JP2014143259A - 太陽電池モジュール用裏面保護シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−トが薄くても、光起電力素子の端部や、隣接する光起電力素子を相互に接続するための電極(インターコネクター)やセルストリングスを相互に接続するためのバスバーと呼ばれる集電電極などの配線部材がすけることなく隠蔽性に優れ、油中法において1000V以上の部分放電電圧を有し、太陽電池モジュール内部で発生した熱を速やかに太陽電池モジュール用裏面保護シート表面に伝えるために熱貫流率に優れた太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−トを提供することである。
【解決手段】A層/B層の少なくとも2層構成からなるポリオレフィン系樹脂多層フィルムとプラスチックフィルムがこの順に積層された太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、A層がポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂を混合した樹脂組成物からなり、B層がポリプロピレン系樹脂組成物からなり、ポリオレフィン系樹脂多層フィルムとプラスチックフィルムとを接着剤を用いて貼り合わせたときの合計厚さが55μm以上235μm以下であり、380nm〜750nmの波長領域における平均光線透過率が25%以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池モジュール用裏面保護シートに関するものであり、さらに詳しくは、隠蔽性が高く、意匠性に優れ、油中法において1000V以上の部分放電電圧特性を有する太陽電池モジュール用裏面保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽光発電が注目され、種々の形態からなる太陽電池モジュールが開発され、提案されている。一般に、太陽電池モジュールは、結晶シリコン太陽電池素子あるいはアモルファスシリコン太陽電池素子等の光起電力素子を使用し、表面保護シート、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂等の充填材シート、太陽電池素子、充填材シート、および裏面保護シート層の順に積層し、真空吸引して加熱圧着して一体化する方法により製造されている。太陽電池モジュールを構成する裏面保護シートとしては、軽量であり、電気特性・強度に優れたプラスチック基材が一般的に使用されてきており、軽量性と防湿性と高耐電圧特性からポリオレフィン系樹脂フィルムが使用されるようになっている。ポリオレフィン系樹脂フィルムを太陽電池モジュール用裏面保護シートの部材に使用するには、ポリオレフィン系樹脂フィルム特有の課題を解決する必要があり、このための様々な提案がなされている。例えば特許文献1には、特定のポリオレフィン系樹脂多層フィルムと二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが積層された太陽電池モジュール用裏面保護シートが開示されている。
ポリオレフィン系樹脂フィルムを使用した太陽電池モジュール用裏面保護シートには、太陽電池モジュールの接着性樹脂層として用いられるエチレン・酢酸ビニル共重合体(以下EVAと略称する)シートとの熱接着性と、モジュールへの成型時の熱と圧力による変形を抑えるための耐熱性の相反する特性が要求される。特許文献2には、密度0.940〜0.970g/cmのポリエチレン系樹脂に紫外線遮断剤や酸化防止剤を添加したフィルムを用いる方法が開示されているが、該処方ではEVAシートとの熱接着性は優れているものの耐熱性は不十分であり、太陽電池モジュールの製造工程における熱と圧力の影響でフィルムが変形することでフィルムが部分的に薄くなり発電素子や配線が透けたり、耐電圧特性が低下する問題がある。
また近年、有限な資源を有効利用するために太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいても絶縁性や隠蔽性などの太陽電池モジュール用保護シートの要求特性を満たし、かつ、省資源化が要求されてきている。特許文献3には白色化剤を0.5重量%から10重量%含むポリプロピレン系樹脂フィルムを用いる方法が開示されているが、省資源化に伴う太陽電池モジュール用裏面保護シートの厚さが薄くなると、隠蔽性が損なわれるという問題がある。
ところで、太陽電池モジュールで使用されている光起電力素子は結晶シリコンが最も一般的に使用されているが、非特許文献1には太陽電池モジュールの光電変換特性には温度依存性があり、単結晶シリコンでは温度上昇による出力低下は、−0.45%/℃程度、またアモルファスシリコンでは−0.2〜−0.3%/℃程度であると記載されている。太陽電池モジュールは太陽光を受け発電するが、発電時に発生する熱により、その出力が低下してしまうという問題があり、裏面保護シートを薄くする方向は、太陽電池モジュール内で発生した熱を逃がしやすくする方向であり、発電効率を高く保つには好ましい。
また、太陽電池モジュール用裏面保護シートのような絶縁物に電圧を印加した場合、絶縁破壊に至る前に絶縁物中の微小な空隙状欠陥(ボイド)や材料の不均質などの欠陥部分に電界が集中し、微弱な放電が発生する。このような放電を部分放電という。部分放電試験は太陽電池モジュール用裏面保護シートに求められる要求特性項目であり、太陽電池モジュールの認証機関では測定時に使用する電極端部での沿面放電防止の観点から絶縁油中において試験を実施している。そのため太陽電池モジュール用裏面保護シートには油中法において1000V以上の部分放電電圧特性を有する事が求められる。
特開2011−51124号公報 特開平11−261085号公報 特開2007−150084号公報
産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター著「トコトンやさしい太陽電池の本」日刊工業新聞社、2007年1月30日、p140
