置本体300は、給紙装置10、露光装置20、作像装置30、中間転写装置40、平滑度検出装置50、二次転写装置60、定着装置70を画像形成プロセス順に有している。
給紙装置10は、画像形成装置本体300の内部下方に配置している。給紙装置10は、引き出し式の給紙カセット11を複数段に配置している。給紙カセット11は、この例では上下二段の給紙カセット11を配置している。給紙カセット11は、記録材として記録紙等の記録シートSを収納可能としている。そして、各給紙カセット11の下流端側の上部には、各給紙カセット11に収納した記録シートSを最上位のものから一枚ずつ繰り出して搬送経路部12に給紙する給紙コロ13を設けている。
露光装置20は、最上段の給紙カセット11の上部に配置している。露光装置20は、画像読取装置200で受像した原稿シート又は固定原稿の画像データ、或いは、図示しないパーソナルコンピュータ(以下、単に「PC]とも称する)や電話回線を通じて受信した画像データに基づいてレーザ光を作像装置30に照射する。
作像装置30は、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)、ブラック(k)の各色用の作像装置30c,30m,30y,30kを有する。作像装置30c,30m,30y,30kは四連タンデム式に並べて設けている。各作像装置30c,30m,30y,30kは、図1において時計回り方向に回転するドラム状の像担持体31の周囲に、帯電,現像,転写(一次転写),クリーニング,除電の各作像プロセスをこの順に実行するようになっている。各作像装置30c,30m,30y,30kは、各色に対応した現像材であるトナーをトナーボトル32c,32m,32y,32kから補給する。
中間転写装置40は、複数のローラに掛けまわしたエンドレスの中間転写ベルト41を略水平に張り渡し、図示反時計回りに回動移動するようになっている。中間転写装置40は、作像装置30c,30m,30y,30kの各像担持体31と中間転写ベルト41を挟んで対峙する一次転写装置42c,42m,42y,42kを有する。一時転写装置42c,42m,42y,42kは、像担持体31に形成されたトナー像を中間転写ベルト41に転写するようになっている。
平滑度検出装置50は、搬送経路部12で搬送される記録材の表面(又は裏面)の平滑性を非接触で検出するセンサ方式を用いている。
二次転写装置60は、搬送経路部12の経路上に配置しており、中間転写ベルト41に形成した一次転写画像であるトナー像を記録シートSに二次転写する。
定着装置70は、記録シートSに転写されたトナー像を記録シートSに定着するためにシート表面側に配置した加熱部71と、シート裏面側に配置して加熱部71を加圧する加圧部72と、を有する。また、定着装置70は、トナー像を二次転写した記録シートSを加熱・加圧することによりトナー像を記録シートSに定着させる。
両面搬送装置400は、記録シートSの両面に画像を形成する場合に用いられ、スイッチバック部410と、反転部420と、を有する。また、両面搬送装置400は、給紙カセット11とは別に、記録シートSを収納して画像形成装置本体300に記録シートSを供給可能とする手差しトレイ430を有する。
片面に画像定着済みの記録シートSは、スイッチバック部410で搬送方向上流端と下流端とを入れ替えた状態で反転部420に記録シートSを搬送する。反転部420は、その記録シートSを手差しトレイ430から画像形成装置本体300に記録シートSを供給する経路を利用して搬送経路部12の上流端付近に再供給する。
次に、画像形成装置1における画像形成処理動作の一例を、複写機能の場合について説明する。
まず、画像形成装置1は、画像読取装置200で読み取った原稿画像の各色トナー像に対応した潜像を、帯電装置によって一様に帯電した各作像装置12c,12m,12y,12kの像担持体31の表面に、露光装置20を用いて書き込む。
次いで、画像形成装置1は、各作像装置30c,30m,30y,30kの像担持体31上の各色トナー潜像に、現像装置から各色トナーを付与することで、トナー像を形成する。
次いで、画像形成装置1は、像担持体上に形成された各色トナー像を、一次転写装置42c,42m,42y,42kを用いて、順次中間転写ベルト41上に一次転写することで、中間転写ベルト41上に所望のカラー画像を形成する。
一方で、画像形成装置1は、二段構成の給紙カセット11における給紙コロ13の一方を選択的に回転させて対応する給紙カセット11から記録シートSを繰り出すか、手差しトレイ430から手差しの記録シートSを繰り出す。
次いで、画像形成装置1は、給紙カセット11又は手差しトレイ430から繰り出した記録シートSを搬送経路部12に搬入する。
次いで、画像形成装置1は、搬送経路部12を通して搬送ローラ14によりレジスト装置15まで搬送された記録シートSを、レジスト装置15により、中間転写ベルト41上に形成されたトナー像とタイミングを取って二次転写装置60の二次転写位置に送り込む。
ここで、画像形成装置1は、搬送ローラ14とレジスト装置15との間の搬送経路12に配置した平滑度検出装置50によって記録シートSの平滑度を算出したうえで、二次転写装置60によって中間転写ベルト41上のカラー画像を記録シートSに転写する。
次いで、画像形成装置1は、カラー画像が転写された記録シートSを定着装置70に搬送し、定着装置70のニップ部において加熱及び加圧することで、記録シートSにカラー画像を定着する。
ここで、記録シートSの裏面にも画像を形成する場合、画像形成装置1は、片面にカラー画像が定着した記録シートSを、搬送経路を切り替える切替爪(不図示)を利用して、両面搬送装置400に搬送する。
そして、記録シートSは、両面搬送装置400において、スイッチバック部410で搬送方向上流端と下流端とを入れ替えた状態で反転部420に記録シートSを搬送する。反転部420は、その記録シートSを手差しトレイ430から画像形成装置本体300に記録シートSを供給する経路を利用して搬送経路部12の上流端付近に再供給する。
記録シートSが再給紙された後に、画像形成装置1は、表面の場合と同様ににて中間転写ベルト41に形成した裏面用のカラー画像を記録シートSに二次転写し、定着装置70によって二次転写されたカラー画像を定着する。
記録シートSへのカラー画像の定着がすべて終了すると、画像形成装置1は、排紙部16からカラー画像を定着した記録シートSを、排紙トレイ部17上に排紙し、記録シートSがスタックされることで画像形成動作が完了する。
平滑度検出装置50は、搬送ローラ14よりも下流側に設けており、給紙カセット11又は手差しトレイ430から搬送経路部12に給紙した記録シートSの平滑度を算出する。平滑度検出装置50は、算出した記録シートSの平滑度から、後述する定着設定温度(目標定着温度)を含む定着条件の設定に際して使用される記録シートSの平滑度を検出するようになっている。本実施の形態における平滑度検出装置50は、平滑度検出手段を構成する。
