JP2014156803A - 密閉型圧縮機及びこれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】低速運転時における摩擦損失を低減した密閉型圧縮機を提供することにある。また、この密閉型圧縮機を備えることで、消費電力量を低減して信頼性の高い冷蔵庫を提供することにある。
【解決手段】密閉容器3内に電動要素30と、圧縮要素20とを備え、圧縮要素20は、シリンダ1と、シリンダ1内を往復動するピストン4と、ピストン4が接続される偏心部を有するクランクシャフト7と、を有し、電動要素30は、クランクシャフト7の非偏心部に固定されたロータ6を有し、クランクシャフト7の非偏心部の外表面には、ロータ6が固定された部位の上側と下側に螺旋溝7gを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、密閉型圧縮機及びこれを用いた冷蔵庫に関する。
従来の密閉型圧縮機として、例えば特開2005‐337158号公報(特許文献1)に示されたものが知られている。この密閉型圧縮機は、主軸部の円筒空洞部に螺旋溝を刻設するとともに、円筒部材が挿設されている。この円筒部材は回転運動しないよう固定されており、さらに円筒部材の内側には主軸部に同軸上に接続したスリーブが配置されている。スリーブと円筒部材との隙間には、主軸部と円筒部材との隙間と同様に、螺旋状の潤滑油経路が形成されている。そして、密閉容器内に貯留された潤滑油は、主軸部の回転時、円筒部材内外に形成された螺旋状の潤滑油経路を上昇する。
また、従来の密閉型圧縮機として、例えば特開2008‐208812号公報(特許文献2)に示されたものが知られている。この密閉型圧縮機は、エンドコイルのないクローポールモータを用いており、モータ上下にシャフトを軸支する主軸受および副軸受が配設されている。
特開2005‐337158号公報 特開2008‐208812号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された構造を適用した場合、次のような課題があった。
近年、一部の冷蔵庫は消費電力量を低減するため、インバータ制御を用いて圧縮機の運転速度域の下限を低速化する傾向にある。さらに、冷蔵庫の断熱性能の向上によって、より少ない冷凍能力の運転条件、すなわちより低速で圧縮機を運転しても冷蔵庫内を十分に冷やすことが可能となっている。そのため、冷蔵庫用圧縮機は1000min-1を下回るような低速域でも運転できることが求められている。
密閉容器内には、ピストンやクランクシャフトなどの摺動部があり、容器内底部の潤滑油が摺動部を潤滑している。摺動部が容器内に貯留する潤滑油の油面よりも高い位置にある場合、潤滑油を汲み上げて摺動部へ供給する機構が必要となる。冷蔵庫に用いられる圧縮機の場合、この機構はシャフトの回転を利用したものが一般的である。
この構成において、圧縮機が低速運転している時、潤滑油の供給能力が低下するため、摺動部への給油量が低下する。すると、摺動面の潤滑性が悪化し摩擦損失の増加が懸念される。さらに、低速運転時は摺動面同士の相対速度が小さいため、軸受部に形成される油膜厚さが薄くなりやすい状況となっている。油膜が非常に薄い場合、摺動面同士の固体接触の影響により、摩擦損失の増加や、油膜破断によるかじり、摩耗といった信頼性の低下が懸念される。
特許文献1に記載された構造においては、低速運転時の給油量確保を目的に、螺旋状の潤滑油経路を設けている。この給油機構は主軸部の回転によって発生する潤滑油の粘性によるせん断力が駆動源となっている。給油量は、主軸部の回転速度と潤滑油経路を形成する壁面の回転半径に依存する。すなわち、螺旋状の潤滑油経路は主軸部の円筒空洞部に配置しているため、潤滑油経路を形成する壁面の回転半径は、主軸部の円筒空洞部の半径によって制限される。このことにより、主軸部の円筒空洞部の半径が小さい場合、十分な給油量が得られない可能性がある。また、低速運転時における軸受部の油膜厚さの低下については考慮がなされておらず、摩擦損失の増加や信頼性の低下が懸念される。
