JP2016081803A - 発光装置 - Google Patents

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宏一 増岡
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Abstract

【課題】バリア性が高く且つ安価なフレキシブル基材とこの基材に適した有機EL素子を組み合わせることにより、発光性能及び環境耐久性に優れたフレキシブルな発光装置を得る。【解決手段】発光装置において、金属箔(3)を含む基材上に、第一電極(5)、有機発光層(6)、第二電極(7)が順に形成されている。第二電極(7)は、開口部を有し、金属箔(3)で反射した光をその開口部から外部へ放出する。金属箔(3)を含む反射型の基材は、合成樹脂基材と金属箔(3)とを貼り合せて形成されている。金属箔(3)上には、絶縁層(4)が形成されている。第二電極(7)は、細線構造で形成されているため開口部が存在し、透過性を持ち合わせる必要がないため、材料として、金属材料のうち、有機発光層への電子注入性を考慮したLUMOの低い反射電極材料が用いられている。【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた発光装置に関する。
近年、液晶表示素子(LCD)に続く次世代表示デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する。)等の、自発光素子を2次元配列した発光素子型の表示パネルを備えた発光装置の研究開発が行われている。
有機EL素子は、陽極と、陰極と、これらの一対の電極間に形成される有機発光層を含む発光機能層とを備える。発光機能層は、有機発光層以外に、例えば、正孔注入層や電子注入層等を有する。有機EL素子では、有機発光層において正孔と電子が再結合することによって発生するエネルギーによって発光が生じる。
有機EL素子の特徴として、フレキシブル性(可撓性)が挙げられ、近年この特徴を活かしたフレキシブル発光デバイスの開発が進められている。ここで、基材にはフレキシブル性以外に、有機EL素子を外部劣化因子(酸素、水)から保護するための高いバリア性が求められる。
特許文献1には、このフレキシブル性と高いバリア性とを兼ね備えた基材の開発として、プラスチックフィルム基材の片面又は両面に、易接着層、有機層及び無機層を順次積層させ、バリア性を高めた基材について提案されている。
但し、この形態はバリア性を上げるための多層構造により、材料・製造コストが高くなるという問題がある。そのため、低コスト且つバリア性の高い基材として、金属箔で構成したフレキシブル基材が挙げられる。但し、この基材には反射金属が用いられており光を透過しないため、有機EL素子はトップエミッション構造が選択する必要がある。
トップエミッション構造は、有機発光層を含む有機機能層を挟んだ2つの電極のうち、有機機能層上に形成される電極に透過性が求められている。ここで、有機機能層上に透明電極を形成する場合、電極材料や製造方法によって、電極成膜時のダメージを受けて発光層が劣化する問題があった。
特許文献2では、このダメージの要因のうち、電極材料の成分やプロセスガスが発光層へ侵入・拡散しないように電極層に窒素化合物を用いた構造を提案している。
特開2008−307887号公報 特開2002−15859号公報
但し、上述したトップエミッション構造の透明電極の形成には、スパッタ法が用いられている。このため、スパッタ法を用いることで発生する2次粒子の影響を受けて、発光層へダメージを与えるという問題が残る。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光装置は、金属箔を含む基材上に、第一電極、有機発光層、第二電極が順に形成されている。第二電極は、開口部を有し、金属箔で反射した光をその開口部から外部へ放出する。
本発明の一態様によれば、バリア性が高く且つ安価なフレキシブル基材とこの基材に適した有機EL素子を組み合わせることにより、発光性能及び環境耐久性に優れたフレキシブルな発光装置を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る発光装置の細線パターンを示す平面図である。(1)はストライプパターンである。(2)はグリッドパターンである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る発光装置1では、金属箔3を含む基材であるフレキシブルなデバイス用基材上に、有機EL素子を形成している。
デバイス用基材は、基本構造として、合成樹脂基材2と金属箔3とを貼り合せた後、金属箔3の表面を絶縁化するために絶縁層4を設けている。
有機EL素子は、基本構造として、上記のデバイス用基材の絶縁層4上に、陽極5、有機発光層6、陰極7が順に形成されている。すなわち、絶縁層4は、金属箔3と陽極5との間に設けられている。ここで、陰極7は、細線構造で形成されているため開口部が存在し、金属箔3で反射した光をその開口部から外部へ放出する。また、陰極7の上層には、封止体8が形成されている。封止体8の上層には、合成樹脂基材2と同じ部材からなる封止用基材が積層されている。有機EL素子の構成の詳細については後述する。
第1実施形態に係る発光装置1では、金属箔3を含む反射型の基材を用いているため、有機発光層6で発生した光は、陰極7側から取り出す必要がある。そこで、陰極7を細線構造とすることにより、陰極7に開口部を設ける。これにより、金属箔3で反射した光がその開口部を通過して外部へ出て行くことが可能となる。
