JP2014146565A - 非水系二次電池用正極活物質及びその製造方法、並びにその正極活物質を用いた非水系二次電池用正極を有する非水系二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の非水系二次電池用正極活物質は、化学式Li1+AMnXM1−X(PO4)1+B(ここで、A>0、B>0、Mは金属原子を示す)で表わされるオリビン型構造を有するリチウム複合酸化物を含み、該化学式中のMは、Fe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、V及びZrから選ばれる一種以上の金属原子であり、該化学式中のAおよびBの比が、2<A/B≦7の範囲であり、Xの値が、0.3≦X<1の範囲の範囲であることを特徴とする。
【選択図】図23
Description
<正極活物質>
本発明の非水系二次電池用正極活物質は、化学式Li1+AMnXM1−X(PO4)1+B(式中、A>0、B>0、2<A/B≦7、0.3≦X<1であり、MはFe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、V及びZrから選ばれる一種以上の金属原子である)で表わされるオリビン型構造を有するリチウム複合酸化物を含む。また、式中のA/Bは、過剰Li量(式中のAで示す)と過剰P量(式中のBで示す)の比率である過剰Li量/過剰P量(A/B)を示し、2<A/B≦7の範囲の値を取る。
以上のような非水系二次電池用正極活物質の製造工程を示すフロー図を図24に示す。図24において、リチウム複合酸化物の原料を混合する工程(S100)と、混合した原料を仮焼成する工程(S200)と、仮焼成により得られる仮焼成体に炭素源を混合する工程(S300)と、混合した仮焼成体及び炭素源を本焼成する工程(S400)とを含む方法により製造することができる。
本発明の非水系二次電池用正極活物質を用いることにより、高容量かつ高レート特性な非水系二次電池用正極を作製することができる。正極は、従来知られた方法により作製することができ、具体的には、例えば、上記の正極活物質と、導電材及びバインダーとを混練し、N−メチルピロリドン等の分散溶媒を添加して適宜希釈することにより正極合剤スラリーを調製する。その正極合剤スラリーを、正極集電体として用いるアルミニウム箔等の表面に塗布した後、乾燥し、加圧ローラーでプレス等することにより正極合剤層を集電体上に形成して正極を作製する。
そして、上記正極を用いることにより、高容量かつ高レート特性な非水系二次電池を得ることができる。非水系二次電池の構成としては、従来知られた一般的な構成を採用することができる。
クエン酸鉄(FeC6H5O7・nH2O)、酢酸マンガン四水和物(Mn(CH3COO)2・4H2O)、リン酸二水素リチウム、及び酢酸リチウムをジルコニア製ポットに加え、さらに、アセトンを加え遊星型ボールミル装置を用い、粉砕・混合した。得た溶液を乾燥し、原料粉末を得た。この原料粉末を仮焼成し、仮焼成体を得た。
なお、得られた正極活物質の炭素含有量は3.7質量%であった。
実施例2〜16の各実施例において、リン酸二水素リチウム及び、酢酸リチウムの量を変えた以外は、上記実施例1と同様の方法により正極活物質を作製した。各実施例で得られた正極活物質をICP−AESにより元素分析し、実施例毎の結果を表1に示す。
なお、これらの実施例で得られた炭素含有量は、3.6質量%〜3.7質量%であった。また、リチウム複合酸化物の表面の一部又は全体が炭素材料で被覆されていると考えられる。
実施例17では、本発明の非水系二次電池用正極活物質である化学式Li1+AMnXM1−X(PO4)1+Bで表わされるオリビン型構造を有するリチウム複合酸化物において、上記化学式中のMで表記される元素を、表3に示すような組成比となるようにFe以外に、Mg及びVを添加したものであり、Mg及びVの量を変えた以外は、上記実施例1と同様の方法により正極活物質を作製した。実施例18は、Fe以外に、Mgを添加しVは添加していない点を除き、実施例17と同様である。
比較例1〜6の各比較例において、リン酸二水素リチウム及び、酢酸リチウムの量を変えた以外は、上記実施例1と同様の方法により正極活物質を作製した。なお、正極活物質の炭素含有量は、3.6質量%〜3.7質量%であった。得られた正極活物質をICP−AESにより元素分析し、比較例毎の結果を表1に示す。また、図17〜22には、比較例1〜6のそれぞれ対応した正極活物質のSEM像を示す。リチウム複合酸化物の表面の一部又は全体が炭素材料で被覆されていると考えられる。
比較例7において、リン酸二水素リチウム及び、酢酸リチウムの量を変え、仮焼成時の雰囲気をアルゴンとした以外は、上記実施例1と同様の方法により正極活物質を作製した。また、正極活物質の炭素含有量は、6.3質量%だった。
すなわち、A/Bが実施例1〜16に比べて小さい比較例1〜4では、粒子径が大きいことが判る。