次に、特許文献2に記載された構造は、モータ高さをスロット巻線構造のモータよりも小さくすることができ、モータの上方および下方にシャフトを軸支する主軸受、副軸受を配置している。圧縮機運転中に各軸受が受ける荷重は、ピストン中心位置と主軸受、副軸受それぞれの高さ方向の間隔によって定まる。特許文献2に記載の構造の場合、小型化を目的としているため、主軸受と副軸受の間隔はスロット巻線構造のモータを用いた圧縮機よりも同等か小さくなるが、軸受が受ける荷重は大きくなる。そのため、低速運転時では軸受部に油膜が形成されにくくなり、摩擦損失の増加や信頼性の低下が懸念される。
そこで、上記課題を解決するために、本発明の目的は、低速運転時における摩擦損失を低減した密閉型圧縮機を提供することにある。また、この密閉型圧縮機を備えることで、消費電力量を低減して信頼性の高い冷蔵庫を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、一例として、密閉容器内に電動要素と、圧縮要素とを備え、前記圧縮要素は、シリンダと、該シリンダ内を往復動するピストンと、該ピストンが接続される偏心部を有するクランクシャフトと、を有し、前記電動要素は、前記クランクシャフトの非偏心部に固定されたロータを有し、前記クランクシャフトの前記非偏心部の外表面には、前記ロータが固定された部位の上側と下側に螺旋溝を有する。
本発明によれば、低速運転時における摩擦損失を低減した密閉型圧縮機を提供することができる。また、この密閉型圧縮機を備えることで、消費電力量を低減して信頼性の高い冷蔵庫を提供することができる。
本発明の実施例1における密閉型圧縮機の縦断面図である 図1の密閉型圧縮機が搭載された冷蔵庫の縦断面図である クランクシャフトの略断面図である 実施例1の密閉型圧縮機のシャフト内部を示す縦断面図である 固定軸部材の側面図である 従来構造の密閉型圧縮機の縦断面図である 実施例1と従来構造のクランクシャフト摺動部への給油量と圧縮機運転速度との関係を示すグラフである 本発明の実施例2における密閉型圧縮機の縦断面図である
以下、本発明の実施形態について図1〜図8を用いて説明する。なお、各実施形態における同一符号は、同一物または相当物を示すが、同様の効果を奏する構成であれば、特にこれに限定するものではない。
本発明の第1の実施例について、図1〜7を用いて説明する。
まず、本実施形態の密閉型圧縮機50について図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の密閉型圧縮機50の縦断面図である。
本実施形態の密閉型圧縮機50は、圧縮要素20と電動要素30とを密閉容器3内に上下に配置すると共に、クランクシャフト7で連結したレシプロ圧縮機である。圧縮要素20及び電動要素30は、密閉容器3内に弾性的に支持されている。
電動要素30は、フレーム1bの下方に配置され、ステータ5及びロータ6を備えている。ステータ5はフレーム1bに固定され、ロータ6は圧入等の手法を用いてクランクシャフト7に固定されている。クランクシャフト7の上端部には、回転中心から偏心したクランクピン7aが設けられている。
クランクシャフト7は、主軸受部1aを貫通してフレーム1bの下方から上方へ延伸しており、クランクピン7aがフレーム1bの上方側に位置するように設けられている。クランクシャフト7は、ロータ6と結合しており、電動要素30の動力によりクランクシャフト7が回転する。クランクシャフト7が回転するとクランクピン7aが偏心回転し、ピストン4が往復動する構成となっている。電動要素30の下側には、クランクシャフト7の下端を軸支する副軸受8が設けられている。本実施例では、副軸受8にラジアルボールベアリング8aが挿入されており、ラジアルボールベアリング8aを介してクランクシャフト7を軸支する構造となっている。なお、軸支方法はこの限りではなく、すべり軸受であっても良い。
