JP2014150001A - 有機エレクトロルミネッセンスデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機EL層と導電性の支持基板との間に短絡が発生することを防止しつつ、十分な防湿性を有する有機ELデバイスを提供する。
【解決手段】 本発明の有機ELデバイス1は、導電性基板2上に設けられた第1及び第2有機絶縁層31,32と、両有機絶縁層31,32上に設けられた無機絶縁層33と、無機絶縁層33上に設けられた第1端子部411を有する第1導電層41と、第1導電層41上に設けられた有機EL層42と、有機EL層42上に設けられた第2端子部431を有する第2導電層43と、を有し、第1有機絶縁層31は、無機絶縁層33を介して第1端子部411の下側に設けられており、第2有機絶縁層32は、無機絶縁層33を介して第2端子部431の下側に設けられており、両有機絶縁層31,32の内側端面31a,32a及び上面31b,32bが、無機絶縁層33によって覆われている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスに関する。
一般的に、有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、支持基板上に有機エレクトロルミネッセンス素子が積層された構造を有する。有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1導電層と、有機エレクトロルミネッセンス層と、第2導電層とを有する。近年、このような有機エレクトロルミネッセンスデバイスを照明装置などに応用することが検討されている。以下、「有機エレクトロルミネッセンス」を単に「有機EL」と表す。
従来、有機ELデバイスの支持基板としてガラスや金属など防湿性の材料が用いられている。支持基板の形成材料として金属など導電性の材料を用いる場合、有機EL素子に流れる電気が支持基板に導通する(即ち、短絡が生じる)ことを防止する必要がある。
前記短絡を防止するため、導電性の支持基板(以下、導電性基板という)の上に合成樹脂を含む有機絶縁層又は金属若しくは半金属を含む無機絶縁層を積層し、この有機絶縁層又は無機絶縁層上に有機EL素子を積層することが知られている(例えば、特許文献1及び2)。
しかし、有機絶縁層は、平滑性に優れているが、防湿性に劣るという問題がある。有機EL素子は、水分により劣化し易い。そのため、有機絶縁層を用いた場合、有機絶縁層の内部に侵入した水分により有機EL素子が劣化する虞がある。有機EL素子が劣化すると、長期間に亘り有機ELデバイスの安定した発光を維持できない虞がある。
他方、無機絶縁層は、有機絶縁層に比して防湿性は良好であるが、微細孔(ピンホール)やクラックが発生し易いという問題がある。無機絶縁層に多数のピンホールやクラックが発生すると、有機EL素子と導電性基板の間にピンホールやクラックを介して短絡が生じ易いため、有機ELデバイスの安定した発光を維持できない虞がある。
特開2003−282258号公報 特開2002−25763号公報
本発明の目的は、有機EL素子と導電性基板との間に短絡が発生することを防止しつつ、十分な防湿性を有する有機ELデバイスを提供することである。
本発明者らは、有機ELデバイスを外部電源と接続する際に、無機絶縁層に生じたピンホールを介して短絡が発生し易いことを見出した。
つまり、有機ELデバイスは、第1導電層と第2導電層がそれぞれ露出した第1端子部及び第2端子部を有する。両端子部は、有機ELデバイスを外部電源と接続するため、任意の接続手段(例えば、リード線など)と接続される部分である。本発明者らは、この接続手段と両端子部を電気的に接続する際(例えば、半田付け中)に無機絶縁層に存在するピンホールを介して両端子部と導電性基板との間で短絡し易いことを見出した。
そして、本発明者らは、有機絶縁層の長所(高絶縁性)と無機絶縁層の長所(高防湿性)を併せ持つ絶縁層を得るべく、さらに鋭意研究を行った。
具体的には、まず本発明者らは、図7に示すような有機ELデバイス1Aを作製し、この有機ELデバイス1Aの防湿性や短絡の発生頻度について検討した。
図7に示す有機ELデバイス1Aは、導電性基板2Aの上面全体に形成された有機絶縁層31Aと、さらに有機絶縁層31Aの上面全体に形成された無機絶縁層33Aと、を有する。即ち、有機ELデバイス1Aは、有機絶縁層31Aと無機絶縁層33Aとからなる2層構造の絶縁層3Aを有する。
しかし、上述のように、無機絶縁層33Aはピンホールが発生する場合がある。そのため、有機絶縁層31Aの内部に侵入した水分が、無機絶縁層33Aに発生したピンホールを介して有機EL素子に接触する虞がある。従って、前記のように全体的に積層された2層構造の絶縁層3Aを用いても有機ELデバイス1Aの防湿性は不十分であった。
そして、本発明者らは、これらの知見の下、下記の手段によって本発明の課題を解決できることを見出した。
本発明の有機ELデバイスは、導電性基板と、導電性基板上に設けられた第1有機絶縁層及び第2有機絶縁層と、第1有機絶縁層及び第2有機絶縁層上に設けられた無機絶縁層と、無機絶縁層上に設けられた第1導電層と、第1導電層上に設けられた有機EL層と、有機EL層上に設けられた第2導電層と、を有し、第1導電層が、有機EL層よりも外側に位置し且つ外部電源と接続される第1端子部を有し、且つ、第2導電層が、有機EL層よりも外側に位置し且つ外部電源と接続される第2端子部を有し、第1有機絶縁層は、無機絶縁層を介して第1端子部の下側に設けられており、第2有機絶縁層は、無機絶縁層を介して第2端子部の下側に設けられており、第1有機絶縁層及び第2有機絶縁層の内側端面及び上面が、無機絶縁層によって覆われている。
本発明の好ましい有機ELデバイスでは、第1有機絶縁層と第2有機絶縁層が、導電性基板上にそれぞれ独立して設けられている
本発明の好ましい有機ELデバイスは、無機絶縁層が、さらに第1有機絶縁層及び第2有機絶縁層の外側端面を覆っている。また、より好ましくは、第1電極部が陽極部であり、第2電極部が陰極部である。
本発明の好ましい有機ELデバイスは、無機絶縁層が、金属及び半金属の少なくとも1種を含んでおり、金属及び半金属が、酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、及び酸化窒化炭化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
また、より好ましくは、第1有機絶縁層及び第2有機絶縁層が、アクリル樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、及びポリイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
本発明によれば、有機EL素子と導電性基板との間に短絡が発生することを防止しつつ、十分な防湿性を有する有機ELデバイスを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る有機ELデバイスを示す平面図。 図1の有機ELデバイスをII−II線で切断した拡大断面図。 本発明の第1実施形態に係る有機ELデバイスを示す参考平面図。 本発明の第2実施形態に係る有機ELデバイスを示す拡大断面図。 本発明の第1変形例に係る有機ELデバイスを示す参考平面図。 本発明の第2変形例に係る有機ELデバイスを示す拡大断面図。 比較例8〜10に係る有機ELデバイスを示す拡大断面図。
