以下、本発明の実施の形態に係る照明用光源及び照明装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程(ステップ)、工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
以下の実施の形態では、照明用光源の一例として、直管形LEDランプについて説明する。なお、本実施の形態において、直管形LEDランプの管軸方向(長手方向)をX軸方向とし、X軸と直交する一の方向(短手方向)をY軸方向とし、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とする。
(ランプの全体構成)
まず、本発明の実施の形態に係る直管形LEDランプ1の全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る直管形LEDランプの概観斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る直管形LEDランプの分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る直管形LEDランプ1は、長尺筒状の外郭筐体(外郭部材)が長尺状の透光性カバー20と長尺状の基台30とに分離可能に構成された分割型の構造となっている。つまり、透光性カバー20と基台30とを組み合わせることによって、両端部に開口を有する筒状の外郭筐体が構成される。
また、外郭筐体の長手方向(X軸方向)の両端部には第1口金60及び第2口金70が取り付けられている。本実施の形態では、第1口金60のみの片側一方から給電を行う片側給電方式が採用されている。第1口金60及び第2口金70が照明器具のソケットに装着されることによって直管形LEDランプ1が照明器具に支持される。
図2に示すように、直管形LEDランプ1は、LEDモジュール10と、透光性カバー20と、基台30と、コネクタ線40と、押さえ部材50と、第1口金(給電用口金)60と、第2口金(非給電用口金)70と、点灯回路(不図示)とを備える。直管形LEDランプ1は、例えば、110形の直管形LEDランプであって、ランプ全長が約2367mmである。
以下、直管形LEDランプ1の各構成部材について、図2を参照しながら図3を用いて詳述する。図3は、本発明の実施の形態に係る直管形LEDランプの断面図である。
(LEDモジュール)
図2に示すように、LEDモジュール10は、直管形LEDランプ1の光源であり、透光性カバー20に覆われる形で基台30の上に配置される。基台30に載置されたLEDモジュール10は、押さえ部材50によって基台30に固定される。具体的な固定方法については後述する。
LEDモジュール10は、長尺状であって、基台30の長手方向(X軸方向)に沿って複数並べられる。本実施の形態では、4つのLEDモジュール10を用いて、短辺部分が互いに隣り合うように直線状に配置されている。
本実施の形態におけるLEDモジュール10は、表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の発光モジュールであって、基板11と、基板11に実装された複数のLED素子12と、LED素子12を発光させるための電力を受ける電極端子13と、複数のLED素子12を電気的に接続するための所定形状にパターン形成された金属配線(不図示)とを備える。基板11が基台30の載置面上に載置されることで、LEDモジュール10が基台30の載置面上に載置される。
基板11は、LED素子12を実装するための実装基板である。基板11としては、樹脂をベースとする樹脂基板、金属をベースとするメタルベース基板、セラミックからなるセラミック基板、又は、ガラスからなるガラス基板等を用いることができる。樹脂基板としては、例えば、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなるガラスエポキシ基板(CEM−3、FR−4等)、紙フェノールや紙エポキシからなる基板(FR−1等)、又は、ポリイミド等からなる可撓性を有するフレキシブル基板を用いることができる。メタルベース基板としては、例えば、表面に絶縁膜が形成された、アルミニウム合金基板、鉄合金基板又は銅合金基板等を用いることができる。本実施の形態では、基板11として、CEM−3の両面基板を用いている。
基板11は、長尺状の基板である。基板11は、矩形基板の一部が切り欠かれたような形状になっており、基板11には、切り欠き部11a(凹部)が設けられている。つまり、切り欠き部11aは、基板11の端部の一部を切り欠くようにして形成することができる。例えば、切り欠き部11aは、矩形基板の短辺の中央部分を残すように、対向する長辺端部から内方に後退するように一対で設けられている。本実施の形態における基板11は、図2に示すように、長尺状の矩形基板の4つの角部が切り欠かれたような形状となっている。
このように、長尺状の矩形基板に切り欠き部11aが存在する結果、切り欠かれずに残った部分は、矩形基板の主面水平方向で長手方向に突出する突出部11bとなる。つまり、突出部11bは、矩形基板の短辺側の一部から長手方向に延在するように設けられる。
なお、基板11としては、切り欠き部11aが設けられていない矩形基板を用いても構わない。
LED素子12は、発光素子の一例であって、基板11上に実装される。本実施の形態では、複数のLED素子12が、基板11の長手方向に沿ってライン状に一列配置される形で実装されている。
各LED素子12は、LEDチップと蛍光体とがパッケージ化された、いわゆるSMD型の発光素子である。各LED素子12は、図3に示すように、パッケージ12aと、パッケージ12aに配置されたLEDチップ12bと、LEDチップ12bを封止する封止部材12cとを備える。LED素子12は、例えば、白色光を発する白色LED素子を用いることができる。
パッケージ12aは、白色樹脂等によって成型された容器であり、逆円錐台形状の凹部(キャビティ)を備える。凹部の内側面は傾斜面となっており、LEDチップ12bからの光を上方に反射させるように構成されている。