本発明の課題は、太陽電池モジュール用裏面保護シートが薄くても、光起電力素子の端部や、隣接する光起電力素子を相互に接続するための電極(インターコネクター)やセルストリングスを相互に接続するためのバスバーと呼ばれる集電電極などの配線部材が透けることなく隠蔽性に優れ、油中法において1000V以上の部分放電電圧特性を有し、太陽電池モジュール内部で発生した熱を速やかに太陽電池モジュール用裏面保護シート表面に伝えるために熱貫流率に優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、A層/B層の少なくとも2層構成からなるポリオレフィン系樹脂多層フィルムとプラスチックフィルムが積層された太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、A層がポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂を混合した樹脂組成物からなり、B層がポリプロピレン系樹脂組成物からなる、ポリオレフィン系樹脂多層フィルムとプラスチックフィルムとを接着剤を用いて貼り合わせたときの合計厚さが55μm以上235μm以下であり、380nm〜750nmの領域における平均光線透過率が25%以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートとする本発明に到ったものである。
本発明により、太陽電池モジュールの製造工程におけるラミネート工程で加熱圧着する際に、光起電力素子の端部や、隣接する光起電力素子を相互に接続するための電極(インターコネクター)やセルストリングスを相互に接続するためのバスバーと呼ばれる集電電極などの配線部材の影響により太陽電池モジュ−ル用裏面保護シートが薄く変形することで光起電力素子や上記配線部材が透けることがない程度の耐熱性、隠蔽性に優れ、油中法において1000V以上の部分放電電圧を有し、太陽電池モジュール内部で発生した熱を速やかに太陽電池モジュール用裏面保護シート表面に伝えるために熱貫流率に優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートが得られる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細を説明する。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、A層/B層の少なくとも2層構成からなるポリオレフィン系樹脂多層フィルムとプラスチックフィルムが積層された太陽電池モジュール用裏面保護シートである。ポリオレフィン系樹脂多層フィルムのA層は、充填剤シートとの密着力を確保し、B層は、隠蔽性、耐熱性の確保を目的としている。本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、ポリオレフィン系樹脂多層フィルムのB層あるいはプラスチックフィルムで隠蔽性を付与する事により、太陽電池モジュール用裏面保護シート全体としての隠蔽性を保つ事ができる。
本発明で用いるプラスチックフィルムは単層であっても、複数のフィルムを貼り合わせた多層フィルムであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂多層フィルムとプラスチックフィルムとを接着剤を用いて貼り合わせたときの合計厚さが55μm以上235μm以下の範囲が好ましく、合計厚さが55μmより薄いと油中法での部分放電電圧が1000V以下となり太陽電池モジュール用裏面保護シートの要求特性を満たす事ができず、合計厚さが235μm以下とすることで太陽電池モジュール内部の熱が太陽電池モジュール用裏面保護シートを通過して太陽電池モジュール用裏面保護シート表面に到達する単位時間当たりの熱量が多くなることにより、光起電力素子温度の上昇を抑制することによって太陽電池モジュールの出力向上が期待できる。太陽電池モジュール用裏面保護シート表面に到達する単位時間当たりの熱量は熱貫流率で表され、熱貫流率は熱伝導率を厚さで除することで求める事ができる。太陽電池用裏面保護シートの熱伝導率λは比熱と密度、熱拡散率を測定し、以下の式を用い算出することができる。
λ=α・ρ・Cp
λ:熱伝導率(W/m・K)
α:熱拡散率(m/s)
ρ:密度(kg/m
Cp:比熱(J/kgK)。
α、ρ、Cpをそれぞれ独立の方法で測定し、この関係を用いて既存の太陽電池モジュール用裏面保護シートの熱伝導率λを算出すると、ISOVOLTAIC社“Icosolar”2442の熱伝導率は0.17W/m・Kであり、その熱貫流率は486W/m・Kとなる。また、東レフィルム加工(株)の“Lumisolar”LTW−09ST−2についても同様に算出すると熱伝導率は0.21W/m・℃であり、その熱貫流率は747W/m・Kである。太陽電池モジュール内部の熱が太陽電池モジュール用裏面保護シートを通過して太陽電池モジュール用裏面保護シート表面に到達する単位時間当たりの熱量が多くなることにより、既存の太陽電池モジュール用裏面保護シートを使用した場合と比べて光起電力素子温度の上昇を抑制するためには、熱貫流率が800W/m・K以上であることが好ましい。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂多層フィルムは、A層/B層の少なくとも2層構成からなり、A層がポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂を混合した樹脂組成物からなる。
A層で用いられるポリエチレン系樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、あるいはこれらの混合樹脂を挙げることができる。
