JP2014148842A - 車両扉開閉装置 - Google Patents

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Kiyokazu Otaki
清和 大滝
Makoto Harasawa
誠 原澤
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Abstract

【課題】例えば車両扉を手動操作できない状況にあっても、車両扉を自動で作動可能とすることにより、車両扉操作の利便性を確保することができる車両扉開閉装置を提供する。
【解決手段】助手席車外通信エリアEbで車外スマート照合が成立する状態が一定時間以上経過すると、スライドドア17の窓34aが少し開けられ、カーナビゲーションシステムに事前登録されたガイダンスが、車内のスピーカから窓34aの空いた隙間を通じて車外のユーザに通知される。そして、ガイダンスに沿ってユーザが行う動き(例えば、足を上げる、右に移動するなど)を車体の動作検知部38で検知し、動きが正当であると判定されれば、スライドドア17が開作動される。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両扉の開閉を制御する車両扉開閉装置に関する。
従来、車両には、電子キーとの間で無線によりID照合を行う電子キーシステムが搭載されている。電子キーシステムには、例えば車両からの通信を契機に狭域無線によって電子キーとID照合(スマート照合)を行い、スマート照合の成立を条件に車両機器の操作が許可/実行されるキー操作フリーシステムがある(特許文献1等参照)。キー操作フリーシステムの1機能としては、車外において電子キーとスマート照合が成立すると、車両ドアの施解錠が許可/実行されるスマートエントリ機能がある。
特開2005−262915号公報
電子キーシステムのスマートエントリ機能には、車両ドアを解錠するとき、例えば車両ドアの車外ドアハンドルに設けられたボタンやセンサを操作することにより、解錠に切り替わるタイプがある。このタイプの場合、例えばユーザが両手に荷物を持つなどして手が空いていないと、ボタンやセンサを操作することができないので、車両ドアを解錠することができず、不便に感じる問題があった。なお、車両ドアには、支点回りに回転しながら開閉するヒンジドアに限らず、直線方向に往復動して開閉するスライドドアも含む。
本発明の目的は、例えば車両扉を手動操作できない状況にあっても、車両扉を自動で作動可能とすることにより、車両扉操作の利便性を確保することができる車両扉開閉装置を提供することにある。
前記問題点を解決する車両扉開閉装置は、車両に設けられた開閉可能な車両扉の開閉を制御する構成において、電子キーの正当性を無線により認証する電子キーシステムにおいてID照合が成立しつつも、ユーザが前記車両扉を手動操作できない状況にあるか否かを判断する扉開要求判断部と、ユーザが前記車両扉を手動操作できない状況にある際、当該車両扉を作動させるのに必要な条件を、ガイダンスによって通知するガイダンス通知部と、ユーザの動作を検出可能な動作検知部から入力する信号を基に、前記ガイダンスに沿ってユーザが行う動作の正当性を判定する動作正当性判定部と、前記動作が正当であると判定された際、前記車両扉の開又は閉を許可する扉動作許可部とを備えた。
本構成によれば、電子キーシステムにおいてID照合が成立しつつも、ユーザが車両扉を手動操作できない状況にあると判断されると、車両扉を作動させるのに必要な条件がガイダンスによって通知される。このとき、ガイダンスに沿ってユーザが行う動作が正当であると判定されると、車両扉の開動作又は閉動作が許可される。このため、ユーザが両手に荷物等を持っていて車両扉を手動操作できない状況下であっても、通知されるガイダンスに沿った動作を行えば車両扉が自動で作動される。よって、車両扉操作の利便性が確保される。
前記車両扉開閉装置において、前記扉開要求判断部は、前記電子キーシステムにおいて車外ID照合が成立する状態が一定時間以上経過したとき、ユーザが前記車両扉を手動操作できない状況にあると判断することが好ましい。この構成によれば、車外ID照合が成立する状態が一定時間以上経過すれば、ガイダンスの通知が開始される。よって、車両扉の前に一定時間以上滞在するという分かり易い動作によって、ガイダンスの通知を開始することが可能となる。
