JP2015079211A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体の平滑度を高精度に検出することができる画像形成装置を提供すること。【解決手段】画像形成装置は、記録媒体Pに光を照射する光源51と、光源より照射され記録媒体によって反射された正反射光の光の強度を検出する光検出器53と、を有し、光検出器53によって検出された光の強度によって記録媒体の平滑度を検出する光学センサ50を備えている。光学センサ50は、記録媒体Pの搬送される記録媒体搬送路の異なる位置に複数配置され、かつ、複数の光学センサ50A〜50Cにおける光源51と光検出器53とを結ぶ線分の方向が平行になるように配置されている。【選択図】図5
Description
本発明は、電子写真方式等を利用した画像形成装置に関する。
デジタル複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ装置又はそれらの複合機等の画像形成装置は、記録紙等の記録媒体にトナー像を転写して、所定の条件で加熱及び加圧することにより、トナー像を記録媒体に定着させて画像を形成する。
画像形成装置においては、トナー像を定着させるための加熱量の条件及び加圧の条件を設定することが重要である。特に、高画質の画像を形成するためには、記録媒体の条件、例えば、種類、材質、厚さ、湿度、平滑性、インクや塗料等をコーティング又は印刷した塗工紙の塗工状態、搬送モータ起動時の初期搬送等の条件に応じてトナー定着条件を個別に設定する必要がある。画像品質は、このような条件に大きく影響されるからである。
記録媒体の種類は、近年の画像形成装置の進歩及び表現方法の多様化に伴って数百種類に及ぶ。例えば、普通紙、グロスコート紙、マッコート紙、アートコート紙等の塗工紙、OHPシート等の他に、紙の表面にエンボス加工を施した特殊紙も存在する。
また、各々の記録媒体の種類において坪量や厚さ等の違いにより多岐にわたる銘柄が存在する。例えば、紙の記録媒体においては、坪量60〜90g/m2を普通紙、91〜105g/m2を中厚紙、106〜200g/m2を厚紙といった具合に、坪量に応じた分類がなされている。
このような記録媒体においては、銘柄ごとに定着温度や搬送速度等を設定することが一般的に行われている。記録媒体の坪量情報はパッケージ等に明記されているので、ユーザは、普通紙、中厚紙、厚紙を表す坪量情報に基づいて、定着温度や搬送速度等の記録媒体の条件を操作部で予め設定することができる。
一方、記録媒体の平滑性については、パッケージ等に明記されていないのが普通である。平滑性を表す指標として平滑度がある。平滑度は、記録媒体の表面と試験板とを密着させたときに、その間を一定量の空気が流れる時間(単位は、秒)で表したものである。このため、画像形成装置において搬送中の記録媒体の平滑度を空気の流れで検出することは、時間的にもコストの上でも極めて困難である。
記録媒体の平滑度と、定着によって形成される画像の品質との間には、極めて高い相関性がある。その理由は、記録媒体の表面の凹凸の程度すなわち平滑度が低い(表面が粗い)場合には、凹部におけるトナー像の定着率が悪くなるからである。このため、記録媒体の平滑度を考慮してトナー定着条件を設定しない場合には、高画質の画像を得ることができず、定着不良により異常画像を形成するおそれもある。
したがって、記録媒体の平滑度を把握することは、高画質の画像を得るために必須の条件である。そこで、従来から平滑度と相関性がある表面粗さ(凹凸状態)や表面における光の反射を計測するセンサが検討されている。
例えば、触針式プローブにより記録媒体の表面の摩擦抵抗を検出することで表面粗さを検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ただし、この方法は、針と記録媒体とが接触するため、記録媒体の表面が損傷するという問題がある。そこで、記録媒体に非接触で平滑度を検出する方法が提案されている。
非接触によって平滑度を検出する方法の例として、反射光の光の強度を計測するセンサを用いた光学センサ及び画像形成装置が提案されている。この提案による光学センサは、光源の光を記録媒体に照射し、記録媒体における反射光の光の強度を検出する光検出器を有する。画像形成装置は、光検出器で検出された光の強度に基づいて記録媒体の平滑度を算出する構成になっている(例えば、特許文献2参照)。
非接触によって平滑度を検出する方法の他の例として、シート材(記録媒体)の表面で反射させる光を発光する第1の発光手段と、発光タイミングをずらしてシート材を透過させる光を発光する第2の発光手段と、を有するシート材材質判別装置が提案されている。この装置は、シート材の表面で反射した反射光とシート材を透過した透過光を、時間をずらして個別に受光する1つの受光手段と、を有する構成になっている(例えば、特許文献3参照)。
更に、この装置は、1つの発光手段と、発光手段から発射されてシート材の表面で反射した反射光を受光する第1の受光手段と、発光手段から発射されてシート材を透過した透過光を受光する第2の受光手段と、を有する構成になっている。
非接触によって平滑度を検出する方法ではないが、記録媒体の有無を非接触で検出する画像形成装置が提案されている。この画像形成装置は、給紙部に収容された記録材の種類を判別する反射型光学センサを備え、その反射型光学センサからの検出出力に基づいて、給紙部に収容された記録材の有無と給紙部の有無とを判別する判別手段を有する構成になっている(例えば、特許文献4参照)。
