JP2014145421A - トルクリミッタ及び車両の駆動源制御装置 - Google Patents

トルクリミッタ及び車両の駆動源制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 出力軸の回転速度に依存して出力トルクが大きく変化する駆動源の駆動力を伝達する駆動力伝達経路中に介装されて、適切なトルク制限特性が得られるトルクリミッタを提供する。
【解決手段】 出力軸5に固定された内周部材32と、入力軸4に固定された外周部材31と、半径方向に移動可能に設けられ、内周部材の嵌合凹部32aと嵌合可能な嵌合凸部34a及び係止凹部34bを有する駒部材34と、駒部材34を半径方向内側へ付勢する第1スプリング35と、係止凹部34bに嵌入可能な係止部材36と、係止部材36を駒部材方向に押圧するように遠心力が作用するウエイト39等とを備える。駒部材の嵌合凸部が内周部材の嵌合凹部と嵌合したトルク伝達状態と、駒部材の嵌合凸部が嵌合凹部から離脱し、かつ係止部材が係止凹部に嵌入したトルク遮断状態とで作動する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両の駆動源の駆動力を駆動輪まで伝達する駆動力伝達機構に含まれるトルクリミッタ、及び該トルクリミッタを備える車両の駆動源を制御する駆動源制御装置に関する。
特許文献1には、作業車、具体的には作物刈り取り用のコンバインに適用されるトルクリミッタが示されている。このトルクリミッタは、エンジンから作業部までトルクを伝達するトルク伝達経路中に介装されており、トルク伝達経路の、トルクリミッタより伝達下位側には変速装置が配置されている。このトルクリミッタは、変速装置の変速時に制限トルクが変更されるように構成されている。この構成により、変速装置により選択される変速段に応じた適切なトルクリミット特性が得られる。
実公平6−43566号公報
車両の駆動輪を駆動する原動機として電動機を用いる場合には、図11に示すように、電動機の出力トルクTRQMOTは回転速度NMに依存して大きく変化するため、回転速度NMにかかわらず一定のトルク制限値TRQFIXで伝達トルクを制限すると以下のような不具合が発生する。すなわち、図11に示すようにトルク制限値TRQFIXを低速回転側に適したトルク値に設定すると、高速回転側では過大なトルク制限値となり、また逆に、高速回転側に適したトルク値に設定すると、低速回転側では伝達トルクが過剰に制限されることになる。したがって、トルク制限値TRQFIXを図11に示すように設定した場合には、駆動輪側から過大なトルクが逆入力されると、電動機に出力トルクTRQMOTを大きく上回るトルクが印加されるという課題、さらにトルクリミッタが作動した状態では過大な摩擦熱が発生し、トルクリミッタの損傷を招く可能性があるという課題がある。
特許文献1に示されたトルクリミッタは、変速段に応じてトルク制限値を変更するものであるため、上記課題を解決することはできない。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、出力軸の回転速度に依存して出力トルクが大きく変化する駆動源の駆動力を伝達する駆動力伝達経路中に介装されて、適切なトルク制限特性が得られるトルクリミッタを提供すること、及びそのトルクリミッタを備える車両に適した駆動源制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、車両の駆動力を発生する駆動源(1)の出力トルクを駆動輪(10)まで伝達する駆動力伝達経路を構成する第1軸(5)と第2軸(4)との間に介装され、前記第1軸と第2軸との間で伝達されるトルクをトルク制限値(TRQLMT)以下に制限するトルクリミッタ(6)において、前記第1軸(5)に固定され、嵌合凹部(32a)を有する円環状の内周部材(32)と、前記第2軸(4)に固定され、前記内周部材(32)を収容する収容部(33)を画成する外周部材(31)と、前記収容部(33)内に前記第2軸(4)の半径方向に移動可能に設けられ、前記内周部材(32)の嵌合凹部(32a)と嵌合可能な嵌合凸部(34a)及び係止凹部(34b)を有する駒部材(34)と、該駒部材を前記半径方向内側へ付勢する第1スプリング(35)と、前記駒部材(34)の係止凹部(34b)に嵌入可