JP2014156738A - シリンダー錠の鍵及びその鍵材 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が困難な合鍵を提供すること。
【解決手段】異なる部位の係合部分にそれぞれ対応するように、その長板状のブレードの平坦面の中央部部分にブレードの挿入方向に沿って形成された波状長溝bと、ブレードの側面に形成された窪みcと、この窪みと波状長溝との間に非連通状態に位置し、かつ平坦面の縁部から中央部寄りの部位に向かって形成された水平切欠溝aの3種類の被係合部分を有し、該合鍵を錠本体のキー孔に差し込んだ時、ブレードの各被係合部分に対応して3種類の板状或いは環状可動障害子の各係合部分がそれぞれ係合することにより、所定方向に移動した各板状或いは環状可動障害子の各受け入れ凹所がロッキングバーの係合板部分に対して一致し、以て、合鍵と共に内筒体を解錠方向へ回動させた時、ロックカム溝とロッキングバーとの間に生じる楔作用により、内筒体が外筒体に対して相対回動するシリンダー錠の鍵。
【選択図】図1

Description

本発明はシリンダー錠の鍵に関し、特に板状或いは環状可動障害子が外筒体の半径方向にスライドする方式のシリンダー錠の鍵及びその鍵材に関する。
特許文献1には、「内筒(2)の径方向に断面大略矩形状である鍵挿入孔(3)の短尺巾側面(3a)と長尺巾側面(3b)からガイド孔(4、5)を夫々径方向に外筒まで穿設して、両ガイド孔内に一群のピンタンブラ(6、7)を納めてなるシリンダー錠用の鍵であって、鍵本体(A)を上記鍵挿入孔(3)と適合する断面矩形状に成形すると共にその側面(A)と板面(A)とに上記ピンタンブラ(6、7)をレベル合致状態に作動せしめる鍵部(10、11)を大略倒円錐台形状に凹設形成してなる鍵」が記載されている。なお、前記鍵部とは、断面すり鉢形状の窪みを意味する。
この特許文献1に記載の鍵について検討して見るに、実用新案登録請求の範囲に於いて、例えば鍵挿入孔(3)、一群のピンタンブラ(6、7)を納めてなるシリンダー錠用の鍵、鍵本体(A)を上記鍵挿入孔(3)と適合する断面矩形状に成形する、その側面(A)と板面(A)とに上記ピンタンブラ(6、7)をレベル合致状態に作動せしめる鍵部(10、11)を大略倒円錐台形状に凹設形成してなる等の文言は、該特許文献1の鍵の形状、構造等を特定しているものと理解することができ、また該特許文献1の鍵は、ピンタンブラー方式の錠前に適用されるものであることは、文言上明らかである。
ところで、ピンタンブラー方式の錠前に於いて、その鍵違いを大きくするには、例えば錠前を長くするか、或いはピンタンブラーの形状を細目のものにしなければならないという問題点がある。そもそも、鍵違いを生み出す要素は、基本的にタンブラーの形状の差(半径)の種類と、シリンダーに組み込まれるタンブラーの本数の二つである。
しかして、鍵違いの数をより多くするには、タンブラーの差をより細かい段階に設定するか、タンブラーの数を増やすか、あるいはその両方を行えばよい。ところが、タンブラーの段階と本数(列数)を増やせば鍵違いの数は急激に増すとはいえ、現実にはこれらを無暗に増やすことは難しい。分断部(シアライン)の段階(ピンの移動方向の深さ)を極端に細かく設定すると、タンブラーの先端部や鍵の刻みが摩耗して段差が不明確になった場合、別の鍵でも合いかねない危険性が生じやすい。
一方、ピンの本数を直列方向に増やすと、シリンダーは長くなってしまう。戸の表面からシリンダーが突き出しすぎては、暴力破壊に対して破壊工具の手掛かりになりやすい。したがって、一般には、5段階か6段階に変化するピンをせいぜい7本使用したものが、鍵違い数と耐久性の両立をはかる高品位のシリンダーとして使用されている
以上のように、ピンタンブラー方式の錠前の鍵に於いては、鍵違いを大きくすると言っても、それなりに限界があり、鍵の製造を困難にすることができない。
実開昭59−51958
本発明の所期の目的は、特許文献1の問題点に鑑み、係合部分の形成位置がそれぞれ異なる3種類以上の板状或いは環状可動障害子を内筒体に組み込んだスライドする方式のシリンダー錠の鍵違いを大きくし、よって、合鍵の製造を困難にする要望に応えるものである。すなわち、内筒体の回転軸方向に配列された3種類の板状或いは環状可動障害子にそれぞれ形成された異なる位置の係合部分に対応して、3種類の被係合部分が完全に一致しないとシリンダー錠を解錠することができない鍵を提供することである。付言すると、ブレードの平坦面或いは側面に窪みだけがある合鍵、ブレードの側面に谷状切欠溝だけがある合鍵、ブレードの側面に谷状切欠溝及び平坦面に窪みの両方がある合鍵等よりも、錠本体に対する解錠コードの種類が多くなり、それだけ合鍵の製造が困難となるシリンダー錠の鍵を提供することである。第2の目的は、窪み又は切欠溝の形状や深さが異なることにより、合鍵の種類(鍵違い)が多くなるシリンダー錠の鍵を提供することである。第3の目的は、錠本体の、少なくとも2種類の板状或いは環状可動障害子がそれぞれ二分割され、これらを任意に組み合わせて鍵違いの増大化を得る多種類のシリンダー錠に対応する合鍵を提供することである。加えて、合鍵の鍵材を提供することである。