LEDチップ12bは、パッケージ12aの凹部の底面に実装されている。LEDチップ12bは、単色の可視光を発するベアチップであり、ダイアタッチ材(ダイボンド材)によって、パッケージ12aの凹部の底面にダイボンディング実装されている。LEDチップ12bとしては、例えば通電されると青色光を発光する青色LEDチップを用いることができる。
封止部材12cは、光波長変換体である蛍光体を含む蛍光体含有樹脂であって、LEDチップ12bからの光を所定の波長に波長変換(色変換)するとともに、LEDチップ12bを封止してLEDチップ12bを保護する。封止部材12cは、パッケージ12aの凹部に充填されており、当該凹部の開口面まで封入されている。封止部材12cとしては、例えばLEDチップ12bが青色LEDである場合、白色光を得るために、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材12cからは、励起された黄色光と青色LEDチップの青色光との合成光として白色光が放出される。なお、封止部材12cに、シリカ等の光拡散材も含有させても構わない。
このように構成されるLED素子12は、正極及び負極の2つの外部接続端子を有しており、これらの外部接続端子と基板11に形成された配線とが電気的に接続されている。
電極端子13は、LED素子12を発光させるための直流電力を、LEDモジュール10の外部から受電する外部接続端子である。本実施の形態における電極端子13は、ソケット型に構成されており、樹脂製のソケットと、直流電力を受電するための導電部(ピン)とを有する。当該導電部は、基板11上に形成された金属配線と電気的に接続されている。電極端子13(ソケット)にコネクタ線40の装着部41が装着されることにより、電極端子13はコネクタ線40から電力の供給を受ける。電極端子13が受電した直流電力がLED素子12に供給されることにより、LED素子12が発光する。なお、電極端子13としては、樹脂ソケットではなく、矩形状にパターン形成された金属電極とすることもできる。
また、図示しないが、金属配線は、銅(Cu)等の金属からなり、基板11上に所定形状でパターン形成されている。金属配線は、複数のLED素子12同士を電気的に接続するとともにLED素子12と電極端子13とを電気的に接続する。
さらに、LEDモジュール10の光取り出し効率を向上させるために、基板11の表面に白レジストを形成してもよい。白レジストを形成することによって、基板11の絶縁性(耐圧)を向上させることができるとともに、配線が酸化してしまうことを防止することもできる。
(透光性カバー)
透光性カバー20は、外郭筐体(ランプ筐体)の外面の一部を構成し、透光性を有する長尺状のカバー部材である。透光性カバー20は、複数のLEDモジュール10が配置された基台30を覆うように構成されている。つまり、透光性カバー20は、LEDモジュール10を保護している。
図2に示すように、透光性カバー20は、長尺円筒の一部をその長手方向(ランプの管軸方向と平行な方向)に沿って切り欠いて形成された主開口を有する切り欠き円筒部材である。
また、図3に示すように、透光性カバー20の内面及び外面の輪郭形状は、X軸方向から見たとき(透光性カバー20の長手方向を法線とする平面で切断したときの断面視)において、真円のリングの一部が切り欠かれた形状となっている。なお、X軸方向から見たときの透光性カバー20の内面及び外面の輪郭形状は、楕円の一部が切り欠かれた形状となっていてもよい。
透光性カバー20の主開口の開き角(長尺円筒の軸(X軸)を中心としたときにおける主開口の開き角)θは、例えば、270°であり、240°以上300°以下とすることができる。つまり、X軸方向からみたときの透光性カバー20の形状は半円を越えている。具体的には、透光性カバー20は基台30の一部を覆っており、透光性カバー20の主開口の端部は、基台30を越えた位置に存在する。
また、透光性カバー20の周方向の両端部(主開口の端部)には、爪部20aが形成されている。2つの爪部20aは、透光性カバー20の周方向の端部が内方に屈曲するように構成されている。各爪部20aは、透光性カバー20の長手方向の一方の端部から他方の端部にわたって連続して形成されている。
透光性カバー20の爪部20aの各々は、第1凹部32aを跨ぐようにして第2凹部32bの各々に係止されている。つまり、爪部20aは、第1凹部32aを飛び越えて第2凹部32bに係止されている。2つの爪部20aを第2凹部32bに係止させることによって、透光性カバー20は基台30を挟み込むようにして基台30に固定される。
これにより、透光性カバー20の剛性を大きくすることができるので、外郭筐体が透光性カバー20と基台30とに分割された構造であっても、外郭筐体が撓むことを抑制することができる。
このように構成される透光性カバー20は、透光性材料を用いて形成することができ、例えば、アクリルやポリカーボネート等の樹脂材料又はガラス材料を用いて形成することができる。
なお、LEDモジュール10からの光を拡散させるために、透光性カバー20に光拡散機能を持たせてもよい。例えば、透光性カバー20の内面又は外面に光拡散シート又は光拡散膜を形成すればよい。具体的には、シリカや炭酸カルシウム等の光拡散材(微粒子)を含有する樹脂や白色顔料を透光性カバー20の内面又は外面に付着させることで、乳白色の光拡散膜を形成することができる。
その他に、透光性カバー20の内部又は外部に設けられたレンズ構造物、あるいは、透光性カバー20に形成された凹部又は凸部を設けることによって、透光性カバー20に光拡散機能を持たせることもできる。例えば、透光性カバー20の内面又は外面にドットパターンを印刷したり、透光性カバー20の一部を加工したりすることができる。あるいは、透光性カバー20そのものを、光拡散材が分散された樹脂材料等を用いて成形してもよい。
このように、透光性カバー20に光拡散機能を持たせることによって、LEDモジュール10から放射された光を、透光性カバー20を通過する際に拡散させることができる。特に、本実施の形態のようにLED素子12が離間して配置されている場合、光のつぶつぶ感(輝度ばらつき)が発生するが、透光性カバー20に光拡散機能を持たせることで、つぶつぶ感を抑制することができる。
(基台)
基台30は、外郭筐体(ランプ筐体)の外面の一部を構成し、LEDモジュール10を支持するための長尺状の支持基台である。基台30には複数のLEDモジュール10が載置される。