一方、反射光の光の強度を計測するセンサを用いた方法による記録媒体の平滑度の検出精度は、平滑度を検出するセンサと記録媒体搬送路の中を通過する記録媒体との間隔に大きく依存する。しかしながら、記録媒体は、その種類、材質、厚さ、湿度、塗工状態、初期搬送、搬送ローラの動き等の条件によって、記録媒体搬送路の中で湾曲したり、波打ったりすることで、記録媒体がたどる搬送経路(これを「搬送性」という)が不安定になる。
記録媒体の搬送性が不安定になると、平滑度を検出するセンサと記録媒体との間隔が変動するので、平滑度の検出精度が著しく低下する。したがって、定着部材への供給熱量の最適化が図れず、省エネ性が低下するとともに、定着不良による異常画像を生じるという問題があった。近年では、多種多様な記録媒体の使用のニーズが高まりつつあるので、記録媒体の搬送性は更に不安定になりやすい状況が懸念されている。
更に、記録媒体の繊維の方向性である「すき目」に起因する検出誤差が発生する場合がある。これは、記録媒体で反射する光の強度を計測するセンサを用いた場合に、光の方向、記録媒体のすき目の方向、及び記録媒体の搬送性の相互関係によって、記録媒体で反射する光の強度が変動する原因が把握できないからである。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、記録媒体の平滑度を高精度に検出することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、上記目的を達成するために、記録媒体に光を照射する光源と、前記光源より照射され該記録媒体によって反射された正反射光の光の強度を検出する光検出器と、を有し、前記光検出器によって検出された光の強度によって前記記録媒体の平滑度を検出する平滑度検出手段を備えた画像形成装置であって、前記平滑度検出手段が前記記録媒体の搬送される記録媒体搬送路の異なる位置に複数配置され、かつ、複数の前記平滑度検出手段における前記光源と前記光検出器とを結ぶ線分の方向が平行になるように配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体の平滑度を高精度に検出することができる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の画像形成装置について、図面を参照して説明する。
図1は、電子写真方式の画像形成装置における内部構成の一例を概略で示した断面図である。画像形成装置1は、画像形成装置本体100と、画像読取装置200と、両面ユニット300とを有する。
画像形成装置本体100は、普通紙、グロスコート紙、マッコート紙、アートコート紙、OHPシート、エンボス加工を施した特殊紙その他の記録媒体にトナー像を転写する。そして、記録媒体に転写したトナー像に熱を供給して、記録媒体に画像を定着する定着装置を備えている。
画像読取装置200は、原稿シート搬送装置から搬送された原稿シート及び読取面に載置された固定原稿の画像を読み取る機能を有するスキャナ装置である。
両面ユニット300は、記録媒体の両面に画像を印刷するための機構を備えている。両面ユニット300は、画像形成装置本体100によって一方の面に画像が印刷された記録媒体をスイッチバックさせて、再び画像形成装置本体100の内部に搬送する。
画像形成装置本体100は、中間転写ベルト11と、作像装置12(12c、12m、12y、12k)と、露光装置13と、給紙装置14と、記録媒体搬送路16と、給紙コロ17と、胴内排紙部18と、排紙装置23とを備えている。また、画像形成装置本体100は、一次転写装置25(25c、25m、25y、25k)と、光学センサ50と、定着装置60とを備えている。
次に、これらの構成要素及びその他の構成要素の位置及び基本的な機能等について説明する。
画像形成装置本体100の上下方向のほぼ中間位置には、中間転写ベルト11が配置されている。中間転写ベルト11は、画像形成装置本体100内に設けられた複数のローラに掛け回され、ほぼ水平に張り渡された無端状(エンドレス)のベルトであり、図1において、反時計方向に回転して走行するように構成されている。
中間転写ベルト11の下側には、作像装置12(12c、12m、12y、12k)が配置されている。作像装置12c、12m、12y、12kは、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応し、中間転写ベルト11の下方において中間転写ベルト11の走行方向に沿って四連タンデム式に配列されている。
中間転写ベルト11と作像装置12との間には、一次転写装置25(25c、25m、25y、25k)が配置されている。すなわち、一次転写装置25c、25m、25y、25kは、各作像装置12c、12m、12y、12kの像担持体と中間転写ベルト11との双方に接するように設けられている。
一次転写装置25c、25m、25y、25kは、各作像装置12c、12m、12y、12kの像担持体上のトナー像を順次中間転写ベルト11上に一次転写することで、所望のカラー画像を形成する。
作像装置12c、12m、12y、12kは、図1において、時計方向に回転するドラム状の像担持体、像担持体の周囲に設けられた帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等(個々の詳細な説明は省略する)によって構成されている。
作像装置12c、12m、12y、12kの下側には、露光装置13が配置されている。露光装置13は、画像読取装置200によって読み取られた原稿画像の各色のトナー像に対応した潜像を、帯電装置によって帯電した各作像装置12c、12m、12y、12kの像担持体上に写す。
各作像装置12c、12m、12y、12kで使用する各色のトナーは、必要に応じて中間転写ベルト11の上側に配置したトナータンク26c、26m、26y、26kから補充される。
