以下、本発明の好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態に係る撮像素子と撮影レンズとから成る撮像系の構成図、図1(b)は本発明の実施に形態に係る撮像素子の平面図である。また、図2は本発明の実施の形態に係る撮像素子を有する撮像装置のブロック図である。なお、撮影レンズ1800は、被写体の光学像を形成するためのフォーカスレンズ、ズームレンズなどを含む複数のレンズから構成される光学系であるが、図1(a)では簡便のため一つのレンズとして示している。また、図2において、図1と同じ部分は同じ符号を付して示す。
図1(a)の撮像系において、本発明の実施の形態に係る撮像素子100は、撮影レンズ180の予定結像面に配置され、撮影レンズからの光を受光して画素信号を出力する。
図1(a)に示すように、撮像素子100は、基板101に対して光電変換部(画素)120の2次元配列が形成され、さらに平坦化層102、保護層103、カラーフィルタ層140、平坦化層104が形成されている。
また撮像素子100の画素の2次元配列の前面には、図1(b)に示すように、オンチップマイクロレンズ150の2次元配列が配設され、一つのオンチップマイクロレンズに対して複数(後述するように所定数)の画素の配列が対応している。さらに、オンチップマイクロレンズ150と光電変換部120との間に、上記光学系からの光を光電変換部120に導光する、本発明の特徴である光制御部130が形成されている。
そして、オンチップマイクロレンズ150に対して撮影レンズ180の瞳と光制御部130の光入射面とが共役関係になるように、光路長調整層105が設けられている。
また、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150の曲率中心160とを結ぶ直線pが光制御部130と点170で交わる画素を中心にして、光制御部130の光入射面の光軸方向(図中z方向)の位置が異なっている。即ち、光制御部130の光入射面の光軸方向の位置は、点170に対応する画素からの距離に応じて第1の所定の分布を持つ。
図1(b)に示す撮像素子100の平面図において、151aは画面中央部に位置するオンチップマイクロレンズを示し、151bは画面周辺部に位置するオンチップマイクロレンズを示している。画素151aおよび151bは、いずれも単なる画素の配置位置の例示であり、画素150の構造自体が異なるわけではない。
また図2は本発明に係る撮像素子を有する撮像装置200のブロック図である。
図2において、本発明の撮像装置200は基本構成の撮影レンズ180及び撮像素子100とそれらを制御するためのシステム制御回路120を有している。システム制御回路202は操作スイッチ250の操作に基づいて、レンズ制御回路221を介して撮影レンズ180を駆動する。同様に、システム制御回路2は操作スイッチ250の操作に基づいて撮像素子駆動回路210を制御して、撮像素子100での撮影動作を行う。撮像素子100で撮像された画像信号は、所定のフォーマットでメモリ回路230に記憶される。また、撮像装置200は、画像データを撮像装置1の外部に出力するためのインターフェイス回路240も具備している。
図3乃至図5は、本発明の第1の実施例に係る撮像素子100の構成およびその製造方法を示す図である。なお、図1および図2と同じ部分は同じ符号を付して示し、特に必要がない限り、その説明を省略する。
本実施例において、撮像素子100は裏面照射型CMOS撮像素子であり、オンチップマイクロレンズと光電変換部との間に、光制御部として層内レンズが形成されていることを特徴とする。
図3(a)は本実施例に係る撮像素子の画面中央部のオンチップマイクロレンズ150a付近の断面図、図3(b)は、本実施例に係る撮像素子100の画面中央部のオンチップマイクロレンズ150a付近の正面図である。また、図4(a)は撮像素子の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ150b付近の断面図、図4(b)は撮像素子の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ150b付近の正面図、図5は本実施例に係る撮像素子の製造方法を示す図である。なお、図3および4では、オンチップマイクロレンズ150aおよび150bを例にして、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的中心に位置する画素を説明しているが、他のオンチップマイクロレンズについても同様である。
図3(a)に示すように、本実施例の撮像素子100は基板101に対して配線層310及び光電変換部(画素)120が形成されている。配線層310は、平坦化層314およびその中に設けられた電極311、312、313から構成されている。光電変換部120はシリコン基板に形成されている。
また、光電変換部120の光入射側(図中−z方向)には光制御部である層内レンズ330が形成されている。
層内レンズ330の光入射側には、平坦化層102、保護層103、カラーフィルタ層140、平坦化層104が形成されている。
また、撮影レンズ180から入射する光を集光するオンチップマイクロレンズ150は、撮影レンズ180の瞳と光制御部である層内レンズ330の光入射面とが共役関係になるように構成されている。そのため、オンチップマイクロレンズ150と層内レンズ330との間には所定の膜厚の光路長調整層105が形成されている。図中a1は、オンチップマイクロレンズ150aの光軸である。
図3(b)に示すように、本実施例の撮像素子100は一つのオンチップマイクロレンズ150に対して5×5の光電変換部120を有する画素構成になっている。その結果、撮影レンズ180の瞳上の所定の位置を透過した光束の強度をオンチップマイクロレンズ150と光電変換部120の相対位置で決まる角度情報とともに得ることを可能としている。なお、オンチップマイクロレンズ150に対応する光電変換部120のサイズおよび配置形状は本実施例に限るものではなく、適宜選択できる設計的事項である。
このときオンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素構成のうち、オンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素は、次のような画素となる。即ち、図3(a)に示すように、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150aの曲率中心361とを結ぶ直線p1上に光制御部である層内レンズ330を有する画素となる。具体的には、オンチップマイクロレンズ150aに対して光学的中心に位置する画素は、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150aの曲率中心361とを結ぶ直線p1が層内レンズ330aと点371で交わる画素となる。本実施例の撮像素子では、上記光学的な中心位置にある画素を中心とする5×5の画素をオンチップマイクロレンズに対応する画素信号を読み出す画素に対して、後述する本実施例の特徴とする光制御部の構成を適用する。従って、オンチップマイクロレンズ150の光軸と光学的中心に位置する画素の中心が一致している場合は、図3(b)に示すように、本実施例の特徴が適用される5×5の画素はオンチップマイクロレンズ150に対応する5×5の画素配列となる。しかし、オンチップマイクロレンズ150の光軸と光学的中心となる画素の中心が一致していない場合は、図4(b)に示すように、本実施例の特徴が適用される5×5の画素配列は、オンチップマイクロレンズ150に対応する5×5の画素配列とは一致しない。オンチップマイクロレンズ150に対応する画素信号は、光学的中心に位置する画素を中心とする5×5の画素配列から、駆動回路210により読み出される光電変換信号である。
また、オンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素を中心とする5×5の画素配列に対応して各カラーフィルタ341が形成されている。カラーフィルタ341は、オンチップマイクロレンズ150に対した光学的に中心に位置する画素を中心とする5×5の画素を波長分離するように構成されている。
