以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下、実施形態に基づいて本発明を説明するが、本発明は該実施の形態に限られるものではない。
図1は、第1実施形態に係る計器を含む表示装置の正面図である。なお、以下では、車両用計器を計器の一例として示し、車両用表示装置を表示装置の一例として例に説明するが、本発明の計器は車両用に限られるものではない。
図1に示すように、車両用表示装置1は、例えば運転席前方に設けられて車速等の計測値を表示するものであって、速度計10(車両用計器の一例)と、燃料計12(車両用計器の一例)とを備えている。また、車両用表示装置1は、方向指示器や各種インジケータ等についても備えている。
速度計10は、概略的に文字盤14と指針18とを備え、文字盤14上に円状配置された目盛16を、回動する指針18にて指し示すことによって車速(計測値)を表示するものである。また、燃料計12についても、速度計10と同様に、概略的に文字盤14と指針18とを備え、文字盤14上に円状配置された目盛16を、回動する指針18にて指し示すことによって燃料の残量(計測値)を表示するものである。
なお、以下の説明において燃料計12は速度計10と同様の構成を有しているため、説明を省略するものとする。また、本実施形態では、速度計10、及び残量計12を車両用計器の一例として説明するが、これに限らず、車両用計器はタコメータや水温計などであってもよい。
図2は、図1に示した速度計10を示す要部斜視図であり、図3は、図2の一部要素を示す斜視図である。なお、図2及び図3においては、説明を分かり易くするため、一部構成については透視して示すものとする。
図2に示すように、速度計10の文字盤14は、傾斜文字盤14aと水平文字盤14bとからなっている。傾斜文字盤14aは、目盛16(図示を省略する)が配されると共に視認者に対して奥行きを有する螺旋形状となるものである。具体的に、図2に示す傾斜文字盤14aは、速度が増加するに連れて、目盛16が配される上面14cの高さ(水平文字盤14bとの距離)が低くなるようにされている。
なお、図2に示す例において傾斜文字盤14aは中実の樹脂材料により構成されているが、中実に限らず中空に構成されて導光板を通じて目盛16まで光を導くように構成されていてもよい。また、傾斜文字盤14aは上面14cに印刷を施して目盛16が形成されているが、これに限らず、切り欠きによって形成されていてもよい。
水平文字盤14bは、傾斜文字盤14aを支持するものであって、例えば図1に示すように、計測対象となる物理量(図1に示すkm/h)が印刷されている。なお、第1実施形態では便宜上水平文字盤14bという名称を用いているが、水平文字盤14bは、段差部や傾斜部を有していてもよい。
また、図2に示すように、速度計10は、駆動機構20を備えている。この駆動機構20は、指針18を回動させると共に少なくとも指針先端側を奥行き方向A2に移動させることで、少なくとも指針先端側を螺旋状の傾斜文字盤14aに沿って動作させるものである。
このような駆動機構20は、図2及び図3に示すように、昇降用モータ(駆動用モータ)20aを備えている。昇降用モータ20aは、指針18の全体を奥行き方向A2に動作させるものであり、水平文字盤14bの裏面側に備えられている。この昇降用モータ20aが駆動することにより、指針18は、奥行き方向A2に移動することとなる。
この駆動機構20は、昇降用モータ20aに加えて、概略的に機構ベース20bと、ピニオン20cと、ラック20dと、雌螺子部20eとを備えている。
機構ベース20bは、駆動機構20の本体となる部材であって、一側が開放された筒状に形成されている。また、機構ベース20bは、筒の上端面及び下端面に、指針18の回転中心に設けられた指針軸22が貫通する貫通孔20b1,20b2が形成されている。また、機構ベース20bの上端面は水平文字盤14bの裏面側に接着等によって固定されている。
さらに、機構ベース20bは、雄螺子部20b3を備えている。雄螺子部20b3は、上端面が閉塞された円筒状の部材である。また、雄螺子部20b3は、筒の内側が螺子切りされて雄螺子が形成されている。
ピニオン20cは、歯竿であるラック20dに噛み合って、昇降用モータ20aの回転力をラック20dに伝達する小歯車である。なお、ピニオン20c及びラック20dの歯については図示を省略している。図2及び図3に示すように、ピニオン20cは、奥行き方向A2に回動可能に昇降用モータ20aに取り付けられている。このため、ピニオン20cは、ラック20dを奥行き方向A2に動作させる力を伝達することとなる。
