JP2014154587A - 炭化珪素半導体基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板を製造することができる、炭化珪素半導体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素基板を準備する工程(S11)と、炭化珪素基板上に、第1の原料ガスを用いて第1の炭化珪素半導体層を形成する工程(S12)と、第1の炭化珪素半導体層上に、第2の原料ガスを用いて第2の炭化珪素半導体層を形成する工程(S13)とを備える。第1の炭化珪素半導体層を形成する工程(S12)では、ドーパントガスとして窒素ガスを用い、かつ、第1の原料ガス中の珪素原子数に対する炭素原子数の比C/Siが0.5以上1.0以下であり、第2の炭化珪素半導体層を形成する工程(S13)では、ドーパントガスとして窒素ガスを用い、かつ、第2の原料ガス中の珪素原子数に対する炭素原子数の比C/Siが1.6以上2.2以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、炭化珪素半導体基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法に関し、特に、良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板の製造方法および当該炭化珪素半導体基板を用いて実施される炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
近年、半導体装置の高耐圧化、低損失化などを可能とするため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素(SiC)の採用が進められている。炭化珪素は、従来より半導体装置を構成する材料として広く用いられている珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体である。そのため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素を採用することにより、半導体装置の高耐圧化、オン抵抗の低減などを達成することができる。また、炭化珪素を材料として採用した半導体装置は、珪素を材料として採用した半導体装置に比べて、高温環境下で使用された場合の特性の低下が小さいという利点も有している。
炭化珪素は、不純物の拡散係数がきわめて低いため、熱拡散処理によって不純物のドーピングを行うことは困難である。炭化珪素材料に活性領域を形成する方法として、エピタキシャル成長層にイオン注入する方法や、ドーパントガスによる不純物添加を伴ったエピタキシャル成長方法が存在する(たとえば、特許文献1参照)。
一般に、炭化珪素基板上において、n型のエピタキシャル層を成長させる場合には、ドーパントガスとして窒素(N2)ガスが用いられる。このときの成長温度は、一般に1400℃以上1700℃以下程度である。
特開2002−280573号公報
また、一般に、ドーパントガスとしてN2ガスを用いてn型炭化珪素膜のエピタキシャル成長を行う際、原料ガスにおける珪素(Si)に対する炭素(C)の比率C/Siが1.0以上1.5以下程度となる条件で行われている。これは、ドーパントガスとしてN2ガスを用いた場合、C/Siが1.5より大きい場合には、Nが不純物としてエピタキシャル層中に十分に添加されにくく、C/Siが1.0より低い場合には、成長させたエピタキシャル層のモフォロジが悪化すると考えられているためである。
しかしながら、上述のような従来の条件では良好なモフォロジを有するn型の炭化珪素エピタキシャル層を得ることは難しかった。この結果、従来の炭化珪素半導体基板の製造方法では、良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板および当該炭化珪素半導体基板を用いた炭化珪素半導体装置を得ることは困難であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板を製造することができる、炭化珪素半導体基板の製造方法、および炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、炭化珪素エピタキシャル層の成長に用いる原料ガス中のSi原子の原子数に対するC原子の原子数の比C/Siを1.6以上2.2以下とすることにより、良好なモフォロジを有するエピタキシャル層を形成することができることを見出した。
本発明の炭化珪素半導体基板の製造方法は、炭化珪素基板を準備する工程と、炭化珪素基板上に、第1の原料ガスを用いて第1の炭化珪素半導体層を形成する工程と、第1の炭化珪素半導体層上に、第2の原料ガスを用いて第2の炭化珪素半導体層を形成する工程とを備える。第1の炭化珪素半導体層を形成する工程では、ドーパントガスとして窒素ガスを用い、かつ、第1の原料ガス中の珪素原子数に対する炭素原子数の比C/Siが0.5以上1.0以下であり、第2の炭化珪素半導体層を形成する工程では、ドーパントガスとして窒素ガスを用い、かつ、第2の原料ガス中の珪素原子数に対する炭素原子数の比C/Siが1.6以上2.2以下である。