露光装置13の下側には、給紙装置14が配置されている。給紙装置14は、記録媒体Pを積層して収納する複数の給紙カセット15を有する。なお、図1においては、2つの給紙カセット15が設けられているが、これは一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
中間転写ベルト11、作像装置12c、12m、12y、12k、露光装置13、給紙装置14の外側(図1の右側)には、記録媒体搬送路16が配置されている。記録媒体搬送路16は、下方から上方にわたって形成されている。記録媒体搬送路16は、画像形成装置本体100と画像読取装置200との間に形成された胴内排紙部18へと通じている。
記録媒体搬送路16には、記録媒体Pの搬送方向の上流側から下流側に沿って順に、搬送ローラ19、光学センサ50、レジストローラ20、中間転写ベルト11に対向する二次転写装置21、定着装置60、排紙装置23が配置されている。
また、記録媒体搬送路16には、定着装置60の記録媒体搬送方向の下流側に、両面ユニット300へのスイッチバック用の搬送路301が分岐して配置されている。更に、両面ユニット300には、再給紙路302及び再給紙ローラ303が配置されている。再給紙ローラ303は、搬送路301でスイッチバックされた記録媒体Pを記録媒体搬送路16に合流させて再給紙する。
次に、この搬送ローラ19の上流側から下流側に沿って配置された各構成要素について説明する。
給紙コロ17は、図1における各給紙カセット15の右上に設けられており、各給紙カセット15内の記録媒体Pを1枚ずつ繰り出して記録媒体搬送路16に送り込む。給紙コロ17は、搬送モータ(図示せず)によって回転駆動される。搬送モータの起動時の初期搬送においては、記録媒体Pの搬送性が不安定になりやすい。
記録媒体搬送路16において、給紙コロ17の下流側に、記録媒体Pを搬送する搬送ローラ19が配置されている。
記録媒体搬送路16において、搬送ローラ19の下流側には、光学センサ50が設けられている。光学センサ50の詳細な構成及び機能については後述する。
記録媒体搬送路16において、搬送ローラ19及び光学センサ50よりも下流側に、記録媒体Pの搬送タイミング調整用及び搬送のスキュー補正用のレジストローラ20が配置されている。
記録媒体搬送路16において、中間転写ベルト11に隣接して、二次転写装置21が設けられている。二次転写装置21は、中間転写ベルト11に係合して回転する内側のローラと、記録媒体搬送路16を挟んで内側のローラに圧接する外側のローラとを有する。二次転写装置21は、中間転写ベルト11と二次転写装置21との間に形成された二次転写位置において、中間転写ベルト11上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する。
記録媒体搬送路16において、二次転写装置21の下流側には、定着装置60が配置されている。定着装置60は、記録媒体Pに熱を加える加熱部材と、記録媒体Pに圧力を加える加圧部材とを有し、加熱部材及び加圧部材の間に形成されたニップ部において、記録媒体Pを加熱及び加圧する。この結果、記録媒体P上に転写されたトナー像が記録媒体P上に定着する。
次に、画像形成装置1でコピーを取る場合を例に採って、画像形成動作について説明する。
画像形成装置1は、画像読取装置200で読み取った原稿画像の各色のトナー像に対応した潜像を、帯電装置によって一様に帯電した各作像装置12c、12m、12y、12k上の像担持体上に、露光装置13を用いて書き込む。
次に、画像形成装置1は、各作像装置12c、12m、12y、12kの像担持体上の各色のトナー潜像に、現像装置から各色のトナーを付与することで、カラーのトナー像を形成する。
次に、画像形成装置1は、像担持体上に形成された各色のトナー像を、一次転写装置25c、25m、25y、25kを用いて、順次、中間転写ベルト11上に一次転写することで、所望のカラー画像を形成する。
その一方で、画像形成装置1は、二段構成の給紙カセット15における給紙コロ17の一方を選択的に回転させて、対応する給紙カセット15から記録媒体Pを繰り出す。又は、画像形成装置1は、手差し給紙装置36から給紙路37に手差しの記録媒体Pを繰り出す。
次に、画像形成装置1は、給紙カセット15又は手差し給紙装置36から繰り出された記録媒体Pを記録媒体搬送路16に搬入する。
次に、画像形成装置1は、記録媒体搬送路16を通して搬送ローラ19まで搬送された記録媒体Pを、レジストローラ20の調整によって、中間転写ベルト11上に形成されたトナー像とタイミングを取って、二次転写装置21の二次転写位置に搬送する。画像形成装置1は、二次転写装置21によって中間転写ベルト11上のカラー画像を記録媒体Pに転写する。
次に、画像形成装置1は、カラー画像が転写された記録媒体Pを定着装置60に搬送し、定着装置60のニップ部において記録媒体Pを加熱及び加圧することで、記録媒体Pにカラー画像としてのトナー像を定着する。
ここで、記録媒体Pの裏面にも画像を形成する場合には、画像形成装置1は、片面にカラー画像が定着した記録媒体Pを、搬送経路を切り替える切替爪(図示せず)を利用して、両面ユニット300に搬送する。
そして、画像形成装置1は、両面ユニット300に搬送した記録媒体Pを、スイッチバック機構(図示せず)によって表面と裏面とを反転した後、給紙路37を経て再び記録媒体搬送路16に搬入する。
その後、画像形成装置1は、中間転写ベルト11上に形成された裏面用のカラー画像を、表面の場合と同様に記録媒体Pに二次転写し、定着装置60によって二次転写されたカラー画像を記録媒体Pに定着する。
記録媒体Pへのカラー画像の定着がすべて終了したときは、画像形成装置1は、排紙装置23によってカラー画像が定着した記録媒体Pを胴内排紙部18上に排紙する。