また、基台30は、LEDモジュール10で発生する熱を放熱させるためのヒートシンク(放熱体)でもある。基台30は外面の一部が外部に露出しているので、LEDモジュール10から基台30に伝導した熱を効率良く外部に放熱させることができる。基台30は熱伝導率が高い材料によって構成することが好ましく、アルミニウム等の金属材料又は熱伝導率の高い樹脂等の非金属材料によって構成することができる。本実施の形態における基台30は、金属製の基台(金属基台)であり、例えば、アルミニウムの押し出し材とすることができる。なお、基台30は、引き抜き材としてもよい。
基台30は、透光性カバー20の主開口を塞ぐようにして透光性カバー20と組み合わされる。図3に示すように、基台30と透光性カバー20とが一体化された状態で、基台30を長手方向(X軸方向)から見た場合、基台30の露出部分の先端に沿った輪郭線と透光性カバー20の外面に沿った輪郭線とで略真円が構成される。つまり、基台30と透光性カバー20とで構成される外郭筐体は、直管形蛍光灯のガラス管(直管)と略同形状である。
図3に示すように、基台30は、LEDモジュール10(基板11)を載置するための載置部31と、少なくとも一部が外部(ランプ外の大気中)に露出する外郭部32と、空洞部分である中空部33と、連結部34とを有する。
載置部31は、略板状に構成されており、LEDモジュール10(基板11)を載置するための載置面を有する。載置部31の載置面は、透光性カバー20の内面に対面している。
また、図3に示すように、基台30をX軸方向から見たときにおいて(基台30の長手方向を法線とする平面で切断したときの断面視において)、載置部31(載置面)は、透光性カバー20の中心軸と透光性カバー20の主開口との間に位置する。これにより、載置部31(載置面)と透光性カバー20との距離を大きくすることができるので、LED素子12による光の輝点(つぶつぶ感)を抑制することができる。
また、載置部31における基台30の短手方向(Y軸方向)の両端部には溝部31a(レール)が設けられている。各溝部31aは、断面形状が逆L字状に構成されており、基台30の長手方向の一方の端部から他方の端部にわたって(X軸方向に)延設されている。各溝部31aは、載置面の主面垂直方向(Z軸方向)に立設するように形成された板状の側壁部31a1と、載置面の主面水平方向に側壁部31a1から突出する突出部31a2とによって構成されている。つまり、溝部31aの窪みは、側壁部31a1と突出部31a2とによって構成された空間領域であり、溝部31aはY軸方向に開口するように構成されている。
各溝部31aの窪みには、LEDモジュール10の基板11の長辺端部と、押さえ部材50の固定部52とが収納される。具体的には、基台30の長手方向の一方の端部から、溝部31aの窪みに基板11の長辺端部と押さえ部材50の固定部52の端部とをスライドさせながら挿入する。
これにより、基板11の長辺端部と押さえ部材50の固定部52の端部とは横並びで溝部31aに収納される。また、溝部31aの側壁部31a1は、基板11の長辺端部に対向し、突出部31a2は、基板11及び固定部52の表面に対向する。したがって、基板11及び押さえ部材50の主面水平方向の動きが側壁部31a1によって規制されるとともに、基板11及び押さえ部材50の主面垂直方向の動きが突出部31a2によって規制されるので、基板11及び押さえ部材50は溝部31a1から抜け出すことがない。
外郭部32は、断面形状が概略円弧状であって、円弧の両端部分の各々が載置部31の両端部の各々に接続されるように構成されている。外郭部32は、外郭筐体の外面を構成しており、外郭部32の外面には、載置部31から離れる方向に、第1凹部32a、第2凹部32b、第3凹部32c、第4凹部32d及び第5凹部32eからなる複数の凹部が形成されている。
第1凹部32a、第2凹部32b、第3凹部32c、第4凹部32d及び第5凹部32eの各々は、放熱フィンとして機能し、基台30の長手方向の一方の端部から他方の端部にわたって連続して形成されている。このように、外郭部32に複数の凹部を設けることによって表面積を大きくすることができるので、基台30に伝導した熱を効率良くランプ外部に放熱することができる。
第1凹部32aは、透光性カバー20に覆われており、外部に露出していない。一方、第3凹部32c及び第4凹部32dは、透光性カバー20に覆われておらず、外部に露出している。
第2凹部32bは、透光性カバー20の周方向の両端部(主開口の端部)に設けられた爪部20aが挿入される溝(レール)である。第2凹部32bには爪部20aが係止される。これにより、基台30と透光性カバー20とが連結する。具体的には、基台30の長手方向の一方の端部から、透光性カバー20の周方向の端部(爪部20a)を第2凹部32bに挿入し、透光性カバー20を基台30の奥にスライドさせていくことにより、透光性カバー20と基台30とを組み合わせることができる。つまり、透光性カバー20は、基台30に対してスライド可能な状態で取り付けられている。
このように、透光性カバー20は、基台30の載置部31だけではなく基台30の外郭部32の一部も覆っている。したがって、基台30をX軸方向から見たときにおいて、透光性カバー20の主開口の端部は、LEDモジュール10(基板11)を越えた位置に存在する。なお、基台30のうち透光性カバー20で覆われていない部分が外部に露出している。本実施の形態では、透光性カバー20が第1凹部32aを跨ぐようにして爪部20aが第2凹部32bに係止されているので、第1凹部32a以外の箇所は外部に露出している。
第5凹部32eは、基台30と第1口金60及び第2口金70とをネジ止めするためのネジ孔である。なお、第5凹部32eは、基台30の長手方向の両端部に設けられている。
中空部33は、載置部31と外郭部32とで囲まれる中空領域である。中空部33は、基台30の長手方向の一方の端部から他方の端部に連通している。中空部33を設けることによって、基台30を軽量化することができる。これにより、基台30の曲げ剛性を向上させることができる。なお、中空部33には、電源回路等のランプ部品を配置しても構わない。
連結部34は、載置部31と外郭部32とで囲まれる中空領域において、載置部31と外郭部32とを連結するように構成されている。連結部34は、2つの中空部33の間に設けられている。