実施例1〜16、及び比較例1〜7で作製した正極活物質82.5重量部、導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、デンカブラック(登録商標))10重量部、及びバインダーとして変性ポリアクリロニトリル7.5重量部をN−メチルピロリドンに溶解した溶液を混錬し正極合剤スラリーを調製した。得られた正極合剤スラリーを、アルミニウム箔上に塗布機を用いて均一に塗布した。大気中にて80℃で乾燥後、φ15mm(直径)に打抜き加圧して正極を得た。
上記により作製したそれぞれの正極について、電極特性を評価した。電解液として、エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートの混合溶媒にビニレンカーボネートを添加し、これに1M LiPF6を添加したものを用いた。また、負極にはリチウム金属を用いた。
2:非水系二次電池、
3:正極、
4:負極、
5:セパレータ、
6:正極リード、
7:負極リード、
8:電池缶、
9:パッキン、
10:絶縁板、
11:密閉蓋部。
Claims (13)
- 化学式Li1+AMnXM1−X(PO4)1+B(ここで、A>0、B>0、Mは金属原子を示す)で表わされるオリビン型構造を有するリチウム複合酸化物を含む非水系二次電池用正極活物質であって、
前記化学式中のMは、Fe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、V及びZrから選ばれる一種以上の金属原子であり、
前記化学式中のAおよびBの比が、2<A/B≦7の範囲であり、
前記Xの値が、0.3≦X<1の範囲であることを特徴とする非水系二次電池用正極活物質。 - 前記化学式中のAおよびBの比が、2<A/B≦5の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用正極活物質。
- 前記化学式中のAおよびBの比が、2.2≦A/B≦7の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用正極活物質。
- 前記化学式中のBが、B≦0.15であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用正極活物質。
- 前記化学式中のMは、Vと、その他の金属元素M’を含み、前記M’は、Fe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrから選ばれた一種以上の金属元素であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用正極活物質。
- 前記非水系二次電池用正極活物質の粒子径dとX線回折で得られる半値幅から求められる結晶子径Dとの比(d/D)が、1以上1.35以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の非水系二次電池用正極活物質。
- 前記非水系二次電池用正極活物質の粒子径dが、10nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の非水系二次電池用正極活物質。
- 前記非水系二次電池用正極活物質の粒子径dが、30nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の非水系二次電池用正極活物質。
- 前記リチウム複合酸化物の表面の一部又は全体が炭素材料で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の非水系二次電池用正極活物質。
- 前記非水系二次電池用正極活物質の炭素含有量が、0.5質量%以上30質量%未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の非水系二次電池用正極活物質。
- 化学式Li1+AMnXM1−X(PO4)1+B(式中、A>0、B>0、2<A/B≦7、0.3≦X<1であり、MはFe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、V及びZrから選ばれる一種以上の金属原子である)で表わされるオリビン型構造を有するリチウム複合酸化物の製造方法であって、
原料を混合する工程と、
混合した前記原料を仮焼成する工程と、
前記仮焼成により得られる仮焼成体に炭素源を混合する工程と、
混合した前記仮焼成体及び前記炭素源を本焼成する工程とを有し、
前記本焼成する工程における焼成温度が、前記リチウム複合酸化物の結晶化温度以上であり且つ前記結晶化温度に400℃を加えた温度以下の範囲であることを特徴とする非水系二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記非水系二次電池用正極活物質の炭素含有量が、0.5質量%以上30質量%未満であることを特徴とする請求項10に記載の非水系二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の非水系二次電池用正極活物質を用いて形成された非水系二次電池用正極を有する非水系二次電池。
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