直鎖状低密度ポリエチレンとは、エチレンとα− オレフィンとの共重合体であり(以下LLDPEと略称する)、炭素原子数4〜20、好ましくは4〜8のα−オレフィンの共重合体であることが好ましく、具体的には、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1などとの共重合体が挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独で、または組み合わせて用いることができ、特に、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などが、重合生産性から好ましく用いられる。
高圧法低密度ポリエチレン(以下、LDPEと略称する)は、従来のマルチサイト触媒による重合方法や、シングルサイト触媒(カミンスキー触媒、メタロセン触媒)を用いた重合方法により製造することができる。
LDPEの密度は、0.90〜0.93g/cmの範囲であることが好ましい。密度を0.90g/cm以上とすることで優れたフィルムの滑り性が確保でき、加工時のフィルム取り扱い性が良くなるので好ましい。一方、0.93g/cm以下とすることで、ポリエチレンとポリプロピレン系樹脂との分散性を向上させる効果を発現しやすい。
本発明のA層に、密度が0.94〜0.97g/cmの高密度ポリエチレン(以下、HDPEと略称する)を用いた場合は、フィルムの腰、及び耐カールに優れる反面、加工時のロール摩擦によってHDPEが脱落し白粉を発生させるため、フィルムを汚したり傷を付けるなどの問題が起こる場合があり、融点がLLDPEやLDPEと比べ高い分、EVAとの熱接着を行う際の加熱温度を高めに設定するなどの注意が必要である。
本発明におけるA層において、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂を混合することが必要である。ポリプロピレン系樹脂を混合することで耐熱性が向上し、B層との密着性を向上させることができる。
本発明において、A層にはポリエチレン系樹脂100重量部に対して、ポリプロピレン系樹脂が500重量部以下であるとEVAとの密着性が確保でき、50重量部以上であると耐熱性及びB層間の密着力が向上するため、ポリプロピレン系樹脂を50〜500重量部混合することが好ましい。
本発明でいう耐熱性とは、太陽電池モジュール用裏面保護シートとして用いた際に、加工工程で実施する130〜170℃のラミネートに耐えうることをいう。より具体的には、前述の通り、バスバーなどの配線を組み込んだ太陽電池モジュールの製造工程において、太陽電池モジュール用裏面保護シートを構成している樹脂が当該ラミネートの際の熱と圧力によって変形するが、ポリオレフィン系樹脂多層フィルムのA層/B層の全厚さについて初期の厚さを80%以上維持することが重要である。裏面保護シートの厚さは耐電圧特性に直接的に寄与するため、初期の厚さを保持することで耐電圧特性が確保できる。ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体を挙げることができる。
次に、本発明におけるB層は、ポリプロピレン系樹脂組成物からなる。ここでいうポリプロピレン系樹脂組成物とは、ポリプロピレン系樹脂がホモポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのランダムもしくはブロック共重合体から選ばれる少なくとも一種以上の樹脂、あるいはこれらの樹脂とポリエチレンとの混合樹脂からなり、ポリエチレンの含有量が樹脂成分全体の30重量%未満であるものが耐熱性の点から好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としてエチレンとプロピレンの共重合体を用いる場合、エチレン含有量は15モル%以下であるものが耐熱性の点から好ましい。
本発明のB層では必要に応じ白色化剤を用いても良い。白色化剤は、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、カオリンクレー、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機系の微粒子であることが耐候性の点から好ましく、中でも酸化チタン粒子が最も好ましく、結晶型として、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型などが知られているが、優れた白色度と耐候性および光反射性などの特性からルチル型が好ましい。
本発明で用いられる白色化剤の平均粒子径は0.2〜0.7μmのものが好ましく、可視光の反射率を高める目的においては、0.25〜0.35μmのものがより好ましい。
また、本発明で用いられるB層の白色化剤の添加量は、その比重によって左右されるものの、ポリプロピレン系樹脂に対して5〜50重量%の範囲で添加されることが好ましい。中でもポリプロピレン系樹脂に対して30〜50重量%の範囲がより好ましい。添加量をポリプロピレン系樹脂に対して5重量%以上とすることで白色化と光反射効果が得られ、30重量%以上とすることでバスバーなどの配線材料の透けがなく意匠性に優れたものとすることができる。一方、50重量%以下とすると製膜時に白色化剤が凝集し難く、安定して製膜できる。