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。ただし、各図における層厚及び長さなどの寸法は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。また、本明細書において、用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、この接頭語は、用語を区別するためだけに付されたものであり、順序や優劣などの特別な意味を持たない。
さらに、本明細書において、「上」は、便宜上、図2に示すような水平面に置いた有機ELデバイス1を基準に、図面の上を指し、下は図面の下を指す。また、「内側」は、導電性基板の上面の面内中央部に向かう側を指し、「外側」は、導電性基板の上面の周端に向かう側を指す。
図1は、本発明の第1実施形態に係る有機ELデバイス1を示す平面図であり、図2は、同拡大断面図である。
なお、本実施形態において、平面視略帯状の有機ELデバイス1が用いられているが、本発明において有機ELデバイス1の平面視形状は特に限定されない。
平面視略帯状の有機ELデバイス1の寸法は特に限定されないが、一般的には、有機ELデバイス1の幅:長さは、1:3〜1:20であり、好ましくは、1:3〜1:10である。
図1及び図2に示すように、本発明の有機ELデバイス1は、導電性基板2と、有機EL素子4と、絶縁層3と、封止部材5と、を有する。
有機EL素子4は、有機EL層42と、第1導電層41と、第2導電層43と、を有する。封止部材5は、有機EL層42が、外気に露出し、水分と接触しないように封止する部材である。
第1導電層41は、有機EL層42の下側に位置する第1電極部412と、有機EL層42よりも外側に位置する第1端子部411を有し、第2導電層43は、有機EL層42の上側に位置する第2電極部432と、有機EL層42よりも外側に位置する第2端子部431を有する。両端子部411,431は、第1及び第2導電層41,43の一部であって、外部電源から供給される電気を接受する部分である。具体的には、両端子部411,431は、両導電層41,43の一部であって、外気に露出した部分である。
図1に示すように、第1及び第2端子部411,431は、有機ELデバイス1の幅方向両端部にそれぞれ設けられている。また、両端子部411,431は、有機ELデバイス1の長さ方向一端部から長さ方向他端部にかけて帯状に設けられている。
第1端子部411及び第2端子部431には、リード線等の接続手段が接続される(図示せず)。接続手段は、さらに外部電源(図示せず)に繋がっており、外部電源から供給される電気が接続手段を介して第1端子部411及び第2端子部431に供給される。両端子部411,431に電気を流すことで有機EL層42に含まれる発光層422が発光する。
本発明では導電性基板2を用いるため、有機EL素子4と導電性基板2が通電する(即ち、短絡が生じる)ことを防止する必要がある。
本発明では、前記短絡を防止するため、絶縁層3が設けられている。絶縁層3は、図2に示すように、導電性基板2上に積層されており、有機EL素子4は、絶縁層3上に積層されている。このように、有機EL素子4が絶縁層3を介して導電性基板2上に積層されることで、第1端子部411及び第2端子部431に流れる電気が、導電性基板2に通電し短絡が生じることを防止できる。
以下、本発明の有機ELデバイス1の各部の構成について説明する。
[導電性基板]
導電性基板は、絶縁層及び有機EL素子が積層される基板であって導電性を有する。
導電性基板の形成材料は特に限定されず、導電性を有する任意の材料が用いられる。このような材料としては、金属や導電性樹脂などが挙げられる。導電性樹脂は、樹脂自体が導電性を有するもの、又は、銀や銅などの金属粉やカーボンブラック等の炭素を樹脂に混合したものである。それ自体が導電性を有する樹脂としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアニリン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレン、およびこれらのアロイ樹脂等が挙げられる。
導電性基板の形成材料は、好ましくは、常温・常圧において、フィルム状に加工可能な金属が好ましい。このような金属としては、例えば、ステンレス、鉄、アルミニウム、ニッケル、コバルト、銅、および、これらの合金等が挙げられる。
また、導電性基板の厚みは特に限定されないが、好ましくは、10μm〜100μmであり、より好ましくは、20μm〜50μmである。導電性基板の厚みが薄ければ薄いほど、有機ELデバイスの軽量化、及び柔軟化が可能となる。
[有機EL素子]
有機EL素子4は、第1導電層41と、有機EL層42と、第2導電層43と、を有し、この順に絶縁層3の上に積層されている。有機EL層42の下側に位置する第1導電層41の一部が、第1電極部412であり、有機EL層42の上側に位置する第2導電層43の一部が、第2電極部432である。即ち、有機EL層42は、両電極部412,432に挟まれている。第1及び第2導電層41,43の一部であって、外部電源から供給される電気を接受するために外気に露出した部分が、第1及び第2端子部411,431である。
なお、本実施形態では、第1導電層41は陽極層であり、第2導電層43は陰極層である。よって、第1端子部411は陽極端子であり、第1電極部412は、陽極部であり、第2端子部431は陰極端子であり、第2電極部432は陰極部である。しかし、本発明は本実施形態に限定されず、第1導電層41が陰極層で且つ第2導電層43が陽極層であってもよい。この場合、第1端子部411は陰極端子であり、第1電極部412は陰極部であり、第2端子部431は陽極端子であり、第2電極部432は陽極部である。
有機EL層は、少なくとも2つの機能層からなる積層体である。有機EL層の構造としては、例えば、(A)正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層の、3つの層からなる構造、(B)正孔輸送層及び発光層の、2つの層からなる構造、(C)発光層及び電子輸送層、の2つの層からなる構造、などが挙げられる。前記(B)の有機EL層は、発光層が電子輸送層を兼用している。前記(C)の有機EL層は、発光層が正孔輸送層を兼用している。
本発明の有機ELデバイスの有機EL層は、上記(A)〜(C)の何れの構造であってもよい。なお、図1〜図7の有機ELデバイスは、全て(A)の構造を有する。即ち、図1〜図7の有機ELデバイスは、下から順に正孔輸送層421、発光層422、及び電子輸送層423が積層された3層構造の有機EL層42を有する。
有機EL層42に含まれる正孔輸送層421は、発光層422に正孔を注入する機能を有し、電子輸送層423は、発光層422に電子を注入する機能を有する。
第1及び第2端子部411,431に電気が流れると、第1及び第2電極部412,432から発光層422に注入された電子及び正孔が再結合することにより、励起子(エキシトン)を生じる。この励起子が基底状態に戻るときに発光層422が発光する。
以下、有機EL素子4が有する第1導電層41(陽極層)、正孔輸送層421、発光層422、電子輸送層423、及び第2導電層43(陰極層)について説明する。
陽極層は、導電性を有する膜からなる。