平滑度検出装置50は、レジスト装置15と搬送ローラ14との間の経路上に、後述する光軸方向を異ならせた第1光検出器50Aと第2光検出器50Bとを配置している。これにより、例えば、各給紙カセット11及び手差しトレイ430の個々に対応するように設置することなく、搬送経路部12を通過する全ての記録シートSの平滑度を算出することができる。
また、平滑度検出装置50は、搬送ローラ14よりも下流側に配置することで、記録シートSのレジスト処理をするとき、すなわち、瞬間的に記録シートSの搬送を停止しているときに平滑度を検出することができる。したがって、記録シートSの挙動が激しい給紙過程、すなわち、記録シートSの紙面が紙厚方向に動いている状態で平滑度を検出するときよりも、検出した平滑度の厳密性を高くすることができる。
なお、第1光検出器50Aと第2光検出器50Bとは、その配置方向を記録シートSの平面内において直交する方向に光軸を有するように配置している以外は同一の構成を備えている。したがって、以下の説明においては、平滑度検出装置50として説明する。平滑度検出装置50(第1光検出器50A,第2光検出器50B)は、図2に示すように、筐体51と、記録シートSの表面に向けて検出光を照射する光源52と、コリメートレンズ53と、受光器54と、アパーチャ55と、制御部56と、を含んで構成されている。
したがって、第1光検出器50Aと第2光検出器50Bとは、制御部56を除く各構成51〜55から構成され、筐体51を除く各構成52〜55が筐体51に覆われている。
光源52は、面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)によって構成されている。そのため、光源52は、安定した光源として一般的なLEDや端面LD(Laser Diode)を使用する場合よりも、FFP(Far Field Pattern)を抑えることができ、より精度のよい光学系を形成することができる。ここで、FFPとは、ビームの広がり角を意味する値である。なお、光源52は、面発光レーザに限らず、LED等の各種光源によって構成されていてもよい。
コリメートレンズ53は、光源52と記録シートSの照射面との間に設けられ、光源52から照射されるレーザ光束をコリメート光束に変換する非球面の凸レンズである。ここで、コリメートとは、光源52から発せられるレーザ光束を拡散及び収束しない平行光束にすることを意味する。したがって、コリメート光束とは、平行な状態に調整されたレーザ光束を意味する。
コリメートレンズ53によって光源52から照射されるレーザ光束の記録シートSへの入射角及びコリメート光束の平行性を調整することにより、平滑度検出装置50は、記録シートSの平滑度の検出感度を上昇させることができる。
受光器54は、光源52から照射されるレーザ光束の光軸方向において、記録シートSの反射面よりも下流側に設けられており、記録シートSの表面で反射した正反射光束を検出するフォトダイオード等から構成されている。
受光器54は、記録シートSに正反射された反射光束の光の強度を電圧として検出し、その検出結果を出力信号として制御部56に出力する。これにより、平滑度検出装置50は、記録シートSの平滑度を制御部56によって算出することができる。
アパーチャ(開口絞り)55は、記録シートSの照射面と受光器54との間に設けられ、受光器54に入射する反射光束の入射角を制限する。アパーチャ55を設けることにより、平滑度検出装置50は、光源52から照射されて記録シートSの表面で反射した正反射光の光量を確保しつつ、正反射光に混じった散乱光を制限することができ、平滑度検出の精度が低下することを防ぐことができる。
制御部56は、受光器54に接続されており、受光器54で受光した反射光の光の強度から記録シートSの平滑度を算出する。なお、制御部56の機能については、後述する。
このように構成された平滑度検出装置50は、光源52により記録シートSの表面に照射された検出光の正反射方向における正反射光を受光器54で受光し、その光の強度から制御部56で算出することにより記録シートSの表面の平滑度を検出するようになっている。本実施の形態における平滑度検出装置50は、平滑度検出手段を構成する。
受光器54には、例えば、1次元ラインセンサが用いられており、その受光した光の強度分布(拡散強度分布)のピーク値(ピーク番地)を含む所定範囲の分布平均を制御部56で算出することによって平滑度を検出する。
ここで、平滑度検出装置50は、1枚の記録シートSに対して複数回の検出を行い、その各平均値(又はピーク値のみ)を用いた検出値の検出回数分の平均値を平滑度として算出する。なお、平滑度検出装置50は、1枚の記録シートSに対して、搬送方向の先端部から後端部に至る全範囲の連続したピーク値に関する強度分布の平均値から平滑度を算出してもよい。さらに、複数回の検出による各ピーク値又は平均値、或いは、先端部から後端部に至る全範囲の連続したピーク値のうち、最低となった値を記録シートSの凹部と特定し、その最低値を用いて平滑度を算出してもよい。
第1光検出器50Aと第2光検出器50Bとは、上述したように、その配置方向を記録シートSの平面内において直交する方向に光軸を有するように配置している。
すなわち、記録シートSには、すき目が存在し、そのすき目の方向によって検出値が大きく異なることが知られている。
例えば、図3(A)に示すように、光源52と受光器54とを結ぶ光軸が図示縦方向に配置され、記録シートSのすき目の方向が光軸と同じ縦目の場合、図3(B)に示すように、受光器54で受光した正反射光の光の強度分布はピークが低くなる。
一方、図3(C)に示すように、光源52と受光器54とを結ぶ光軸が図示縦方向に配置され、記録シートSのすき目の方向が光軸と直交する横目の場合、図3(D)に示すように、受光器54で受光した正反射光の光の強度分布はピークが高くなる。
そこで、図3(E)に示すように、第1光検出器50Aと第2光検出器50Bの配置方向を記録シートSの平面内において互いに直交する方向に光軸を有するように配置する。そして、記録シートSのすき目に拘わらず、ピーク値の高い方の検出値を採用することにより、検出値の信頼性を向上することができる。
また、第1光検出器50Aと第2光検出器50Bのどちらの検出値が高くどちらの検出値が低いかによって記録シートSのすき目の方向を特定することができる。
次に記録シートSの平滑度を検出するために平滑度検出装置50の設置と、平滑度検出装置50により検出した平滑度に基づく定着条件変更方法について、図4に沿って説明する。
平滑度検出装置50は記録シートSの平滑度に応じて電圧が検出される仕組みとなっている。平滑度検出装置50は記録シートSの表面(トナー転写面)を検出する場合の例を示すが、他の構成部材等の配置レイアウトの都合上、図1に示した配置が困難な場合には、裏面を検出する向きに平滑度検出装置50を配置してもよい。
