JP2014151431A5 - ヘリカルブローチおよびヘリカルブローチ修繕方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ヘリカルブローチおよびヘリカルブローチ修繕方法に関する。
上記課題を解決する第一の発明に係るヘリカルブローチは、被切削体における歯溝に対応する所定の歯形ねじれ角を有する仕上げ加工刃を外周側に形成した円筒状の仕上げ加工用シェルを備えるヘリカルブローチであって、前記仕上げ加工用シェルは、前記仕上げ加工刃を備えた略円筒状のシェル(ウェハー式シェル)が工具軸方向に複数並べられて成る分割構造であり、複数の前記シェルは、工具軸方向の一端に設けられる溝部と、工具軸方向の他端に設けられ隣接する前記シェルの前記溝部と嵌合する突起部とを有し、隣接する前記シェルの前記溝部と前記突起部との嵌合によって工具周方向の位相が相対的に合わされ、複数の前記シェルにおける前記溝部および前突起部は、前記仕上げ加工刃を基準とした所定の位置に設けられ、前記歯形ねじれ角に沿うように並んで位置し、複数の前記シェルにおける前記仕上げ加工刃は、加工方向先行側から加工方向後行側へ向かって刃幅が前記シェルごとに漸増することを特徴とする。
上記課題を解決する第二の発明に係るヘリカルブローチは、第一の発明に係るヘリカルブローチにおいて、前記仕上げ加工用シェルは、加工方向最後端に新たな前記シェルを挿入すると共に、加工方向最先端に位置する前記シェルを取外し、軸方向に並んで組付けられた各前記シェルの設置位置を加工方向先行側へ移動することができるものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第三の発明に係るヘリカルブローチは、第一または第二の発明に係るヘリカルブローチにおいて、前記シェルにおける前記仕上げ加工刃は、前記被切削体における歯すじに沿う両歯面を切削することを特徴とする。
上記課題を解決する第四の発明に係るヘリカルブローチは、第三の発明に係るヘリカルブローチにおいて、前記シェルにおける前記仕上げ加工刃は、前記被切削体における歯すじに沿う両歯面に突き当てられる刃物角が共に鋭角であることを特徴とする。
上記課題を解決する第五の発明に係るヘリカルブローチ修繕方法は、外周側に仕上げ加工刃を形成した略円筒状のシェルが工具軸方向に複数並べられて成る円筒状の仕上げ加工用シェルを備えるヘリカルブローチを修繕するヘリカルブローチ修繕方法であって、加工方向最後端に位置する前記シェルに設けられた前記仕上げ加工刃が、被切削体を所定の寸法に切削することが不可能な状態になった場合には、加工方向最後端に新たな前記シェルを挿入すると共に、加工方向最先端に位置する前記シェルを取外し、軸方向に並んで組付けられた各前記シェルの設置位置を加工方向先行側へ移動して新たな仕上げ加工用シェルとすることを特徴とする。
上記課題を解決する第五の発明に係るヘリカルブローチ修繕方法は、外周側に仕上げ加工刃を形成した略円筒状のシェルが工具軸方向に複数並べられて成る円筒状の仕上げ加工用シェルを備えるヘリカルブローチを修繕するヘリカルブローチ修繕方法であって、加工方向最後端に位置する前記シェルに設けられた前記仕上げ加工刃が、被切削体を所定の寸法に切削することが不可能な状態になった場合には、加工方向最後端に新たな前記シェルを挿入すると共に、加工方向最先端に位置する前記シェルを取外し、軸方向に並んで組付けられた各前記シェルの設置位置を加工方向先行側へ移動して新たな仕上げ加工用シェルとすることを特徴とする。
第一の発明に係るヘリカルブローチによれば、仕上げ加工用シェルが軸方向に複数に分割された構造であるので、分割された各シェル(ウェハー式シェル)における一部の仕上げ加工刃が損傷や摩耗等によって被切削体を所定の寸法に切削することができない状態になった場合には、当該一部の仕上げ加工刃を有するシェルのみを交換すれば良いので、仕上げ加工用シェルとしての交換費用を大幅に抑えることができる。また、各シェルは被切削体における歯溝に対応する各一刃を仕上げ加工刃として有するので、各シェルにおいて仕上げ加工刃を形成する際には、仕上げ加工刃を形成するための砥石等が隣接刃と干渉する虞がなく、刃の逃げ角(二番逃がし)を大きく設定するなど、仕上げ加工刃を種々の形状に形成することができる。
第二の発明に係るヘリカルブローチによれば、各シェルの設置位置を加工方向先行側へ移動させることにより、再研磨等によって小さくなる仕上げ加工刃をすぐに廃棄せずに再利用することができるので、各シェルの使用期間を大幅に延ばし、仕上げ加工用シェルのランニングコストを大幅に抑えることができる。
第三の発明に係るヘリカルブローチによれば、シェルにおける仕上げ加工刃が被切削体における歯すじに沿う両歯面を切削するので、仕上げ加工刃の刃数を少なくすることができる。よって、仕上げ加工用シェルとしての軸方向の長さを短くすることができ、ヘリカルブローチの短尺化を図ることができる。
第四の発明に係るヘリカルブローチによれば、シェルにおける仕上げ加工刃が被切削体における歯すじに沿う両歯面を切削する刃物角が共に切削加工に適した鋭角であるので、被切削体の切削面の加工精度および面粗度を向上させることができる。また、仕上げ加工刃の切削量を十分に多く設定することができるので、仕上げ加工刃の刃数を少なくすることができる。よって、仕上げ加工用シェルとしての軸方向における長さを短くすることができ、ヘリカルブローチの短尺化を図ることができる。