図3(a)に示すように、本実施例の撮像素子100のカラーフィルタ層140は層内レンズ330の位置に対して精度良く形成するため、層内レンズ330から所定の厚さL2で形成される。このとき、オンチップマイクロレンズ150とカラーフィルタ層140との間の層の厚さをL1とすると、厚さL2は厚さL1に対して十分薄く(L1>>L2)なっている。
本実施例の撮像素子100において、オンチップマイクロレンズ150のパワーと光路長調整層105の厚さは次のように設計されている。撮影レンズ180の瞳から入射する光が、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素の層内レンズ330aに収斂するように、オンチップマイクロレンズ150のパワーと光路長調整層105の厚さが決められている。そして、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ330b、330cの高さが段階的に高くなるように構成されている。また、オンチップマイクロレンズ150の光軸a1上に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ330b、330cの開口径が段階的に広くなるように構成されている(第2の所定の分布)。
図中、点線381、382は、オンチップマイクロレンズ150に対応した光学的な中心位置の画素を中心とする5×5の画素の層内レンズ330の光入射面の位置の変化を示している。オンチップマイクロレンズの光軸方向の高さの異なる層内レンズ330等の製造方法については後述する。
さらに、オンチップマイクロレンズ150aの光軸a1上に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ330b、330cの光軸bは光電変換部120の中心軸cに対して偏心した構成になっている。オンチップマイクロレンズ150aの光軸a1上に位置する画素の層内レンズ330aの光軸b1と光電変換部120aの中心軸c1は略一致する。一方、その周辺に位置する画素の層内レンズ330b、330cの光軸b2、b3は光電変換部120b、120cの中心軸c2、c3に対してそれぞれオンチップマイクロレンズの光軸a1側に偏心した構成になっている。このとき、層内レンズ330cの光軸b3と光電変換部120cの中心軸c3との偏心量は、層内レンズ330bの光軸b2と光電変換部120bの中心軸c2との偏心量より大きい。
このように、本実施例では、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を中心とした5×5の画素の配列内の画素の光制御部である層内レンズ330の高さを、光学的中心の画素からの距離に応じて高くしている。また、オンチップマイクロレンズ150の光軸上に位置する画素を中心とする5×5の画素配列内の層内レンズの開口径を、光軸上に位置する画素からの距離に応じて広くしている。これに加えて、層内レンズ330の光軸bを、対応する光電変換部120の中心軸cに対して一部偏心させている。これらにより、オンチップマイクロレンズ150が集光する撮影レンズの瞳の周辺付近からくる光束の受光効率が低下するのを防止することを可能としている。
図4(a)は、本実施例に係る撮像素子100の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ150b付近の断面図である。なお、図3(a)と同じ部分は同じ符号を付して示す。
図中a2は、オンチップマイクロレンズ154bの光軸である。
図4(b)は、本実施例に係る撮像素子100の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ150b付近の正面図である。一つのオンチップマイクロレンズ154bに対応する光電変換信号が、図中実線で示した5×5の光電変換部120から読み出される画素構成になっている。その結果、図4(b)の場合も、撮影レンズ180の瞳上の所定の位置を透過した光束の強度を角度情報とともに得ることを可能としている。
図4(a)の場合、オンチップマイクロレンズ150に対応して位置する5×5の画素のうち、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素は、次のような画素である。即ち、図4(a)に示すように、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150bの曲率中心464とを結ぶ直線p2上に光制御部である層内レンズ330を有する画素となる。具体的には、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素は、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150bの曲率中心464とを結ぶ直線p2が層内レンズ3130eと点474で交わる画素となる。この光学的中心位置の画素120eは、オンチップマイクロレンズ150bの光軸上に位置する画素120dとは異なり、従って、オンチップマイクロレンズ150bに対応して本発明の構成が適用される5×5の画素は、図4(b)に実線で示す5×5の画素となる。
また、オンチップマイクロレンズ150に対応してカラーフィルタ444が形成されている。カラーフィルタ444は、オンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素を波長分離するように構成されている。
本実施例の撮像素子100において、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素の層内レンズ330eの高さは、撮影レンズ180の瞳から入射する光が層内レンズ330eの光入射面に収斂するように設計されている。そして、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する5×5画素の層内レンズ330d、330fの高さが段階的に高くなるように構成されている。図中、点線483、484は、オンチップマイクロレンズ150に対応した光学的な中心位置の画素を中心とする5×5の画素の層内レンズ330の光入射面の位置の変化を示している。また、オンチップマイクロレンズ150bの光軸上に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ330d、330fの開口径が段階的に広くなるように構成されている。
さらに、層内レンズ330の光軸bは光電変換部120の中心軸cに対して偏心した構成になっている。オンチップマイクロレンズ150bの光軸a2上にある画素の層内レンズ330dの光軸b4と光電変換部120dの中心軸c4は略一致する。一方、その周辺に位置する画素の層内レンズ330e、330fの光軸b5、b6は光電変換部120e、120fの中心軸c5、c6に対してそれぞれオンチップマイクロレンズの光軸a2側に偏心した構成になっている。このとき、層内レンズ330fの光軸b6と光電変換部120fの中心軸c6との偏心量は、層内レンズ330eの光軸b5と光電変換部120eの中心軸c5との偏心量より大きい。
以上のように、本実施例によれば、撮影レンズの射出瞳の中心とオンチップマイクロレンズの曲率中心とを結ぶ直線上に光制御部を有する画素を中心として光制御部である層内レンズの高さを画素単位で段階的に変化させている。また、層内レンズの開口径もオンチップマイクロレンズ150bの光軸上に位置する画素を中心として、画素単位で段階的に変化させ、層内レンズ330の光軸bを光電変換部120の中心軸cに対して一部偏心させている。これらにより、ライトフィールド情報を取得可能な撮像素子を有する撮像装置において、撮影レンズの瞳の周辺付近からくる光束も効率よく受光し、品位の高い画像を取得することが可能となる。
図5は、本実施例に係る裏面照射型CMOS撮像素子100の製造プロセスを説明するための図ある。同図では、撮像素子100の画面中央部の3画素の断面構造を示しているが、他の部分についても同様である。なお、同図において、図3に示されている部分に対応する部分は同じ符号を付して示す。また、他の実施例も含めて、本発明の撮像素子の製造方法は、既存の半導体装置の製造技術を用いて実現可能である。従って、本発明の特有の構成を有する撮像素子を製造するために必要な半導体システム又は装置の制御プログラムは本発明を構成する。
