JP2014145188A - 開閉部材制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウィンドウガラスの開閉スイッチが複数設けられたパワーウィンドウ装置において省配線化しつつ、マイコンがスリープ状態であるときの消費電力を削減する。
【解決手段】ウィンドウガラスWDの開閉スイッチを複数備えるとともに単一の出力端子OTを備えるスイッチユニットSUに出力端子OTを介して接続されたECU100が、ウェイクアップ状態とスリープ状態との間で状態が切り替わるマイコン14と、マイコン14の状態をスリープ状態からウェイクアップ状態に移行させる電圧レベル変換回路200を有する。マイコン14は、ウェイクアップ状態にある間にスイッチがオンすると、オンした該スイッチの種類によって異なる出力端子OTでの端子電圧の大きさに応じてモータMの回転を制御する。電圧レベル変換回路200は、マイコン14がスリープ状態にある間にスイッチがオンして端子電圧の大きさが変化することで作動してマイコン14をウェイクアップ状態に移行させる。
【選択図】図2
【解決手段】ウィンドウガラスWDの開閉スイッチを複数備えるとともに単一の出力端子OTを備えるスイッチユニットSUに出力端子OTを介して接続されたECU100が、ウェイクアップ状態とスリープ状態との間で状態が切り替わるマイコン14と、マイコン14の状態をスリープ状態からウェイクアップ状態に移行させる電圧レベル変換回路200を有する。マイコン14は、ウェイクアップ状態にある間にスイッチがオンすると、オンした該スイッチの種類によって異なる出力端子OTでの端子電圧の大きさに応じてモータMの回転を制御する。電圧レベル変換回路200は、マイコン14がスリープ状態にある間にスイッチがオンして端子電圧の大きさが変化することで作動してマイコン14をウェイクアップ状態に移行させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、開閉部材制御装置に係り、特に、開閉部材を開閉させるためにオンオフする複数のスイッチと、各スイッチと電気的に接続された制御回路とを備える開閉部材制御装置に関する。
従来から、車両に設けられたウィンドウガラス、ドア、スライドルーフなどの開閉部材をモータ等の駆動力により開閉させる開閉部材制御装置が知られている。一般的な開閉部材制御装置は、モータと、開閉スイッチ等のスイッチと、ECU等の制御回路とを備えている。そして、スイッチがオンして制御回路がモータを駆動することで、オンしたスイッチと対応する方向に開閉部材が移動するようになる。
また、開閉部材制御装置の中には、制御回路の状態をウェイクアップ状態及びスリープ状態の間で切り替えられるものが存在する(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された開閉部材制御装置(特許文献1では、サンルーフ作動制御装置)では、ウェイクアップ状態の時にスイッチがオンすると、制御回路がモータを駆動して開閉部材としてのサンルーフが開閉移動する。一方、特許文献1に記載された開閉部材制御装置では、スイッチがオフであるときに制御回路がスリープ状態に移行し、制御回路での消費電力が抑えられるようになる。そして、制御回路がスリープ状態である期間中にスイッチがオンすると、制御回路がスリープ状態からウェイクアップ状態に復帰するようになっている。
ところで、特許文献1に記載された開閉部材制御装置をはじめ、一般的な開閉部材制御装置では、開スイッチ、閉スイッチ及びオート(自動)スイッチ等のように複数のスイッチが設けられている。このような構成においてスイッチから制御回路へ向かって延出した信号配線が図6に示すようにスイッチ別に設けられていると、信号配線がより多くなるため、その分開閉部材制御装置の製造コストが嵩んでしまうことになる。
また、上記の構成では、制御回路をスリープ状態からウェイクアップ状態に復帰させるために複数のスイッチのうちのいずれのスイッチがオンした場合にも対応できるように、スイッチがオンしたことを検知するための検知機構をスイッチ別(換言すると、信号配線別)に設けることになる。ここで、スイッチ別の検知機構は、スリープ状態中も継続して起動させておく必要があるので、その分余計に電力を要することになるため、スリープ状態移行による省電力化を妨げることとなっていた。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、開閉部材を開閉させるためにオンオフするスイッチが複数設けられた構成において省配線化を図るとともに、制御回路がスリープ状態であるときの消費電力を削減することが可能な開閉部材制御装置を提供することにある。
前記課題は、本発明の開閉部材制御装置によれば、開閉部材を開閉させるために回転するモータと、前記開閉部材を開閉させるためにオンするスイッチを複数備えるとともに、該スイッチ間で共通の出力端子を備えるスイッチユニットと、前記出力端子を介して前記スイッチユニットに接続された制御回路と、を有し、該制御回路は、前記モータの回転を制御することが可能なウェイクアップ状態と、前記モータの回転を制御しないスリープ状態との間で状態が切り替わり、前記ウェイクアップ状態にある間に前記スイッチがオンすると、オンした該スイッチの種類によって異なる前記出力端子における電圧の大きさに応じて前記モータの回転を制御する制御実行部と、該制御実行部が前記スリープ状態にある間に前記スイッチがオンして前記出力端子における電圧の大きさが変化することにより作動して、前記制御実行部の状態を前記スリープ状態から前記ウェイクアップ状態に移行させる移行部と、を備えることにより解決される。
上記の開閉部材制御装置によれば、オンしたスイッチの種類に応じてスイッチユニットの出力端子における電圧の大きさが変わり、制御回路が当該電圧の大きさに応じてモータを制御する。すなわち、各スイッチ別に信号配線を設ける必要がなく、より省配線化された開閉部材制御装置が実現されることになる。また、スイッチ別に信号配線を設ける必要がないので、スイッチがオンしたことを検知する上述の検知機構についてもスイッチ別に設ける必要がなくなる。これにより、制御実行部がスリープ状態にある間に検知機構を作動させ続けることによる消費電力を抑えることが可能となる。すなわち、制御実行部がスリープ状態であるときの消費電力を削減することが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記制御回路は、電源からの電力を前記モータに供給するために形成された電力供給路を備え、前記制御実行部は、前記制御実行部が前記ウェイクアップ状態にある間に限り、前記スイッチがオンしたときに前記出力端子における電圧の大きさを判定する判定部と、前記制御実行部が前記ウェイクアップ状態にある間に限り、前記判定部の判定結果に応じて前記電力供給路の通電状態を切り替える切り替え部と、を有することとしてもよい。