記録シートSの搬送方向先端が平滑度検出装置50(例えば、第1光検出器50A)に到達すると検出が開始する(時刻T0)。記録シートSは搬送速度vで搬送経路12を搬送され、平滑度検出装置50の検出が時刻T1で終了する。検出の終了は記録シートSの後端が平滑度検出装置50に到達する時間でも良いし、記録シートSが搬送中のある時点まででも良い。
検出が終了すると、時刻T2で検出値が確定する。検出値の確定は、例えばT0〜T1(つまり記録シートS一枚分の通過時間に相当)に検出された期間の電圧値の平均値でも構わないし、最小値でもよい。
検出値が確定すると、その検出値に応じて時刻T3に定着装置70への供給熱量(定着設定温度)が決定される。供給熱量の決定方法であるが、平滑度と定着設定温度との相関をあらかじめ実験で求めておくことで、電圧値(検出値に相当)と定着設定温度との関係をテーブル方式にして対応付けしてもよいし、実験値に基づき数式化しておいてもよい。定着装置70への供給熱量が決まると、時刻T4で加熱源から熱供給が開始し、その後時刻T5に定着部材の温度が定着設定温度に到達する。
一方、記録シートSは時刻T0に先端が平滑度検出装置50に到達してから、定着ニップ部までの搬送距離Lを速度vで送られ、時刻T6(T0+L/v)に定着ニップ部に到達する。
上記のように平滑度検出装置50の検出値を元に制御部56で平滑度を算出し、平滑度情報に基づき定着設定温度を変更することで、記録シートSの平滑度に応じた最適熱量が供給される仕組みとなっている。
図5は、画像形成装置1の各構成を示す機能ブロック図である。
図5において、画像形成装置1は、画像形成装置本体300に設けたCPU301にバスを介して各要素が接続され、CPU301が各要素を制御し、画像形成装置1の機能を発揮できるようにしている。
CPU301には、原稿シート搬送装置100と、画像読取装置200と、両面搬送装置400とが接続され、これらの駆動系又は制御系を制御する。また、CPU301には、給紙カセット11(コロ13)と、搬送経路部12(搬送ローラ14やレジスト装置15等)と、排紙部16と、が接続され、これらの各駆動系を制御する。さらに、CPU301は、図5においては図示を省略するが、露光装置20、作像装置30、中間転写装置40の他、平滑度検出装置50、二次転写装置60、定着装置70とが接続されている。さらに、CPU301には、メモリ部302と、電流制御回路303と、A/D変換部304と、電圧検出部305と、インターフェース306と、シート情報取得部307と、が接続されている。
定着装置70は、加熱部71の熱源74に供給する熱量(以下、「供給熱量」という)、すなわち定着設定温度(目標定着温度)を決定する熱源制御回路73と、加熱部71の熱源74の温度を検出するサーミスタ75と、を備えている。なお、サーミスタ75で検出したアナログ値は、CPU301で処理するためにA/D変換部76によりデジタル値にA/D変換したうえで、CPU301に通知される。
また、定着装置70は、加圧部72を加熱部71に押し付ける加圧力及び定着ニップ部のニップ幅を制御する加圧制御回路77と、定着ニップ部Nから排出された記録シートSの排出方向を規定するための排出制御回路78と、を備えている。
ここで、上述したように高画質な画像を得るためには、定着品質と極めて高い相関のある平滑度を考慮して定着設定温度(目標定着温度)を決定する必要がある。したがって、本実施の形態に係る熱源制御回路73は、上述の平滑度検出装置50のセンサ値、すなわち平滑度検出装置50で検出した記録シートSの表面の平滑度に応じて制御部56が熱源制御回路73による定着設定温度(目標定着温度)を決定する。
また、定着装置70には、平滑度検出装置50の制御部56が接続されており、制御部56から送信される信号を定着装置70が受信することで、熱源制御回路73、加圧制御回路77、排出制御回路78の制御が実行される。
メモリ部302は、ROM302Aと、RAM302Bとから構成されている。ROM302Aには、CPU301が実行するプログラムコードと、定着制御パターンとが格納されている。また、RAM302Bには、検出電圧が一次的に格納される。
CPU301は、ROM302Aに格納されたプログラムコードを読み出し、RAM302Bに展開し、RAM302Bをデータバッファとしても使用しながらプログラムコードで定義されたプログラムを実行し、各要素を制御する。
電流制御回路303は、平滑度検出装置50の制御部56から送信される信号を受信し、二次転写装置60がトナー像を記録シートSに転写する場合の転写電流値を制御する要素である。
A/D変換部304は、安定した電力状態で制御を行うために電圧検出を行う電圧検出部305が検出したアナログ電圧を、CPU301で処理するためにデジタル値に変換し、CPU301に通知する要素である。
インターフェース306は、ハードディスク装置などの外部記憶素子308やPC等の外部通信機器309と接続する接続手段として機能し、外部から画像形成装置1に画像データを取り込む。
シート情報取得部307は、記録材条件として、図示を略す操作部(オペレーションパネル)やPC等(外部通信機器309)によって入力された記録シートSの種類(例えば、普通紙)や銘柄(例えば、坪量)に関する入力情報を取得する。
また、シート情報取得部307は、記録材条件として、画像読取装置200やPC等から出力された画像データから、トナー付着量の多少、画像面積の大小、記録シートSの搬送方向先端側の余白の広狭、等の分離性の低下要因となる記録材条件を取得する。
すなわち、カラー画像等でトナーの付着量が多い場合、写真等のようにトナー密度等を含む画像面積が広い場合、搬送方向先端側の余白が狭い場合には、トナー定着後に記録シートSが定着ニップ部Nから排出される際の分離性が低くなる。
したがって、これらの要因を記録材条件として予めシート情報取得部307で取得しておけば、分離性の低下を回避することができる。なお、シート情報取得部は、排出条件取得手段及び記録材条件取得手段を構成する。
図6は、本実施の形態に適用可能な定着装置70の一例(実施例1)を示す断面図である。
加熱部71は、定着ベルト171と、熱源74としての1つのヒータ172と、ニップ形成部材173と、摺動部材174と、支持部材175と、保持部材176と、反射部材177と、遮光部材178と、曲率変更部材179と、を含んで構成されている。また、ニップ形成部材173は、定着ベルト171の内部に配置されて定着ベルト171と加圧部72とによる定着ニップ部Nを形成する。