陽極層の形成材料は、特に限定されないが、例えば、インジウム錫酸化物(ITO);酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO);アルミニウム;金;白金;ニッケル;タングステン;銅;合金;などが挙げられる。陽極層の厚みは特に限定されないが、通常、0.01μm〜1.0μmである。
陽極層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、スパッタ法、蒸着法、インクジェット法などが挙げられる。例えば、金属によって陽極を形成する場合には、蒸着法が用いられる。
正孔輸送層は、陽極層の上面に設けられる。正孔輸送層は、発光層に正孔を注入する機能を有する層である。
正孔輸送層の形成材料は、正孔輸送機能を有する材料であれば特に限定されない。正孔輸送層の形成材料としては、4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)−トリフェニルアミン(略称:TcTa)などの芳香族アミン化合物;1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼンなどのカルバゾール誘導体;N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9’−スピロビスフルオレン(略称:Spiro−NPB)などのスピロ化合物;高分子化合物;などが挙げられる。正孔輸送層の形成材料は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。また、正孔輸送層は、2層以上の多層構造であってもよい。
正孔輸送層の厚みは、特に限定されないが、有機ELデバイスの駆動電圧を下げるという観点から、1nm〜500nmが好ましい。
また、正孔輸送層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、スパッタ法、蒸着法、インクジェット法、コート法などが挙げられる。
発光層は、正孔輸送層の上面に設けられる。
発光層の形成材料は、発光性を有する材料であれば特に限定されない。発光層の形成材料としては、例えば、低分子蛍光発光材料、低分子燐光発光材料などの低分子発光材料を用いることができる。
このような低分子発光材料としては、例えば、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(略称:DPVBi)などの芳香族ジメチリデン化合物;5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾールなどのオキサジアゾール化合物;3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体;1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼンなどのスチリルベンゼン化合物;ベンゾキノン誘導体;ナフトキノン誘導体;アントラキノン誘導体;フルオレノン誘導体;アゾメチン亜鉛錯体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)などの有機金属錯体;などが挙げられる。
発光層の厚みは、特に限定されないが、例えば、2nm〜500nmが好ましい。
また、発光層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、通常、蒸着法によって形成される。
電子輸送層は、発光層の上面(陰極層の下面)に設けられる。電子輸送層は、発光層に電子を注入する機能を有する。
電子輸送層の形成材料は、電子輸送機能を有する材料であれば特に限定されない。電子輸送層の形成材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)などの金属錯体;2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン(略称:Bpy−FOXD)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、2,2’,2’'−(1,3,5−フェニレン)−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)(略称:TPBi)などの複素芳香族化合物;ポリ(2,5−ピリジン−ジイル)(略称:PPy)などの高分子化合物;などが挙げられる。電子輸送層の形成材料は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。また、電子輸送層は、2層以上の多層構造であってもよい。
電子輸送層の厚みは、特に限定されないが、有機ELデバイスの駆動電圧を下げるという観点から、1nm〜500nmが好ましい。
また、電子輸送層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、スパッタ法、蒸着法、インクジェット法、コート法などが挙げられる。
陰極層は、導電性を有する膜からなる。
陰極層の形成材料は、特に限定されない。導電性を有する陰極層の形成材料としては、インジウム錫酸化物(ITO);酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO);アルミニウムなどの導電性金属を添加した酸化亜鉛(ZnO:Al);マグネシウム−銀合金などが挙げられる。陰極層の厚みは特に限定されないが、通常、0.01μm〜1.0μmである。
陰極層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、スパッタ法、蒸着法、インクジェット法などが挙げられる。例えば、ITOによって陰極層を形成する場合には、スパッタ法が用いられ、マグネシウム−銀合金又はマグネシウム−銀積層膜によって陰極層を形成する場合には、蒸着法が用いられる。
[絶縁層]
有機EL素子の下面全体には、絶縁層が隙間なく設けられており、それによって、有機EL素子と導電性基板が接触し短絡が発生することが防止される。絶縁層は、有機絶縁層と、無機絶縁層と、を有する。
有機絶縁層は、絶縁性の合成樹脂を主成分として含む層であり、無機絶縁層は、絶縁性の無機物を主成分として含み且つ防湿性を有する層である。
なお、「絶縁性の合成樹脂を主成分として含む」とは、有機絶縁層の全成分中、絶縁性の合成樹脂の占める割合(質量)が最も多いことを意味し、有機絶縁層が絶縁性の合成樹脂のみからなる場合だけでなく、有機絶縁層の機能を阻害しない範囲でそれ以外の成分(例えば、絶縁性の無機物)を微量に含んでいる場合も含む。無機絶縁層についても同様である。
有機絶縁層は、第1端子部の下側に設けられた第1有機絶縁層と、第2端子部の下側に設けられ且つ第1有機絶縁層と不連続な第2有機絶縁層と、を有する。
図2において、第1有機絶縁層31は、導電性基板2の上面の第1側端部に設けられており、第2有機絶縁層32は、導電性基板2の上面の第2側端部に設けられている。このように、両有機絶縁層31,32は、導電性基板2の上(上面)であって空間的に分離した別々の領域にそれぞれ独立して設けられている。
第1及び第2端子部411,431の下側には、第1及び第2有機絶縁層31,32が存在する。換言すれば、第1端子部411は、第1有機絶縁層31に重なるように設けられており、第2端子部431は、第2有機絶縁層32に重なるように設けられている。
図2では、第1及び第2端子部411,431と第1及び第2有機絶縁層31,32は、第1及び第2端子部411,431の下面に密着した無機絶縁層33を介して間接的に重なり合うように設けられている。