上記の構成であれば、制御実行部がスリープ状態にある期間中、判定部及び切り替え部の双方が停止するので、同期間中の消費電力を確実に抑えることが可能となる。
上記の構成であれば、制御実行部がスリープ状態にある期間中、判定部及び切り替え部の双方が停止するので、同期間中の消費電力を確実に抑えることが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記制御実行部は、マイコンからなり、前記判定部は、前記マイコンが備えるA/D変換器を構成要素として備えていることとしてもよい。
上記の構成であれば、制御実行部がスリープ状態にある期間中の消費電力を抑える効果がより有効に発揮されることになる。具体的に説明すると、A/D変換器の消費電力は比較的大きいので、制御実行部がスリープ状態にあるときにA/D変換器を停止させることにより、同期間中の消費電力を確実に抑えることが可能となる。
上記の構成であれば、制御実行部がスリープ状態にある期間中の消費電力を抑える効果がより有効に発揮されることになる。具体的に説明すると、A/D変換器の消費電力は比較的大きいので、制御実行部がスリープ状態にあるときにA/D変換器を停止させることにより、同期間中の消費電力を確実に抑えることが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記移行部は、前記制御回路が前記電源と接続するために備えている接続端子と前記出力端子との間に配置された移行用回路であり、前記制御実行部が前記スリープ状態にある間に前記スイッチがオンして前記出力端子における電圧の大きさが変化すると、前記移行用回路の所定箇所における電圧の大きさが変化し、前記制御実行部は、前記移行用回路の所定箇所における電圧の大きさの変化を検知するために前記移行用回路の所定箇所に接続された電圧変化検知部を備え、前記スリープ状態にある間に前記電圧変化検知部が前記移行用回路の所定箇所における電圧の大きさの変化を検知すると前記ウェイクアップ状態に移行し、前記制御実行部が前記スリープ状態にある間、前記制御実行部のうち、前記電圧変化検知部のみが起動していることとしてもよい。
上記の構成であれば、出力端子における電圧変化を判定する判定部と、移行用回路の所定箇所における電圧変化を検知する電圧変化検知部とが別々に設けられている。そして、制御実行部がスリープ状態にある期間中、スイッチがオンとなったことを検知するために電圧変化検知部のみを起動させておけばよいので、同期間中には判定部を停止させておくことが可能となる。これにより、制御実行部がスリープ状態にある期間中の消費電力を抑える効果がより一層有効に発揮されることになる。
上記の構成であれば、出力端子における電圧変化を判定する判定部と、移行用回路の所定箇所における電圧変化を検知する電圧変化検知部とが別々に設けられている。そして、制御実行部がスリープ状態にある期間中、スイッチがオンとなったことを検知するために電圧変化検知部のみを起動させておけばよいので、同期間中には判定部を停止させておくことが可能となる。これにより、制御実行部がスリープ状態にある期間中の消費電力を抑える効果がより一層有効に発揮されることになる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記制御実行部は、マイコンからなり、前記電圧変化検知部は、前記マイコンが備える入力ポートを構成要素として備えることとしてもよい。
上記の構成であれば、比較的に消費電力が小さい入力ポートによって電圧変化検知部が構成されているので、制御実行部がスリープ状態にある期間中の消費電力を抑える効果が更に有効に発揮されることになる。
上記の構成であれば、比較的に消費電力が小さい入力ポートによって電圧変化検知部が構成されているので、制御実行部がスリープ状態にある期間中の消費電力を抑える効果が更に有効に発揮されることになる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記移行用回路は、前記所定箇所にコレクタ端子が繋がれたトランジスタを備えており、該トランジスタは、前記制御実行部が前記スリープ状態にある間に前記スイッチがオンして前記出力端子における電圧の大きさが変化することによりオンすることとしてもよい。
上記の構成であれば、制御実行部がスリープ状態にある間にスイッチがオンして出力端子における電圧の大きさが変化することに連動して所定箇所における電圧の大きさが変化するような移行用回路を容易に構築することが可能となる。
上記の構成であれば、制御実行部がスリープ状態にある間にスイッチがオンして出力端子における電圧の大きさが変化することに連動して所定箇所における電圧の大きさが変化するような移行用回路を容易に構築することが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記スイッチユニットにおいて複数の前記スイッチが互いに並列状態で設けられ、かつ、前記スイッチの各々と前記出力端子との間には前記スイッチ別に異なる抵抗値となった抵抗器が設けられていることとしてもよい。
上記の構成であれば、オンしたスイッチの種類により出力端子における電圧の大きさを変えることが可能なスイッチユニットを容易に構築することが可能となる。
上記の構成であれば、オンしたスイッチの種類により出力端子における電圧の大きさを変えることが可能なスイッチユニットを容易に構築することが可能となる。
本発明の開閉部材制御装置によれば、複数のスイッチの各々に対して個別の信号配線を設ける必要がなく、より省配線化された開閉部材制御装置が実現されることになる。また、スイッチ別に信号配線を設ける必要がないので、スイッチがオンしたことを検知する検知機構についてもスイッチ別に設ける必要がなくなる。これにより、制御実行部がスリープ状態にある間に検知機構を作動させ続けることによる消費電力が抑えられる結果、制御実行部がスリープ状態であるときの消費電力を削減することが可能となる。
また、本発明の開閉部材制御装置では、制御実行部がウェイクアップ状態にあるときにA/D変換器が出力端子における電圧の大きさを判定し、その判定結果に基づいてモータへの電力供給路の通電状態を備える一方で、制御実行部がスリープ状態にあるときにはA/D変換器が停止する。これにより、制御実行部がスリープ状態であるときの消費電力をより効率よく抑えることが可能となる。
さらに、本発明の開閉部材制御装置では、スリープ状態にある制御実行部をウェイクアップ状態に移行させるにあたりいずれかのスイッチがオンしたとき、これを検出するために入力ポートのみを起動させておき、移行用回路の所定箇所における電圧変化を検知することができるようにしている。これにより、制御実行部がスリープ状態であるときの消費電力をより一層効率よく抑えることが可能となる。