まず、シリコンの半導体基板101に光電変換部120を形成し、さらに配線層110を設けて基板101と接合する(図5(a))。裏面照射型CMOS撮像素子自体の製造方法は、特開2011−119543号公報にて本出願人より開示しているのでここでは省略する。
次に、光電変換部120の上に上述した本実施例に係る層内レンズ330を形成するために、シリコン窒化膜500である半導体膜を所定の厚みで形成する(図5(b))。このとき成膜されたシリコン窒化膜500の厚みは、最も厚みが厚い例えば層内レンズ330cの厚みに設定される。
次にフォトレジスト510を塗布し、露光、現像を行って、本実施例に係る層内レンズの形状、位置に合致したパターンを形成する(図5(c))。このとき、各層内レンズに対応して透過率の異なるグレートーンマスクを用いて露光を行うことにより、厚みの異なる層内レンズ形状パターンを作製する。また、各層内レンズ形状パターンの光軸bは、光電変換部120の中心軸cに対して所定の偏心量を有するように形成される。
次に、ドライエッチングを行って、フォトレジスト510のレンズ形状をシリコン窒化膜500に転写する(図5(d))。
以上の工程で、所定の厚みを有し、光電変換部120に対して所定の偏心量を有する層内レンズ330a、330b、330cが形成される。
厚みの異なる層内レンズ330a、330b、330cが形成されると、シリコン酸化膜102を成膜することにより平坦化を行い、さらにシリコン窒化膜の保護層103を成膜する(図5(e))。
次に、カラーフィルタ層140を形成する。カラーフィルタ層140は、赤、緑、青のそれぞれの色相が撮像素子100の面内の所定の位置に形成される(図5(f))。このとき、カラーフィルタ層140を形成する際のアライメント指標として、図中z方向(撮像素子100の断面方向)の厚みL2が薄い層内レンズ330のアライメント指標を利用できる。このため、カラーフィルタ層140は層内レンズ330に対して精度良く形成することが可能となっている。
カラーフィルタ層140が形成されると、樹脂材料で平坦化層104が形成される(図5(g))。
平坦化層104が形成されると、光路長調整層105が所定の膜厚で形成される。光路長調整層105が形成されるとオンチップマイクロレンズ150が形成される。オンチップマイクロレンズ150は、公知のレジストリフロー法にて形成される。
本実施例では、カラーフィルタ層140までを形成する工程と光路長調整層105及びオンチップマイクロレンズ150を形成する工程とを別々で行うため、カラ−フィルタ層140に、形成後保護層を兼ねた平坦化層104を形成した。しかしながら、カラーフィルタ層140までを形成する工程と光路長調整層105及びオンチップマイクロレンズ150を形成する工程を同一工程で行う場合は、光路長調整層105が平坦化層104を兼ねることになり、製造プロセスを短縮できる効果がある。
図6乃至図8は本発明の第2の実施例に係る撮像素子100の構成およびその製造方法を示す図である。なお、図1乃至図5と同じ部分は同じ符号を付して示し、特に必要がない限り、その説明を省略する。
本実施例において、撮像素子100はCMOS型撮像素子であり、オンチップマイクロレンズと光電変換部との間に、光制御部として光導波路が形成されていることを特徴とする。
図6(a)は、本実施例に係る撮像素子の画面中央部のオンチップマイクロレンズ150a付近の断面図、図6(b)は撮像素子100の画面中央部のオンチップマイクロレンズ150a付近の正面図である。また、図7(a)は撮像素子の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ150b付近の断面図、図7(b)は撮像素子の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ150b付近の正面図、図8は本実施例に係る撮像素子100の製造方法を示す図である。なお、図6および7では、オンチップマイクロレンズ150aおよび150bを例にしてオンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を説明しているが、他のオンチップマイクロレンズについても同様である。
図6(a)に示すように、本実施例の撮像素子200はシリコン基板101に光電変換部(画素)120が形成され、光電変換部120上の配線層610に光制御部である光導波路690が形成されている。配線層610は、平坦化層614およびその中に設けられた電極611、612、6213とから構成されている。
光導波路690の光入射側(図中−z方向)には、平坦化層102、保護層103、カラーフィルタ層140、平坦化層104が形成されている。
また、撮影レンズ180から入射する光を集光するオンチップマイクロレンズ150は、撮影レンズ180の瞳と光制御部である光導波路690の光入射面とが共役関係になるように構成されている。そのため、オンチップマイクロレンズ150と光導波路690との間には所定の膜厚の光路長調整層105が形成されている。図中a1は、オンチップマイクロレンズ150aの光軸である。
図6(b)に示すように、本実施例の撮像素子100は一つのオンチップマイクロレンズ150に対して5×5の光電変換部120を有する画素構成になっている。その結果、撮影レンズ180の瞳上の所定の位置を透過した光束の強度をオンチップマイクロレンズと光電変換部の相対位置で決まる角度情報とともに得ることを可能としている。なお、オンチップマイクロレンズ150に対応する光電変換部120のサイズおよび配置形状は本実施例に限るものではなく、適宜選択できる設計的事項である。
このときオンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素構成のうち、オンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素は、次のような画素である。即ち、図6(a)に示すように、撮影レンズ1800の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150aの曲率中心361とを結ぶ直線p1上に光制御部である光導波路690を有する画素となる。本実施例において、撮像素子100の画面中央部に位置するオンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素は、次の画素となる。即ち、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150aの曲率中心361とを結ぶ直線p1が光導波路690aと点671で交わる画素となる。本実施例の撮像素子では、上記光学的な中心位置にある画素を中心とする5×5の画素をオンチップマイクロレンズに対応する画素信号を読み出す画素として、後述する本実施例の特徴とする光制御部の構成を適用する。従って、オンチップマイクロレンズ150の光軸と光学的な中心位置の画素の中心が一致している場合は、図3(b)に示すように、本実施例の特徴が適用される5×5の画素はオンチップマイクロレンズ150に対応する5×5の画素となる。しかし、オンチップマイクロレンズ150の光軸と光学的な中心となる画素の中心が一致していない場合は、図4(b)に示すように、本実施例の特徴が適用される5×5の画素は、オンチップマイクロレンズ150に対応する5×5の画素とは一致しない。オンチップマイクロレンズ150に対応する画素信号は、光学的な中心位置の画素を中心とする5×5画素から読み出された光電変換信号である。
また、オンチップマイクロレンズ150aに対応してカラーフィルタ341が形成されている。カラーフィルタ341は、オンチップマイクロレンズ150aに対応した5×5の画素を波長分離するように構成されている。
図6(a)に示すように、本実施例の撮像素子100のカラーフィルタ層140は光導波路690の位置に対して精度良く形成するために、光導波路690から所定の厚さL2で形成される。このとき、オンチップマイクロレンズ150aとカラーフィルタ層140との厚さをL1とすると、厚さL2は厚さL1に対して十分薄く(L1>>L2)なっている。
本実施例の撮像素子100の光制御部である光導波路690は、図中の光軸(z軸)方向にテーパ状の形状を成しており、光入射側(図中−z方向)の開口部の面積が光出射側より広くなるように構成されている。