これにより、本発明の炭化珪素半導体基板の製造方法に従って得られた炭化珪素半導体基板は、良好な表面モフォロジを有することができる。
上記第1の炭化珪素半導体層の不純物濃度は、第2の炭化珪素半導体層の不純物濃度よりも高い。これにより、炭化珪素半導体基板は良好な表面モフォロジを有するとともに、第1の炭化珪素半導体層を、炭化珪素基板の欠陥が第2の炭化珪素半導体層に引き継がれることを抑制する緩和層とすることができるため、炭化珪素半導体基板の欠陥密度を低下させることができる。
上記第1の炭化珪素半導体層の厚みは、第2の炭化珪素半導体層の厚みよりも薄い。このようにすれば、第1の炭化珪素半導体層よりも良好な表面モフォロジを有する第2の炭化珪素半導体層の、炭化珪素半導体基板の表面モフォロジへの寄与度を高めることができ、炭化珪素半導体基板はより良好な表面モフォロジを有することができる。
本発明の炭化珪素半導体装置の製造方法は、炭化珪素半導体基板を準備する工程と、炭化珪素半導体基板を加工する工程とを備える。炭化珪素半導体基板を準備する工程では、上記本発明の炭化珪素半導体基板の製造方法により、炭化珪素半導体基板が製造される。
これにより、炭化珪素半導体基板の欠陥やモフォロジの悪さに起因した炭化珪素半導体装置の性能低下を抑制でき、炭化珪素半導体装置を高歩留まりで製造することができる。
本発明の炭化珪素半導体基板の製造方法によれば、良好なモフォロジを有するn型の炭化珪素エピタキシャル膜を備える炭化珪素半導体基板を製造することができる。また、本発明の炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、炭化珪素半導体基板の欠陥やモフォロジの悪さに起因した炭化珪素半導体装置の性能低下を抑制できる。
本実施の形態の炭化珪素半導体基板の断面図である。 本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造方法のフローチャートである。 本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造法に用いる気相エピタキシャル成長装置の概略図である。 本実施の形態の炭化珪素半導体装置の製造方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係る炭化珪素半導体基板の製造方法について説明する。本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板の製造方法は、炭化珪素基板上に、不純物濃度の異なる複数の炭化珪素エピタキシャル層を積層させ、炭化珪素半導体基板を製造する方法である。まず、図1を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板10について、説明する。本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板10は、炭化珪素基板1と、炭化珪素基板1上に形成された炭化珪素からなるバッファ層2と、バッファ層2上に形成された炭化珪素からなるドリフト層3とを備える。
炭化珪素基板1は、たとえば単結晶炭化珪素からなる。単結晶炭化珪素は、たとえば六方晶の結晶構造を有している。炭化珪素基板1は主表面1Aを含んでいる。
バッファ層2は、炭化珪素基板1の主表面1A上に形成されている。バッファ層2は、導電型がn型であり、その厚みは0.5μmである。バッファ層2におけるn型の不純物濃度は、1×1018cm−3程度である。バッファ層2は主表面2Aを含んでいる。
ドリフト層3は、バッファ層2上に形成されている。ドリフト層3は、導電型がn型であり、その厚みは15μmである。ドリフト層3におけるn型の不純物濃度は、7×1015cm−3程度である。ドリフト層3は主表面3Aを含み、当該主表面3Aが、炭化珪素半導体基板10の主表面となる。
次に、図1および2を参照して、上記の炭化珪素半導体基板を製造するための、本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造方法を説明する。当該炭化珪素半導体基板の製造方法は、炭化珪素基板を準備する工程(S11)と、炭化珪素基板上に、第1の原料ガスを用いてバッファ層を形成する工程(S12)と、バッファ層上に、第2の原料ガスを用いてドリフト層を形成する工程(S13)とを備える。
まず、工程(S11)では、炭化珪素基板1を準備する。炭化珪素基板1は、単結晶炭化珪素からなる。炭化珪素基板1は、厚みが350μmで、外形が4インチの円板形状である。
次に、工程(S12)では、先の工程(S11)で準備した炭化珪素基板1上に、気相エピタキシャル成長装置を用いてバッファ層2を形成する。図3を参照して、本実施の形態では、気相エピタキシャル成長装置として、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置100を用いる。CVD装置100において、基板ホルダ11は、その周囲を誘導加熱用コイル12と、石英管13と、断熱材14と、発熱体15とによって囲まれている。具体的には、発熱体15は中空構造であって、内部に反応室を形成している。基板ホルダ11は、発熱体15の内部に設けられ、たとえば、炭化珪素基板1を載置したときにその主表面1Aが反応室表面と同一平面となるように形成されている。断熱材14は、発熱体15の外周囲を囲うように配置されている。石英管13は、断熱材14の外周側を囲うように配置されている。誘導加熱用コイル12は、複数のコイル部材を含み、たとえば、石英管13の外周側を巻回するように設けられている。誘導加熱用コイル12を高周波コイルとしてこれに高周波電流を流すと、電磁誘導作用により、発熱体15は誘導加熱される。これにより、炭化珪素基板1および炭化珪素基板1に供給される原料ガス等を所定の温度に加熱することができる。