この定着装置70においては、トナー画像が転写された記録シートSが、定着ベルト171と加圧部72との間に形成される定着ニップ部Nを通過中に加熱及び加圧されてトナー画像が記録シートSに定着されるようになっている。そして、記録シートSが、定着ニップ部Nから排出される際に定着ベルト171から分離し、搬送経路部12を通って排紙部16に向かって搬送されるようになっている。したがって、定着ニップ部Nの排出側、すなわち、搬送経路部12の下流側には、トナー画像の溶融に起因して定着ベルト171に貼り付いた記録シートSを定着ベルト171から分離するための分離爪18が配置されている。
定着ベルト171は、詳細は図示しないが、例えば、3層構造となっており、ベルト基材と、ベルト基材の外周面に形成された弾性層と、弾性層の外周面に形成された離型層とを有している。また、定着ベルト171は、厚みが1mm程度で形成され可撓性を有している。定着ベルト171は、外周面を通過する記録シートSの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面が直径25mm程度になるよう環状に形成されている。
なお、定着ベルト171においては、弾性層のない構造であってもよい。弾性層がない場合は定着ベルト171の熱容量が小さくなり、熱応答及び省エネ性を向上させることができる。定着ベルト171における前述の直径は、定着装置70の設定諸元に応じて適宜15〜120mm程度の範囲内の寸法で選択される。
定着ベルト171は、図示矢印B1に示す加圧部72の駆動回転によって、矢印B2に示す方向に連れ回って回動移動するようになっている。したがって、定着ベルト171は、加圧部72を駆動源としている。定着ベルト171及び加圧部72の回転により、記録シートSは、定着ニップ部Nに対して図示の矢印B3に示す下方から進入し、定着ニップ部Nから図示上方へと排出されるようになっている。
ベルト基材は、所要の機械的強度を有する材料、例えば、ニッケル(Ni)、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料や、ポリイミド(Polyimide)などの樹脂材料で形成されている。このベルト基材は、20〜100μm程度の厚みを有する金属フィルムや樹脂フィルムで形成されている。
弾性層は、シリコーンゴム(Q)やフッ素ゴム(FKM)などのゴム材料で形成されており、20〜900μm程度の厚みを有している。この弾性層が設けられていると、定着ニップ部Nを通過中の記録シートSに熱及び圧力を加える際に、記録シートS及び定着ベルト171の表面に凹凸があることによる加圧力及び熱伝導の不均一化が改善される。
すなわち、記録シートS上の未定着像を押し潰して記録シートSに定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るという不具合が生じることがある。弾性層が、例えば、100μm以上設けられていると、弾性層の変形により、微小な凹凸が吸収されこのようなユズ肌画像の課題を解消させることができる。
離型層は、記録シートS及びトナー画像に対する剥離性が高い材料、すなわち、トナーや金型などの製品の表面で、相手材料の粘着や焼付きを起こさないようにする性質、いわゆる離型性を良好とする材料で形成されている。離型性を良好とする材料として、具体的には、PFA、PTFE、PEI、PESなどの樹脂材料が挙げられる。この離型層は、1〜200μmの厚みで形成されている。
ヒータ172は、定着ベルト171の内周側で、かつ定着ベルト171から離隔した位置で画像形成装置本体300に固定されている。このヒータ172は、定着ベルト171を輻射熱で直接加熱するよう単一の発光領域を有する公知の熱源で構成されている。この熱源としてはいわゆる輻射熱ヒータで構成され、例えば、ハロゲンランプの放射熱を直接利用したハロゲンヒータ、不活性ガス中に炭素繊維を封入した石英管で構成されるカーボンヒータ、セラミック内部に埋め込まれた抵抗配線で構成されるセラミックヒータが挙げられる。ヒータ172への通電及び非通電の制御は、前述の制御部によって行われる。
なお、ヒータ172は、単一の発光領域を有する公知の熱源以外の熱源で構成するようにしてもよい。例えば、ヒータ172を、電磁誘導の原理を利用して発熱させる公知の電磁誘導加熱ヒータで構成するようにしてもよい。
ニップ形成部材173は、高い剛性を有する材料からなり、図1、図6に示す定着ニップ部Nを通過する記録シートSの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面が略長方形に形成されている。この定着ベルト171の内周側で加圧部72と対向して定着ニップ部Nを形成するようになっている。このニップ形成部材173の外周面には、摺動部材174が接合されるようになっており、支持部材175と連結される連結部173aを介して画像形成装置本体300に固定されている。
なお、定着ニップ部Nは、平坦な形状で形成されているが、加圧部72と反対方向に凹んだ凹形状や、その他の湾曲した形状で形成されていてもよい。定着ニップ部Nの形状は、凹形状の方が、記録シートSの先端の排出方向が加圧部72の側に寄る方向になるので、記録シートSの定着ニップ部Nからの分離性が向上し、いわゆるジャムの発生が抑制される。
摺動部材174は、耐摩耗性、耐熱性、摩擦係数などの機械的強度の高い材料、例えば、PFA、PTFEなどの樹脂材料で構成されている。また、摺動部材174は、厚みが50μmないし2500μm程度のシートで構成されており、ニップ形成部材173の外周面に密着して接合されている。なお、この摺動部材174は、PFA、PTFEなどの樹脂材料をニップ形成部材173の外周面に塗布して所定の厚みを有する膜を形成するようにしてもよい。
支持部材175は、ニップ形成部材173と同様に、記録シートSの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面がヒータ172側に開口する溝で形成されている。この支持部材175は、ニップ形成部材173を支持する支持部175aと、ヒータ172及び反射部材177を収容する収容部175bとを有している。
支持部175aは、ニップ形成部材173の連結部173aに連結され、ニップ形成部材173が加圧部72の加圧力によって紙幅方向に撓まないよう支持している。すなわち、記録シートSの幅方向で均一なニップ幅を得られるようにしている。支持部材175は、ニップ形成部材173と同様に、定着ベルト171の内周側に配置され、画像形成装置本体300に固定されている。
保持部材176は、定着ベルト171の外周側に配置され、画像形成装置本体300に固定されている。保持部材176は、支持部材175の紙幅方向の両端部を保持する保持機能と、支持部材175の画像形成装置本体300に対する位置を決める位置決め機能とを有している。また、保持部材176は、回転走行する定着ベルト171の紙幅方向のズレが発生しないよう、定着ベルト171の紙幅方向の両端側を案内する走行ガイドとしての機能も有している。
