JP2009167954A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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純 佐藤
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Abstract

【課題】主軸部と軸受部との摺動部への微小なゴミを含んだ潤滑油の滞留を抑制し、主軸部と軸受部とのわずかな隙間に入り込むゴミの滞留を抑制し、摺動部での損失の増大やキズ付を防止することにより、効率及び信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】シャフト119の軸心に対して傾斜し、下端が潤滑油に開口した遠心ポンプ135と、主軸部115の外周に刻設され、一端が遠心ポンプ135の上部と連通し、他端がシャフト119の上部に連通した螺旋溝137とを備え、螺旋溝137の途中に、一端が螺旋溝137に連通し他端が遠心ポンプ135に連通したオイル戻し通路139を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は密閉型圧縮機の給油機構に関するものである。
近年、家庭用冷凍冷蔵庫や自動販売機、エアコン等の冷凍サイクル装置に使用される密閉型圧縮機は、高い信頼性が求められている。
従来の密閉型圧縮機としては、シャフトの中に給油機構を内蔵したものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来技術の密閉型圧縮機について説明する。
図5は、従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図6は、従来の密閉型圧縮機の要部拡大図である。
密閉容器1内には、潤滑油2を貯留するとともに、電動要素3と電動要素3により駆動される圧縮要素4がそれぞれ収容される。電動要素3と圧縮要素4は一体的に組み立てられ、複数の支持スプリング5により密閉容器1内に弾性支持される。
電動要素3は、プレート状固定子鉄心を積層して銅線を巻きつけた固定子6と、固定子6に回転自在に収容される回転子7とを有する。
圧縮要素4は、回転子7が軸装された主軸部8と主軸部8の上部に配設され、中心軸をずらした偏心軸部9を有するとともに、潤滑油2を上方に汲み上げる給油機構を備えたシャフト10を備えている。
シャフト10の一部を形成する主軸部8の内部には、圧縮要素4や軸受部13などの各摺動部に潤滑油2を供給する遠心ポンプ15が設けられている。遠心ポンプ15の一端は、潤滑油2に開口し、他端は、主軸部8の外周に刻設された螺旋溝16との連結部17に連通している。
さらに、圧縮要素4は、円筒形の圧縮室11を備えたシリンダブロック12と、シリンダブロック12に形成され、シャフト10を回転自在に軸支する軸受部13とを備えている。
シリンダブロック12に形成された圧縮室11内には、往復運動するピストン14が備えられ、ピストン14は、シャフト10の上部に配設された偏心軸部9と回転自在に連結されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素3に通電されると、電動要素3が起動して回転子7が回転し、この回転子7と一体に軸装されたシャフト10が回転され、シャフト10の上部に配設された偏心軸部9の回転運動は、回転自在に連結されたピストン14を圧縮室11内で往復運動させ、冷媒を圧縮する。
密閉容器1に貯留された潤滑油2は、図6中の点線の矢印で示すように、シャフト10の回転により生じる遠心力により、主軸部8の内部に設けられた遠心ポンプ15で上方に汲み上げられ、主軸部8の外周に刻設された螺旋溝16を通り、軸受部13や圧縮要素4の各摺動部に供給される。
一方、電動要素3への通電が遮断されると、回転子7の回転が停止すると同時に、回転子7と一体に軸装されたシャフト10の回転も停止する。この時に、シャフト10の給油経路に溜まった潤滑油2は、図6中の実線の矢印で示すように、運転中とは逆向きに給油経路を流れて、密閉容器1に排出されて下部に貯留される。
特開2000−205129号公報