能な係止部材(36)と、該係止部材を前記駒部材方向に押圧するように遠心力が作用する作動部材(37,38,39)とを備え、前記駒部材の嵌合凸部(34a)が前記内周部材の嵌合凹部(32a)と嵌合した係合状態と、前記駒部材の嵌合凸部(34a)が前記嵌合凹部(32a)から離脱し、かつ前記係止部材(36)が前記係止凹部(34b)に嵌入した非係合状態とで作動し、前記第1スプリング(35)の付勢力は前記第2軸の回転速度(NTLI)が所定回転速度(NLTH)以下の低速状態における前記トルク制限値(TRQLMT)に対応する値に設定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のトルクリミッタにおいて、前記非係合状態における前記係止部材(36)と前記係止凹部(34b)との接触角度(α)は、前記作動部材(37,38,39)に遠心力が作用しない前記第2軸停止時において、前記第1スプリング(35)の付勢力で前記駒部材(34)が前記内周部材の嵌合凹部(32a)へ挿入されるように設定されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のトルクリミッタにおいて、前記係止部材を前記駒部材へ押し込む方向へ前記作動部材(37,38,39)を付勢する第2スプリング(40)を備え、前記係合状態において前記係止部材がチャタリング振動することを抑制するように、前記第2スプリング(40)の付勢力が設定されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載のトルクリミッタにおいて、前記第1軸(5)が前記駆動輪(10)側の被駆動軸であり、前記第2軸(4)が前記駆動源(1)側の駆動軸であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載のトルクリミッタ(6)、前記第1軸(5)、及び前記第2軸(4)を含む駆動力伝達機構と、前記駆動源(1)とを備える車両の駆動源制御装置において、前記トルクリミッタ(6)が前記非係合状態で作動しているときは、前記駆動源(1)の出力トルクを抑制する出力抑制制御を行う出力抑制制御手段を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両の駆動源制御装置において、前記車両の車速(VP)を検出する車速検出手段と、前記トルクリミッタ(6)の非係合状態において前記車速(VP)が所定車速(VPSTP)以下となったときに、前記第1軸と第2軸の回転位相(φ)が同期するように前記駆動源(1)を作動させる位相同期制御手段とをさらに備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、駒部材の嵌合凸部が内周部材の嵌合凹部と嵌合した係合状態では、第1軸と第2軸との間で通常のトルク伝達が行われる。駒部材は半径方向に移動可能に構成されているため、第2軸の回転速度の増加に伴って遠心力が印加され、第1スプリングの付勢力に抗して半径方向外側へ移動する。したがって、トルク制限値が回転速度の増加に伴って徐々に減少するトルク制限特性を得ることができる。その結果、例えば駆動輪側からの大きな逆トルク入力を遮断するためのトルク制限値を適切に設定し、トルクリミッタに過大な負荷が印加されることを防止できる。また、過大な負荷を回避できるので、トルクリミッタの小型軽量化が可能となる。トルクリミッタへの入力トルクがトルク制限値を超えると、駒部材の嵌合凸部が内周部材の嵌合凹部から離脱するとともに係止部材が駒部材の係止凹部に嵌入し、非係合状態へ移行する。非係合状態では、トルクリミッタを介したトルク伝達が遮断される。第1スプリングの付勢力は係合状態、すなわち通常のトルク伝達状態における第2軸の回転速度が所定回転速度以下の低速状態におけるトルク制限値に対応する値に設定されているので、駒部材にほとんど遠心力が作用しない低速回転状態では、第1スプリングの付勢力に対応するトルク制限値が得られる。