本実施例の撮像素子100において、オンチップマイクロレンズ150aのパワーと光路長調整層105の厚さは、次のように設計されている。撮影レンズ180の瞳から入射する光がオンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素の光導波路690aに収斂するように、オンチップマイクロレンズ150aのパワーと光路長調整層105の厚さが決められている。そして、オンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の光導波路690b、690c等の高さが段階的に高くなるように構成されている。図中、点線681、682は、オンチップマイクロレンズ150aに対応した5×5の画素の光導波路690の光入射面の位置の変化を示している。高さの異なる光導波路690等の製造方法については後述する。
このように、本実施例でも、オンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素を中心にしてその周辺に位置する画素の光制御部である光導波路690の高さを高くしている。また、オンチップマイクロレンズ150aの光軸上に位置する画素を中心にしてその周辺に位置する画素の光入射部の開口が広くなるように構成している。
これらにより、オンチップマイクロレンズ150が集光する撮影レンズの瞳の周辺付近からくる光束の受光効率が低下するのを防止することを可能としている。
図7(a)は、本実施例に係る撮像素子100の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ150b付近の断面図である。図6(a)の撮像素子100の画面中心部のオンチップマイクロレンズ150a付近の断面図と同一の部材には同一の部番が付番されている。図中a2は、オンチップマイクロレンズ150bの光軸である。
図7(b)は、本実施例に係る撮像素子100の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ150b付近の正面図である。図6と同様に、一つのオンチップマイクロレンズ150bに対応する光電変換信号が、図中実線で示した5×5の光電変換部120から読み出される画素構成になっている。その結果、図7(b)の場合も、撮影レンズ180の瞳上の所定の位置を透過した光束の強度を角度情報とともに得ることを可能としている。
図7(a)の場合、オンチップマイクロレンズ150bに対応して位置する5×5の画素のうち、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素は、次のような画素である。即ち、図7(b)に示すように、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150bの曲率中心464とを結ぶ直線p2上に光制御部である光導波路690を有する画素となる。具体的には、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素は、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150bの曲率中心464とを結ぶ直線p2が光導波路690eと点774で交わる画素となる。この光学的な中心位置の画素120eは、オンチップマイクロレンズ150bの光軸上に位置する画素120dとは異なり、従って、オンチップマイクロレンズ150bに対応して本発明の構成が適用される5×5の画素は、図7(b)に実線で示す5×5画素となる。
また、オンチップマイクロレンズ150bに対応してカラーフィルタ444が形成されている。カラーフィルタ444は、オンチップマイクロレンズ150bに対応した5×5の画素を波長分離するように構成されている。
本実施例の撮像素子100において、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素の光導波路690eの高さは、撮影レンズ180の瞳から入射する光が光導波路690eの光入射開口部に収斂するように設計されている。そして、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する5×5画素の光導波路690d、690f等の高さが段階的に変化するように構成されている。図中、点線783、784は、オンチップマイクロレンズ150bに対応した光学的に中心位置の画素を中心とする5×5の画素の光導波路690の光入射面の位置の変化を示している。本実施例の撮像素子100においては、オンチップマイクロレンズ150の光軸a2上に位置する画素の光導波路690dの高さが最も低く、それに隣接する光導波路690e、光導波路690fの高さが段階的に高くなるように構成されている。
以上のように、本実施例によれば、撮影レンズの射出瞳の中心とオンチップマイクロレンズの曲率中心とを結ぶ直線上に光制御部を有する画素を中心として光制御部である光導波路の高さが画素単位で段階的に変化している。これらにより、ライトフィールド情報を取得可能な撮像素子を有する撮像装置において、撮影レンズの瞳の周辺付近からくる光束も効率よく受光し、品位の高い画像を取得することが可能となる。
図8は、本実施例に係る撮像素子100としてのCMOS型撮像素子100の製造プロセスを説明するための図ある。同図では、撮像素子100の画面中央部の3画素の断面構造の製造過程を示していが、他の部分についても同様である。なお、同図において、図6に示されている部分に対応する部分は同じ符号を付して示す。
まず、シリコン基板101にイオンを打ち込むことにより、光電変換部120a、120b、120cを形成する。さらに、電極613、612、611を各電極層間に層間絶縁膜614を挟みながら形成する(図8(a))。層間絶縁膜は、屈折率が約1.5のシリコン酸化膜である。
次に、光電変換部120上の層間絶縁膜614に、上述した本実施例に係る光導波路を形成する溝を作製するために、光導波路の開口に対応してフォトレジスト820をパターニングする(図8(b))。
さらに、このフォトレジスト820をマスクとしてドライエッチング処理を行うことによって層間絶縁膜114に本実施例に係る光導波路を形成するための溝を作製する(図8(c))。
次に、光導波路を構成するシリコン窒化膜821を高密度プラズマCVD法で成膜する。ここで光導波路の高さは、最も高さの低い光導波路690aの高さにあわせて成膜される(図8(d))。シリコン窒化膜821の屈折率は、約1.9である。
さらに、層間絶縁膜614上に成膜された余分のシリコン窒化膜821をドライエッチング処理にて平坦化する(図8(e))。
次に、光導波路690aに隣接する光導波路690b、690cの高さを積み増すために、フォトレジスト822を成膜し、シリコン窒化膜を積み増さない領域に対応したパターニングを行う(図8(f))。
さらにシリコン窒化膜824を所定の厚みで成膜する(図8(g))。このとき成膜されたシリコン窒化膜824の厚みは、光導波路690aと光導波路690bの高さの差に相当する厚みに設定される。
次に、リフトオフ処理を行うことによって、フォトレジスト822を溶解し、成膜されたシリコン窒化膜824の不要な部分を剥離する(図8(h))。
同様に、光導波路690bに隣接する光導波路690cの高さを積み増すために、フォトレジスト826を成膜し、シリコン窒化膜を積み増さない領域に対応したパターニングを行う(図8(i))。
さらにシリコン窒化膜828を所定の厚みで成膜する(図8(j))。このとき成膜されたシリコン窒化膜828の厚みは、光導波路690bと光導波路690cの高さの差に相当する厚みに設定される。
次に、リフトオフ処理を行うことによって、フォトレジスト826を溶解し、成膜されたシリコン窒化膜828の不要な部分を剥離する(図8(k))。以上の工程で、所定の高さを有する光導波路690a、690b、690cが形成される。
高さの異なる光導波路690a、690b、690cが形成されると、シリコン酸化膜102を成膜することにより素子表面の平坦化を行い(図8(l))、さらにシリコン窒化膜の保護層103を成膜する(図8(m))。
次に、カラーフィルタ層140を形成する。カラーフィルタ層140は、赤、緑、青のそれぞれの色相の層が撮像素子100の面内の所定の位置に形成される(図8(n))。
