JP2014103363A - 炭化珪素半導体基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板面内において不純物濃度の均一性が高い炭化珪素半導体基板を、低コストで製造することができる、炭化珪素半導体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素基板を準備する工程(S01)と、炭化珪素基板上に第1の炭化珪素半導体層を形成する工程(S02)と、第1の炭化珪素半導体層上に第2の炭化珪素半導体層を形成する工程(S03)とを備える。工程(S02)および工程(S03)において、ドーパントガスの組成が切り替えられており、かつ工程(S02)および工程(S03)の少なくともいずれか一方において、ドーパントガスにはアンモニアガスが含まれている。ドーパントガスにおけるアンモニアガスの流量は、工程(S02)および工程(S03)のうち、ドーパントガスに起因する不純物濃度が相対的に高く設定されている工程において必要なドーパントガスの流量よりも少ない流量である。
【選択図】図2

Description

本発明は、炭化珪素半導体基板の製造方法に関し、特に、相対的に不純物濃度が高い炭化珪素半導体層と不純物濃度が低い炭化珪素半導体層とを有する炭化珪素半導体基板を容易に製造することができる、炭化珪素半導体基板の製造方法に関する。
近年、半導体装置の高耐圧化、低損失化などを可能とするため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素(SiC)の採用が進められている。炭化珪素は、従来より半導体装置を構成する材料として広く用いられている珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体である。そのため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素を採用することにより、半導体装置の高耐圧化、オン抵抗の低減などを達成することができる。また、炭化珪素を材料として採用した半導体装置は、珪素を材料として採用した半導体装置に比べて、高温環境下で使用された場合の特性の低下が小さいという利点も有している。
炭化珪素は、不純物の拡散係数がきわめて低いため、熱拡散処理によって不純物のドーピングを行うことは困難である。炭化珪素材料に活性領域を形成する方法として、エピタキシャル成長層にイオン注入する方法や、ドーパントガスによる不純物添加を伴ったエピタキシャル成長方法が存在する(たとえば、特許文献1参照)。
一般に、炭化珪素基板上において、n型のエピタキシャル層を成長させる場合には、ドーパントガスとして窒素(N2)ガスが用いられる。このときの成長温度は、一般に1400℃以上1700℃以下程度である。
しかし、窒素分子は窒素原子間の3重結合を含む。そのため、窒素分子を熱分解させ、活性種として窒素原子を炭化珪素エピタキシャル層中に効率的に取りこむことは難しい。
特許第4839646号公報には、上記課題を解決するため、ドーパントガス、原料ガス、キャリアガスを含む反応ガスを基板面上に導入する前に予備加熱し、予め熱分解させておくことで、基板面内での窒素濃度が均一なエピタキシャル成長膜を形成する炭化珪素半導体の製造方法および炭化珪素半導体の製造装置が開示されている。さらに、ドーパントガスには、より確実に熱分解するため、窒素と比較して低い温度で熱分解可能なアンモニア(NH3)を用いることが開示されている。これにより、広い基板面に対して均一な窒素のドーピングが可能になり、優れた炭化珪素半導体が得られることが開示されている。
特許第4839646号公報
しかし、高濃度のアンモニアガスは腐食性を示す。そのため、エピタキシャル成長においてドーパントガスに高濃度のアンモニアガスを用いると、アンモニアガスによって成長装置は腐食される。特に、カーボン部材は、高濃度のアンモニアガスによって変形し、劣化する。この結果、成長装置の寿命が短くなる。
ここで、高濃度のアンモニアガスとは、たとえばn型不純物濃度が1018/cm3程度以上の炭化珪素半導体層をエピタキシャル成長するのに必要なアンモニアガスの濃度のことをいう。
そのため、高濃度のアンモニアガスによって、炭化珪素半導体基板をエピタキシャル成長させる場合には、アンモニアガスに対して耐腐食性を有する炭化珪素または炭化タンタル(TaC)で被覆されたカーボン部材により構成された成長装置が用いられている。
しかしながら、上記のようなSiCコートやTaCコートは一般に高コストである。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、基板面内において不純物濃度の均一性が高い炭化珪素半導体基板を、低コストで製造することができる、炭化珪素半導体基板の製造方法を提供することにある。