第五の発明に係るヘリカルブローチ修繕方法によれば、各シェルの設置位置を加工方向先行側へ移動させることにより、再研磨等によって小さくなる仕上げ加工刃をすぐに廃棄せずに再利用することができるので、各シェルの使用期間を大幅に延ばし、仕上げ加工用シェルのランニングコストを大幅に抑えることができる。
第五の発明に係るヘリカルブローチ修繕方法によれば、各シェルの設置位置を加工方向先行側へ移動させることにより、再研磨等によって小さくなる仕上げ加工刃をすぐに廃棄せずに再利用することができるので、各シェルの使用期間を大幅に延ばし、仕上げ加工用シェルのランニングコストを大幅に抑えることができる。
また、本実施例では、各ウェハー式シェル20W(1)〜20W(N)における仕上げ加工刃30W(1)〜30W(N)が、ワークWにおける左歯面50および右歯面60を共に刃物角θW(1)〜θW(N)で切削するように設定すると共に、当該刃物角θW(1)〜θW(N)が切削加工に適する鋭角となるように設定している。
一般に、切削工具における加工刃は、切削部が鈍角であるよりも鋭角である方が高い切削能力を有し、かつ切削面における面粗度の良好な切削が可能である。
よって、本実施例では、ウェハー式シェル20W(1)〜20W(N)における仕上げ加工刃30W(1)〜30W(N)がワークWにおける両歯面50、60を切削する刃物角θW(1)〜θW(N)が鋭角となるように設定している。
よって、本実施例では、ウェハー式シェル20W(1)〜20W(N)における仕上げ加工刃30W(1)〜30W(N)がワークWにおける両歯面50、60を切削する刃物角θW(1)〜θW(N)が鋭角となるように設定している。
つまり、本実施例においては、ウェハー式シェル20W(1)〜20W(N)は、ワークWにおける左歯面50および右歯面60を共に鋭角の刃物角θW(1)〜θW(N)で切削する仕上げ加工刃30W(1)〜30W(N)が設けられた両歯面用である。
もちろん、本発明に係るヘリカルブローチは、本実施例のように両歯面用の仕上げ加工刃に限定されず、片歯面ずつ切削する仕上げ加工刃としても良い。また、ワークWにおける左歯面50および右歯面60を切削する切削量dW(1)〜dW(N)および刃物角θW(1)〜θW(N)を、左歯面50と右歯面60とで異なる数値としても良い。
本実施例に係るヘリカルブローチ1では、図3に示すように、ワークWにおける左歯面50および右歯面60を、ウェハー式シェル20W(1)〜20W(N)における仕上げ加工刃30W(1)〜30W(N)の刃物角θW(1)〜θW(N)で切削しているので、仕上げ加工刃30W(1)〜30W(N)による切削面の面粗度は良好で、切削量dW(1)〜dW(N)を十分に多く設定することができる。
なお、各ウェハー式シェル20W(1)〜20W(N)における仕上げ加工刃30W(1)〜30W(N)の切削量dW(1)〜dW(N)および刃物角θW(1)〜θW(N)等の切削条件を同等に設定することが好ましい。仕上げ加工刃30W(1)〜30W(N)の切削条件を同等とすることにより、仕上げ加工刃30W(1)〜30W(N)の摩耗時期や摩耗量が同等となり、各ウェハー式シェル20W(1)〜20W(N)の交換時期を概ね揃えることができる。
Claims (5)
- 被切削体における歯溝に対応する所定の歯形ねじれ角を有する仕上げ加工刃を外周側に形成した円筒状の仕上げ加工用シェルを備えるヘリカルブローチであって、
前記仕上げ加工用シェルは、前記仕上げ加工刃を備えた略円筒状のシェルが工具軸方向に複数並べられて成る分割構造であり、
複数の前記シェルは、工具軸方向の一端に設けられる溝部と、工具軸方向の他端に設けられ隣接する前記シェルの前記溝部と嵌合する突起部とを有し、隣接する前記シェルの前記溝部と前記突起部との嵌合によって工具周方向の位相が相対的に合わされ、
複数の前記シェルにおける前記溝部および前突起部は、前記仕上げ加工刃を基準とした所定の位置に設けられ、前記歯形ねじれ角に沿うように並んで位置し、
複数の前記シェルにおける前記仕上げ加工刃は、加工方向先行側から加工方向後行側へ向かって刃幅が前記シェルごとに漸増する
ことを特徴とするヘリカルブローチ。 - 前記仕上げ加工用シェルは、加工方向最後端に新たな前記シェルを挿入すると共に、加工方向最先端に位置する前記シェルを取外し、軸方向に並んで組付けられた各前記シェルの設置位置を加工方向先行側へ移動することができるものであることを特徴とする請求項1に記載のヘリカルブローチ。
- 前記シェルにおける前記仕上げ加工刃は、前記被切削体における歯すじに沿う両歯面を切削することを特徴とする請求項1に記載のヘリカルブローチ。
- 前記シェルにおける前記仕上げ加工刃は、前記被切削体における歯すじに沿う両歯面に突き当てられる刃物角が共に鋭角であることを特徴とする請求項3に記載のヘリカルブローチ。
- 外周側に仕上げ加工刃を形成した略円筒状のシェルが工具軸方向に複数並べられて成る円筒状の仕上げ加工用シェルを備えるヘリカルブローチを修繕するヘリカルブローチ修繕方法であって、
加工方向最後端に位置する前記シェルに設けられた前記仕上げ加工刃が、被切削体を所定の寸法に切削することが不可能な状態になった場合には、加工方向最後端に新たな前記シェルを挿入すると共に、加工方向最先端に位置する前記シェルを取外し、軸方向に並んで組付けられた各前記シェルの設置位置を加工方向先行側へ移動して新たな仕上げ加工用シェルとすることを特徴とするヘリカルブローチ修繕方法。
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