JP2014142473A - 感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の一実施形態は、耐摩耗性に優れ、印刷経時における露光部の電位の変動、画像濃度のムラ及び画像のボケの発生を抑制することが可能な感光体を提供することを目的とする。
【解決手段】感光体10は、導電性支持体11上に、電荷発生層12、電荷輸送層13及び保護層14が順次積層されており、保護層14は、一般式(1)で表される化合物と、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と、一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物とを含む組成物を架橋させて形成されており、一般式(1)で表される化合物は、ラジカル重合性基当量が300g/mol以下である。
【選択図】図1
【解決手段】感光体10は、導電性支持体11上に、電荷発生層12、電荷輸送層13及び保護層14が順次積層されており、保護層14は、一般式(1)で表される化合物と、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と、一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物とを含む組成物を架橋させて形成されており、一般式(1)で表される化合物は、ラジカル重合性基当量が300g/mol以下である。
【選択図】図1
Description
本発明の一実施形態は、感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
近年、有機感光体は、良好な性能及び様々な利点から、無機感光体に代わり、複写機、ファクシミリ、レーザープリンター及びこれらの複合機に多く用いられている。
しかしながら、有機感光体は、電子写真プロセスにおいて、繰り返し使用されると、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗しやすいという問題がある。
現状では、感光体の寿命は、摩耗や摩耗が局所的に発生した傷が律速となり、交換に至っている。
一方、近年、商業印刷の分野でも電子写真装置が利用されるようになってきており、感光体の印刷経時における露光部の電位の変動や画像濃度のムラの発生を抑制することが求められている。
特許文献1には、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、ホール輸送層、ホール輸送性保護層を順に積層し、保護層が少なくともラジカル重合性ホール輸送性化合物を紫外線又は電子線を照射することで連鎖重合させて得られる3次元架橋膜からなる電子写真感光体が開示されている。このとき、保護層中に特定のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を含有する。
しかしながら、感光体の印刷経時における露光部の電位の変動、画像濃度のムラ及び画像のボケの発生をさらに抑制することが望まれている。
本発明の一実施形態は、上記従来技術が有する問題に鑑み、耐摩耗性に優れ、印刷経時における露光部の電位の変動、画像濃度のムラ及び画像のボケの発生を抑制することが可能な感光体を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、感光体において、導電性支持体上に、感光層及び保護層が順次積層されており、前記保護層は、一般式
で表される化合物と、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と、一般式
で表される化合物又は一般式
本発明の一実施形態によれば、耐摩耗性に優れ、印刷経時における露光部の電位の変動、画像濃度のムラ及び画像のボケの発生を抑制することが可能な感光体を提供することができる。
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
図1に、感光体の一例を示す。
感光体10は、導電性支持体11上に、電荷発生層12、電荷輸送層13及び保護層14が順次積層されている。
なお、電荷発生層12及び電荷輸送層13を積層する順序は逆であってもよい。
保護層14は、一般式(1)で表される化合物と、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と、一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物とを含む組成物を架橋させて形成されている。これにより、印刷経時における露光部の電位の変動、画像濃度のムラ及び画像のボケの発生を抑制することができる。その結果、商業印刷に要求される高画質な画像を形成することができる。
一般式(1)で表される化合物のラジカル重合性基当量は、300g/mol以下であり、200g/mol以下であることが好ましい。一般式(1)で表される化合物のラジカル重合性基当量が300g/molを超えると、印刷経時における画像濃度のムラ及び画像のボケが発生する。また、一般式(1)で表される化合物のラジカル重合性基当量は、通常、100g/mol以上である。
なお、ラジカル重合性基当量とは、ラジカル重合性基の数に対する分子量の比を意味する。
一般に、コロナ帯電器を有する画像形成装置を繰り返し使用した後に長時間放置すると、保護層のコロナ帯電器の近傍で放置されていた部分に放電生成物が浸透して抵抗が低下し、帯状の画像濃度のムラが発生する。また、コロナ帯電器を有する画像形成装置を繰り返し使用すると、放電生成物が保護層を透過して、画像のボケが発生する。
これに対して、保護層14は、一般式(1)で表される化合物を含む組成物を架橋させて形成されているため、画像濃度のムラ及び画像のボケの発生を抑制することができる。これは、一般式(1)で表される化合物が有するベンゼン環が架橋構造の空隙を塞ぐためであると推測される。具体的には、ベンゼン環が架橋骨格からペンダント状に枝分かれするような構造となるため、ベンゼン環は、比較的フレキシブルに空隙に入り込むと考えられる。
一方、一般式(1)で表される化合物は、単官能であるため、耐摩耗性を向上させるために、紫外線の照射量を増大させることが考えられる。
一般に、紫外線の照射量を増大させると、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が分解して、電荷トラップとなり、印刷経時における露光部の電位が上昇する。
これに対して、保護層14は、一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物を含む組成物を架橋させて形成されているため、印刷経時における露光部の電位の上昇を抑制することができる。このとき、紫外線により励起状態となった電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と、一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物が分子間励起子会合体(Exciplex)を形成した後、失活することにより、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の分解を抑制できると推測される。
なお、一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物は、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物よりも酸化電位が大きいため、電荷トラップにはならない。また、一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物は、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物よりも励起ポテンシャルレベルが低いため、分子間励起子会合体(Exciplex)を形成しやすい。
ラジカル重合性基とは、炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合することが可能な基であれば、特に限定されないが、一般式(A)で表される基、一般式(B)で表される基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましい。
CH2=CH−X−・・・(A)
(式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、一般式
−CON(R)−
(式中、Rは、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基又はフェニル基、ナフチル基等のアリール基である。)
で表される基又は硫黄原子である。)
置換基としては、特に限定されないが、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、一般式
−CON(R)−
(式中、Rは、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基又はフェニル基、ナフチル基等のアリール基である。)
で表される基又は硫黄原子である。)
置換基としては、特に限定されないが、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
CH2=C(Y)−X−・・・(B)
(式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、一般式
−COOR
(式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基である。)
で表される基又は一般式
−CONR1R2
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基である。)
で表される基であり、Xは、一般式(A)のXと同一の基、単結合又はアルキレン基である。ただし、Y及び/又はXは、カルボニルオキシ基、シアノ基、アルケニレン基又は芳香族環を含む。)
置換基としては、特に限定されないが、α−クロロアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
(式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、一般式
−COOR
(式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基である。)
で表される基又は一般式
−CONR1R2
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基である。)
で表される基であり、Xは、一般式(A)のXと同一の基、単結合又はアルキレン基である。ただし、Y及び/又はXは、カルボニルオキシ基、シアノ基、アルケニレン基又は芳香族環を含む。)
置換基としては、特に限定されないが、α−クロロアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
置換基は、置換基をさらに有していてもよい。
置換基としては、特に限定されないが、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
アクリロイルオキシ基を有する化合物は、水酸基を有する化合物と、アクリル酸、アクリル酸塩、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルをエステル化反応又はエステル交換反応させることにより合成することができる。
メタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして合成することができる。