前記車両扉開閉装置において、前記ガイダンス通知部は、ユーザが前記車両扉を手動操作できない状況にある際、前記車両扉の窓を開け、空いた窓を通じて車内の車載器から前記ガイダンスを車外のユーザに通知することが好ましい。この構成によれば、ガイダンス通知時は車両扉の窓を開けるので、車内の車載器からガイダンスを通知する際、これを車外のユーザに伝え易くすることが可能となる。
前記車両扉開閉装置において、前記動作は、ユーザの身体を使ったジェスチャーであることが好ましい。この構成によれば、車両扉の自動開閉の際にユーザに課す動作をジェスチャーとしたので、両手が荷物等で塞がっていても、例えば足を上げたり右に移動したりするなどの手軽な操作によって、車両扉を開閉作動させることが可能となる。
前記車両扉開閉装置において、前記ガイダンスは、音声、画像、又はこれらに準ずる通知であることが好ましい。この構成によれば、ガイダンスをユーザに分かり易い形式で通知することが可能となる。
本発明によれば、例えば車両扉を手動操作できない状況にあっても、車両扉を自動で作動可能とすることにより、車両扉操作の利便性を確保することができる。
一実施形態の車両扉開閉装置の構成図。 車両周囲に形成されるLF電波のエリア図。 (a)〜(c)は通常時における車両ドアの解錠/開扉の操作図。 (a)〜(d)はスライドドア自動開作動時の操作図。 別例の車両周囲に形成されるLF電波のエリア図。
以下、車両扉開閉装置の一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、電子キー2と無線によってID照合(キー照合)を行って、車両機器の操作を許可又は動作を実行する電子キーシステム3が設けられている。電子キーシステム3には、車両1からの通信を契機に狭域無線(通信距離:数m)によってID照合(スマート照合)を行うキー操作フリーシステムと、電子キー2からの通信を契機に狭域無線によってID照合(ワイヤレス照合)を行うワイヤレスキーシステムとがある。
車両1には、電子キー2とID照合を行う照合ECU(Electronic Control Unit)4と、車載電装品の電源を管理するボディECU5と、エンジン7を制御するエンジンECU6とが設けられ、これらがバス8を通じて接続されている。照合ECU4のメモリ(図示略)には、車両1に登録された電子キー2の電子キーIDが書き込み保存されている。照合ECU4には、車外にLF(Low Frequency)帯の電波を送信可能な車外送信機9と、車内にLF電波を送信可能な車内送信機10と、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信可能な車両受信機11とが接続されている。ボディECU5には、車両ドアの施解錠を切り替える際の駆動源となるドアロックモータ12が接続されている。
電子キー2には、電子キー2の動作を制御するキー制御部13が設けられている。キー制御部13のメモリ(図示略)には、各キー固有の電子キーIDが書き込み保存されている。キー制御部13には、LF電波を受信可能な受信アンテナ14と、UHF電波を送信可能な送信アンテナ15とが接続されている。
図2に示すように、車外送信機9は、運転席側車外にLF帯の通信エリア(以降、運転席車外通信エリアEaと記す)を形成する運転席車外送信機9aと、助手席側車外にLF帯の通信エリア(以降、助手席車外通信エリアEbと記す)を形成する助手席車外送信機9bと、ラッゲージ側車外にLF帯の通信エリア(以降、ラッゲージ車外通信エリアEcと記す)を形成するラッゲージ車外送信機9cとを備える。車両1は、例えば3ドアタイプであり、ヒンジ式の運転席ドア16と、スライド式の助手席ドア(以降、スライドドア17と記す)と、ヒンジ式のラッゲージドア18とを有する。車両1は、運転席車外通信エリアEa、助手席車外通信エリアEb、ラッゲージ車外通信エリアEcを順に形成し、この動作を繰り返す。なお、運転席ドア16、スライドドア17及びラッゲージドア18が車両扉の一例である。