また、本発明の開閉部材制御装置では、制御実行部がウェイクアップ状態にあるときにA/D変換器が出力端子における電圧の大きさを判定し、その判定結果に基づいてモータへの電力供給路の通電状態を備える一方で、制御実行部がスリープ状態にあるときにはA/D変換器が停止する。これにより、制御実行部がスリープ状態であるときの消費電力をより効率よく抑えることが可能となる。
さらに、本発明の開閉部材制御装置では、スリープ状態にある制御実行部をウェイクアップ状態に移行させるにあたりいずれかのスイッチがオンしたとき、これを検出するために入力ポートのみを起動させておき、移行用回路の所定箇所における電圧変化を検知することができるようにしている。これにより、制御実行部がスリープ状態であるときの消費電力をより一層効率よく抑えることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る開閉部材制御装置のメカ構成を示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係る制御回路の構成を示す図である。図3は、スイッチと出力端子における電圧との対応関係を示す図である。図4は、制御実行部がスリープ状態からウェイクアップ状態に移行する際の制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。図5は、他の実施形態に係る制御回路の構成を示す図である。図6は、開閉部材制御装置の制御回路の構成についての第1参考例を示す図である。図7は、開閉部材制御装置の制御回路の構成についての第2参考例を示す図である。
なお、以下の説明では、電気回路における位置について言及する際に電源(具体的には、後述するバッテリB)の+極により近い側を上流側と呼び、電源の−極により近い側を下流側と呼ぶこととする。
図1は、本発明の一実施形態に係る開閉部材制御装置のメカ構成を示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係る制御回路の構成を示す図である。図3は、スイッチと出力端子における電圧との対応関係を示す図である。図4は、制御実行部がスリープ状態からウェイクアップ状態に移行する際の制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。図5は、他の実施形態に係る制御回路の構成を示す図である。図6は、開閉部材制御装置の制御回路の構成についての第1参考例を示す図である。図7は、開閉部材制御装置の制御回路の構成についての第2参考例を示す図である。
なお、以下の説明では、電気回路における位置について言及する際に電源(具体的には、後述するバッテリB)の+極により近い側を上流側と呼び、電源の−極により近い側を下流側と呼ぶこととする。
本実施形態では、本発明の開閉部材制御の一例として、車両用パワーウィンドウ装置PW(以下、パワーウィンドウ装置PW)について説明する。すなわち、本実施形態に係る開閉部材制御装置であるパワーウィンドウ装置PWは、車両に備えられた開閉部材としてのウィンドウガラスWDを開閉移動させるためのものである。パワーウィンドウ装置PWのメカ構成については、その大部分が公知である。
パワーウィンドウ装置PWのメカ構成例について図1を参照しながら説明すると、ウィンドウガラスWDを開閉駆動させるために回転するモータMと、モータMの回転を利用してウィンドウガラスWDを昇降させるXアーム式の昇降機構XMを主たる構成要素とする。かかる構成においてモータMが回転すると、モータMからギアGRを介して駆動力が昇降機構XMに伝達されて同機構XMが作動する。この結果、車両ドアDR内に昇降自在に配設されたウィンドウガラスWDが昇降移動、すなわち、開閉するようになる。
パワーウィンドウ装置PWの制御系統について説明すると、図2に示すように、電源としてのバッテリBと、制御回路としてのECU100と、ECU100と接続されたスイッチユニットSUとが設けられている。
ECU100は、モータMに対するバッテリBからの電力供給を制御するものであり、図2に示すように、後述する出力端子OTを介してスイッチユニットSUに接続されている。また、ECU100は、バッテリBからの電力をモータMに供給するために形成された電力供給路としてのモータドライブ回路MCと、制御実行部としてのマイコン14とを備える。
モータドライブ回路MCについて説明すると、同回路MCの(+)側の端子がヒューズHを介してバッテリBの陽極に接続されている。つまり、モータドライブ回路MCの(+)側の端子は、ECU100がバッテリBと接続するために備えている接続端子に相当する。
一方、モータドライブ回路MCの(−)側の端子がバッテリBの陰極に接続されている。バッテリBの陰極については、図2に示すようにグランドに接地されているため、モータドライブ回路MCの(−)側の端子は、グランドに接地されていることになる。
一方、モータドライブ回路MCの(−)側の端子がバッテリBの陰極に接続されている。バッテリBの陰極については、図2に示すようにグランドに接地されているため、モータドライブ回路MCの(−)側の端子は、グランドに接地されていることになる。
また、図2に示すように、モータドライブ回路MCには2つのリレー22、23が配置されている。各リレー22、23は、励磁コイルRcと切り替え接点(c接点)を有し、そのコモン端子にはモータMの端子が結線されている。そして、各リレー22、23が動作することにより、モータドライブ回路MCの通電状態が切り替わり、バッテリBからモータMへの電力供給の有無やモータM内を流れる電流の向きが切り替わるようになる。
各リレー22、23の動作、換言すると、モータドライブ回路MCの通電状態については、マイコン14(より具体的に説明すると、後述する信号生成回路107)によって制御される。また、本実施形態に係るモータMは、正転方向及び反転方向の双方に回転可能であり、モータMの回転方向については、各リレー22、23の切り替え接点における閉端子を切り替えることによって変更することが可能である。
マイコン14による各リレー22、23の制御について説明すると、図2に示すように、各リレー22、23の励磁コイルRcに対してバッテリBからの電流が流れる経路が形成されており、かかる経路中にトランジスタ20、21が配置されている。一方、マイコン14は、信号生成回路107を備えている。この信号生成回路107は、モータドライブ回路MCの通電状態を切り替える切り替え部として機能し、より具体的に説明すると、各トランジスタ20、21をオンするための信号(電流信号)を各トランジスタ20、21のベース端子に向けて出力する。また、信号生成回路107から信号が出力されていない間、各リレー22、23の切り替え接点は、グランド側の端子が閉じた状態(図2に示す状態)となっている。