一般式(1)で表される化合物としては、特に限定されないが、化学式(1−1)〜(1−9)で表される化合物等が挙げられる。
一般式(2)におけるアルキル基としては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ウンデカニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、特に限定されないが、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ピレン等の芳香族炭化水素化合物から水素原子を1個脱離した基が挙げられる。
置換基としては、特に限定されないが、上記アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、上記芳香族炭化水素基、ピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾール等の芳香族複素環化合物から水素原子を1個脱離した芳香族複素環基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等の脂肪族複素環基等が挙げられる。
R1とR2及び/又はR3とR4が互いに結合して形成する複素環基としては、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物としては、特に限定されないが、化学式(2−1)〜(2−10)で表される化合物等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、特に限定されないが、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ピレン等の芳香族炭化水素化合物から水素原子を1個脱離した基が挙げられる。
置換基としては、特に限定されないが、上記アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、上記芳香族炭化水素基、ピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾール等の芳香族複素環化合物から水素原子を1個脱離した芳香族複素環基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等の脂肪族複素環基等が挙げられる。
R11とR12が互いに結合して形成する複素環基としては、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
一般式(3)で表される化合物としては、特に限定されないが、化学式(3−1)〜(3−18)で表される化合物等が挙げられる。
組成物中の一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物の含有量は、通常、0.1〜30質量%である。組成物中の一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物の含有量が0.1質量%未満であると、印刷経時における露光部の電位の変動を抑制できなくなることがあり、30質量%を超えると、感光体10の耐摩耗性が低下することがある。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物に対する一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物の質量比は、通常、0.005〜0.1である。電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物に対する一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物の質量比が0.005未満であると、印刷経時における露光部の電位の変動を抑制できなくなることがあり、0.1を超えると、感光体10の耐摩耗性が低下することがある。
電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物は、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造又は縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等の電子吸引性基を有する芳香族環等の電子輸送性構造を有さず、ラジカル重合性基を3個以上有する化合物を意味する。
ラジカル重合性基としては、特に限定されないが、前述と同様である。中でも、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましい。
3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、3個以上の水酸基を有する化合物と、アクリル酸、アクリル酸塩、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを、エステル化反応又はエステル交換反応させることにより合成することができる。
3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして合成することができる。
なお、電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物が有するラジカル重合性基は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物としては、特に限定されないが、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレート等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
なお、EO変性及びPO変性は、それぞれエチレンオキシ変性及びプロピレンオキシ変性を意味する。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物は、通常、ラジカル重合性官能基当量が300g/mol以上である化合物を含み、ラジカル重合性官能基当量が400g/mol以上である化合物を含むことが好ましい。電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物が、ラジカル重合性官能基当量が300g/mol以上である化合物を含まないと、感光体10の電気特性が低下することがある。これは、保護層14の架橋密度が増大して、電荷輸送性構造の立体的な自由度が小さくなるためであると考えられる。また、ラジカル重合性官能基当量が300g/mol以上である化合物のラジカル重合性官能基当量は、通常、500g/mol以下である。
ラジカル重合性官能基当量が300g/mol以上である化合物としては、特に限定されないが、化学式(4−1)〜(4−3)で表される化合物等が挙げられる。
組成物中の電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物の含有量は、通常、20〜80質量%であり、35〜65質量%であることが好ましい。組成物中の電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物の含有量が20質量%未満であると、感光体10の耐摩耗性が低下することがあり、80質量%を超えると、感光体10の電気特性が低下することがある。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物に対する一般式(1)で表される化合物の質量比は、通常、1/9〜7/3であり、2/3〜3/2であることが好ましい。電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物に対する一般式(1)で表される化合物の質量比が1/9未満であると、印刷経時における画像濃度のムラ及び画像のボケが発生することがあり、7/3を超えると、感光体10の耐摩耗性が低下することがある。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造、又は、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等の電子吸引性基を有する芳香族環等の電子輸送性構造を有し、ラジカル重合性基を有する化合物を意味する。
ラジカル重合性基としては、特に限定されないが、前述と同様である。中でも、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましい。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、電気特性の点から、単官能のラジカル重合性化合物であることが好ましい。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、トリアリールアミンであることが好ましい。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、一般式
−COOR2
(式中、R2は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。)
で表される基、ハロカルボニル基、又は、一般式
−CONR3R4
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。)
で表される基であり、Ar1は、置換基を有していてもよい二価の芳香族基であり、Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい一価の芳香族基であり、Xは、単結合又は一般式
−Y−Ar4−
(式中、Yは、単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいシクロアルキレン基、置換基を有していてもよいアルキレンオキシ基、オキシ基、チオ基又はビニレン基であり、Ar4は、置換基を有していてもよい二価の芳香族基である。)
で表される基であり、Zは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基であり、nは、0〜3の整数である。)
で表される化合物であることがさらに好ましい。
R1におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。また、R1におけるアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が挙げられる。さらに、R1におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。また、R1におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
R1における置換基としては、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
R1は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
Ar2及びAr3における一価の芳香族基としては、一価の縮合多環式炭化水素基、一価の非縮合環式炭化水素基、一価の複素環基等が挙げられる。
一価の縮合多環式炭化水素基としては、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基等が挙げられる。一価の縮合多環式炭化水素基は、環を構成する炭素数が18個以下であることが好ましい。