ラック20dは、断面略L字状となる部材であって、詳細に円柱部20d1と円柱部20d1の下端面に接続される板部20d2とから構成されている。円柱部20d1には、柱の中心を通過するように奥行き方向A2に伸びる貫通孔20d3が形成されている。また、機構ベース20aは、ラック20dの貫通孔20d3に貫通状態で挿入されるガイド棒20b4を備えている。ガイド棒20b4の両端は、機構ベース20aの上端面内側及び下端面内側に固定状態で接続されている。このため、ラック20dは、ピニオン20cにより伝達された奥行き方向A2の力により、ガイド棒20b4に沿って奥行き方向A2に移動自在となっている。
図4は、板部20d2と指針軸22との接触部位を拡大する拡大断面図である。図4に示すように、板部20d2には、指針軸22を回転可能に保持するベアリング20d4が設けられている。このベアリング20d4は、例えば板部20d2に設けられたカラーSと、指針軸22に設けられた抜止リングRとから構成され、回動方向A1への動きは許容するが、奥行き方向A2への動きについては拘束する構成となっている。このため、ラック20dが奥行き方向A2に移動した場合には、ベアリング20d4を介して指針軸22についても回転可能な状態で奥行き方向A2に移動することとなる。
再度、図2及び図3を参照する。雌螺子部20eは、指針軸22に固定された円柱状の部材である。この雌螺子部20eは指針軸22に固定されていることから、ラック20dが奥行き方向A2に移動するのに併せて、奥行き方向A2に移動可能となっている。
また、雌螺子部20eは、雄螺子部20b3に内包されており、円柱側面が螺子切りされて雌螺子が形成されている。この雌螺子は、雄螺子部20bの雄螺子と噛み合うようになっている。さらに、ベアリング20d4は指針軸22を回動可能に保持している。このため、雌螺子部20eは、ラック20dが奥行き方向A2に移動した場合、雄螺子部20fとの噛み合いにより回動方向A1に動きながら奥行き方向A2に移動することとなる。これにより、指針18は螺旋駆動することとなる。
次に、第1実施形態に係る速度計10の動作を説明する。図5は、第1実施形態に係る速度計10の車両走行開始前の状態を示す断面図であり、図6は、第1実施形態に係る速度計10の車両走行開始後の状態を示す断面図である。
まず、車両が停止しているとする。このとき、車両のタイヤ部に設けられた車速センサからパルス信号が送信されず、CPU(Central Processing Unit)は昇降用モータ20aを駆動させない。よって、速度計10の指針18は、図5に示すように、傾斜文字盤14aの0km/hを指し示すこととなる。
次いで、車両が走行を開始すると、車速センサからパルス信号が送信される。このパルス信号は、CPUに入力される。そして、CPUは車速に応じて昇降用モータ20aを駆動させる。これにより、ラック20dは、図5に示す初期状態から裏面方向A3に移動することとなる(図6参照)。
ラック20dが裏面方向A3に移動した場合、ベアリング20d4に保持される指針軸22についても裏面方向A3に移動する。さらに、指針軸22には雌螺子部20eが固定されていることから、雌螺子部20eと雄螺子部20b3との協働により指針軸22には回転方向の力が付与される。
このため、指針18は、裏面方向A3に移動しながら回動することとなる。よって、指針18は、傾斜文字盤14aの上面14cに沿って螺旋駆動することとなる。
また、この状態から車速が減少する場合、CPUは減少した車速に応じて昇降用モータ20aを駆動させる。これにより、ラック20dは、表面方向A4に移動する。
ラック20dが表面方向A4に移動した場合、ベアリング20d4に保持される指針軸22についても表面方向A4に移動する。さらに、指針軸22には雌螺子部20eが固定されていることから、雌螺子部20eと雄螺子部20b3との協働により指針軸22には回転方向の力(車速増加時とは逆方向の力)が付与される。
このため、指針18は、表面方向A4に移動しながら回動することとなり、螺旋駆動することとなる。
このようにして、第1実施形態に係る車両用計器1によれば、目盛16が配置されると共に奥行きを有する螺旋形状となった傾斜文字盤14aを備えるため、目盛16自体が奥行き方向A2にずらされて表現され、視認者に立体的な印象を与えることができる。また、少なくとも指針先端側を傾斜文字盤14aに沿って動作させる駆動機構20を備えるため、傾斜文字盤14aと対応して指針18までもが奥行き方向A2に動くこととなる。そして、傾斜文字盤14aと指針18との協働により立体的な印象が一層協調されることとなる。従って、より一層立体的な印象を与えることができる。