連結部34の一方の端部は載置部31に接続されており、連結部34の他方の端部は外郭部32に接続されている。このように、載置部31と外郭部32との間に連結部34が橋架されているので、連結部34を設けない場合の構造と比べて、基台30の強度を向上させることができる。また、連結部34は、LED素子12の直下の位置に設けられているので、LED素子12で発生する熱を効率良く外郭部32に伝導させることができる。したがって、連結部34を設けない場合の構造と比べて、基台30の放熱性を向上させることができる。
(コネクタ線)
図2に示すように、コネクタ線40は、隣り合うLEDモジュール10同士を電気的に接続する導電線であり、隣り合うLEDモジュール10の電極端子13同士を電気的に接続する。これにより、コネクタ線40を介して一方のLEDモジュール10から他方のLEDモジュール10へと電力が供給される。なお、本実施の形態では、4つのLEDモジュール10は、コネクタ線40によって直列接続となるように接続されている。
コネクタ線40は、LEDモジュール10の電極端子13に装着される装着部(コネクタ部)41と、電極端子13を介してLEDモジュール10に供給する電力を通すための電力供給線42とを有する。
装着部41は、電力供給線42の両端部に設けられており、LEDモジュール10の電極端子13(ソケット)と嵌合するように構成された略矩形状の樹脂成形部と、当該樹脂成形部に設けられた導電部とからなる。電力供給線42は、ハーネスと呼ばれるリード線によって構成することができる。本実施の形態において、コネクタ線40は、2本用いられており、それぞれ高圧側のコネクタ線40と低圧側のコネクタ線40である。なお、1つのコネクタ線が2本のリード線を備えるように構成してもよい。
(押さえ部材)
押さえ部材50は、LEDモジュール10の基板11を基台30に押さえるように構成されており、図4(a)及び図4(b)に示すように、基板11の表面を押さえる部分である基板押さえ部51と、基台30に固定される部分である固定部52とを有する。図4は、本発明の実施の形態に係る直管形LEDランプにおける押さえ部材の構成を示す斜視図であり、(a)は斜め上方から見たときの斜視図、(b)は斜め下方から見たときの斜視図である。
固定部52は、基板押さえ部51の脚部であり、基板押さえ部51の両端部に設けられている。基板押さえ部51と固定部52とは段差を有するように構成されており、基板押さえ部51の裏面(基台30に対向する面)の高さ位置は、固定部52の裏面(基台30との接触面)の高さ位置よりも高い。これにより、押さえ部材50を基台30に配置したときに、基板押さえ部51の下方には空間領域が形成される。この空間領域に基板11の突出部11bが挿入される。
また、図4(b)に示すように、基板押さえ部51の裏面には、基板11の表面に接触する凸部53が設けられている。本実施の形態において、凸部53は2つ設けられており、各凸部53は突条に構成されている。凸部53は、例えば、略三角柱とすることができ、三角柱の角部が基台30側に向くように設けられている。
本実施の形態において、押さえ部材50は、コネクタ線40を係止する係止部でもあり、溝部54を有する。溝部54は、対向する内面を有するように構成されており、具体的には、基板押さえ部51に設けられた庇部51a(突出部)の内面と固定部52の表面とを対向する内面としている。庇部51aは、基板押さえ部51の両端部から庇状に突出するように構成されている。このように構成される溝部54の開口面は、基板11の主面と略直交しており、溝部54は横方向に開口するように構成されている。コネクタ線40(電力供給線42)は、横方向から溝部54に収納されることで溝部54に引っ掛かるようにして係止される。
また、溝部54には、当該溝部54の一方の内面から他方の内面に向かって突出する突起54aが設けられている。本実施の形態において、突起54aは、庇部51aの内面から固定部52の表面に向かって突出している。突起54aは、例えば、半球状に構成することができる。突起54aを設けることによって、溝部54に一旦収納された電力供給線42が溝部54から抜け出すことを抑制することができる。
このように構成される押さえ部材50は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリカーボネート(PC)等の樹脂材料によって形成することができる。なお、押さえ部材50は、樹脂以外の材料で形成してもよく、例えば、金属材料によって構成することができる。ただし、凸部53は、樹脂によって構成することが好ましい。
ここで、基板11と押さえ部材50とを基台30に取り付けたときの構成について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る直管形ランプの要部拡大断面図であり、(a)は管軸を通る平面で切断したときの平面図、(b)は(a)のA−A’における断面図である。また、図6は、本発明の実施の形態に係る直管形ランプの要部拡大斜視図である。なお、図6では、透光性カバーを省略している。
図5(a)及び図6に示すように、基台30上に隣り合うように並べられた2つの基板11は、一方の基板11の突出部11bと他方の基板11の突出部11bとが隣接するように配置されている。これにより、隣り合う基板11の各々の切り欠き部11aも隣接する。
押さえ部材50は、基板11を跨いで基台30の上に配置されている。具体的には、押さえ部材50は、基板11の切り欠き部11aから基板11を跨ぐように基台30の上に配置されている。また、切り欠き部11aが対向して一対設けられているので、押さえ部材50は、一対の切り欠き部11aの間の部分の基板11(突出部11b)を跨ぐように基台30の上に配置されている。
これにより、図5(b)に示すように、基板11の突出部11bは、基板押さえ部51によって押さえつけられる。言い換えると、基板押さえ部51は、跨いだ部分の基板11(突出部11b)の表面を押さえている。このように、突出部11bは、押さえ部材50の基板押さえ部51と基台30とによって挟持される。
なお、本実施の形態では、基板11に切り欠き部11aが設けられているので、押さえ部材50は、切り欠き部11aに対応させて突出部11bを跨ぐように構成されているが、基板11は切り欠き部11aのない矩形基板等でもよく、この場合、押さえ部材50は基板11の一部を跨ぐように構成されていればよい。