本発明に係る炭化珪素半導体基板の製造方法は、炭化珪素基板を準備する工程と、炭化珪素基板上に、第1の炭化珪素半導体層を形成する工程と、第1の炭化珪素半導体層上に、第2の炭化珪素半導体層を形成する工程とを備える。第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および第2の炭化珪素半導体層を形成する工程において、ドーパントガスの組成が切り替えられており、かつ第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および第2の炭化珪素半導体層を形成する工程の少なくともいずれか一方において、ドーパントガスにはアンモニアガスが含まれている。
ドーパントガスにおけるアンモニアガスの流量は、第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および第2の炭化珪素半導体層を形成する工程のうち、ドーパントガスに起因する不純物濃度が相対的に高く設定されている工程において必要なドーパントガスの流量よりも少ない流量である。
ドーパントガスとしてアンモニアガスを用いることで、基板面内において不純物濃度の均一性が高い炭化珪素基板を提供できる。またこのとき、アンモニアガスの流量を第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および第2の炭化珪素半導体層を形成する工程のうち、相対的に不純物濃度の高い炭化珪素半導体層を形成するのに必要なドーパントガスの流量よりも少ない流量とすることで、アンモニアガスによるエピタキシャル成長装置の腐食を抑制することができる。よって、TaCやSiCコートを施していないエピタキシャル成長装置を用いて、上記炭化珪素基板を製造することができる。
本発明によれば、基板面内において不純物濃度の均一性が高い炭化珪素半導体基板を低コストで製造することができる、炭化珪素半導体基板の製造方法を提供することができる。
本実施の形態の炭化珪素半導体基板の断面図である。 本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板の製造方法のフローを示す図である。 本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造法に用いる気相エピタキシャル成長装置の概略図である。
以下、本発明の実施の形態に係る炭化珪素半導体基板の製造方法について説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板10について、説明する。本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板10は、炭化珪素基板1と、炭化珪素基板1上に形成された炭化珪素からなるバッファ層2と、バッファ層2上に形成された炭化珪素からなるドリフト層3とを備える。
炭化珪素基板1は、たとえば単結晶炭化珪素からなる。単結晶炭化珪素は、たとえば六方晶の結晶構造を有している。炭化珪素基板1は主表面1Aを含んでいる。
バッファ層2は、炭化珪素基板1の主表面1A上に形成されている。バッファ層2は、導電型がn型である。バッファ層2におけるn型の不純物濃度は、1×1018cm−3以上3×1018cm−3以下程度である。バッファ層2は主表面2Aを含んでいる。
ドリフト層3は、バッファ層2上に形成されている。ドリフト層3は、導電型がn型である。ドリフト層3におけるn型の不純物濃度は、7×1015cm−3程度である。ドリフト層3は主表面3Aを含み、当該主表面3Aが、炭化珪素半導体基板10の主表面となる。
次に、図1および2を参照して、上記の炭化珪素半導体基板を製造するための、本実施の形態の炭化珪素半導体基板の製造方法を説明する。本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板の製造方法は、炭化珪素基板1を準備する工程(S01)と、炭化珪素基板1上に、炭化珪素からなるバッファ層2を形成する工程(S02)と、バッファ層2上に、炭化珪素からなるドリフト層3を形成する工程(S03)とを備える。
まず、工程(S01)では、炭化珪素基板1を準備する。炭化珪素基板1は、単結晶炭化珪素からなる。炭化珪素基板1は、外形が4インチの円板形状である。