図1に示すように、車両駐停車時、車外送信機9は、ID返信のためのリクエスト信号Srqを車外にLF送信し、リクエスト信号Srqを受信した電子キー2にID信号Sidを返信させる。照合ECU4は、ID信号Sidを車両受信機11で受信すると、車外スマート照合を行い、この照合が成立すれば、ボディECU5による車両ドアのドアロック施解錠を許可/実行する。また、電子キー2が車内に進入すると、車外送信機9に代えて、今度は車内送信機10がリクエスト信号Srqを送信する。照合ECU4は、車内の電子キー2との間で車外と同様に車内スマート照合を行い、この照合が成立すれば、運転席に配設されたエンジンスイッチ19による電源遷移操作(エンジン始動操作)を許可する。スマート照合においては、電子キーID照合の他に、例えばビークルID照合、キー番号照合、チャレンジレスポンス認証等が実施される。
電子キー2でドアロック施解錠のボタン操作が行われたとき、電子キー2は、その操作に準じたワイヤレス信号SwlをUHF送信する。照合ECU4は、ワイヤレス信号Swlを車両受信機11で受信すると、ワイヤレス信号Swlに含まれる電子キーIDによりワイヤレス照合を行い、この照合が成立すれば、車両ドアの施錠又は解錠を実行する。
車両1には、スライドドア17を自動的に開閉するパワースライドドアシステムが設けられている。この場合、車両1には、パワースライドドアシステムの動作を制御するパワースライドドアECU20と、パワースライドドアECU20によって動作が管理されるパワースライドドア機構21とが設けられている。パワースライドドアECU20は、バス8に接続されるとともに、車内の運転席に配設されたパワースライドドアスイッチ22からの信号と、スライドドアハンドル23の操作を検出するスライドドアハンドルスイッチ24からの信号とが入力されている。
パワースライドドア機構21には、スライドドア17の施錠を解錠する際に動作するロックリリースモータ25と、スライドドア17をフロントにおいてロックするスライドドアフロントロックASSY26と、イージードアクローザー機能をなすスライドドアロックASSY27とが設けられている。ロックリリースモータ25は、スライドドアリモートコントロールASSY28を介して、スライドドアフロントロックASSY26及びスライドドアロックASSY27の動作を切り替える。パワースライドドア機構21には、スライドドア17を開閉する際の駆動源となるパワースライドドアモータ29と、パワースライドドアシステムが動作する際に警報を吹鳴する警報ブザー30とが設けられている。
電子キー2には、電子キー2の遠隔操作によってスライドドア17を開閉させる際に操作するパワースライドドアボタン31が設けられている。キー制御部13は、パワースライドドアボタン31が押下操作されると、スライドドア17の開閉動作を要求するパワースライドドア動作要求信号Ssdを車両1にLF送信する。
全閉状態のスライドドア17をスライドドアハンドル23で開操作するには、スライドドアハンドル23の操作によってスライドドア17を全閉→半ドアに操作する。なお、半ドア時のスライドドア17は、スライドドアフロントロックASSY26がハーフラッチ状態をとることにより、施錠が維持される。そして、ロックリリースモータ25が回転することにより、スライドドアリモートコントロールASSY28を介してスライドドアフロントロックASSY26及びスライドドアロックASSY27が解除される。続いて、パワースライドドアモータ29が開方向に回転し、スライドドア17が全開位置まで動作する。
開状態(全開状態又はその付近)のスライドドア17をスライドドアハンドル23で閉操作するには、その開状態においてスライドドアハンドル23を操作する。このとき、パワースライドドアモータ29が閉方向に回転し、スライドドア17が全閉位置まで動作する。スライドドア17が全閉状態となると、スライドドアフロントロックASSY26がフルラッチ状態をとり、スライドドア17がロックされる。
スライドドア17が全閉状態の際、運転席のパワースライドドアスイッチ22が操作される、又は電子キー2のパワースライドドアボタン31が押下操作されると、パワースライドドア機能によってスライドドア17が開動作する。即ち、ロックリリースモータ25の回転により、スライドドアフロントロックASSY26及びスライドドアロックASSY27が解除されるとともに、パワースライドドアモータ29の開方向への回転により、スライドドア17が全開位置まで動作する。