また、第1実施形態に係る陰極7は、開口部が存在し、透過性を持ち合わせる必要がないため、材料として、金属材料の中から、有機発光層6への電子注入性を考慮した最低空軌道(LUMO)のエネルギーが低い反射電極材料を選択すれば良い。該当する材料として、一般的にはAl、Ag、MgAg合金等が挙げられる。なお、LUMOのエネルギーが低いことを、LUMOが低いと表現することもある。
この金属から成る陰極7の形成方法としては、低ダメージ成膜可能な抵抗加熱法といったドライ成膜や金属材料を溶解したインクをスクリーン印刷法やインクジェット法にて形成するウェット成膜を選択できる。
以降、各階層の構成について順に説明していく。
最初に、デバイス用基材の詳細な構成について記述する。
(合成樹脂基材2の構成)
合成樹脂基材2の詳細な構成について説明する。合成樹脂基材2としては、以下のプラスチックフィルムを用いることが可能である。
合成樹脂基材2に用いるプラスチックフィルムの原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることが可能である。
また、合成樹脂基材2は、表面平滑性に優れているものが好ましい。具体的には、合成樹脂基材2の表面の平滑性は、算術平均粗さRaが5nm以下であると共に、最大高さRyが50nm以下であることが好ましく、更に好ましくは、算術平均粗さRaが1nm以下であると共に、最大高さRyが20nm以下である。
また、合成樹脂基材2の表面は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等の下塗り層を付与して平滑化しても良いし、研磨等の機械加工によって平滑にしても良い。ここで、透明基材12の表面の平滑性は、原子間力顕微鏡(AFM)等による測定から算出することが可能である。
(金属箔3の構成)
金属箔3の詳細な構成について説明する。金属箔3の種類には、例えば、銅、黄銅、銅合金、アルミニウム、ステンレス、錫、ニッケル等がある。これらの中でも、アルミニウム箔又はステンレス箔が好適である。金属箔3の厚さは5μm以上200μm以下の範囲内が好ましく、更に5μm以上100μm以下の範囲内の範囲内がより好適である。金属箔3の形成方法は、圧延による手法が好適であるが、蒸着法やスパッタリング法等で形成させても良い。
ここで、金属箔3のみではハンドリング性が悪いので、金属箔3と合成樹脂基材2は貼り合せを行い、有機EL素子を構成するフレキシブルなデバイス用基材として用いる。
(絶縁層4の構成)
デバイス用基材の表面は導電性と凹凸があるため、有機EL素子を形成する前に絶縁層4を形成し、絶縁化と平坦化を行う必要がある。
絶縁層4には、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、金属窒化物等の無機材料を用いるのが好ましい。また、アクリル、ノルボルネン、エポキシ、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリフェニルスルホン等の有機材料を用いることも可能だが、無機材料に比べて透湿度が高いため、有機EL素子の直下に形成は望ましくない。
絶縁層4に無機材料を用いた際の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることが可能である。また、ガスバリア層の厚みに関しては、特に限定されないが、0.1μm以上10μm以下の範囲内であることが好ましい。
(有機EL素子の構成)
次に、有機EL素子の詳細な構成について説明する。
第1実施形態に係る有機EL素子は、上述した陰極構造を備える。
また、有機EL素子に一般的に使われている材料・構成等、任意のものを用いることが可能である。
有機EL素子の素子構成としては、例えば、以下に示す(A)〜(E)等、各種の構成のものを用いることが可能である。
(A)陽極5/有機発光層6/陰極7
(B)陽極5/正孔輸送層/有機発光層6/電子輸送層/陰極7
(C)陽極5/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層6/電子輸送層/陰極7
(D)陽極5/正孔注入層/有機発光層6/電子輸送層/電子注入層/陰極7
(E)陽極5/正孔注入層/有機発光層6/電子注入層/陰極7
なお、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。
ここで、第1実施形態に係る発光装置1を示す図1において、上記の(A)〜(E)に記載の正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層6、電子輸送層、電子注入層は、略して発光機能層として表している。
更に、有機EL素子は、2層以上の有機発光層6を有する構成としても良い。2層以上の有機発光層6を有する有機EL素子としては、例えば、以下の(F)に示す層構成を用いることが可能である。
(F)陽極5/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層6/電子輸送層/電荷注入層/電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層6/電子輸送層/電荷注入層/陰極7
また、3層以上の有機発光層6を有する有機EL素子としては、具体的には、(電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層6/電子輸送層/電荷注入層)を、一つの繰り返し単位として、以下の(G)に示す繰り返し単位を2つ以上含む層構成を用いることが可能である。
(G)陽極5/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層6/電子輸送層/電荷注入層/(該繰り返し単位)/(該繰り返し単位)/・・・/陰極7
なお、上記の層構成において、陽極5、有機発光層6、陰極7以外の各層は、必要に応じて削除することが可能である。