請求項2に記載の発明によれば、非係合状態における係止部材と係止凹部との接触角度は、作動部材に遠心力が作用しない第2軸停止時において、第1スプリングの付勢力で駒部材が内周部材の嵌合凹部へ挿入されるように設定されるので、第2軸が停止したときに、確実に係合状態へ復帰させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、第2スプリングによって作動部材が係止部材を駒部材へ押し込む方向へ付勢され、係合状態において係止部材がチャタリング振動することを抑制するように第2スプリングの付勢力が設定されているので、係合状態における係止部材のチャタリング振動を確実に防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、外周部材が固定される第2軸が駆動軸とされるので、非係合状態において駆動源の出力を制御することによって、駒部材及び係止部材を係合状態への復帰に適した状態に制御することが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、トルクリミッタが非係合状態で作動しているときは、駆動源の出力トルクを抑制する出力抑制制御が行われ、第1軸と第2軸の回転速度をほぼ同一に制御することにより、係合状態への移行を迅速に行うことが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、トルクリミッタの非係合状態において車速が所定車速以下となったときに、第1軸と第2軸の回転位相が同期するように駆動源を作動させる制御が行われるので、非係合状態から係合状態への移行を円滑に行うことができる。
本発明の一実施形態にかかるトルクリミッタを含む車両駆動装置及びその制御装置の構成を示す図である。 トルクリミッタの縦断面図である。 トルクリミッタの横断面図である。 トルクリミッタの横断面図である。 トルクリミッタ(一部)の横断面図である。 トルクリミッタ(一部)の横断面図(拡大図)である。 電動機の回転速度(NM)と、電動機の出力トルク(TRQMOT)及びトルクリミッタのトルク制限値(TRQLMT)との関係を示す図である。 図1に示す電子制御ユニットによるモータ駆動制御処理のフローチャートである。 モータ駆動制御処理に含まれる位相同期制御処理のフローチャートである。 トルクリミッタの変形例を示す図である。 従来技術の課題を説明するための図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるトルクリミッタを含む車両駆動装置及びその制御装置の構成を示す図であり、この車両駆動装置は、電動機(以下「モータ」という)1と、モータ1の出力軸2と平行に配置されたカウンタ軸4と、カウンタ軸4と同軸に配置された出力軸5と、モータ1の出力軸2に支持されたドライブギヤ3a及びカウンタ軸4に支持されたドリブンギヤ3bからなるギヤ対3と、カウンタ軸4と出力軸5の間に介装されたトルクリミッタ6とを有し、出力軸5の駆動力はファイナルギヤ7、差動ギヤ機構8、及び駆動軸9を介して駆動輪10を駆動するように構成されている。カウンタ軸4は、トルクリミッタ6の入力軸に相当するので、以下の説明では「入力軸4」という。
モータ1は、パワードライブユニット(以下「PDU」という)15に接続されており、PDU15はバッテリ16及び電子制御ユニット(以下「ECU」という)20に接続されている。ECU20には、当該車両のアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ21、車速VPを検出する車速センサ22、モータ1の回転数NMを検出するモータ回転数センサ23、入力軸4の回転数NTLIを検出する入力軸回転数センサ24、出力軸5の回転数NTLOを検出する出力軸回転数センサ25、及び入力軸4と出力軸5の相対回転位相φを検出する回転位相センサとして機能するレゾルバ26が接続されており、これらのセンサの検出信号はECU20に供給される。ECU20は、各種センサの検出信号に基づいて、モータ1の出力制御を行う。レゾルバ26は、出力軸5の回転位相を検出可能に配置されており、図示しないモータ1のレゾルバにより検出される入力軸4の回転位相を参照することにより相対回転位相φが検出される。
図2はトルクリミッタ6の縦断面図であり、図3及び図4はトルクリミッタ要部の横断面図であり、図5は図3及び図4に示す要部以外の部分の横断面図(一部のみ示す)である。
