JP2014152338A - ナノワイヤ付き微粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面にナノワイヤを形成したナノワイヤ付き微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】ナノワイヤ付き微粒子10を製造するため、たとえば銅からなる金属微粒子1を準備する。次に、金属微粒子1を構成する金属が酸化する酸素濃度で、金属微粒子1を熱処理する。これによって、まず、金属粒子1の表面に酸化物層2が形成される。酸化物の熱膨張係数は金属の熱膨張係数より小さいため、熱処理時の昇温に伴って、金属粒子1のコア部3を構成する金属がより大きく膨張し、酸化物層2を突き破って、酸化物層2の表面から突き出たナノワイヤ5を形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、粒子本体の表面からナノワイヤが外方へ延びるように形成されたナノワイヤ付き微粒子およびその製造方法に関するものである。
たとえば、特許文献1には、この発明にとって興味ある技術として、露出した銅の表面を有する基板を用意し、この銅の表面を100℃以下の低温で酸化溶液に接触させることによって、基板の表面に銅酸化物からなるナノワイヤを成長させることが記載されている。この方法は、低温溶液酸化法と呼ばれ、上記酸化溶液としては、亜鉛素酸ナトリウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液との混合液が用いられる。このようにして得られたナノワイヤ付きの基板は、たとえばディスプレイ装置の電子放出チップとして用いられる。
他方、たとえば、非特許文献1には、熱膨張係数が互いに異なるCu層/Ta層/SiO層/Si層からなる多層体を、大気雰囲気下、340℃で5分間保持した後、大気雰囲気下で室温まで徐冷(−1.3℃/分)し、徐冷過程でCu層に圧縮応力を作用させることを特徴とした、亜酸化銅のナノワイヤを表面に有する基板の製造方法が記載されている。なお、上記Ta層は、接合性向上およびCu原子の拡散防止の機能を有している。
特開2004−214196号公報
Yumei Yue, Mingji Chen, Yang Ju, and Lan Zhang, "Stress-induced growth of well-aligned Cu2O nanowire arrays and their photovoltaic effect", Scripta Materialia, 66 (2012) p.81-84
上記特許文献1に記載の技術および非特許文献1に記載の技術には、それぞれ、解決されるべき課題がある。
特許文献1に記載の技術では、自己抑制成長(self-limiting growth)により、長さ1μmを超えるナノワイヤが得られ難い。また、化学薬品を使用するため、環境に対する負荷が大きい。
非特許文献1に記載の技術では、熱膨張係数の互いに異なる複数の層を配した多層体にする必要がある。したがって、たとえば、ナノワイヤを表面に有する微粒子を製造することが困難である。
そこで、この発明の目的は、上述したような課題を解決しながら、表面にナノワイヤを形成したナノワイヤ付き微粒子およびその製造方法を提供しようとすることである。
この発明は、ナノワイヤ付き微粒子にまず向けられるものであって、粒子本体と、粒子本体の表面から外方へ延びるナノワイヤとを備えることを特徴としている。
この発明に係るナノワイヤ付き微粒子において、ナノワイヤは銅酸化物および銅のいずれかからなることが好ましい。銅酸化物や銅は高触媒活性であることが知られており、したがって、ナノワイヤ付き微粒子を触媒として使用したとき、広範な応用が期待できる。