なお、基板押さえ部51には角が存在しないことが好ましく、基板押さえ部51の表面は、傾斜面や曲面とすることが好ましい。これにより、LED素子12間に基板押さえ部51が存在しても光の乱反射等を抑制することができるので、配光特性の劣化を抑制することができる。
また、押さえ部材50の固定部52は、切り欠き部11aが設けられた位置に丁度収まるように配置される。つまり、固定部52は、切り欠き部11aが設けられた位置で基台30に接触している。
本実施の形態において、押さえ部材50は、隣り合う基板11を跨ぐようにして配置されている。つまり、押さえ部材50(基板押さえ部51)は、一方の基板11の突出部11bと他方の基板11の突出部11bとを同時に押さえている。また、基板押さえ部51の裏面に形成された凸部53も両方の基板11に接触している。
なお、基板11の長辺端部と押さえ部材50の固定部52の端部とは、横並びで基台30の溝部31aに収納されている。
また、押さえ部材50は、塑性変形部30Kによる押圧力によって基台30に固定されている。塑性変形部30Kは、基台30の溝部31aの一部を塑性変形させることによって形成される。例えば、塑性変形部30Kは、かしめ部であり、固定部52に対応する基台30の溝部31aの一部をかしめることによって溝部31aを塑性変形させることができる。このように、固定部52が収納された部分の溝部31aをかしめることによって、固定部52を基台30に固定することができ、押さえ部材50を基台30に固定させることができる。
これに連動して、基板11(突出部11b)は、押さえ部材50の基板押さえ部51から押圧力を受けることになる。つまり、固定部52と溝部31aとをかしめることによって、固定部52に接続される基板押さえ部51が基板11(突出部11b)に対して押圧力を与えることになる。これにより、基板11は、押さえ部材50からの押圧力によって、基台30に押しつけられて基台30に固定される。
また、コネクタ線40は、押さえ部材50に引っ掛けるようにして引き回される。本実施の形態では、電力供給線42を、押さえ部材50に設けられた溝部54内の突起54aの奥底に係止させている。例えば、電力供給線42を、突起54aの手前から奥側に押し込むようにして溝部54内に収納させる。これにより、電力供給線42を突起54aと溝部54の奥底との間に配置することができるので、電力供給線42の動きを規制することができる。したがって、電力供給線42が溝部54から飛び出すことを抑制できる。
なお、突起54aは設けなくてもよい。この場合、溝部54の溝幅(庇部51aと固定部52との間の距離)は、電力供給線42の線幅よりも僅かに小さくなるように構成することが好ましい。これにより、電力供給線42を溝部54内に押し込むことによって、電力供給線42を溝部54の内面で挟み込むことができ、電力供給線42を固定することができる。
(第1口金)
第1口金60は、LEDモジュール10(LED素子12)に電力を供給するための給電用口金であり、外郭筐体の長手方向(X軸方向)の一方の端部に設けられる。第1口金60は、LEDモジュール10のLED素子12を点灯させるための電力をランプ外部から受ける。
第1口金60は、透光性カバー20と基台30とを一体化することによって構成される外郭筐体の長手方向の一方の端部を蓋するようにキャップ状に構成されている。
ここで、図7Aを用いて、第1口金60の詳細構成について説明する。図7Aは、本発明の実施の形態に係る直管形LEDランプにおける第1口金の構成を示す斜視図である。
図7Aに示すように、第1口金60は、第1口金本体61と、当該第1口金本体61と一体成形された略平板状の基板押さえ部62と、一対の給電ピン63とによって構成されている。
第1口金本体61は、略有底円筒形状に構成されており、例えば、PBT等の樹脂材料によって構成することができる。この場合、基板押さえ部62は第1口金本体61と一体成形されているので、基板押さえ部62も樹脂材料によって構成される。
基台30に配置された基板11は、第1口金60の一部によって基台30に押さえつけられる。本実施の形態では、基板押さえ部62が基板11の表面を押さえるように構成されている。具体的には、基板押さえ部62と基台30とよって基板11を挟持することで、基板11が基台30に固定されている。この場合、基板押さえ部62を樹脂材料によって構成することで、基板押さえ部62に所望の弾性付勢力を与えることができる。これにより、基板11は、基板押さえ部62の付勢力によって基板押さえ部62と基台30とに挟持される。
また、基板押さえ部62の裏面には、基板11の表面に接触する凸部62aが設けられている。本実施の形態において、凸部62aは2つ設けられており、各凸部62aは突条に構成されている。凸部62aは、例えば、略三角柱とすることができ、三角柱の角部が基台30側に向くように設けられている。このように、樹脂からなる凸部62aを設けることによって、寸法公差や製造誤差等によって基板11の厚さや基板押さえ部62(第1口金60)に寸法バラツキがあっても、当該寸法バラツキを凸部62aの高さや凸部62aの変形(つぶれ)によって吸収させることができる。
一対の給電ピン63は、金属材料からなるL字形の導電ピンである。第1口金60は、例えば、第1口金本体61と基板押さえ部62と給電ピン63とをインサート成形することによって形成することができる。
また、一対の給電ピン63は、第1口金本体61の底部から外方に向かって突出するように構成されている。一対の給電ピン63は、LEDモジュール10を発光させるための電力を照明器具等の外部機器から受ける。例えば、第1口金60を照明器具のソケットに装着させることによって、一対の給電ピン63は照明器具に内蔵された電源装置から直流電力を受ける状態となる。
なお、電源装置は、ランプ外部の照明器具ではなく、直管形LEDランプ1に内蔵されるように構成してもよい。この場合、一対の給電ピン63は、例えば商用100Vの交流電源から交流電力を受けて、電源装置に供給することになる。また、本実施の形態において、第1口金60は、L字形の給電ピン63を有するL形口金としたが、G13口金としても構わない。
(第2口金)
第2口金70は、外郭筐体の長手方向の他方の端部に設けられる。具体的には、第2口金70は、透光性カバー20と基台30とを一体化することによって構成される外郭筐体の長手方向の他方の端部を蓋するようにキャップ状に構成されている。