本発明のシリンダー錠の鍵は、錠本体が、外筒体と、該外筒体に設けられた内筒体と、該内筒体に設けられたロッキングバーと、内筒体の回転軸方向にそれぞれ配列され、かつ前記ロッキングバー用の受け入れ凹所をそれぞれ有すると共に、それぞれ異なる部位に係合部分を有する3種類の板状或いは環状可動障害子とから成るシリンダー錠であり、一方、該シリンダー錠の鍵は、前記異なる部位の係合部分にそれぞれ対応するように、その長板状のブレードの平坦面の中央部部分にブレードの挿入方向に沿って形成された波状長溝bと、ブレードの側面に形成された窪みcと、この窪みと前記波状長溝との間に非連通状態に位置し、かつ平坦面の縁部から中央部寄りの部位に向かって形成された水平切欠溝aの3種類の被係合部分を有し、該合鍵を前記錠本体のキー孔に差し込んだ時、前記ブレードの各被係合部分に対応して前記3種類の板状或いは環状可動障害子の各係合部分がそれぞれ係合することにより、所定方向に移動した各板状或いは環状可動障害子の各受け入れ凹所がロッキングバーの係合板部分に対して一致し、以て、合鍵と共に内筒体を解錠方向へ回動させた時、前記ロックカム溝と前記ロッキングバーとの間に生じる楔作用により、内筒体が外筒体に対して相対回動することを特徴とする。
また本発明のシリンダー錠の鍵は、錠本体が、外筒体と、該外筒体に設けられた内筒体と、該内筒体に設けられたロッキングバーと、内筒体の回転軸方向にそれぞれ配列され、かつ前記ロッキングバー用の受け入れ凹所をそれぞれ有すると共に、それぞれ異なる部位に係合部分を有する3種類の板状或いは環状可動障害子とから成るシリンダー錠であり、一方、該シリンダー錠の鍵は、前記異なる部位の係合部分にそれぞれ対応するように、そのブレードの断面の中心部或いは中心部寄りの部位と直交する線を水平線Hとし、一方、前記中心部と直交する線を垂直線Vとした場合に於いて、前記垂直線Vが通るブレードの外周面の一部にブレードの挿入方向に沿って形成された被係合部分としての波状長溝bが形成され、この波状長溝bの形成位置に対して前記水平線Hが通るブレードの外周面の一部に被係合部分として窪みcが形成され、さらに、前記各被係合部分b、cの間のブレードの外周面の一部に被係合部分としての水平切欠溝aがブレードの中心部寄りの部位に向かって形成され、該合鍵を前記錠本体のキー孔に差し込んだ時、前記ブレードの各被係合部分に対応して前記3種類の板状或いは環状可動障害子の各係合部分がそれぞれ係合することにより、所定方向に移動した各板状或いは環状可動障害子の各受け入れ凹所がロッキングバーの係合板部分に対して一致し、以て、合鍵と共に内筒体を解錠方向へ回動させた時、前記ロックカム溝と前記ロッキングバーとの間に生じる楔作用により、内筒体が外筒体に対して相対回動することを特徴とする。
(a)請求項1に記載の発明は、ブレードに錠本体の3種類の板状或いは環状可動障害子の各係合部分に対応する3種類の被係合部分を有するので、例えば被係合部分としての波状長溝bの形状の違い、或いは被係合部分としての窪みcの位置の違い、或いは被係合部分としての水平切欠溝aの位置の違いの、いずれか一つの違いにより、シリンダー錠の解錠が困難になることから、合鍵の製造が非常に困難であるという優れた効果がある。付言すると、本発明の鍵は、内筒体の回転軸方向に配列された3種類の板状或いは環状可動障害子の各係合部分に対応する平坦面の水平切欠溝a及び波状長溝b、それに側面の窪みが完全に一致しないと、合鍵と共に内筒体を解錠方向へ回すことができないから、合鍵の製造が困難となる。特に、合鍵は、各係合部分の形成位置が異なる3種類の板状或いは環状可動障害子の列方向(合鍵の挿入方向)における組合せ如何によって左右されるので、非常に合鍵の製造が難しくなる。
(b)請求項2に記載の発明は、窪み又は切欠溝の形状や深さが異なることにより、合鍵の種類(鍵違い)が多くなるシリンダー錠の鍵を提供することができる。
(c)請求項3に記載の発明は、ブレードの半径方向の断面形状が、例えば楕円形状、トラック形状等の非円形状の合鍵であっても、錠本体のキー孔(鍵挿入孔)の形状がブレードの前記断面形状に対応する限り、請求項1と同様の効果を得ることができる。
(d)請求項4に記載の発明は、シリンダー錠の板状或いは環状可動障害子の組合せパターンが増大することから、非常に多くの鍵違いの合鍵を提供することができる。
(d)請求項5に記載の発明は、鍵製作者は、少なくとも、一つ以上の被係合部分を基準にして複製キーを作ることができる。
図1乃至図22は本発明の第1実施形態を示す各説明図。図23至図33は本発明の他の実施形態を示す各説明図。図34至図39は本発明用の鍵材を示す各説明図。
使用態様の一例を示す外観斜視図。 図1で示したシリンダー錠Xの軸線0を含む面で切断した概略縦断面図。 合鍵の挿入方向Aに直交する面で切断した概略縦断面図(第1タンブラーが見える)。 内筒体を構成する主たる部材の概略説明図。 合鍵の挿入方向Aに直交する面で切断した概略縦断面図(第2タンブラーが見える)。 第2タンブラーの正面図。 合鍵の挿入方向Aに直交する面で切断した概略縦断面図(第3タンブラーが見える)。 第3タンブラーの正面図。 シリンダー錠の内部構造を示す説明図(断面の位置によって第1乃至第3タンブラーが見える)。 合鍵のブレードの一例を示す斜視からの説明図。 ブレードの異なる部位に「3種類の被係合部分」が存在することを示す便宜的な説明図。 図11の12−12線断面図。 図11の13−13線断面図。 図11の14−14線断面図。 