次に、工程(S02)では、先の工程(S01)で準備した炭化珪素基板1上に、気相エピタキシャル成長装置を用いてバッファ層2を形成する。図3を参照して、本実施の形態では、気相エピタキシャル成長装置として、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置100を用いる。CVD装置100において、基板ホルダ11は、その周囲を誘導加熱用コイル12と、石英管13と、断熱材14と、発熱体15とによって囲まれている。具体的には、発熱体15は中空構造であって、内部に反応室を形成している。基板ホルダ11は、発熱体15の内部に設けられ、たとえば、炭化珪素基板1を載置したときにその主表面1Aが反応室表面と同一平面となるように形成されている。基板ホルダ11は、たとえば発熱体15の内周表面に形成された凹部内に配置されている。断熱材14は、発熱体15の外周囲を囲うように配置されている。石英管13は、断熱材14の外周側を囲うように配置されている。誘導加熱用コイル12は、複数のコイル部材を含み、たとえば、石英管13の外周側を巻回するように設けられている。誘導加熱用コイル12を高周波コイルとしてこれに高周波電流を流すと、電磁誘導作用により、発熱体15は誘導加熱される。これにより、炭化珪素基板1および炭化珪素基板1に供給される原料ガス等を所定の温度に加熱することができる。
このとき、CVD装置100の反応室を構成する部材は、不純物としてのN2含有量の低い高純度のカーボン部材であり、TaCコートやSiCコートが施されていなくてもよい。
まず、CVD装置100内に設けられた基板ホルダ11に、炭化珪素基板1を配置する。次に、CVD装置100内に配管16を介して、水素(H)を含むキャリアガスと、モノシラン(SiH)およびプロパン(C)を含む原料ガスと、アンモニア(NH3)および窒素(N2)を含むドーパントガスとを導入する。
本工程(S02)において、バッファ層2の形成に用いられるドーパントガスはNH3ガスとN2ガスとの混合ガスである。本工程(S02)におけるNH3ガスの流量f2aは、TaCコートやSiCコートが施されていない高純度カーボン部材からなるCVD装置100の反応室を変形・劣化させない最大流量f1以下程度である。つまり、本工程(S02)においてドーパントガスとして用いられるNH3ガスの流量f2aは、バッファ層2の不純物濃度(1×1018cm−3以上3×1018cm−3以下程度)を達成するのに必要なドーパントガスとしての流量f2よりも少なく、バッファ層2の不純物濃度とは無関係に決められている。
一方、本工程(S02)においてドーパントガスとして用いられるN2ガスの流量f2bは、高不純物濃度のバッファ層2を形成する上で、NH3ガスの流量を制限することによる不純物添加量の不足分を補うことができるように、決められている。このとき、バッファ層2の不純物濃度(1×1018cm−3以上3×1018cm−3以下程度)を達成するのに必要なドーパントガスとしての流量f2において、NH3ガスの流量f2aを出来る限り多くするのが好ましい。
このようにすることで、ドーパントガスにNH3ガスを用いることによる、基板面内において不純物濃度の均一性が高いバッファ層2を形成することができる。さらに、TaCコートやSiCコートが施されていないCVD装置100がNH3ガスによって腐食されることを抑制することができる。
また、いずれのガスも、炭化珪素基板1の主表面1A上に供給される時点で十分に熱分解されているように反応室内に導入される。また、各ガスは、CVD装置100の反応室内に導入する前に混合されていてもよいし、CVD装置100の反応室内で混合されてもよい。
基板ホルダ11上に配置された炭化珪素基板1が、加熱されながら、上記キャリアガスおよび原料ガスの供給を受けることにより、主表面1A上に窒素(N)原子がドープされたエピタキシャル成長膜であるバッファ層2が形成される。具体的には、成長温度1500℃以上1650℃以下、圧力8×10Pa以上12×103Pa以下の条件下でバッファ層2を形成する。このとき、原料ガス、ドーパントガス、およびキャリアガスは、C/Si比が1.6以上2.2以下、Si/H比が0.0002以上0.0006以下、NH3/H2比が1×10−7以上1×10−3以下、N2/H2比が1×10−3以上1×10−1以下程度とする。上記範囲内において、NH3ガスおよびN2ガスの流量を調整することにより、バッファ層2におけるn型の不純物濃度を1×1018cm−3以上3×1018cm−3以下程度とする。
次に、工程(S03)では、先の工程(S02)で形成したバッファ層2上に、CVD装置を用いてドリフト層3を形成する。まず、反応室内に、Hを含むキャリアガスと、SiHおよびCを含む原料ガスと、NH3からなるドーパントガスとを導入する。
本工程(S03)において、ドリフト層3の形成に用いられるドーパントガスはNH3ガス単体であり、N2ガスは含まれない。
n型不純物濃度が7×1015cm−3程度の炭化珪素半導体層を形成するのに必要なNH3ガスの流量は、NH3ガスが高純度カーボン部材からなるCVD装置100の反応室を腐食させない最大流量f1よりも少ない。つまり、本工程(S03)におけるNH3ガスの流量f3aは、TaCコートやSiCコートが施されていない高純度カーボン部材からなるCVD装置100の反応室を変形・劣化させない最大流量f1以下である。
このとき、いずれのガスも、炭化珪素基板1の主表面1A上に供給される時点で十分に熱分解されているように反応室内に導入される。