本発明においてB層に白色化剤を添加する場合は、太陽電池モジュール用裏面保護シート製造工程汚染防止の観点からC層を設けてもよい。A層/B層/C層とすることで、白色化剤を含有するB層を、A層、およびC層で挟むことにより、製造時のガイドロールにおける、白色化剤が脱落することによる工程汚染や、ガイドロールから脱落物が落下することによる太陽電池モジュール用裏面保護シート接着剤層内へのコンタミといった品質問題を回避できる。本発明におけるC層は、ポリプロピレン系樹脂組成物からなり、B層同様にホモポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのランダムもしくはブロック共重合体などのポリプロピレン系樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を主成分とし、ポリプロピレン系樹脂が70重量%以上含有されることが、耐熱性の点から好ましいが、耐熱性をはじめ、滑り性やフィルムのハンドリング性、耐傷付き性、耐カール性の点からブロック共重合体が最も好ましい。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂多層フィルムの厚さは、用いられる太陽電池の構造によって変わり、ポリオレフィン系樹脂多層フィルムとプラスチックフィルムとを接着剤を用いて貼り合わせたときの合計厚さが55μm以上235μm以下となれば特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂多層フィルムの厚さとしては25〜150μmの範囲が好ましく、更に、50〜100μmの範囲がフィルム製造面や、他基材とのラミネート加工性や光線透過率の面から好ましい。
本発明に用いられるプラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称する)、ポリエチレンナフタレート(以下PENと略称する)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素系樹脂フィルム等が好ましく例示される。これらの中で、機械的強度や耐熱性、耐電圧性、経済性の点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられ、長期間の特性維持が求められる場合、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下耐加水分解性PETフィルムと略称する)であることがより好ましい。同様に、高い耐加水分解性が得られる場合は、PENフィルムであることが好ましい。
また、本発明のプラスチックフィルムは、耐候性の点からは、フッ素系樹脂フィルムであることが好ましく、ポリエステルフィルムとフッ素系樹脂フィルムを積層したフィルムも好ましく用いることができる。
本発明において、プラスチックフィルムとして好ましく用いられる耐加水分解性PETフィルムとは140℃高圧スチーム下で10時間保管後の引張伸度が初期の引張伸度の60%以上を保持するものである。
140℃高圧スチーム下で10時間保管後の引張伸度が初期の引張伸度の60%以上を保持する耐加水分解性PETフィルムが太陽電池モジュール用裏面保護シートを構成するプラスチックフィルムとして使用されることで、太陽電池モジュール用裏面保護後シートの耐候性を大きく向上させ、太陽電池モジュールとしての10年以上の性能保証に寄与することができ、好ましい。
140℃高圧スチーム下で10時間保管後の引張伸度が60%以上を保持するPETフィルムとしては、JISC2151(1996)によりフィルムの破断伸度を測定したとき、140℃高圧スチーム条件下でスチーム処理前と比較し、50%伸度低下時間が耐加水分解性を有しないフィルムの2倍以上になるPETフィルムが上市されており、具体的には東レ(株)製の“ルミラー”(登録商標)X10Sなどが本発明のプラスチックフィルムとして好ましく用いることができる。
本発明においてプラスチックフィルムとして好ましく用いられるPENフィルムは、ジカルボン酸成分に2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分にエチレングリコールを用い、公知の方法で重合された樹脂を、同様に公知の方法で二軸延伸されたフィルムである。
本発明におけるプラスチックフィルムとして好ましく用いられるフッ素系樹脂フィルムは、フッ素系樹脂を溶融し、口金からシート状に押し出して回転冷却ドラム上で冷却固化させ、目的とする厚さのフッ素系樹脂フィルムとすることができる。
フッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン・ヘキサフロロプロピレン・フッ化ビニリデン共重合体、テトラフロロエチレン・プロピレン共重合体、テトラフロロエチレン・ヘキサフロロプロピレン・プロピレン共重合体、エチレン・テトラフロロエチレン共重合体(ETFE)、ヘキサフロロプロピレン・テトラフロロエチレン共重合体(FEP)、またはパーフロロ(アルキルビニルエーテル)・テトラフロロエチレン共重合体、ポリクロロトリフロロエチレン樹脂などが挙げられる。これらのフッ素樹脂のうち、特にポリフッ化ビニル、エチレン・テトラフロロエチレン共重合体(ETFE)、ヘキサフロロプロピレン・テトラフロロエチレン共重合体(FEP)、パーフロロ(アルキルビニルエーテル)・テトラフロロエチレン共重合体、ポリクロロトリフロロエチレン重合体がフィルムとするための溶融押出成形性の点から好ましい。
本発明におけるフッ素系樹脂フィルムは、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、化学処理などにより表面を活性化処理することで積層された後の密着強度を向上させることができる。
本発明におけるプラスチックフィルムは、上述のポリエステルフィルムとフッ素系樹脂フィルムを積層したものも好ましく用いることができる。
プラスチックフィルムの厚さは、ポリオレフィン系樹脂多層フィルムとプラスチックフィルムとを接着剤を用いて貼り合わせたときの合計厚さが55μm以上235μm以下となれば特に限定されないが、プラスチックフィルムの厚さとしては55〜125μmの範囲であることが好ましく、フィルム製造面や、他基材とのラミネート加工性や、フィルムの剛性、部分放電電圧、太陽電池モジュール用裏面保護シートのコスト面及び太陽電池モジュール製造の際の加工適性から、75〜125μmの範囲であることがより好ましい。
プラスチックフィルムには、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない量で適宜な白色化剤或いは黒色化剤を添加することができ、例えば白色化剤として炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、カオリンクレー、酸化チタン、硫酸バリウム、黒色化剤としてカーボンブラックやカーボンナノチューブ、アニリンブラック、黒色酸化鉄などを添加する事ができる。中でも白色化剤の場合は酸化チタン、黒色化剤の場合はカーボンブラックが好ましい。