圧縮要素20は、シリンダ室を形成するシリンダ1と、シリンダ室内を往復動するピストン4と、このピストン4を駆動するコネクティングロッド2と、シリンダ1端面に組み立てられる吐出弁装置40と、吐出室空間を形成するヘッドカバー17と、を備えている。シリンダ1は、主軸受部1a及びフレーム1bを一体に成形している。ピストン4は、コネクティングロッド2を介してクランクピン7aに連結され、クランクピン7aの偏心回転によりシリンダ室内を往復運動する。
シリンダ1内に供給された冷媒は、ピストン4の往復動によって圧縮され、圧縮されたガス冷媒は、圧縮機外部に連通する吐出管へと送られる。
次に、密閉型圧縮機50を搭載した冷蔵庫60について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態の密閉型圧縮機50が搭載された冷蔵庫60の縦断面図である。冷蔵庫60は冷蔵室62、上段冷凍室63、下段冷凍室64、野菜室65により構成される。なお、冷蔵室62、上段冷凍室63、下段冷凍室64、野菜室65の位置関係は、図2の限りではなく、各貯蔵室の配置を入れ替えたり、上下左右の位置を変更したりした構成であってもよい。
密閉型圧縮機50から吐出された冷媒は、冷媒配管を通り、冷蔵庫60内に設けられた凝縮器、減圧機構を通過し、冷却器66で冷蔵庫内の熱を吸収して、再び圧縮機内へと戻される。この密閉型圧縮機50、凝縮器、減圧機構及び冷却器66からなる冷凍サイクルには、プロパンやイソブタンなどの炭化水素系の冷媒が使用されている。
次に、図1、図3、図4、図5を用いて密閉型圧縮機50の給油構造について説明する。図3はクランクシャフト7の略断面図、図4は図1と同様、密閉型圧縮機50の縦断面図であるが、クランクシャフト7の内部構造を示すために、クランクシャフト7の一部を断面表示している。図5は固定軸部材9の側面図である。クランクシャフト7の外周面の一部に形成された下螺旋溝7gは、その一部が潤滑油35に浸かっている。下螺旋溝7gの壁面と副軸受8とで形成される螺旋状の潤滑油通路内においては、クランクシャフト7の回転による壁面移動に伴い、潤滑油35が粘性の効果で壁面に引きずられ下螺旋溝7g内を下螺旋溝連通孔7hに到達するまで上昇する。
一方、クランクシャフト7下端部は中空構造となっており、中空部7bが設けられている。中空部7bは、一例として、下部が開放端で上部が有底の円筒状形状であり、中繰り加工やドリル加工等によって形成される。中空部7bと下螺旋溝7gは、下螺旋溝連通孔7hにより連通している。中空部7b内には固定軸部材9が挿入されている。固定軸部材9は固定具10によって、クランクシャフト7回転時においても、回転しないように固定されている。固定軸部材9の外周面には、固定軸螺旋溝9aが設けられている。固定軸螺旋溝9aの壁面と中空部7bの壁面とで構成される螺旋状の潤滑油通路内においては、クランクシャフト7の回転による壁面移動に伴い、潤滑油35が粘性の効果で壁面に引きずられ固定軸螺旋溝9a内を上昇する。
固定軸部材9は、中空部7b内に設置された時、下螺旋溝連通孔7hよりも上側に位置する部分の外径が、下側に位置する部分の外径よりも小さくなっている。これは、下螺旋溝7g内を上昇してきた潤滑油が下螺旋溝連通孔7hを通って中空部7b内に流入し、固定軸螺旋溝9a内を上昇してきた潤滑油と合流するので、中空部7b内の流路断面積を広くとる必要があるためである。なお、下螺旋溝連通孔7h内では潤滑油に遠心力が加わるものの、下螺旋溝7g内での潤滑油の粘性力による搬送作用の方が遠心力よりも大きいため、潤滑油は下螺旋溝7gから中空部7b内に流入することが可能である。