3種類の板状或いは環状可動障害子Xの各係合部分45、55、65との係合関係を示す概略説明図。 図3に於いて、第1タンブラーが解錠位置へ移動した概略縦断面図。 図5に於いて、第2タンブラーが解錠位置へ移動した概略縦断面図。 図7に於いて、第3タンブラーが解錠位置へ移動した概略縦断面図。 図16に於いて、合鍵Yと共に内筒体3を解錠方向へ回動させた途中時の概略縦断面図。 図17に於いて、合鍵Yと共に内筒体3を解錠方向へ回動させた途中時の概略縦断面図。 図18に於いて、合鍵Yと共に内筒体3を解錠方向へ回動させた途中時の概略縦断面図。 (a)と(b)と(c)は、第1乃至第3タンブラーの配列パターン(例えば便宜上6枚で組み合わせた場合)の一例を示す説明図。 本発明を構成する第1タンブラーの異なる実施形態を示す概略説明図(上下に二分割)。 図23の要部(第1タンブラー)の正面図。 本発明を構成する第2タンブラーの異なる実施形態を示す概略説明図(上下に二分割)。 図25の要部(第2タンブラー)の正面図。 合鍵の第2実施形態を示す斜視図。 図27の28−28線概略断面説明図。 (a)は第1タンブラーの第1係合部分と合鍵の水平切欠溝aとの係合を示す概略説明図、(b)は第2タンブラーの第2係合部分と合鍵の長溝bとの係合を示す概略説明図、(c)は第3タンブラーの第3係合部分と合鍵の窪みcとの係合を示す概略説明図。 本発明を構成する第3タンブラーの異なる実施形態を示す概略説明図(上下に二分割)。 図30の要部(第3タンブラー)の正面図。 合鍵の第3実施形態を示す斜視図。 図32の33−33線概略断面説明図。 鍵材の第1実施形態を示す概略説明図。 鍵材の第2実施形態を示す概略説明図。 鍵材の第3実施形態を示す概略説明図。 鍵材の第4実施形態を示す概略説明図。 鍵材の第5実施形態を示す概略説明図。 鍵材の第6実施形態を示す概略説明図。
図1乃至図22は、本発明の一実施形態のシリンダー錠X(ロータリーディスクタンブラー錠)の各説明図である。図1は本発明のシリンダー錠Xを扉1の壁部1aに取り付け、それと共に合鍵Yを示した外観斜視図である。まずこの図1に於いて、Xはタンブラー錠で、このシリンダー錠Xは合鍵Yの操作力により、複数の部材を組み合わせて形成された内筒体3が長筒状の外筒体2に対して相対回動する。
実施形態では、扉1(例えば、住宅の扉、自動販売機の扉など)の壁部1aにシリンダー錠Xが水平状態に固着され、前記内筒体3を構成する錠先端部4に化粧カバー5が外嵌合している。
本発明のシリンダー錠Xの合鍵Yは、シリンダー錠(錠本体)Xの構成によって特徴付けられる。錠本体Xは、外筒体2と、該外筒体に設けられた内筒体3と、該内筒体に設けられたロッキングバー12と、内筒体の回転軸方向Oにそれぞれ配列され、かつ前記ロッキングバー用の受け入れ凹所をそれぞれ有すると共に、それぞれ異なる部位に係合部分を有する3種類の板状或いは環状可動障害子Zとから成る。
さて、図1で示すようにキー孔6を有する錠先端部4及び化粧カバー5は、壁部1aの外壁面から突出している。また内筒体3を構成する錠後端部7は、外筒体2あるいは内筒体3の回転軸方向(軸線)0上に位置するテールピース(出力片)8を有している。なお、符号Aは合鍵Yの挿入方向である。
次に、図2は図1で示したシリンダー錠Xの軸線0を含む面で切断した概略縦断面図である。一方、図3は合鍵Yの挿入方向Aに直交する面で切断した概略縦断面図である。まず図2及び図3を参照してシリンダー錠Xの基本的な構成部材を説明する。
2は長筒状の外筒体で、この外筒体の内周面2aには、該外筒体2の母線に沿ってロックカム溝11が形成されている。実施形態では、略ハの字形あるいは略逆ハの字形の一対のロックカム溝11が母線に沿って、かつ外筒体2の軸線0を基準にして上下の中心部に対称に形成されている。実施形態では外筒体2の上下にロックカム溝11、11が設けられていることから、これに対応して一対のロッキングバー12、12が上下に配設されている。
図3で示すように、ロッキングバー12は、外筒体2のロックカム溝11に対して係脱する外側の尖頭部12aと、この尖頭部に連設形成された内側の係合板部分12bとから成り、内筒体3の外周端部に形成された該内筒体の長手方向の解錠切欠13に適宜に組み込まれている。そして、図2で示すように、内筒体3の錠先端部4の後方に配設された前側の付勢バネ14と、錠後端部7の内端部に配設された後側の付勢バネ14により、各ロッキングバー12は内筒体3の半径外方向にそれぞれ常時付勢されている。
次に図4は、主に内筒体3を構成する部材を、説明の便宜上、適宜に判り易く示した概略説明図である。実施形態の内筒体3は、中心部にキー孔6を有する錠先端部4と、出力突起片としてのテールピース8を中心部に有する錠後端部7と、この錠後端部7と前記錠先端部4との間に設けられ、かつ該軸線方向と直交する複数の仕切板16によって区画形成される複数のタンブラー収容部27並びに複数のタンブラーバネ用収容部28、不番の仕切板用スロット、軸線方向の解錠切欠13等を有すると共に、断面弧状の上下の分割体を複数の仕切板等を介して長筒状に形成された内筒本体15と、この内筒本体に軸線方向に沿って列状に併設されていると共に該軸線方向と直交し、かつ前記タンブラー収容部27及びダンブラーバネ収容部28を形成する複数のトラック形状の仕切板16と、前記内筒本体15の一端開口27aから差し込まれた前記仕切板16の連結孔18を貫通して前記錠先端部4及び錠後端部7に架設された所定長の連結棒19と、同じく前記仕切板16の貫通小孔21を貫通して前記錠先端部4及び錠後端部7に架設された所定長のガイド兼連結棒22とから成る。