また、スライドドア17が開状態(全開状態、又はその付近)の際、パワースライドドアスイッチ22が操作される、又は電子キー2のパワースライドドアボタン31が押下操作されると、パワースライドドア機能によってスライドドア17が閉動作する。即ち、パワースライドドアモータ29の閉方向への回転により、スライドドア17が全閉位置まで動作する。スライドドア17が全閉状態となると、スライドドアフロントロックASSY26がフルラッチ状態をとり、スライドドア17がロックされる。
パワースライドドアシステムには、例えばユーザが両手に荷物を持つなどしてスライドドアハンドル23を操作できないときに、自動でスライドドア17を開けることを可能とするスライドドア自動開操作機能が設けられている。本例のスライドドア自動開操作機能は、車外スマート照合が一定時間以上成立する状況下において、車両ドアの窓開と、車載されたカーナビゲーションシステム32の音声ガイダンスとを併用することにより、ユーザのドア開の意志確認を行い、ドア開の意志があるとき、スライドドア17を解錠及び開操作するものである。
照合ECU4には、ユーザが車外において車両ドア(スライドドア17)を手動開操作したいにもかかわらず開けられない状況にあることを判断する扉開要求判断部33が設けられている。扉開要求判断部33は、車両ドアが開操作されずに車外スマート照合成立が一定時間経過することを確認すると、ユーザが自ら車両ドアを開操作できない状況にあると判断する。このとき、扉開要求判断部33は、車外スマート照合が成立する通信エリアを形成する車両ドアの窓34をボディECU5によって少し開けさせ、車内のスピーカ35からの音を車外に届くようにする。なお、スピーカ35が車内の車載器の一例である。
照合ECU4には、ユーザが自ら車両ドアを開操作できない状況下にある際、車両ドアの開操作に必要な操作をガイダンスするガイダンス通知部36が設けられている。ガイダンス通知部36は、例えばカーナビゲーションシステム32に事前登録されたガイダンスデータ37を基に、音声ガイダンスを車内のスピーカ35から出力することにより、ガイダンス通知を実行する。
照合ECU4には、音声ガイダンスにそってユーザが行う動き(身体によるジェスチャー)を検出する動作検知部38が接続されている。動作検知部38は、例えば赤外線センサやカメラ等が使用される。照合ECU4には、動作検知部38で検出した動きとガイダンスデータ37で規定された動きとが一致するか否かを判定する動作正当性判定部39が設けられている。
照合ECU4には、音声ガイダンスに沿ってユーザが行った動きが正しいとき、車両ドアの開操作を許可する開動作許可部40が設けられている。操作対象の車両ドアがスライドドア17の場合、開動作許可部40は、音声ガイダンスに沿ったユーザの動きが正しいとき、ドア開許可通知をパワースライドドアECU20に出力する。なお、開動作許可部40が扉動作許可部の一例である。
次に、図3及び図4を用いて、車両扉開閉装置の動作を説明する。
[車両ドアの通常の解錠/開扉の操作]
図3(a)に示すように、車両ドア施錠時、車両1の車外に形成された通信エリア(図3(a)は運転席車外通信エリアEa)に電子キー2が進入したとする。電子キー2は、運転席車外送信機9aから送信されたリクエスト信号Srqを受信すると、自身に登録された電子キーIDを含むID信号Sidを車両1にLF返信する。照合ECU4は、このID信号Sidを車両受信機11で受信すると、車外スマート照合を実行し、この照合が成立することを確認すると、車両ドアの解錠を許可する。このとき、照合ECU4は、車外スマート照合成立通知をパワースライドドアECU20に出力する。
図3(b)に示すように、車外スマート照合が成立した状況下において、車外スマート照合が成立してから一定時間内に、ユーザが運転席ドア16の車外ドアハンドル41に触れたとする。照合ECU4は、車外スマート照合が成立する状況下において、ユーザが車外ドアハンドル41に触れたことを、車外ドアハンドル41に埋設したタッチセンサ(図示略)で検出すると、車両ドア(運転席ドア16)を解錠する。よって、ユーザは運転席ドア16を開操作して、車内に乗車することが可能である。