第1及び第2有機絶縁層31,32はピンホールが少ないため、第1及び第2端子部411,431と接続手段を接続する際に第1及び第2端子部411,431と導電性基板2との間に短絡が発生することを防止できる。
無機絶縁層33は、第1導電層41の第1電極部、並びに、第1及び第2端子部411,431の下側に設けられる。換言すれば、無機絶縁層33は、導電性基板2の上面であって第1及び第2有機絶縁層31,32が設けられていない部分と、第1及び第2有機絶縁層31,32の上面に設けられる。
さらに、無機絶縁層33は、両有機絶縁層31,32の内側端面31a,32aと上面31b,32bを隙間なく覆っている。具体的には、図2に示すように、第1端子部411の下面には、無機絶縁層33が密着しており、さらに第1端子部411の下側に位置する無機絶縁層33の下面には、第1有機絶縁層31が密着している。また、第2端子部431の下面には、無機絶縁層33が密着しており、さらに第2端子部431の下側に位置する無機絶縁層33の下面には、第2有機絶縁層32が密着している。
このように、両端子部411,431の下側に、2層構造を有する絶縁層3が形成されている。換言すれば、両有機絶縁層31,32の内側端面31a,32a及び上面31b,32bは、無機絶縁層33により封止されている。
図1及び図2では、両有機絶縁層31,32の外側端面31c,32cは、外気に露出している。そのため、両有機絶縁層31,32の外側端面31c,32cから水分が侵入し易い。しかし、両有機絶縁層31,32の内側端面31a,32a及び上面31b,32bは、防湿性に優れた無機絶縁層33によって隙間なく覆われているため、両有機絶縁層31,32の内部に水分が侵入したとしても、その水分は、無機絶縁層33に阻まれ、有機EL素子4の内部に侵入することを抑制できる。
以下、第1及び第2有機絶縁層31,32、無機絶縁層33、第1及び第2端子部411,431、封止部材5、並びに有機EL層42の位置関係について図2及び図3を参照しつつ詳述する。もっとも、本発明において、これらの部材及び部分の位置関係は、図2及び図3の態様に限定されず、適宜変更することができる。
図3は、本実施形態に係る有機ELデバイスにおいて、上記部材及び部分の配置を模式的に表した平面図である。図3では、上記部材及び部分の位置関係を説明するため、便宜上、有機EL層42の第1及び第2側縁42a,42bを実線で表している。また、絶縁層3のうち、第1及び第2有機絶縁層31,32と無機絶縁層33の2層が存在する領域には無数のドット模様を付しており、それ以外の領域(無機絶縁層33の1層のみが存在し、有機絶縁層31,32が存在しない領域)は無模様で表している。なお、便宜上、図3において、両有機絶縁層31,32、両有機絶縁層31,32の内側端面31a,32a、並びに、無機絶縁層33を示す符号の引出線は、破線で表している。
また、第1及び第2端子部411,431の上面内において、太枠の一点鎖線によって囲われた領域は、第1及び第2端子部411,431と接続手段が接続される、接続予定領域411a,431aである。
図2及び図3に示すように、第1及び第2有機絶縁層31,32は、第1及び第2端子部411,431の下面側全域に重なるように設けられている。さらに、第1及び第2有機絶縁層31,32の内側端面31a,32aは、封止部材5の第1及び第2外側縁5a,5bよりも内側であって、有機EL層42の第1及び第2側縁42a,42bよりも外側に位置している。
従って、第1有機絶縁層31の内側端面31aと無機絶縁層33との境界は、封止部材5の第1外側縁5aの内側で且つ有機EL層42の第1側縁42aの外側の領域に位置しており、第2有機絶縁層32の内側端面32aと無機絶縁層33との境界は、封止部材5の第2外側縁5bの内側で且つ有機EL層42の第2側縁42bの外側の領域に位置している。
なお、図3に示すように、第1及び第2有機絶縁層31,32は、第1及び第2端子部411,431の下面側全域に重なるように設けられているが、本発明は本実施形態に限定されず、両有機絶縁層31,32は、少なくとも接続予定領域411a,431aに重なるように設けられていればよい。そのため、第1及び第2有機絶縁層31,32の内側端面31a,32aは、接続予定領域411a,431aと重なり合わない限り、封止部材5の第1及び第2外側縁5a,5bよりも外側に位置していてもよい。
具体的には、第1及び第2有機絶縁層31,32の内側端面31a,32aは、封止部材5の第1及び第2外側縁5a,5bよりも外側であって接続予定領域411a,431aよりも内側に設けられていてもよい。このような場合、第1有機絶縁層31の内側端面31aと無機絶縁層33との境界は、封止部材5の第1外側縁5aの外側で且つ接続予定領域411aの内側の領域に位置しており、第2有機絶縁層32の内側端面32aと無機絶縁層33との境界は、封止部材5の第2外側縁5bの外側で且つ接続予定領域431aの内側の領域に位置している。
このような場合でも、少なくとも接続予定領域411a,431aに重なるように有機絶縁層31,32が設けられているため、接続手段と第1及び第2端子部411,431とを接続する際に、第1及び第2端子部411,431と導電性基板2との間に短絡が発生することを防止できる。
さらに、両内側端面31a,32aは、有機EL層42の第1及び第2側縁42a,42bよりも内側に設けられていてもよい(即ち、両有機絶縁層31,32は、両端子部411,431だけでなく有機EL層42と部分的に重なっていてもよい)。もっとも、両内側端面31a,32aがあまりに有機EL層42の第1及び第2側縁42a,42bよりも内側に位置すると、両有機絶縁層31,32の内部に侵入した水分が有機EL素子4に接触する可能性が高くなる虞がある。
従って、両内側端面31a,32aは、有機EL層42の第1及び第2側縁42a,42bよりも外側に設けられていることが好ましい。
有機絶縁層に含まれる絶縁性の合成樹脂は特に限定されない。もっとも、有機ELデバイスは、その製造プロセス上、150℃〜300℃に加熱される場合があるため、150℃以上のガラス転移温度を有する耐熱性合成樹脂を用いることが好ましい。
このような合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂、及びこれらの樹脂の複合体等が挙げられる。
絶縁性の合成樹脂は、好ましくは、アクリル樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、及びポリイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
有機絶縁層の厚みは特に限定されない。もっとも、有機絶縁層の厚みが薄すぎると、導電性基板の上面の平滑化が十分にできないだけでなく、短絡を十分に防止できない虞がある。他方、有機絶縁層の厚みが厚すぎると、導電性基板に対する密着性が低下する虞がある。
そのため、有機絶縁層の厚みは、好ましくは、1μm〜40μmであり、より好ましくは、0.5μm〜20μmであり、さらに好ましくは、0.5μm〜10μmであり、特に好ましくは、1μm〜5μmである。
有機絶縁層の厚みが上記範囲内であれば、十分な電気絶縁性を確保するとともに、導電性基板に対する密着性を確保することができる。
有機絶縁層の形成方法は特に限定されず、ロールコート、スプレーコート、スピンコートおよびディッピング等による塗布や、パターニングや、フィルム状に形成された合成樹脂の転写を採用することができる。