しかしながら上記従来の特許文献1のような構成では、停止時には摺動部に設けられた螺旋溝16や、遠心ポンプ15と螺旋溝16との連結部17に、微小なゴミを含んだ潤滑油2が滞留する可能性があり、この微小なゴミが摺動部のわずかな隙間に入り込んでしまう可能性があり、次の起動時には、この微小なゴミが、摺動部である主軸部8と軸受部13との間で噛み込み、主軸部8と軸受部13との摺動抵抗が増加し、電動要素3への負荷が大きくなり、効率が低下するとともに、場合によっては、主軸部8と軸受部13との間で焼付きを起こすなど、信頼性が低下するという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、停止時に、微小なゴミを含んだ潤滑油が摺動部に滞留することを抑制し、摺動部のわずかな隙間に入り込んだ微小なゴミによって、摺動部における摺動損失の増大やキズ付を防止することにより、効率の安定化とともに信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、偏心軸部と主軸部とを有するとともに潤滑油を上方に汲み上げる給油機構を備えたシャフトを備え、給油機構は、シャフトの下方に配設され、下端が潤滑油に開口した遠心ポンプと、主軸部の外周に刻設され、一端が遠心ポンプの上部と連通し、他端がシャフトの上部に連通した螺旋溝とを備え、一端が螺旋溝に連通し他端が遠心ポンプに連通したオイル戻し通路を設けたもので、運転時には、螺旋溝により軸受部や圧縮要素の各摺動部に潤滑油が供給され、一方停止時には、給油経路である螺旋溝に溜まった微小なゴミを含んだ潤滑油の大半が、螺旋溝に連通したオイル戻し通路により密閉容器内に排出されるため、微小なゴミを含んだ潤滑油が停止時に摺動部で滞留することを抑制することができ、摺動部のわずかな隙間にゴミが入り込むことを抑制するという作用を有する。
本発明の密閉型圧縮機は、給油経路とは別にオイル戻し通路を設けたもので、潤滑油中に含まれた微小なゴミが、摺動部に滞留することを抑制し、摺動部での摺動損失の増大やキズ付を防止することにより、効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に潤滑油を貯留するとともに、回転子と固定子とからなる電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、偏心軸部と主軸部とを有するとともに前記潤滑油を上方に汲み上げる給油機構を備えたシャフトと、円筒形の圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記シリンダブロックに形成され前記シャフトを軸支する軸受部とを備え、前記主軸部の下方に前記固定子が固着され、前記給油機構は、前記シャフトの下方に配設され、下端が前記潤滑油に開口した遠心ポンプと、前記主軸部の外周に刻設され、一端が前記遠心ポンプの上部と連通し、他端が前記シャフトの上部に連通した螺旋溝とを備え、一端が前記螺旋溝に連通し他端が遠心ポンプに連通したオイル戻し通路を設けたものであり、運転時には螺旋溝により軸受部や圧縮要素の各摺動部に潤滑油が供給され、一方停止時には、給油経路である螺旋溝に溜まった微小なゴミを含んだ潤滑油の大半が、螺旋溝に連通したオイル戻し通路により密閉容器内に排出されるため、微小なゴミを含んだ潤滑油が停止時に摺動部で滞留することを抑制することができ、摺動部のわずかな隙間にゴミが入り込むことを抑制することで、摺動部での摺動損失の増大やキズ付を防止することにより、効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、主軸部が、軸受部との摺動部で軸方向に挟まれて形成された非摺動部の中抜き部を備え、オイル戻し通路の一端が前記中抜き部の下端で螺旋溝に連通したものであり、運転中に中抜き部と軸受部とで形成された空間に滞留している微小なゴミを含んだ潤滑油を、停止時には、給油経路である螺旋溝に溜まった微小なゴミを含んだ潤滑油とともに、中抜き部の下端で螺旋溝に連通したオイル戻し通路により密閉容器内に排出されるため、請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに、摺動部のわずかな隙間にゴミが入り込むことを抑制することができ、摺動部での摺動損失の増大やキズ付を防止することにより、効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、遠心ポンプが、シャフトの軸心に対し下方から上方にかけて外側に傾斜するとともに、オイル戻し通路が、一端が螺旋溝に開口し他端が遠心ポンプの傾斜方向と異なる位置に開口したものであり、遠心ポンプの傾斜方向に沿って上方に潤滑油を汲み上げる給油経路とは別にオイル戻し通路を設けることにより、運転中に遠心ポンプの傾斜方向に沿って汲み上げられる潤滑油がオイル戻し通路によって密閉容器内に戻されることを防止することができ、運転中に汲み上げられる潤滑油が阻害されることがなく、十分な給油量が確保されて各摺動部への潤滑が十分に行えるため、請求項1または2に記載の発明の効果に加えてさらに、負荷変動が起こらず、運転中