以上のような構成において、信号生成回路107が2つのトランジスタ20、21の一方に対して電流信号を出力すると、当該トランジスタ20、21がオンし、これに対応するリレー22、23の励磁コイルRcに電流が流れるようになる。この結果、励磁コイルRcが通電した側のリレー22、23では、切り替え接点における閉端子がグランド側の端子からバッテリB側の端子に切り替わるようになる。この結果、モータドライブ回路MCは通電状態となり、モータMが所定方向に回転するようになる。
なお、図2に示すように、信号生成回路107と各トランジスタ20、21のベース端子との間にはベース抵抗16、17が設けられており、ベース端子に流れる電流の大きさが制限されている。また、各トランジスタ20、21のベース端子とエミッタ端子との間には放電抵抗18、19が設けられており、トランジスタのオフ時に両端子間の寄生容量に溜まった電荷を放電してエミッタ電位をグランド電位に確定している。
上述したように、マイコン14は、モータドライブ回路MCの通電状態を切り替えるために、上記の信号生成回路107によって生成された信号を対応するトランジスタ20、21に向けて上記信号を出力する。ここで、信号生成回路107は、スイッチユニットSUに設けられた複数のスイッチS1、S2、S3のうち、オンとなったスイッチに応じた信号を生成することになる。
より具体的に説明すると、スイッチユニットSUには、図2に示すように、ウィンドウガラスWDを閉移動させるためにオンするスイッチ(以下、閉スイッチ)S1と、ウィンドウガラスWDを開移動させるためにオンするスイッチ(以下、開スイッチ)S2と、ウィンドウガラスWDの移動を移動限界位置に到達するまで保持させるためにオンするスイッチ(以下、オートスイッチ)S3とを有する。そして、マイコン14は、これらのスイッチS1、S2、S3のうち、いずれのスイッチがオンになったのかを検出し、検出結果に応じた信号を信号生成回路107によって生成する。
ここで、本実施形態に係るスイッチユニットSUでは、図2に示すように、複数のスイッチS1、S2、S3の中でいずれのスイッチがオンとなったのかを検出するために設けられた端子、すなわち、出力端子OTが一つだけ備えられている。換言すると、本実施形態に係るスイッチユニットSUは、スイッチ間で共通の出力端子OTを一つのみ備えており、当該出力端子OTからマイコン14に向けて延出した信号線についても一つのみ設けられている。このように本実施形態ではスイッチユニットSUの出力端子OTから延出した信号線が一つのみとなっているため、スイッチ別に信号線を備えている構成に比して省配線化され、その分、パワーウィンドウ装置PWの製造コストが抑えられている。
そして、本実施形態では、3つのスイッチS1、S2、S3のうち、いずれのスイッチがオンになったのかを検出するために、スイッチユニットSUの出力端子OTにおける電圧の大きさ(以下、端子電圧)を判定することとしている。
具体的に説明すると、マイコン14は、A/D変換器106を備えており、A/D変換器106は、その入力端子(不図示)にてスイッチユニットSUの出力端子OTに接続されている。そして、A/D変換器106は、端子電圧を判定したうえで信号生成回路107を駆動し、信号生成回路107にて判定結果に応じた信号を生成させる。以上のように、マイコン14側では、端子電圧を判定する判定部の構成要素としてA/D変換器106が備えられている。
一方、スイッチユニットSUは、図2に示すように、出力端子OTにてプルアップ抵抗4を介してバッテリBの陽極に接続されているとともに、グランドに接地されている。このため、スイッチユニットSUが備えるスイッチS1、S2、S3のいずれもオフとなっているとき、端子電圧は、バッテリBの電源電圧に相当する。
また、図2に示すように、スイッチユニットSUでは3つのスイッチS1、S2、S3が互いに並列状態で設けられており、さらに、3つのスイッチの各々と出力端子OTとの間にはスイッチ別に異なる抵抗値となった抵抗器101、102、103が設けられている。そして、スイッチユニットSUにおいて少なくとも一のスイッチがオンすると、オンしたスイッチの種類に応じて端子電圧が変化するようになっている。
以下、端子電圧の変化について図3を参照しながら説明する。
例えば、閉スイッチS1がオンすると、端子電圧が電源電圧(図3中、+Bと表記)から降下し、最終的に、抵抗器101の抵抗値に応じた分圧(図3中、記号V1にて示す電圧)に達する。同様に、開スイッチS2がオンしたときには、端子電圧が電源電圧から抵抗器102の抵抗値に応じた分圧(図3中、記号V2にて示す電圧)まで降下する。
例えば、閉スイッチS1がオンすると、端子電圧が電源電圧(図3中、+Bと表記)から降下し、最終的に、抵抗器101の抵抗値に応じた分圧(図3中、記号V1にて示す電圧)に達する。同様に、開スイッチS2がオンしたときには、端子電圧が電源電圧から抵抗器102の抵抗値に応じた分圧(図3中、記号V2にて示す電圧)まで降下する。
また、閉スイッチS1とオートスイッチS3とが同時にオンしたときには、端子電圧が電源電圧から抵抗器101及び抵抗器103の双方の抵抗値に応じた分圧(図3中、記号V3にて示す電圧)まで降下する。さらにまた、開スイッチS2とオートスイッチS3とが同時にオンしたときには、端子電圧が電源電圧から抵抗器102及び抵抗器103の双方の抵抗値に応じた分圧(図3中、記号V4にて示す電圧)まで降下する。
なお、本実施形態では、図3に示すように分圧V1、V2、V3、V4の順に小さくなっているが、各スイッチがオンしたときの端子電圧についてはオンしたスイッチの種類に応じて異なっていればよく、その大小関係については上述の内容に限定されるものではない。
なお、本実施形態では、図3に示すように分圧V1、V2、V3、V4の順に小さくなっているが、各スイッチがオンしたときの端子電圧についてはオンしたスイッチの種類に応じて異なっていればよく、その大小関係については上述の内容に限定されるものではない。
以上のようにオンしたスイッチの種類によって端子電圧が異なり、マイコン14は、前述のA/D変換器106によって端子電圧を判定し、その判定結果に応じた信号を前述の信号生成回路107により生成し、当該信号を対応するトランジスタ20、21に向けて出力する。これにより、モータドライブ回路MCの通電状態が切り替わり、結果として、モータMの回転が制御されるようになる。