まず、CVD装置100内に設けられた基板ホルダ11に、炭化珪素基板1を配置する。次に、CVD装置100内に配管16を介して、水素(H)を含むキャリアガスと、モノシラン(SiH)、プロパン(C)および窒素(N)などを含む原料ガスとを導入する。このとき、いずれのガスも、炭化珪素基板1の主表面1A上に供給される時点で十分に熱分解されているように反応室内に導入される。また、各ガスは、CVD装置100の反応室内に導入する前に混合されていてもよいし、CVD装置100の反応室内で混合されてもよい。
基板ホルダ11上に配置された炭化珪素基板1が、加熱されながら、上記キャリアガスおよび原料ガスの供給を受けることにより、主表面1A上に窒素(N)原子がドープされたエピタキシャル成長膜であるバッファ層2が形成される。具体的には、成長温度1500℃以上1700℃以下、圧力6×10Pa以上14×103Pa以下の条件下でバッファ層2を形成する。このとき、N2ガスの流量を調整することにより、バッファ層2におけるn型の不純物濃度を1×1018cm−3程度とする。また、バッファ層2の厚みは0.5μm程度とする。
本工程(S12)においてバッファ層2の形成に用いられる第1の原料ガスは、Si原子の原子数に対するC原子の原子数の比(C/Si比)が0.5以上1.0以下である。これは、バッファ層2の不純物濃度を十分な正確性を持って1×1018cm−3程度とするためである。また、H原子の原子数に対するSi原子の原子数の比(Si/H比)は、0.0002以上0.0006以下である。水素分子の分子数に対する窒素分子の分子数の比(N2/H2比)は0.02以上0.04以下である。
次に、工程(S13)では、先の工程(S12)で形成したバッファ層2上に、CVD装置を用いてドリフト層3を形成する。まず、反応室内に、Hを含むキャリアガスと、SiH、CおよびNなどを含む原料ガスとを導入する。このとき、いずれのガスも、炭化珪素基板1の主表面1A上に供給される時点で十分に熱分解されているように反応室内に導入される。
反応室内に配置された炭化珪素基板1が、加熱されながら、上記キャリアガスおよび原料ガスの供給を受けることにより、バッファ層2上にN原子がドープされたエピタキシャル成長膜であるドリフト層3が形成される。具体的には、成長温度1500℃以上1700℃以下、圧力6×10Pa以上14×103Pa以下の条件下でドリフト層3を形成する。このとき、N2ガスの流量を調整することにより、ドリフト層3におけるn型の不純物濃度を7×1015cm−3程度とする。また、ドリフト層3の厚みは15μm程度とする。
本工程(S13)においてドリフト層3の形成に用いられる第2の原料ガスは、Si原子の原子数に対するC原子の原子数の比(C/Si比)が1.6以上2.2以下である。また、このときH原子の原子数に対するSi原子の原子数の比(Si/H比)は、0.0002以上0.0006以下である。水素分子の分子数に対する窒素分子の分子数の比(N2/H2比)は0.00004以上0.000075以下である。
本工程(S13)は、先の工程(S12)でのバッファ層2の形成が終了した後、炭化珪素基板1は基板ホルダ11上に設置した状態のままで、原料ガスの流量および分圧等を変更することにより、先の工程(S12)と連続して実施してもよい。つまり、本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造方法では、第1の原料ガスと第2の原料ガスとは、含まれるガス種は同一であって、ガスの流量や分圧が異なる。
本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造方法において、特に重要であるのは、工程(S12)で用いる第1の原料ガスおよび工程(S13)で用いる第2の原料ガスのC/Si比である。
C/Si比が高い原料ガスを用いた場合には、形成される炭化珪素エピタキシャル層のモフォロジは良好となるが、当該炭化珪素エピタキシャル層中へのN原子のドープ量は制限される。よって、C/Si比が高い原料ガスを用いた場合には、高不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層を形成するのは困難である。
一方、C/Si比が低い原料ガスを用いた場合には、N原子が高濃度にドープ形成された炭化珪素エピタキシャル層を形成することができるが、当該炭化珪素エピタキシャル層のモフォロジは悪化する。よって、C/Si比が低い原料ガスを用いた場合には、良好なモフォロジを有する炭化珪素エピタキシャル層を形成するのは困難である。従来の炭化珪素半導体基板の製造方法では、不純物濃度に関らず、C/Si比が1.0以上1.5以下の原料ガスを用いて各炭化珪素エピタキシャル層を形成する。そのため、得られる炭化珪素半導体基板のモフォロジは悪い。また、炭化珪素基板に含まれる欠陥が炭化珪素エピタキシャル層に引き継がれることを抑制する緩和層として、高不純物濃度のバッファ層2を形成することが困難であるため、得られる炭化珪素半導体基板の主表面には欠陥が多数存在する。