ここで、電荷発生層とは、電界を印加することにより、正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば、酸化バナジウム、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、酸化モリブデン等からなる薄膜を用いることが可能である。
以下、陽極5と有機発光層6との間に設けられる層、陽極5、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層6、陰極7と有機発光層6との間に設けられる層、電子輸送層、電子注入層、陰極7の各層について説明する。
(陰極7と有機発光層6との間に設けられる層)
必要に応じて陰極7と有機発光層6との間に設けられる層としては、例えば、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。
電子注入層は、陰極7からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、陰極7、電子注入層又は陰極7により近い層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。
なお、陰極7と有機発光層6との間に電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極7に接する層を電子注入層といい、この電子注入層を除く層を電子輸送層という。また、電子注入層及び電子輸送層のうち少なくとも一方の層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。
(陽極5の構成)
陽極5の詳細な構成について説明する。陽極5は、電流を流す電極機能だけでなく、発光機能層へ電荷を効率良く注入させる機能も求められる。そのため、透明導電酸化物や導電性を示す高分子化合物の中から、導電性が高く、更に仕事関数の高い材料を選択することが好ましい。
透明導電酸化物としては、ITOやIZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、AZO(亜鉛アルミニウム複合酸化物)を使用する。
導電性高分子化合物としては、導電率で10−5S/cm以上10S/cm以下の範囲内であり、好ましくは10−3S/cm以上10S/cm以下の範囲内であることが好ましい。例えば、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等が使用される。
ポリチオフェン、ポリチオフェンの誘導体、又は、ポリチオフェンとポリチオフェンの誘導体との混合物は、水及びアルコール等の水系溶媒に溶解、もしくは分散しやすいため、塗布法に用いられる塗布液の溶質として、好適に用いられる。
また、ドーパントを含有しても良く、その例としては、ポリスチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸、PF5、AsF5、SbF5等のルイス酸が挙げられる。
これら透明導電酸化物や導電性高分子化合物は、最高被占軌道(HOMO)のエネルギーが5.0eV程度であり、通常の有機EL素子に用いられる有機発光層6のHOMOのエネルギーとの差が1eV程度と低く、有機発光層6に正孔を効率的に注入することが可能であるため、特に、陽極5の材料として好適に用いることが可能である。
陽極5の形成方法は、材料に応じて種々選択する。透明導電酸化物は、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等ドライ成膜を用いることが可能である。
導電性高分子化合物の成膜方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の塗布法を用いることが可能である。
(正孔注入層)
正孔注入層は、陽極5と正孔輸送層との間、又は、陽極5と有機発光層6との間に設けることが可能である。
正孔注入層を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることが可能であり、特に制限はない。したがって、正孔注入層を構成する材料としては、例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化モリブデン等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等を用いることが可能である。
正孔注入層の成膜方法としては、例えば、正孔注入層となる材料(正孔注入材料)を含む溶液からの成膜を用いることが可能である。
溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、正孔注入材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、水を用いることが可能である。
溶液からの成膜方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の塗布法を用いることが可能である。
また、正孔注入層の厚さとしては、5nm以上300nm以下の範囲内程度であることが好ましい。これは、正孔注入層の厚さが5nm未満では、製造が困難になる傾向があるためである。一方、正孔注入層の厚さが300nmを越えると、駆動電圧や、正孔注入層に印加される電圧が大きくなる傾向となるためである。
(正孔輸送層)
