JP2014150240A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型大容量の積層セラミックコンデンサにおいてCR積の改善を図る。
【解決手段】積層体の最外層位置Pに存在する誘電体粒子の平均粒径がDであり、積層体の中央位置Pに存在する誘電体粒子の平均粒径がDであり、積層体の25%侵入位置Pに存在する誘電体粒子の平均粒径がDであるとした積層セラミックコンデンサにおいて、平均粒径D、D及びDの関係が、1.5×D<D、かつ、1.2×D<Dの条件を満たすように、焼成による誘電体粒子の粒成長を部分的に抑制する。これにより、1μm以下の誘電体厚みでも十分なCR積が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。特に静電容量と絶縁抵抗の積であるCR積の改善が図られた積層セラミックコンデンサ及びその製造方法に関する。
携帯電話などのデジタル電子機器の小型化及び薄型化に伴い、電子回路基板に実装される積層セラミックコンデンサ(MLCC:Multi-Layer ceramic capacitor)において求められるチップサイズの小型化及び大容量化のニーズが年々増している。小型の積層セラミックコンデンサにおいてその静電容量を上げるためには、誘電体層を薄層化して高密度かつ多層に積層する必要がある。しかし、誘電体層の厚さをミクロンオーダ及びそれ以下にした場合、誘電体層の層厚と粒子径とがほぼ等しくなる、いわゆる一層一粒子の微細構造に近づくこととなる。
一層一粒子構造を有する誘電体層では、誘電体粒子間の粒界が減少するため、これによる絶縁抵抗の低下や耐電圧の低下などの積層セラミックコンデンサの信頼性悪化が懸念される。また、セラミックコンデンサの焼成時に誘電体粒子が過剰に粒成長するような場合にも、誘電体層における粒界が減少し、絶縁抵抗が低下する等の同様の問題が生じる。このように、積層セラミックコンデンサの高密度化による静電容量の確保と絶縁抵抗とはトレードオフの関係にあり、CR積(静電容量と絶縁抵抗値との積)が積層セラミックコンデンサの品質特性を比較するための1つの指標として用いられている。
薄層化によるCR積の低下を改善する先行技術として、例えば特許文献1には、誘電体層が粒径0.4μm以上の大径結晶粒子を10〜30体積%の割合で含有するとともに、粒径0.25μm以下の小径粒子を50〜70体積%の割合で含有する、誘電体の積層構造が開示されている。
また、誘電体粒子の粒成長により静電容量の獲得と良好な絶縁特性もしくは信頼性とを両立させる手法としては、誘電体粒子のアスペクト比を制御する手法(例えば特許文献2)、一層一粒子比率を制御する方法(例えば特許文献3)、誘電体組成を絶縁性の高いものにする手法(例えば特許文献4)などが提案されている。
特開2001−338828号公報 特開2010−212503号公報 特開平11−317322号公報 特開2010−180124号公報
しかし、これら何れの従来技術を用いたとしても積層セラミックコンデンサのCR積には上限があり、すなわち、ある一定の層厚以下にして静電容量を増加させた場合に絶縁抵抗が急激に低下する(例えば図10参照)という課題を解決することができなかった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、焼成による粒成長の進行が比較的速い部分の粒成長を抑制することにより、従来よりもCR積の改善を図ることができ、1μm以下の誘電体厚みでも十分なCR積が得られる積層セラミックコンデンサを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層体と、前記積層体の積層方向における最外層の上下を覆うカバー部と、前記積層体の積層方向に直交する方向における最外縁の両側を覆うサイドマージン部と、を備える積層セラミックコンデンサであって、前記積層体の積層方向における最外層位置に存在する誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒径がDであり、前記積層体の積層方向における中央位置に存在する誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒径がDであり、前記積層体の積層方向における前記最外層位置と前記中央位置との間を等分した中間位置に存在する誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒径がDであるとした場合において、前記平均粒径D、D及びDの関係が、1.5×D<D、かつ、1.2×D<Dの条件を満たす積層セラミックコンデンサである。
前記積層セラミックコンデンサは、1.5×D<Dの条件を満たすことが好ましい。また前記積層体の積層方向に直交する方向における最外縁位置に存在する誘電体粒子の平均粒径がDであるとした場合において、前記平均粒径D及びDの関係が、1.5×D<Dの条件を更に満たすことが好ましい。