の効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、オイル戻し通路が、主軸部の外周に刻設され、一端が螺旋溝に連通し他端が軸受部の下端より下方まで延びた第1通路と、一端が軸受部の下方で第1通路に連通し、他端が遠心ポンプに連通した第2通路とを備えたもので、微小なゴミを含んだ潤滑油が多量に第1通路に流れ込むため、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに、中抜き部や摺動部に滞留する潤滑油が回転子の上部に滞留することなく密閉容器内に排出され、摺動部のわずかな隙間にゴミが入り込むことを抑制することができ、摺動部での摺動損失の増大やキズ付を防止することにより、効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、オイル戻し通路の第1通路が、螺旋溝の傾斜と同一方向で、且つリードが前記螺旋溝よりも大きいもので、第1通路は垂直方向に近い僅かな傾斜で設けられているために、運転中には、第1通路により潤滑油を上方に汲み上げることができるため、給油量を増大させ阻害することがなく、一方停止時には、潤滑油自身の自重により、微小なゴミを含んだ潤滑油が多量に第1通路に流れ込むため、請求項4に記載の発明の効果に加えてさらに、中抜き部や摺動部に滞留する潤滑油が多量に早く密閉容器内に排出され、摺動部のわずかな隙間にゴミが入り込むことを抑制することができ、摺動部での摺動損失の増大やキズ付を防止することにより、効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態の密閉型圧縮機におけるシャフトと軸受部の要部拡大図である。
図1、図2において、密閉容器101内には、潤滑油103を貯留するとともに、電動要素105と、電動要素105により駆動される圧縮要素107がそれぞれ収容され、電動要素105と圧縮要素107は、一体的に組み立てられ、複数の支持スプリング109により密閉容器101内に弾性支持される。
電動要素105は、プレート状固定子鉄心を積層して銅線を巻きつけた固定子111と、固定子111に回転自在に収容される回転子113を備えている。
圧縮要素107は、回転子113が軸装された主軸部115と、主軸部115の上方に配設され中心軸をずらした偏心軸部117を有するとともに、潤滑油103を上方に汲み上げる給油機構160を備えたシャフト119と、円筒形の圧縮室121を備えたシリンダブロック123と、密閉容器101内の冷媒(図示せず)を円筒形の圧縮室121に導入する吸入マフラー125と、シリンダブロック123に形成され、シャフト119を回転自在に軸支する軸受部127とを備えている。
シリンダブロック123に形成された円筒形の圧縮室121内には、往復運動するピストン129が備えられ、ピストン129は、コンロッド131を介して、シャフト119の上方に配設された偏心軸部117と回転自在に連結されている。
また、シャフト119の主軸部115には、軸受部127との摺動部162,163で軸方向に挟まれて形成され、外径を減じ、非摺動部である中抜き部133を備えている。更に、シャフト119の一部を形成する主軸部115の内部には、圧縮要素107や軸受部127などの各摺動部に潤滑油103を供給する遠心ポンプ135が設けられている。
給油機構160を構成する遠心ポンプ135の一端は、潤滑油103に開口し、他端は、主軸部115の外周に刻設された螺旋溝137に連通している。螺旋溝137の途中には、一端が螺旋溝137に連通し他端が遠心ポンプ135に連通したオイル戻し通路139が設けられている。
このオイル戻し通路139は、非摺動部である中抜き部133の下端において、螺旋溝137と遠心ポンプ135とを連通するとともに、オイル戻し通路139の遠心ポンプ135への開口部は、遠心ポンプ135の傾斜方向とは異なる位置に開口しており、具体的には傾斜方向に対して60°から180°円周方向にずれた位置に開口している。
遠心ポンプ135の一端と螺旋溝137の一端が連通している連結部141は、軸受部127との摺動部162に面している。
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素105に通電がなされると電動要素105が起動して回転子113が回転する。シャフト119は回転子113と一体に回転し、偏心軸部117の回転運動がコンロッド131を介してピストン129を圧縮室121内で往復運動させる。
密閉容器101内の冷媒(図示せず)は、吸入マフラー125を介して圧縮室121内に吸い込まれ、圧縮室121内のピストン129の往復運動により吸入と圧縮動作が行われる。