一価の非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物由来の基、ビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、ポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物由来の基、9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物由来の基等が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾール等の複素環芳香族化合物由来の基等が挙げられる。
Ar2及びAr3における置換基を以下に示す。
〔1〕ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基
〔2〕アルキル基
アルキル基の炭素数は、通常、1〜12であり、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましい。アルキル基は、フルオロ基、水酸基、シアノ基、炭素数が1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又は、ハロゲン基、炭素数が1〜4のアルキル基若しくは炭素数が1〜4のアルコキシ基を有するフェニル基を有していてもよい。
〔2〕アルキル基
アルキル基の炭素数は、通常、1〜12であり、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましい。アルキル基は、フルオロ基、水酸基、シアノ基、炭素数が1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又は、ハロゲン基、炭素数が1〜4のアルキル基若しくは炭素数が1〜4のアルコキシ基を有するフェニル基を有していてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
〔3〕アルコキシ基
アルコキシ基におけるアルキル基は、〔2〕におけるアルキル基と同様である。
アルコキシ基におけるアルキル基は、〔2〕におけるアルキル基と同様である。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
〔4〕アリールオキシ基
アリールオキシ基におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アリールオキシ基は、炭素数が1〜4のアルコキシ基、炭素数が1〜4のアルキル基又はハロゲン基を有していてもよい。
アリールオキシ基におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アリールオキシ基は、炭素数が1〜4のアルコキシ基、炭素数が1〜4のアルキル基又はハロゲン基を有していてもよい。
アリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
〔5〕アルキルメルカプト基又はアリールメルカプト基
アルキルメルカプト基としては、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられる。また、アリールメルカプト基としては、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
アルキルメルカプト基としては、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられる。また、アリールメルカプト基としては、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
〔6〕置換基を有していてもよいアミノ基
置換基を有していてもよいアミノ基は、一般式
−NR1R2
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、〔2〕におけるアルキル基又はアリール基であり、R1及びR2は、共同で環を形成していてもよい。]
で表される。
置換基を有していてもよいアミノ基は、一般式
−NR1R2
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、〔2〕におけるアルキル基又はアリール基であり、R1及びR2は、共同で環を形成していてもよい。]
で表される。
R1及びR2におけるアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、アリール基は、炭素数が1〜4のアルコキシ基、炭素数が1〜4のアルキル基又はハロゲン基を有していてもよい。
置換基を有していてもよいアミノ基としては、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
〔7〕アルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基
アルキレンジオキシ基としては、メチレンジオキシ基等が挙げられる。また、アルキレンジチオ基としては、メチレンジチオ基等が挙げられる。
アルキレンジオキシ基としては、メチレンジオキシ基等が挙げられる。また、アルキレンジチオ基としては、メチレンジチオ基等が挙げられる。
〔8〕その他
置換基を有していてもよいスチリル基、置換基を有していてもよいβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいスチリル基、置換基を有していてもよいβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
Ar1及びAr4における二価の芳香族基としては、Ar2及びAr3における一価の芳香族基から誘導される基が挙げられる。
Yにおけるアルキレン基の炭素数は、通常、1〜12であり、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましい。アルキレン基は、フルオロ基、水酸基、シアノ基、炭素数が1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又は、ハロゲン基、炭素数が1〜4のアルキル基若しくは炭素数が1〜4のアルコキシ基を有するフェニル基を有していてもよい。
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、イソプロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
Yにおけるシクロアルキレン基の炭素数は、通常、5〜7である。シクロアルキレン基は、フルオロ基、水酸基、炭素数が1〜4のアルキル基、又は、炭素数が1〜4のアルコキシ基を有していてもよい。
シクロアルキレン基としては、シクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
Yにおけるアルキレンオキシ基としては、化学式
−CH2CH2O−
で表される基、化学式
−CH2CH2CH2O−
で表される基、一般式
−(OCH2CH2)nO−
(式中、nは1〜4の整数である。)
で表される基、化学式
−(OCH2CH2CH2)mO−
(式中、mは1〜4の整数である。)
で表される基等が挙げられる。
−CH2CH2O−
で表される基、化学式
−CH2CH2CH2O−
で表される基、一般式
−(OCH2CH2)nO−
(式中、nは1〜4の整数である。)
で表される基、化学式
−(OCH2CH2CH2)mO−
(式中、mは1〜4の整数である。)
で表される基等が挙げられる。
アルキレンオキシ基は、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有していてもよい。
Yにおけるビニレン基としては、一般式
−(C(R1)=CH)n−
(式中、R1は、水素原子、アルキル基(前述の〔2〕におけるアルキル基と同様)、又は、二価の芳香族基(前述のAr2及びAr3における二価の芳香族基と同じ)であり、nは1又は2である。)
で表される基、一般式
−C(R2)=CH−(CH=CH)m−
(式中、R2は、水素原子、アルキル基(前述の〔2〕におけるアルキル基と同様)、又は、二価の芳香族基(前述のAr2及びAr3における二価の芳香族基と同じ)であり、mは1〜3の整数である。)
で表される基等が挙げられる。
−(C(R1)=CH)n−
(式中、R1は、水素原子、アルキル基(前述の〔2〕におけるアルキル基と同様)、又は、二価の芳香族基(前述のAr2及びAr3における二価の芳香族基と同じ)であり、nは1又は2である。)
で表される基、一般式
−C(R2)=CH−(CH=CH)m−
(式中、R2は、水素原子、アルキル基(前述の〔2〕におけるアルキル基と同様)、又は、二価の芳香族基(前述のAr2及びAr3における二価の芳香族基と同じ)であり、mは1〜3の整数である。)
で表される基等が挙げられる。
Zにおけるアルキレン基は、Yにおけるアルキレン基と同様である。
Zにおけるアルキレンオキシ基は、Yにおけるアルキレンオキシ基と同様である。
Zにおけるアルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
電荷輸送性構造を有する一官能のラジカル重合性化合物は、一般式
−CH2CH2O−
で表される基、化学式
−CH(CH3)CH2O−
で表される基、又は、化学式
R2及びR3は、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基当量は、通常、300g/mol以上であり、400g/mol以上であることが好ましい。電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基当量が300g/mol未満であると、感光体10の電気特性が低下することがある。また、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基当量は、通常、1000g/mol以下である。
組成物中の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の含有量は、通常、20〜80質量%であり、35〜65質量%であることが好ましい。組成物中の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の含有量が20質量%未満であると、感光体10の電気特性が低下することがあり、80質量%を超えると、感光体10の耐摩耗性が低下することがある。
一般式(1)で表される化合物と電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物の総量に対する電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の質量比は、通常、3/7〜7/3であり、4/6〜6/4であることが好ましい。一般式(1)で表される化合物と電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物の総量に対する電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の質量比が3/7未満であると、感光体10の電気特性が低下することがあり、7/3を超えると、感光体10の耐摩耗性が低下することがある。
組成物は、電荷輸送性構造を有しない2官能のラジカル重合性化合物及び/又は電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性オリゴマーをさらに含んでいてもよい。