ここで、図7B及び図8を用いて、第2口金70の詳細構成について説明する。図7Bは、本発明の実施の形態に係る直管形LEDランプにおける第2口金の構成を示す斜視図である。また、図8は、同直管形LEDランプにおける第2口金と基板との関係を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B’線における断面図である。
図7Bに示すように、第2口金70は、第2口金本体71と、当該第2口金本体71と一体成形された略平板状の基板押さえ部72と、一本の非給電ピン73とによって構成されている。
第2口金本体71は、略有底円筒形状に構成されており、例えば、PBT等の樹脂材料によって構成することができる。この場合、基板押さえ部72は第2口金本体71と一体成形されているので、基板押さえ部72も樹脂材料によって構成される。
図8(a)及び図8(b)に示すように、基台30に配置された基板11は、第2口金70の一部によって基台30に押さえつけられている。本実施の形態では、基板押さえ部72が基板11の表面を押さえるように構成されている。具体的には、図8(b)に示すように、基板押さえ部72と基台30とよって基板11を挟持することで、基板11が基台30に固定されている。この場合、基板押さえ部72を樹脂材料によって構成することで、基板押さえ部72に所望の弾性付勢力を与えることができる。これにより、基板11は、基板押さえ部72の付勢力によって基板押さえ部72と基台30とに挟持される。
また、図7B及び図8(b)に示すように、基板押さえ部72の裏面には、基板11の表面に接触する凸部72aが設けられている。本実施の形態において、凸部72aは2つ設けられており、各凸部72aは突条に構成されている。凸部72aは、例えば、略三角柱とすることができ、三角柱の角部が基台30側に向くように設けられている。このように、樹脂からなる凸部72aを設けることによって、寸法公差や製造誤差等によって基板11の厚さや基板押さえ部72(第2口金70)に寸法バラツキがあっても、当該寸法バラツキを凸部72aの高さや凸部72aの変形(つぶれ)によって吸収させることができる。
非給電ピン73は、金属材料からなる断面T字状の導電ピンである。第2口金70は、例えば、第2口金本体71と基板押さえ部72と非給電ピン73とをインサート成形することによって形成することができる。
また、非給電ピン73は、第1口金本体61の底部から外方に向かって突出するように構成されている。給電機能を有さない第2口金70は、照明器具との取り付け部として機能する。したがって、非給電ピン73は、照明器具への取り付けピンとして機能する。
なお、第2口金70にアース機能を持たせてもよい。具体的には、非給電ピン73をアースピンとして用い、照明器具を介して非給電ピン73を接地させる。そして、例えば非給電ピン73と金属製の基台30とをリード線等で接続して、基台30を接地させる。
また、本実施の形態において、第2口金70は、T字形の非給電ピン73を有する口金としたが、G13口金としても構わない。
(直管形ランプの組み立て方法)
次に、本実施の形態に係る直管形ランプの組み立て方法について、図9〜図13を用いて説明する。図9〜図13は、本実施の形態に係る直管形ランプの組み立て方法を説明するための図である。
まず、図9に示すように、LED素子12が実装された基板11(LEDモジュール10)を、基台30の載置部31(載置面)に載置する。具体的には、基板11の長辺端部を基台30の溝部31aに挿入して基板11をスライドさせることによって、基板11を基台30に配置する。
次に、基板11の少なくとも一部を跨ぐように押さえ部材50を基台30の載置部31(載置面)に載置する。具体的には、押さえ部材50の固定部52を基台30の溝部31aに挿入し、押さえ部材50が基板11の突出部11bを跨ぐ位置に到達するまで押さえ部材50をスライドさせる。具体的には、基板11の突出部11bの上に基板押さえ部51が位置するように、押さえ部材50を基台30に配置する。
以降、同様にして、必要な数の基板11(LEDモジュール10)と押さえ部材50とを交互に基台30に載置する。このとき、隣り合う基板11の2つの突出部11bの両方を跨ぐように押さえ部材50を配置する。
次に、図10に示すように、基台30の一部を塑性変形させるために、センターポンチ100を所定の位置に配置する。本実施の形態では、押さえ部材50の固定部52が収納されている部分の溝部31a(図中の破線で囲まれる部分)をかしめるので、固定部52の上方に位置する溝部31aと対向するようにセンターポンチ100を配置する。
その後、基台30の一部を塑性変形させて押さえ部材50を基台30に固定する。本実施の形態では、センターポンチ100によって固定部52上の溝部31aをかしめる。具体的には、固定部52上の溝部31aに窪みを穿つ。
ここで、溝部31aをかしめるときの詳細について、図11を用いて説明する。図11は、本発明の実施の形態に係る直管形LEDランプの組み立て方法において基台をかしめるときの様子を示す断面図であり、(a)はかしめる前の断面図、(b)はかしめた後の断面図である。
図11(a)に示すように、溝部31aをかしめる前において、押さえ部材50は、固定部52と基台30との間に隙間が存在するようにして基板11の上に乗っている。隙間の間隔は、凸部53の高さによって調整することができる。
その後、センターポンチ100によって、固定部52上の溝部31a(突出部31a2)を加圧する。これにより、図11(b)に示すように、固定部52上の溝部31aがかしめられて塑性変形し、塑性変形した溝部31aが塑性変形部30K(かしめ部)として固定部52の表面に密着する。この結果、押さえ部材50の動きが規制され、押さえ部材50を基台30に固定することができる。
このとき、塑性変形部30Kによって押さえ部材50が基台30に押さえられるので、基板11には押さえ部材50から押圧力が加えられる。これにより、基板11を基台30に固定することができる。このように、本実施の形態では、基台30(溝部31a)と押さえ部材(固定部52)とをかしめるときに生じる押さえ部材50の基台30への押圧力によって、基板11を基台30に固定している。つまり、基台30の塑性変形時(かしめ時)による押圧力は、直接基板11に加えられるのではなく、押さえ部材50を介して間接的に基板11に加えられる。以上のように、かしめの位置(塑性変形部30Kの下方)に基板11が存在しないので、塑性変形時(かしめ時)の局所的な負荷が基板11にかからない。これにより、塑性変形時の応力によって基板11に歪みが生じることを抑制できる。