好ましくは、有機絶縁層は、パターニングによって形成される。有機絶縁層をパターニングにより形成することで、導電性基板上の任意の領域に有機絶縁層を部分的に形成することができる。
パターニングの方法としては、例えば、フォトリソグラフィー、フォトエッチング、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の方法を用いることができる。好ましくは、パターニングは、フォトリソグラフィーによって行われる。フォトリソグラフィーは、パターン精度が高く、微細加工が容易であるためである。
無機絶縁層に含まれる絶縁性の無機物は特に限定されない。このような絶縁性の無機物は、金属であってもよく、半金属であってもよく、金属と半金属の混合物であってもよい。
金属としては、例えば、亜鉛、アルミニウム、チタン、銅、マグネシウムなどがあげられ、半金属としては、例えば、ケイ素、ビスマス、ゲルマニウムなどがあげられる。
また、好ましくは、金属又は半金属の少なくとも1種は、酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、及び酸化窒化炭化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
無機絶縁層の厚みは特に限定されない。もっとも、無機絶縁層が薄すぎると、ピンホールが発生し易くなり、防湿性及び絶縁性が低下する虞がある。また、無機絶縁層が厚すぎるとクラックが生じ易くなり、防湿性及び絶縁性が低下する虞がある。
このような観点から、無機絶縁層の厚みは、好ましくは、10nm〜5μmであり、より好ましくは、50nm〜2μmであり、さらに好ましくは、0.1μm〜1μmであり、特に好ましくは、0.3μm〜0.5μmである。
無機絶縁層の厚みが上記範囲内であれば、十分な絶縁性を確保するとともに、ピンホールやクラックの発生を防止できる。
無機絶縁層の形成方法は特に限定されず蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の乾式法、ゾル−ゲル法等の湿式法等を採用することができる。
なお、本発明において、絶縁性の無機物が、金属酸化物、金属窒化物、半金属酸化物、及び半金属窒化物からなる群から選ばれる場合、無機絶縁層は、これらの無機物(蒸着源)を反応ガスの存在下でアーク放電プラズマを発生させた雰囲気中で蒸着させることで形成することができる。
このような反応ガスとしては、酸素含有ガス、窒素含有ガス、または、これらの混合ガスを用いることができる。酸素含有ガスとしては、例えば、酸素(O)ガス、一酸化二窒素(NO)ガス、一酸化窒素(NO)ガスなどがあげられ、窒素含有ガスとしては窒素(N)ガス、アンモニア(NH)ガス、一酸化窒素(NO)ガスなどがあげられる。なお、一酸化窒素(NO)ガスは、酸素含有ガスであると共に窒素含有ガスでもある。
蒸着法により無機絶縁層を形成する場合、絶縁性の無機物(蒸着源)を蒸発させる手段としては、抵抗加熱、電子ビーム、アーク放電プラズマを採用することができる。
中でも、高速蒸着が可能であることから、電子ビーム又はアーク放電プラズマを用いることが好ましい。なお、これらの手段は2つ以上を併用することもできる。
[封止部材]
封止部材は、有機EL層を封止する部材である。封止部材の構成は特に限定されない。例えば、図2では、有機EL層42の周囲を囲繞する無底筒状の側壁部51と、有機EL層42の上側を覆う天井部52と、を有するガラス製の封止部材5(ガラスキャップ)によって有機EL層42が封止されている。天井部52は、無底筒状の側壁部51の一方の開口部を塞ぐように形成されている。
封止部材5(ガラスキャップ)は、接着剤からなる接着剤層6を介して第1及び第2端子部411,431の上に接着されている。即ち、封止部材(5)は、有機EL層を中空封止している。
このように、封止部材5により有機EL層42の周囲が中空封止されることで、有機EL層42は外部の水分から断絶され、その劣化を防止できる。
なお、封止部材5と有機EL層42との間の空間(封止空間7)には、乾燥剤が入れられていてもよい(図示せず)。封止空間7内に乾燥剤を入れることにより、封止空間7内に水分が侵入しても、有機EL層42に到達する前に水分が吸収され、有機EL層42の劣化を効果的に防止できる。
また、封止空間7内には、ヘリウムガスや窒素ガスなどの不活性ガスが充填されていてもよい。
接着剤層の形成材料は、防湿性を有するものであれば特に限定されない。好ましくは、接着剤層は、防湿性を有する樹脂から形成される。
このような樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂等があげられる。
中でも、二液硬化型のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。二液硬化型のエポキシ樹脂は、常温での硬化が可能であるため、樹脂の硬化のために有機ELデバイスを加熱する必要がない。そのため、有機ELデバイスの劣化を効果的に防ぐことができる。
また、封止部材5は、図4に示すように、有機EL素子4の表面に密着したバリア層53であってもよい。なお、図4の有機ELデバイス1は、封止部材5の構成を除いて図1〜3の有機ELデバイス1と同じである。
バリア層53の形成材料は特に限定されず、防湿性を有するものが用いられる。なお、図4では、便宜上、バリア層53の断面には斜線を付しておらず、代わりに無数のドット模様を付している。
バリア層の形成材料としては、例えば、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、炭化酸化ケイ素(SiOC)、窒化炭化酸化ケイ素(SiOCN)などのSiを含む窒化物が用いられる。
バリア層53の形成方法は特に限定されず、無機絶縁層の形成方法と同様の方法を採用することができる。好ましくは、バリア層53は、蒸着法によって形成され、より好ましくは、プラズマアシスト蒸着法によって形成される。
また、バリア層53の厚みは特に限定されず、0.2μm〜50μmであり、好ましくは、0.2μm〜10μmであり、より好ましくは、0.2μm〜2μmである。
以下、本発明の変形例について説明する。もっとも、以下の変形例の説明において、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記実施形態と同様の構成などについては、その説明を省略し、用語及び符号を援用する場合がある。
[第1変形例]
図5は、本発明の第1変形例に係る有機ELデバイス1の参考平面図である。図5に示す層や部材の説明については、上述した図3のそれを参照されたい。
本変形例では、両有機絶縁層31,32と無機絶縁層33の2層(ドット模様を付した部分)は、接続予定領域411a,431aを囲繞するように設けられており、両有機絶縁層31,32と無機絶縁層33の2層は、接続予定領域411a,431aと略同じ面積を有する。つまり、本変形例では、第1及び第2有機絶縁層31,32と無機絶縁層33の2層は、略接続予定領域411a,431aにだけ重なり合うように設けられている。
本変形例では、両有機絶縁層31,32の外側端面31c,32cが外気にあまり露出しないため、水分が両有機絶縁層31,32の内部に侵入し難い。そして、少なくとも両有機絶縁層31,32は、接続予定領域411a,431aの下面側全域に設けられているため、接続予定領域411a,431aと導電性基板2との間で短絡が発生するのを効果的に防止できる。