前記積層セラミックコンデンサは、前記カバー部に前記誘電体層の粒成長を抑制するための粒成長抑制剤が添加されていることが好ましい。
前記積層セラミックコンデンサは、前記サイドマージン部に前記誘電体層の粒成長を抑制するための粒成長抑制剤が添加されていることが好ましい。
前記積層セラミックコンデンサは、前記誘電体層と前記内部電極層との間に生じる段差を補填する逆パターンシートに、前記誘電体層の粒成長を抑制するための粒成長抑制剤が添加されていることが好ましい。
前記積層セラミックコンデンサは、前記粒成長抑制剤がMn、Mg、希土類元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含むことが好ましい。
本発明によれば、小型及び大容量が要求されるハイエンド向けの積層セラミックコンデンサにおいて、誘電体厚が1μm以下でも十分なCR積を実現することができる。
図1は、本発明の実施形態による積層セラミックコンデンサの内部を一部切断して模式的に示す斜視図である。 図2は、誘電体粒子の粒径の相違を積層体の断面の領域に別けて模式的に示す図である。 図3は、焼成前のグリーンシート及び導電性ペースト膜の各1層を示す断面図である。 図4は、焼成前のグリーンシート及び導電性ペースト膜に逆パターンシートが形成された各1層を示す断面図である。 図5は、積層体の最外層部分の模式図である。 図6は、積層体の50%侵入部分の模式図である。 図7は、積層体の25%侵入部分の模式図である。 図8は、平均粒径を説明するために積層体の内部を拡大して示す模式断面図である。 図9は、平均粒径を説明するために積層体の電極側端部を拡大して示す模式断面図である。 図10は、比較例と対比させた本発明の積層セラミックコンデンサのCR積の特性を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施形態による積層セラミックコンデンサを説明する。図1は、積層セラミックコンデンサ1の内部を一部切断して模式的に示す斜視図である。積層セラミックコンデンサ1は、規格で定められたチップ寸法及び形状(例えば1.0×0.5×0.5mmの直方体)を有するセラミック焼結体10と、セラミック焼結体10の両側に形成される一対の外部電極20とから概ね構成される。図1には直方体の積層セラミックコンデンサ1の一角が切断された断面が示されている。また、図1の円内には積層体11の断面が拡大して示される。
セラミック焼結体10は、例えばBaTiO(チタン酸バリウム)を主成分として焼成され、内部に誘電体層12と内部電極層13とが交互に積層されてなる積層体(内電アクティブ層ともいう)11を有している。内電アクティブ層は、積層セラミックコンデンサ1の蓄電動作に寄与する、概ね直方体状の積層体11の部分をいう。
その積層体11は、積層セラミックコンデンサ1に要求される静電容量や耐久電圧等の仕様に応じて、2枚の内部電極層13で挟まれる誘電体層12の1層あたりの厚さが例えば0.8μm以下である高密度多層構造を有している。また、積層体11の外側を覆うようにマージン部14が形成されている。
マージン部14は、詳細には図1に示されるように、積層体11の積層方向における最外層の上下を覆うカバー部15と、積層体11の積層方向に直交する方向における最外縁の両側を覆うサイドマージン部16とを含む。マージン部14は、誘電体層12と同様に例えばBaTiOを主成分として焼成されるセラミックスからなる。積層体11を覆うセラミックスのマージン部14は、誘電体層12及び内部電極層13などを外部からの湿気やコンタミ等の汚染から保護し、積層体11の経時的な劣化を防ぐために形成される。
図2は、セラミック焼結体10を積層方向に沿って切断し、誘電体粒子の粒径の相違を積層体11の断面の領域に別けて模式的に示す図である。図2において、積層体11は領域Aおよび領域Bとして示され、それ以外の領域はマージン部14(カバー部15およびサイドマージン部16)である。
本発明の1つの特徴によれば、積層体11の積層方向における最外層位置Pに存在する、誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒径がDであり、積層体11の積層方向における中央位置Pに存在する、誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒径がDであり、積層体11の積層方向における最外層位置Pと中央位置Pとの間を等分した中間位置Pに存在する、誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒径がDであるときに、これらの平均粒径において、少なくとも、
1.5×D<D ・・・数式(1)
の条件を満たす。
加えて、これらの平均粒径において、
1.2×D<D ・・・数式(2)
の条件を満たすことが好ましい。
また、上記数式(2)においては、さらに
1.5×D<D ・・・数式(2)’