本発明において、プラスチックフィルムのポリオレフィン系樹脂多層フィルムと積層される側の反対側に紫外線吸収層が積層されることが、太陽電池モジュール用裏面保護シートの長期耐候性のためにより好ましく、その場合、アクリル系樹脂などのバインダー樹脂に紫外線吸収剤を配合した樹脂組成物や、アクリル系樹脂などに紫外線吸収剤及び光安定化剤を共重合させた樹脂からなるものを好ましく例示できるが、なかでも、アクリル系樹脂などに紫外線吸収剤及び光安定化剤を共重合させた樹脂からなるものが、プラスチックフィルム基材への密着性や、紫外線吸収層そのものの耐候性の点から好ましい。
アクリル系樹脂と共重合させる紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が例示できる。
また、同様に前記アクリル樹脂と共重合させる光安定化剤としては、ヒンダードアミン系等の光安定化剤が挙げられる。
紫外線吸収層に白色顔料を添加することは、紫外線吸収層の樹脂の耐候性を向上させるために好ましく、汎用性、価格、発色性能、また耐紫外線性の観点から白色顔料としては酸化チタンが好ましい。
紫外線吸収層の厚さは0.2〜5μmが好ましく、さらに好ましくは1〜4μm、特に好ましくは1〜3μmである。紫外線吸収層の厚さが0.2μmより厚くすることで、塗工時にはじきや膜切れといった現象を生じることなく均一な塗膜を形成しやすく、ポリエチレンテレフタレートフィルムに対する密着力、何より紫外線カット性能を十分に発現することができ好ましい。一方、紫外線吸収層の厚さは5μm以下で、紫外線カット性能は十分に発現し、これ以上厚くすると塗工方式に制約が生じ、生産コストが高くなる等の点が懸念される。
本発明において、プラスチックフィルムとポリオレフィン系樹脂多層フィルムとの貼り合せに使用する接着剤は、特に限定されるものではないが、イソシアネート架橋型接着剤が一般的に使用される。中でも、耐候性に優れ、経時に対して接着力の低下が少ない太陽電池モジュール用裏面保護シートとするためには、耐加水分解性に優れた接着剤を使用することが好ましい。
本発明における接着剤に用いる溶剤としては、エステル類、ケトン類、脂肪族類、芳香族類等の活性水素を持たない溶剤が好ましい。エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等を挙げる事ができる。ケトン類としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。脂肪族としては、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等をあげることができる。芳香族類としては、トルエン、キシレン等を挙げることができる。これらの中で、溶解度、塗工適性の観点から酢酸エチル、酢酸プロピル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
また、接着剤層の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、コスト面及び接着性の点から2〜6μmがより好ましい。
本発明における太陽電池モジュール用裏面保護シートの具体的製造方法としては、例えばプラスチックフィルムとしてのポリエチレンテレフタレートフィルムにグラビア・ロールコート法、リバースコート法、キスコート法、その他のコート法、あるいは印刷法等を用いて接着剤を塗工するドライラミネートなどの公知手法を用いてオレフィン系樹脂多層フィルムを積層することができる。このとき、ポリエチレンテレフタレートフィルムは必要に応じて、コロナ処理、プラズマ処理などの接着性を向上させるための表面処理を施すことも可能である。ポリエチレンテレフタレートフィルムには予め接着剤を塗工する面とは反対側の面にグラビア・ロールコート法、リバースコート法、キスコート法、その他のコート法、あるいは刷法等を用いて接着剤を塗工し紫外線吸収層を形成する。次に、当該ポリエチレンテレフタレートフィルムの接着剤塗工面とポリオレフィン系樹脂多層フィルムのB層またはC層側の面とを貼り合わせる。
プラスチックフィルムとポリオレフィン系樹脂多層フィルムとの密着強度は、2N/15mm以上が好ましい。これらフィルム間の密着強度が、2N/15mm以上であると、積層したフィルムの層間強度が十分得られ、太陽電池モジュール加工時あるいは促進試験等による層間剥離が起こり難く、6N/15mm以上であることがより好ましい。
上記製造方法により製造された太陽電池モジュール用裏面保護シートの380nm〜750nmの領域における平均光線透過率が25%以下であることがバスバーなどの配線材料の透け発生を防ぐために好ましい。平均光線透過率が25%以上となるとバスバーなどの配線材料の透けが発生し、意匠性の問題が生じる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、各特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)部分放電電圧
太陽電池モジュール用裏面保護シートを297mm×210mmの寸法に切り部分放電電圧試験用サンプルを作製し、Mess− & Pruefsyteme GmbH社製部分放電試験器TPP5を用い、容器内に上部電極及び下部電極を設置し、高圧絶縁油(JX日鉱日石エネルギー(株)製、高圧絶縁油A)を上部電極及び下部電極が浸漬する程度まで容器内に入れてから、部分放電電圧試験用サンプルを上部電極と下部電極の間に挟みこみ、部分放電電圧を測定した。部分放電電圧の判定として1000V以上であるものを合格とした。
○:部分放電電圧が1000V以上
×:部分放電電圧が1000V未満。
(2)光線透過率
