JP2014152879A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドグが噛合する際に生じる打突音を低減可能な動力伝達装置を提供する。
【解決手段】変速機1は、複数の第1ドグ100が回転方向に整列配置されたセレクタ機構50と、第1ドグに噛合可能な複数の第2ドグ200が回転方向に整列配置されたメインギヤ10と、を備える。第1ドグは、セレクタ機構と一体回転する固定ドグ、および、固定ドグに対して相対回転可能な可動ドグに分割され、可動ドグは、磁石によって固定ドグに対する相対位置を予め定められた初期位置に保持されている。メインギヤおよびセレクタ機構が互いに近接すると、第1ドグの噛合過程で、可動ドグが固定ドグよりも先に第2ドグに接触するとともに、接触時に、磁石の保持力に抗して、可動ドグが固定ドグに対して相対回転する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の変速機に用いられる動力伝達装置に関する。
従来、例えば特許文献1に示されるように、ドグクラッチ式の変速機を採用した車両が広く普及している。こうしたドグクラッチ式の変速機においては、シフトフォークを可動してドグとドグとを互いに近接させ、両ドグを噛合させた動力伝達状態や、両ドグを離隔させて噛合を解除した切り離し状態に切り換えることで変速がなされることとなる。
特開2012−215230号公報
上記のようなドグクラッチ式の変速機においては、ドグが噛合する際に打突音が生じることから、こうした打突音を低減するための開発が長年に亘って行われている。こうした開発の成果は、一部が実用化されるに至っているものの、更なる改良が望まれているという実態がある。
そこで、本発明は、ドグが噛合する際に生じる打突音を低減可能な動力伝達装置を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明の動力伝達装置は、複数の第1ドグが回転方向に整列配置された第1回転体と、前記第1ドグに噛合可能な複数の第2ドグが回転方向に整列配置された第2回転体と、を備え、前記第1回転体および前記第2回転体が互いに近接すると、前記第1ドグおよび前記第2ドグが噛合して該第1回転体と該第2回転体とが一体回転する動力伝達状態となり、前記第1回転体および前記第2回転体が互いに離隔すると、前記第1ドグおよび前記第2ドグの噛合が解除されて該第1回転体と該第2回転体とが相対回転する切り離し状態となる動力伝達装置であって、前記第1回転体は、該第1回転体と一体回転する固定ドグ、および、該固定ドグに対して相対回転可能な可動ドグに分割された前記第1ドグと、前記固定ドグに対する前記可動ドグの相対位置を予め定められた初期位置に保持する保持力を作用させる保持部材と、を備え、前記保持部材は、前記初期位置として、前記第1回転体と前記第2回転体とが前記切り離し状態から前記動力伝達状態に切り換わる際に、前記第2ドグに接触する前記可動ドグの接触部の少なくとも一部を、該第2ドグに接触する前記固定ドグの接触部よりも、前記第1ドグが該第2ドグに対して回転方向に近接する側に位置させることを特徴とする。
また、前記保持部材は、磁石であるとよい。
また、前記第1回転体は、全ての第1ドグが前記固定ドグと前記可動ドグとに分割されており、全ての可動ドグが一体となって固定ドグに対して相対回転するとよい。
また、前記可動ドグと前記固定ドグとは、前記第1回転体の径方向に分割されているとよい。
また、前記第1回転体は、前記固定ドグが設けられた第1環状部と、前記可動ドグが設けられ、前記第1環状部が挿通された第2環状部と、を備え、前記第1環状部および前記第2環状部が互いに対向する部分に前記磁石が配されているとよい。
また、前記可動ドグと前記第2ドグとの離隔距離は、前記固定ドグと前記第2ドグとの離隔距離よりも小さいとよい。
また、前記可動ドグは、前記固定ドグよりも、前記第1回転体が前記第2回転体に近接する方向に突出する寸法関係を維持しているとよい。
また、前記固定ドグに対する前記可動ドグの突出量をSとし、該可動ドグの突出方向の先端部から回転方向に隣接する可動ドグまでの最短距離をLとした場合に、近接方向への移動量に対する回転方向への移動量がL/S倍以上となるように、前記第1回転体および前記第2回転体を互いに近接させる制御部を備えるとよい。
本発明によれば、ドグが噛合する際に生じる打突音を低減することができる。