反応室内に配置された炭化珪素基板1が、加熱されながら、上記キャリアガスおよび原料ガスの供給を受けることにより、バッファ層2上にN原子がドープされたエピタキシャル成長膜であるドリフト層3が形成される。具体的には、成長温度1500℃以上1650℃以下、圧力8×10Pa以上12×103Pa以下の条件下でドリフト層3を形成する。このとき、原料ガス、ドーパントガス、およびキャリアガスは、C/Si比が1.6以上2.2以下、Si/H比が0.0002以上0.0006以下、NH3/H2比が1×10−7以上1×10−3以下、N2/H2比が1×10−3以上1×10−1以下程度とする。上記範囲内において、NH3ガスの流量を調整することにより、ドリフト層3におけるn型の不純物濃度を7×1015cm−3程度とする。
本工程(S03)は、先の工程(S02)でのバッファ層2の形成が終了した後、炭化珪素基板1が基板ホルダ11上に設置した状態のままで、ドーパントガスの組成を切り替えることにより、先の工程(S02)と連続して実施することができる。具体的には、工程(S02)ではドーパントガスとしてNH3ガスとN2ガスとの混合ガスを用い、工程(S03)では工程(S02)で用いた混合ガスにおけるN2ガスの供給を止めることにより、ドーパントガスの組成をNH3ガスに切り替えることができる。このようにすることで、基板面内において不純物濃度の均一性が高いバッファ層2とドリフト層3とを容易に連続成長することができる。
以上のように、本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板の製造方法によれば、炭化珪素半導体基板において相対的に濃度の高いバッファ層2を形成する工程では、基板面内の不純物濃度の均一性を高めるのに十分な量であって、かつCVD装置100を腐食させない程度にNH3ガスを用いることができる。また、このときドーパントガスとして用いたNH3ガスと窒素ガスのうち、窒素ガスの供給を止めることにより、ドーパントガスの組成をNH3ガスに切り替えることができる。このようにすることで、基板面内において不純物濃度の均一性が高いバッファ層2とドリフト層3とを容易に連続成長することができる。
本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板の製造方法において、工程(S02)におけるNH3ガスの流量f2aは、工程(S03)におけるNH3ガスの流量f3aと等しくしてもよい。つまり、工程(S02)におけるNH3ガスの流量f2aは、工程(S03)において形成するドリフト層3の不純物濃度に応じて決めてもよい。このようにすれば、工程(S02)と工程(S03)とは、ドーパントガスにおける窒素ガスの供給を止めるだけで、ドーパントガスにおけるNH3ガスの条件は一定のまま、連続して処理することができる。
本実施の形態における炭化珪素基板1は、第1の炭化珪素半導体層として相対的に不純物濃度の高いバッファ層2上に、第2の炭化珪素半導体層として相対的に不純物濃度の低いドリフト層3が積層した構成を備えているが、これに限られるものではない。たとえば、相対的に不純物濃度の低い炭化珪素半導体層上に、相対的に不純物濃度の高い炭化珪素半導体層を形成してもよい。この場合、工程(S02)および工程(S03)におけるドーパントガスの組成の切り替えは、工程(S02)終了後かつ工程(S03)開始前に、炭化珪素基板1へのN2ガスの供給を開始すればよい。
また、本実施の形態における炭化珪素半導体基板は、炭化珪素基板1上に不純物濃度の異なる2層が積層した構造を有しているが、炭化珪素基板1上に不純物濃度の異なる3層以上が任意の構成で積層した構造であってもよい。このようにしても、炭化珪素半導体層の不純物濃度に応じてドーパントガスの組成を切り替えることにより、エピタキシャル成長装置の腐食を抑制することができる。
本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板の製造方法では、第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および第2の炭化珪素半導体層を形成する工程において、ドーパントガスの組成を切り替える際に、NH3ガスの供給は継続しながらN2ガスの供給の有無を切り替えているが、これに限られるものではない。たとえば、ドーパントガス種を切り替えてもよい。