太陽電池モジュール用裏面保護シートを50mm×50mmの寸法に切り光線透過率用サンプルを作製し、入光面側をポリオレフィン系樹脂多層フィルムに向けて設置し、株式会社島津製作所製分光光度計MPC−3100で380nmから750nmの光線透過率を1nm毎に測定し、この波長範囲での平均値を光線透過率とした。光線透過率の判定として2以上のものを合格とした。
3:光線透過率が15%より小さい
2:光線透過率が25%以下15%以上
1:光線透過率が25%より大きい。
(3)インターコネクターの透け
太陽電池モジュール用裏面保護シートの隠蔽性はインターコネクターの透けで確認を行う。太陽電池モジュール用裏面保護シートのポリオレフィン系樹脂多層フィルム面がEVAシート2と向かい合う方向で、太陽電池モジュール用裏面保護シート/EVAシート2(サンビック(株)製、PV−45FR000 厚さ450μm)/インターコネクター(2mm幅×厚さ0.6mm)/EVAシート1(厚さ450μm)/ガラス板をこの順に積層し、(株)エヌ・ピー・シー製、太陽電池モジュールラミネーター(LM−50X50−S)に設置後、真空時間5分、制御時間1分、プレス時間9分、温度142℃の条件にて加熱圧着した。圧着後、室温冷却し、疑似モジュールを作製した。
上記方法で各水準10枚作成し、太陽電池モジュール用裏面保護シート側から目視観察した。透けの判定として、下記の基準により、2以上のものを合格とした。
3:10枚ともインターコネクターの透けがない。
2:1〜4枚にインターコネクターの僅かな透けがある。
1:10枚ともインターコネクターの明らかな透けがある。(上記の判定2未満のものは該当する。例えば、インターコネクターの僅かな透けが5枚以上にある。)
(4)伝導率と熱貫流率
太陽電池モジュール用裏面保護シートの熱伝導率は、比熱と密度、熱拡散率を測定し、次式によって算出した。
λ=α・ρ・Cp
λ:熱伝導率(W/mK)
α:熱拡散率(m/s)
ρ:密度(kg/m
Cp:比熱(J/kgK)
熱拡散率はフラッシュ法、密度はアルキメデス法、比熱はDSC法によりそれぞれ求めた。
(I)熱拡散率の測定
NETZSCH社製 LFA447を使用し、10mm×10mmの試料片について空気中で温度150℃の雰囲気下における厚さ方向の熱拡散率を測定した。n=2での測定結果の平均を測定値とした。
(II)密度の測定
浸漬液は水を使用し、50mm×50mmの試料片について、25℃における密度を測定した。株式会社島津製作所製電子分析天秤AEL−200を使用し、n=2での測定結果の平均を測定値とした。
(III)比熱の測定
Perkin−Elmer社製 示差走査熱量計DSC-7を使用し比熱を測定した。乾燥窒素気流中で温度150℃の雰囲気下で、試料片30〜50mgをPerkin−Elmer社製アルミニウム標準容器(φ6mm×1mm)に採取し、標準試料はサファイア(α-Al)を使用した。昇温速度は10℃/分とし、n=2での測定結果の平均を測定値とした。
太陽電池モジュール用裏面保護シートの厚さは、小野測器社製デジタルリニアゲージDG−925を使用して測定を実施した。太陽電池モジュール用裏面保護シートの厚さを10点測定した結果の平均を測定値とした。
上記方法で熱伝導率と厚さを求め、熱伝導率をシートの厚さで割って熱貫流率(W/m・K)を求めた。
(5)太陽電池モジュールの発電量向上率
評価用太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用裏面保護シートのポリオレフィン系樹脂多層フィルム面がEVAシート2と向かい合う方向で、太陽電池モジュール用裏面保護シート/EVAシート2(サンビック(株)製、PV−45FR000 厚さ450μm)/インターコネクター(2mm幅×厚さ0.6mm)/単結晶セル(アスデン製SAS5−1700)/EVAシート1(厚さ450μm)/ガラス板をこの順に積層し、(株)エヌ・ピー・シー製、太陽電池モジュールラミネーター(LM−50X50−S)に設置後、真空時間5分、制御時間1分、プレス時間9分、温度142℃の条件にて加熱圧着した。圧着後、室温冷却し、評価用太陽電池モジュールを作製した。太陽電池モジュールの発電効率はソーラーシミュレーター(英弘精機株式会社 SS−156XIL)でキセノンランプを光源とする100W/cmの光を評価用太陽電池モジュールに照射して、I−Vカーブトレーサー(英弘精機株式会社MP−160)で発電量を測定した。評価用太陽電池モジュールに使用する太陽電池裏面保護シートとしてISOVOLTAIC社“Icosolar”2442を使用した評価用太陽電池モジュールの発電量を基準として8%以上向上したものを合格とした。発電量向上率は次式より求めた。
発電量向上率=(Ps−Pr)/Pr×100
Ps:実施例あるいは比較例で作製した太陽電池モジュール用裏面保護シートを使用した評価用太陽電池モジュールの発電量 [W]
Pr:太陽電池モジュール用裏面保護シートとしてISOVOLTAIC社“Icosolar”2442を使用した評価用太陽電池モジュールの発電量 [W]
以下、本発明の実施例、及び比較例について説明する。
実施例1
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm、MFR5.0g/10分のLLDPE80重量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm、MFR4.0g/10分のLDPEを20重量部(ポリエチレン系樹脂合計100重量部)、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体(以下、EPCと略称する)100重量部を混合した樹脂を用いた。
B層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のホモポリプロピレン(以下、H−PPと略称する)100重量部に対して、融点162℃、密度0.900g/cmのH−PP40重量%と、珪素、アルミニウム、亜鉛などの1種あるいは複数種を主成分とする無機酸化物で表面処理された平均粒子径200nmのルチル型酸化チタン(堺化学工業(株)製FTR−700)60重量%とを二軸押出機にて240℃で溶融混練した後、ストランドカットした酸化チタンマスタバッチを100重量部混合した樹脂を用いた。白色化剤である酸化チタンの添加量は30.0重量%である。