電荷輸送性構造を有しない2官能のラジカル重合性化合物としては、特に限定されないが、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性オリゴマーとしては、特に限定されないが、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物に対する、電荷輸送性構造を有しない二官能のラジカル重合性化合物及び電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性オリゴマーの質量比は、耐摩耗性の点から、通常、0.5以下であり、0.3以下であることが好ましい。
組成物は、光重合開始剤をさらに含んでいてもよい。
光重合開始剤としては、特に限定されないが、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
これら以外の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物等が挙げられる。
組成物は、光重合促進効果を有する化合物をさらに含んでいてもよい。
光重合促進効果を有する化合物としては、特に限定されないが、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
ラジカル重合性基を有する化合物の総量に対する重合開始剤の質量比は、通常、0.005〜0.4であり、0.03〜0.2であることが好ましい。
組成物は、フィラーをさらに含むことが好ましい。これにより、感光体10の耐摩耗性を向上させることができる。さらに、保護層14の表面に微細な凹凸が形成されるため、感光体10の表面に潤滑剤が付与されやすくなる。
有機フィラーを構成する材料としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アモルファスカーボン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
無機フィラーを構成する材料としては、特に限定されないが、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の金属酸化物、チタン酸カリウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
フィラーは、硬度の点から、無機フィラーであることが好ましく、フィラーを構成する材料は、静電特性の点から、金属酸化物が好ましく、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンがさらに好ましい。このとき、無機フィラーとして、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等を用いることができる。
フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満であると、感光体10の耐摩耗性が低下することがあり、0.5μmを超えると、保護層14の光の透過率が低下することがある。
組成物中のフィラーの含有量は、通常、5〜50質量%であり、5〜30質量%であることが好ましい。組成物中のフィラーの含有量が5質量%未満であると、感光体10の耐摩耗性が低下することがあり、30質量%を超えると、感光体10の電気特性や光の透過率が低下することがある。
フィラーは、表面処理剤により表面処理されていてもよい。これにより、保護層14中のフィラーの分散性を向上させることができる。
表面処理剤としては、特に限定されないが、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、シリコーン樹脂、ステアリン酸アルミニウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。また、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸と、シランカップリング剤とを併用してもよい。
表面処理剤により表面処理されている量は、通常、フィラーに対して、3〜30質量%であり、5〜20質量%が好ましい。表面処理剤により表面処理されている量が、フィラーに対して、3質量%未満であると、保護層14中のフィラーの分散性が低下することがあり、30質量%を超えると、感光体10の電気特性が低下することがある。
組成物は、可塑剤、レベリング剤等をさらに含んでいてもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等が挙げられる。
組成物中の可塑剤の含有量は、通常、20質量%以下であり、10質量%以下であることが好ましい。
レベリング剤としては、特に限定されないが、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマー等が挙げられる。
組成物中のレベリング剤の含有量は、通常、3質量%以下である。
保護層14は、組成物を含む塗布液を電荷輸送層13上に塗布した後、必要に応じて、乾燥させ、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を照射して組成物を架橋させることにより、形成することができる。
塗布液は、溶媒をさらに含んでいてもよい。
溶媒としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチルが好ましい。
ラジカル重合性基を有する化合物の総量に対する溶媒の質量比は、通常、3〜10である。
塗布液を塗布する方法としては、特に限定されないが、浸漬塗布法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法等が挙げられる。
紫外線を照射する際に、材料の分解を防ぐために、窒素ガス下で酸素濃度を下げたり、熱媒体等を用いて、冷却したりしてもよい。
紫外線を照射する光源としては、特に限定されないが、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
紫外線を照射する光量は、通常、50〜1000mW/cm2である。紫外線を照射する光量が50mW/cm2未満であると、組成物を架橋させるのに時間を要し、1000mW/cm2を超えると、感光体10の電気特性が低下することがある。
電子線を照射する場合は、光重合開始剤を添加する必要がない。
架橋条件については、特開2004−212959公報等に記載されている条件を用いることができる。具体的には、電子線の加速電圧を250kV以下とし、電子線を照射する線量を1〜20Mradとし、電子線を照射する際の酸素の濃度を10000ppm以下とすることが好ましい。
活性エネルギー線は、紫外線及び電子線(加速電子線)の他に、その他の放射線(α線、β線、γ線、X線、加速イオン等)等も含む。
組成物を架橋させた後に、残留した溶媒を低減させるために、100〜150℃で10〜30分間加熱してもよい。
保護層14は、有機溶媒に対して、不溶であることが好ましい。これにより、感光体10の耐摩耗性を向上させることができる。
保護層14の厚さは、通常、1〜30μmであり、2〜20μmであることが好ましく、3〜10μmであることがさらに好ましい。保護層14の厚さが1μm未満であると、感光体10の耐摩耗性が低下することがあり、30μmを超えると、残留電位が上昇することがある。
導電性支持体11としては、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば、特に限定されないが、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状又は円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の板又はそれらを押し出し、引き抜き等の工法で素管化した後、切削、超仕上げ、研摩等の表面処理を施した管等を用いることができる。
また、導電性支持体11としては、特開昭52−36016号公報に開示されているエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも用いることができる。
さらに、導電性支持体11としては、厚さが50〜150μmのニッケル箔、厚さが50〜150μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にアルミニウム蒸着等の導電加工を行ったものも用いることができる。
その他、導電性支持体としては、導電性粉体が結着樹脂中に分散している導電性層が形成されている支持体も用いることができる。
導電性粉体としては、特に限定されないが、カーボンブラック、アセチレンブラック、アルミニウム粉、ニッケル粉、鉄粉、ニクロム粉、銅粉、亜鉛粉、銀粉等の金属粉、導電性酸化スズ粉体、ITO粉体等の金属酸化物粉体等が挙げられる。
結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
導電性層は、導電性粉体と結着樹脂を溶媒中に溶解又は分散させた塗布液を塗布することにより形成することができる。
溶媒としては、特に限定されないが、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等が挙げられる。
導電性支持体11として、導電性粉体が分散している熱収縮チューブにより導電性層が形成されている円筒基体も用いることができる。
熱収縮チューブを構成する樹脂としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等が挙げられる。
電荷発生層12は、電荷発生物質を含み、必要に応じて、バインダー樹脂をさらに含んでいてもよい。
電荷発生物質としては、特に限定されないが、無機系材料及び有機系材料のいずれかを用いることができ、二種以上併用してもよい。
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファスセレン、セレン−テルル化合物、セレン−テルル−ハロゲン化合物、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。
有機系材料としては、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン系顔料、ナフトキノン系顔料、シアニン系顔料、アゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
電荷発生層12は、必要に応じて、低分子電荷輸送物質、高分子電荷輸送物質をさらに含んでいてもよい。
電荷発生層12を導電性支持体11上に形成する方法としては、特に限定されないが、真空薄膜作製法、キャスティング法等が挙げられる。
真空薄膜作製法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。
キャスティング法としては、浸漬塗布法、スプレーコート法、ビードコート法等が挙げられる。
キャスティング法に用いられる有機溶媒としては、特に限定されないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、乾燥が容易であることから、沸点が40℃〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールが好ましい。
キャスティング法を用いる場合は、電荷発生物質及びバインダー樹脂を含む組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させて、塗布液を製造する。
組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させる方法としては、特に限定されないが、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミル等の分散メディアを用いる分散方法、高速液衝突分散方法等が挙げられる。
電荷発生層12の厚さは、通常、0.01〜5μmであり、0.05〜2μmであることが好ましい。