正孔輸送層を構成する正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリシラン又はその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリアリールアミン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)又はその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)又はその誘導体等を用いることが可能である。
また、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料としては、上述した材料の中でも、ポリビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリシラン又はその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体ポリアニリン、又はその誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリアリールアミン又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)又はその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)又はその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましい。なお、低分子の正孔輸送材料の場合は、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の成膜方法としては、特に制限はないが、低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーと正孔輸送材料とを含む混合液からの成膜を用いることが可能であり、高分子の正孔輸送材料では、正孔輸送材料を含む溶液からの成膜を用いることが可能である。
また、溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層の項で例示した溶媒を、その一例として用いることが可能である。また、溶液からの成膜方法としては、上述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を用いることが可能である。
正孔輸送層の厚さは、特に制限されないが、目的とする設計に応じて適宜変更することが可能であり、例えば、1nm以上1000nm以下の範囲内程度であることが好ましい。これは、正孔輸送層の厚さが1nm未満となると、製造が困難になる傾向や、正孔輸送の効果が十分に得られない等の傾向があるためである。
一方、正孔輸送層の厚さが1000nmを超えると、駆動電圧及び正孔輸送層に印加される電圧が大きくなる傾向があるためである。したがって、正孔輸送層の厚さは、好ましくは、1nm以上1000nm以下の範囲内であるが、より好ましくは、2nm以上500nm以下の範囲内であり、更に好ましくは、5nm以上200nm以下の範囲内である。
(有機発光層6)
有機発光層6は、主として蛍光又は燐光を発光する有機物(低分子化合物及び高分子化合物)を有する。なお、有機発光層6は、更にドーパント材料を含んでいても良い。有機発光層6を形成する材料としては、例えば、以下の(1)〜(4)に示すものを用いることが可能である。
(1)色素系材料
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、キナクドリン誘導体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を用いることが可能である。
(2)金属錯体系材料
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等、又は、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を用いることが可能である。
(3)高分子系材料
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したもの等を用いることが可能である。
上述した発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体及びそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等を用いることが可能である。
また、上述した発光性材料のうち、緑色に発光する材料としては、キナクドリン誘導体、クマリン誘導体及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等を用いることが可能である。
また、上述した発光性材料のうち、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体等を用いることが可能である。
(4)ドーパント材料
発光効率の向上や発光波長を変化させる目的で、有機発光層6中にドーパントを添加することが可能である。
ドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクドリン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等を用いることが可能である。なお、有機発光層6の厚さは、通常では、約2nm以上200nm以下の範囲内である。
有機発光層6の成膜方法としては、有機発光材料を含む溶液からの成膜を用いることが可能である。また、溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、有機発光材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層の項で例示した溶媒を、その一例として用いることが可能である。また、溶液からの成膜方法としては、上述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を用いることが可能である。