ここで、図2乃至図4を参照にして、さらに内筒体3の構成を説明する。まず図4を参照にすると、錠先端部4は、短筒状のヘッド部分4aと、このヘッド部分4aに連設する環状のフランジ部分4bを有し、前述したようにその中心部にキー孔6が形成されている。キー孔6の形状や大きさは、合鍵YのブレードBに対応して適宜に形成されている。そして、前記ヘッド部分4aの先端面は、前記キー孔6に向かってすり鉢形状に形成された案内曲面となっている。また、前記キー孔6の同心円上には、錠先端部4の後端面から内部に向かって所定長の前支持孔25が形成されている。実施形態では二本の連結棒19を用いているので、前支持孔25は所定間隔を有して上下に一対設けられている。
次に図2を参照にすると、26は錠先端部4のフランジ部分4bの後端面に面接触するように内筒本体15の先端部に組み込まれた防御プレートで、この防御プレート26は適宜に焼き入れされていると共に、その中心部にキー孔6と一致する不番の中心孔、その中心部寄りの部位に前支持孔25と一致する不番の挿通孔等が適宜に形成されている。なお、防御プレート26は、例えば内筒本体15の先端部の上方に形成された長孔状の切欠部分を介して内筒本体15内に組み込まれる。
次に図4を基準にすると、内筒本体15は、ハッチングで示した上下の段差状実体部分15a、15aを除き、外周の一端部(図面上、右側)が幅広く、一方、他端部(図面上、左側)が幅狭のタンブラー収容部27を有している。このタンブラー収容部27は、前述したように、複数のトラック形状の仕切板16を内筒本体15に側壁部分に形成された一端開口27aから差し込まれることによって、例えば11個の仕切り空間として形成される(図2参照)。
しかして、図4で示すように、トラック形状の仕切板16によって区画された一つのタンブラー収容部27(手前に見える非ハッチングの部分)は、上下のタンブラーバネ用収容部28と連通すると共に、その上下・左右の幅は、後述する板状或いは環状可動障害子(3種類のタンブラー)Zの外周形状に対応して適宜に設定される。実施形態では、一つのタンブラー収容部27の間口に相当する一端開口27aは幅広く、上下の段差状ストッパー面15b、15b側の奥口に相当する他端開口27bは幅狭である。このタンブラー収容部27は、実施形態では合鍵Yの挿入方向Aに仕切板16を介して列状に合計11個設けられている。
しかして、13は内筒本体15の上部と下部に対称的に形成された解錠切欠で、この解錠切欠13は前述した上下の実体部分15a、15aの中央部に半径内方向に向かって段差状に形成され、その外側幅広切欠13aはロッキングバー12の尖端部12aを嵌合案内し、一方、タンブラー収容部27と連通する内側幅狭切欠13bは前記ロッキングバー12の係合板部分12bを嵌合案内する。28はタンブラー収容部27内の適宜箇所に形成されたバネ端支持面を有するタンブラーバネ収容部で、実施形態では、上下の段差状実体部分15a、15aの内側に対向して水平方向に一対設けられている。
次に同様に図4を参照にして仕切板16を説明する。なお、設計如何によっては仕切板16を円形や楕円形に形成し、内筒本体15の解錠切欠13と一致する仕切板解錠切欠を形成しても良いが、実施形態では、外観上トラック形状に形成している。また設計如何によっては、複数の仕切板16を内筒本体15自体に一体形成しても良い。本実施形態では、出願人が提案した特許第4008302号の特許発明(図3、図4)と同様に、内筒本体15と仕切板16は別個の部材であり、二つの弧状分割片を一体的に組み合わせて内筒本体15を形成した後に、該内筒本体15に多数の仕切板16を一体的に組み込み、タンブラー収容部27を区画形成している。
ところで、両端部又は挿入部端(図面上、左端部)が弧状の嵌合突片を有するトラック形状の仕切板16は、矩形状の連結孔18、小円形状の貫通小孔21及び中央部に形成された横長矩形状の案内開口29を有する。
次に図2と図4を参照にして錠後端部7側の構成を説明する。前述したように、錠後端部7はテールピース8を有するが、該テールピース8は、外筒体2の後端部に設けられたワッシヤーリング31a、ストッパーリング31b等の止め具31を介して外筒体2の後端部内に回動自在に嵌合するテールプラグ32の中心部に取付けられている。
錠後端部7を構成するテールプラグ32は、錠先端部4と同様に連結棒19の後端部を支持する後支持孔33を一対有している。連結棒19は、内筒本体15に組み込まれた後述の板状或いは環状可動障害子Z及び仕切板16を貫通した状態で、その先端部は前支持孔25に、一方、後端部は後支持孔33に支持され、実施形態では、前記前支持孔25に組み込まれた連結棒付勢バネ34によって錠後端部7の方向に付勢されている。またガイド兼連結棒22も連結棒19と同様に板状或いは環状可動障害子Z及び仕切板16を貫通した状態で、図示しない前後の支持孔にそれぞれ支持されている。