上記した一連の画像形成動作において、定着装置60によって二次転写されたカラー画像を記録媒体Pに定着する処理は、画像品質に極めて重要な影響を及ぼす。このため、記録媒体Pの平滑度を高精度に検出する必要がある。記録媒体Pの平滑度の検出位置は、搬送ローラ19から二次転写装置21に至る前までの記録媒体搬送路16、本実施の形態では、上記したように、搬送ローラ19とレジストローラ20との間の位置である。
レジストローラ20によって先端部が一時停止された記録媒体Pは、後端部が搬送ローラ19から離れるまでは、記録媒体Pの条件により搬送性が不安定になる。すなわち、記録媒体Pの種類、材質、厚さ、湿度、塗工状態、初期搬送等の条件により、異なる搬送経路をたどることで、搬送性が不安定になる。
したがって、光学センサ50は、記録媒体搬送路16内を搬送される記録媒体Pの搬送性が不安定な場合であっても、その平滑度を正確に検出する必要がある。
更に、記録媒体Pのすき目の方向と記録媒体Pに光を照射する方向との関係によって、平滑度の検出誤差が発生する。したがって、光学センサ50は、記録媒体Pのすき目の方向によって生じる検出誤差を抑制する必要がある。
次に、光学センサ50の構造及び動作について説明する。
図2は、光学センサ50の概略図である。光学センサ50は、光源51と、コリメートレンズ52と、光検出器53と、アパーチャ54とを有する。なお、図2においては、1つの光学センサ50を示しているが、後述するように、本実施の形態においては、複数の光学センサ50を配置している。そして、これら複数の光学センサ50の光検出器53が、図2に示すように、制御部55に接続されている。
光源51は、面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)によって形成されている。そのため、光源51は、安定した光源としてLEDや端面LD(Laser Diode)を使用する場合よりも、FFP(Far Field Pattern)を抑えることができ、より精度の高い光学系を形成することができる。FFPとは、ビームの拡がり角を意味する値である。なお、光源51は、面発光レーザに限らず他の種類の光源でもよい。
コリメートレンズ52は、光源51と記録媒体Pの照射面との間に設けられ、光源51から照射される光をコリメート光に変換する凸面のレンズである。コリメートとは、光源から発光されるレーザ光を拡散も収束もしない平行な光の束にすることを意味する。したがって、コリメート光とは、平行な状態に調整されたレーザ光を意味する。
コリメートレンズ52によって、光源51から照射されるレーザ光の記録媒体Pへの入射角及びコリメート光の平行性を調整することにより、光学センサ50から得られる平滑度の精度が向上する。
アパーチャ54は、記録媒体Pの照射面と光検出器53との間に設けられ、光検出器53に入射する反射光の入射角を制限する。アパーチャ54を設けることにより、光学センサ50は、光源51から照射されて記録媒体Pの照射面で反射された反射光の光量を確保しつつ、反射光に混じった散乱光を制限することで、散乱光によって平滑度検出の精度が低下するのを防止する。
光学センサ50の光検出器53は、記録媒体Pによって反射された光の強度を電圧に変換して検出信号として出力する光電変換回路である。光学センサ50の光検出器53は、正反射光の強度に応じた検出信号を制御部55に出力する。制御部55は、複数の光学センサ50から入力される反射光の強度を示す検出信号に対して、例えば、制御プログラムによる計算処理を施して、記録媒体Pの正規の平滑度を確定する制御手段を構成する。
正反射光の強度は、記録媒体Pの平滑度に比例する。すなわち、表面に光沢のある記録媒体Pから得られる正反射光の強度は大きく、表面が粗い記録媒体Pから得られる正反射光の強度は小さい。したがって、正反射光の強度が記録媒体Pの平滑度を表すことになる。すなわち、記録媒体Pの平滑度は、光学センサ50の正反射光の強度に正比例するので、光学センサ50は平滑度検出手段を構成することになる。
例えば、制御部55は、複数の光学センサ50の各々が、記録媒体Pの搬送方向の所定範囲において、光源51の複数回の照射で取得する複数回の正反射光の光の強度に対応する平滑度の平均値を算出する。制御部55は、その算出した平滑度の平均値が所定値以上である光学センサ50による反射光の強度である平滑度を、記録媒体Pの正規の平滑度として確定する。
この場合において、例えば、平滑度の平均値が所定値以上の光学センサ50が複数あるときは、平滑度の平均値が最も大きい光学センサ50のものを正規の平滑度として採用する。なお、平滑度の平均値を所定値と比較することなく、すべての光学センサ50から得られた平滑度のうち、最も大きい平均値を正規の平滑度として採用するような構成にしてもよい。この場合は、平均値と所定値とを比較する演算処理は不要となる。
なお、制御部55は、複数の光学センサ50の中から、経年変化によって機能が劣化した光学センサ50を除くために、記録媒体Pによって反射された正反射光の光の強度が所定値以上の機能が正常な光学センサ50を指定することもできる。制御部55は、指定した光学センサ50からの平滑度を、記録媒体Pの正規の平滑度として確定するような構成にしてもよい。
次に、画像形成装置1における画像形成制御について説明する。
図3は、画像形成装置1の各構成を示す機能ブロック図である。図3において、画像形成装置1は、装置全体を制御するCPU101を有する。CPU101は、バスを介して接続された各要素との間で指令及びデータを授受して、画像形成装置1の機能を実現する。
図3に示すように、CPU101のバスには、メモリ部102が接続されている。また、CPU101のバスには、給紙カセット15、手差し給紙装置36、排紙装置23、記録媒体搬送路16、画像読取装置200、両面ユニット300の要素が接続されている。なお、図1において示した給紙カセット15、手差し給紙装置36、排紙装置23等の重複した説明は省略する。