また、指針18の全体を奥行き方向A2に動作させるため、指針18の全体的な移動により奥行き感を強調することができる。また、駆動用モータ20aを水平文字盤14bの裏面側に備えるため、駆動用モータ20aが表側にあることによる見栄えの低下についても防止することができる。
また、指針軸22に固定され螺子切りされた雌螺子部20eと、内側に雌螺子部20eを内包し雌螺子部20eと噛み合う螺子切りが施された雄螺子部20b3と、指針軸22の回動方向A1への動きを許容する一方、奥行き方向A2への動きを拘束し、駆動用モータ20aにより奥行き方向A2に移動可能とされたラック20dとを備える。このため、駆動用モータ20aによりラック20dが奥行き方向A2に移動させられた場合、ラック20dが指針軸22の奥行き方向A2への動きを拘束することから、指針軸22が奥行き方向A2に移動することとなり、指針18も全体的に奥行き方向A2に移動することとなる。さらに、指針軸22が奥行き方向A2に移動させられた場合、指針軸22に固定される雌螺子部20eは雄螺子部20b3との協働により回動することとなり、指針18が回動することとなる。よって、駆動用モータ20aを動作させることにより、指針18の奥行き方向A2への移動と回動とを実現することができ、1つのモータで指針18の螺旋駆動を行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る車両用計器は第1実施形態のものと同様であるが、構成が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
図7は、第2実施形態に係る速度計10を示す要部斜視図である。なお、図7には、一部構成を拡大した拡大図についても併記している。図7に示すように、第2実施形態に係る速度計10は、指針18を回動動作させると共に奥行き方向A2に動作させる駆動機構30を備えている。より詳細に駆動機構30は、指針18を回動させると共に少なくとも指針先端側を奥行き方向A2に移動させることで、少なくとも指針先端側を螺旋状の傾斜文字盤14aに沿って動作させるものである。
このような駆動機構30は、図7に示すように、駆動用モータ30aを備えている。駆動用モータ30aは、指針18の全体を奥行き方向A2に動作させるものであり、水平文字盤14bの裏面側に備えられている。この駆動用モータ30aが駆動することにより、指針18は、奥行き方向A2に移動することとなる。
この駆動機構30は、駆動用モータ30aに加えて、概略的に機構ベース30bと、駆動用ギア30cと、円筒カムギア30dとを備えている。
機構ベース30bは、駆動機構30の本体となる部材であって、一側が開放された筒状に形成されている。また、機構ベース30bは、筒の上端面及び下端面に、指針軸22が貫通する貫通孔30b1,30b2(貫通孔30b1については後述の図8,図9参照)が形成されている。また、機構ベース30bは、下端面から表面方向A4に突出する下部軸受け30b3を備えている。下部軸受け30b3は円柱状に形成されている。上記の貫通孔30b2は、下部軸受け30b3の中心を通過するように奥行き方向A2に伸びて形成されている。さらに、機構ベース30bの上端面は水平文字盤14bの裏面側に接着等によって固定されている。
加えて、機構ベース30bは、水平方向に伸びる舌片30b4を備えている。駆動用モータ30aは、この舌片30b4上に載置されている。また、駆動用モータ30aは、舌片30b4を介して駆動用ギア30cに接続されている。
駆動用ギア30cは、駆動用モータ30aの回転力を円筒カムギア30dに伝達する歯車である。図7に示すように、駆動用ギア30cは、指針18の回動方向A1と同方向に回動可能に水平に設置されている。このため、駆動用ギア30cは、円筒カムギア30dを回動方向A1に動作させる力を伝達することとなる。
円筒カムギア30dは、指針軸22に固定された筒状の部材である。この円筒カムギア30dは、筒側面に歯車が形成され、駆動用ギア30cと噛み合うようになっている。このため、駆動用モータ30aにより駆動用ギア30cが回動させられると、円筒カムギア30dも回動することとなる。また、円筒カムギア30dは、指針軸22に固定されている。よって、駆動用モータ30aが駆動することにより、指針軸22が回転して指針18が回動することとなる。