この形成においては、カラーフィルタ層140を形成する際のアライメント指標として、図中z方向(撮像素子100の断面方向)の厚みL2が薄い光導波路690のアライメント指標を利用できる。このため、カラーフィルタ層140は光導波路690に対して精度良く形成することが可能となっている。
カラーフィルタ層140が形成されると、樹脂材料で平坦化層104が形成される(図8(o))。
平坦化層104が形成された後は、図6に示すように、光路長調整層105が所定の膜厚で形成され、次いでオンチップマイクロレンズ150が形成される。オンチップマイクロレンズ150は、公知のレジストリフロー法にて形成される。
本実施例では、カラーフィルタ140までを形成する工程と光路長調整層105及びオンチップマイクロレンズ150を形成する工程とを別々で行うため、カラ−フィルタ140を形成後に保護層を兼ねた平坦化層104を形成した。しかしながら、カラーフィルタ140までを形成する工程と光路長調整層105及びオンチップマイクロレンズ150を形成する工程を同一工程で行う場合は、光路長調整層105が平坦化層104を兼ねることになり、製造プロセスを短縮できる効果がある。
また本実施例では、光導波路690を形成する際、最初に光導波路690の高さの低いものを作製し、次いで徐々に高さを積み増していく例を示した。しかし、最初に光導波路690の高さの高いものを作製し、その後ドライエッチング処理を行って高さを削るようにしてもよい。
図9乃至図11は、本発明の第3の実施例に係る撮像素子100の構成および製造方法を示す図である。本実施例の撮像素子は、CMOS型撮像素子であり、オンチップマイクロレンズと光電変換部との間に、光制御部として層内レンズ及び光導波路とが形成されていることを特徴とする。なお、図9乃至11において、図1乃至8に示されている部分と同じ部分は同じ符号を付して示し、特に必要がない限り、その説明を省略する。
図9(a)は、本実施例に係る撮像素子の画面中央部のオンチップマイクロレンズ105a付近の断面図、図9(b)は撮像、本実施例に係る素子の画面中央部のオンチップマイクロレンズ105a付近の正面図である。また、図10(a)は、本実施例に係る撮像素子の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ105b付近の断面図、図10(b)は、本実施例に係る撮像素子の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ105b付近の正面図である。図11は本実施例に係る撮像素子の製造プロセスを説明するための図である。なお、図9および10でも、オンチップマイクロレンズ150aおよび150bを例にしてオンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を説明しているが、他のオンチップマイクロレンズについても同様である。
図9(a)に示すように、本実施例の撮像素子100はシリコン基板101に光電変換部(画素)120が形成され、光電変換部120上の配線層110に光制御部である層内レンズ930及び光導波路990が形成されている。配線層610は、平坦化層114およびその中に設けられた電極611、612、613とから構成されている。
層内レンズ930の光入射側(図中−z方向)には、平坦化層102、保護層103、カラーフィルタ層140、平坦化層104が形成されている。
また、撮影レンズ180から入射する光を集光するオンチップマイクロレンズ150は、撮影レンズ180の瞳と光制御部である層内レンズ930及び光導波路990の光入射面とが共役関係になるように構成されている。そのため、オンチップマイクロレンズ150と層内レンズ930との間には所定の膜厚の光路長調整層105が形成されている。ここで、図中a1は、オンチップマイクロレンズ150aの光軸である。
図9(b)に示すように、本実施例の撮像素子100は一つのオンチップマイクロレンズ150に対して5×5の光電変換部120を有する画素構成になっている。その結果、撮影レンズ180の瞳上の所定の位置を透過した光束の強度を、オンチップマイクロレンズと光電変換部の相対位置で決まる角度情報とともに得ることを可能としている。なお、同図において層内レンズ930の図示を省略してあり、また、オンチップマイクロレンズ150に対応する光電変換部120のサイズおよび配置形状は本実施例に限るものではなく、適宜選択できる設計的事項である。
本実施例の撮像素子100において、層内レンズ930の外形形状は光導波路990の開口形状とほぼ同等の矩形形状になっている。
オンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素構成のうち、オンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素は、次のような画素になる。即ち、図9(a)に示すように、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150aの曲率中心361とを結ぶ直線p1上に光制御部である層内レンズ930及び光導波路990を有する画素となる。具体的には、オンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素は、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150の曲率中心361とを結ぶ直線p1が層内レンズ930aと点971で交わる画素となる。本実施例の撮像素子では、上記光学的な中心位置にある画素を中心とする5×5の画素をオンチップマイクロレンズに対応する画素信号を読み出す画素として、後述する本実施例の特徴とする光制御部の構成を適用する。従って、オンチップマイクロレンズ150の光軸と光学的な中心位置の画素の中心が一致している場合は、図3(b)に示すように、本実施例の特徴が適用される5×5の画素はオンチップマイクロレンズ150に対応する5×5の画素となる。しかし、オンチップマイクロレンズ150の光軸と光学的な中心となる画素の中心が一致していない場合は、図4(b)に示すように、本実施例の特徴が適用される5×5の画素は、オンチップマイクロレンズ150に対応する5×5の画素とは一致しない。オンチップマイクロレンズ150に対応する画素信号は、光学的な中心位置の画素を中心とする5×5画素から読み出された光電変換信号である。
また、オンチップマイクロレンズ150に対応してカラーフィルタ341が形成されている。カラーフィルタ341は、オンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素を波長分離するように構成されている。
図9(a)に示すように、本実施例の撮像素子100のカラーフィルタ層140は層内レンズ930の位置に対して精度良く形成するために、層内レンズ930から所定の厚さL2で形成される。このとき、オンチップマイクロレンズ150とカラーフィルタ層140との厚さをL1とすると、厚さL2は厚さL1に対して十分薄く(L1>>L2)なっている。
本実施例の撮像素子100の光制御部である光導波路990は、図中光軸(z軸)方向にテーパ上の形状を成すよう構成されており、このため光入射側(図中−z方向)の開口部の面積が広くなっている。
本実施例の撮像素子100において、オンチップマイクロレンズ150のパワーと光路長調整層105の厚さは、次のように設計されている。すなわち、撮影レンズ180の瞳から入射する光が、オンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素の層内レンズ930aに収斂するように、オンチップマイクロレンズ150のパワーと光路長調整層105の厚さが決定されている。そして、オンチップマイクロレンズ150aに対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の光導波路990b、990cの高さが段階的に高くなるように構成されている。その結果、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ930b、930cの光入射面は、段階的にオンチップマイクロレンズ150に近くなっている。図中、点線381は、オンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素の層内レンズ930の光入射面の位置の変化を示す。また、オンチップマイクロレンズ150の光軸a1上に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ930b、930cの開口面積は光導波路990の開口形状に対応して段階的に広くなるように構成されている。高さの異なる光導波路990上に層内レンズ930を製造する方法については後述する。