の条件を満たすことが好ましい。
ここで、中央位置Pは、積層体(内電アクティブ層)11の内部へのその積層方向における50%侵入位置であり、中間位置Pは、積層体(内電アクティブ層)11の内部へのその積層方向における25%侵入位置に相当する。また、平均粒径Dが測定される最外層位置Pは、積層体(内電アクティブ層)11の上側及び下側の両方の位置であってもよいし、一方のみの位置であってもよい。
上記の数式(1)、(2)及び(2)’によれば、積層セラミックコンデンサ1の積層体11の積層方向に沿う両側部及び/又は中央部(図2の領域A)における誘電体粒子の平均粒径が、他の部分(図2の領域B)における平均粒径よりも小さいことが理解される。このような誘電体粒子の粒径分布となるように部分的に粒成長を抑制し積層体を焼成することにより、積層セラミックコンデンサ1の大容量化に伴うCR積の低下を軽減することができる。
また、実施形態による積層セラミックコンデンサ1は、積層体11の積層方向に直交する方向における最外縁位置Pに存在する誘電体粒子の平均粒径がDであるときに、中間位置Pに存在する誘電体粒子の平均粒径Dに対して、
1.5×D<D ・・・数式(3)
の条件を満たすことがより好ましい。なお、平均粒径Dについては、静電容量への寄与は小さいので、本発明の必須の構成ではないが、絶縁抵抗への寄与は大きいので、より高いCR積を得ることができる。また、少なくとも
1.2×D<D ・・・数式(3)’
の条件を満たしていればよい。
焼成により誘電体粒子の粒成長が過剰になると誘電体層における粒界数が減少し、これが絶縁抵抗の低下や耐電圧の低下を引き起こす。還元性雰囲気中での焼成される従来の積層セラミックコンデンサにおいて、積層体の積層方向における両端部近傍及びその中央部近傍が他の部分よりも比較的粒成長の比率が高いことが判明した。発明者らは、焼成の際に積層体の両端部近傍又は中央部近傍で最初に一層一粒子構造に至り、それが結果的にコンデンサ全体の絶縁抵抗の低下ひいてはCR積の低下を招く要因であることに着目し、これら粒成長の比率(速度)が高い箇所の粒成長を抑制することによりCR積の低下を軽減させるという着想を得た。
上述した数式(1)で表される誘電体粒子の粒径分布を得るために、一つの実施形態では、積層体11の外側を覆うカバー部15に粒成長抑制元素が添加される。これにより、最外層位置Pである両端部近傍(図2の領域A)に存在する誘電体粒子の粒成長が他の領域(図2の領域B)のそれよりも抑制される。
また、上述した数式(2)及び(2)’で表される誘電体粒子の粒径分布を得るために、もう一つの他の実施形態では、還元性雰囲気中での焼成温度と最高温度での保持時間を調整することにより、積層方向における中央位置Pを貫く中央部近傍(図2の領域A)に存在する誘電体粒子の粒成長が他の領域(図2の領域B)のそれよりも抑制される。また、有効な昇温速度は5000〜10000℃/hr程度である。
また、上述した数式(3)及び(3)’で表される誘電体粒子の粒径分布を得るために、もう一つの他の実施形態では、積層体11の外側を覆うサイドマージン部16に粒成長抑制元素が添加される。サイドマージン部16に粒成長抑制元素が添加されるもの及び/又は逆パターンシート24に粒成長抑制元素が添加されるものでもよい。これにより、最外縁位置P近傍(図2の領域A)に存在する誘電体粒子の粒成長が他の領域(図2の領域B)のそれよりも抑制される。
ここで、図3は、焼成後に誘電体層12になるグリーンシート22及び内部電極層13になる導電性ペースト膜23の各1層を示す断面図である。また、図4は、グリーンシート22及び導電性ペースト膜23に逆パターンシート24が形成された各1層を示す断面図である。図4において参照される逆パターンシート24は、グリーンシート22及び導電性ペースト膜23との間の段差を補填するために、導電性ペースト膜23とは逆のパターンを有している。逆パターンシート24はグリーンシート22と同様の例えばBaTiOを主成分とする。逆パターンシート24は、グリーンシート22にスクリーン印刷により形成してもよいし、内部電極層13に対応する開口を有するシートがグリーンシート22に積層されてなるものでもよい。
カバー部15、サイドマージン部16及び/又は逆パターンシート24に添加される粒成長抑制元素は、例えばMn、Mg、希土類元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含むことが好ましい。また、粒成長抑制元素は積層体(内電アクティブ層)11にも含まれていてもよいが、その場合、カバー部15、サイドマージン部16及び/又は逆パターンシート24に含まれる量よりも少ない量が含まれる。好ましくはBaTiOが100molに対し0.5mol以上の添加量の差があればよい。
本実施形態によれば、積層体11において、上述した数式(1)および(2)を満たし、好ましくは数式(2)’、(3)又は(3)’を満たす、誘電体粒子の粒径分布となるように粒成長を抑制することにより、積層セラミックコンデンサ1の大容量化に伴うCR積の低下を従来よりも軽減することができる。