さらに錠本体の構成について説明する。まず図3及び図4を参照にして環状に形成された板状或いは環状可動障害子Zを説明する。図3及び図4には板状或いは環状可動障害子Zを構成する3種類のタンブラーの内の第1タンブラー41が見える。例えば図4に記載の第1タンブラー41を基準にすると、右側の大きな弧状に形成された右端部(ここでは「一端部41a」とする)は、外筒体2の内周面2aの曲率に対応して形成されているので、ダンブラーバネ42に付勢されている状態(施錠状態)では、外筒体2の内周面2aに圧接する。左側の小さな弧状端面を有する突起状の左端部(ここでは「突起状他端部41b」とする)は、解錠時、タンブラー収容部27を構成する左側の他端開口27bに係入可能であると共に、その小さな弧状端面は外筒体2の内周面2aにも当接可能である。水平面を有する上側の端部(ここでは「上端部41c」とする)は、ロッキングバー12の係合板部分12用の受け入れ凹所48を有し、水平面を有する下側の端部(ここでは「下端部41d」とする)も、同様に前記係合板部分12用の受け入れ凹所48を有する。なお、後述するように板状或いは環状可動障害子Zは、非真円形状の環状板体に形成している。
しかして、43は中心部に形成されたブレード用貫通孔で、このブレード用貫通孔43は、実施形態では内周縁としての左右の垂直端43aと上下の水平端43bを有する横方向の矩形状に形成されている。そして、ブレード用貫通孔43を形成する左右の垂直端43a、43aの略中央部分には、ブレード用貫通孔43と連通する半径外方向の小さな切欠溝44、44が対向状態に形成され、これにより、小さな切欠溝44の水平端とブレード用貫通孔43の前記垂直端43aが略直交状態に交わる角部分(実施形態では4個)が、例えば合鍵YのブレードBの平坦部71の縁部分71aに形成された水平切欠溝aと係合する第1係合部分45に相当する。実施形態では、前記第1係合部分45は合鍵Yの平坦部71の一側上面と一側下面に形成された上下一対の水平切欠溝aに係合するように上下に一対形成されている。それ故に、前記水平切欠溝aと前記第1係合部分45の係合位置如何によって、第1タンブラー41のスライト位置が決定付けられる。
46はブレード用貫通孔43を挟むように上下に形成された連結棒19用貫通孔で、この連結棒19用貫通孔46は、第1タンブラー41がダンブラーバネ42のバネ力に抗して図面上左側にスライドすることから、長孔矩形状に形成されている。したがって、連結棒19用貫通孔46は第1タンブラー41を案内する案内長孔としての機能を果たす。さらに、47は一端部41aと突起状他端部41bに一対形成された案内長孔で、これらの案内長孔47にはガイド兼連結棒22がそれぞれ挿通する。
次に、図5及び図6を参照にして環状に形成された第2の板状或いは環状可動障害子Zを説明する。図5は図3と同様の縦断面図で、内筒本体15の各タンブラー収容部27内にそれぞれダンブラーバネ42に付勢された状態で外筒体2の内周面2aに大きな弧状面の一端部が圧接した状態で見えるのが第2タンブラー51である。
したがって、図6は板状或いは環状可動障害子Zを構成する3種類のタンブラーの内の第2タンブラー51の正面図である。この第2タンブラー51は、ブレード用貫通孔53及び該ブレード用貫通孔53を形成する上下の水平端53bの中央部に半径内方向に突設形成された第2係合部分55を除き、その余の構成は前述した第1タンブラー41と同様なので、説明の便宜上、同一の符号を付して重複する説明を割愛する。
なお、図6で示すように、第1タンブラー41の場合と同様に上下左右の各端部は、ここでも「一端部51a」、「突起状他端部51b」、「上端部51c」、「下端部51d」とする。この第2タンブラー51も第1タンブラー41と同様に非真円形状の環状形態であるが、鍵違いの増大化を図るためにその中心部を水平方向に切断して「ニ分割」にしても良い。
しかして、第1タンブラー41の第1係合部分45と異なる第2タンブラー51の前記第2係合部分55は、ブレードBの平坦部71の中央部部分にブレードBの挿入方向に沿って波状に形成された長溝bと係合する。付言すると、前記長溝bと前記第2係合部分55の係合位置如何によって、第2タンブラー51のスライト位置が決定付けられる。
図7及び至図8を参照にして環状に形成された第3の板状或いは環状可動障害子Zを説明する。図7は図3(図5)と同様の縦断面図で、内筒本体15の各タンブラー収容部27内にそれぞれダンブラーバネ42に付勢された状態で外筒体2の内周面2aに大きな弧状面の一端部が圧接した状態で見えるのが第3タンブラー61である。
したがって、図8は板状或いは環状可動障害子Zを構成する3種類のタンブラーの内の第3タンブラー51の正面図である。この第3タンブラー61は、ブレード用貫通孔63及び該ブレード用貫通孔63を形成する左右の垂直端63aのいずれか一方(実施形態)又は両方の中央部に半径内方向に突設形成された第3係合部分65を除き、その余の構成は前述した第1タンブラー41や第2タンブラー51と同様なので、説明の便宜上、第1タンブラー41と同一の符号を付して重複する説明を割愛する。
なお、図8で示すように、第1タンブラー41の場合と同様に上下左右の各端部は、ここでも「一端部61a」、「突起状他端部61b」、「上端部61c」、「下端部61d」とする。
しかして、第1タンブラー41の第1係合部分45と異なる第3タンブラー61の前記第3係合部分65は、ブレードBの平坦部71の側端部の中央部分に形成された窪みcと係合する。付言すると、前記窪みcと前記第3係合部分65の係合位置如何によって、第2タンブラー51のスライト位置が決定付けられる。