このように、本実施例では、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を中心にしてその周辺に位置する画素の光制御部である層内レンズ930を有する光導波路990の高さを高くしている。また、オンチップマイクロレンズ150の光軸a1上に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ930の開口面積を広くしている。これらにより、オンチップマイクロレンズ150が集光する撮影レンズの瞳の周辺付近からくる光束の受光効率が低下するのを防止することが可能となる。
図10(a)は、本実施例に係る撮像素子100の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ150b付近の断面図である。なお、図9(a)と同じ部分は同じ符号を付して示す。図中a2は、オンチップマイクロレンズ150bの光軸である。
図10(b)は、本実施例に係る撮像素子100の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ150b付近の正面図である。図9と同様に、一つのオンチップマイクロレンズ150に対応する光電変換信号が、図中実線で示した5×5の光電変換部120から読み出される画素構成になっている。その結果、図10(b)の場合も、撮影レンズ180の瞳上の所定の位置を透過した光束の強度を角度情報とともに得ることを可能としている。なお、同図においても、層内レンズ930の図示を省略してある。
図10(a)の場合、オンチップマイクロレンズ150に対応して位置する5×5の画素構成のうち、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素は、次のような画素である。即ち、図10(a)に示すように、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150bの曲率中心464とを結ぶ直線p2上に光制御部である層内レンズ930を有する画素となる。具体的には、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素は、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150の曲率中心464とを結ぶ直線p2が層内レンズ930eと点974で交わる画素となる。この光学的中心位置の画素120eは、オンチップマイクロレンズ150bの光軸上に位置する画素120dとは異なり、従って、オンチップマイクロレンズ150bに対応して本発明の構成が適用される5×5の画素は、図10(b)に実線で示す5×5画素となる。
また、オンチップマイクロレンズ150に対応してカラーフィルタ444が形成されている。カラーフィルタ444は、オンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素を波長分離するように構成されている。
本実施例の撮像素子100において、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素の光導波路990eの高さは、撮影レンズ180の瞳から入射する光が層内レンズ930eの光入射面に収斂するように設計されている。そして、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の光導波路990d、990fの高さが段階的に高くなるように構成されている。その結果、オンチップマイクロレンズ150bに対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ930d、930fの光入射面が段階的にオンチップマイクロレンズ150bに近くなっている。図中、点線1084は、オンチップマイクロレンズ150に対応した光学的な中心位置の画素を中心とする5×5の画素の層内レンズ930の光入射面の位置の変化を示している。また、オンチップマイクロレンズ150の光軸a2上に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ930d、930fの開口面積は光導波路990の開口形状に対応して段階的に広くなるように構成されている。
以上のように、本実施例によれば、撮影レンズの射出瞳の中心とオンチップマイクロレンズの曲率中心とを結ぶ直線上に光制御部を有する画素を中心として光制御部である層内レンズ及び光導波路の高さを画素単位で段階的に変化させている。また、オンチップマイクロレンズ150の光軸a2上に中心に位置する画素を中心にして、層内レンズの開口面積をも段階的に変化させるように構成している。これらにより、ライトフィールド情報を取得可能な撮像素子を有する撮像装置において、撮影レンズの瞳の周辺付近からくる光束も効率よく受光し、品位の高い画像を取得することが可能となる。
図11は、本実施例に係る撮像素子100としてのCMOS型撮像素子100の製造プロセスを説明するための図ある。同図では、撮像素子100の画面中央部の3画素の断面構造を示しているが、他の部分についても同様である。なお、同図において図9と同じ部分は、同じ符号を付して示す。
まず、シリコン基板101にイオンを打ち込むことにより、光電変換部120a、120b、120cを形成する。さらに、電極613、612、611を各電極層間に層間絶縁膜114を挟みながら形成する(図11(a))。層間絶縁膜は、屈折率が約1.5のシリコン酸化膜である。
次に、光電変換部120上の層間絶縁膜114に、上述した本実施例に係る光導波路を形成する溝を作製するために、光導波路の開口に対応してフォトレジスト1130をパターニングする(図11(b))。
さらに、このフォトレジスト1130をマスクとしてドライエッチング処理を行うことによって層間絶縁膜114に光導波路を形成するための溝を作製する(図11(c))。
次に、光導波路を構成するシリコン窒化膜1132を高密度プラズマCVD法で成膜する。ここで光導波路の高さは、最も高さの高い光導波路990cの高さと層内レンズ930cの厚さにあわせて成膜される(図11(d))。シリコン窒化膜1132の屈折率は、約1.9である。
さらに、層間絶縁膜114上に成膜された余分のシリコン窒化膜1132をCMP処理にて平坦化する(図11(e))。
次に、光導波路990の上に層内レンズ930を形成するために、フォトレジスト1134を塗布し、露光、現像を行って、層内レンズの形状および位置に合致したパターンを形成する(図11(f))。このとき、各層内レンズに対応して透過率の異なるグレートーンマスクを用いて露光を行うことにより、光導波路990b、990aの高さを削るような層内レンズ形状パターンを作製している。
次に、ドライエッチングを行って、フォトレジスト1134のレンズ形状をシリコン窒化膜1132に転写する(図11(g))。
以上の工程で、所定の高さを有する、本実施例に係る光導波路990a、990b、990c及び層内レンズ930a、930b、930cとが形成される。
高さの異なる光導波路990a、990b、990c及び層内レンズ930a、930b、930cとが形成されると、シリコン酸化膜102を成膜することにより平坦化を行い(図11(h))、さらにシリコン窒化膜の保護層103を成膜する(図11(i))。
次に、カラーフィルタ層140を形成する。カラーフィルタ層140は、赤、緑、青のそれぞれの色相が撮像素子100の面内の所定の位置に形成される(図11(j))。このとき、カラーフィルタ層140を形成する際のアライメント指標として、図中z方向(撮像素子100の断面方向)の厚みL2が薄い層内レンズ930のアライメント指標を利用できる。このため、カラーフィルタ層140は層内レンズ930に対して精度良く形成することが可能となっている。