(陰極7と有機発光層6との間に設けられる層)
必要に応じて陰極7と有機発光層6との間に設けられる層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。
電子注入層は、陰極7からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、陰極7、電子注入層、又は陰極7により近い層からの電子注入を改善する機能を有する層である。陰極7と有機発光層6との間に電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極7に接する層を電子注入層といい、この電子注入層を除く層を電子輸送層という。
正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお、電子注入層及び電子輸送層のうち少なくとも一方が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。
(電子輸送層)
電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、公知のものを用いることが可能であり、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン又はその誘導体、ベンゾキノン又はその誘導体、ナフトキノン又はその誘導体、アントラキノン又はその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン又はその誘導体、フルオレノン又はその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン又はその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体、ポリキノリン又はその誘導体、ポリキノキサリン又はその誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体等を用いることが可能である。
これらのうち、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン又はその誘導体、アントラキノン又はその誘導体、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体、ポリキノリン又はその誘導体、ポリキノキサリン又はその誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンが更に好ましい。
電子輸送層の成膜方法としては、特に制限はないが、低分子の電子輸送材料では、高分子バインダーと電子輸送材料とを含む混合液からの成膜を用いることが可能であり、高分子の電子輸送材料では、電子輸送材料を含む溶液からの成膜を用いることが可能である。
溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、電子輸送材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層の項で例示した溶媒を、その一例として用いることが可能である。また、溶液からの成膜方法としては、上述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を用いることが可能である。
電子輸送層の膜厚は、用いる材料によって最適値が異なり、目的とする設計に応じて適宜変更することが可能であるが、少なくともピンホールが発しないような膜厚が必要である。
したがって、電子輸送層の膜厚としては、例えば、1nm以上1000nm以下の範囲内程度であることが好ましく、より好ましくは、2nm以上500nm以下の範囲内であり、更に好ましくは、5nm以上200nm以下の範囲内である。
(電子注入層)
電子注入層を構成する材料としては、有機発光層6の種類に応じて最適な材料が適宜選択され、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも一つを含む合金、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物、又は、これらの物質の混合物等を用いることが可能である。
アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸化物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルブジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム等を用いることが可能である。
また、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸化物としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等を用いることが可能である。
なお、電子注入層は、2層以上を積層した積層体で構成されていても良い。この場合、電子注入層を構成する材料としては、例えば、フッ化リチウム/カルシウム等を用いることが可能である。電子注入層は、各種蒸着法、各種塗布法等により形成される。電子注入層の膜厚としては、1nm以上1000nm以下の範囲内程度が好ましい。
(陰極7)
陰極7の材料としては、仕事関数が小さく、有機発光層6への電子注入が容易な材料、電気導電度が高い材料、可視光反射率の高い材料のうち、少なくとも一つの材料を用いることが好ましい。具体的には、陰極7の材料としては、例えば、金属、金属酸化物、合金、グラファイト又はグラファイト層間化合物、酸化亜鉛等の無機半導体等を用いることが可能である。