図3(c)に示すように、車外スマート照合が成立した状況下において、車外スマート照合が成立してから一定時間内に、ユーザがスライドドア17を開操作したとする。スライドドア17の場合、全閉状態において例えばスライドドア17のスライドドアハンドル23を開操作することにより、スライドドア17を全閉→半ドアに操作する。なお、スライドドア17が半ドアのとき、スライドドアフロントロックASSY26はハーフラッチ状態をとることにより、いまだ施錠状態を維持する。
パワースライドドアECU20は、照合ECU4から車外スマート照合成立通知を取得する状況下で、スライドドアハンドル23の操作によってスライドドア17が全閉→半ドアに開操作されると、スライドドア17の開動作を開始する。このとき、パワースライドドアECU20は、スライドドアフロントロックASSY26及びスライドドアロックASSY27を解錠するとともに、パワースライドドアモータ29をドア開側に回転させることにより、スライドドア17を全開位置まで動作させる。よって、ユーザは運転席側から車内に乗車することが可能である。
[スライドドアの自動開操作]
図4(a)に示すように、車両ドア施錠時、両手に荷物を持ったユーザ(キー所持者)が、例えば助手席車外通信エリアEbに進入したとする。ユーザは両手が使えないので、助手席車外通信エリアEb内に暫く滞在することになる。このとき、扉開要求判断部33は、車外スマート照合が成立した後、車外スマート照合が成立する状態の時間(車外スマート照合成立経過時間T)を例えばタイマ等によって計測する。扉開要求判断部33は、車外スマート照合が成立する時間Tが一定時間以上となると、車外スマート照合が成立している車両ドアの窓34を開ける窓開動作実行要求をボディECU5に出力する。
図4(b)に示すように、ボディECU5は、照合ECU4から入力した窓開動作実行要求を基に、スライドドア17の窓34aを少し開けた状態にする。続いて、ガイダンス通知部36は、カーナビゲーションシステム32に事前登録されたガイダンスデータ37を読み出し、このガイダンスデータ37を基に、スライドドア17の自動開操作に必要な動きを車内のスピーカ35から音声ガイダンスとして車外にアナウンスする。音声ガイダンスとしては、例えば「解錠する場合は右足を上げて下さい」などがある。
図4(c)に示すように、ユーザは、音声ガイダンスによって通知を受けた動きを実行する。このとき、動作正当性判定部39は、動作検知部38によってユーザの動きを検出し、ユーザが実際に行った動きと、ガイダンスデータ37から規定される動きとを比較する。動作正当性判定部39は、これら動きが一致すれば認証成立通知を開動作許可部40に出力し、これら動きが不一致であれば認証不成立通知を開動作許可部40に出力する。
図4(d)に示すように、開動作許可部40は、動作正当性判定部39から認証成立通知を入力すると、ドア開許可通知をパワースライドドアECU20に出力する。パワースライドドアECU20は、照合ECU4からドア開許可通知を入力すると、スライドドアフロントロックASSY26及びスライドドアロックASSY27を解錠するとともに、スライドドアモータまるをドア開側に回転させることにより、スライドドア17を全開状態に切り替える。よって、ユーザは両手に荷物を所持して手が使えない状態であっても、スライドドア17を開けて車内に乗車することが可能である。なお、スライドドア17が開状態に切り替わる際、少し開けた窓34aを閉じた状態に戻してもよい。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)助手席側の車外スマート照合が成立する状態が一定時間以上経過すると、助手席車外通信エリアEbが形成されているスライドドア17の窓34aが少し開けられ、カーナビゲーションシステム32に事前登録されたガイダンスが、車内のスピーカ35から窓34aの空いた隙間を通じて車外のユーザに通知される。そして、ガイダンスに沿ってユーザが行う動き(例えば、足を上げる、右に移動するなど)を車体の動作検知部38で検知し、動きが正当であると判定されれば、スライドドア17が開作動される。このため、ユーザの両手が荷物等により塞がってスライドドア17を手動開操作できない状況下であっても、通知されるガイダンスに沿った動きを行えばスライドドア17が自動で開作動される。よって、スライドドア17の開操作の利便性を確保することができる。