CPU101は、メモリ部102のROM(Read Only Memory)103にあらかじめ記憶されているプログラムコード及び定着制御パターンに従って、画像形成装置1全体を制御する。この場合において、CPU101は、メモリ部102のRAM(Random Access Memory)104をデータバッファとして、制御処理に必要なデータを一時的に記憶する。
CPU101のバスには、定着装置60が接続されている。定着装置60は、熱源制御回路61、熱源62、A/D変換部63、サーミスタ64、及び加圧制御回路65を有する。また、定着装置60には、光学センサ50及び制御部55が接続されている。
熱源制御回路61は、CPU101からの指令に基づいて、熱源62を制御して、加熱部材に熱量を供給する。定着装置60のA/D変換部63は、加熱部材に設けられたサーミスタ64から得られる加熱部材の現在温度をアナログ信号からデジタル信号に変換してCPU101に出力する。加圧制御回路65は、CPU101からの指令に基づいて、加圧部材における圧力を制御する。
また、CPU101のバスには、二次転写装置21が接続されている。二次転写装置21は、制御部55から平滑度を供給された電流制御回路105が出力した転写電流値に基づいて、記録媒体Pへのトナー像の転写を制御する。
また、CPU101のバスには、A/D変換部106が接続されている。A/D変換部106は、電圧検出部107から出力される電圧値をアナログ信号からデジタル信号に変換してCPU101に出力する。CPU101は、その電圧値に基づいて、画像形成装置1が安定した電圧を維持するように制御する。
また、CPU101のバスには、インターフェース部108が接続されている。インターフェース部108は、パソコン等の外部通信機器110が接続されるインターネット等のネットワーク111と画像形成装置1とを接続する。また、インターフェース部108は、ハードディスク装置やUSBメモリ等の情報記憶素子109から取り込んだ情報をCPU101に出力する。
次に、光学センサ50、制御部55、及び定着装置60によって実行される加熱部材に対する熱供給量の制御について説明する。
図4は、光学センサ50から出力された検出信号により、制御部55が算出した記録媒体Pの平滑度に基づいて、定着装置60が加熱部材への熱供給量の制御を変更する場合のプロセスを示す図である。定着装置60は、算出された記録媒体Pの平滑度に応じて、記録媒体Pに画像を定着する場合に用いるパラメータ群の各パラメータ値を変更する。
まず、光学センサ50は、時刻T0において、記録媒体Pの先端が光学センサ50と対向する位置に到達すると、制御部55の指示に応じて記録媒体Pの平滑度の検出を開始する。
次に、光学センサ50及び制御部55は、搬送速度vで搬送される記録媒体Pの平滑度の検出処理を、時刻T0から時刻T1まで実行する。すなわち、光学センサ50は、検出開始の時刻T0から検出終了の時刻T1の期間に、光源51からコリメートレンズ52を介してレーザ光を記録媒体Pの表面に照射する。
また、光学センサ50は、アパーチャ54を通過して光検出器53に入射した記録媒体Pからの反射光の強度に応じた検出信号、すなわち記録媒体Pの平滑度を算出するための検出信号を制御部55に出力する。
光学センサ50は、記録媒体搬送路16の異なる位置に複数設置されているので、複数の光学センサ50は、検出開始時刻T0から検出終了時刻T1の期間に、反射光の光の強度に対応する複数の検出信号を取得することになる。
制御部55は、時刻T2において、時刻T0から時刻T1の期間に取得した複数の検出信号によって、記録媒体Pの平滑度の検出値を確定する。ここで、時刻T2は、時刻T0から時刻T1の期間に取得した検出信号に基づいて、記録媒体Pの平滑度の検出値を確定するのに十分な時刻である。
反射光の強度と記録媒体Pの平滑度との間には相関性(比例関係)があるので、制御部55は、例えば、反射光の光の強度が最も大きい検出信号を選択して、記録媒体Pの平滑度の検出値を確定する。あるいは、複数の検出信号による検出値を平均して、記録媒体Pの平滑度の検出値を確定してもよい。
次に、定着装置60は、制御部55から入力された平滑度の確定値に基づいて、時刻T3において、加熱部材における定着設定温度及び加熱部材に与える熱供給量を確定する。この定着設定温度及び熱供給量は、記録媒体Pに画像を定着する場合に用いるパラメータ群のパラメータ値である。
なお、熱供給量の決定方法として、記録媒体Pの平滑度と定着設定温度との相関関係を予め実験によって求めておき、平滑度の検出値と定着設定温度との関係を表すテーブルを制御部55に記憶してもよい。
あるいは、記録媒体Pの平滑度と定着設定温度との相関関係を表す数式を実験結果の分析によって決定し、その数式を実現するプログラムを制御部55に記憶してもよい。この場合には、制御部55は、光学センサ50から入力される検出信号に応じて、その数式実現のプログラムを実行して、記録媒体Pの平滑度を算出する。
定着装置60は、時刻T4において、加熱部材に対する熱供給を開始する。具体的には、定着装置60の熱源制御回路61が、確定した熱供給量を熱源62に与えて、熱供給を開始する。この熱供給開始の時刻T4も、記録媒体Pに画像を定着する場合に用いるパラメータ群のパラメータ値である。
熱供給開始の時刻T4は、サーミスタ64及びA/D変換部63を介して得られる加熱部材の現在温度、加熱部材における定着設定温度、記録媒体搬送路16の長さL、記録媒体Pの搬送速度v等に応じて決定されることになる。