また、本実施の形態では、押さえ部材50の基板押さえ部51に凸部53が設けられているので、寸法公差や製造誤差等によって基板11の厚さや押さえ部材50に寸法バラツキがあっても、当該寸法バラツキを凸部53の変形(つぶれ)によって吸収させることができる。
また、本実施の形態では、基台30の溝部31aの突出部31a2には、センターポンチ100に向かって突出する凸部が形成されている。つまり、突出部31a2の塑性変形の応力を受ける部分に凸部が形成されている。これにより、基台30を塑性変形させた部分が意図しない形状に変形してしまうことを予防できる。以下、この点について、図12を用いて詳細に説明する。図12は、本発明の変形例に係る直管形LEDランプの組み立て方法において基台をかしめるときの様子を示す断面図であり、(a)はかしめる前の断面図、(b)はかしめた後の断面図である。
図12(a)に示すように、本変形例における基台30’は、上記の基台30と同様に、溝部31a’が側壁部31a1’と突出部31a2’とによって構成されているが、図11(a)に示す基台30とは異なり、突出部31a2’には凸部が形成されていない。具体的には、突出部31a2’は、平板状であり、載置面の主面水平方向に側壁部31a1’に立設するように構成されている。つまり、図11(a)に示すように、上記の実施の形態では、突出部31a2にはセンターポンチ100に向かって突出するように凸部が形成されているが、図12(a)に示すように、本変形例では、突出部31a2’には、そのような凸部が形成されていない。
この場合、上記と同様にして、センターポンチ100によって押さえ部材50の固定部52上の溝部31a’(突出部31a2’)を加圧すると、図12(b)に示すように、固定部52上の溝部31a’がかしめられて塑性変形し、塑性変形した溝部31a’が塑性変形部30K(かしめ部)として固定部52の表面に密着する。この結果、上記の実施の形態と同様に、塑性変形部30Kの基台30’への押圧力によって押さえ部材50が基台30’に固定され、押さえ部材50の基台30’への押圧力によって基板11が基台30’に固定される。これにより、塑性変形時(かしめ時)の局所的な負荷を基板11にかけることなく、基板11を基台30’に押さえつけることができるので、塑性変形時の応力によって基板11に歪みが生じることを抑制できる。
しかしながら、図12(b)に示すように、本変形例では、突出部31a2’に凸部が設けられていないので、センターポンチ100によって突出部31a2’を加圧して溝部31a’を塑性変形させるときに、溝部31a’の側壁部31a1’が塑性変形時の応力によって外側に膨らむように湾曲変形する場合がある。この結果、塑性変形部30K(突出部31a2’)によって押さえ部材50(固定部52)を十分に押さえつけることができずに、基板11に対して十分な押圧力を付与できない場合がある。
これに対して、図11(a)に示すように、溝部31aの突出部31a2における塑性変形の応力を受ける部分に凸部を設けておくことにより、センターポンチ100によって突出部31a2を加圧して溝部31aを塑性変形させたときに、側壁部31a1が変形することを抑制することができる。これにより、塑性変形部30K(突出部31a2)によって押さえ部材50(固定部52)を十分押さえつけることができるので、基板11に十分な押圧力を付与することができる。
このように、図11(a)に示すように、かしめる前の状態で突出部31a2に凸部を設けておくことが好ましいが、図12(a)に示すように、突出部31a2’に凸部を設けてなくても押さえ部材50(固定部52)を押さえつけることができるので、溝部の突出部には必ずしも凸部を設ける必要はない。
図11(b)に戻り、センターポンチ100によって溝部31aを塑性変形させた後は、センターポンチ100を基台30から取り去ることで、塑性変形部30Kを形成した痕跡として、基台30の溝部31aには窪みが形成される。
次に、図13に示すように、隣り合うLEDモジュール10の電極端子13同士をコネクタ線40によって電気的に接続する。このとき、コネクタ線40の電力供給線42を押さえ部材50の溝部54内に収納する。具体的には、電力供給線42を、突起54aの手前から奥側に押し込むようにして溝部54内に収納する。
次に、図14に示すように、透光性カバー20を基台30に取り付けて、透光性カバー20と基台30とを一体化する。具体的には、透光性カバー20の爪部20aが基台30の第2凹部32bに係止するようにして透光性カバー20を基台30にスライド挿入させる。なお、透光性カバー20を基台30にスライド挿入させた後に、必要に応じて透光性カバー20と基台30とを接着剤等によって固着しても構わない。
その後、図示しないが、第1口金60及び第2口金70を基台30の両端部に取り付けてねじ止めする。これにより、直管形LEDランプ1を完成させることができる。
以上、本実施の形態に係る直管形LEDランプ1によれば、基板11を跨ぐように押さえ部材50を基台30に配置し、基台30の一部を塑性変形させることによって押さえ部材50を基台30に固定している。このとき、基台30の塑性変形による押圧力によって押さえ部材50が基板11を基台30に押さえつけられるので、基板11を基台30に固定することができる。
具体的には、基台30の溝部31aの一部をかしめることで塑性変形部30Kを形成し、この塑性変形部30Kによる押圧力によって押さえ部材50を基台30に固定している。そして、押さえ部材50が基台30に固定されるときの押圧力によって基板11が押さえられ、これにより、基板11が基台30に固定される。
このように、本実施の形態では、押さえ部材50を固定するときの押圧力によって基板11を基台30に固定している。これにより、基板11に対して間接的に押圧力を加えることができるので、基板11に局所的な負荷がかかることを抑制できる。したがって、簡単な構成で、基板11に対して過度の負荷を与えることなく当該基板11を基台30に固定することができる。