また、粒子本体の少なくとも表面は銅酸化物および銅のいずれかからなることが好ましい。この構成において、粒子本体の少なくとも表面が銅からなる場合、たとえば、銅酸化物からなるナノワイヤを表面に有した銅微粒子が提供される。このような銅微粒子を、積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペーストの導電材料として用いると、銅酸化物からなるナノワイヤによって低温での脱脂および残留カーボンの除去が可能となり、かつ、銅からなる粒子本体によって良好な電気特性を有する内部電極を得ることができる。
また、粒子本体の平均粒径は1μm以上であることが好ましい。粒子本体の平均粒径が1μm未満の場合、微粒子のハンドリング性が低下するためである。
この発明は、また、粒子本体と、粒子本体の表面から外方へ延びるナノワイヤとを有する、ナノワイヤ付き微粒子を製造する方法にも向けられる。この発明に係るナノワイヤ付き微粒子の製造方法は、金属微粒子を準備する工程と、金属微粒子を構成する金属が酸化する酸素濃度で、金属微粒子を熱処理し、それによって、粒子本体としての金属微粒子の表面からナノワイヤを生じさせる工程と、を含むことを特徴としている。
この発明に係るナノワイヤ付き微粒子の製造方法において、準備される金属微粒子は銅からなることが好ましい。これにより、ナノワイヤ付き微粒子を安価に得ることができ、広範な応用が期待できる。また、銅はヤング率が比較的低いため、ナノワイヤを円滑に形成することができる。
準備される金属微粒子は、銅とたとえばアルミニウムのような銅よりも酸化しやすい元素とを含む合金からなることも、また、好ましい。これにより、金属微粒子の表面からナノワイヤを安定して生じさせることができる。また、合金の組成を変えることにより、ナノワイヤの形成状態(密度、長さ等)を制御することができる。
また、準備される金属微粒子の平均粒径は1μm以上であることが好ましい。金属微粒子の平均粒径が1μm未満の場合、ナノワイヤの成長が遅くなったり、ナノワイヤの形成が不均一になったり、十分な長さのナノワイヤが得られにくくなったりする傾向にある。
熱処理する工程において、熱処理温度が300℃〜500℃であり、かつ、熱処理温度までの昇温速度が1℃/分以下であることが好ましい。熱処理温度が300℃未満の場合、十分な長さのナノワイヤを得るのに長時間を要し、他方、熱処理温度が500℃を超える場合、ナノワイヤ同士が相互拡散し、ナノワイヤの分布密度が低下する傾向にある。また、昇温速度が1℃/分を超えると、ナノワイヤの形成がし難くなる傾向にある。
熱処理する工程の後に、金属微粒子を還元処理する工程をさらに含むことが好ましい。これにより、ナノワイヤおよび粒子本体を金属化することができる。
上記還元処理する工程を実施するにあたり、好ましくは、金属微粒子を構成する金属が還元する酸素濃度で熱還元処理するようにされる。このように、還元を化学的な処理に基づいて行わない方が、環境に対する負荷を低減でき、かつ、金属に対する悪影響を回避することができる。
また、より好ましくは、上記熱還元処理する工程の熱処理温度が300℃〜600℃に選ばれる。このようにすることにより、ナノワイヤおよび粒子本体をより能率的に金属化することができる。
この発明に係るナノワイヤ付き微粒子によれば、表面に形成されたナノワイヤの存在により、微粒子の比表面積を高くすることができる。したがって、この発明に係るナノワイヤ付き微粒子に対しては、比表面積が高いほど有利な触媒やセンサー等としての用途が期待できる。
この発明に係るナノワイヤ付き微粒子の製造方法によれば、ナノワイヤ付き微粒子を安価に、容易にかつ大量に製造することができる。
この発明に係るナノワイヤ付き微粒子10の構造および製造方法を説明するための模式的断面図である。 実験例においてナノワイヤ付き微粒子の作製のために準備された金属微粒子M−3のSEM像を示す図である。 実験例において作製された試料1に係るナノワイヤ付き微粒子のSEM像を示す図である。 図3に示したSEM像をより拡大して示す図である。