(2)助手席側の車外スマート照合が成立する時間Tが一定時間以上となると、本例のスライドドア自動開操作機能が起動して、窓開→ガイダンス通知が開始される。よって、スライドドア17の前に一定時間以上滞在するという分かり易い動作によって、スライドドア17を自動開作動させることができる。
(3)車内のスピーカ35からガイダンスを出力してユーザに通知するとき、窓34aを少し開けておくので、スピーカ35から出力するガイダンスを、車外のユーザに聞こえ易くすることができる。
(4)スライドドア17の自動開作動時にユーザに課す動作を、ユーザによる身体のジェスチャーとしたので、両手が荷物等で塞がっていても、例えば足を上げたり右に移動したりするなどの実施し易い手軽な操作によって、スライドドア17を開作動させることができる。
(5)スライドドア17を自動開作動させる際に必要な動作をスピーカ35による音声によってユーザに通知するので、ガイダンスをユーザに分かり易い形式で通知することができる。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・自動開作動対象の車両ドアは、スライドドア17に限定されず、例えば運転席ドア16やラッゲージドア18としてもよい。
・図5に示すように、車両1が例えば5ドアタイプの場合、車外に通信エリアが5箇所に形成される態様としてもよい。この場合、例えば右前ドア側の車外に通信エリアEa1が形成され、右後ドア側の車外に通信エリアEa2が形成され、左前ドア側の車外に通信エリアEb1が形成され、左後ドア側の車外に通信エリアEb2が形成され、ラッゲージドア側の車外に通信エリアEcが形成される。そして、車外スマート照合が成立した車両ドアにおいて窓34が少し開けられ、車両ドアを開操作するためのガイダンスが車外のユーザに通知される。
・カーナビゲーションシステム32に複数のガイダンスを事前登録しておき、これらの中から使用するガイダンスを適宜選択できてもよい。
・カーナビゲーションシステム32のガイダンスデータ37は、更新/変更/消去することが可能である。
・キー操作フリーシステムは、電子キー2が車両1に近づくと自動で解錠され、電子キー2が車両1から離れると自動で施錠されるものでもよい。
・電子キーシステム3は、例えば車体右部及び車体左部のそれぞれに送信機を配置し、これら送信機から送信される電波に対する電子キー2の組み合わせを判定することにより、電子キー2の車内外位置を判定するものでもよい。
・電子キーシステム3は、RFID(Radio Frequency IDentification)を使用した認証システムでもよいし、RFIDの一種であるNFC(Near Field Communication)を使用した認証システムでもよい。
・電子キーシステム3で使用する電波の周波数は、LFやUHFに限らず、他の周波数に変更可能である。電子キーシステム3で使用する電波は、往路と復路とで異なることに限らず、往路及び復路とも同じ周波数としてもよい。
・ガイダンスは、音声に限定されず、例えば画像としてもよい。画像ガイダンスの例としては、例えば窓34に映像を映し出すことでガイダンス通知を行う。このように、ガイダンスは、音声、画像、並びにこれらに準ずるものであれば、種々の態様に変更可能である。
・ガイダンスデータ37の格納場所は、カーナビゲーションシステム32に限定されず、他の車載された機器や装置に変更可能である。
・スライドドア自動開操作機能の起動は、車外スマート照合の成立状態が一定時間継続することを条件とすることに限定されない。例えば、駐車時においてスライドドア17を押すなどして車体に振動を加えることを条件とするなど、他のものに適宜変更可能である。また、一定時間という条件をなくすことも可能である。
・ガイダンス通知時、窓34を少し開ける動作は、省略可能である。
・車内の車載器は、スピーカ35に限定されず、車内に搭載されている機器や装置であればよい。