なお、図2に示すように、出力端子OTとA/D変換器106との間には抵抗器104が設けられており、かかる抵抗器104が配置されていることにより、A/D変換器106に過大な電流が流れ込むのを防止している。また、抵抗器104とA/D変換器106との中途位置が抵抗器105を介してグランドに接地されており、スイッチS1、S2、S3がオフとなっているときに上記中途位置の電位をグランド電位に確定している。
また、マイコン14は、バッテリBからの電力が供給されることにより作動し、バッテリBからマイコン14への電力供給は、マイコン14の電源入力端子に接続された定電圧電源回路3を経由して行われる。この定電圧電源回路3は、電源電圧(例えば12V)を5Vの電圧に変換し、変換後の電圧を供給電圧としてマイコン14に供給する。
また、定電圧電源回路3は、逆接続防止ダイオード1を介してバッテリBの陽極に接続されているとともに、モータドライブ回路MCの(−)側の端子を介してグランドに接地されている。さらに、定電圧電源回路3については、バッテリBの陽極に接続されている側の端子とグランドに接地されている側の端子との間が連絡されており、当該連絡路中には電源瞬断防止コンデンサ2が配置されている。
ところで、いずれのスイッチS1、S2、S3もオフとなっている期間(換言すると、ウィンドウガラスWDが移動しない期間)については、省電力化のためにマイコン14の一部のみを除き、マイコン14全体を停止する。つまり、本実施形態では、マイコン14の状態がウェイクアップ状態とスリープ状態との間で切り替え可能となっている。ここで、ウェイクアップ状態とは、マイコン14がモータMの回転を制御することが可能な状態のことであり、スリープ状態とは、マイコン14がモータMの回転を制御しない状態のことである。そして、スリープ状態にある期間中にはマイコン14の大部分が停止することになっている。
マイコン14の状態について詳しく説明すると、マイコン14がウェイクアップ状態にある間にスイッチユニットSUのいずれかのスイッチがオンすると、マイコン14が、オンしたスイッチの種類によって異なる端子電圧に応じてモータMの回転を制御する。より具体的には、マイコン14がウェイクアップ状態にある間に限り、A/D変換器106が端子電圧を判定し、その判定結果に応じた信号を信号生成回路107が生成し出力する。つまり、本実施形態では、マイコン14がウェイクアップ状態にある期間中にのみ、モータドライブ回路MCの通電状態を切り替えることが可能である。
一方、スイッチユニットSUが有するスイッチのすべてがオフとなっていると、マイコン14の状態は、所定の条件を満たしたとき(例えば、すべてのスイッチがオフとなった時間が所定時間以上継続したとき)にスリープ状態に移行する。マイコン14がスリープ状態にある間、A/D変換器106及び信号生成回路107を含むマイコン14の大部分が停止状態となる。これにより、スイッチユニットSUが有するスイッチのすべてがオフとなっている期間の消費電力が抑えられる。
また、本実施形態では、マイコン14がスリープ状態にある間にスイッチユニットSUのいずれかのスイッチがオンすると、それをトリガーとしてマイコン14がスリープ状態からウェイクアップ状態に移行するようになっている。具体的に説明すると、ECU100内には移行用回路としての電圧レベル変換回路200が設けられている。かかる電圧レベル変換回路200は、マイコン14がスリープ状態にある間にスイッチユニットSUのいずれかのスイッチがオンすることにより作動するようになっている。そして、電圧レベル変換回路200が作動して同回路200の状態(具体的には、所定箇所における電圧の大きさ)が変化すると、この変化を検出することでマイコン14がスリープ状態からウェイクアップ状態に変化するようになっている。
以下、電圧レベル変換回路200と、同回路200の状態変化を検出するためにマイコン14に備えられた機構について説明する。
電圧レベル変換回路200は、モータドライブ回路MCの(+)側の端子とスイッチユニットSUの出力端子OTとの間に配置された回路であり、本実施形態ではマイコン14の状態をスリープ状態からウェイクアップ状態に移行させる移行部として機能する。
電圧レベル変換回路200は、モータドライブ回路MCの(+)側の端子とスイッチユニットSUの出力端子OTとの間に配置された回路であり、本実施形態ではマイコン14の状態をスリープ状態からウェイクアップ状態に移行させる移行部として機能する。
そして、本実施形態において、電圧レベル変換回路200は、マイコン14がスリープ状態にある間にスイッチユニットSUのいずれかのスイッチがオンして端子電圧が変化することにより作動するようになっている。具体的に説明すると、マイコン14がスリープ状態にある間にスイッチユニットSUのいずれかのスイッチがオンすると、電圧レベル変換回路200の所定箇所における電圧の大きさが変化することになっている。
より詳しく説明すると、図2に示すように、電圧レベル変換回路200は、2つのバイポーラトランジスタ(以下、単にトランジスタ)203、206を構成要素として有している。この2つのトランジスタ203、206は、マイコン14がスリープ状態にある間にスイッチユニットSUのいずれかのスイッチがオンすることに連動してオンする。厳密に言うと、上記2つのトランジスタ203、206は、マイコン14がスリープ状態にある間にいずれかのスイッチがオンして端子電圧が変化することによりオンする。この結果、電圧レベル変換回路200の所定箇所、具体的には、一方のトランジスタ206のコレクタ端子に繋がれた箇所に電流が流れ、同箇所における電圧の大きさが降下するようになる。この電圧変化がマイコン14側で検出されるようになっている。
電圧レベル変換回路200の構成について図2を参照しながら説明すると、モータドライブ回路MCの(+)側の端子よりもやや下流側の箇所(厳密には、プルアップ抵抗4よりは上流にある位置)とスイッチユニットSUの出力端子OTよりもやや上流側の箇所(厳密には、プルアップ抵抗4よりは下流にある位置)とを連絡する連絡路が設けられている。この連絡路にトランジスタ(以下、第1のトランジスタ)203のベース端子が繋ぎ込まれている。ここで、第1のトランジスタ203は、PNP型のトランジスタである。
なお、上記の連絡路において第1のトランジスタ203のベース端子が繋ぎ込まれた箇所よりも上流位置にはベース抵抗201が配置されている。また、上記の連絡路において第1のトランジスタ203のベース端子が繋ぎ込まれた箇所よりも下流位置には放電抵抗202が配置されている。さらに、上記の連絡路においてベース抵抗201よりも上流側に位置する箇所に第1のトランジスタ203のエミッタ端子が繋ぎ込まれている。
そして、第1のトランジスタ203のコレクタ端子は、ベース抵抗204を介してもう一つのトランジスタ(以下、第2のトランジスタ)206のベース端子に接続されている。ここで、第2のトランジスタ206は、NPN型のトランジスタである。