反射部材177は、画像形成装置本体300に固定される固定部177aとヒータ172から出射される光を定着ベルト171の内周側に向けて反射する反射面部177bと、支持部材175を覆うカバー部177cとを有している。
固定部177aは、紙幅方向の両端部に形成されており、両端部で画像形成装置本体300に固定されている。
反射面部177bは、支持部材175とヒータ172との間に位置し、ヒータ172に対向する側でヒータ172を囲むよう湾曲した湾曲面を有している。
カバー部177cは、支持部材175の支持部175aの反対側で開口する開口部分の紙幅方向のほぼ全体を覆うよう構成されている。この反射部材177により、ヒータ172からの輻射熱などにより支持部材175が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギーの消費が抑制される。なお、反射部材177を備える代わりに、支持部材175の収容部175bの内周面に鏡面処理を行っても同様の反射効果を得ることが可能となる。また、支持部材175の収容部175bの内周面側を、ヒータ172から伝わる熱を断熱する断熱材で形成してもヒータ172の断熱効果を得ることが可能となる。
遮光部材178は、定着ベルト171の内側とヒータ172との間に位置し、幅方向の一端部及び他端部が、図示しないガイドにより画像形成装置本体300に、回転可能に支持されている。遮光部材178は、例えば、図7に示すように、記録シートSの大さきに応じて、回転し、不必要な領域を遮光するようになっている。
具体的には、遮光部材178は、ヒータ172から発する光を、記録シートSの大さきに応じて、遮光するよう構成されており、図7に示すように、記録シートSがA3縦又はA4横サイズの場合は、A3縦又はA4横の記録シートSに輻射熱が伝達されるよう遮光する部分が両端部の比較的に狭い領域となっている。
また、記録シートSがB4縦又はB5横サイズの場合は、B4縦又はB5横の記録シートSに輻射熱が伝達されるよう遮光する部分がA3縦又はA4横の記録シートSより広い領域となっている。記録シートSがハガキサイズの場合は、ハガキサイズの記録シートSに輻射熱が伝達されるよう遮光する部分が広い領域となっている。
曲率変更部材179は、例えば、円柱状のシャフト部材等を用い、定着ベルト171の内部において、常時は図6に示した定着ベルト171の裏面から離れた位置にある。曲率変更部材179は、平滑度検出装置50で算出した平滑度やシート情報取得部307で取得した記録シートSの種類やトナー付着量等の記録材条件に応じ、例えば、記録シートSが定着ベルト171に貼り付き易い場合に、排出制御回路78によって変位する。
具体的には、曲率変更部材179は、図8の破線で示す定着ベルト171の裏面から離れた位置から、図8の実線で示す定着ベルト171の裏面に当接して定着ニップ部Nよりも排出側の定着ベルト171の回動移動経路を曲率が大きくなるよう変更する。
これにより、曲率変更部材179は、定着ニップ部Nの排出口付近における定着ベルト171の曲率(1/R)を大きく、すなわち、曲率変更部材179の半径に略一致する小さい半径部分を定着ベルト171の一部に形成することができる。
なお、曲率変更部材179は、定着ベルト171の全幅以上に延在されており、その一方の端部に、例えば、ソレノイドや電磁コイル、或いはモータ等の駆動源によって図8の破線で示す位置から、図8の実線で示す位置に変位する。したがって、排出制御回路78は、図4に示すように、供給熱量の変更タイミングT4と略同時の曲率変更タイミングにおいて、その変位量を調整するように上記駆動源を制御する。
加圧部72は、心金からなるローラ72aと、ローラ72aの外周面に形成された弾性層72bと、弾性層72bの外周面に形成された離型層72cを有している。この加圧部72は、装置本体2内に設けられた図示しない駆動機構から出力された駆動力により回転するよう構成されている。この駆動機構は、例えば、モータなどの駆動部と減速ギヤなどの減速部とにより構成されている。また、この加圧部72は、図示しない加圧部材により定着ベルト171側に加圧され、弾性層72bが押し潰されて弾性変形することによりニップ部Nの一部を構成している。
ローラ72aは、所要の機械的強度を有し、熱伝導性の良好な炭素鋼材(例えば、SC、STKM)やアルミニウム材(Al)などの金属材料からなり、中実の円柱形に形成されている。なお、ローラ72aは、中空の円筒形で形成し、内部にハロゲンヒータなどの熱源を設け、この熱源によりローラ72a、弾性層72b、離型層72cを介してニップ部Nを通過中の記録紙Sを加熱するよう構成してもよい。
弾性層72bは、定着ベルト171の弾性層21bと同様、シリコーンゴム(Q)やフッ素ゴム(FKM)などの合成ゴムで形成されている。この合成ゴムは、比較的硬質で発泡がされていない、いわゆるソリッドゴムで構成されている。ローラ72aの内部に、熱源が設けられていない構造で構成された場合には、この合成ゴムに代えて、発泡がなされ、発泡弾性層からなる、いわゆるスポンジゴムで構成するようにしてもよい。このスポンジゴムは、内部に気泡を有しているので、断熱性が高められ、加熱された定着ベルト171の熱が加圧部72に伝熱され難くなり、すなわち熱が奪われ難くなるので省エネルギー化がより図られる。
離型層72cは、定着ベルト171の弾性層と同様、いわゆる離型性を良好とするとともに、弾性層72bの耐久性を高める機能を有し、熱伝導率が高く耐久性に富む材料で形成される。例えば、PEIやPFAまたはPTFEからなるフッ素樹脂塗料を塗布したもの、或いはシリコーンゴム層やフッ素ゴム層を形成したものが用いられる。
上記の構成において、曲率変更部材179は、常時は図6に示すように、定着ベルト171に対してデフォルトの状態である。したがって、定着ベルト171とニップ形成部材173とは、強い接触状態にある。
加圧部72は定着ベルト171(ニップ形成部材173)に対して強い接触状態のときにはニップ形成部材173が加圧部72側に位置移動し、定着ニップ部Nの排出口の定着ベルト171の曲率が大きくなる。また、記録シートSの搬送経路部12が加圧部72に寄った位置になる。
ここで、定着ニップ部Nにおける記録シートSの分離性は、紙種・紙厚・紙のすき目・トナー付着量・画像面積・記録シートSの搬送方向先端側の余白等の条件によって異なる。
すなわち、記録シートSのすき目は、記録シートSの搬送方向に対して直交する横目の場合に分離性が低下する。
一方、記録シートSの分離性は、定着ニップ部Nの排出口付近の定着ベルト171の曲率(1/R)が大きい(半径が小さい)ほど向上する。