[第2変形例]
図6は、本発明の第2変形例に係る有機ELデバイス1を示す拡大断面図である。
本変形例では、導電性基板2の上面の第1側端部に第1有機絶縁層31が設けられているものの、導電性基板2の上面の第1側端及びその近傍2aには、第1有機絶縁層31が設けられていない。また、導電性基板2の上面の第2側端部に第2有機絶縁層32が設けられているものの、導電性基板2の上面の第2側端及びその近傍2bには、第2有機絶縁層32が設けられていない。そして、導電性基板2の第1及び第2側端及びそれらの近傍2a,2bには、無機絶縁層33が設けられている。
本変形例では、両有機絶縁層31,32の内側端面31a,32a、上面31b,32b、及び外側端面31c,32cが無機絶縁層33によって隙間なく覆われている。換言すれば、両有機絶縁層31,32は、その下面を除いた全ての表面が無機絶縁層33によって封止されている。
このように、両有機絶縁層31,32の外側端面31c,32cが無機絶縁層33によって覆われているため、両有機絶縁層31,32の外側端面31c,32cから水分が侵入することを防止できる。
また、本変形例では、第1及び第2有機絶縁層31,32は、図3に示すように、接続予定領域411a,431aだけでなくそれ以外の領域に設けられていてもよく、図6に示すように、接続予定領域411a,431aの下側にだけ設けられていてもよい。
本発明の有機ELデバイスは、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で様々に設計変更できる。
上記実施形態では、第1端子部の下側に設けられた絶縁層と第2端子部の下側に設けられた絶縁層の構成が同一であるが、これらの絶縁層の構成はそれぞれ異なっていてもよい。例えば、第1端子部の下側に設けられた第1有機絶縁層は、最初に説明した実施形態のように、その内側端面及び上面のみが無機絶縁層によって覆われており、他方、第2端子部の下側に設けられた第2有機絶縁層は、上記第2変形例のように、その内側端面、上面、及び外側端面が無機絶縁層によって覆われていてもよい(図示せず)。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に説明する。なお、本発明は、下記実施例のみに限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例で用いた測定方法は、以下の通りである。
<絶縁層の厚みの測定>
有機ELデバイスの断面を走査型電子顕微鏡((株)日本電子製、商品名「JSM−6610」)を用いて観察し、有機絶縁層及び無機絶縁層の厚みを測定した。
<短絡の発生割合の測定>
実施例及び比較例の有機ELデバイスを各20個ずつ用意し、全ての有機ELデバイスの端子部にリード線を半田付けにより接続し、通電させた。その際、リード線と導電性基板との間が通電している(即ち、短絡が発生している)有機ELデバイスの割合を算出した。
<発光面積の割合の測定>
実施例及び比較例の有機ELデバイスを発光させ、高温高湿度状態に晒す前の発光面積をデジタルマイクロスコープ((株)キーエンス製、商品名「VHX−1000」)を用いて測定し、基準となる発光面積を測定した。
その後、実施例及び比較例の有機ELデバイスを、温度60℃、湿度90%RHの高温高湿条件下で非点灯の状態で保存した。500時間後に、有機ELデバイスを発光させ、その発光面積を再度測定した。そして、高温高湿状態に晒す前の発光面積を基準(100%)として、高温高湿環境に晒した後の有機ELデバイスの発光面積の割合を算出した。
[実施例1]
(絶縁層の形成)
導電性基板としてステンレス基板(SUS304、厚み50μm)を準備した。このステンレス基板上に、ノルボルネン樹脂(日本ゼオン(株)製、商品名「ゼオコート」)をワイヤーバーで上面全体に塗布し、100℃で5分間プリベークを行い、1層の有機絶縁層を形成した。
その後、有機絶縁層の両側縁部を除いて露光を行い、現像液(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いて露光された部分に対応する有機絶縁層を取り除いた。このようにして、導電性基板の一側端部に第1有機絶縁層を形成し、同他側端部に第2有機絶縁層を形成した。
その後、形成した第1及び第2有機絶縁層を、220℃で1時間ポストベークし、完全に固化させた。第1及び第2有機絶縁層の厚みは、それぞれ3.0μmであった。
その後、導電性基板の上面と第1及び第2有機絶縁層の上面に、スパッタリングによりSiO層からなる無機絶縁層を形成した。無機絶縁層の厚みは、0.3μmであった。
(有機EL素子の形成)
得られた絶縁層の上に、陽極層としてAg(銀)を200nm、正孔注入層としてHAT−CN(1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル)を10nm、正孔輸送層としてNPB(N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン)を50nm、発光層および電子輸送層としてAlq(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を45nm、電子注入層としてLiF(フッ化リチウム)を0.5nm、陰極層としてMg/Agを5/15nm(共蒸着)、をこの順番に真空蒸着し、さらにその上に、ITOをスパッタリングにより50nm積層し、有機EL素子を形成した。
(封止部材の形成)
有機EL素子の上面にSiOCNをプラズマアシスト蒸着により1μm積層し、薄膜状の封止部材を設けた。なお、封止部材は、陽極端子及び陰極端子には積層しなかった(有機EL層近傍の部分を除く)。
このようにして得られた有機ELデバイスは、図4に示すような構成を有していた。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[実施例2]
導電性基板としてステンレス基板(SUS304、厚み50μm)を準備した。このステンレス基板上に、下記の構造式(I)のフルオレン誘導体1(ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル)と、下記の構造式(II)のフルオレン誘導体2(ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル)と、を触媒である光酸発生剤(4,4−ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネートの50%プロピオンカーバイド溶液)と、を溶媒(シクロヘキサノン)に溶解させた混合溶液をワイヤーバーで上面全体に塗布し、90℃で15分間プリベークを行い、1層の有機絶縁層を形成した。
その後、有機絶縁層の両側縁部のみに露光を行い、現像液(アセトニトリル)を用いて露光されていない部分に対応する有機絶縁層を取り除いた。このようにして、導電性基板の一側端部に第1有機絶縁層を形成し、同他側端部に第2有機絶縁層を形成した。
その後、形成した第1及び第2有機絶縁層を、170℃で30分間ポストベークし、完全に固化させた。第1及び第2有機絶縁層の厚みは、それぞれ3.0μmであった。
その後、導電性基板の上面と第1及び第2有機絶縁層の上面に、スパッタリングによりSiO層からなる無機絶縁層を形成した。無機絶縁層の厚みは、0.3μmであった。