なお、陰極7の材料として用いる金属としては、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属、遷移金属やIII−b属金属等を用いることが可能である。これらの金属の具体的な例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等を挙げることが可能である。
また、陰極7の材料として用いる合金としては、上述した金属のうち少なくとも一種を含む合金を用いることが可能である。具体的には、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等を用いることが可能である。
ここで、陰極7は、パターニング成膜する必要があり、形成方法としてはメタルマスクを用いて、有機発光層へのダメージが小さい抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法の中から選択することが好ましい。
また、金属材料を含む溶液からの成膜を用いることも可能である。この場合、溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、陰極7となる材料を溶解させ、且つ下層を溶解させないものを選択する必要がある。
また、溶液からの成膜方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の塗布法を用いることが可能である。
特に、直接パターン形成することが可能な成膜方法が好ましく、適宜選択可能であるが、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法等の印刷法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の吐出による塗布法が好適である。その後、乾燥固化させて、陰極7を形成する。
ここで、陰極7側から光を効率良く取り出すため、開口率が30%以上90%以下の範囲内となるように細線パターンを形成することが好ましい。理由として、本デバイス構造は陰極7が形成された領域のみ発光するので、その形成エリアが狭いと取りだせる光量が少なくなり、発光性能が十分に得られない。また、陰極7の形成エリアを広げすぎると開口部が狭く、光を内部に閉じ込めてしまい、同様に発光性能が低くなる。
陰極7の線幅は、電気導電度や視認性、及び上記の開口率を考慮して、適宜選択することが可能である。例えば、1μm以上1000μm以下の範囲内が好ましく、更に1μm以上50μm以下の範囲が好ましい。
細線パターンは、形成が容易な図3の(1)に示すストライプパターンや(2)に示すグリッドパターンとすることが好ましい。但し、これに限定するものではない。
また、陰極7の膜厚は、電気導電度や耐久性を考慮して、適宜選択することが可能であり、例えば、10nm以上10000nm以下の範囲内であり、好ましくは20nm以上1000nm以下の範囲内であり、更に好ましくは、50nm以上500nm以下の範囲内である。
(封止体)
続いて、有機EL素子を外部に存在する劣化因子からバリアするために、封止体8を形成する。この封止体8は、封止用基材、劣化因子である水・酸素の侵食を防ぐ保護層、有機EL素子を堆積したデバイス用基材と封止用基材を接合させる接着層とで構成されている。
まず、封止用基材は、本形態がトップエミッション構造のため透明であり、かつフレキシブルな基材が要求されるため、デバイス用基材で挙げた合成樹脂基材2の材料を選択することが好ましい。
保護層としては、バリア性が高く、透明性の高い材料であれば任意である。例えば、窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜であるSiOx、SiNxや酸化金属膜であるAl2O3等の材料を選択し、EB蒸着法、抵抗加熱法等の低ダメージ等ライプロセスを用いて形成することが可能である。
接着層として、熱硬化型の接着層も使用することができるが、有機ELを構成する材料への影響を鑑みると光硬化型の接着剤が好ましい。例えば、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等の各種アクリレート、ウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系接着剤や、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系接着剤、チオール・エン付加型樹脂系接着剤等が挙げられ、中でも酸素による阻害がなく、光照射後も重合反応が進行するカチオン系接着剤が好ましい。
カチオン系硬化型タイプとしては、紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤が好ましく、また、100mW/cm以上の紫外線を照射した際に、10秒から90秒の間に硬化する紫外線硬化型接着剤が特に好ましい。この時間内で硬化させることにより、紫外線照射による他の構成要素への影響を排除しつつ、接着剤が充分に硬化して適切な接着強度を備えることができる。また、生産工程の効率の観点からも、前述した時間範囲内であることが好ましい。
また、接着剤の種類に関わらず、低透湿性且つ高接着性のものが好ましい。接着層を封止基材上に形成する方法の一例として、ディスペンス法、押出ラミネート法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法等を挙げることができる。接着層の厚みとしては特に制限はないが、薄膜であることが好ましいため、例えば、1μm以上100μm以下の範囲内であり、特に好ましくは5μm以上50μm以下の範囲内である。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態に係る発光装置では、金属箔3を含むフレキシブルなデバイス用基材に、陰極7が細線構造で形成された有機EL素子を設けている。陰極7は細線構造で形成されているため開口部を有する。