本実施形態における自動車用の変速機の概略を示す図である。 セレクタ機構の概略断面図である。 図2のIII-III線断面図である。 第1ドグおよび第2ドグを説明する図である。 第1ドグと第2ドグとの噛合過程を説明する図である。 セレクタ機構を切り換え制御する制御部の機能ブロック図である。 切り離し状態から動力伝達状態への切り換え制御を説明するフローチャートである。 変形例のセレクタ機構の概略断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(変速機の概要)
図1は、本実施形態における自動車用の変速機1の概略を示す図である。エンジンEの駆動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置としての変速機1は、ミッションケースに保持されたベアリングbに回転自在に軸支され、互いに平行に配されたメインシャフト2およびカウンタシャフト3を備えている。メインシャフト2は、発進クラッチ4を介してエンジンEのクランクシャフトに接続されており、発進クラッチ4を介して伝達されるエンジンEの駆動力によって回転する入力シャフトとして機能する。
メインシャフト2には、複数(本実施形態では4つ)のメインギヤ10が相対回転自在に装着されている。メインシャフト2に設けられるメインギヤ10の数は特に限定されるものではないが、ここでは、説明の都合上、4つのメインギヤ10を、それぞれ、1速メインギヤ11、2速メインギヤ12、3速メインギヤ13、4速メインギヤ14として説明する。また、カウンタシャフト3には、複数(本実施形態では4つ)のカウンタギヤ20が相対回転不能に装着されている。ここでは、説明の都合上、4つのカウンタギヤ20を、それぞれ、1速カウンタギヤ21、2速カウンタギヤ22、3速カウンタギヤ23、4速カウンタギヤ24として説明する。
この1速カウンタギヤ21は1速メインギヤ11に噛合しており、これら1速メインギヤ11および1速カウンタギヤ21によって、メインシャフト2およびカウンタシャフト3間で動力伝達を行う第1歯車列31を構成している。同様に、2速メインギヤ12および2速カウンタギヤ22によって第2歯車列32が構成され、3速メインギヤ13および3速カウンタギヤ23によって第3歯車列33が構成され、4速メインギヤ14および4速カウンタギヤ24によって第4歯車列34が構成されている。
これら第1歯車列31〜第4歯車列34は、各メインギヤ11〜14および各カウンタギヤ21〜24のギヤ比を異にしており、本実施形態では、第1歯車列31が最も低速段側となり、第4歯車列34が最も高速段側となっている。
また、メインシャフト2には、動力伝達経路を切り換えるセレクタ機構50(50a、50b)が複数(本実施形態では2つ)設けられている。セレクタ機構50は、メインシャフト2に対して1速メインギヤ11〜4速メインギヤ14のいずれかを一体回転させる動力伝達状態、もしくは、メインシャフト2に対して1速メインギヤ11〜4速メインギヤ14を相対回転させる切り離し状態(ニュートラル状態)のいずれかを選択可能である。
より詳細には、セレクタ機構50aは、1速メインギヤ11および2速メインギヤ12の間に配されており、セレクタ機構50bは、3速メインギヤ13および4速メインギヤ14の間に配されている。セレクタ機構50a、50bは、メインシャフト2の軸方向に突出するとともに、メインシャフト2と一体回転する第1ドグ100を備えている。一方、1速メインギヤ11〜4速メインギヤ14には、それぞれセレクタ機構50a、50b側に突出する第2ドグ200が設けられている。そして、セレクタ機構50a、50bに係合するシフトフォークSFの可動によって、第1ドグ100を第2ドグ200に噛合させたり、あるいは、その噛合を解除したりする。
例えば、動力伝達経路として第1歯車列31が選択されている場合、セレクタ機構50aは、1速メインギヤ11の第2ドグ200に第1ドグ100を噛合させ、メインシャフト2に対して1速メインギヤ11を一体回転させるとともに、メインシャフト2に対して2速メインギヤ12を相対回転させる。このとき、セレクタ機構50bは、図示のように、第3歯車列33および第4歯車列34を切り離し状態としている。したがって、この場合には、エンジンEの駆動力は、発進クラッチ4→メインシャフト2→第1歯車列31→カウンタシャフト3を介して矢印の順に駆動輪に伝達され、メインシャフト2およびカウンタシャフト3間で第1歯車列31を介した動力伝達がなされることとなる。