ここで、分離困難な条件に対して定着ベルト171の曲率を大きくすることは有効な手段であるが、分離容易な条件に対しては過剰機能となる。また、分離性を確保するため、定着ベルト171の回動移動経路を部分的に屈曲させることで曲率を大きくすると、その屈曲部部分の歪が増大して、定着ベルト171の短寿命化(磨耗や疲労破壊)を促進してしまう。このため、記録シートSの分離性に拘わらず、定着ベルト171の回動移動経路を部分的に屈曲させることで曲率を大きくすることはできない。
上述したように、第1光検出器50Aと第2光検出器50Bの光源52と受光器54とを結ぶ光軸の方向を記録シートSの搬送方向に対して平行と垂直とで互いに直交する配置とすることで記録シートSのすき目の方向を検知することができる。
本実施の形態では、光軸方向が互いに直交する少なくとも各1配置の第1光検出器50Aと第2光検出器50Bとを備えた平滑度検出装置50が記録シートSのすき目を検知できることを利用し、定着ベルト171の曲率を最適化することができる。
記録シートSのすき目が搬送方向に対して平行な場合には、曲率変更部材179をデフォルト状態とし、定着ベルト171の曲率は小さいまま、又は図8の破線で示したデフォルト状態から僅かに定着ベルト171に接触する程度の曲率とする。
これにより、記録シートSは、定着ニップ部Nの排出口から図示破線で示す矢印P1の方向に排出される。このとき、記録シートSは、すき目の方向に起因する撓りが発生し難いため、定着ベルト171に貼り付いてしまうことが抑制され、分離性が維持される。
一方、すき目が搬送方向に対して垂直な場合には、記録シートSの全体が搬送方向と直行する面倒れ方向に撓り易いため、曲率変更部材179を図8の実線で示す位置まで変位させ、定着ベルト171の曲率を大きくする。
これにより、記録シートSは、定着ニップ部Nの排出口から図示実線で示す矢印P2の方向に排出される。このとき、記録シートSは、すき目の方向に起因する撓りが発生し易いものの、定着ベルト171に貼り付いてしまうことが抑制され、分離性が確保される。
このように、定着ニップ部Nから排出される際に、記録シートSのすき目の方向が定着ベルト171に貼り付き易い場合にのみ定着ベルト171の曲率を大きくすることから、分離性を確保しつつ定着ベルト171の短寿命化(磨耗や疲労破壊)を抑制することができる。
なお、すき目以外に定着ニップ部Nから排出される記録シートSの貼り付き条件に関しても前述した接触状態の変更により同様の効果が期待できる。
この際、すき目以外の貼り付き条件としては、操作部やパーソナルコンピュータで設定可能な記録シートSの種類や銘柄(記録材条件)がある。
例えば、種類であれば、普通紙を基準として材質特性が普通紙よりも低い場合、銘柄であれば、普通紙を基準としてその厚さが薄い薄紙を使用する場合、定着ベルト171の曲率を大きくする。逆に、厚紙を通紙する場合、定着ベルト171の曲率を小さくする。
また、すき目以外の貼り付き条件としては、画像読取装置200やパーソナルコンピュータから入力された画像データに基づく転写トナー量や記録シートSの搬送方向先端側の余白設定(画像形成条件)、等が含まれる。
なお、図8においては、曲率変更部材179は破線位置と実線位置との2位置での変位する構成としているが、上述した貼り付き条件の組み合せに応じて細かく変位すれば、より高い効果が期待できる。
ところで、分離性を最適化するため、定着ベルト171とニップ形成部材173との接触状態を変更すると定着ニップ部Nのニップ幅と面圧とが変化してしまうため、定着品質にばらつきを生じることが懸念される。
そこで、定着ベルト171とニップ形成部材173との接触状態を変更した際は定着ベルト171の加熱温度、すなわち、設定定着温度を高くするなどの変更を行うことにより、ニップ形成部材173への供給熱量が最適化され、定着品質を一定に保つことができる。
このように、本実施の形態においては、定着装置70は、平滑度検出装置50及びシート情報取得部307と、曲率変更部材179とを有する。平滑度検出装置50及びシート情報取得部307は定着ニップ部Nで定着した後の記録シートSの排出条件を取得し、曲率変更部材179は平滑度検出装置50及びシート情報取得部307の取得結果に応じて定着ベルト171の回動移動経路を変更する。また、平滑度検出装置50は、検出光と反射光とを結ぶ光軸の方向が記録シートSの搬送方向に沿う第1光検出器50Aと、検出光と反射光とを結ぶ光軸の方向が第1光検出器50Aの光軸方向と記録シートSの同一面方向で直交する第2光検出器50Bとを有する。
そして、2つの光検出器50A,50Bを用いて平滑度検出装置50で平滑度の算出及びすき目方向を検出するとともに、記録シートSの種類・銘柄・トナー付着量・画像面積・余白等、の記録材情報をシート情報取得部307で取得する。
CPU301は、その平滑度や記録材情報等が、定着ニップ部Nから定着後の記録材シートSを排出する際における分離性の低下要因となる値が所定値以上と判定した場合には、曲率変更部材379を変位させ、定着ベルト171の回動移動経路の曲率を大きくする。
これにより、定着ニップ部Nの排出口付近における定着ベルト171の曲率(1/R)を大きく、すなわち、曲率変更部材179の半径に略一致する小さい半径部分を定着ベルト171の一部に形成することができ、定着ニップ部Nの排出口付近における記録シートSの分離性を向上することができる。
なお、熱源制御回路73は、定着ニップ部Nよりも下流側の定着ベルト171の回動移動経路の曲率を大きくした場合には、加熱部71の定着設定温度を高く変更する。
ところで、上記実施の形態においては、例えば、熱源74として1つのヒータ172を配置した構成を開示したが、定着装置70の構成は、上記に限定されるものではなく、図9又は図10に示すような構成でもよい。
(実施例2)
図9に示した定着装置70の加熱部71は、定着ベルト271と、ヒータ272と、ニップ形成部材273と、摺動部材274と、支持部材275と、保持部材276と、反射部材277と、遮光部材278と、曲率変更部材279と、を含んで構成されている。また、ニップ形成部材273は、定着ベルト271の内部に配置されて定着ベルト271と加圧部72とによる定着ニップ部Nを形成する。
ヒータ272は、ヒータケース272aと、3個のハロゲンランプで構成されており、定着ベルト271の内周側で、かつ定着ベルト271から離隔した位置で画像形成装置本体300に固定されている。
ニップ形成部材273は、定着ニップ部Nを通過する記録シートSの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面が略長方形に形成されている。このニップ形成部材273の外周面には、摺動部材274が接合されるようになっており、支持部材275と連結される連結部273aを介して画像形成装置本体300に固定されている。