定着装置60の加熱部材は、時刻T5において、ニップ部の温度が目標温度すなわち定着設定温度に到達する。定着装置60の熱源制御回路61は、サーミスタ64によってフィードバックされるニップ部の現在温度と定着設定温度とを比較する。熱源制御回路61は、記録媒体Pのトナー像の定着が終了するまで、ニップ部の温度が定着設定温度を維持するように温度制御を行う。
一方、記録媒体Pは、時刻T0において、先端が複数の光学センサ50のうち最初の光学センサ50に対向する搬送位置に達し、時刻T6において、先端がニップ部に到達する。時刻T0から時刻T6までの期間に搬送される記録媒体Pの搬送長さLと、記録媒体Pの搬送速度vとにより、時刻T6は、T0+L/vで表される。
このように、定着装置60は、制御部55からの確定した平滑度に基づいて定着設定温度を変更する。定着装置60は、変更した定着設定温度に基づいて、加熱部材に与える熱供給量を確定する。定着装置60は、定着設定温度に到達した後のニップ部により記録媒体Pのトナー像を定着する。
次に、記録媒体搬送路16における記録媒体Pに対する平滑度検出手段である光学センサ50の位置関係について、図5を参照して説明する。
記録媒体Pの種類、材質、厚さ、湿度、塗工状態、初期搬送等の条件によって、異なる搬送経路をたどる記録媒体Pの平滑度の検出のために、本実施の形態においては、複数の光学センサ50を記録媒体搬送路16に対して異なる位置に配置する。
本実施の形態においては、複数の光学センサとして3つ又は2つの光学センサ50を記録媒体搬送路16に対して異なる位置に配置した場合を例に採って説明する。なお、図5では、便宜上3つの光学センサ50を配置した例を示しているが、光学センサ50A及び光学センサ50B又は光学センサ50A及び光学センサ50Cのように、2つの光学センサ50を配置する構成でもよい。
図5において、(a)は記録媒体Pに対する光学センサ50の位置を示す平面図であり、(b1)、(b2)は搬送方向に直行する幅方向から見た側面図であり、(c1)、(c2)は搬送方向から見た側面図である。図5(a)に示すように、3つの光学センサ50A、50B及び50Cの光源51と光検出器53とを結ぶ線分の方向は平行になっている。
図5(a)及び(b1)、(b2)に示すように、1つの光学センサ50Aのほかに、実線の矢印で示す搬送方向の異なる位置に光学センサ50Bが設けられている。
図5(b1)、(b2)において、光学センサ50A及び光学センサ50Bの光源51から記録媒体の表面に照射されたレーザ光の反射光を、光検出器53が適切に受光するための各光学センサ50と記録媒体との距離をDとする。
図5(b1)、(b2)に示すように、光学センサ50Aと光学センサ50Bとは、記録媒体搬送路16の搬送面からの高さ(記録媒体表面からの高さ)が異なっている。光学センサ50A及び光学センサ50Bが正確な平滑度を検出するための基準面をそれぞれ点線SA及びSBで示す。各光学センサ50は、記録媒体Pの表面がこの基準面(実際には、ある程度の幅がある)を通過するときに、正確な平滑度を検出することができる。
すなわち、各光学センサ50は、記録媒体の表面が基準面の近傍にない場合には、適切な検出信号、すなわち、光検出器53が十分な強度の光を受光した場合の検出信号を出力できないものとする。図5(b1)、図5(b2)におけるレーザ光を示す矢印は、各光学センサ50と記録媒体の表面との距離がDである場合、すなわち、記録媒体Pの表面が基準面を通過する場合を想定したものである。
いま、図5(b1)に示すように、波打つように湾曲した記録媒体P1が、光学センサ50A及び光学センサ50Bの位置に搬送されてきたとする。この場合には、光学センサ50Aは適切な検出信号を出力することができるが、光学センサ50Bは適切な検出信号を出力することができない。
あるいは、図5(b2)に示すように、波打つように湾曲した記録媒体P2が、光学センサ50A及び光学センサ50Bの位置で、かつ、記録媒体P1よりも各光学センサ50から離れた位置に搬送されてきたとする。この場合には、光学センサ50Bは適切な検出信号を出力することができるが、光学センサ50Aは適切な検出信号を出力することができない。
このように、搬送性が不安定な記録媒体P1又は記録媒体P2が搬送された場合でも、2つの光学センサ50A及び光学センサ50Bを配置することで、図3に示した制御部55に適切な検出信号を供給することができる。
図5(c1)、図5(c1)においても、光学センサ50Aと光学センサ50Cとは、記録媒体表面からの高さが異なっている。ただし、基準面については省略している。この場合も、各光学センサ50は、記録媒体の表面が距離Dの近傍にない場合には、適切な検出信号を出力できないものとする。
図5(c1)の場合、記録媒体P3は、坪量が106〜200g/m2の厚紙である。この場合には、光学センサ50Aは適切な検出信号を出力することができるが、光学センサ50Cは適切な検出信号を出力することができない。
図5(c2)の場合、記録媒体P4は、坪量が60〜90g/m2の厚さが薄い普通紙である。この場合には、光学センサ50Cは適切な検出信号を出力することができるが、光学センサ50Aは適切な検出信号を出力することができない。
このように、厚さが異なるP3又は記録媒体P4が搬送された場合でも、2つの光学センサ50A及び光学センサ50Cを異なる高さで配置することで、図3に示した制御部55に適切な検出信号を供給することができる。
なお、3つの光学センサ50A、50B及び50Cのうち、光学センサ50A、50Bの組み合わせ、及び、光学センサ50A、50Cの組み合わせについて説明した。しかし、これに限定されず、光学センサ50B、50Cの組み合わせ、又は、光学センサ50A、50B及び50Cの組み合わせも可能であることはいうまでもない。
いずれの組み合わせの場合も、複数の光学センサ50の全てが同じタイミングで検出信号を出力する。