C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR4.0g/10分、エチレン含有量7モル%のエチレン・プロピレンブロック共重合体(以下、B−PPと略称する)を用いた。
このようにして用意したA層、B層、C層の各層それぞれの樹脂を単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチ・マニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚さ構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚さ50μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
当該ポリオレフィン系樹脂多層フィルムのC層側にコロナ放電処理を行うことでC層表面の濡れ張力を40mN/mにして巻き取った。
(株)日本触媒製の、紫外線吸収剤及び光安定化剤(HALS)がアクリルポリオール樹脂に架橋されたことを特徴とするコーティング剤である“ハルスハイブリッド”ポリマー(登録商標)BK1(固形分濃度:40質量%、アクリル樹脂)に白色化剤、可塑剤及び溶剤を一括混合し、ビーズミル機を用いて分散し、固形分濃度が50質量%である樹脂層形成用主剤塗料を得た。
次に前述の方法で得た樹脂層形成用塗料にヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂である住化バイエルウレタン(株)製“デスモジュール”(登録商標)N3300(固形分濃度:100質量%)を主剤塗料との質量比が33/8の比になるように予め計算した量配合し、さらに固形分濃度20質量%(樹脂固形分濃度)の塗料となるように予め算出した希釈剤:酢酸n−プロピルを量りとり、15分間攪拌することにより固形分濃度20質量%(樹脂固形分濃度)の紫外線吸収層形成用塗料を得た。
なお、上記の調整に用いた白色化剤としては酸化チタン粒子(テイカ(株)製JR−709)を使用し、可塑剤としてはDIC(株)製エポキシ系可塑剤(“エポサイザー”W−121)を使用した。
プラスチックフィルムとして耐加水分解性二軸延伸PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)X10S(50μm))を準備した。この基材フィルムの一方の面に、ドライラミネーター(岡崎機械工業(株)製一色印刷付きドライラミネーターOG/DL−130TA−AF)を用いて上記紫外線吸収層形成用塗料を塗布し、150℃で30秒間乾燥し、固形分塗布厚さ1μmとなるように紫外線吸収層を設けた。
次に、上記ドライラミネーターにより、上記“ルミラー”X10Sの未コート面へイソシアネート架橋型接着剤(大日本インキ化学工業(株)製、LX−903/KL−75=8/1)を固形分塗布厚さ4μmに塗布、乾燥し、前述のポリオレフィン系樹脂多層フィルムのC層側と60N/cmのニップ圧でラミネートを実施した。
積層したフィルムは、温度40℃にて72時間エージングを実施し、接着剤層の硬化反応を促し、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートとした。その評価結果を表1に示す。
実施例2
オレフィン系樹脂多層フィルムのA層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm、MFR5.0g/10分のLLDPE80重量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm、MFR4.0g/10分のLDPEを20重量部(ポリエチレン系樹脂合計100重量部)、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体(以下、EPCと略称する)100重量部を混合した樹脂を用い、B層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のH−PP100重量部に対して、実施例1と同じ酸化チタンマスタバッチ100重量部を混合した樹脂を用いた。白色化剤である酸化チタンの添加量は30.0重量%である。
このようにして用意したA層、B層の各層それぞれの樹脂を単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してマルチ・マニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層=10%/90%であるフィルム厚さ50μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
当該ポリオレフィン系樹脂多層フィルムのB層側にコロナ放電処理を行うことでB層表面の濡れ張力を40mN/mにして巻き取った。
このようにして得たポリオレフィン系樹脂多層フィルムを使用した以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製した。
実施例3
実施例1に記載のオレフィン系樹脂多層フィルムの厚さをA層/B層/C層の厚さ比率を実施例1と同じにしたまま150μmと変更し、プラスチックフィルムとして耐加水分解性二軸延伸PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”X10S)の厚さを75μmとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製した。
実施例4