トルクリミッタ6は、入力軸4の端部に固定され、入力軸4と一体回転可能な外周部材31と、出力軸5の端部に固定され、出力軸5と一体回転可能に設けられ、外周部材31によって画成される収容部33内に配置された円環状の内周部材32と、収容部33内に格納された駒部材34と、第1スプリング35と、係止機構を構成する係止部材36,リンク軸37,支持軸38,ウエイト39,及び第2スプリング40とを備えている。収容部33は、外周部材31の周方向に等間隔で2カ所設けられている。
駒部材34は、収容部33内を入力軸4の半径方向に移動可能に配置され、第1スプリング35は駒部材34を半径方向内側へ付勢するように設けられている。内周部材32は嵌合凹部32aを有し、駒部材34は、嵌合凹部32aと嵌合可能な嵌合凸部34a及び係止凹部34bを有する。図3は嵌合凸部34aが嵌合凹部32aと嵌合した状態(以下「係合状態」という)を示し、図4は嵌合凸部34aが嵌合凹部32aから離脱した非係合状態を示す。係合状態ではトルクリミッタ6を介したトルク伝達が行われ、非係合状態ではトルク伝達が遮断される。
係止部材36及びウエイト39はそれぞれリンク軸37の両端部に固定され、リンク軸37は支持軸38によって回動可能に支持されており、第2スプリング40はウエイト39を半径方向外側へ向けて、すなわち係止部材36を駒部材34に押し付ける方向に付勢するように設けられている。係止機構は、係止部材36が駒部材34の係止凹部34bに嵌入可能となるように配置されている。入力軸4の回転によってウエイト39に遠心力が加わると、その遠心力によってリンク軸37を介して係止部材36が駒部材34の方向へ押圧される。
トルクリミッタ6への入力トルクがトルク制限値TRQLMTを超えると、図3に示す係合状態から図4に非係合状態へ移行し、係止部材36が係止凹部34bに嵌入して、駒部材34の半径方向内側への動き、すなわち係合状態へ復帰する動きを規制する。
第1スプリング35の付勢力は入力軸4の回転数NTLIが所定回転数NLTH(「0」に近い低回転数に設定される)以下の低速回転状態におけるトルク制限値に対応する値に設定されている。また第2スプリング40の付勢力は、係合状態において係止部材36のチャタリング振動を抑制するように設定され、非係合状態における係止部材36と係止凹部34bとの摺動抵抗は、第2スプリング40の付勢力と、ウエイト39に作用する遠心力とを合わせた力で非係合状態(係止部材36の嵌入状態)を維持できるように設定されている。具体的には、係止凹部34b及び係止部材36の接触面の摩擦係数を適正値に設定することにより実現される。
なお係止機構が設けられている収容部33以外の部分では、図5に示すように駒部材34の動きを半径方向に規制するように外周部材31が構成されている。
図6は、係止凹部34bの係止部材36と接触する面の構成を詳細に説明するために図4の一部を拡大して示す図である。この図において、直線L1は駒部材34の移動方向を示し、直線L2は直線L1に垂直な方向を示し、直線L3は係止部材36の接触面の方向を示しており、係止部材36の接触面は直線L2に対して角度αで傾斜するように構成されている。このように傾斜角度αを設けることによって、入力軸4の回転数NTLIが低下したときに、係止部材36が係止凹部34bから離脱し易くなる。
図7はモータ1の回転数NMと、モータ1の出力トルクTRQMOT及びトルクリミッタ6のトルク制限値TRQLMTとの関係を示す図であり、本実施形態のトルクリミッタ6によれば、回転数NMの変化に対応して、トルク制限値TRQLMTは曲線L11で示すように変化し、曲線L10で示すモータ出力トルクTRQMOTが回転数NMの増加に伴って減少することに対応してトルク制限値TRQLMTが減少するトルク制限特性を得ることができる。
曲線L12は、回転数NM(入力軸回転数NTLI)の増加に伴って駒部材34に作用する遠心力が増加することによって、トルク制限値TRQLMTを減少させる成分(以下「遠心力トルクTRQCF」という)を示す。遠心力トルクTRQCFは負の値をとり、回転数NMの増加に伴ってその絶対値が増加する。直線L13は第1スプリング35による基本トルク制限値TRQSPGを示しており、トルク制限値TRQLMTは、基本トルク制限値TRQSPGと遠心力トルクTRQCFとの和に相当する。
次に図8及び図9を参照して、ECU20によるモータ1の制御について説明する。図8は、モータ駆動制御処理のフローチャートであり、この処理は所定時間毎に実行される。