電荷輸送層13は、低分子電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含み、必要に応じて、高分子電荷輸送物質をさらに含んでいてもよい。
低分子電荷輸送物質としては、特に限定されないが、正孔輸送物質、電子輸送物質等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−p−ジエチルアミノスチリルアントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等が挙げられる。
電子輸送物質としては、トリニトロフルオレノン、フルオレニリデンメタン誘導体等のフルオレン系化合物、ジフェノキノン、アントラキノン誘導体等のキノン系化合物等が挙げられる。
高分子電荷輸送物質としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
ポリ(N−ビニルカルバゾール)、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に開示されている化合物等が例示される。
ポリ(N−ビニルカルバゾール)、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に開示されている化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に開示されている化合物等が例示される。
特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に開示されている化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に開示されている化合物等が例示される。
特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に開示されている化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
ポリ(N,N−ビス(4−メチルフェニル)スチレン−4−アミン)、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に開示されている化合物等が例示される。
ポリ(N,N−ビス(4−メチルフェニル)スチレン−4−アミン)、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に開示されている化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に開示されている化合物等が例示される。
ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に開示されている化合物等が例示される。
上記以外の高分子電荷輸送物質としては、トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート、トリアリールアミン構造を有するポリウレタン、トリアリールアミン構造を有するポリエステル、トリアリールアミン構造を有するポリエーテル等が挙げられる。
このような高分子電荷輸送物質としては、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報に開示されている化合物等が挙げられる。
電子供与性基を有する高分子電荷輸送物質としては、公知の単量体との共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマー、特開平3−109406号公報に開示されている電子供与性基を有する架橋重合体等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
電荷輸送層13は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含んでいてもよい。
電荷輸送層13は、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等をさらに含んでいてもよい。
電荷輸送層13は、低分子電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含む組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させた塗布液を電荷発生層12上に塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。
有機溶媒としては、特に限定されないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、乾燥が容易であることから、沸点が40℃〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールが好ましい。
電荷輸送層13の厚さは、通常、5〜100μmであり、5〜30μmであることが好ましい。
導電性支持体11と電荷発生層12との間には、必要に応じて、下引き層を形成してもよい。
下引き層は、樹脂を含む。
樹脂は、下引き層上に塗布液を塗布して電荷発生層12を形成することを考慮すると、塗布液二含まれる有機溶媒に対する耐性の高い樹脂であることが好ましい。
このような樹脂としては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の硬化型樹脂等が挙げられる。
下引き層は、微粉末をさらに含んでいてもよい。
微粉末を構成する材料としては、特に限定されないが、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物等が挙げられる。
下引き層は、樹脂を含む組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させた塗布液を導電性支持体11上に塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。
上記以外の下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を用いて、ゾル−ゲル法により形成される金属酸化物層、陽極酸化により形成されるAl2O3層、真空薄膜作製法により形成されるポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物層、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物層等が挙げられる。
下引き層の厚さは、通常、0.1〜10μmであり、1〜5μmであることが好ましい。
図2に、感光体の他の例を示す。
感光体20は、電荷発生層12及び電荷輸送層13が順次積層されている代わりに、感光層21が形成されている以外は、感光体10と同一の構成である。
感光層21は、電荷発生物質、低分子電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含む。
感光層21は、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等をさらに含んでいてもよい。
感光層21は、電荷発生物質、低分子電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含む組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させた塗布液を導電性支持体11上に塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。
感光層21の厚さは、通常、5〜100μmであり、5〜50μmであることが好ましい。感光層21の厚さが5μm未満であると、帯電性が低下することがあり、100μmを超えると、感度が低下することがある。
電荷発生層12、電荷輸送層13、保護層14、感光層21、下引き層は、感度の低下や残留電位の上昇を防止するために、酸化防止剤をさらに含んでいてもよい。
図3に、画像形成装置の一例を示す。
感光体10は、ドラム状であり、図中、反時計回りに回転駆動される。
以下、画像形成装置100Aを用いて、画像を形成する方法について説明する。まず、除電ランプ101により感光体10の表面を除電した後、帯電器102により感光体10の表面を帯電させる。次に、露光器(不図示)により、感光体10の表面に露光光Lが照射され、静電潜像が形成された後、現像器103により、静電潜像がトナーで現像され、トナー像が形成される。さらに、転写前帯電器104により、感光体10の表面に形成されたトナー像を帯電させた後、転写帯電器106により、レジストローラ105から供給された記録紙Pにトナー像が転写される。次に、分離帯電器107により、トナー像が転写された記録紙Pを帯電させた後、分離爪108により、記録紙Pが感光体10から分離される。一方、クリーニング前帯電器109により、感光体10の表面に残留したトナーを帯電させた後、クリーニングブラシ110、クリーニングブレード111により、感光体10の表面に残留したトナーが除去される。
除電ランプ101、露光器(不図示)の光源としては、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等を用いることができる。このとき、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等を用いてもよい。
帯電器102、転写前帯電器104、転写帯電器106、分離帯電器107、クリーニング前帯電器109としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ等を用いることができる。
潤滑剤塗布ブラシ110としては、特に限定されないが、ファーブラシ、マグファーブラシ等を用いることができる。
クリーニングブレード111を構成する材料としては、特に限定されないが、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー等が挙げられる。中でも、耐摩耗性、耐オゾン性、耐汚染性の点から、ウレタンエラストマーが好ましい。
クリーニングブレード111は、硬度(JIS−A)が65〜85度であることが好ましい。
クリーニングブレード111は、厚さが0.8〜3.0mmであり、突き出し量が3〜15mmであることが好ましい。
トナーとしては、特に限定されないが、結着樹脂及び着色剤を含む母体粒子及び外添剤を有するトナーを用いることができる。
母体粒子は、離型剤、帯電制御剤等をさらに含んでいてもよい。
図4に、本発明の画像形成装置の他の例を示す。
感光体10は、ベルト状であり、駆動ローラ121、従動ローラ122及び123により、張架されており、駆動ローラ121により、図中、時計回りに回転駆動される。
以下、画像形成装置100Bを用いて、画像を形成する方法について説明する。まず、除電ランプ101によりドラム状の感光体10の表面を除電した後、帯電器102により感光体10の表面を帯電させる。次に、露光器(不図示)により、感光体10の表面に露光光Lが照射され、静電潜像が形成された後、現像器103により、静電潜像がトナーで現像され、トナー像が形成される。さらに、転写帯電器106により、記録紙(不図示)にトナー像が転写された後、クリーニングブラシ110、クリーニングブレード111により、感光体10の表面に残留したトナーが除去される。さらに、クリーニングブラシ124により、感光体10の表面に残留したトナーが除去される。
なお、クリーニングブラシ124は、クリーニングブラシ110と同一の構成である。
図5に、プロセスカートリッジの一例を示す。