図9は、本発明のシリンダー錠が、内周面2aにロックカム溝11を有する外筒体2と、この外筒体2に回動自在に嵌合すると共に半径方向の解錠切欠13を有する内筒体3と、この内筒体3に設けられていると共に前記ロックカム溝11と係脱するロッキングバー12(一つでも良い)と、前記内筒体3のタンブラー収容部27にダンブラーバネ42のバネ力に抗して半径方向にスライド自在に設けられ、かつ合鍵YのブレードBの異なる部位にそれぞれ形成された少なくとも3種類の被係合部分(望ましくは大小の水平切欠溝aと、波状の長溝bと、望ましくは大小の窪みc)に対応して係合する3種類の係合部分(第1係合部分45、第2係合部分55、第3係合部分65)をそれぞれ有する少なくとも3種類の板状或いは環状可動障害子Zとから成ることを示す。
図10乃至図15を参照にして、本発明の合鍵Yの一例を説明する。これらの図に於いて、Yは合鍵、Bはブレード(差し込み部分)、71は平坦部、71aは平坦部の一側上面、71bは平坦部の一側下面、bは合鍵のブレードの平面視上或いは斜視上の中央部部分にブレードの挿入方向に沿って波状に形成された長溝、cはブレードBの側面視上の側壁部分の略中央部に形成された窪み、aは前記長溝bと窪みcとの間に非連通状態に位置し、かつ平面視上或いは斜視上の外周面(一側上面71)の縁部から中央部寄りの部位に向かって形成された切欠溝である。
付言すると、実施形態の合鍵Yは、4つの直線状縁部を有する長板状ブレードBの平坦部71の前記縁部分71aに幅方向に形成された複数の水平切欠溝aと、同じく前記平坦部の中央部部分にブレードBの挿入方向に沿って一本の波状に形成された長溝bと、ブレードBの側端部の中央部分に形成された複数の窪みcをそれぞれ有し、一方、実施形態の3種類の板状或いは環状可動障害子Zは、合鍵YのブレードBの平坦面(実施形態では一側上面及び一側下面)に形成された長溝bと左右の側壁面に形成された窪みcとの間に非連通状態に位置し、かつ平面視上或いは斜視上、直線状縁部から中央部寄りの部位に向かって形成された大小複数の水平切欠溝aと係合する第1ダンブラー41と、合鍵YのブレードBの平面視上或いは斜視上の中央部部分にブレードの挿入方向に沿って波状に形成された前記長溝bと係合する第2ダンブラー51と、合鍵YのブレードBの側面視上の側壁部分に形成された前記窪みcと係合する第3ダンブラー61とから成る。
なお、図11はブレードBの外面の適宜箇所に形成された水平切欠溝aと、長溝b及び窪みcを判り易く示したものである。また図15は、3種類の板状或いは環状可動障害子Xの各係合部分45、55、65との係合関係を概略的に示したものである。
図16乃至図18は、合鍵Yをキー孔6に差し込んだ場合に於における3種類の板状或いは環状可動障害子Zのスライド位置をそれぞれ示している。合鍵YのブレードBを内筒体3のキー孔6に差し込んだ時、前記ブレードBの各被係合部分(水平切欠溝a、長溝b及び窪みc)に前記板状或いは環状可動障害子Zの各係合部分(第1係合部分45、第2係合部分55、第3係合部分65)がそれぞれ係合することにより、所定方向へ移動した該板状或いは環状可動障害子Zの各受け入れ凹所48がロッキングバー12の係合板部分12bに対して完全に一致する。
図19乃至図21は、図16乃至図18の状態に於いて、合鍵Yと共に内筒体3を解錠方向へ回動させた時、ロックカム溝11とロッキングバー12との間に生じる楔作用により、内筒体3が外筒体2に対して相対回動することを示す。なお、本発明は板状或いは環状可動障害子Zがタンブラーバネ42のバネ力に抗して、その受け入れ凹所48がロッキングバー12の係合板部分12bと整合する点で、基本的には板状或いは環状可動障害子Zが外筒体の半径方向にスライドする方式のロータリーディスクタンブラー錠である点で、板状或いは環状可動障害子Zが支軸を中心にして揺動する振り子式のロータリーディスクタンブラー錠(特許第4008302号の特許発明)とは技術的原理が相違する。
まず図23及び図24は第1タンブラー41の異なる実施形態を示す概略説明図で、該第1タンブラー41Aは上下に二分割されている。次に図25及び図26は第2タンブラー51の異なる実施形態を示す概略説明図で、該第1タンブラー51Aも、図23等で示す第1タンブラー41Aと同様に上下に二分割されている。なお、第3タンブラー61には変更はない。このように構成すると、3種類の板状或いは環状可動障害子Zの内、少なくとも2種類の板状或いは環状可動障害子をそれぞれ二分割し、これらの上下を任意に組み合わせることで、さらに鍵違いの増大化を得ることができる多種類のシリンダー錠(錠本体)を提供することができる。
次に、図27は合鍵の第2実施形態を示す斜視図である。実施形態の合鍵YのブレードBは、普通一般に使用されている長板のものであるが、例えば合鍵Y1のブレードB1は、長板のものではなく、図27及び半径方向の断面図である図28に示すように外周面の一部又は全部が曲線状に形成された棒状のものであっても良い。この場合には、ブレードB1に「明確な縁部」が存在しないものもあり得るので、図28の概略断面説明図を参照にして、第1乃至第3タンブラー41A、51A、61の3種類の各係合部分(第1係合部分45、第2係合部分55、第3係合部分65)に対応するブレードB1の3種類の各被係合部分(水平切欠溝a、波状長溝b、窪みc)の形成位置を説明すると次の通りである。