ステップS11では、トルクリミッタ6がスリップしているか(非係合状態となっているか)否かを判別する。入力軸回転数NTLIと出力軸回転数NTLOとの速度差(|NTLI−NTLO|)が所定閾値以上であるときに、スリップしていると判定される。ステップS11の答が肯定(YES)であるときは、スリップ制御フラグFLGTLSLPを「1」に設定し(ステップS12)、回転同期制御を実行する(ステップS13)。
回転同期制御では、速度差DNTが減少するようにモータ1の駆動制御が行われる。この制御では、アクセルペダル操作量APによって示される運転者の要求出力トルクTapより小さい出力をモータ1の出力トルク指令値Tmとして設定し、出力トルク指令値Tmに応じた駆動電流をモータ1に供給する。
ステップS11の答が否定(NO)、すなわちトルクリミッタ6が係合状態で作動しているときは、スリップ制御フラグFLGTLSLPが「1」であるか否かを判別する(ステップS14)。トルクリミッタ6が非係合状態から係合状態へ移行した直後は、ステップS14の答は肯定(YES)となり、ステップS15に進んで、係合状態への移行時点から所定時間TDLYが経過したか否かを判別する。この答が否定(NO)である間は、ステップS13に進み、回転同期制御を継続する。
ステップS15の答が肯定(YES)となると、スリップ制御フラグFLGTLSLPを「0」に戻し(ステップS16)、通常制御に移行する(ステップS17)。通常制御では、出力トルク指令値Tmを運転者要求出力トルクTapに設定し、運転者要求出力が得られるようにモータ1を駆動する。
図9は、トルクリミッタ6の非係合状態を車両停車後に係合状態へ復帰させるトルクリミッタ位相差同期制御処理のフローチャートである。
ステップS21では、異常フラグFTLFAILが「1」であるか否かを判別する。後述するステップS31が実行されない限り、この答が否定(NO)であり、車速VPが「0」であるか否かを判別する(ステップS22)。この判別は、具体的には車速VPが「0」に近い値に設定された停止判定閾値VPSTP以下となったか否かにより行われる。
ステップS22の答が否定(NO)であるときは直ちに処理を終了する。ステップS22の答が肯定(YES)であって車両が停止したときは、カウンタNの値を「0」に設定し(ステップS23)、ブレーキペダルが踏み込まれた状態でモータ1の小トルク駆動(駆動輪のブレーキトルクに相当するブレーキ相当トルクTbrkより小さい小駆動トルクTmslでの駆動)を行い、トルクリミッタ6の入力軸4を低速度で回転させる(ステップS24)。ステップS25では、入力軸4と出力軸5の相対回転位相φが「0」であるか否か、すなわち駒部材34の嵌合凸部34bが内周部材32の嵌合凹部32aと嵌合したか否かを判別する。非係合状態ではこの答は否定(NO)となり、ステップS26に進んでカウンタNの値を「1」だけ増加させ、カウンタNの値が異常判定閾値NFLを超えたか否かを判別する(ステップS27)。この答が否定(NO)であるときはステップS24に戻る。
ステップS25の答が肯定(YES)、すなわち相対回転位相φが「0」となったときは、出力トルク指令値Tmを小駆動トルクTmslより大きくかつブレーキ相当トルクTbrkより小さい所定駆動トルクTmTH1に設定する(ステップS28)。次いでモータ1の駆動電流から算出される実駆動トルクTmactが係合確認閾値TmTH2より大きいか否かを判別する(ステップS29)。係合確認閾値TmTH2は、小駆動トルクTmslより大きくかつ所定駆動トルクTmTH1より小さな値に設定される。ステップS29の答が肯定(YES)であるときは、出力トルク指令値Tmを運転者要求出力トルクTapに設定し、運転者要求出力が得られるようにモータ1を駆動する(ステップS30)。
ステップS27の答が肯定(YES)であるとき、またはステップS29の答が否定(NO)であるときは、トルクリミッタ6が異常であると判定し、異常フラグFTLFAILを「1」に設定するとともに出力トルク指令値Tmを「0」に設定して走行を停止する(ステップS31)。