次に、運転中の給油経路について説明する。
シャフト119が回転すると、潤滑油103に浸漬しているシャフト119の下方に設けられた遠心ポンプ135に、微小なゴミを含んだ潤滑油103が流入し、回転に伴う遠心力により、点線の矢印で示すように、遠心ポンプ135部の傾斜方向に沿って、外周側壁面を伝わって上方に汲み上げられ、主軸部115の外周面に刻設された螺旋溝137の下端部との連結部141に至る。
遠心ポンプ135の一端と螺旋溝137の下端部との連結部141に至った潤滑油103は、螺旋溝137に沿って上方に汲み上げられ、主軸部115と軸受部127を潤滑しながら、さらに上方に汲み上げられ、コンロッド131やピストン129などの摺動部に供給され、残りは偏心軸部117の上端161より密閉容器101内の空間に放出される。
この運転中においては、遠心ポンプ135の傾斜方向と異なる位置で中抜き部133にオイル戻し通路139が開口しているため、遠心ポンプ135から直接オイル戻し通路139に給油すること防止し、中抜き部133の下方の摺動部162への給油不良を防止することができる。
次に停止時のオイル戻り経路について説明する。
電動要素105への通電が遮断されると、回転子113に軸装されたシャフト119の回転が停止され、主軸部115の外周に刻設された螺旋溝137及び主軸部115の中抜き部133と軸受部127とで形成された空間に溜まった微小のゴミを含んだ潤滑油103の一部は、潤滑油103自身の自重により実線の矢印で示すように、点線の矢印で示した給油経路とは逆に螺旋溝137に沿って下方に流れ、潤滑油103の大半は、螺旋溝137の途中に設けられたオイル戻し通路139及び遠心ポンプ135を経て、密閉容器101の下部に戻る。
また、潤滑油103の一部は、螺旋溝137を下方に流れ、螺旋溝137と遠心ポンプ135との連結部141を経て、遠心ポンプ135の外周側壁面を通って密閉容器101の下部に戻る。
従って、停止時には、給油経路である螺旋溝137に溜まった微小なゴミを含んだ潤滑油103の大半が、螺旋溝137に連通したオイル戻し通路139により密閉容器101内に排出されるため、微小なゴミを含んだ潤滑油103が停止時に摺動部162,163で滞留することを抑制することができ、摺動部162,163のわずかな隙間にゴミが入り込むことを抑制することで、摺動部162,163での摺動損失の増大やキズ付を防止することにより、効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
また、オイル戻し通路139の一端が、中抜き部133の下端の螺旋溝137に連通したことにより、運転中に中抜き部133と軸受部127とで形成された空間に滞留している微小なゴミを含んだ潤滑油103を螺旋溝137に溜まった微小なゴミを含んだ潤滑油103とともに、中抜き部133の下端で螺旋溝137に連通したオイル戻し通路139により密閉容器101内に排出されるため、さらに、摺動部162,163のわずかな隙間にゴミが入り込むことを抑制することができ、摺動部162,163での摺動損失の増大やキズ付を防止することにより、効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
また、オイル戻し通路139は、遠心ポンプ135の傾斜方向と異なる位置に連通したものであり、運転中の給油経路とは異なる位置にオイル戻し通路139を設けたものである。
従って、遠心ポンプの傾斜方向に沿って上方に潤滑油103を汲み上げる給油経路とは別に螺旋溝137に開口したオイル戻し通路139設けることにより、運転中に遠心ポンプ135の傾斜方向に沿って汲み上げられる潤滑油103は、オイル戻し通路139内に戻ることなく螺旋溝137に対向する軸受部127内周壁に沿ってさらに汲み上げられるため、運転中に汲み上げられる潤滑油103が阻害されることがなく、十分な給油量が確保されて各摺動部への潤滑が十分に行えるため、運転中の給油量の変動が起こらないことから、負荷変動が起こらず、運転中の効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の縦断面図、図4は、同実施の形態の密閉型圧縮機におけるシャフトと軸受部の要部拡大図である。
図3、図4において、密閉容器201内には、潤滑油203を貯留するとともに、電動要素205と、電動要素205により駆動される圧縮要素207がそれぞれ収容される。電動要素205と圧縮要素207は、一体的に組み立てられ、複数の支持スプリング209により密閉容器201内に弾性支持される。
電動要素205は、プレート状固定子鉄心を積層して銅線を巻きつけた固定子211と、固定子211に回転自在に収容される回転子213を備えている。