加えて、円筒カムギア30dには、筒側面に螺旋状の溝部30d1が形成されている。また、機構ベース30bは、内側に向かって伸び、円筒カムギア30dの溝部30d1に嵌るガイド棒30b5を備えている。このため、円筒カムギア30dが回動すると、ガイド棒30b5との協働により、円筒カムギア30dは奥行き方向A2に移動することとなる。より詳細に円筒カムギア30dが計測値の増加方向に回動した場合、ガイド棒30b5は溝部30d1の下壁に接触しながら円筒カムギア30dを裏面方向A3に移動させることとなる。一方、円筒カムギア30dが計測値の減少方向に回動した場合、ガイド棒30b5は溝部30d1の上壁に接触しながら円筒カムギア30dを表面方向A4に移動させることとなる。
また、円筒カムギア30dは、指針軸22に固定されていることから、円筒カムギア30dが奥行き方向A2に移動するのに併せて、指針軸22も奥行き方向A2に移動することとなる。
また、ガイド棒30b5は、溝部30d1との接触部位において自由回転可能なガイドローラ30b6を有している。これにより、溝部30d1とガイド棒ガイド棒30d5との引っ掛かりの可能性を低減している。
なお、後述の断面図において図示するが、円筒カムギア30dは、筒の上端面が閉塞しており、上端面の中心から裏面方向A3に向かって伸びる上部軸受け30d2を備えている。上部軸受け30d2は、下部軸受け30b3と同様に円柱状に形成されており、柱の中心を通過するように奥行き方向A2に伸びた貫通孔30d3が形成されている。
次に、第2実施形態に係る速度計10の動作を説明する。図8は、第2実施形態に係る速度計10の車両走行開始前の状態を示す断面図であり、図9は、第2実施形態に係る速度計10の車両走行開始後の状態を示す断面図である。
まず、車両が停止しているとする。このとき、車両のタイヤ部に設けられた車速センサからパルス信号が送信されず、CPUは駆動用モータ30aを駆動させない。よって、速度計10の指針18は、図8に示すように、傾斜文字盤14aの0km/hを指し示すこととなる。
次いで、車両が走行を開始すると、車速センサからパルス信号が送信される。このパルス信号は、CPUに入力される。そして、CPUは車速に応じて駆動用モータ30aを駆動させる。これにより、駆動用ギア30cを介して円筒カムギア30dが回動させられることとなり、指針軸22を通じて指針18が回動させられることとなる。
また、円筒カムギア30dが回動させられると、ガイド棒30d5が溝部30d1の下壁に接触しつつ円筒カムギア30dを裏面方向A3に移動させる。これにより、指針軸22が裏面方向A3に移動し、指針18は、傾斜文字盤14aの上面14cに沿って螺旋駆動することとなる(図9参照)。
このとき、ガイドローラ30d6が自由回転により溝部30d1との摩擦を和らげることとなる。すなわち、ガイドローラ30d6の自由回転により、ガイド棒30d5が溝部30d1に引っ掛かる可能性を低減して、指針18の滑らかな螺旋駆動を実現することとなる。
また、この状態から車速が減少する場合、CPUは減少した車速に応じて駆動用モータ30aを駆動させる。これにより、円筒カムギア30dが上記とは逆に回転する。そして、ガイド棒30d5が溝部30d1の上壁に接触しつつ円筒カムギア30dを表面方向A4に移動させる。これにより、指針軸22が表面方向A4に移動し、指針18は、傾斜文字盤14aの上面14cに沿って螺旋駆動することとなる。
なお、このときもガイドローラ30d6が自由回転により溝部30d1との摩擦を和らげることとなり、指針18の滑らかな螺旋駆動を実現することとなる。
このようにして、第2実施形態に係る車両用計器1によれば、第1実施形態と同様に、より一層立体的な印象を与えることができる。また、指針18の全体的な移動により奥行き感を強調することができ、見栄えの低下についても防止することができる。
また、指針軸22に固定されて円筒外壁に螺旋状に溝部30d1が形成された円筒カムギア30dと、円筒カムギア30dに噛み合って駆動用モータ30aにより回動させられる駆動用ギア30cと、溝部30d1に嵌るガイド棒30b5とを備える。このため、駆動用モータ30aにより駆動用ギア30cが回転させられると円筒カムギア30dが回転することとなり、指針軸22を通じて指針18が回動することとなる。また、螺旋状の溝部30d1にガイド棒30b5が嵌っていることから円筒カムギア30dが回転すると、円筒カムギア30dは奥行き方向A2に移動して指針18を全体的に奥行き方向A2に移動させることとなる。よって、駆動用モータ30aを動作させることにより、指針18の奥行き方向A2への移動と回動とを実現することができ、1つのモータで指針18の螺旋駆動を行うことができる。