なお、本実施形態では、メインギヤ10をメインシャフト2に対して相対回転自在に設けるとともに、カウンタギヤ20をカウンタシャフト3に対して相対回転不能に設けたうえで、セレクタ機構50をメインシャフト2に設けている。ただし、これとは逆に、メインギヤ10をメインシャフト2に対して相対回転不能に設けるとともに、カウンタギヤ20をカウンタシャフト3に対して相対回転自在に設けたうえで、セレクタ機構50をカウンタシャフト3に設けてもよい。
(セレクタ機構50の構成)
次に、上記のセレクタ機構50の構成について詳細に説明する。
図2は、セレクタ機構50の概略断面図であり、図3は、図2のIII-III線断面図である。図2に示すように、セレクタ機構50は、メインシャフト2が挿通される円筒状の部材で構成されたハブ51および第1環状部52を備えている。ハブ51は、メインシャフト2が挿通された状態で当該メインシャフト2に固定されており、第1環状部52は、ハブ51の外周にスプライン係合されている。第1環状部52は、メインシャフト2の軸方向の中央部分に、軸方向の両端側よりも大径となる係合部52aを備えており、この係合部52aに、上記のシフトフォークSFが係合されている。
また、セレクタ機構50は、第1環状部52が挿通された円筒状の部材からなる第2環状部53を備えている。この第2環状部53は、第1環状部52の係合部52aを境にして、メインシャフト2の軸方向に2つ設けられている。これら2つの第2環状部53は、係合部52aを基準にしてメインシャフト2の軸方向に対称となるように設けられており、ベアリング54を介して係合部52aに固定されている。より詳細には、ベアリング54は、その外輪が第1環状部52の係合部52aに固定され、その内輪が第2環状部53に固定されている。このとき、第2環状部53の内周面と、第1環状部52の外周面との間には、僅かな間隙が維持されている。
つまり、第1環状部52と第2環状部53とは、一体となってメインシャフト2の軸方向に移動可能であって、かつ、互いに相対回転自在な関係性を有している。これにより、シフトフォークSFを可動すると、ハブ51に対して、第1環状部52および第2環状部53が相対回転可能な状態を維持したまま、メインシャフト2の軸方向に一体となって移動することとなる。
また、上記のように、第2環状部53には第1環状部52が挿通されているが、第1環状部52および第2環状部53が互いに対向する部分、すなわち、第1環状部52の外周面と、第2環状部53の内周面とには、それぞれ磁石55、56が固定されている。具体的には、図3(a)に示すように、第1環状部52の外周面には、S極を径方向外方に露出させた磁石55Sと、N極を径方向外方に露出させた磁石55Nとが、90度間隔で交互に2つずつ配されている。一方、第2環状部53の内周面にも、S極を径方向内方に露出させた磁石56Sと、N極を径方向内方に露出させた磁石56Nとが、90度間隔で2つずつ配されている。
これにより、第2環状部53は、磁石55、56の磁力で、第1環状部52に対する回転方向の相対位置(相対角度)が、図3(a)に示す初期位置に保持される。したがって、例えば、第2環状部53に対して、図3(b)の矢印a方向に外力が作用した場合には、この外力と反対方向の力、すなわち、第1環状部52に対して第2環状部53を初期位置に復帰させる力が作用することとなる。
このことからも明らかなように、磁石55、56は、第1環状部52および第2環状部53の相対位置を、予め定められた初期位置に保持する保持力を作用させる保持部材として機能することとなる。これにより、メインシャフト2と一体となってハブ51および第1環状部52が回転すると、磁石55、56の磁力によって、第2環状部53が、第1環状部52との相対位置関係を維持したまま、当該第1環状部52と一体回転することとなる。