つまり、図1を参照して、第1の炭化珪素半導体層(バッファ層2)および第2の炭化珪素半導体層(ドリフト層3)のうち、装置の腐食防止の観点からドーパントガスとしてNH3ガスのみを用いて形成することが困難である程度に、ドーパントガスに起因する不純物濃度が高く設定されている工程においては、ドーパントガスにはNH3を含まなくてもよい。この場合、ドーパントガスには、たとえばN2ガスを用いればよい。たとえば、炭化珪素基板1が、相対的に不純物濃度の高いバッファ層2上に相対的に不純物濃度の低いドリフト層3が積層している構成を備えている場合には、バッファ層2を形成する工程にけるドーパントガスはN2ガスのみを用いてもよい。その後、ガス種を切り替えて、ドリフト層3を形成する工程におけるドーパントガスはNH3ガスのみを用いてもよい。また、炭化珪素基板1が、相対的に不純物濃度の低い炭化珪素半導体層上に、相対的に不純物濃度の高い炭化珪素半導体層が積層している構成を備えている場合には、相対的に不純物濃度の低い炭化珪素半導体層を形成する工程にけるドーパントガスはNH3ガスのみを用いてもよい。その後、ガス種を切り替えて、相対的に不純物濃度の低い炭化珪素半導体層を形成する工程におけるドーパントガスはN2ガスのみを用いてもよい。このようにしても、ドーパントガスとしてNH3ガス単体を用いるとエピタキシャル成長装置を腐食させる程度に、ドーパントガスに起因する不純物濃度が相対的に高く設定されている場合において、エピタキシャル成長装置の腐食を抑制することができる。
なお、上述のように、本実施の形態に係る炭化珪素半導体基板の製造方法で製造された炭化珪素半導体基板10は、ドーパントガスとしてNH3ガスではなく、N2ガスを用いて形成されたバッファ層2を備えていてもよい。そのため、これにより得られる炭化珪素半導体基板10において、バッファ層2の不純物濃度の基板面内の均一性は低くなる。つまり、バッファ層2の不純物濃度について高い均一性が求められていない場合には、ドーパントガスとしてNH3を用いずにバッファ層2を形成してもよい。
ここで、上述した実施の形態と一部重複する部分もあるが、本発明の特徴的な構成を列挙する。
この発明に従った炭化珪素半導体基板の製造方法は、炭化珪素基板を準備する工程(S01)と、炭化珪素基板上に、第1の炭化珪素半導体層(たとえばバッファ層2)を形成する工程(S02)と、第1の炭化珪素半導体層上に、第2の炭化珪素半導体層(たとえばドリフト層3)を形成する工程(S03)とを備える。第1の炭化珪素半導体層を形成する工程(S02)および第2の炭化珪素半導体層を形成する工程(S03)において、ドーパントガスの組成が切り替えられており、かつ第1の炭化珪素半導体層を形成する工程(S02)および第2の炭化珪素半導体層を形成する工程(S03)の少なくともいずれか一方において、ドーパントガスにはアンモニアガスが含まれている。ドーパントガスにおけるアンモニアガスの流量は、第1の炭化珪素半導体層を形成する工程(S02)および第2の炭化珪素半導体層を形成する工程(S03)のうち、ドーパントガスに起因する不純物濃度が相対的に高く設定されている工程において必要なドーパントガスの流量よりも少ない流量である。
ドーパントガスとしてアンモニアガスを用いることで、基板面内において不純物濃度の均一性が高い炭化珪素基板を提供できる。またこのとき、アンモニアガスの流量を第1の炭化珪素半導体層(たとえばバッファ層2)を形成する工程(S02)および第2の炭化珪素半導体層(たとえばドリフト層3)を形成する工程(S03)のうち、相対的に不純物濃度の高い炭化珪素半導体層(たとえばバッファ層2)を形成するのに必要なドーパントガスの流量よりも少ない流量とすることで、アンモニアガスによるエピタキシャル成長装置(たとえばCVD装置100)の腐食を抑制することができる。よって、TaCやSiCコートを施していないエピタキシャル成長装置を用いて、上記炭化珪素基板を製造することができる。
第1の炭化珪素半導体層(たとえばバッファ層2)を形成する工程(S02)および第2の炭化珪素半導体層(たとえばドリフト層3)を形成する工程(S03)のいずれかにおいて、ドーパントガスには窒素ガスが含まれていてもよい。このようにすることで、一方の工程では、ドーパントガスをアンモニアガス単体で構成する場合と比べて、ドーパントガスにおけるアンモニアガスの流量を減らすことができる。このとき、ドーパントガスには、装置の腐食を抑制することができる限りにおいて、アンモニアガスを多く含むのが好ましい。これは、ドーパントガスとしてアンモニアガスを用いることにより、形成される炭化珪素半導体層の基板面内における不純物濃度の均一性を高めることができるからである。
第1の炭化珪素半導体層(たとえばバッファ層2)を形成する工程(S02)および第2の炭化珪素半導体層(たとえばドリフト層3)を形成する工程(S03)のうち、ドーパントガスに起因する不純物濃度が相対的に低く設定されている工程(たとえばドリフト層3を形成する工程(S03))において用いられるドーパントガスには、アンモニアガスが含まれていてもよい。ドーパントガスとしてアンモニアガス単体を用いてもエピタキシャル成長装置を腐食させない程度に、ドーパントガスに起因する不純物濃度が相対的に低く設定されている場合においては、ドーパントガスとしてアンモニアガス単体を用いても、エピタキシャル成長装置の腐食を抑制することができる。このとき、ドーパントガスとしてアンモニアガスを用いるため、基板面内における不純物濃度の均一性が高い、炭化珪素半導体基板を作製することができる。