また、ガイド棒30b5は、溝部30d1との接触部位において自由回転可能なガイドローラ30b6を有するため、溝部30d1とガイド棒30b5との引っ掛かりの可能性を低減して指針18の螺旋駆動がスムーズでなくなってしまう事態を防止することができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る車両用計器は第1実施形態のものと同様であるが、構成が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
図10は、第3実施形態に係る速度計10を示す要部斜視図であり、図11は、図10に示す一部構成の斜視図である。なお、図10及び図11においては、説明を分かり易くするため、一部構成については透視して示すものとする。
図10及び図11に示すように、第3実施形態に係る速度計10は、指針18を回動動作させると共に奥行き方向A2に動作させる駆動機構40を備えている。より詳細に駆動機構40は、指針18を回動させると共に少なくとも指針先端側を奥行き方向A2に移動させることで、少なくとも指針先端側を螺旋状の傾斜文字盤14aに沿って動作させるものである。
このような駆動機構40は、図10及び図11に示すように、昇降用モータ(駆動用モータ)40aを備えている。昇降用モータ40aは、指針18の全体を奥行き方向A2に動作させるものであり、水平文字盤14bの裏面側に備えられている。この昇降用モータ40aが駆動することにより、指針18は、奥行き方向A2に移動することとなる。
この駆動機構40は、駆動用モータ40aに加えて、概略的に指針回動用モータ40bと、モータベース40cと、機構ベース40dと、カバー40eと、ピニオン40fと備えている。
指針回動用モータ40bは、車速センサにより検出される車速に応じて指針軸22を回動させるものであって、指針18の基部側に設けられている。具体的に指針回動用モータ40bはステッパモータで構成されている。
モータベース40cは、支持板40c1とガイドピン40c2とを備えている。支持板40c1は、指針回動用モータ40bを裏面側から支持する板材である。この支持板40c1には、指針回動用モータ40bを駆動させるための回路が形成されている。ガイドピン40c2は、支持板40c1の裏面側から裏面方向A3に伸びる棒状部材である。
機構ベース40dは、駆動機構40の本体となる部材であって、基部40d1と、柱部40d2とを備えている。基部40d1は、円形状の板材である。柱部40d2は、基部40d1から表面方向A4に伸びる部材である。また、柱部40d2の表面方向A4の先端には、ガイドパイプ40d3が設けられている。ガイドパイプ40d3は、中空の筒材であって、上記のガイドピン40c2が挿入される構成となっている。また、柱部40d2には、昇降用モータ40aが取り付けられている。
カバー40eは、指針回動用モータ40b、モータベース40c、及び機構ベース40dの柱部40c2を覆って奥行き方向A2に伸びる筒部材である。このカバー40eは、表面側がドーム状に閉塞された有底筒状に形成されている。上記指針回動用モータ40bは、カバー40eのドーム部分に収納されており、モータベース40cは、ドーム部分の近傍に固定的に取り付けられている。また、カバー40eの開放側(裏面方向A3)には、奥行き方向A2に伸びるラック40e1が設けられている。ラック40e1には、ピニオン40fと噛み合う歯が形成されている。なお、ピニオン40f及びラック40e1の歯については図示を省略している。
ピニオン40fは、昇降用モータ40aにより奥行き方向A2に回動させられる小歯車である。このピニオン40fは、ラック40e1と噛み合っており、昇降用モータ40aの回転力により、ラック40e1を奥行き方向A2に移動させる。このため、昇降用モータ40aが駆動することにより、カバー40eの全体が奥行き方向A2に移動することとなり、モータベース40cを介してカバー40eに取り付けられている指針回動用モータ40bも奥行き方向A2に移動することとなる。
なお、第3実施形態において駆動機構40はカバー40eを備えているため、水平文字盤14bには、カバー40eに応じた大きさの開口が設けられている。
次に、第3実施形態に係る速度計10の動作を説明する。図12は、第3実施形態に係る速度計10の車両走行開始前の状態を示す断面図であり、図13は、第3実施形態に係る速度計10の車両走行開始後の状態を示す断面図である。