次に、本発明の積層セラミックコンデンサ(以下「MLCC」という)の実施例を説明する。
<MLCCの作製>
(1)MLCC成型体の作製
まず、誘電体のグリーンシート、逆パターンシート、カバー部及びサイドマージン部の原料粉末として平均粒径が40nm〜400nm以下のBaTiO粉末を調製した。本実施例では逆パターンシート、カバー部となるカバーシート及びサイドマージン部となるサイドシートの原料スラリーに、粒成長抑制剤としてMgおよびMnをBaTiOが100molに対しそれぞれ1.0molずつ添加した。調製した誘電体原料粉末を有機溶剤で湿式混合し、ドクターブレード法により1.0μm厚の誘電体のグリーンシートを塗工して乾燥させた。同様に逆パターンシート、カバーシート及びサイドシートもシート状に成形した。
グリーンシート上にNiを含む導電性ペースト膜を所定パターンでスクリーン印刷した。また、グリーンシートと導電性ペースト膜との間の段差を埋めるため当該導電性ペースト膜と相補的なパターンを有する逆パターンシートをグリーンシート上にスクリーン印刷して形成した。逆パターンシートの厚さは導電性ペースト膜と同じ厚さである。なお上述したように、この逆パターンシートには焼成による誘電体層の粒成長を抑制するための上述の粒成長抑制剤が所定量添加されている(表1参照)。
導電性ペースト膜及び逆パターンシートを配置したグリーンシートを、導電性ペースト膜の引き出されている側が互い違いになるように101枚積層し、これにより積層数nが100の積層体シートを得た。その後、積層体シートの上下面にカバー部の総厚が20μmとなるようにカバーシートを複数枚圧着した。なお上述したように、このカバーシートには焼成による誘電体層の粒成長を抑制するための粒成長抑制剤が所定量添加されている。
積層体シートを所定寸法にカットした直方積層体の両側面にサイドマージン部の総厚が40μmとなるようにサイドシートを複数枚圧着した。なお上述したように、このサイドシートには焼成による誘電体層の粒成長を抑制するための粒成長抑制剤が表1に示す所定量添加されている。これにより、縦1.0mm、横0.5mm、高さ0.5mmの寸法のMLCC成型体を得た。
(2)MLCC成型体の焼成
MLCC成型体の試料をN雰囲気中にて300℃の温度で脱バインダした。その後、Hを含む還元性雰囲気中にて1150℃から1250℃の温度範囲まで昇温速度6000℃/hrで昇温し、10分から2時間その温度を保持して焼成した。降温後、N雰囲気中にて800℃から1050℃の温度範囲まで昇温し、その温度を保持して再酸化処理を行った。こうして得たMLCCの焼結体において外部電極を形成するために、内部電極が露出する両側の端面にガラスフリットを含有するNiペーストを塗布し、N雰囲気中にて焼き付け処理を行った。
これにより、MLCCの試料を得た。
表1に今回の実験で用いたMLCC試料の製造条件を示す。
Figure 2014150240
<MLCCの評価方法>
(1)誘電体粒子の平均粒径の評価方法
MLCCの外部電極が形成されている端面に対し平行に切断して断面を露出させ、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した誘電体層の断面写真に基づいて誘電体粒子の粒径を測定した。粒径を測定した位置は、平均粒径Dを評価するため積層方向における最外層位置Pと、平均粒径Dを評価するため積層方向における中央位置Pと、平均粒径Dを評価するため最外層位置Pと中央位置Pとの間を等分した中間位置Pと、平均粒径Dを評価するため積層方向に直交する方向における最外縁位置Pの4箇所である。
ここで、最外層位置Pでは、図5に示されるように、第1層(最外層)から第3層までの誘電体層12の、中心線を基準に15μmの範囲内の領域で観察される誘電体粒子のグレイン径を測定した。積層体の50%侵入部分である中央位置Pでは、図6に示されるように、第n/2層から第n/2+2層(n=100の場合、第50層から第52層)までの誘電体層12の、中心線を基準に15μmの範囲内の領域で観察される誘電体粒子のグレイン径を測定した。積層体の25%侵入部分である中間位置Pでは、図7に示されるように、第n/4層から第n/4+2層(n=100の場合、第25層から第27層)までの誘電体層12の、中心線を基準に15μmの範囲内の領域で観察される誘電体粒子のグレイン径を測定した。最外縁位置Pでは、内部電極層の端部から中心方向に2μmの範囲内の領域で観察される誘電体粒子のグレイン径を測定した(図9参照)。
SEM画像に基づいて誘電体粒子の積層方向の最大長と積層方向に直交する方向の最大長とを測定し、それらの単純算術平均値をその誘電体粒子のグレイン径として評価した。そして、位置P、P、P及びPの各領域において、当該領域に存在する全ての誘電体粒子のグレイン径を測定し、それらの単純算術平均値を求めた。同一条件で製造した20個のMLCCチップについて測定した最終的な平均値を、本実施例における平均粒径D、D、D及びDとして評価した。なお、図8及び図9に示されるように、領域の外に見切れている粒子についても、その領域外の部分を含めた粒径を測定対象とした。