また、上記したように、セレクタ機構50は、メインギヤ10に設けられた第2ドグ200に噛合する第1ドグ100を備えているが、本実施形態においては、図2に示すように、全ての第1ドグ100が、固定ドグ100aおよび可動ドグ100bに分割されている。すなわち、第1環状部52には、メインシャフト2の軸方向の両端部から突出する固定ドグ100aが設けられており、第2環状部53には、固定ドグ100aと同一方向に突出する可動ドグ100bが設けられている。固定ドグ100aおよび可動ドグ100bは、第1環状部52および第2環状部53にそれぞれ同数設けられており、全ての可動ドグ100bが一体となって固定ドグ100aに対して相対回転可能となっている。つまり、第1ドグ100は、メインシャフト2の径方向において、メインシャフト2と一体回転する固定ドグ100aと、固定ドグ100aに対して相対回転可能な可動ドグ100bとに分割されていると言うことができる。
図4は、第1ドグ100および第2ドグ200を説明する図である。なお、図4(a)は、第1ドグ100および第2ドグ200を回転方向に展開した状態を示す図であり、図4(b)は、図4(a)のIV(b)-IV(b)線断面であり、図4(c)は、図4(a)の一部を抽出した部分拡大図である。図4(a)に示すように、各第1ドグ100は、1つの固定ドグ100aと、1つの可動ドグ100bとで構成され、動力伝達状態においては、メインギヤ10に設けられた1の第2ドグ200に対して、必ず、固定ドグ100aと可動ドグ100bとが1つずつ噛合した状態となる。なお、図4(a)からも明らかなように、第1ドグ100および第2ドグ200は、いずれも突出方向に向かうに従って、回転方向に幅広となる逆テーパ形状となっている。
ここで、第1ドグ100は、図4(b)に示すように、メインシャフト2の径方向内方に位置する固定ドグ100aと、径方向外方に位置する可動ドグ100bとに分割されており、その双方が1の第2ドグ200に噛合する。したがって、固定ドグ100aおよび可動ドグ100bの厚さ(径方向の長さ)は、第2ドグ200の厚さよりも小さく形成されており、固定ドグ100aと可動ドグ100bとは、第2ドグ200に対して、径方向の異なる位置で噛合することとなる。
また、磁石55、56の磁力によって第1環状部52および第2環状部53が初期位置にあるとき、可動ドグ100bは、図4(a)に示すように、回転方向に隣り合う2つの固定ドグ100aの間に保持されている。換言すれば、初期位置においては、磁石55、56によって、固定ドグ100aおよび可動ドグ100bは、回転方向の位相がずれた状態に保持されている。
さらに、固定ドグ100aおよび可動ドグ100bの寸法関係について説明すると、可動ドグ100bと第2ドグ200との離隔距離は、固定ドグ100aと第2ドグ200との離隔距離よりも小さい。より詳細には、図4(c)に示すように、可動ドグ100bは、固定ドグ100aよりも、セレクタ機構50(第1環状部52および第2環状部53)がメインギヤ10に近接する方向に突出する寸法関係を維持している。
これにより、メインギヤ10およびセレクタ機構50が互いに近接すると、固定ドグ100aおよび可動ドグ100bに分割された第1ドグ100の噛合過程で、可動ドグ100bが固定ドグ100aよりも先に第2ドグ200に接触しやすくなる。詳しくは後述するが、可動ドグ100bと第2ドグ200との接触時には、磁石55、56の保持力に抗して、可動ドグ100bが固定ドグ100aに対して相対回転する。したがって、噛合過程において、可動ドグ100bが固定ドグ100aよりも先に第2ドグ200に接触するようにすれば、噛合時の衝撃を緩衝して打突音を低減することができる。
なお、図4(c)に示すように、固定ドグ100aに対する可動ドグ100bの突出量をSとし、可動ドグ100bの突出方向の先端部から回転方向に隣り合う可動ドグ100bまでの最短距離をLとする。この場合に、セレクタ機構50がメインギヤ10に近接する方向への単位時間当たりの移動量xに対して、回転方向への単位時間当たりの移動量yがL/S倍以上となるように、セレクタ機構50の移動速度を制御すれば、必ず、固定ドグ100aよりも先に可動ドグ100bを第2ドグ200に接触させることができる。こうした制御を、上記の構成に加えて適用することで、噛合時の打突音をより低減することが可能となる。
(第1ドグ100と第2ドグ200との噛合過程)
図5は、第1ドグ100と第2ドグ200との噛合過程を説明する図である。セレクタ機構50が切り離し状態にあるとき、第1ドグ100と第2ドグ200とは、図5(a)に示すように、メインシャフト2の軸方向に離隔している。この状態では、固定ドグ100aおよび可動ドグ100bは、メインシャフト2とy方向に一体回転しているが、可動ドグ100bは、固定ドグ100aに対して相対回転可能となっている。そして、セレクタ機構50を切り離し状態から動力伝達状態に切り換えるための変速操作(加速時のアップシフト)がなされると、図5(b)に示すように、セレクタ機構50がメインギヤ10に対して、近接する方向(x方向)に移動する。