プロセスカートリッジ200は、感光体10、帯電器102、現像器103、クリーニングブラシ110及びクリーニングブレード111を一体に支持し、画像形成装置の本体に着脱可能である。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されない。なお、部は、質量部を意味する。
<実施例1>
アルキッド樹脂のベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製)6部、
メラミン樹脂のスーパーベッカミン G−821−60(大日本インキ化学工業社製)4部、酸化チタンCR−EL(石原産業社製)40部及びメチルエチルケトン50部を混合し、下引き層用塗布液を得た。
アルキッド樹脂のベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製)6部、
メラミン樹脂のスーパーベッカミン G−821−60(大日本インキ化学工業社製)4部、酸化チタンCR−EL(石原産業社製)40部及びメチルエチルケトン50部を混合し、下引き層用塗布液を得た。
外径が100mmのAl製の導電性支持体上に、下引き層用塗布液を浸漬塗布法により塗布した後、130℃で20分間乾燥させ、厚さが3.5μmの下引き層を形成した。
Y型チタニルフタロシアニン6部、ブチラール樹脂BX−1(積水化学工業社製)4部及び2−ブタノン(関東化学社製)200部を混合し、電荷発生層用塗布液を得た。
下引き層上に、電荷発生層用塗布液を浸漬塗布法により塗布した後、130℃で20分間乾燥させ、厚さが0.2μmの電荷発生層を形成した。
ビスフェノールZ型ポリカーボネートのパンライトTS2050(帝人化成社製)10部、化学式
電荷発生層上に、電荷輸送層用塗布液を浸積塗布法により塗布した後、135℃で20分間乾燥させ、厚さが22μmの電荷輸送層を形成した。
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)3部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)5部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)2部、ラジカル重合性官能基当量が420g/molの化学式
電荷輸送層上に、保護層用塗布液を窒素気流中でスプレーコート法により塗布した後、10分間窒素気流中に放置して指触乾燥させた。次に、酸素濃度が2%以下となるように窒素ガスで置換したUV照射ブース内で、出力が160W/cmのメタルハライドランプを用いて、照射距離を120mm、照射強度を700mW/cm2、照射時間を80秒間として、紫外線を照射して組成物を架橋させた後、130℃で20分間乾燥させ、厚さが8μmの保護層を形成し、感光体を得た。
<実施例2>
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−6)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−6)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例3>
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例4>
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−9)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−9)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例5>
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−10)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−10)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例6>
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−5)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−5)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例7>
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が236g/molの化学式(1−3)で表される化合物アロニックスM−101A(東亞合成社製)を用い、化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−8)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が236g/molの化学式(1−3)で表される化合物アロニックスM−101A(東亞合成社製)を用い、化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−8)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例8>
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が222g/molの化学式(1−7)で表される化合物アロニックスM−5700(東亞合成社製)を用い、化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−16)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が222g/molの化学式(1−7)で表される化合物アロニックスM−5700(東亞合成社製)を用い、化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−16)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例9>
化学式(2−1)で表される化合物0.5部の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物0.3部を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物0.5部の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物0.3部を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例10>
化学式(2−1)で表される化合物0.5部の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物0.5部の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例11>
化学式(2−1)で表される化合物0.5部の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物5部を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物0.5部の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物5部を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例12>
化学式(2−1)で表される化合物0.5部の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物10部を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物0.5部の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物10部を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例13>
化学式(2−1)で表される化合物0.5部の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物15部を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物0.5部の代わりに、化学式(3−13)で表される化合物15部を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例14>
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)2部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)5部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)3部、ラジカル重合性官能基当量が448g/molの化学式
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)2部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)5部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)3部、ラジカル重合性官能基当量が448g/molの化学式
得られた保護層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例15>
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)4部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)4部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)2部、ラジカル重合性官能基当量が448g/molの化学式(III)で表される化合物10部、化学式(3−13)で表される化合物0.5部、光重合開始剤イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1部及びテトラヒドロフラン100部を混合し、保護層用塗布液を得た。
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)4部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)4部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)2部、ラジカル重合性官能基当量が448g/molの化学式(III)で表される化合物10部、化学式(3−13)で表される化合物0.5部、光重合開始剤イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1部及びテトラヒドロフラン100部を混合し、保護層用塗布液を得た。
得られた保護層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例16>
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)7部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)2部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)1部、ラジカル重合性官能基当量が448g/molの化学式(III)で表される化合物10部、化学式(3−13)で表される化合物0.5部、光重合開始剤イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1部及びテトラヒドロフラン100部を混合し、保護層用塗布液を得た。