中空部7b内を上昇した潤滑油はその後、上螺旋溝連通孔7cを経由して上螺旋溝7d内に流入し、主軸受部1aを潤滑する。
ここで、圧縮機の低速運転時における軸受潤滑の状況について、図1、図4、図6、図7を用いて本実施例と従来構造を比較しながら説明する。図6は、従来構造の密閉型圧縮機の縦断面図の一例である。従来構造では、クランクシャフト7に設けられた中空部7bの下端開口部に、挿入円筒部材21が差し込まれている。挿入円筒部材21の下端には、潤滑油吸入孔21aが形成されており、中空部7b及び挿入円筒部材21の内側には潤滑油吸入孔21aを通じて潤滑油35が出入り可能な構造となっている。クランクシャフト7外周面には、螺旋溝7jが設けられており、中空部7bと螺旋溝7jとは下部連通孔7iによって連通している。下部連通孔7iはクランクシャフト7とロータ6が結合している部位よりも上側に位置している。
ロータ6の回転に伴いクランクシャフト7が回転すると、中空部7b内の潤滑油35の油面形状は遠心力によって、下に凸の回転放物面のような形状になる。油面が遠心力によって下部連通孔7iの位置に到達すると、潤滑油35は下部連通孔7iを通じて螺旋溝7jへと流入し、主軸受部1aを潤滑する。すなわち、従来構造では、クランクシャフト7の摺動部である主軸受部1aへ潤滑油35を供給するために、潤滑油35を下部連通孔7iにまで持ち上げる必要がある。その時の潤滑油35の駆動力は、中空部7b内の潤滑油35に加わる遠心力である。
一方、本実施例の構造において、クランクシャフト7の摺動部へ潤滑油35を供給する駆動力は、上述したように、クランクシャフト7の回転運動によって発生する潤滑油35の粘性力である。この従来構造と本実施例との潤滑油供給の駆動力の違いは、圧縮機の運転速度と給油量の関係に大きな差異を与える。図7は、本実施例と従来構造における、クランクシャフト7の摺動部への給油量と圧縮機運転速度との関係を示したグラフである。この比較試験は、潤滑油粘度及びクランクシャフトの直径が同一の条件で行った。粘性力を駆動力とした場合、給油量はクランクシャフトの回転速度、すなわち圧縮機の運転速度におよそ比例することが文献にも示されている(例えば文献:粘性流体による密封作用に関する研究、日本機械学會論文集、17(60)、pp126−130(1951−10))。一方、遠心力を駆動力とした場合、遠心力は回転速度の2乗に比例するため、低速域で急激に給油量が減少する特性を持つ。その結果、粘性力を利用した本実施例は従来構造よりもより低速域で給油が可能となる構造となっている。例えば、従来構造の場合、900min-1以下の運転速度で十分な給油量を確保することは難しいが、本実施例では500min-1程度を含む運転速度においても十分な給油量を確保することが可能となる。
さらに、本実施例では粘性力を生み出す潤滑油経路である螺旋溝をクランクシャフト7の外周に設けている。この構造は、クランクシャフト7外周面と副軸受8及び主軸受部1aとの間に発生する大きな速度差を最大限利用できるものである。本実施例では、中空部7b内にも固定軸部材9を挿入することで固定軸螺旋溝9aを構成しており、この給油機構は中空部7bと固定軸部材9との速度差を利用して粘性力を発生させている。静止部材と回転部材の速度差は、移動壁面の回転半径に依存するため、中空部7bと固定軸部材9との速度差よりもクランクシャフト7外周面と副軸受8及び主軸受部1aとの間の速度差の方が大きく、結果として潤滑油35に働く粘性力も大きなものとなる。そのため、低速運転時における給油量確保のためには、潤滑油経路をクランクシャフト7内側よりも外側に設けた方が良い。本実施例では、クランクシャフト7の外側及び内側両方に潤滑油経路を設けていることで、十分な量の給油量を確保することが可能となっている。