また、第2のトランジスタ206のコレクタ端子は、プルアップ抵抗207を介して定電圧電源回路3(より具体的には、定電圧電源回路3の出力端子)に接続されている。さらに、第2のトランジスタ206のコレクタ端子にはマイコン14(具体的には、後述する入力ポート15)が繋ぎ込まれている。
なお、第2のトランジスタ206のエミッタ端子は、モータドライブ回路MCの(−)側の端子を介してグランドに接地されている。さらに、第2のトランジスタ206のベース端子とエミッタ端子との間を連絡する連絡路には放電抵抗205が配置されている。
なお、第2のトランジスタ206のエミッタ端子は、モータドライブ回路MCの(−)側の端子を介してグランドに接地されている。さらに、第2のトランジスタ206のベース端子とエミッタ端子との間を連絡する連絡路には放電抵抗205が配置されている。
一方、マイコン14は、電圧レベル変換回路200の所定箇所、具体的には第2のトランジスタ206のコレクタ端子が繋がれた箇所における電圧の大きさの変化を検知する電圧変化検知部を備えている。この電圧変化検知部は、マイコン14が有する入力ポート15を構成要素として有しており、当該入力ポート15は、第2のトランジスタ206のコレクタ端子が繋がれた箇所に接続されている。
そして、電圧変化検知部は、マイコン14がスリープ状態にある間に電圧レベル変換回路200の所定箇所における電圧の大きさの変化を検知する。当該電圧変化を検知すると、電圧変化検知部は、マイコン本体(マイコン14のうち、電圧変化検知部を除く部分)に対してスリープ解除を実行する。この結果、スリープ状態にあったマイコン14(厳密には、マイコン本体)がウェイクアップ状態に移行するようになる。
なお、マイコン14がスリープ状態にある間に電圧レベル変換回路200の所定箇所における電圧の大きさの変化を検知するため、マイコン14のうち、入力ポート15を構成要素とする電圧変化検知部については、マイコン14がスリープ状態にある間にも起動状態を保持する。すなわち、マイコン14がスリープ状態にある間、電圧変化検知部のみが起動していることになる。
次に、以上までに説明してきた電圧レベル変換回路200の動作例と、これに連動するマイコン14の状態の移行について図4を参照しながら説明する。
先ず、マイコン14がスリープ状態にあるとき、スイッチユニットSUが備えるスイッチのうちのいずれもがオフとなっている間、端子電圧、及び、第1のトランジスタ203のベース端子における電圧の大きさは、電源電圧(図4中、記号+Bと表記)に相当する。また、同期間における第2のトランジスタ206のコレクタ端子における電圧の大きさは、定電圧電源回路3の供給電圧(図4中、VDDと表記)に相当する。
先ず、マイコン14がスリープ状態にあるとき、スイッチユニットSUが備えるスイッチのうちのいずれもがオフとなっている間、端子電圧、及び、第1のトランジスタ203のベース端子における電圧の大きさは、電源電圧(図4中、記号+Bと表記)に相当する。また、同期間における第2のトランジスタ206のコレクタ端子における電圧の大きさは、定電圧電源回路3の供給電圧(図4中、VDDと表記)に相当する。
そして、マイコン14がスリープ状態にある期間中にスイッチユニットSUのうちのいずれかのスイッチ(図4では、閉スイッチS1を例としている)がオンすると、これに伴って、端子電圧がオンしたスイッチの種類に応じた大きさ(図4では、閉スイッチS1に対応する電圧の大きさV1)まで降下する。
一方、図4に示すように、端子電圧が電源電圧+Bからオンしたスイッチの種類に応じた大きさまで降下する途中の段階で、電圧レベル変換回路200内に備えられた第1のトランジスタ203がオンする。換言すると、第1のトランジスタ203は、端子電圧がオンしたスイッチの種類に応じた大きさまで降下する前段階でオンするように設計されている。これにより、図2中、記号aが付された箇所での電圧の大きさ、すなわち、第1のトランジスタ203のベース端子における電圧の大きさが電源電圧から降下する。ここで、第1のトランジスタ203のベース端子における電圧降下は、図4に示すようにベース−エミッタ間の電圧差(図4中、Vbe(203)と表記)に相当する。
そして、第1のトランジスタ203がオンすると、図2中、記号bが付された箇所での電圧の大きさ、すなわち、第1のトランジスタ203のコレクタ端子における電圧の大きさが徐々に上昇し、最終的には図4に示すようにコレクタ−エミッタ間の飽和電圧(図4中、Vcesat(203)と表記)に達する。
また、図4に示すように、第1のトランジスタ203のコレクタ端子における電圧が上昇すると、これに伴って第1のトランジスタ203のコレクタ端子から第2のトランジスタ206のベース端子に向かって電流が流れるようになる。そして、図4に示すように第1のトランジスタ203のコレクタ端子における電圧の大きさが上記飽和電圧Vcesat(203)に達する前の段階で、電圧レベル変換回路200内に備えられた第2のトランジスタ206もオンする。換言すると、第2のトランジスタ206は、第1のトランジスタ203のコレクタ端子における電圧の大きさが飽和電圧Vcesat(203)まで上昇する前段階でオンするように設計されている。
第2のトランジスタ206がオンすると、図2中、記号cが付された箇所での電圧の大きさ、すなわち、第2のトランジスタ206のコレクタ端子における電圧の大きさが定電圧電源回路3の供給電圧VDDからコレクタ−エミッタ間の飽和電圧(図4中、Vcesat(206)と表記)に落ちる。これに伴って、電圧レベル変換回路200中、第2のトランジスタ206のコレクタ端子に繋がれた箇所における電圧の大きさも変化する。この電圧変化は、上記箇所に接続されたマイコン14の入力ポート15により検知され、これにより入力ポート15を構成要素とする電圧変化検知部がスリープ解除を実行するようになる。
なお、本実施形態では、図4に示すように、第2のトランジスタ206がオンしてから20〜30秒間が経過するまでの期間をスリープ解除期間Tとして設定しており、かかる期間T中にはマイコン14がスリープ状態で維持される。ただし、スリープ解除期間の有無や長さについては、任意に設定することが可能である。
以上までに説明してきた一連の処理を経て、マイコン14は、スリープ状態からウェイクアップ状態に移行し、マイコン14各部が起動する。これにより、以降、スイッチユニットSUにおいてスイッチがオンすると、当該スイッチの種類に応じて異なってくる端子電圧をA/D変換器106にて判定し、判定結果に応じた信号を信号生成回路107により生成して出力することでモータMの回転を制御することが可能となる。
次に、本実施形態に係るパワーウィンドウ装置PWの有効性について説明する。