そこで、本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造方法では、炭化珪素半導体基板において、高不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層の形成には、C/Si比が相対的に低い原料ガスを、低不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層の形成には、C/Si比が相対的に高い原料ガスを用いる。これにより、高濃度不純物層を備え、かつ、主表面3Aにおいて良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板10を得ることができる。
具体的には、たとえば、1×1018cm−3程度の高不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層を形成する場合には、C/Si比が0.5以上1.0以下の原料ガスを用いる。これにより、高不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層を容易に形成することができる。しかし、上記条件で形成された高濃度不純物層であるバッファ層2の主表面2Aは良好なモフォロジを有さない。一方、7×1015cm−3程度の炭化珪素エピタキシャル層を形成する場合には、C/Si比が1.6以上2.2以下の原料ガスを用いる。これにより、低不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層は、良好なモフォロジを有することができる。そのため、炭化珪素半導体基板の最上層を低不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層(ドリフト層3)とすることにより、主表面3Aにおいて良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板10を得ることができる。このとき、ドリフト層3の厚みはバッファ層2の厚みよりも厚くする。より好ましくは、バッファ層2に対するドリフト層3の厚みの比率は、20倍以上40倍以下とする。このようにすれば、炭化珪素半導体基板10の表面モフォロジに対するドリフト層3の寄与度を高めることができ、主表面3Aにおいてより良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板10を得ることができる。
以上のように、本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造方法は、炭化珪素半導体を構成する各炭化珪素エピタキシャル層の不純物濃度に応じて、当該炭化珪素エピタキシャル層の成長に用いる原料ガスのC/Si比を選択することにより、高不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層を備えながら、良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板を製造することができる。
本実施の形態の炭化珪素半導体基板は、第1の炭化珪素半導体層として、厚さ0.5μmで、不純物濃度が1×1018cm−3のバッファ層2、第2の炭化珪素半導体層として、厚さ15μmで、不純物濃度が5×1015cm−3のドリフト層3から構成されるが、これに限られるものではない。例えば、不純物濃度が1×1018cm−3以上〜2×1018cm−3以下程度で厚み1.5μmの高不純物濃度層の上に、不純物濃度が1×1014cm−3以上5×1015cm−3以下程度で厚さ30μmの低不純物濃度層を積層した構成としてもよい。このようにしても、上記C/Si比の異なる2種類の原料ガスを用いて、良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板を得ることができる。
また、本実施の形態の炭化珪素半導体基板は、炭化珪素基板上に不純物濃度の異なる2層が積層した構造を有しているが、炭化珪素基板上に不純物濃度の異なる3層以上が積層した構造であってもよい。炭化珪素半導体基板の最上層の炭化珪素エピタキシャル層が、C/Si比が低い原料ガスを用いて形成される限りにおいて、最上層より下の積層構造を構成する複数の炭化珪素エピタキシャル層は、その不純物濃度に応じて適切なC/Si比の原料ガスを用いて形成されることができる。このようにしても、従来の炭化珪素半導体基板の製造方法により得られる炭化珪素半導体基板と比べて、良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板を得ることができる。なお、この場合も、最上層の低不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層の厚みは、最上層より下に位置する高不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層の厚みよりも厚く形成されるのが好ましく、より好ましくは当該高不純物濃度の炭化珪素エピタキシャル層の厚みに対して20倍以上40倍以下とする。