以上のように本実施形態のトルクリミッタ6においては、駒部材34の嵌合凸部34aが内周部材32の嵌合凹部32aと嵌合した係合状態では、入力軸4と出力軸5との間で通常のトルク伝達が行われる。駒部材34は半径方向に移動可能に構成されているため、入力軸4の回転数NTLIの増加に伴って遠心力が印加され、第1スプリング35の付勢力に抗して半径方向外側へ移動する。したがって、図7に示すようにトルク制限値TRQLMTが回転数NTLIの増加に伴って徐々に減少するトルク制限特性を得ることができる。その結果、例えば駆動輪側からの大きな逆トルク入力を遮断するためのトルク制限値TRQLMTを適切に設定し、トルクリミッタ6に過大な負荷が印加されることを防止できる。また、過大な負荷を回避できるので、トルクリミッタ6の小型軽量化が可能となる。
トルクリミッタ6への入力トルクがトルク制限値TRQLMTを超えると、駒部材34の嵌合凸部34aが内周部材32の嵌合凹部32aから離脱するとともに係止部材36が駒部材34の係止凹部34bに嵌入し、非係合状態へ移行する。非係合状態では、トルクリミッタ6を介したトルク伝達が遮断される。第1スプリング35の付勢力は係合状態、すなわち通常のトルク伝達状態における入力軸4の回転数NTLIが所定回転数NLTH以下の低速状態におけるトルク制限値に対応する値に設定されているので、駒部材34にほとんど遠心力が作用しない低速回転状態では、第1スプリング35の付勢力に対応するトルク制限値が得られる。
また非係合状態における係止部材36と係止凹部34bとの接触角度(α)は、ウエイト39に遠心力が作用しない入力軸4の停止時において、第1スプリング35の付勢力で駒部材34が内周部材32の嵌合凹部32aへ挿入されるように設定されるので、入力軸4が停止したときに、確実に係合状態へ復帰させることができる。
また第2スプリング40によってウエイト39が半径方向外側へ付勢され、係合状態において係止部材36がチャタリング振動することを抑制するように第2スプリング40の付勢力が設定されているので、係合状態における係止部材36のチャタリング振動を確実に防止することができる。
また非係合状態における係止部材36と係止凹部34bとの摺動抵抗は、入力軸4の回転時にウエイト39に加わる遠心力及び第2スプリング40の付勢力と合わせて、第1スプリング35の付勢力に抗して非係合状態を維持できるように設定されているので、非係合状態を確実に維持することができる。
また外周部材31が固定される軸が入力軸(駆動軸)4とされるので、非係合状態においてモータ1の出力を制御することによって、駒部材34及び係止部材36が係合状態への復帰に適した状態となるように入力軸4の回転数NTLIを制御することが可能となる。
またトルクリミッタ6の非係合状態において車速VPが停止判定閾値VPSTP以下となったときに、入力軸4と出力軸5の回転位相が同期するようにモータ1の小トルク駆動が行われるので、非係合状態から係合状態への移行を円滑に行うことができる。さらにトルクリミッタ6が非係合状態で作動しているときは、モータ1の出力トルクを抑制する回転同期制御が行われ、入力軸4と出力軸5の回転数をほぼ同一に制御することによって係合状態への移行を迅速に行うことが可能となる。
本実施形態では、モータ1が駆動源に相当し、入力軸4が第2軸に相当し、出力軸5が第1軸に相当し、リンク軸37、支持軸38、及びウエイト39が、係止部材36を駒部材方向へ押圧する作動部材を構成し、ECU20が位相同期制御手段の一部及び出力抑制制御手段を構成し、レゾルバ26が位相同期制御手段の一部を構成する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、係止機構は上述したものに限るものではなく、図10に示すように、係止部材41と、係止部材41の端面41aに先端部が当接するウエイト42と、ウエイト42を半径方向外側へ付勢する第2スプリング43と、係止部材41及びウエイト42の移動方向を規制する規制ピン44とによって構成するようにしてもよい。この変形例では、駒部材34の係止凹部34bの形状が係止部材41と適合するように修正される。図10(a)は係合状態を示し、図10(b)は非係合状態を示す。非係合状態では、係止部材41が係止凹部34bに嵌入して非係合状態が維持され、入力軸4の回転数が低下すると、係合状態へ復帰する。
この変形例では、ウエイト42及び規制ピン44が係止部材41を駒部材方向へ押圧する作動部材を構成する。
また上述した実施形態では、入力軸4に外周部材31を固定し、出力軸5に内周部材32を固定するようにしたが、逆に入力軸4に内周部材32を固定し、出力軸5に外周部材31を固定するようにしてもよい。