・ユーザに課す身体のジェスチャーは、足を上げたり体を移動させたりする動きに限らず、例えば足でステップを踏んで音を出すなど、他の態様に変更可能である。
・ユーザに課す動作は、身体のジェスチャーに限らず、例えば声などに変更してもよい。
・動作検知部38は、種々のスイッチやセンサ、並びにカメラやマイクなど、他の機器に適宜変更可能である。
・車両扉は、例えばボンネットとしてもよい。
・扉開要求判断部33、ガイダンス通知部36、動作正当性判定部39及び開動作許可部40は、照合ECU4以外の他のECUに設けられてもよい。
・本例の機能は、スライドドア17を自動開作動する場合に適用することに限定されず、例えばスライドドア17を自動閉作動させる場合に応用することも可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)前記車両扉開閉装置において、前記ガイダンス通知部は、前記電子キーシステムにおいて車外ID照合が成立するエリアに対応する車両扉の窓を開け、空いた窓を通じて車内の車載器から前記ガイダンスを車外のユーザに通知する。この構成によれば、ユーザに最も近い窓を開けることが可能となるので、ユーザにガイダンスを聞こえ易くすることが可能となる。
(ロ)前記車両扉開閉装置において、ユーザが前記車両扉を手動操作できない状況にあるか否かを判断する際に監視する前記ID照合は、スライドドア、助手席ドア、ラッゲージドア、右後部ドア、左後部ドアの少なくともいずれかのドア付近に車外通信エリアを形成して照合成立可否を判定する照合である。この構成によれば、運転席車両扉以外の扉においてのみ自動開閉の作動が許可されるので、両手が使えないときは運手席車両扉以外の扉を自動開閉させるというように、扉ごとに機能の使い分けが可能となる。
1…車両、2…電子キー、3…電子キーシステム、16…車両扉を構成する車両ドア(運転席ドア)、17…車両扉を構成する車両ドア(スライドドア)、18…車両扉を構成する車両ドア(ラッゲージドア)、33…扉開要求判断部、34(34a)…窓、35…車内の車載器としてのスピーカ、36…ガイダンス通知部、38…動作検知部、39…動作正当性判定部、40…扉動作許可部としての開動作許可部。

Claims (5)

  1. 車両に設けられた開閉可能な車両扉の開閉を制御する車両扉開閉装置において、
    電子キーの正当性を無線により認証する電子キーシステムにおいてID照合が成立しつつも、ユーザが前記車両扉を手動操作できない状況にあるか否かを判断する扉開要求判断部と、
    ユーザが前記車両扉を手動操作できない状況にある際、当該車両扉を作動させるのに必要な条件を、ガイダンスによって通知するガイダンス通知部と、
    ユーザの動作を検出可能な動作検知部から入力する信号を基に、前記ガイダンスに沿ってユーザが行う動作の正当性を判定する動作正当性判定部と、
    前記動作が正当であると判定された際、前記車両扉の開又は閉を許可する扉動作許可部と
    を備えたことを特徴とする車両扉開閉装置。
  2. 前記扉開要求判断部は、前記電子キーシステムにおいて車外ID照合が成立する状態が一定時間以上経過したとき、ユーザが前記車両扉を手動操作できない状況にあると判断する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両扉開閉装置。
  3. 前記ガイダンス通知部は、ユーザが前記車両扉を手動操作できない状況にある際、前記車両扉の窓を開け、空いた窓を通じて車内の車載器から前記ガイダンスを車外のユーザに通知する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両扉開閉装置。
  4. 前記動作は、ユーザの身体を使ったジェスチャーである
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の車両扉開閉装置。
  5. 前記ガイダンスは、音声、画像、又はこれらに準ずる通知である
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の車両扉開閉装置。
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