すると、第1ドグ100が第2ドグ200に噛合することとなるが、このとき、可動ドグ100bが固定ドグ100aよりも突出していることから、可動ドグ100bが固定ドグ100aよりも先に第2ドグ200に接触しやすくなっている。そして、図5(b)に示すように、可動ドグ100bのうち、第1ドグ100が第2ドグ200に対して回転方向に近接する側(ここでは第1ドグ100の回転方向前方側)に位置する接触部Tbが第2ドグ200に接触すると、可動ドグ100bは固定ドグ100aに対して相対回転が可能であるため、可動ドグ100bが、固定ドグ100aに対して図中c方向に相対回転する。これにより、可動ドグ100bから第2ドグ200に対してy方向の回転動力が伝達される際、すなわち、第1ドグ100と第2ドグ200との噛合時の衝撃が緩衝されることとなる。
そして、さらに、セレクタ機構50がメインギヤ10に対して近接する方向(x方向)に移動すると、図5(c)に示すように、固定ドグ100aのうち、第1ドグ100が第2ドグ200に対して回転方向に近接する側(ここでは第1ドグ100の回転方向前方側)に位置する接触部Taが第2ドグ200に噛合して変速が完了となる。このとき、先に可動ドグ100bが第2ドグ200に噛合して動力伝達がなされていることから、固定ドグ100aが第2ドグ200に噛合する際には、第1ドグ100と第2ドグ200との間の回転数の差(差回転)が小さく、第2ドグ200に固定ドグ100aが噛合する際の衝撃も小さくなる。
なお、図5(c)に示す動力伝達状態では、磁石55、56の保持力により、可動ドグ100bを初期位置に復帰させる力がd方向に作用している。例えば、車両の加速時においては、第1ドグ100と第2ドグ200との噛合状態が、図5(c)に示す状態となっている。具体的には、車両の加速時には、第2ドグ200のうち、メインシャフト2の回転方向の後方側に位置するドライブ側歯面200aと、固定ドグ100aの接触部Taおよび可動ドグ100bの接触部Tbとが噛合している。この状態から車両が減速すると、図5(d)に示すように、第2ドグ200のうち、メインシャフト2の回転方向の前方側に位置するコースト側歯面200bと、固定ドグ100aのうち、接触部Taとは反対側の歯面とが噛合し、駆動輪側からメインシャフト2側への動力伝達状態に切り換わる。ただし、可動ドグ100bには磁石55、56の保持力が作用していることから、この保持力によって、加速状態から減速状態に切り換わっても、可動ドグ100bの接触部Tbは、そのまま第2ドグ200のドライブ側歯面200aに噛合したままの状態に維持される。
このように、車両の走行状態が、加速状態と減速状態との間で切り換わる際にも、可動ドグ100bが第2ドグ200に噛合したままの状態に維持されることから、意図せずに第1ドグ100と第2ドグ200との噛合が解除されてしまうギヤ抜けを防止することができる。
(セレクタ機構50の切り換え制御)
次に、上記の構成からなるセレクタ機構50の切り換え制御について説明する。
図6は、セレクタ機構50を切り換え制御する制御部の機能ブロック図であり、図7は、切り離し状態から動力伝達状態への切り換え制御を説明するフローチャートである。図6に示すように、本実施形態の変速機1は、セレクタ機構50を切り換え制御する制御部60を備えている。この制御部60には、シフトレバーによる変速操作を検知する変速操作検知部61からの検知信号と、各メインギヤ10およびセレクタ機構50の回転数を検知する回転数検知部62からの検知信号とが入力される。制御部60は、これら変速操作検知部61および回転数検知部62から入力される検知信号に基づいて、シフトフォークSFを可動制御する。
(ステップS101)
図7に示すように、変速操作検知部61から変速操作信号が入力されると、制御部60は、シフトフォークSFを可動制御し、現在、動力伝達状態にあるセレクタ機構50、すなわち、現在、動力伝達経路に選択されている歯車列を切り離し状態に移行させる。
(ステップS102)
次に、制御部60は、回転数検知部62から入力される検知信号に基づき、動力伝達状態に切り換える対象となるメインギヤ10およびセレクタ機構50の回転数を確認し、両者の相対回転数(回転数の差)を導出する。