まず、車両が停止しているとする。このとき、車両のタイヤ部に設けられた車速センサからパルス信号が送信されず、CPUは昇降用モータ40a及び指針回動用モータ40bを駆動させない。よって、速度計10の指針18は、図12に示すように、傾斜文字盤14aの0km/hを指し示すこととなる。
次いで、車両が走行を開始すると、車速センサからパルス信号が送信される。このパルス信号は、CPUに入力される。そして、CPUは車速に応じて指針回動用モータ40bを駆動させる。これにより、速度計10の指針18は、図13に示すように、傾斜文字盤14aの目盛増加方向に回動することとなる。
また、CPUは車速に応じて昇降用モータ40aを駆動させる。これにより、ピニオン40fが回転して、ラック40e1を有するカバー40eは、図12に示す初期状態から裏面方向A3に移動することとなる(図13参照)。なお、このときカバー40eは、ガイドピン40c2とガイドパイプ40d3とによってガイドされることとなる。
カバー40eが裏面方向A3に移動した場合、カバー40eに取り付けられるモータベース40cも裏面方向A3に移動することとなる。よって、指針18が全体的に裏面方向A3に移動する。
以上より、指針18は、裏面方向A3に移動しながら回動することとなる。よって、指針18は、傾斜文字盤14aの上面14cに沿って螺旋駆動することとなる。
また、この状態から車速が減少する場合、CPUは減少した車速に応じて昇降用モータ40a及び指針回動用モータ40bを駆動させる。これにより、指針18は速度減少方向に回動させられると共に、ラック20dは表面方向A4に移動することとなる。
このため、指針18は、表面方向A4に移動しながら回動することとなり、螺旋駆動することとなる。
このようにして、第3実施形態に係る車両用計器1によれば、第1実施形態と同様に、より一層立体的な印象を与えることができる。また、指針18の全体的な移動により奥行き感を強調することができ、見栄えの低下についても防止することができる。
また、指針軸22を回動させる指針回動用モータ40bと、指針回動用モータ40bを支持するモータベース40cと、モータベース40cと固定的に連結され昇降用モータ40aにより奥行き方向に移動可能とされたラック40e1とを備える。このため、指針回動用モータ40bが動作することにより指針18が回動することとなる。また、昇降用モータ40aによりラック40e1が奥行き方向A2に移動させられることにより、モータベース40cを通じて指針軸22も奥行き方向A2に移動し、指針18を全体的に奥行き方向A2に移動させることができる。よって、2つのモータにより指針18の奥行き方向A2への移動と回動とを実現することとなり、2つのモータの作動条件を変えることにより、色々な文字盤形状に対応でき標準化を可能とすることができる。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態に係る車両用計器は第1実施形態のものと同様であるが、構成が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
図14は、第4実施形態に係る速度計10を示す要部斜視図である。なお、図14においては、説明を分かり易くするために、一部構成を破断させて図示するものとする。
図14に示すように、第4実施形態に係る速度計10は、指針18を回動動作させると共に奥行き方向A2に動作させる駆動機構50を備えている。より詳細に駆動機構50は、指針18を回動させると共に少なくとも指針先端側を奥行き方向A2に移動させることで、少なくとも指針先端側を螺旋状の傾斜文字盤14aに沿って動作させるものである。
このような駆動機構50は、図14に示すように、昇降用モータ(駆動用モータ)50aを備えている。昇降用モータ50aは、指針18の全体を奥行き方向A2に動作させるものであり、水平文字盤14bの裏面側に備えられている。この昇降用モータ40aが駆動することにより、指針18は、奥行き方向A2に移動することとなる。
この駆動機構50は、昇降用モータ50aに加えて、概略的に機構ベース50bと、ピニオン50cと、ラック50dと、指針回動用モータ50eと、指針回動用ギア50fと、セレーション軸ギア50gと、セレーション雌ギア(雌ギア)50hと、セレーション雄ギア(雄ギア)50iとを備えている。