また上述した実施形態ではレゾルバ26によって入力軸4と出力軸5の回転位相同期制御に適用する相対回転位相φを検出するようにしたが、入力軸4及び出力軸5のそれぞれ回転位相検出用のパルサを設けて、入力軸4の回転位相と出力軸5の回転位相をそれぞれ検出し、両者の差をとることにより検出するようにしてもよい。
また上述した実施形態では、外周部材31の収容部33は、周方向等間隔に2カ所設けたが、3カ所あるいは4カ所設けるようにしてもよい。
1 電動機(駆動源)
4 カウンタ軸(第2軸)
5 出力軸(第1軸)
6 トルクリミッタ
20 電子制御ユニット(出力抑制制御手段、位相同期制御手段)
22 車速センサ(車速検出手段)
26 レゾルバ(位相同期制御手段)
31 外周部材
32 内周部材
32a 嵌合凹部
33 収容部
34 駒部材
34a 嵌合凸部
34b 係止凹部
35 第1スプリング
36 係止部材
37 リンク軸(作動部材)
38 支持軸(作動部材)
39 ウエイト(作動部材)
40 第2スプリング

Claims (6)

  1. 車両の駆動力を発生する駆動源の出力トルクを駆動輪まで伝達する駆動力伝達経路を構成する第1軸と第2軸との間に介装され、前記第1軸と第2軸との間で伝達されるトルクをトルク制限値以下に制限するトルクリミッタにおいて、
    前記第1軸に固定され、嵌合凹部を有する円環状の内周部材と、
    前記第2軸に固定され、前記内周部材を収容する収容部を画成する外周部材と、
    前記収容部内に前記第2軸の半径方向に移動可能に設けられ、前記内周部材の嵌合凹部と嵌合可能な嵌合凸部及び係止凹部を有する駒部材と、
    該駒部材を前記半径方向内側へ付勢する第1スプリングと、
    前記駒部材の係止凹部に嵌入可能な係止部材と、
    該係止部材を前記駒部材方向に押圧するように遠心力が作用する作動部材とを備え、
    前記駒部材の嵌合凸部が前記内周部材の嵌合凹部と嵌合した係合状態と、
    前記駒部材の嵌合凸部が前記嵌合凹部から離脱し、かつ前記係止部材が前記係止凹部に嵌入した非係合状態とで作動し、
    前記第1スプリングの付勢力は前記第2軸の回転速度が所定回転速度以下の低速状態における前記トルク制限値に対応する値に設定されていることを特徴とするトルクリミッタ。
  2. 前記非係合状態における前記係止部材と前記係止凹部との接触角度は、前記作動部材に遠心力が作用しない前記第2軸停止時において、前記第1スプリングの付勢力で前記駒部材が前記内周部材の嵌合凹部へ挿入されるように設定されることを特徴とする請求項1に記載のトルクリミッタ。
  3. 前記係止部材を前記駒部材へ押し込む方向へ前記作動部材を付勢する第2スプリングを備え、
    前記係合状態において前記係止部材がチャタリング振動することを抑制するように、前記第2スプリングの付勢力が設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のトルクリミッタ。
  4. 前記第1軸が前記駆動輪側の被駆動軸であり、前記第2軸が前記駆動源側の駆動軸であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のトルクリミッタ。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載のトルクリミッタ、前記第1軸、及び前記第2軸を含む駆動力伝達機構と、前記駆動源とを備える車両の駆動源制御装置において、
    前記トルクリミッタが前記非係合状態で作動しているときは、前記駆動源の出力トルクを抑制する出力抑制制御を行う出力抑制制御手段を備えることを特徴とする車両の駆動源制御装置。
  6. 前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記トルクリミッタの非係合状態において前記車速が所定車速以下となったときに、前記第1軸と第2軸の回転位相が同期するように前記駆動源を作動させる位相同期制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の車両の駆動源制御装置。
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