(ステップS103)
次に、制御部60は、上記ステップS102で算出した相対回転数から、シフトフォークSFの可動速度、すなわち、セレクタ機構50をメインギヤ10に近接させる際の移動速度を算出する。ここでは、上記したように、セレクタ機構50がメインギヤ10に近接する方向への単位時間当たりの移動量xに対して、回転方向への単位時間当たりの移動量yがL/S倍以上となるように、セレクタ機構50の移動速度を算出する。
(ステップS104)
次に、制御部60は、上記ステップS103で算出された移動速度で、シフトフォークSFを可動制御する。
上記の処理により、第1ドグ100と第2ドグ200との噛合時に、必ず、可動ドグ100bが固定ドグ100aよりも先に第2ドグ200に接触することとなり、衝撃の緩衝効果と打突音の低減効果をより向上することが可能となる。
(変形例)
なお、上記実施形態では、噛合過程において、可動ドグ100bを固定ドグ100aよりも先に第2ドグ200に接触させるために、可動ドグ100bを、固定ドグ100aよりも突出させることとした。しかしながら、例えば、図8に示すように、第2ドグ300のうち、可動ドグ100bに噛合する部分を、固定ドグ100aに噛合する部分よりも突出させてもよい。この場合であっても、可動ドグ100bと第2ドグ300との離隔距離が、固定ドグ100aと第2ドグ300との離隔距離よりも小さくなるため、可動ドグ100bを固定ドグ100aよりも先に第2ドグ300に接触しやすくすることができる。
なお、上記実施形態では、メインギヤ10に第2ドグ200を設け、セレクタ機構50に第1ドグ100を設け、ギヤを直接切り換える場合について説明した。しかしながら、例えば、軸方向に対向配置された第1シャフトと第2シャフトの両軸端に、第1ドグおよび第2ドグを対向配置させ、これら第1ドグおよび第2ドグの噛合状態に応じて、両シャフトが一体回転する動力伝達状態と、両シャフトが相対回転する切り離し状態とに切り換える場合にも適用可能である。いずれにしても、第1回転軸と一体回転する第1回転体に、複数の第1ドグを回転方向に整列配置し、第2回転軸と一体回転する第2回転体に、複数の第2ドグを回転方向に整列配置し、第1回転体および第2回転体が互いに近接すると、第1ドグおよび第2ドグが噛合して第1回転体と第2回転体とが一体回転する動力伝達状態となり、第1回転体および第2回転体が互いに離隔すると、第1ドグおよび第2ドグの噛合が解除されて第1回転体と第2回転体とが相対回転する切り離し状態となる動力伝達装置に広く適用可能である。
また、上記実施形態では、固定ドグ100aに対する可動ドグ100bの相対位置を予め定められた初期位置に保持する保持力を作用させる保持部材として、磁石55、56を備える場合について説明した。しかしながら、保持部材は磁石55、56に限らず、例えば、スプリング等の弾性力を作用させる弾性部材で構成してもよい。
また、上記実施形態では、可動ドグ100bは、初期位置として、回転方向に隣り合う2つの固定ドグ100aの間に保持される場合について説明した。しかしながら、初期位置における可動ドグ100bと固定ドグ100aとの相対位置関係はこれに限らない。いずれにしても、初期位置として、第1回転体と第2回転体とが切り離し状態から動力伝達状態に切り換わる際に、第2ドグ200に接触する可動ドグ100bの接触部Tbの少なくとも一部を、第2ドグ200に接触する固定ドグ100aの接触部Taよりも、第1ドグ100が第2ドグ200に対して回転方向に近接する側に位置していればよい。したがって、可動ドグ100bの接触部Tbが固定ドグ100aの接触部Taよりも、第1ドグ100が第2ドグ200に対して回転方向に近接する側に位置していれば、例えば、固定ドグ100aと可動ドグ100bとが回転方向に完全に一致した位置を初期位置としてもよい。
また、上記実施形態では、可動ドグ100bが固定ドグ100aよりも、セレクタ機構50がメインギヤ10に近接する方向に突出する寸法関係とすることで、噛合過程において可動ドグ100bが固定ドグ100aよりも先に第2ドグ200に接触しやすくなるようにした。しかしながら、可動ドグ100bが固定ドグ100aよりも先に第2ドグ200に接触する関係性を維持していればよく、例えば、この関係性を制御によってのみ維持することができれば、可動ドグ100bと固定ドグ100aとの寸法関係は特に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、全ての第1ドグ100を固定ドグ100aと可動ドグ100bとに分割した場合について説明したが、一部の第1ドグ100のみを固定ドグ100aと可動ドグ100bとに分割することとしてもよい。