この発明に係るナノワイヤ付き微粒子は、粒子本体と、粒子本体の表面から外方へ延びるナノワイヤとを備えるものであり、粒子本体およびナノワイヤの各材料については限定されない。ナノワイヤ付き微粒子は、好ましくは、金属微粒子から製造されるので、好ましい実施形態では、ナノワイヤは金属または金属酸化物からなる。また、好ましい実施形態では、粒子本体は、金属からなる場合と、その表面のみが金属酸化物からなる場合とがある。
図1を参照して、ナノワイヤ付き微粒子の構造を明らかにするため、金属微粒子からナノワイヤ付き微粒子を製造する方法について説明する。
図1(1)に示すように、まず、金属微粒子1が準備される。金属微粒子1は、たとえば銅からなる。金属微粒子1の平均粒径は1μm以上と比較的大きい方が好ましい。
次に、金属微粒子1が熱処理される。熱処理工程では、金属微粒子1を構成する金属が酸化する酸素濃度が適用される。また、この熱処理工程では、好ましくは、300〜500℃といった緩やかな温度条件、および1℃/分以下といった緩やかな昇温条件が採用される。図1(2)〜(4)には、この熱処理工程でもたらされる現象が順次示されている。
まず、熱処理の初期の段階では、図1(2)に示すように、金属微粒子1の表面が酸化され、表面に薄い酸化物層2が形成される。これによって、金属微粒子1は、酸化物層2をシェル部とし、このシェル部によって覆われた金属からなるコア部3を備える、コア−シェル構造をとる状態となる。
上記の状態において、緩やかな条件での昇温が進むと、酸化物層2およびコア部3がともに膨張するが、熱膨張係数の差異に着目すると、酸化物層2の熱膨張係数は、金属からなるコア部3の熱膨張係数より小さいため、昇温に伴って、コア部3には、図1(2)において、放射方向に向く矢印4で示すように、熱膨張に起因する応力が発生する。
緩やかな条件での昇温がさらに進むと、コア部3が酸化物層2よりも大きく膨張するため、図1(3)に示すように、コア部3を構成する金属が、酸化物層2を突き破って、酸化物層2の表面から突き出たナノワイヤ5を形成する。ここで、前述したように、金属微粒子1が銅からなる場合、銅はヤング率が比較的低いため、ナノワイヤ5を円滑に形成することができる。
上述のように形成されたナノワイヤ5は、酸化雰囲気に暴露された時点で酸化される。その結果、図1(4)に示すように、金属酸化物からなるナノワイヤ5が形成される。
以上のような現象が、金属微粒子1の表面の複数箇所において連続的に生じることにより、粒子本体11と、粒子本体11の表面から外方へ延びる複数のナノワイヤ5とを備える、ナノワイヤ付き微粒子10が得られる。
さらに、必要に応じて、図1(4)に示したナノワイヤ付き微粒子10が還元処理される。これによって、ナノワイヤ付き微粒子10において、粒子本体11の特に酸化物層2およびナノワイヤ5が金属化される。その結果、図1(5)に示すように、すべて金属化されたナノワイヤ付き微粒子10が得られる。
この還元処理にあたっては、化学的な処理ではなく、図1(1)に示した金属微粒子1を構成する金属が還元する酸素濃度で熱還元処理することが好ましい。また、熱還元処理での熱処理温度は、ナノワイヤ5および粒子本体11をより能率的に金属化するため、300〜600℃に選ばれることが好ましい。
前述したように、金属微粒子1の平均粒径は1μm以上と比較的大きい方が好ましいとされたのは、ナノワイヤ5の形成のために消費される金属量を金属微粒子1から十分に供給することができ、よって、ナノワイヤ5の成長が遅くなったり、ナノワイヤ5の形成が不均一になったりすることなく、十分な長さのナノワイヤ5を得ることが容易になるためである。