すなわち、図28に於いて、HはブレードB1の断面の中心部(軸線)Oと直交する水平線とし、一方、Vを前記中心部(軸線)Oと直交する垂直線とした場合に於いて、前記垂直線Vが通るブレードB1の外周面の一部に前記波状長溝bが形成され、この波状長溝bの形成位置に対して略90度と成る前記水平線Hが通るブレードB1の外周面の一部に前記窪みcが形成され、さらに、前記波状長溝bと前記窪みcの間で、これらの被係合部分と連通しないようにブレードB1の外周面の一部に前記水平切欠溝aがブレードB1の中心部寄りの部位に向かって形成されている。実施形態では、前記窪みcはすり鉢形状であり、また前記水平切欠溝aは端面L字形状である。
しかして、図29の(a)は上下に二分割した第1タンブラー41Aの第1係合部分45と合鍵YIのブレードB1の水平切欠溝aとの係合を示す概略説明図、図29の(b)は上下に二分割した第2タンブラー51Aの第2係合部分55と前記ブレードB1の長溝bとの係合を示す概略説明図、図29の(c)は第3タンブラー61の第3係合部分65とブレードB1の窪みcとの係合を示す概略説明図である。
ところで、図29の(a)乃至(c)は、第1ダンブラー41A、第2ダンブラー51Aの2種類のみ二分割されている実施形態であるが、次に説明するように第3ダンブラー61Aも、前記第1ダンブラー41Aや第2ダンブラー51Aと同様に二分割しても良い。
すなわち、第1ダンブラー、第2ダンブラー及び第3ダンブラーの全部が、複数のガイド棒22を介して二分割されている実施形態である。そこで、念のために図30及び図31は、第3ダンブラー61Aもガイド棒を介して二分割されていることを示す。
ここで、図31を参照にして第1実施形態の第3ダンブラー61(図7)との相違点を簡単に説明すると、第3ダンブラー61Aは上下に二分割されていることから、第1実施形態の第3ダンブラー61の中央部の左右の案内長孔47が、第3ダンブラー61Aでは左右に切断された空間部分47A、47Aとなっている。その余の構成は第3ダンブラー61(図14)と同様なので、同一の符号を付して重複する説明を割愛する。
図32及び図33は、タンブラー錠が第3ダンブラー61Aを採用した場合に使用される合鍵Y2の第3実施形態を示す各説明図である。この合鍵Y2は、第2実施形態の合鍵Y1の設計変更例であるから、合鍵Y1と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。この合鍵Y2は、第3ダンブラー61Aの突起状の上下の係合部分65、65に対応するように、断面トラック形状の左右の側壁部分に上下の窪みc、cがそれぞれ形成され、これら上下の窪みc、cは、ブレードB1の長手方向(合鍵の挿入方向)に所要間隔を有して複数個形成されている。
以上のように、他の実施形態では、第1ダンブラー、第2ダンブラー、第3ダンブラーの内、少なくともいずれか2以上のダンブラーは、ガイド棒を介して二分割されているので、列方向の上下のダンブラーを任意に組み合わせ、さらに複雑な鍵違いを得ることができる。
次に、図34至図39は本発明用の鍵材を示す各説明図である。これらの各図は、本発明のシリンダー錠の鍵用の鍵材をそれぞれ示し、各鍵材のブレードには、少なくとも波状長溝bか、窪みcか、水平切欠溝aのいずれかが形成されている。
まず図34は、鍵材の第1実施形態を示す概略説明図である。この鍵材81は、図34の(a)で示すように、第1実施形態の合鍵Y用の鍵材81であって、ブランクキーとしてのブレードBの平坦面の縁部に被係合部分としての水平切欠溝aが予め形成されている。図34の(b)は、鍵製作者が前記ブランクキーとしてのブレードBに被係合部分としての波状長溝b及び窪みcを加工形成し、本発明の合鍵Yを製作したことを示す。
以下、図35乃至図39も同様であり、図35と図36は、ブレードBに被係合部分としての波状長溝b又は窪みcのいずれかをそれぞれ予め形成した場合を、また図37乃至図39は、ブレードBに被係合部分が予め2種類形成されている場合を示す。
すなわち、図35は鍵材81Aの第2実施形態を示す概略説明図で、図35の(a)はブレードBの平坦面にブレードの挿入方向に波状長溝bが予め形成されていることを示す。そして、図35の(b)は、鍵製作者がブランクキーとしてのブレードBに被係合部分としての水平切欠溝a及び窪みcをそれぞれ加工形成し、本発明の合鍵Yを製作したことを示す。
また図36は、鍵材81Bの第3実施形態を示す概略説明図で、図36の(a)はブレードBの側面に窪みcが予め形成されていることを示す。そして、図36の(b)は、鍵製作者がブランクキーとしてのブレードBに水平切欠溝a及び波状長溝bをそれぞれ加工形成し、本発明の合鍵Yを製作したことを示す。
また図37は、鍵材81Cの第4実施形態を示す概略説明図で、図37の(a)はブレードBの平坦面にブレードの挿入方向に波状長溝bが予め形成されていると共に、平坦面の縁部に水平切欠溝aが形成されていることを示す。そして、図35の(b)は、鍵製作者がブランクキーとしてのブレードBの側面に窪みcを加工形成し、本発明の合鍵Yを製作したことを示す。
また図38は、鍵材81Dの第5実施形態を示す概略説明図で、図38の(a)はブレードBの平坦面にブレードの挿入方向に波状長溝bが予め形成されていると共に、側面に窪みc形成されていることを示す。そして、図38の(b)は、鍵製作者がブランクキーとしてのブレードBの平坦面の縁部に水平切欠溝aを加工形成し、本発明の合鍵Yを製作したことを示す。