圧縮機の運転時には、冷媒圧縮荷重がコネクティングロッド2を通じてクランクピン7aに加わる。従来構造では、この荷重を主軸受部1a上部に設けられた上軸受部と、主軸受部1a下端に設けられた下軸受部により軸支している。図6中の白抜き矢印は、圧縮動作時のシャフトに加わる主な外力を模式的に示したものである。この3つの力はクランクピン7aを力点、主軸受部1a上部の上軸受部を支点、主軸受部1a下端の下軸受部を作用点とした関係にある。そのため、主軸受部1aに設けられた上軸受部と下軸受部間の距離が短いほど、軸受に加わる荷重が大きなものとなる。油膜形成を利用した軸受では、軸受に加わる荷重が小さく、軸の回転速度が大きいほど形成される油膜厚さが大きくなる。そのため、軸の回転速度が小さい時には油膜破断による摩擦損失増大やかじり、摩耗といった信頼性の低下が懸念される。
圧縮機の低速運転時、この油膜破断の恐れが生じるが、これは摺動面に潤滑油が供給されていても同様である。よって、圧縮機の低速運転には給油のみならず、クランクシャフト7を軸支する軸受への荷重を低減させることが重要となる。従来構造では、クランクシャフト7に潤滑油35を掻き乱さない位置でロータ6を固定する必要があるため、主軸受部1aに設けられた上軸受と下軸受間の距離には制約がある。すなわち、軸受への荷重低減を目的に主軸受部1aに設けられた上軸受と下軸受間の距離を大きく取ろうとした場合、圧縮機の高さ方向の大きさを拡大する必要がある。
一方、本実施例の構造ではクランクピン7aに加わる冷媒圧縮荷重を主軸受部1aと、ロータ6よりも下方に位置する副軸受8にて軸支している。このとき、クランクピン7aを力点とすると、主軸受部1aが支点、副軸受8が作用点の関係になる。副軸受8はクランクシャフト7とロータ6との固定位置よりも下方にあるため、主軸受部1aと距離を持って配置することができる。すなわち、圧縮機の高さ方向の大きさを維持したまま軸受への荷重低減が可能な構造となっている。本実施例では従来構造の主軸受部1a下端の下軸受部よりも下方に副軸受8が位置しているため、クランクシャフト7を軸支する軸受荷重が低減しており、低速運転時においても油膜破断を抑えた構造である。
本実施形態によれば、低速運転時に摺動部に十分に潤滑油を供給することが可能で、且つクランクシャフトの摺動部の軸受負荷を低減することが可能となるため、低速運転が可能で、低速運転時における摩擦損失が小さい小型化した密閉型圧縮機を提供することができる。
さらに、当該圧縮機を冷蔵庫に搭載すれば、消費電力量が少なく信頼性の高い冷蔵庫を提供することができる。
次に本発明の第2の実施例について図8を用いて説明する。なお、基本構成は実施例1と同様であり、同一の構成については同一符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に記述する。図8は本実施形態の実施例2における密閉型圧縮機の縦断面図である。
本実施例では、副軸受8及び主軸受部1aはクランクシャフト7をすべり軸受にてラジアル方向に軸支している。一方、スラスト方向は主軸受部1a上部に設置したスラストボールベアリング11にて軸支している。本実施例は、実施例1と軸受構成が異なっているものの、クランクシャフト7をラジアル方向に軸支する主軸受部1aと副軸受8の間隔を大きくとることが可能な構造である点で共通であり、軸受負荷低減に配慮がなされている。また、クランクシャフト7の外周面で、且つ主軸受部1aと副軸受8に相対する部分に給油用の螺旋溝が形成されており、低速運転時における給油量確保が可能な構造である。
よって、本実施例によれば、低速運転時に摺動部に十分に潤滑油を供給することが可能でかつ、クランクシャフトの摺動部の軸受負荷を低減することが可能となるため、低速運転が可能で、低速運転時における摩擦損失が小さい小型の密閉型圧縮機を提供することができる。
さらに、当該圧縮機を冷蔵庫に搭載すれば、消費電力量が少なく信頼性の高い冷蔵庫を提供することができる。