特に、基板11が樹脂又はセラミックによって構成されていると、局所的な負荷によってクラック等が発生しやすいが、本実施の形態にように基板11に対して間接的に押圧力を加えることで、基板11が樹脂又はセラミックで構成されていてもクラック等が発生することを抑制できる。これにより、LEDモジュール10の信頼性が低下することを抑制できる。
しかも、接着剤を用いることなく基板11を基台30に固定できるので、接着剤を用いた場合に、接着力の低下によってLEDモジュール10が落下したり、硬化時間によって製造時間が長くなったりすることを抑制できる。
また、本実施の形態では、基板11の対向する端部を切り欠くことによって一対の切り欠き部11aを設けており、押さえ部材50は、一対の切り欠き部11aの間の基板11(突出部11b)を跨ぐように基台30の上に配置されている。これにより、押さえ部材50を配置するためだけに、基台30に余分なスペースを設ける必要がなくなる。
さらに、本実施の形態において、押さえ部材50の固定部52は、切り欠き部11aが設けられた位置において基台30に接触している。これにより、押さえ部材50を基台30に安定して固定させることができるので、基板11も安定して基台30に固定することができる。
また、本実施の形態において、基板押さえ部51には樹脂からなる凸部53が設けられている。これにより、凸部53の変形(縮小)によって、基板11や押さえ部材50の寸法バラツキを吸収することができる。
(照明装置)
次に、本発明の実施の形態に係る照明装置2について、図15を用いて説明する。図15は、本発明の実施の形態に係る照明装置の概観斜視図である。
図15に示すように、本実施の形態に係る照明装置2は、ベースライト型の照明装置であって、直管形LEDランプ1と照明器具3とを備える。本実施の形態では、図15に示すように、2本の直管形LEDランプ1を用いている。
照明器具3は、直管形LEDランプ1と電気的に接続され、かつ、当該直管形LEDランプ1を保持する一対のソケット4と、当該ソケット4が取り付けられた器具本体5とを備える。器具本体5は、例えばアルミ鋼板をプレス加工等することによって成形することができる。また、器具本体5の内面は、直管形LEDランプ1から発せられた光を所定方向(例えば下方)に反射させる反射面となっている。
このように構成される照明器具3は、例えば天井等に固定具を介して装着される。なお、直管形LEDランプ1を覆うように透光性のカバー部材が設けられていてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る直管形LEDランプ1は、照明装置等として実現することができる。
(その他)
以上、本発明に係る照明用光源及び照明装置について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態及び変形例では、隣り合う基板11の隣接部分を押さえ部材50によって押さえたが、1つの基板の一部のみを押さえ部材50で押さえるように構成しても構わない。具体的には、基板11の対向する長辺端部の一部を跨ぐように押さえ部材50を配置しても構わない。
また、上記の実施の形態及び変形例では、LEDモジュール10として、パッケージ化されたLED素子12を用いたSMD型のLEDモジュールとしたが、これに限らない。具体的には、図16に示すように、基板11上に複数のLEDチップ12Aが直接実装され、複数のLEDチップを封止部材14(蛍光体含有樹脂)によって一括封止した構成であるCOB(Chip On Board)型のLEDモジュール10Aとしても構わない。
また、上記の実施の形態及び変形例では、第1口金60のみの片側から給電を受ける片側給電方式としたが、第1口金60及び第2口金70の両側から給電を受ける両側給電方式としても構わない。この場合、第2口金70に代えて、第1口金60を設ければよい。
また、上記の実施の形態及び変形例では、外郭筐体が透光性カバー20と基台30とによって構成された直管形LEDランプを例にとって説明したが、これに限らない。例えば、透光性カバー20に代えて長尺円筒状(直管状)の透光性筐体(ガラス管やプラスチック管等)を用いて、当該透光性筐体内に基台30を収納するように構成された直管形LEDランプとしても構わない。
また、上記の実施の形態及び変形例において、LEDモジュール(LED素子)は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限らない。例えば、演色性を高めるために、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、黄色蛍光体を用いずに、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップとを組み合わせることによりに白色光を放出するように構成することもできる。
また、上記の実施の形態及び変形例において、LEDチップは、青色以外の色を発光するLEDチップを用いても構わない。例えば、紫外線発光のLEDチップを用いる場合、蛍光体粒子としては、三原色(赤色、緑色、青色)に発光する各色蛍光体粒子を組み合わせたものを用いることができる。さらに、蛍光体粒子以外の波長変換材を用いてもよく、例えば、波長変換材として、半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料を用いてもよい。
また、上記の実施の形態及び変形例において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等のEL素子等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
また、上記の実施の形態及び変形例では、LEDモジュール(基板)を押さえ部材で基台に固定する態様として、直管形ランプを例にとって説明したが、電球形ランプ又は丸形ランプ等にも適用することができる。なお、電球形ランプの場合、LEDモジュールは1つとすることができ、LEDモジュールの基板としては、円形基板や正方形基板の一部を切り欠いた基板を用いることができる。
その他、実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。