従来のパワーウィンドウ装置は、図6に示す構成となっており、スイッチS1、S2、S3からマイコン14に向かって延出している信号線がスイッチ別に設けられていた。このような構成では配線数が多くなってしまい、パワーウィンドウ装置の製造コストが嵩んでしまうことになる。
従来のパワーウィンドウ装置は、図6に示す構成となっており、スイッチS1、S2、S3からマイコン14に向かって延出している信号線がスイッチ別に設けられていた。このような構成では配線数が多くなってしまい、パワーウィンドウ装置の製造コストが嵩んでしまうことになる。
なお、図6中、図2と同じ符号が付された機器、部品については、本実施形態に係るパワーウィンドウ装置PWに備えられた機器、部品と同様である。また、図6中、スイッチ別の信号線中の構成は信号線間で同様であり、具体的に説明すると、各信号線では、その中途位置がプルアップ抵抗4、5、6を介してモータドライブ回路MCの(+)側の端子に接続され、マイコン14よりも上流位置に電流制限抵抗7、8、9が配置され、当該抵抗7、8、9とマイコン14との間の箇所は、モータドライブ回路MCの(−)側の端子を介してグランドに接地されている。
信号線を少なくする構成としては、図7に示すように、出力端子及び信号線をスイッチ間で共通化することが考えられる。これにより、信号線が少なくなる結果、省配線化されるとともに、信号線を接続させるためにマイコン14側に備えられるコネクタの個数についても削減でき、マイコン14の小型化を図ることも可能となる。
なお、図7中、図2と同じ符号が付された機器、部品については、本実施形態に係るパワーウィンドウ装置PWに備えられた機器、部品と同様である。
なお、図7中、図2と同じ符号が付された機器、部品については、本実施形態に係るパワーウィンドウ装置PWに備えられた機器、部品と同様である。
一方、出力端子及び信号線をスイッチ間で共通化した場合、どのスイッチがオンしたのかを検出するために、オンしたスイッチの種類に応じて出力端子における電圧の大きさ、すなわち、端子電圧を異ならせることになる。さらに、端子電圧の相違を判定してオンしたスイッチを特定する機構が必要となり、具体的には、図7に示すようにA/D変換器106をマイコン14に搭載することとなる。
ここで、図7に示す構成では、マイコン14の状態がスリープ状態にあるときにいずれかのスイッチをオンしてマイコン14の状態をウェイクアップ状態に移行させる場合に、いずれかのスイッチがオンしたことをA/D変換器106にて検知することになる。つまり、マイコン14の状態をスリープ状態からウェイクアップ状態に移行させるうえで、マイコン14がスリープ状態にある期間中にもA/D変換器106を起動させ続けることになる。しかしながら、A/D変換器106の消費電力については比較的大きいため、マイコン14の状態をスリープ状態に移行することで電力消費を抑えようとしても、A/D変換器106による消費電力があるのでスリープ状態時の消費電力を削減することが困難となってしまう。
これに対して、本実施形態に係るマイコン14であれば、図7に示す構成と同様、出力端子OT及び信号線がスイッチ間で共通化しているので、配線数を少なくして製造コストを抑えることが可能である。また、マイコン14がスリープ状態にあるときにいずれかのスイッチがオンしたことを検出するにあたり、マイコン14がスリープ状態にある間、A/D変換器106よりも消費電力が小さな入力ポート15を起動させ続ける一方で、A/D変換器106を停止させることとした。これにより、マイコン14がスリープ状態にある間の消費電力を抑えることが可能となる。
なお、本実施形態では、マイコン14がスリープ状態にある間、入力ポート15を除き、マイコン14各部(例えば、A/D変換器106及び信号生成回路107)が停止するので、マイコン14がスリープ状態にある期間中の消費電力を確実に抑えることが可能となる。
以上までに説明してきたように、本実施形態に係るパワーウィンドウ装置PWは、ウィンドウガラスWDを開閉させるためにオンオフするスイッチを複数備えつつも、スイッチとマイコン14間の信号線の本数を最小に抑えつつ、マイコン14がスリープ状態であるときの消費電力を従来型のパワーウィンドウ装置よりも確実に削減することが可能である。
以上までに、主として本発明の開閉部材制御装置の一実施形態について説明してきたが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
また、上記の実施形態において、モータMへの通電がモータドライブ回路MC中に配置された2つのリレー22、23によって切り替えられることとした。そして、上記の実施形態では、マイコン14が、各リレー22、23の励磁コイルRcに電流を流すための信号(電流信号)を出力することで各リレー22、23を制御することとした。ただし、モータMへの通電を切り替える構成については、リレー22、23によるものに限定されず、例えば、図5に示すように、複数の回路切り替え用トランジスタ306、307、308、309によって切り替えることとしてもよい。
具体的に説明すると、図5に示すECU300は、上記の実施形態に係る2つのリレー22、23の代わりに、モータドライブ回路MC中に4つの回路切り替え用トランジスタ306、307、308、309を備えている。より具体的に説明すると、P型チャンネルのパワーMOSFETからなる2つの回路切り替え用トランジスタ306、308がバッテリBの陽極とモータMの入力端子との間に介在している。この2つの回路切り替え用トランジスタ306、308については、各々のソース端子が互いに連結されており、各々のドレイン端子がモータMの入力端子に接続されている。なお、上記2つの回路切り替え用トランジスタ306、308の各々のゲート端子とソース端子との間には放電抵抗304、310が配置されている。
他方、N型チャンネルのパワーMOSFETからなる2つの回路切り替え用トランジスタ307、309がグランドとモータMの入力端子との間に介在している。この2つの回路切り替え用トランジスタ307、309については、各々のソース端子が互いに連結されており、各々のドレイン端子がモータMの入力端子に接続されている。なお、上記2つの回路切り替え用トランジスタ307、309の各々のゲート端子とソース端子との間には放電抵抗305、311が配置されている。
以上のように配置された各回路切り替え用トランジスタ306、307、308、309については、それぞれのゲート端子が増幅器301及びゲート抵抗302、312、303、313を介してマイコン14の信号生成回路107に接続されている。すなわち、マイコン14は、信号生成回路107を介して各回路切り替え用トランジスタ306、307、308、309のゲート端子に対して信号を出力し、これにより、当該信号をゲート端子側で受け取ったトランジスタがオンするようになる。このように図5に示すECU300では、マイコン14が4つの回路切り替え用トランジスタ306、307、308、309の各々のオンオフを個別に制御することにより、モータドライブ回路MCの通電状態及びモータM内を流れる電流の向きを切り替えることが可能である。