摺動部材274は、第1実施形態の摺動部材274と同様に、耐摩耗性、耐熱性、摩擦係数などの機械的強度の高い材料及び形状で形成されており、図示しない加圧面部及び非加圧面部を有している。この加圧面部及び非加圧面部には、第1実施形態の摺動部材274と同様の第1の傾斜溝及び第2の傾斜溝が形成されており、潤滑剤が塗布されている。
支持部材275は、ニップ形成部材273と同様に、記録シートSの幅方向に細長く形成され、ニップ形成部材273を支持する支持部275aを有している。支持部275aは、ニップ形成部材273の連結部273aに連結され、ニップ形成部材273が加圧部72の加圧力によって紙幅方向に撓まないよう支持している。支持部材275は、ニップ形成部材273と同様に、定着ベルト271の内周側に配置され、画像形成装置本体300に固定されている。
保持部材276は、定着ベルト271の外周側に配置され、画像形成装置本体300に固定されている。この保持部材276は、支持部材275の紙幅方向の両端部を保持する保持機能と、支持部材275の画像形成装置本体300に対する位置を決める位置決め機能とを有している。また、保持部材276は、回転走行する定着ベルト271の紙幅方向のズレが発生しないよう、定着ベルト271の紙幅方向の両端側を案内する走行ガイドとしての機能も有している。
反射部材277は、画像形成装置本体300に固定される固定部277aとヒータ272から出射される光を定着ベルト271の内周側に向けて反射する反射面部277bと、支持部材275を覆うカバー部277cとを有している。固定部277aは、紙幅方向の両端部に形成されており、両端部で画像形成装置本体300に固定されている。反射面部277bは、支持部材275とヒータ272との間に位置し、ヒータ272に対向する側でヒータ272を囲むよう凹んで形成された凹部を有している。
カバー部277cは、支持部材275の支持部275aの反対側で紙幅方向のほぼ全体を覆うよう構成されている。この反射部材277により、ヒータ272からの輻射熱などにより支持部材275が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギーの消費が抑制される。
この場合においても、光検出器50A,50Bを用いて平滑度検出装置50で平滑度の算出及びすき目方向を検出するとともに、記録シートSの種類・銘柄・トナー付着量・画像面積・余白等、の記録材情報や画像形成条件をシート情報取得部307で取得する。
CPU301は、その平滑度や記録材情報・画像形成条件等が、定着ニップ部Nから定着後の記録材シートSを排出する際における分離性の低下要因となると判定した場合には、曲率変更部材279を変位させ、定着ベルト271の回動移動経路の曲率を大きくする。
(実施例3)
図10に示した定着装置70の加熱部71は、定着ベルト371と、ヒータ372と、ニップ形成部材373と、摺動部材374と、支持部材375と、保持部材376と、反射部材377と、遮光部材378と、曲率変更部材379と、を含んで構成されている。また、ニップ形成部材373は、定着ベルト371の内部に配置されて定着ベルト371と加圧部72とによる定着ニップ部Nを形成する。
ヒータ372は、ヒータケース372aと、一対のハロゲンランプで構成されており、定着ベルト371の内周側で、かつ定着ベルト371から離隔した位置で画像形成装置本体300に固定されている。
ニップ形成部材373は、定着ニップ部Nを通過する記録シートSの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面が略長方形に形成されている。このニップ形成部材373の外周面には、摺動部材374が接合されるようになっており、支持部材375と連結される連結部374aを介して画像形成装置本体300に固定されている。
摺動部材374は、耐摩耗性、耐熱性、摩擦係数などの機械的強度の高い材料及び形状で形成されており、図示しない加圧面部及び非加圧面部を有している。
支持部材375は、ニップ形成部材373と同様に、記録シートSの幅方向に細長く形成され、ニップ形成部材373を支持する支持部375aを有している。支持部375aは、ニップ形成部材373の連結部374aに連結され、ニップ形成部材373が加圧部72の加圧力によって紙幅方向に撓まないよう支持している。支持部材375は、ニップ形成部材373と同様に、定着ベルト371の内周側に配置され、画像形成装置本体300に固定されている。
保持部材376は、定着ベルト371の外周側に配置され、画像形成装置本体300に固定されている。この保持部材376は、支持部材375の紙幅方向の両端部を保持する保持機能と、支持部材375の画像形成装置本体300に対する位置を決める位置決め機能とを有している。また、保持部材376は、回転走行する定着ベルト371の紙幅方向のズレが発生しないよう、定着ベルト371の紙幅方向の両端側を案内する走行ガイドとしての機能も有している。
反射部材377は、画像形成装置本体300に固定される固定部377aとヒータ372から出射される光を定着ベルト371の内周側に向けて反射する反射面部377bと、支持部材375を覆うカバー部377cとを有している。
固定部377aは、紙幅方向の両端部に形成されており、両端部で画像形成装置本体300に固定されている。反射面部377bは、支持部材375とヒータ372との間に位置し、ヒータ372に対向する側でヒータ372を囲むよう凹んで形成された凹部を有している。
カバー部377cは、支持部材375の支持部375aの反対側で紙幅方向のほぼ全体を覆うよう構成されている。この反射部材377により、ヒータ372からの輻射熱などにより支持部材375が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギーの消費が抑制される。
遮光部材378は、紙幅の狭い記録シートSを連続通紙した場合でも、非通紙領域が不必要に高温となってしまう、いわゆる過昇温状態になることが抑制される。したがって、過昇温状態になるのを避けるために生産性を落とすなどの制御を行うことが不必要となる。また、これにより、ハロゲンヒータで構成されるヒータ372の本数を、例えば、図9に示したヒータ272の3本から2本に低減することが可能となり、生産コストが低減され、省エネルギー化に寄与することができる。
遮光部材378は、例えば、図11(a)に示すように、記録シートSがA3サイズの場合、A3サイズの記録シートSが定着ニップ部Nを通過する際に、遮光部材378が回転し、不必要な部分にヒータ372の輻射熱が伝達されないよう制御される。また、図11(b)に示すように、記録シートSがハガキサイズの場合、ハガキサイズの記録シートSが定着ニップ部Nを通過する際に、遮光部材378が回転し、不必要な部分にヒータ372の輻射熱が伝達されないよう制御される。
この場合においても、光検出器50A,50Bを用いて平滑度検出装置50で平滑度の算出及びすき目方向を検出するとともに、記録シートSの種類・銘柄・トナー付着量・画像面積・余白等、の記録材情報や画像形成条件をシート情報取得部307で取得する。