カラーフィルタ層140が形成されると、樹脂材料で平坦化層104が形成される(図11(k))。
平坦化層104が形成されると、光路長調整層105が所定の膜厚で形成される。光路長調整層105が形成されるとオンチップマイクロレンズ150が形成される。オンチップマイクロレンズ150は、公知のレジストリフロー法にて形成される。
本実施例では、カラーフィルタ層140までを形成する工程と光路長調整層105及びオンチップマイクロレンズ150を形成する工程とを別々で行うため、カラ−フィルタ層140を形成後保護層を兼ねた平坦化層104を形成した。しかしながら、カラーフィルタ層140までを形成する工程と光路長調整層105及びオンチップマイクロレンズ150を形成する工程を同一工程で行う場合は、光路長調整層105が平坦化層104を兼ねることになり、製造プロセスを短縮できる効果がある。
また本実施例では、光導波路990を形成する際最初に光導波路990の高さの高いものを作製し中央に位置する画素の光導波路の高さを削る例を示した。しかし、最初に光導波路390の高さの低いものを作製しその後周辺に位置する画素の光導波路の高さを積み増していくようにしても構わない。
図12〜図14は、本発明の第4の実施例に係る撮像素子100の構成および製造方法を示す図である。なお、図12乃至14において、図1乃至11に示されている部分と同じ部分は、同じ符号を付して示し、特に必要がない限り、その説明を省略する。本実施例の撮像素子は、CMOS型撮像素子であり、第3の実施例と同様に、オンチップマイクロレンズと光電変換部との間に、光制御部として層内レンズ及び光導波路とを形成するが、導波路の高差は一定とし、層内レンズの厚さを変化させることを特徴とする。また、層内レンズの開口面積は、一定である。
図12(a)は、本実施例に係る撮像素子の画面中央部のオンチップマイクロレンズ105a付近の断面図、図12(b)は、本実施例に係る撮像素子の画面中央部のオンチップマイクロレンズ105a付近の正面図である。また、図13(a)は、本実施例に係る撮像素子の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ105b付近の断面図、図13(b)は、本実施例に係る撮像素子の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ105b付近の正面図である。図14は、本実施例に係る撮像素子の製造プロセスを説明するための図である。なお、図12および13でも、オンチップマイクロレンズ150aおよび150bを例にしてオンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を説明しているが、他のオンチップマイクロレンズについても同様である。
図12(a)に示すように、本実施例の撮像素子100はシリコン基板101に光電変換部(画素)120が形成され、光電変換部120上の配線層610に光制御部である層内レンズ1230及び光導波路1290とが形成されている。配線層910は、平坦化層114およびその中に設けられた電極611、612、613とから構成されている。
層内レンズ1230の光入射側(図中−z方向)には、平坦化層102、保護層103、カラーフィルタ層140、平坦化層104が形成されている。
また、150は撮影レンズ180から入射する光を集光するオンチップマイクロレンズは、撮影レンズ180の瞳と光制御部である層内レンズ1230及び光導波路1290の光入射面とが共役関係になるように構成されている。そのため、オンチップマイクロレンズ150と層内レンズ1230との間には所定の膜厚の光路長調整層105が形成されている。ここで、図中a1は、オンチップマイクロレンズ150の光軸である。
図12(b)に示すように、本実施例の撮像素子100は一つのオンチップマイクロレンズ150に対して5×5の光電変換部120を有する画素構成になっている。その結果、撮影レンズ180の瞳上の所定の位置を透過した光束の強度を、オンチップマイクロレンズと光電変換部の相対位置で決まる角度情報とともに得ることを可能としている。なお、同図において層内レンズ930の図示を省略してあり、また、オンチップマイクロレンズ150に対応する光電変換部120のサイズおよび配置形状は本実施例に限るものではなく、適宜選択できる設計的事項である。
本実施例に係る撮像素子100において、層内レンズ1230の外形形状は光導波路1290の開口形状とほぼ同等の矩形形状になっている。
オンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素構成のうち、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素は、次のような画素になる。即ち、図12(a)に示すように、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150の曲率中心361とを結ぶ直線p1上に光制御部である層内レンズ1230及び光導波路1290を有する画素となる。具体的には、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素は、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150の曲率中心361とを結ぶ直線p1が層内レンズ1230aと点1271で交わる画素となる。本実施例の撮像素子では、上記光学的な中心位置にある画素を中心とする5×5の画素をオンチップマイクロレンズに対応する画素信号を読み出す画素として、後述する本実施例の特徴とする光制御部の構成を適用する。従って、オンチップマイクロレンズ150の光軸と光学的な中心位置の画素の中心が一致している場合は、図3(b)に示すように、本実施例の特徴が適用される5×5の画素はオンチップマイクロレンズ150に対応する5×5の画素となる。しかし、オンチップマイクロレンズ150の光軸と光学的な中心となる画素の中心が一致していない場合は、図4(b)に示すように、本実施例の特徴が適用される5×5の画素は、オンチップマイクロレンズ150に対応する5×5の画素とは一致しない。オンチップマイクロレンズ150に対応する画素信号は、光学的な中心位置の画素を中心とする5×5画素から読み出された光電変換信号である。
また、オンチップマイクロレンズ150に対応してカラーフィルタ341が形成されている。カラーフィルタ341は、オンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素を波長分離するように構成されている。
図12(a)に示すように、本実施例の撮像素子100のカラーフィルタ層140は層内レンズ1230の位置に対して精度良く形成するために、層内レンズ1230から所定の厚さL2で形成される。このとき、オンチップマイクロレンズ451とカラーフィルタ層140との厚さをL1とすると、厚さL2は厚さL1に対して十分薄く(L1>>L2)なっている。
本実施例の撮像素子100の光制御部である光導波路1290は図中光軸(z軸)方向にテーパ上の形状を成すよう構成されており、このため光入射側(図中−z方向)の開口部の面積が広くなっている。
本実施例の撮像素子100において、オンチップマイクロレンズ150のパワーと光路長調整層105の厚さは、次のように設計されている。即ち、撮影レンズ180の瞳から入射する光が、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素の層内レンズ1230aに収斂するように、オンチップマイクロレンズ150のパワーと光路長調整層105の厚さは決定されている。そして、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ1230b、1230cの高さが段階的に高くなるように構成されている。その結果、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する画素の層内レンズ430b、430cの光入射面は、段階的にオンチップマイクロレンズ150に近くなっている。図中、点線1281はオンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素の層内レンズ1230の光入射面の位置の変化を示す。