なお、金属微粒子1の平均粒径は、得られたナノワイヤ付き微粒子10における粒子本体11の平均粒径に実質的に反映される。したがって、金属微粒子1の平均粒径が1μm以上とされると、大体において、ナノワイヤ付き微粒子10における粒子本体の平均粒径も1μm以上となり、ナノワイヤ付き微粒子10のハンドリング性を良好なものとすることができる。
また、図1(2)〜(4)に示した現象を生じさせるための熱処理工程において、300〜500℃といった緩やかな温度条件、および1℃/分以下といった緩やかな昇温条件が採用されることが好ましいとされたのは、比較的高い分布密度をもってナノワイヤ5を容易かつ円滑に形成できるようにするためである。
図1(1)に示した金属微粒子1は、たとえば銅と銅よりも酸化しやすい元素とを含む合金からなるものであってもよい。銅よりも酸化しやすい元素としては、アルミニウムが有利に用いられる。金属微粒子1が銅とアルミニウムとを含む合金からなる場合、図1(2)に示した工程において、アルミニウムは、銅よりも先に金属微粒子1の表面に向かって移動し、表面に達した時点で酸化され、Alとなる。その結果、金属微粒子1において、酸化物層2は主としてAlから構成され、コア部3は主として銅から構成された、コア−シェル構造が形成される。
このように、金属微粒子1が、銅とたとえばアルミニウムのような銅よりも酸化しやすい元素とを含む合金からなる場合、金属微粒子1の表面からナノワイヤ5を安定して生じさせることができる。また、合金の組成において、銅より酸化しやすい元素の含有量を多くすることにより、酸化物層2の厚みが増し、そのため、ナノワイヤ5の単位面積あたりの数が少なくなったり、ナノワイヤ5の長さが短くなったりする傾向がある。したがって、合金の組成を変えることにより、ナノワイヤ5の形成状態(密度、長さ等)を制御することができる。
以下、この発明に従って実施した実験例について説明する。
[実験例1]
(1)金属微粒子の準備
表1に記載の金属微粒子を準備した。表1に示した「平均粒径」は、金属微粒子(n=20個)のSEM像を撮像し、各金属微粒子の粒子径を測長して求めた平均値である。また、「組成」はICP-AES法(誘導結合プラズマ発光分析法)により求めた。また、すべての金属微粒子はアトマイズ法によって作製した。一例として、表1に示した金属微粒子M−3のSEM像を図2に示す。
なお、市販の金属微粒子は、表面処理として防錆処理が施されていることが多いが、この実験例では、防錆処理が施されていない金属微粒子を用いた。防錆処理が施されていると、ナノワイヤの成長が遅くなったり、ナノワイヤの形成が不均一になったりする傾向にあると考えられるからである。
(2)金属微粒子の熱処理
次に、表1に示した金属微粒子に対して、表2に示す条件で熱処理を行なった。なお、表2の「雰囲気」において、「還元」と表示されているものは、Cuが酸化しない酸素濃度を有する雰囲気である。
次に、金属微粒子を熱処理して得られた試料1〜19に対して、表2に示すように、各種特性を評価した。各種特性の評価法を以下に述べる。
〈ナノワイヤの有無〉
熱処理後の金属微粒子をSEM観察し、金属微粒子表面に長さが0.1μmを超えるナノワイヤが認められたものについては、ナノワイヤが存在すると判定し、表2の「ナノワイヤ」の「有無」の欄に「○」と表示した。他方、金属微粒子表面に長さが0.1μmを超えるナノワイヤが認められなかったものについては、ナノワイヤが存在しないと判定し、同欄に「×」と表示した。
〈ナノワイヤの組成〉
ナノワイヤが存在すると判定された試料について、熱処理後の金属微粒子のナノワイヤに対して電子線回折を行ない、その回折パターンから組成を同定した。同定した組成を表2の「ナノワイヤ」の「組成」の欄に記載した。
〈ナノワイヤの相対密度〉