なお、図5中、図2と同じ符号が付された機器及び部品については、上記の実施形態において説明したものと同様であるため、説明を省略する。
なお、図5中、図2と同じ符号が付された機器及び部品については、上記の実施形態において説明したものと同様であるため、説明を省略する。
また、上記の実施形態では、開閉部材制御装置の一例として車両のパワーウィンドウ装置PWを説明した。つまり、上記の実施形態では、開閉部材の一例としてのウィンドウガラスWDを開閉移動させる制御装置の構成について説明した。ただし、開閉部材についてはウィンドウガラスWD以外のものであってもよく、ドアやサンルーフ等を開閉移動させる制御装置に対しても本発明は適用可能である。
1 逆接続防止ダイオード
2 電源瞬断防止コンデンサ
3 定電圧電源回路
4、5、6 プルアップ抵抗
7、8、9 電流制限抵抗
14 マイコン
15 入力ポート
16、17 ベース抵抗
18、19 放電抵抗
20、21 トランジスタ
22、23 リレー
100 ECU
101、102、103、104、105 抵抗器
106 A/D変換器
107 信号生成回路
200 電圧レベル変換回路
201、204 ベース抵抗
202、205 放電抵抗
203、206 トランジスタ
207 プルアップ抵抗
300 ECU
301 増幅器
302、303、312、313 ゲート抵抗
304、305、310、311 放電抵抗
306、307、308、309 回路切り替え用トランジスタ
B バッテリ
DR 車両ドア
GR ギア
H ヒューズ
M モータ
MC モータドライブ回路
OT 出力端子
PW パワーウィンドウ装置
Rc 励磁コイル
S1、S2、S3 スイッチ
SU スイッチユニット
WD ウィンドウガラス
XM 昇降機構
2 電源瞬断防止コンデンサ
3 定電圧電源回路
4、5、6 プルアップ抵抗
7、8、9 電流制限抵抗
14 マイコン
15 入力ポート
16、17 ベース抵抗
18、19 放電抵抗
20、21 トランジスタ
22、23 リレー
100 ECU
101、102、103、104、105 抵抗器
106 A/D変換器
107 信号生成回路
200 電圧レベル変換回路
201、204 ベース抵抗
202、205 放電抵抗
203、206 トランジスタ
207 プルアップ抵抗
300 ECU
301 増幅器
302、303、312、313 ゲート抵抗
304、305、310、311 放電抵抗
306、307、308、309 回路切り替え用トランジスタ
B バッテリ
DR 車両ドア
GR ギア
H ヒューズ
M モータ
MC モータドライブ回路
OT 出力端子
PW パワーウィンドウ装置
Rc 励磁コイル
S1、S2、S3 スイッチ
SU スイッチユニット
WD ウィンドウガラス
XM 昇降機構
Claims (7)
- 開閉部材を開閉させるために回転するモータと、
前記開閉部材を開閉させるためにオンするスイッチを複数備えるとともに、該スイッチ間で共通の出力端子を備えるスイッチユニットと、
前記出力端子を介して前記スイッチユニットに接続された制御回路と、を有し、
該制御回路は、
前記モータの回転を制御することが可能なウェイクアップ状態と、前記モータの回転を制御しないスリープ状態との間で状態が切り替わり、前記ウェイクアップ状態にある間に前記スイッチがオンすると、オンした該スイッチの種類によって異なる前記出力端子における電圧の大きさに応じて前記モータの回転を制御する制御実行部と、
該制御実行部が前記スリープ状態にある間に前記スイッチがオンして前記出力端子における電圧の大きさが変化することにより作動して、前記制御実行部の状態を前記スリープ状態から前記ウェイクアップ状態に移行させる移行部と、を備えることを特徴とする開閉部材制御装置。 - 前記制御回路は、電源からの電力を前記モータに供給するために形成された電力供給路を備え、
前記制御実行部は、
前記制御実行部が前記ウェイクアップ状態にある間に限り、前記スイッチがオンしたときに前記出力端子における電圧の大きさを判定する判定部と、
前記制御実行部が前記ウェイクアップ状態にある間に限り、前記判定部の判定結果に応じて前記電力供給路の通電状態を切り替える切り替え部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。 - 前記制御実行部は、マイコンからなり、
前記判定部は、前記マイコンが備えるA/D変換器を構成要素として備えていることを特徴とする請求項2に記載の開閉部材制御装置。 - 前記移行部は、前記制御回路が前記電源と接続するために備えている接続端子と前記出力端子との間に配置された移行用回路であり、
前記制御実行部が前記スリープ状態にある間に前記スイッチがオンして前記出力端子における電圧の大きさが変化すると、前記移行用回路の所定箇所における電圧の大きさが変化し、
前記制御実行部は、前記移行用回路の所定箇所における電圧の大きさの変化を検知するために前記移行用回路の所定箇所に接続された電圧変化検知部を備え、前記スリープ状態にある間に前記電圧変化検知部が前記移行用回路の所定箇所における電圧の大きさの変化を検知すると前記ウェイクアップ状態に移行し、
前記制御実行部が前記スリープ状態にある間、前記制御実行部のうち、前記電圧変化検知部のみが起動していることを特徴とする請求項2又は3に記載の開閉部材制御装置。 - 前記制御実行部は、マイコンからなり、
前記電圧変化検知部は、前記マイコンが備える入力ポートを構成要素として備えることを特徴とする請求項4に記載の開閉部材制御装置。 - 前記移行用回路は、前記所定箇所にコレクタ端子が繋がれたトランジスタを備えており、
該トランジスタは、前記制御実行部が前記スリープ状態にある間に前記スイッチがオンして前記出力端子における電圧の大きさが変化することによりオンすることを特徴とする請求項4又は5に記載の開閉部材制御装置。 - 前記スイッチユニットにおいて複数の前記スイッチが互いに並列状態で設けられ、かつ、前記スイッチの各々と前記出力端子との間には前記スイッチ別に異なる抵抗値となった抵抗器が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の開閉部材制御装置。
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-
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