以上、各実施例は、密閉容器内に電動要素と、圧縮要素とを備え、前記圧縮要素は、シリンダと、該シリンダ内を往復動するピストンと、該ピストンが接続される偏心部を有するクランクシャフトと、を有し、前記電動要素は、前記クランクシャフトの非偏心部に固定されたロータを有し、前記クランクシャフトの前記非偏心部の外表面には、前記ロータが固定された部位の上側と下側に螺旋溝を有する。これにより、粘性力を利用した本実施例は従来構造よりもより低速域で給油することができる。
また、前記クランクシャフトの前記ロータが固定された部位の上側と下側に、前記クランクシャフトを軸支する軸受を設ける。これにより、クランクシャフトを軸支する軸受荷重が低減して、低速運転時においても油膜破断を抑えることができる。
また、螺旋溝のうち下側の一部が前記密閉容器内に貯留する潤滑油に浸かる。これにより、潤滑油が螺旋溝を上昇し易くすることができる。
また、上側の軸受と接触する前記クランクシャフトの前記非偏心部の軸径は、前記下側の軸受と接触する前記クランクシャフトの前記非偏心部の軸径よりも大きい。これにより、複数の螺旋溝をそれぞれ上昇してきた潤滑油の流量に応じた流路断面積となり、潤滑油の給油効率が向上する。
また、密閉型圧縮機と、該密閉型圧縮機と冷媒配管で連結された冷却器と、を備えた冷蔵庫において、前記密閉型圧縮機は、各実施例のいずれかに記載された密閉型圧縮機であって、500min-1を含む運転速度で運転する。これにより、冷蔵庫の消費電力量を低減することができる。
1…シリンダ、1a…主軸受部、1b…フレーム、2…コネクティングロッド、3…密閉容器、4…ピストン、5…ステータ、6…ロータ、7…クランクシャフト、7a…クランクピン、7b…中空部、7c…上螺旋溝連通孔、7d…上螺旋溝、7g…下螺旋溝、7h…下螺旋溝連通孔、7i…下部連通孔、7j…螺旋溝、8…副軸受、8a…ラジアルボールベアリング、9…固定軸部材、9a…固定軸螺旋溝、10…固定具、11…スラストボールベアリング、17…ヘッドカバー、20…圧縮要素、21…挿入円筒部材、21a…潤滑油吸入孔、25…バランスウェイト、30…電動要素、35…潤滑油、40…吐出弁装置、50…密閉型圧縮機、60…冷蔵庫、61…冷蔵庫本体、62…冷蔵室、63…上段冷凍室、64…下段冷凍室、65…野菜室、66…冷却器

Claims (5)

  1. 密閉容器内に電動要素と、圧縮要素とを備え、
    前記圧縮要素は、シリンダと、該シリンダ内を往復動するピストンと、該ピストンが接続される偏心部を有するクランクシャフトと、を有し、
    前記電動要素は、前記クランクシャフトの非偏心部に固定されたロータを有し、
    前記クランクシャフトの前記非偏心部の外表面には、前記ロータが固定された部位の上側と下側に螺旋溝を有することを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 請求項1記載の密閉型圧縮機において、前記クランクシャフトの前記ロータが固定された部位の上側と下側に、前記クランクシャフトを軸支する軸受を設けたことを特徴とする密閉型圧縮機。
  3. 請求項2記載の密閉型圧縮機において、前記螺旋溝のうち下側の一部が前記密閉容器内に貯留する潤滑油に浸かることを特徴とする密閉型圧縮機。
  4. 請求項2記載の密閉型圧縮機において、前記上側の軸受と接触する前記クランクシャフトの前記非偏心部の軸径は、前記下側の軸受と接触する前記クランクシャフトの前記非偏心部の軸径よりも大きいことを特徴とする密閉型圧縮機。
  5. 密閉型圧縮機と、該密閉型圧縮機と冷媒配管で連結された冷却器と、を備えた冷蔵庫において、
    前記密閉型圧縮機は、請求項1〜4のいずれかに記載された密閉型圧縮機であって、500min-1を含む運転速度で運転することを特徴とする冷蔵庫。
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