なお、本明細書の各制御処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
本発明は、車両の変速機に用いられる動力伝達装置に利用することができる。
1 …変速機(動力伝達装置)
10 …メインギヤ(第2回転体)
50、50a、50b …セレクタ機構(第1回転体)
52 …第1環状部
53 …第2環状部
55、55N、55S、56、56N、56S …磁石(保持部材)
60 …制御部
100 …第1ドグ
100a …固定ドグ
100b …可動ドグ
200、300 …第2ドグ

Claims (8)

  1. 複数の第1ドグが回転方向に整列配置された第1回転体と、
    前記第1ドグに噛合可能な複数の第2ドグが回転方向に整列配置された第2回転体と、
    を備え、
    前記第1回転体および前記第2回転体が互いに近接すると、前記第1ドグおよび前記第2ドグが噛合して該第1回転体と該第2回転体とが一体回転する動力伝達状態となり、前記第1回転体および前記第2回転体が互いに離隔すると、前記第1ドグおよび前記第2ドグの噛合が解除されて該第1回転体と該第2回転体とが相対回転する切り離し状態となる動力伝達装置であって、
    前記第1回転体は、
    該第1回転体と一体回転する固定ドグ、および、該固定ドグに対して相対回転可能な可動ドグに分割された前記第1ドグと、
    前記固定ドグに対する前記可動ドグの相対位置を予め定められた初期位置に保持する保持力を作用させる保持部材と、を備え、
    前記保持部材は、
    前記初期位置として、前記第1回転体と前記第2回転体とが前記切り離し状態から前記動力伝達状態に切り換わる際に、前記第2ドグに接触する前記可動ドグの接触部の少なくとも一部を、該第2ドグに接触する前記固定ドグの接触部よりも、前記第1ドグが該第2ドグに対して回転方向に近接する側に位置させることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記保持部材は、磁石であることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記第1回転体は、全ての第1ドグが前記固定ドグと前記可動ドグとに分割されており、全ての該可動ドグが一体となって固定ドグに対して相対回転することを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記可動ドグと前記固定ドグとは、前記第1回転体の径方向に分割されていることを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記第1回転体は、
    前記固定ドグが設けられた第1環状部と、
    前記可動ドグが設けられ、前記第1環状部が挿通された第2環状部と、
    を備え、
    前記第1環状部および前記第2環状部が互いに対向する部分に前記磁石が配されていることを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
  6. 前記可動ドグと前記第2ドグとの離隔距離は、前記固定ドグと前記第2ドグとの離隔距離よりも小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
  7. 前記可動ドグは、前記固定ドグよりも、前記第1回転体が前記第2回転体に近接する方向に突出する寸法関係を維持していることを特徴とする請求項6に記載の動力伝達装置。
  8. 前記固定ドグに対する前記可動ドグの突出量をSとし、該可動ドグの突出方向の先端部から回転方向に隣接する可動ドグまでの最短距離をLとした場合に、近接方向への移動量に対する回転方向への移動量がL/S倍以上となるように、前記第1回転体および前記第2回転体を互いに近接させる制御部を備えたことを特徴とする請求項7に記載の動力伝達装置。
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