また、本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造方法では、気相エピタキシャル成長装置として、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いたが、これに限られるものではない。炭化珪素エピタキシャル層を気相成長法により形成することができる任意の装置を用いることができる。
なお、炭化珪素エピタキシャル層の形成工程において、成長温度を上げることによっても、モフォロジを改善することができる。従来の炭化珪素半導体基板の製造方法では、C/Si比が1.0以上1.5以下原料ガスを用い、かつ成長温度を1500℃以上1700℃以下程度としていたが、これにより得られる炭化珪素半導体基板はモフォロジが悪い。つまり、成長温度を上げる場合には1700℃以上の高温条件とする必要がある。しかし、成長温度を1700℃以上とすることは、現状の気相エピタキシャル成長装置の制約上困難である。本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造方法は、従来の炭化珪素半導体基板の製造方法と比べて、成長温度を高めることなく、良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板をせることができる。
次に、図4を参照して、本実施の形態の炭化珪素半導体装置の製造方法について説明する。本実施の形態の炭化珪素半導体装置の製造方法は、炭化珪素半導体基板を準備する工程(S10)と、炭化珪素半導体基板を加工する工程(S20)とを備える。
工程(S10)では、本実施の形態の炭化珪素半導体の製造方法により炭化珪素半導体基板を製造する。これにより、良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板を準備することができる。
工程(S20)では、先の工程(S10)で準備された炭化珪素半導体基板を加工して、炭化珪素半導体装置を製造する。具体的には、炭化珪素半導体基板に、イオン注入工程、トレンチ形成工程、成膜工程、電極形成工程等を実施することにより、炭化珪素半導体装置が製造される。これにより、炭化珪素半導体基板の欠陥やモフォロジの悪さに起因した炭化珪素半導体装置の性能低下を抑制でき、炭化珪素半導体装置を高歩留まりで製造することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
本発明の炭化珪素半導体基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法は、高濃度に窒素がドープされた炭化珪素エピタキシャル層を備え、かつ、良好なモフォロジを有する炭化珪素半導体基板が要求される炭化珪素半導体基板の製造方法、および炭化珪素半導体装置の製造方法に、特に有利に適用される。
1 炭化珪素基板、1A,2A,3A 主表面、2 バッファ層、3 ドリフト層、10 炭化珪素半導体基板、11 基板ホルダ、12 誘導加熱用コイル、13 石英管、14 断熱材、15 発熱体、16 配管、100 CVD装置。

Claims (4)

  1. 炭化珪素基板を準備する工程と、
    前記炭化珪素基板上に、第1の原料ガスを用いて第1の炭化珪素半導体層を形成する工程と、
    前記第1の炭化珪素半導体層上に、第2の原料ガスを用いて第2の炭化珪素半導体層を形成する工程とを備え、
    前記第1の炭化珪素半導体層を形成する工程では、ドーパントガスとして窒素ガスを用い、かつ、前記第1の原料ガス中の珪素原子数に対する炭素原子数の比C/Siが0.5以上1.0以下であり、
    前記第2の炭化珪素半導体層を形成する工程では、ドーパントガスとして窒素ガスを用い、かつ、前記第2の原料ガス中の珪素原子数に対する炭素原子数の比C/Siが1.6以上2.2以下である、炭化珪素半導体基板の製造方法。
  2. 前記第1の炭化珪素半導体層の不純物濃度は、前記第2の炭化珪素半導体層の不純物濃度よりも高い、請求項1に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
  3. 前記第1の炭化珪素半導体層の厚みは、前記第2の炭化珪素半導体層の厚みよりも薄い、請求項1に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
  4. 炭化珪素半導体基板を準備する工程と、
    前記炭化珪素半導体基板を加工する工程とを備え、
    前記炭化珪素半導体基板を準備する工程では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法により、前記炭化珪素半導体基板が製造される、炭化珪素半導体装置の製造方法。
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