ナノワイヤが存在すると判定された試料について、熱処理後の金属微粒子をSEM観察し、1個の金属微粒子に形成されているナノワイヤ数をカウントした。10個の金属微粒子に対して同様の評価を行ない、1個の金属微粒子に形成されている平均ナノワイヤ数を算出した。さらに、本実験例において最も平均ナノワイヤ数が多かった試料10の平均ナノワイヤ数を規準として、これを「100」と定め、試料10の平均ナノワイヤ数に対する相対的な平均ナノワイヤ数を「ナノワイヤの相対密度」と定義した。各試料の相対密度を表2の「ナノワイヤ」の「相対密度」の欄に記載した。
〈ナノワイヤの相対長さ〉
ナノワイヤが存在すると判定された試料について、熱処理後の金属微粒子をSEM観察し、1個の金属微粒子に形成されている各ナノワイヤの長さを測長した。10個の金属微粒子に対して同様の評価を行ない、1個の金属微粒子に形成されている平均ナノワイヤ長を算出した。さらに、本実験例において最も平均ナノワイヤ長が大きかった試料10の平均ナノワイヤ長を規準として、これを「100」と定め、試料10の平均ナノワイヤ長に対する相対的な平均ナノワイヤ長を「ナノワイヤの相対長さ」と定義した。各試料の相対長さを表2の「ナノワイヤ」の「相対長さ」の欄に記載した。
〈粒子本体の平均粒径〉
熱処理後の金属微粒子(n=20個)のSEM像を撮像し、各金属微粒子のナノワイヤ部分を除いた粒子本体の粒子径を測長し、その平均値を平均粒径と定義し、表2の「平均粒径」の欄に記載した。
〈粒子本体の表層部の組成〉
熱処理後の金属微粒子を樹脂埋めし、断面研磨によって粒子本体の断面を露出させた。露出させた粒子本体断面をWDX解析し、粒子本体の表層部に存在する元素を定性した。定性した元素を表2の「粒子本体」の「表層部の組成」の欄に記載した。
〈粒子本体の内層部の組成〉
熱処理後の金属微粒子を樹脂埋めし、断面研磨によって粒子本体の断面を露出させた。露出させた粒子本体断面をWDX解析し、粒子本体の内層部に存在する元素を定性した。定性した元素を表2の「粒子本体」の「内層部の組成」の欄に記載した。
この発明の範囲内にある試料1〜11は、銅酸化物からなるナノワイヤを表面に有する微粒子であることが確認された。一例として、金属微粒子を熱処理して得られた試料1に係るナノワイヤ付き微粒子のSEM像を図3および図4に示す。図4は、図3に示したSEM像をより拡大して示したものである。図2と図3および図4とを比較すれば、図2に示した金属微粒子に、図3および図4に示すように、多数のナノワイヤが発生していることが確認できる。
また、この発明の範囲内にある試料1〜11では、微粒子における粒子本体の内層部は、酸化物ではなく、金属状態であることが確認された。さらに、金属微粒子のCu比率が高いほど、熱処理の昇温速度が遅いほど、熱処理の温度が低いほど、ナノワイヤの相対密度や相対長さが大きくなる傾向が確認された。
一方、この発明の範囲外にある試料12〜19では、表面にナノワイヤを確認することができなかった。これは、銅が酸化しない還元性雰囲気で処理したため、金属微粒子の表面に酸化物が形成されず、そのため、昇温時の熱膨張に起因する応力が粒子本体の内層部に生じなかったことが原因であると推測できる。
[実験例2]
実験例2では、実験例1で得られたナノワイヤ付き微粒子に対して還元処理を行なった場合の特性を評価した。
還元処理を施すべきナノワイヤ付き微粒子として、表3の「還元前試料」の欄に示すように、実験例1で得られた試料1および10を選択した。
これら試料1および10に係るナノワイヤ付き微粒子に対して、表3に示す条件で熱還元処理を行なった。すなわち、試料1に対して還元処理を行ない、試料20および21を得、試料10に対して還元処理を行ない、試料22および23を得た。得られた微粒子の特性を、実験例1の場合と同様の方法で評価し、その結果を表3に記載した。