最後に図39は、鍵材81Eの第6実施形態を示す概略説明図で、図39の(a)はブレードBの平坦面の縁部に水平切欠溝aが予め形成されていると共に、側面に窪みc形成されていることを示す。そして、図39の(b)は、鍵製作者がブランクキーとしてのブレードBの平坦面にブレードの挿入方向に波状長溝bを加工形成し、本発明の合鍵Yを製作したことを示す。
以上の鍵材81乃至鍵材81Eを鍵製造業者から購入した鍵製作者(鍵屋さん)は、少なくとも、一つ以上の被係合部分を基準にして複製キーを作ることができる。なお、ここで「ブランクキー」とは、ブレードの外面に予め水平切欠溝a、波状長溝b、窪みcのいずれか1つ、又は2つが形成された合鍵の一歩手前の物をいう。
本発明は、錠前や建具の分野で利用することができる。
X…タンブラー錠、
Y、Y1…合鍵、
Z…板状或いは環状可動障害子、
B、B1、B2…ブレード、
a、b、c…被係合部分(水平切欠溝a、波状長溝b、窪みc)、
1…扉、2…外筒体、3…内筒体、
4…錠先端部、6…キー孔、
7…錠後端部7、8…テールピース、
11…ロックカム溝、
12…ロッキングバー、12a…尖端部、12b…係合板部分、
13…解錠切欠、14…付勢バネ、
15…内筒本体、
16…仕切板
18…連結孔、
22…ガイド兼連結棒(ガイド棒)、
27…タンブラー収容部、
28…ダンブラーバネ収容部28、
Z…板状或いは環状可動障害子、
41、41A…第1ダンブラー、
51、51A…第2ダンブラー、
61、61A…第3ダンブラー、
42…ダンブラーバネ、
45、55、65…係合部分、
45…第1係合部分、47…案内長孔、47A…切断された空間部分、
48…受け入れ凹所
55…第2係合部分、65…第3係合部分、
71…平坦部、71a…縁部分、
81乃至81E…鍵材。

Claims (5)

  1. 錠本体が、外筒体と、該外筒体に設けられた内筒体と、該内筒体に設けられたロッキングバーと、内筒体の回転軸方向にそれぞれ配列され、かつ前記ロッキングバー用の受け入れ凹所をそれぞれ有すると共に、それぞれ異なる部位に係合部分を有する3種類の板状或いは環状可動障害子とから成るシリンダー錠であり、一方、該シリンダー錠の鍵は、前記異なる部位の係合部分にそれぞれ対応するように、その長板状のブレードの平坦面の中央部部分にブレードの挿入方向に沿って形成された波状長溝bと、ブレードの側面に形成された窪みcと、この窪みと前記波状長溝との間に非連通状態に位置し、かつ平坦面の縁部から中央部寄りの部位に向かって形成された水平切欠溝aの3種類の被係合部分を有し、該合鍵を前記錠本体のキー孔に差し込んだ時、前記ブレードの各被係合部分に対応して前記3種類の板状或いは環状可動障害子の各係合部分がそれぞれ係合することにより、所定方向に移動した各板状或いは環状可動障害子の各受け入れ凹所がロッキングバーの係合板部分に対して一致し、以て、合鍵と共に内筒体を解錠方向へ回動させた時、前記ロックカム溝と前記ロッキングバーとの間に生じる楔作用により、内筒体が外筒体に対して相対回動するシリンダー錠の鍵。
  2. 請求項1に於いて、窪み又は切欠溝の形状や深さが異なることを特徴とするシリンダー錠の鍵。
  3. 錠本体が、外筒体と、該外筒体に設けられた内筒体と、該内筒体に設けられたロッキングバーと、内筒体の回転軸方向にそれぞれ配列され、かつ前記ロッキングバー用の受け入れ凹所をそれぞれ有すると共に、それぞれ異なる部位に係合部分を有する3種類の板状或いは環状可動障害子とから成るシリンダー錠であり、一方、該シリンダー錠の鍵は、前記異なる部位の係合部分にそれぞれ対応するように、そのブレードの断面の中心部或いは中心部寄りの部位と直交する線を水平線Hとし、一方、前記中心部と直交する線を垂直線Vとした場合に於いて、前記垂直線Vが通るブレードの外周面の一部にブレードの挿入方向に沿って形成された被係合部分としての波状長溝bが形成され、この波状長溝bの形成位置に対して前記水平線Hが通るブレードの外周面の一部に被係合部分として窪みcが形成され、さらに、前記各被係合部分b、cの間のブレードの外周面の一部に被係合部分としての水平切欠溝aがブレードの中心部寄りの部位に向かって形成され、該合鍵を前記錠本体のキー孔に差し込んだ時、前記ブレードの各被係合部分に対応して前記3種類の板状或いは環状可動障害子の各係合部分がそれぞれ係合することにより、所定方向に移動した各板状或いは環状可動障害子の各受け入れ凹所がロッキングバーの係合板部分に対して一致し、以て、合鍵と共に内筒体を解錠方向へ回動させた時、前記ロックカム溝と前記ロッキングバーとの間に生じる楔作用により、内筒体が外筒体に対して相対回動するシリンダー錠の鍵。
  4. 請求項1又は請求項3に於いて、3種類の板状或いは環状可動障害子の、少なくも2種類は、上下に二分割されていることを特徴とするシリンダー錠の鍵。
  5. 請求項1又は請求項3に記載のシリンダー錠の鍵用の鍵材であって、前記鍵材のブレードには、少なくとも波状長溝bか、窪みcか、水平切欠溝aのいずれかが形成されていることを特徴とするシリンダー錠の鍵用の鍵材。
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