第1の炭化珪素半導体層を形成する工程(S02)および第2の炭化珪素半導体層を形成する工程(S03)のうち、一方においてドーパントガスはアンモニアガスであり、他方においてドーパントガスはアンモニアガスと窒素ガスとを含む混合ガスであってもよい。たとえば、第1の炭化珪素半導体層および第2の炭化珪素半導体層のいずれか一方(たとえばバッファ層2)の不純物濃度が高く、これをドーパントガスとしてアンモニアガス単体を用いて形成するとエピタキシャル成長装置の腐食が懸念される場合がある。このような場合にも、上記のようにすることで、エピタキシャル成長装置の腐食を抑制しながら、不純物濃度の面内均一性が高い炭化珪素半導体基板を作製することができる。
第1の炭化珪素半導体層(たとえばバッファ層2)を形成する工程(S02)では、ドーパントガスとして混合ガスを用い、第2の炭化珪素半導体層(たとえばドリフト層3)を形成する工程(S03)では、混合ガスにおける窒素ガスの供給を止めることにより、ドーパントガスの組成をアンモニアガスへ切り替えてもよい。これにより、第1の炭化珪素半導体層を形成する工程(S02)および第2の炭化珪素半導体層を形成する工程(S03)において、ドーパントガスとしてのアンモニアガスの条件は一定のまま、連続して処理することができる。その結果、不純物濃度の面内均一性の高い炭化珪素半導体基板を容易に製造することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
1 炭化珪素基板、1A,2A,3A 主表面、2 バッファ層、3 ドリフト層、10 炭化珪素半導体基板、11 基板ホルダ、12 誘導加熱用コイル、13 石英管、14 断熱材、15 発熱体、16 配管、100 装置。

Claims (5)

  1. 炭化珪素基板を準備する工程と、
    前記炭化珪素基板上に、第1の炭化珪素半導体層を形成する工程と、
    前記第1の炭化珪素半導体層上に、第2の炭化珪素半導体層を形成する工程とを備え、
    前記第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および前記第2の炭化珪素半導体層を形成する工程において、ドーパントガスの組成が切り替えられており、かつ前記第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および前記第2の炭化珪素半導体層を形成する工程の少なくともいずれか一方において、前記ドーパントガスにはアンモニアガスが含まれており、
    前記ドーパントガスにおけるアンモニアガスの流量は、前記第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および前記第2の炭化珪素半導体層を形成する工程のうち、前記ドーパントガスに起因する不純物濃度が相対的に高く設定されている工程において必要な前記ドーパントガスの流量よりも少ない流量である、炭化珪素半導体基板の製造方法。
  2. 前記第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および前記第2の炭化珪素半導体層を形成する工程のいずれかにおいて、前記ドーパントガスには窒素ガスが含まれている、請求項1に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
  3. 前記第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および前記第2の炭化珪素半導体層を形成する工程のうち、前記ドーパントガスに起因する不純物濃度が相対的に低く設定されている工程において用いられる前記ドーパントガスには、アンモニアガスが含まれている、請求項1または2に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
  4. 前記第1の炭化珪素半導体層を形成する工程および前記第2の炭化珪素半導体層を形成する工程のうち、一方において前記ドーパントガスはアンモニアガスであり、他方において前記ドーパントガスはアンモニアガスと窒素ガスとを含む混合ガスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
  5. 前記第1の炭化珪素半導体層を形成する工程では、前記ドーパントガスとして前記混合ガスを用い、
    前記第2の炭化珪素半導体層を形成する工程では、前記混合ガスにおける窒素ガスの供給を止めることにより、前記ドーパントガスの組成をアンモニアガスへ切り替える、請求項4に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
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