得られた試料20〜23に係るナノワイヤ付き微粒子では、表3の「ナノワイヤ」の「組成」の欄からわかるように、すべて、Cuからなるナノワイヤが確認された。さらに、これら試料20〜23では、表3の「粒子本体」の「内層部の組成」の欄に記載されるように、すべて、金属であることが確認された。
なお、試料20および21では、還元処理後であるにもかかわらず、表3の「粒子本体」の「表層部の組成」に「O」が残っているが、これは、これらの試料を得るために用いた金属粒子M−3が酸化されやすいAlを含んでいたためであると推測される。
また、試料20と試料21とを比較すれば、「粒子本体」の「内層部の組成」について、試料20では「Cu,Al」であるのに対し、試料21では「Cu」である。これは、熱還元処理において、試料21では、600℃という比較的高い温度が適用されたため、粒子本体の内層部に存在していたAlが分析可能限度量未満になるまで表層部へ移動したためであると推測できる。
この発明に係るナノワイヤ付き微粒子は、極めて高い比表面積を与えることができるので、表面積が大きいほど有利な触媒やセンサー等としての用途が期待できる。
また、この発明に係るナノワイヤ付き微粒子であって、粒子本体が銅からなり、ナノワイヤが銅酸化物からなるものであれば、積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペーストの導電材料として有利に用いることができる。銅酸化物からなるナノワイヤによって低温での脱脂および残留カーボンの除去が可能となり、かつ、銅からなる粒子本体によって良好な電気特性を有する内部電極を得ることができるためである。
1 金属微粒子
2 酸化物層
3 コア部
5 ナノワイヤ
10 ナノワイヤ付き微粒子
11 粒子本体

Claims (12)

  1. 粒子本体と、前記粒子本体の表面から外方へ延びるナノワイヤとを備える、ナノワイヤ付き微粒子。
  2. 前記ナノワイヤが銅酸化物および銅のいずれかからなる、請求項1に記載のナノワイヤ付き微粒子。
  3. 前記粒子本体の少なくとも表面が銅酸化物および銅のいずれかからなる、請求項1または2に記載のナノワイヤ付き微粒子。
  4. 前記粒子本体の平均粒径が1μm以上である、請求項1ないし3のいずれかに記載のナノワイヤ付き微粒子。
  5. 粒子本体と、前記粒子本体の表面から外方へ延びるナノワイヤとを有する、ナノワイヤ付き微粒子を製造する方法であって、
    金属微粒子を準備する工程と、
    前記金属微粒子を構成する金属が酸化する酸素濃度で、前記金属微粒子を熱処理し、それによって、前記粒子本体としての前記金属微粒子の表面からナノワイヤを生じさせる工程と、
    を含む、ナノワイヤ付き微粒子の製造方法。
  6. 前記金属微粒子が銅からなる、請求項5に記載のナノワイヤ付き微粒子の製造方法。
  7. 前記金属微粒子が、銅と銅よりも酸化しやすい元素とを含む合金からなる、請求項5に記載のナノワイヤ付き微粒子の製造方法。
  8. 前記金属微粒子の平均粒径が1μm以上である、請求項5ないし7のいずれかに記載のナノワイヤ付き微粒子の製造方法。
  9. 前記熱処理する工程において、熱処理温度が300℃〜500℃であり、かつ、前記熱処理温度までの昇温速度が1℃/分以下である、請求項5ないし8のいずれかに記載のナノワイヤ付き微粒子の製造方法。
  10. 前記熱処理する工程の後に、前記金属微粒子を還元処理する工程をさらに含む、請求項5ないし9のいずれかに記載のナノワイヤ付き微粒子の製造方法。
  11. 前記還元処理する工程が、前記金属微粒子を構成する金属が還元する酸素濃度で熱還元処理する工程を含む、請求項10に記載のナノワイヤ付き微粒子の製造方法。
  12. 前記熱還元処理する工程の熱処理温度が300℃〜600℃である、請求項11に記載のナノワイヤ付き微粒子の製造方法。
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