実施例1に記載のオレフィン系樹脂多層フィルムの厚さをA層/B層/C層の厚さ比率を実施例1と同じにしたまま25μmと変更し、プラスチックフィルムとして二軸延伸PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”S10)の厚さを25μmとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製した。
実施例5
実施例1に記載のオレフィン系樹脂多層フィルムから白色化剤を除き、プラスチックフィルムとして耐加水分解性二軸延伸白色PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”MX11)とした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製した。
実施例6
プラスチックフィルムとして帝人デュポンフィルム(株)製PENフィルム“テオネックス”(登録商標)Q51(50μm)と変更した以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製した。
実施例7
実施例1に記載のオレフィン系樹脂多層フィルムの厚さを150μmと変更し、プラスチックフィルムとしてフッ素系樹脂フィルム(東レフィルム加工(株)製FEP易接着フィルム“トヨフロン”(登録商標)FL(50μm))とした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製した。
実施例8
実施例1と同様の方法でフッ素系樹脂フィルム(東レフィルム加工(株)製ETFE易接着フィルム“トヨフロン”EL(50μm))に紫外線吸収層形成用塗料を塗布し、150℃で30秒間乾燥し、固形分塗布厚さ1μmとなるように紫外線吸収層を設けた。
次に、ドライラミネーター(岡崎機械工業(株)製一色印刷付きドライラミネーターOG/DL−130TA−AF)により、耐加水分解性二軸延伸PET(東レ(株)製“ルミラー”X10(50μm))にイソシアネート架橋型接着剤(大日本インキ化学工業(株)製、LX−903/KL−75=8/1)を固形分塗布厚さ4μmに塗布、乾燥し、上記紫外線吸収層を設けたフッ素系樹脂フィルムの未コート面と60N/cmのニップ圧でラミネートを実施し、プラスチックフィルムを得た。
このようにして得たプラスチックフィルムの耐加水分解性二軸延伸PETフィルム面と実施例1に記載のオレフィン系樹脂多層フィルムの厚さをA層/B層/C層の厚さ比率を実施例1と同じにしたまま100μmと変更したオレフィン系樹脂多層フィルムを上記方法と同様にラミネートを実施した。
積層したフィルムは、温度40℃にて72時間エージングを実施し、接着剤層の硬化反応を促し、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートとした。
実施例9
実施例1に記載のオレフィン系樹脂多層フィルムから白色化剤を除き、プラスチックフィルムとして黒色PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”X30)とした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製した。
比較例1
実施例1に記載のオレフィン系樹脂多層フィルムの厚さを25μmと変更し、プラスチックフィルムとして二軸延伸PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”S10)の厚さを12μmと変更し、プラスチックフィルムの紫外線吸収層をなくした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製した。
比較例2
実施例1に記載のオレフィン系樹脂多層フィルムの白色化剤添加量を10.0重量%と変更した以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製した。
比較例3
実施例1に記載のオレフィン系樹脂多層フィルムの厚さを150μmと変更し、プラスチックフィルムの厚さを125μmと変更した以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製した。
比較例4
太陽電池モジュール用裏面保護シートとしてISOVOLTAIC社“Icosolar”2442(350μm)を使用した。
Figure 2014143259

Claims (5)

  1. A層/B層の少なくとも2層構成からなるポリオレフィン系樹脂多層フィルムとプラスチックフィルムが積層された太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、A層がポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂を混合した樹脂組成物からなり、B層がポリプロピレン系樹脂組成物からなり、ポリオレフィン系樹脂多層フィルムとプラスチックフィルムとを接着剤を用いて貼り合わせたときの合計厚さが55μm以上235μm以下であり、380nm〜750nmの波長領域における平均光線透過率が25%以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  2. プラスチックフィルムが耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  3. プラスチックフィルムがフッ素系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  4. プラスチックフィルムが白色化剤または黒色化剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  5. ポリオレフィン系樹脂多層フィルムに白色化剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
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