更に、記録媒体Pの搬送方向を実線の矢印で示したが、点線の矢印で示す方向を搬送方向とする構成も可能である。この場合も、各光学センサ50の光源51と光検出器53とを結ぶ線分の方向は平行になっている。
このように、複数の光学センサ50の光源51と光検出器53とを結ぶ線分の方向は平行になっていることで、記録媒体の繊維の方向(これを「すき目」という)に起因する検出誤差を抑制する。以下、図6を参照して、すき目による検出誤差の抑制について説明する。
図6において、記録媒体Pのすき目(点線で表示)は、矢印で示す横搬送(横通紙)の搬送方向と直角になっている。また、図6(a)においては、2つの光学センサ50A及び50Bの光源51と光検出器53とを結ぶ線分が、すき目の方向と直角に配置されている。一方、図6(b)においては、2つの光学センサ50A及び50Bの光源51と光検出器53とを結ぶ線分が、すき目の方向と平行に配置されている。
図6(a)に示すように、光源51と光検出器53とを結ぶ線分が、すき目の方向と直角に配置されているほうが、図6(b)に示すように、すき目の方向と平行に配置されているより、光検出器53における光の強度が大きい。一般に、記録媒体Pの中で最も多く使用されているのが、図6(a)に示す搬送方向の普通紙A4の横搬送である。
一般に、記録媒体のすき目の方向については、ユーザが知ることはできない。このため、光学センサ50が1つだけ配置されている場合には、光検出器53における光の強度が比較的小さい場合、その原因が不安定な搬送性によるものなのか又はすき目の方向性によるものかを判断することができない。
しかし、複数の光学センサ50の全ての光源51と光検出器53とを結ぶ線分が互いに平行になるように配置すれば、各々の検出信号に含まれる光の強度を比較することで、不安定な搬送性が起因しているか否かを判別できる。
検出信号に含まれる光の強度の差が大きい場合には、その差は不安定な搬送性が起因している。この場合には、光の強度が最大の検出信号によって平滑度を検出する。一方、検出信号に含まれる光の強度の差が小さい場合には、光の強度が比較的小さい原因は、記録媒体のすき目の影響である。この場合には、例えば、検出信号に含まれる光の強度の平均値によって平滑度を検出する。
なお、記録媒体Pのすき目の方向が搬送方向と平行な場合も、図6の場合と同様に、複数の光学センサ50の全ての光源51と光検出器53とを結ぶ線分が互いに平行になるように配置する。したがって、各々の検出信号に含まれる光の強度を比較することで、不安定な搬送性が起因しているか否かを判別できる。
複数の光学センサ50の全ての光源51と光検出器53とを結ぶ線分が、記録媒体Pのすき目の方向と平行であるか又は直角であるかにかかわらず、光の強度に差がある場合には、光の強度が最大の検出信号によって平滑度を検出する。光の強度と平滑度との間には相関性があるからである。平滑度が高いほど、光の強度も大きい。
このように、複数の光学センサ50の全ての光源51と光検出器53とを結ぶ線分が互いに平行になるように配置することで、記録媒体Pのすき目に起因する検出誤差を抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態においては、画像形成装置1は、記録媒体Pの平滑度を検出するために、複数の光学センサ50を備えている。各光学センサ50は、記録媒体Pに光を照射する光源51と、光源51より照射され記録媒体Pによって反射された正反射光の光の強度を検出する光検出器53とを有する。制御部55は、光学センサ50によって検出された光の強度によって記録媒体Pの平滑度を検出する。
この場合において、光学センサ50が記録媒体Pの搬送される記録媒体搬送路16の異なる位置に複数配置され、かつ、複数の光学センサ50における光源51と光検出器53とを結ぶ線分の方向が平行になるように配置されている。
したがって、記録媒体Pの平滑度を検出するための光学センサ50を記録媒体搬送路16の異なる位置に複数配置することにより、正反射光の光の強度が大きい値の光学センサ50によって記録媒体Pの平滑度を検出する。したがって、記録媒体Pの搬送性が不安定な場合であっても、記録媒体Pの平滑度を高精度に検出することができる。
更に、複数の光学センサ50における光源51と光検出器53とを結ぶ線分の方向が平行になるように配置したので、記録媒体Pのすき目の方向に対して、すべての光学センサ50における光源51と光検出器53とを結ぶ線分の方向が同じ条件となる。したがって、記録媒体Pのすき目の方向と光学センサ50の配置方向とがランダムの場合に比べて、平滑度の検出誤差を抑制することができる。
複数の光学センサ50は、記録媒体搬送路16を搬送される記録媒体Pの表面との間隔が互いに異なるように配置されているように構成してもよい。
この場合には、記録媒体Pの種類、材質、厚さ、湿度、塗工状態、初期搬送等の条件によって、記録媒体Pの搬送経路が一定の範囲に収まらない場合でも、記録媒体Pの平滑度を高精度に検出することができる。
また、本実施の形態において、複数の光学センサ50は、光源51と光検出器53とを結ぶ線分の方向が、記録媒体Pの搬送方向と平行となるように配置されているように構成してもよい。例えば、ユーザが最も多く使用する記録媒体Pは、すき目が縦の普通紙A4の横搬送であることから、記録媒体Pのすき目と光源51と光検出器53とを結ぶ線分の方向とが直角になる。
したがって、多くのユーザにとって汎用性の高い記録媒体Pについて平滑度の検出が可能となる。
また、本実施の形態において、制御部55は、複数の光学センサ50の各々が、記録媒体Pの搬送方向の所定範囲において、光源51の複数回の照射で取得する複数回の正反射光の光の強度により表される平滑度の平均値を算出するようにしてもよい。制御部55は、その算出した平滑度の平均値が所定値以上である光学センサ50による平滑度を、記録媒体Pの正規の平滑度として確定するような構成にしてもよい。