なお、平均粒径Dは、積層体の上側及び下側の両方の最外層位置で測定されてもよいし、一方のみの最外層位置で測定されてもよい。平均粒径Dは、積層体の上側から及び下側からの両方の25%侵入位置で測定されてもよいし、一方のみの25%侵入位置で測定されてもよい。平均粒径Dは、積層体の左右両方の最外縁位置で測定されてもよいし、一方のみの最外縁位置で測定されてもよい。
<MLCCの評価結果>
作製したMLCCの誘電体層に対する評価結果を表2に示す。作成した試料においてCR積が2000F・Ωを規定値とし、それ以上のCR積を示す試料を合格として評価した。
Figure 2014150240
表2において、*が付された番号の試料(No.1、5、9及び12)は、CR積が2000F・Ωよりも小さい比較例として挙げられている。CR積が2000F・Ωよりも大きい試料では、第1の平均粒径比D/Dが1.5よりも大きく、第2の平均粒径比D/Dが1.2よりも大きかった。また、第2の平均粒径比D/Dが1.5よりも大きくかつ第3の平均粒径比D/Dが1.5よりも大きい試料は2500F・Ωよりも大きいCR積が得られた。
図10は、比較例と対比させた本発明の積層セラミックコンデンサのCR積の特性を定性的に示すグラフ図である。本発明の実施例による積層セラミックコンデンサは、従来技術による比較例に比べ高いCR積を有している。このことは、高い焼成温度であっても、積層体における粒成長の速度が高い箇所(例えば図2に示した領域A)の粒成長が抑制され、結果的に高い絶縁抵抗が維持されていることを意味している。また、本発明の実施例による積層セラミックコンデンサでは、図10に示されるように、焼成温度の高い範囲で従来技術のようにCR積が急激に落ち込むような不利な特性は見られなかった。
1 積層セラミックコンデンサ(MLCC)
10 セラミック焼結体
11 積層体(内電アクティブ層)
12 誘電体層
13 内部電極層
14 マージン部
15 カバー部
16 サイドマージン部
20 外部電極
22 グリーンシート
23 導電性ペースト膜
24 逆パターンシート

Claims (6)

  1. 誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層体と、前記積層体の積層方向における最外層の上下を覆うカバー部と、前記積層体の積層方向に直交する方向における最外縁の両側を覆うサイドマージン部と、を備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記積層体の積層方向における最外層位置に存在する誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒径がDであり、
    前記積層体の積層方向における中央位置に存在する誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒径がDであり、
    前記積層体の積層方向における前記最外層位置と前記中央位置との間を等分した中間位置に存在する誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒径がDであるとした場合において、
    前記平均粒径D、D及びDの関係が、
    1.5×D<D、かつ、
    1.2×D<D
    の条件を満たす積層セラミックコンデンサ。
  2. さらに前記平均粒径D及びDの関係が、
    1.5×D<D
    の条件を満たす請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 更に前記積層体の積層方向に直交する方向における最外縁位置に存在する誘電体粒子の平均粒径がDであるとした場合において、
    前記平均粒径D及びDの関係が、
    1.5×D<D
    の条件を更に満たす請求項1又は2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記カバー部に前記誘電体層の粒成長を抑制するための粒成長抑制剤が添加されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記サイドマージン部に前記誘電体層の粒成長を抑制するための粒成長抑制剤が添加されている、請求項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記粒成長抑制剤がMn、Mgからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む、請求項又はに記載の積層セラミックコンデンサ。
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