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)7部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)2部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)1部、ラジカル重合性官能基当量が448g/molの化学式(III)で表される化合物10部、化学式(3−13)で表される化合物0.5部、光重合開始剤イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1部及びテトラヒドロフラン100部を混合し、保護層用塗布液を得た。
得られた保護層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例17>
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)8部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)1部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)1部、ラジカル重合性官能基当量が184g/molの化学式
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)8部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)1部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)1部、ラジカル重合性官能基当量が184g/molの化学式
得られた保護層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例18>
ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が407g/molの化学式(4−1)で表される化合物エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートSR415(サートマー社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が407g/molの化学式(4−1)で表される化合物エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートSR415(サートマー社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
<実施例19>
ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が319g/molの化学式(4−2)で表される化合物エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートSR9035(サートマー社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が319g/molの化学式(4−2)で表される化合物エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートSR9035(サートマー社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
<実施例20>
ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が211g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−60(日本化薬社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が211g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−60(日本化薬社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
<実施例21>
ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が117g/molのジトリメチロールプロパンテトラアクリレートSR355(サートマー社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が117g/molのジトリメチロールプロパンテトラアクリレートSR355(サートマー社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
<実施例22>
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)3部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)5部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)2部、ラジカル重合性官能基当量が448g/molの化学式(III)で表される化合物10部、化学式(3−13)で表される化合物0.5部、平均一次粒径が0.3μmのアルミナ粒子AA−03(住友化学工業社製)3部及び不飽和ポリカルボン酸ポリマーBYK−P104(BYKケミー社製)0.06部、光重合開始剤イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1部及びテトラヒドロフラン110部を混合し、保護層用塗布液を得た。
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物SR339A(サートマー社製)3部、ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)5部、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)2部、ラジカル重合性官能基当量が448g/molの化学式(III)で表される化合物10部、化学式(3−13)で表される化合物0.5部、平均一次粒径が0.3μmのアルミナ粒子AA−03(住友化学工業社製)3部及び不飽和ポリカルボン酸ポリマーBYK−P104(BYKケミー社製)0.06部、光重合開始剤イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1部及びテトラヒドロフラン110部を混合し、保護層用塗布液を得た。
得られた保護層用塗布液を用い、照射時間を100秒間として、厚さが4μmの保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<実施例23>
平均一次粒径が0.3μmのアルミナ粒子AA−03(住友化学工業社製)の代わりに、平均一次粒径が0.1μmのシリカ粒子KMPX100(信越化学工業社製)を用いた以外は、実施例22と同様にして、感光体を得た。
平均一次粒径が0.3μmのアルミナ粒子AA−03(住友化学工業社製)の代わりに、平均一次粒径が0.1μmのシリカ粒子KMPX100(信越化学工業社製)を用いた以外は、実施例22と同様にして、感光体を得た。
<実施例24>
平均一次粒径が0.3μmのアルミナ粒子AA−03(住友化学工業社製)の代わりに、平均一次粒径が0.25μmの酸化チタン粒子CR−97(石原産業社製)を用いた以外は、実施例22と同様にして、感光体を得た。
平均一次粒径が0.3μmのアルミナ粒子AA−03(住友化学工業社製)の代わりに、平均一次粒径が0.25μmの酸化チタン粒子CR−97(石原産業社製)を用いた以外は、実施例22と同様にして、感光体を得た。
<実施例25>
平均一次粒径が0.3μmのアルミナ粒子AA−03(住友化学工業社製)の代わりに、平均一次粒径が0.25μmのPTFE粒子(三井・デュポンフロロケミカル製)を用いた以外は、実施例22と同様にして、感光体を得た。
平均一次粒径が0.3μmのアルミナ粒子AA−03(住友化学工業社製)の代わりに、平均一次粒径が0.25μmのPTFE粒子(三井・デュポンフロロケミカル製)を用いた以外は、実施例22と同様にして、感光体を得た。
<比較例1>
化学式(2−1)で表される化合物を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、感光体を得た。
<比較例2>
化学式(2−1)で表される化合物を用いなかった以外は、実施例7と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物を用いなかった以外は、実施例7と同様にして、感光体を得た。
<比較例3>
化学式(2−1)で表される化合物を用いなかった以外は、実施例8と同様にして、感光体を得た。
化学式(2−1)で表される化合物を用いなかった以外は、実施例8と同様にして、感光体を得た。
<比較例4>
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式
<比較例5>
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式
<比較例6>
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式
化学式(2−1)で表される化合物の代わりに、化学式
<比較例7>
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物を用いず、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の添加量を5部に変更した以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物を用いず、ラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の添加量を5部に変更した以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
<比較例8>
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が324g/molの化学式
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が324g/molの化学式
<比較例9>
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が318g/molの化学式
ラジカル重合性官能基当量が192g/molの化学式(1−2)で表される化合物の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が318g/molの化学式
<比較例10>
ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)及びラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が150g/molの化学式