光導波路1290上に高さの異なる層内レンズ1230を製造する方法については後述する。
このように、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を中心にしてその周辺に位置する画素の光制御部である層内レンズ1230を有する光導波路1290の高さを高くしている。これにより、オンチップマイクロレンズ150が集光する撮影レンズの瞳の周辺付近からくる光束の受光効率が低下するのを防止することが可能になる。
図13(a)は、本実施例に係る撮像素子100の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ105b付近の断面図である。なお、図12(a)と同じ部分は、同じ符号を付して示す。図中a2は、オンチップマイクロレンズ150の光軸である。
図13(b)は、本実施例に係る撮像素子100の画面周辺部のオンチップマイクロレンズ105b付近の正面図で、図12(a)と同様に、一つのオンチップマイクロレンズ454に対して図中実線で示した5×5の光電変換部120を有する画素構成を有する。
その結果、撮影レンズ180の瞳上の所定の位置を透過した光束の強度を角度情報とともに得ることを可能としている。なお、同図においても、層内レンズ930の図示を省略してある。
図13(b)の場合も、オンチップマイクロレンズ150に対応して位置する5×5の画素のうち、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素は、次のような画素である。即ち、図13(a)に示すように、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150の曲率中心464とを結ぶ直線p2上に光制御部である層内レンズ1230を有する画素となる。具体的には、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素は、撮影レンズ180の射出瞳の中心182とオンチップマイクロレンズ150の曲率中心464とを結ぶ直線p2が層内レンズ1230eと点1374で交わる画素となる。この光学的中心位置の画素120eは、オンチップマイクロレンズ150bの光軸上に位置する画素120dとは異なり、従って、オンチップマイクロレンズ150bに対応して本発明の構成が適用される5×5の画素は、図13(b)に実線で示す5×5画素となる。
また、オンチップマイクロレンズ150に対応してカラーフィルタ144が形成されている。カラーフィルタ144は、オンチップマイクロレンズ150に対応した5×5の画素を波長分離するように構成されている。
本変形例に係る撮像素子100において、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素の層内レンズ1230eの高さは、撮影レンズ180の瞳から入射する光が層内レンズ1230eの光入射面に収斂するように設計されている。そして、オンチップマイクロレンズ150に対して光学的に中心に位置する画素を中心にして、その周辺に位置する5×5の画素の層内レンズ1230d、1230fの高さが段階的に高くなっている。図中、点線1384は、オンチップマイクロレンズ150に対応した光学的な中心位置の画素を中心とする5×5の画素の層内レンズ1230の光入射面の変化を示している。
以上のように、本実施例によれば、撮影レンズの射出瞳の中心とオンチップマイクロレンズの曲率中心とを結ぶ直線上に光制御部を有する画素を中心として光制御部である層内レンズの高さを段階的に変化させている。これにより、撮影レンズの瞳の周辺付近からくる光束も効率よく受光し、ライトフィールド情報を取得可能な撮像素子を有する撮像装置において、品位の高い画像を取得することが可能となる。
図14は、本実施例に係る撮像素子100としてのCMOS型撮像素子の製造プロセスを説明するための図ある。同図では、撮像素子100の画面中央部の3画素の断面構造を示しているが、他の部分についても同様である。なお、同図において、図12に示されている部分に対応する部分は、同じ符号を付して示す。
まず、シリコン基板101にイオンを打ち込むことにより、光電変換部120a、120b、120cを形成する。さらに、電極613、612、611を各電極層間に層間絶縁膜614を挟みながら形成する(図14(a))。層間絶縁膜は、屈折率が約1.5のシリコン酸化膜である。
次に、光電変換部120上の層間絶縁膜614に、本実施例に係る光導波路を形成する溝を作製するために、光導波路の開口に対応してフォトレジスト1440をパターニングする(図14(b))。
さらに、このフォトレジスト1440をマスクとしてドライエッチング処理を行うことによって層間絶縁膜614に光導波路を形成するための溝を作製する(図14(c))。
次に、本実施例に係る光導波路を構成するシリコン窒化膜1142を高密度プラズマCVD法で成膜する(図14(d))。シリコン窒化膜1142の屈折率は、約1.9である。
さらに、層間絶縁膜614上に成膜された余分のシリコン窒化膜1142をCMP処理にて平坦化する(図14(e))。
次に、本実施例に係る光導波路1290の上に層内レンズ1230を形成するために、シリコン窒化膜1144を所定の厚みで成膜する(図14(f))。このとき成膜されたシリコン窒化膜1144の厚みは、本実施例に従い、最も厚みが厚い例えば層内レンズ1230cの厚みに設定される。
次にフォトレジスト1446を塗布し、露光、現像を行って、層内レンズの形状、位置に合致したパターンを形成する(図14(g))。このとき、各層内レンズに対応して透過率の異なるグレートーンマスクを用いて露光を行うことにより、厚みの異なる層内レンズ形状パターンを作製する。
次に、ドライエッチングを行って、フォトレジスト1446のレンズ形状をシリコン窒化膜1148に転写する(図14(h))。
以上の工程で、所定の厚みを有する層内レンズ1230a、1230b、1230cが形成される。
厚みの異なる層内レンズ1230a、1230b、1230cが形成されると、シリコン酸化膜102を成膜することにより素子の平坦化を行い(図14(i))、さらにシリコン窒化膜の保護層103を成膜する(図14(j))。
次に、カラーフィルタ層140を形成する。カラーフィルタ層140は、赤、緑、青のそれぞれの色相のカラーフィルタ層が撮像素子100の面内の所定の位置に形成される(図14(k))。このとき、カラーフィルタ層140を形成する際のアライメント指標として、図中z方向(撮像素子400の断面方向)の厚みL2が薄い層内レンズ1230のアライメント指標を利用できる。このため、カラーフィルタ層140は層内レンズ1230に対して精度良く形成することが可能となっている。
カラーフィルタ層140が形成されると、樹脂材料で平坦化層104が形成される(図14(l))。
平坦化層104が形成されると、光路長調整層105が所定の膜厚で形成される。光路長調整層105が形成されるとオンチップマイクロレンズ150が形成される。オンチップマイクロレンズ150は、公知のレジストリフロー法にて形成される。
本実施例では、カラーフィルタ層140までを形成する工程と光路長調整層105及びオンチップマイクロレンズ150を形成する工程とを別々で行うため、カラ−フィルタ層140を形成後保護層を兼ねた平坦化層104を形成した。しかしながら、カラーフィルタ層140までを形成する工程と光路長調整層105及びオンチップマイクロレンズ150を形成する工程を同一工程で行う場合は、光路長調整層105が平坦化層104を兼ねることになり、製造プロセスを短縮できる効果がある。
なお、本発明は、上記実施形態の製造方法を実現するソフトウェアのプログラム(図5、図8、図11及び図14に示す製造工程に対応したプログラム)を、製造システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する場合も含む。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、その他の方法として、まず記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
なお、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。