圧縮要素207は、回転子213が軸装された主軸部215と、主軸部215の上方に配設され中心軸をずらした偏心軸部217を有するとともに潤滑油203を上方に汲み上げる給油機構260を備えたシャフト219と、円筒形の圧縮室221を備えたシリンダブロック223と、密閉容器201内の冷媒(図示せず)を円筒形の圧縮室221に導入する吸入マフラー225と、シリンダブロック223に形成され、シャフト219を回転自在に軸支する軸受部227とを備えている。
シリンダブロック223に形成された円筒形の圧縮室221内には、往復運動するピストン229が備えられ、ピストン229は、コンロッド231を介して、シャフト219の上方に配設された偏心軸部217と回転自在に連結されている。
シャフト219の主軸部215には、軸受部227との摺動部262,263で軸方向に挟まれて形成され、外径を減じ、非摺動部である中抜き部233を備えている。
また、シャフト219の一部を形成する主軸部215の内部には、圧縮要素207や軸受部227などの各摺動部に潤滑油203を供給する遠心ポンプ235が設けられている。
給油機構260を構成する遠心ポンプ235の一端は、潤滑油203に開口し、他端は、主軸部215の外周に刻設された螺旋溝237に連通している。さらに、主軸部215の外周に設けられ、一端が螺旋溝237に連通し他端が軸受部227の下端より下方まで延びた第1通路239と、一端が軸受部227の下方まで延びた第1通路239に連通し、他端が遠心ポンプ235内に連通した第2通路241が設けられている。遠心ポンプ235の一端と螺旋溝237の一端が連通している連結部243は、軸受部227との摺動部262に形成されている。
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素205に通電がなされると電動要素205が起動して回転子213が回転する。シャフト219がこの回転子213と一体に回転し、偏心軸部217の回転運動がコンロッド231を介してピストン229を圧縮室221内で往復運動させる。
密閉容器201内の冷媒(図示せず)は、吸入マフラー225を介して圧縮室221内に吸い込まれ、圧縮室221内のピストン229の往復運動により吸入と圧縮動作が行われる。
次に運転中の給油経路について説明する。
シャフト219が回転すると、潤滑油203に浸漬しているシャフト219の下方に設けられた遠心ポンプ235に、微小のゴミを含んだ潤滑油203が流入し、回転に伴う遠心力により、点線の矢印で示すように遠心ポンプ235部の傾斜方向に沿って、外周側壁面を伝わって上方に汲み上げられ、主軸部215の外周面に刻設された螺旋溝237の下端部との連結部243に至る。
遠心ポンプ235の一端と螺旋溝237の下端部との連結部243に至った潤滑油203は、螺旋溝237に沿って上方に汲み上げられ、主軸部215と軸受部227を潤滑しながら、さらに上方に汲み上げられ、コンロッド231やピストン229などの摺動部に供給され、残りは偏心軸部217の上端261より密閉容器201内の空間に放出される。
次に停止時のオイル戻り経路について説明する。
電動要素205への通電が遮断されると、回転子213に軸装されたシャフト219の回転が停止され、主軸部215の外周に刻設された螺旋溝237及び主軸部215の中抜き部233と軸受部227とで形成された空間に溜まった微小のゴミを含んだ潤滑油203の一部は、潤滑油203自身の自重により実線の矢印で示すように、点線の矢印で示した給油経路とは逆に螺旋溝237に沿って下方に流れ、潤滑油203の大半は、主軸部215の外周に設けられた、第1通路239及び第2通路241を経て、遠心ポンプ235の外周側壁面を通って密閉容器201の下部に戻る。
また、潤滑油203の一部は、螺旋溝237を下方に流れ螺旋溝237と遠心ポンプ235との連結部243を経て、遠心ポンプ235の外周側壁面を通って密閉容器201の下部に戻る。
従って、停止時には、給油経路である螺旋溝237と、中抜き部233と軸受部227との空間に溜まった微小なゴミを含んだ潤滑油203の大半が、螺旋溝237に連通した第1通路239及び第2通路241を介して密閉容器201内に排出されるため、微小なゴミを含んだ潤滑油203が停止時に262,263で滞留することを抑制することができ、摺動部262,263のわずかな隙間にゴミが入り込むことを抑制することで、摺動部262,263での摺動損失の増大やキズ付を防止することにより、効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