このようにして得られた有機ELデバイスは、図4に示すような構成を有していた。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
Figure 2014150001
Figure 2014150001
[実施例3]
ノルボルネン系樹脂に代えて、アクリル樹脂(JSR(株)製、商品名「JEM−477」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして有機ELデバイスを作製した。なお、第1及び第2有機絶縁層の厚みは、それぞれ3.0μmであり、無機絶縁層の厚みは、0.3μmであった。
このようにして得られた有機ELデバイスは、図4に示すような構成を有していた。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例1]
有機絶縁層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る有機ELデバイスを作製した。即ち、比較例1の有機ELデバイスは、導電性基板の上面全体に設けられた無機絶縁層のみからなる絶縁層を有する。なお、無機絶縁層の厚みは、0.3μmであった。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例2]
無機絶縁層の厚みを0.1μmにしたこと以外は、比較例1と同様にして比較例2に係る有機ELデバイスを作製した。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例3]
無機絶縁層の厚みを0.5μmにしたこと以外は、比較例1と同様にして比較例3に係る有機ELデバイスを作製した。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例4]
無機絶縁層の厚みを1.0μmにしたこと以外は、比較例1と同様にして比較例4に係る有機ELデバイスを作製した。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例5]
ノルボルネン樹脂からなる有機絶縁層のパターニングを行わず、無機絶縁層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例5に係る有機ELデバイスを作製した。即ち、比較例5に係る有機ELデバイスは、導電性基板の上面全体に設けられた有機絶縁層のみからなる絶縁層を有する。なお、有機絶縁層の厚みは、3.0μmであった。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例6]
エポキシ樹脂からなる有機絶縁層のパターニングを行わず、無機絶縁層を形成しなかったこと以外は実施例2と同様にして比較例6に係る有機ELデバイスを作製した。即ち、比較例6に係る有機ELデバイスは、導電性基板の上面全体に設けられた有機絶縁層のみからなる絶縁層を有する。なお、有機絶縁層の厚みは、3.0μmであった。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例7]
アクリル樹脂からなる有機絶縁層のパターニングを行わず、無機絶縁層を形成しなかったこと以外は実施例3と同様にして比較例7に係る有機ELデバイスを作製した。即ち、比較例7に係る有機ELデバイスは、導電性基板の上面全体に設けられた有機絶縁層のみからなる絶縁層を有する。なお、有機絶縁層の厚みは、3.0μmであった。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例8]
ノルボルネン樹脂からなる有機絶縁層のパターニングを行わなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例8に係る有機ELデバイスを作製した。即ち、比較例8に係る有機ELデバイスは、導電性基板の上面全体に設けられた有機絶縁層及び、有機絶縁層の上面全体に設けられ絶縁層からなる2層構造を有する。なお、有機絶縁層の厚みは、3.0μmであり、無機絶縁層の厚みは、0.3μmであった。
このようにして得られた有機ELデバイスは、図7に示すような構成を有していた。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例9]
エポキシ樹脂からなる有機絶縁層のパターニングを行わなかったこと以外は実施例2と同様にして比較例9に係る有機ELデバイスを作製した。即ち、比較例9に係る有機ELデバイスは、導電性基板の上面全体に設けられた有機絶縁層及び、有機絶縁層の上面全体に設けられ絶縁層からなる2層構造を有する。なお、有機絶縁層の厚みは、3.0μmであり、無機絶縁層の厚みは、0.3μmであった。
このようにして得られた有機ELデバイスは、図7に示すような構成を有していた。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例10]
アクリル樹脂からなる有機絶縁層のパターニングを行わなかったこと以外は実施例3と同様にして比較例10に係る有機ELデバイスを作製した。即ち、比較例10に係る有機ELデバイスは、導電性基板の上面全体に設けられた有機絶縁層及び、有機絶縁層の上面全体に設けられ絶縁層からなる2層構造を有する。なお、有機絶縁層の厚みは、3.0μmであり、無機絶縁層の厚みは、0.3μmであった。
このようにして得られた有機ELデバイスは、図7に示すような構成を有していた。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
Figure 2014150001
[評価]
表1に示すように、実施例1〜3の有機ELデバイスでは、リード線が接続された端子部と導電性基板との間に短絡が全く発生しなかった。また、高温高湿環境に晒す前後においても、発光面積の割合が殆ど変化しなかった。これは、有機絶縁層の外側端面から侵入した水分が無機絶縁層に阻まれて有機EL層に到達しなかったためであると考えられる。
他方、比較例1〜4の有機ELデバイスでは、高温高湿環境に晒す前後において発光面積の割合はあまり変化していないものの、短絡の発生割合が60〜90%と非常に高い値を示した。比較例2については、無機絶縁層の厚みが0.1μmと非常に薄いためピンホールが多数発生し、それによって短絡が生じたものと考えられる。そして、無機絶縁層の膜厚を厚くすればするほどピンホールが発生し難くなり短絡が防止できることが判る。しかし、膜厚が0.5μmを超えると、短絡の発生割合は再び増加する。これは、無機絶縁層が厚すぎると、無機絶縁層にクラックが生じ、それによって短絡が発生したためであると考えられる。
また、比較例5〜7の有機ELデバイスでは、短絡の発生は完全に防止できたものの、高温高湿環境に晒した後、発光面積が大きく減少した。これは、有機絶縁層の外側端面から水分が侵入し、有機EL素子にまで到達した水分が有機EL素子を劣化させたためであると考えられる。
さらに、比較例8〜10の有機ELデバイスでは、短絡の発生は完全に防止できたものの、発光面積の減少はあまり抑制することができなかった。これは、有機絶縁層の外側端面から侵入した水分が、無機絶縁層のピンホールやクラックを介して有機EL素子にまで到達したためであると考えられる。
本発明の有機ELデバイスは、照明装置などとして利用できる。