このように、バリア性が高く且つ安価なフレキシブル基材と、成膜ダメージの少ない陰極構造を選択した有機EL素子を組み合わせたことで、環境耐久性に優れ且つELの持つ発光性能を維持したフレキシブルな発光装置が得られた。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図2に示すように、第2実施形態に係る発光装置1では、更に、絶縁層4と陽極5との間に、金属から成る補助電極9を設けている。第1実施形態との違いは、陽極5の下層に金属の補助電極9を設けている点であり、その他の構成は同様の形態を備えている。
まず、補助電極9を設ける理由について述べる。デバイスの大面積化に伴い陽極5の層に用いる電極だけでは高抵抗となり、電流が発光エリア全域へ均一に流すことができず発光ムラとなる恐れがある。この問題を解決するために、低抵抗な金属を用いた補助電極9を陽極5の層と組み合わせる構造が挙げられる。
ここで、ボトムエミッション構造の場合は、発光領域の補助電極9を細線形状にてパターニングし、陽極5側に開口部を設ける必要がある。但し、開口率を確保するために、細線幅を極力細く形成することが要求されるため、成膜法が限定される。
更に、有機EL素子を構成した際に、パターニングした補助電極9のエッジ形状の影響を受け、リーク電流が懸念されるため、陽極5の層を厚く堆積し、補助電極9の凹凸を埋めることで平坦化する必要もある。これにより、材料コストやタクトに影響を与える。
しかし、トップエミッション構造とする本形態は、陽極5側に開口部を設ける必要はなく、金属の補助電極9を発光領域全体に設けることが可能となり、プロセスが容易であり、更に陽極5の層の厚膜化も必要としない。
補助電極9に用いられる金属材料としては、例えば、アルミニウム、銀、クロミニウム、金、銅、タンタル、モリブデン等の金属や、これらの金属の合金を用いることが可能である。これらの中でも、特に、電気導電度の高さ及び材料のハンドリングの容易さの観点から、アルミニウム、クロミニウム、銅、銀及びその合金が好ましい。
補助電極9を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、又は、金属薄膜を熱圧縮するラミネート法等により、補助電極9の構成材料から成る膜を形成する。
また、補助電極9を形成する方法としては、例えば、補助電極9となる材料を含む溶液からの成膜を用いることが可能である。この場合、溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、補助電極9となる材料を溶解させるものであれば、特に制限はない。
また、溶液からの成膜方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の塗布法を用いることが可能である。
(有機EL素子の用途)
本実施形態に係る有機EL素子は、照明、自発光型ディスプレイ、液晶用バックライト等に用いることが可能である。また、本実施形態に係る有機EL素子は、均一にムラなく発光させることが可能であるため、照明用途で用いることが好ましい。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態に係る発光装置では、陽極5の下層全面に金属の補助電極9を形成し、その他は第1実施形態と同様の構成としている。
このため、第1実施形態で得られる耐久性や発光性能に加えて、面内の輝度均一性に優れたフレキシブルな発光装置を得られた。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
1 発光装置(有機EL素子)
2 合成樹脂基材
3 金属箔
4 絶縁層
5 陽極
6 発光機能層
7 陰極
8 封止体
9 補助電極

Claims (7)

  1. 金属箔を含む基材上に、第一電極、有機発光層、第二電極が順に形成されており、
    前記第二電極は、開口部を有し、前記金属箔で反射した光を前記開口部から外部へ放出することを特徴とする発光装置。
  2. 前記基材は、合成樹脂基材と前記金属箔とを貼り合せて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記金属箔と前記第一電極との間には、絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記第一電極の下層に、金属から成る補助電極が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
  5. 前記補助電極は、前記第一電極の下層全面に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記第二電極は、細線構造で形成されているため前記開口部が存在することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 前記第二電極は、前記開口部を有し、透過性を持ち合わせる必要がないため、材料として、金属材料のうち、前記有機発光層への電子注入性を考慮したLUMOの低い反射電極材料が用いられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発光装置。
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