また、第1通路239は、螺旋溝237の傾斜と同一方向で、且つリードが螺旋溝237よりも大きくしたものである。
従って、運転中には、第1通路239により潤滑油203を上方に汲み上げることができるため、給油量を増大させ阻害することがなく、一方停止時には、潤滑油203自身の自重により、微小なゴミを含んだ潤滑油203が螺旋溝237よりも多量に第1通路239に流れ込むため、さらに、中抜き部233や摺動部262,263に滞留する潤滑油203が多量に早く密閉容器201内に排出され、摺動部のわずかな隙間にゴミが入り込むことを抑制することができ、摺動部での摺動損失の増大やキズ付を防止することにより、効率の安定化とともに信頼性を向上することができる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、給油経路とは別にオイル戻し経路を設けた給油機構により、効率の安定化及び信頼性の向上が可能となるので、家庭用冷蔵庫を初めとして、除湿機やショーケース、自販機等、冷凍サイクルを用いたあらゆる用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態の密閉型圧縮機におけるシャフトと軸受部の要部拡大図 本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態の密閉型圧縮機におけるシャフトと軸受部の要部拡大図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の密閉型圧縮機の要部拡大図
符号の説明
101,201 密閉容器
103,203 潤滑油
105,205 電動要素
107,207 圧縮要素
111,211 固定子
113,213 回転子
115,215 主軸部
117,217 偏心軸部
119,219 シャフト
121,221 圧縮室
123,223 シリンダブロック
127,227 軸受部
133,233 中抜き部
135,235 遠心ポンプ
137,237 螺旋溝
139 オイル戻し通路
160,260 給油機構
162,163,262,263 摺動部
239 第1通路
241 第2通路

Claims (5)

  1. 密閉容器内に潤滑油を貯留するとともに、回転子と固定子とからなる電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、偏心軸部と主軸部とを有するとともに前記潤滑油を上方に汲み上げる給油機構を備えたシャフトと、円筒形の圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記シリンダブロックに形成され前記シャフトを軸支する軸受部とを備え、前記主軸部の下方に前記固定子が固着され、前記給油機構は、前記シャフトの下方に配設され、下端が前記潤滑油に開口した遠心ポンプと、前記主軸部の外周に刻設され、一端が前記遠心ポンプの上部と連通し、他端が前記シャフトの上部に連通した螺旋溝とを備え、一端が前記螺旋溝に連通し他端が前記遠心ポンプに連通したオイル戻し通路を設けた密閉型圧縮機。
  2. 主軸部は軸受部との摺動部で軸方向に挟まれて形成された非摺動部の中抜き部を備え、オイル戻し通路の一端が前記中抜き部の下端で螺旋溝に連通した請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 遠心ポンプは、シャフトの軸心に対し下方から上方にかけて外側に傾斜するとともに、オイル戻し通路は、一端が螺旋溝に開口し他端が前記遠心ポンプの傾斜方向と異なる位置に開口した請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. オイル戻し通路は、主軸部の外周に刻設され、一端が螺旋溝に連通し他端が軸受部の下端より下方まで延びた第1通路と、一端が前記軸受部の下方で第1通路に連通し、他端が遠心ポンプに連通した第2通路とを備えた請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. オイル戻し通路の第1通路は、螺旋溝の傾斜と同一方向で、且つリードが前記螺旋溝よりも大きい請求項4に記載の密閉型圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012020213A (ja) * 2010-07-13 2012-02-02 Ihi Corp ミルローラ軸受の潤滑構造
CN102720660A (zh) * 2012-06-21 2012-10-10 广州万宝集团压缩机有限公司 冰箱压缩机的一体泵油机构
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