1…有機ELデバイス、2…導電性基板、3…絶縁層、31…第1有機絶縁層、31a…第1有機絶縁層の内側端面、31b…第1有機絶縁層の上面、32…第2有機絶縁層、32a…第2有機絶縁層の内側端面、32b…第2有機絶縁層の上面、33…無機絶縁層、4…有機EL素子、41…第1導電層、411…第1端子部、42…有機EL層、43…第2導電層、431…第2端子部、5…封止部材、51…側壁部、52…天井部、6…接着剤層
従来、有機ELデバイスの支持基板としてガラスや金属など防湿性の材料が用いられている。支持基板の形成材料として金属など導電性の材料を用いる場合、有機EL素子に流れる電気が支持基板に導通する(即ち、短絡が生じる)ことを防止する必要がある。
前記短絡を防止するため、導電性の支持基板(以下、導電性基板という)の上に合成樹脂を含む有機絶縁層又は金属若しくは半金属を含む無機絶縁層を積層し、この有機絶縁層又は無機絶縁層上に有機EL素子を積層することが知られている(例えば、特許文献1及び2)。
本発明の好ましい有機ELデバイスでは、第1有機絶縁層と第2有機絶縁層が、導電性基板上にそれぞれ独立して設けられている
本発明の好ましい有機ELデバイスは、無機絶縁層が、さらに第1有機絶縁層及び第2有機絶縁層の外側端面を覆っている。また、より好ましくは、第1導電層が陽極であり、第2導電層が陰極である。
[封止部材]
封止部材は、有機EL層を封止する部材である。封止部材の構成は特に限定されない。例えば、図2では、有機EL層42の周囲を囲繞する無底筒状の側壁部51と、有機EL層42の上側を覆う天井部52と、を有するガラス製の封止部材5(ガラスキャップ)によって有機EL層42が封止されている。天井部52は、無底筒状の側壁部51の一方の開口部を塞ぐように形成されている。
封止部材5(ガラスキャップ)は、接着剤からなる接着剤層6を介して第1及び第2端子部411,431の上に接着されている。即ち、封止部材5は、有機EL層を中空封止している。
このように、封止部材5により有機EL層42の周囲が中空封止されることで、有機EL層42は外部の水分から断絶され、その劣化を防止できる。
なお、封止部材5と有機EL層42との間の空間(封止空間7)には、乾燥剤が入れられていてもよい(図示せず)。封止空間7内に乾燥剤を入れることにより、封止空間7内に水分が侵入しても、有機EL層42に到達する前に水分が吸収され、有機EL層42の劣化を効果的に防止できる。
また、封止空間7内には、ヘリウムガスや窒素ガスなどの不活性ガスが充填されていてもよい。
[比較例8]
ノルボルネン樹脂からなる有機絶縁層のパターニングを行わなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例8に係る有機ELデバイスを作製した。即ち、比較例8に係る有機ELデバイスは、導電性基板の上面全体に設けられた有機絶縁層及び、有機絶縁層の上面全体に設けられた無機絶縁層からなる2層構造を有する。なお、有機絶縁層の厚みは、3.0μmであり、無機絶縁層の厚みは、0.3μmであった。
このようにして得られた有機ELデバイスは、図7に示すような構成を有していた。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例9]
エポキシ樹脂からなる有機絶縁層のパターニングを行わなかったこと以外は実施例2と同様にして比較例9に係る有機ELデバイスを作製した。即ち、比較例9に係る有機ELデバイスは、導電性基板の上面全体に設けられた有機絶縁層及び、有機絶縁層の上面全体に設けられた無機絶縁層からなる2層構造を有する。なお、有機絶縁層の厚みは、3.0μmであり、無機絶縁層の厚みは、0.3μmであった。
このようにして得られた有機ELデバイスは、図7に示すような構成を有していた。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。
[比較例10]
アクリル樹脂からなる有機絶縁層のパターニングを行わなかったこと以外は実施例3と同様にして比較例10に係る有機ELデバイスを作製した。即ち、比較例10に係る有機ELデバイスは、導電性基板の上面全体に設けられた有機絶縁層及び、有機絶縁層の上面全体に設けられた無機絶縁層からなる2層構造を有する。なお、有機絶縁層の厚みは、3.0μmであり、無機絶縁層の厚みは、0.3μmであった。
このようにして得られた有機ELデバイスは、図7に示すような構成を有していた。
この有機ELデバイスの短絡の発生割合、及び、発光面積の割合を上記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に表す。

Claims (6)

  1. 導電性基板と、
    前記導電性基板上に設けられた第1有機絶縁層及び第2有機絶縁層と、
    前記第1有機絶縁層及び前記第2有機絶縁層上に設けられた無機絶縁層と、
    前記無機絶縁層上に設けられた第1導電層と、
    前記第1導電層上に設けられた有機エレクトロルミネッセンス層と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス層上に設けられた第2導電層と、を有し、
    前記第1導電層が、前記有機エレクトロルミネッセンス層よりも外側に位置し且つ外部電源と接続される第1端子部を有し、且つ、前記第2導電層が、前記有機エレクトロルミネッセンス層よりも外側に位置し且つ外部電源と接続される第2端子部を有し、
    前記第1有機絶縁層は、前記無機絶縁層を介して前記第1端子部の下側に設けられており、前記第2有機絶縁層は、前記無機絶縁層を介して前記第2端子部の下側に設けられており、
    前記第1有機絶縁層及び前記第2有機絶縁層の内側端面及び上面が、前記無機絶縁層によって覆われていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  2. 前記第1有機絶縁層と前記第2有機絶縁層が、前記導電性基板上にそれぞれ独立して設けられている、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  3. 前記無機絶縁層が、さらに前記第1有機絶縁層及び前記第2有機絶縁層の外側端面を覆っている、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  4. 前記第1電極部が陽極部であり、前記第2電極部が陰極部である、請求項1〜3の何れかに記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  5. 前記無機絶縁層が、金属及び半金属の少なくとも1種を含んでおり、
    前記金属及び前記半金属が、酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、及び酸化窒化炭化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4の何れかに記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  6. 前記第1有機絶縁層及び第2有機絶縁層が、アクリル樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、及びポリイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜5の何れかに記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
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