CPU301は、その平滑度や記録材情報・画像形成条件等が、定着ニップ部Nから定着後の記録材シートSを排出する際における分離性の低下要因となると判定した場合には、曲率変更部材379を変位させ、定着ベルト371の回動移動経路の曲率を大きくする。
このように、本実施形態の画像形成装置にあっては、2つの光検出器50A,50Bを用いて平滑度検出装置50で平滑度の算出及びすき目方向を検出するとともに、記録シートSの種類・銘柄・トナー付着量・画像面積・余白等、の記録材情報や画像形成条件をシート情報取得部307で取得する。
CPU301は、その平滑度や記録材情報・画像形成条件等が、定着ニップ部Nから定着後の記録材シートSを排出する際における分離性の低下要因となると判定した所定値以上の場合には、曲率変更部材179,279,379を変位させ、定着ベルト171,271,371の定着ニップ部Nよりも下流側の回動移動経路の曲率を大きくする。
これにより、定着ニップ部Nの排出口付近における定着ベルト171(271,371)の曲率を最適化することができ、分離性を確保しつつ定着ベルト171(271,371)の長寿命化に貢献することができる。
ところで、上記実施の形態では、変更手段として曲率変更部材179,279,379を変位させるものとして説明したが、変更手段は曲率変更部材179,279,379に限定されるものではない。
例えば、ニップ形成部材173を、常時は、図6に示したように、図示上下に垂直状態として加圧部72との接触部分で定着ニップ部Nを形成していたが、このニップ形成部材173の排出側となる図示上端を加圧部72側に傾けるようにしてもよい。
また、第1光検出器50Aと第2光検出器50Bとは、その配置は逆でもよいし、各1以上であれば、その数は限定されるものではない。
このように、本発明の画像形成装置にあっては、定着ニップ部の排出口付近における定着ベルトの曲率を最適化することができ、分離性を確保しつつ定着ベルトの長寿命化に貢献することができるという効果を有し、複写機、ファクシミリ、プリンタ又はこれらを機能的に組み合わせた複合機等の画像形成装置の全般に適用可能である。
1 画像形成装置
50 平滑度検出装置
50A 第1光検出器(検出器)
50B 第2光検出器(検出器)
70 定着装置(定着手段)
71 加熱部(加熱手段)
72 加圧部(加圧手段)
73 熱源制御回路(加熱温度制御手段)
171 定着ベルト
173 ニップ形成部材
179 曲率変更部材
301 CPU
307 シート情報取得部(排出条件取得手段・記録材条件取得手段・画像形成条件)
N 定着ニップ部
S 記録シート(記録材)
特開2002−340518号公報 特開平10−160687号公報 特開2006−62842号公報

Claims (7)

  1. 無端状の定着ベルトを備えた加熱手段と、
    前記定着ベルトの外周面に当接する加圧手段と、
    前記定着ベルトの内部に配置されて前記定着ベルトと前記加圧手段とによる定着ニップ部を形成するニップ形成手段と、
    前記定着ニップ部で定着した後の記録材の排出条件を取得する排出条件取得手段と、を備え、
    前記定着ベルトの内部に配置して前記排出条件取得手段の取得結果に応じて前記定着ベルトの回動移動経路を変更する変更手段を有する
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 記録材の表面に向けて検出光を照射し、記録材の表面で反射した反射光の光の強度を検出する光検出器を有し、
    前記変更手段は、前記光検出器の検出値が所定値以上の場合に、前記定着ニップ部よりも下流側の回動移動経路の曲率を大きくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記光検出器は、
    前記検出光と前記反射光とを結ぶ光軸の方向が記録材の搬送方向に沿う第1光検出器と、
    前記検出光と前記反射光とを結ぶ光軸の方向が前記第1光検出器の光軸方向と記録材の同一面方向で直交する第2光検出器と、を有し、
    前記変更手段は、前記各光検出器の各々から記録材の表面に向けて検出光を照射し、記録材の表面で反射した反射光の光の強度を検出するとともに、その強度の高い方の検出値を用いる
    ことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 記録材の種類や銘柄を含む記録材条件を取得する記録材条件取得手段を前記排出条件取得手段として備え、
    前記変更手段は、前記記録材条件取得手段の取得結果に応じて前記定着ニップ部よりも下流側の回動移動経路の曲率を大きくする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1の請求項に記載の定着装置。
  5. 記録材の表面に転写したトナー像の画像形成条件を取得する画像形成条件取得手段を前記排出条件取得手段として備え、
    前記変更手段は、前記画像形成条件取得手段の取得結果に応じて前記定着ニップ部よりも下流側の回動移動経路の曲率を大きくする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1の請求項に記載の定着装置。
  6. 前記加熱手段の定着設定温度を制御する加熱温度制御手段を備え、
    前記加熱温度制御手段は、前記定着ニップ部よりも下流側の回動移動経路の曲率を大きくした場合には、前記加熱手段の定着設定温度を高く変更する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1の請求項に記載の定着装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1の請求項に記載の定着装置を搭載した
    ことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017125954A (ja) * 2016-01-14 2017-07-20 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP2017146396A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 コニカミノルタ株式会社 定着装置、画像形成装置、および、画像形成装置の制御方法
JP2018013639A (ja) * 2016-07-21 2018-01-25 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置
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