ラジカル重合性官能基当量が99g/molのトリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)及びラジカル重合性官能基当量が324g/molのジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレートKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)の代わりに、ラジカル重合性官能基当量が150g/molの化学式
<比較例11>
化学式(II)で表される化合物を用いなかった以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
化学式(II)で表される化合物を用いなかった以外は、実施例3と同様にして、感光体を得た。
次に、実施例及び比較例の感光体の露光部の電位、画像濃度のムラ、画像のボケ及び耐摩耗性を評価した。
<露光部の電位>
フルカラープリンタ RICOH Pro C900(リコー製)の改造機(コロナ帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに搭載し、ブラック単色の画像面積率が5%のA4サイズのハーフトーンテストチャートを20万枚出力した後、ベタ画像を50枚連続で出力したときの46〜50枚目の5枚のベタ画像部の電位を測定し、その平均値を露光部の電位とした。
フルカラープリンタ RICOH Pro C900(リコー製)の改造機(コロナ帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに搭載し、ブラック単色の画像面積率が5%のA4サイズのハーフトーンテストチャートを20万枚出力した後、ベタ画像を50枚連続で出力したときの46〜50枚目の5枚のベタ画像部の電位を測定し、その平均値を露光部の電位とした。
<画像濃度のムラ>
15℃、20%RHの環境下、フルカラープリンタ RICOH Pro C900(リコー製)の改造機(コロナ帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに搭載し、画像濃度のムラを評価した。具体的には、まず、ブラック単色の画像面積率が5%のA4サイズのハーフトーンテストチャートを2万枚出力した。次に、画像形成装置の本体の電源を切り、24時間経過した後、画像形成装置の本体の電源を入れ、1200dpi 2by2のブラック単色のA4サイズの全面ハーフトーン画像を出力し、コロナ帯電器の幅に相当する帯状の画像濃度のムラを評価した。なお、画像濃度のムラが発生しない場合を◎、画像濃度のムラが僅かに発生したが、実用上許容できる場合を○、画像濃度のムラが顕著に発生し、許容できない場合を×として、判定した。
15℃、20%RHの環境下、フルカラープリンタ RICOH Pro C900(リコー製)の改造機(コロナ帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに搭載し、画像濃度のムラを評価した。具体的には、まず、ブラック単色の画像面積率が5%のA4サイズのハーフトーンテストチャートを2万枚出力した。次に、画像形成装置の本体の電源を切り、24時間経過した後、画像形成装置の本体の電源を入れ、1200dpi 2by2のブラック単色のA4サイズの全面ハーフトーン画像を出力し、コロナ帯電器の幅に相当する帯状の画像濃度のムラを評価した。なお、画像濃度のムラが発生しない場合を◎、画像濃度のムラが僅かに発生したが、実用上許容できる場合を○、画像濃度のムラが顕著に発生し、許容できない場合を×として、判定した。
<画像のボケ>
NOx暴露試験機(ダイレック社製)を用いて、NO/NO2=50ppm/50ppmの雰囲気下で72時間感光体を暴露した後、フルカラープリンタ RICOH Pro C900(リコー製)の改造機(コロナ帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに搭載し、1200dpi 2by2のブラック単色のA4サイズの全面ハーフトーン画像を出力して、画像のボケを評価した。なお、画像のボケが発生しない場合を◎、画像のボケが僅かに発生したが、実用上許容できる場合を○、画像のボケが顕著に発生し、許容できない場合を×として、判定した。
NOx暴露試験機(ダイレック社製)を用いて、NO/NO2=50ppm/50ppmの雰囲気下で72時間感光体を暴露した後、フルカラープリンタ RICOH Pro C900(リコー製)の改造機(コロナ帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに搭載し、1200dpi 2by2のブラック単色のA4サイズの全面ハーフトーン画像を出力して、画像のボケを評価した。なお、画像のボケが発生しない場合を◎、画像のボケが僅かに発生したが、実用上許容できる場合を○、画像のボケが顕著に発生し、許容できない場合を×として、判定した。
<摩耗量>
常温常湿環境下、フルカラープリンタ RICOH Pro C900(リコー製)の改造機(コロナ帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに搭載し、ブラック単色の画像面積率が5%のA4サイズのハーフトーンテストチャートを20万枚出力する前後の厚さから、保護層の摩耗量を算出した。
常温常湿環境下、フルカラープリンタ RICOH Pro C900(リコー製)の改造機(コロナ帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに搭載し、ブラック単色の画像面積率が5%のA4サイズのハーフトーンテストチャートを20万枚出力する前後の厚さから、保護層の摩耗量を算出した。
<弾性変位率>
微小硬さ測定システムH−100(フィッシャーインストルメンツ製)、ビッカース圧子を用いて、22℃、55%RHの環境下で、保護層の弾性変位率を測定した。具体的には、圧子がサンプルに接触した点から一定負荷速度で圧子を押し込み(負荷過程)、設定荷重に達したときの最大変位で一定時間静止し、さらに一定除荷速度で圧子を引き上げ(除荷過程)、最終的に圧子に荷重がかからなくなった点を塑性変位とする。弾性変位率[%]は、式
[(最大変位)−(塑性変位)]/(最大変位)×100
から算出される。このとき、保護層の下層の硬度や弾性の要素の影響を減らすために、最大変位が保護層の厚さの1/8になるように規定加重を調整した。なお、弾性変位率は、サンプル上の任意の5箇所で測定し、平均値として算出した。一般的に、弾性変位率が大きい膜の方が機械的強度が大きく、耐摩耗性に優れることが知られている。
微小硬さ測定システムH−100(フィッシャーインストルメンツ製)、ビッカース圧子を用いて、22℃、55%RHの環境下で、保護層の弾性変位率を測定した。具体的には、圧子がサンプルに接触した点から一定負荷速度で圧子を押し込み(負荷過程)、設定荷重に達したときの最大変位で一定時間静止し、さらに一定除荷速度で圧子を引き上げ(除荷過程)、最終的に圧子に荷重がかからなくなった点を塑性変位とする。弾性変位率[%]は、式
[(最大変位)−(塑性変位)]/(最大変位)×100
から算出される。このとき、保護層の下層の硬度や弾性の要素の影響を減らすために、最大変位が保護層の厚さの1/8になるように規定加重を調整した。なお、弾性変位率は、サンプル上の任意の5箇所で測定し、平均値として算出した。一般的に、弾性変位率が大きい膜の方が機械的強度が大きく、耐摩耗性に優れることが知られている。
表3に、実施例及び比較例の感光体の露光部の電位、画像濃度のムラ、画像のボケ及び耐摩耗性の評価結果を示す。
一方、比較例1〜6の感光体は、一般式(2)で表される化合物又は一般式(3)で表される化合物を含まない保護層用塗布液を用いて保護層が形成されているため、印刷経時において、露光部の電位が上昇する。
比較例7〜9の感光体は、ラジカル重合性官能基当量が300g/mol以下である一般式(1)で表される化合物を含まない保護層用塗布液を用いて保護層が形成されているため、印刷経時において、画像濃度のムラ及び画像のボケが発生する。
比較例10の感光体は、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物を含まない保護層用塗布液を用いて保護層が形成されているため、耐摩耗性が低下する。
比較例11の感光体は、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含まない保護層用塗布液を用いて保護層が形成されているため、印刷経時において、露光部の電位が上昇する。
10、20 感光体
11 導電性支持体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 保護層
21 感光層
11 導電性支持体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 保護層
21 感光層
Claims (10)
- 導電性支持体上に、感光層及び保護層が順次積層されており、
前記保護層は、一般式
で表される化合物と、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と、一般式
で表される化合物又は一般式
で表される化合物とを含む組成物を架橋させて形成されており、
前記一般式(1)で表される化合物は、ラジカル重合性基当量が300g/mol以下であることを特徴とする感光体。 - 前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物に対する前記一般式(2)で表される化合物又は前記一般式(3)で表される化合物の質量比が0.005以上0.1以下であることを特徴とする請求項1に記載の感光体。
- 前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物に対する前記一般式(1)で表される化合物の質量比が1/9以上7/3以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光体。
- 前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、単官能のラジカル重合性化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感光体。
- 前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性基当量が300g/mol以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光体。
- 前記保護層は、フィラーをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の感光体。
- 前記フィラーは、金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項6に記載の感光体。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の感光体と、
該感光体を帯電させる帯電手段と、
該帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、
該感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、
該感光体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記帯電手段は、コロナ帯電器であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の感光体を有し、
画像形成装置の本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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