この場合には、制御部55は、複数の光学センサ50の各々が取得する複数個所の反射光の強度を平均して、正規の平滑度を確定するので、発生頻度が低い特異な状態を排除することができる。この結果、反射光の光の強度と平滑度との間の高い相関性により、記録媒体Pの平滑度を高精度に検出することができる。
また、本実施の形態において、制御部55は、複数の光学センサ50の中から、記録媒体Pによって反射された正反射光の光の強度が所定値以上の光学センサ50を指定する構成にしてもよい。制御部55は、その指定した光学センサ50からの平滑度を、記録媒体Pの正規の平滑度として確定する。
この場合には、経年変化によって性能が劣化した光学センサ50があった場合でも、正常な性能の光学センサ50のみを選択して、その選択した光学センサ50を用いて、記録媒体Pの平滑度を高精度に検出することができる。
また、本実施の形態において、定着装置60は、制御部55によって確定された記録媒体Pの平滑度により、記録媒体Pに転写された画像の定着に必要な熱供給量を制御する。
したがって、記録媒体Pの搬送性が不安定な場合であっても、記録媒体Pの平滑度を高精度に検出することで、記録媒体Pに転写したトナー像の定着のために、加熱部材に与える最適な熱供給量を確定することができる。この結果、画像形成装置1の省エネ性が向上するとともに、画像の定着品質を一定に維持することができる。
なお、上記実施の形態の変形例として、複数の光学センサ50の中から、記録媒体Pの搬送方向の所定範囲において、光源51からの複数回の出射により記録媒体Pによって反射された複数回の正反射光の光の強度の平均値が最小の光学センサ50を選択してもよい。そして、選択した光学センサ50によって検出した記録媒体Pの平滑度に基づいて、記録媒体Pに転写された画像の定着に必要な熱供給量を制御する構成にしてもよい。
この場合には、記録媒体Pの種類、材質、厚さ、湿度、塗工状態、初期搬送等の条件によって、記録媒体Pの平滑度が非常に悪い場合でも、良好な画像品質を得ることができる。
また、上記実施の形態では、記録媒体Pにおいて、トナー像を転写する面(いわゆる印字面)に対向して複数の光学センサ50を配置する構成にしたが、配置条件によっては、印字裏面に対向して光学センサを配置してもよい。
1 画像形成装置
16 記録媒体搬送路
50 光学センサ(平滑度検出手段)
51 光源
53 光検出器
55 制御部(制御手段)
60 定着装置
P 記録媒体
16 記録媒体搬送路
50 光学センサ(平滑度検出手段)
51 光源
53 光検出器
55 制御部(制御手段)
60 定着装置
P 記録媒体
Claims (6)
- 記録媒体に光を照射する光源と、前記光源より照射され該記録媒体によって反射された正反射光の光の強度を検出する光検出器と、を有し、前記光検出器によって検出された光の強度によって前記記録媒体の平滑度を検出する平滑度検出手段を備えた画像形成装置であって、
前記平滑度検出手段が前記記録媒体の搬送される記録媒体搬送路の異なる位置に複数配置され、かつ、複数の前記平滑度検出手段における前記光源と前記光検出器とを結ぶ線分の方向が平行になるように配置されていることを特徴とする画像形成装置。 - 複数の前記平滑度検出手段は、前記記録媒体搬送路を搬送される前記記録媒体の表面との間隔が互いに異なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 複数の前記平滑度検出手段は、前記光源と前記光検出器とを結ぶ線分の方向が、前記記録媒体の搬送方向と平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 複数の前記平滑度検出手段の各々が、前記記録媒体の搬送方向の所定範囲において、前記光源の複数回の照射で取得する複数回の正反射光の光の強度に対応する平滑度の平均値を算出する制御手段を更に有し、前記制御手段は、算出した平滑度の平均値が所定値以上である平滑度検出手段の平滑度を、前記記録媒体の正規の平滑度として確定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1の請求項に記載の画像形成装置。
- 複数の前記平滑度検出手段の中から、前記記録媒体によって反射された正反射光の光の強度が所定値以上の平滑度検出手段を指定する制御手段を更に有し、前記制御手段は、指定した平滑度検出手段からの平滑度を、前記記録媒体の正規の平滑度として確定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1の請求項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段によって確定された前記記録媒体の平滑度により、前記記録媒体に転写された画像の定着に必要な熱供給量を制御する定着装置を更に備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4又は5に記載の画像形成装置。
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CN110536851A (zh) * | 2017-04-21 | 2019-12-03 | 惠普发展公司,有限责任合伙企业 | 传感器校准 |
-
2013
- 2013-10-18 JP JP2013217486A patent/JP2015079211A/ja active Pending
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