機構ベース50bは、駆動機構50の本体となる部材であって、断面略凹字状(凹の開放側が横向き)の部材である。また、機構ベース50bは、上端面及び下端面に、指針軸22が貫通する上部軸受け50b1と下部軸受け50b2(後述の図15及び図16参照)が形成されている。また、機構ベース50bの上端面は水平文字盤14bの裏面側に接着等によって固定されている。
ピニオン50cは、昇降用モータ50aにより奥行き方向A2に回動させられる小歯車である。このピニオン50cは、ラック50dと噛み合っており、昇降用モータ50aの回転力により、ラック50dを奥行き方向A2に移動させるものである。
ラック50dは、断面略L字状の部材であり、L字の一方の辺部に相当する箇所に、ピニオン50cの歯と噛み合う歯が形成されている。また、L字の他方の辺部に相当する箇所には、ベアリング50d1が設けられている。ベアリング50d1は、セレーション雄ギア50iの回動方向への動きを許容し、指針軸22に奥行き方向A2への動きを拘束するものである。このため、ラック50dが昇降用モータ50aの回転力により奥行き方向A2に移動させられた場合、セレーション雄ギア50iについても奥行き方向A2に移動させられることとなる。
セレーション雄ギア50iは、指針軸22に固定されるものである。また、セレーション雄ギア50iは、ラック50dのベアリング50d1によって、奥行き方向A2の動きが拘束される一方、回動方向A1への動きが許容される構成となっている。さらに、セレーション雄ギア50iは、奥行き方向A2に伸びる歯が形成されている。
セレーション雌ギア50hは、機構ベース50bの下部軸受け50b2に設けられる筒状の回転部材であって、セレーション雄ギア50iを内包する筒状に形成されている。このセレーション雌ギア50hは、筒の内側にセレーション雄ギア50iの歯と噛み合う奥行き方向A2に伸びる歯が形成されている。
指針回動用モータ50eは、車速センサにより検出される車速に応じて指針回動用ギア50fを回動させるものである。この指針回動用ギア50fは、セレーション軸ギア50gに噛み合っている。セレーション軸ギア50gは、セレーション雌ギア50hを内包するギアであって、セレーション雌ギア50hに固定されている。
このように構成されるため、指針回動用モータ50eが指針回動用ギア50fを回動させると、セレーション軸ギア50gを通じてセレーション雌ギア50hを回動させることとなる。セレーション雌ギア50hは、奥行き方向A2に伸びる歯によってセレーション雄ギア50iと噛み合っていることから、セレーション雄ギア50iは回動することとなり、指針軸22も回動して指針18が回動方向A1に回動することとなる。なお、ラック50dのベアリング50d1は、セレーション雄ギア50iの回動方向A1への動きを許容することから、指針回動用モータ50eが指針回動用ギア50fを回動させた場合、指針18は回動方向A1に回動することとなる。
また、昇降用モータ50aが動作してピニオン50cが回動した場合、ピニオン50cを通じてラック50dを奥行き方向に移動させる。ラック50dのベアリング50d1は、セレーション雄ギア50iの奥行き方向A2の動きを拘束することから、ピニオン50cが回動した場合、セレーション雄ギア50iは奥行き方向A2に移動する。これにより、指針軸22も奥行き方向A2に移動して指針18が奥行き方向A2に移動することとなる。なお、セレーション雌ギア50hとセレーション雄ギア50iとには奥行き方向A2に沿って互いに噛み合う歯が形成されていることから、奥行き方向A2には互いに移動自在となっている。
次に、第4実施形態に係る速度計10の動作を説明する。図15は、第4実施形態に係る速度計10の車両走行開始前の状態を示す断面図であり、図16は、第4実施形態に係る速度計10の車両走行開始後の状態を示す断面図である。
まず、車両が停止しているとする。このとき、車両のタイヤ部に設けられた車速センサからパルス信号が送信されず、CPUは昇降用モータ50a及び指針回動用モータ50eを駆動させない。よって、速度計10の指針18は、図15に示すように、傾斜文字盤14aの0km/hを指し示すこととなる。
次いで、車両が走行を開始すると、車速センサからパルス信号が送信される。このパルス信号は、CPUに入力される。そして、CPUは車速に応じて指針回動用モータ50eを駆動させる。これにより、各ギア50f,50g,50h,50iを介して指針軸22が回動し、速度計10の指針18は、図16に示すように、傾斜文字盤14aの目盛増加方向に回動することとなる。
また、CPUは車速に応じて昇降用モータ50aを駆動させる。これにより、ピニオン50cが回転して、ラック50dは、図15に示す初期状態から裏面方向A3に移動することとなる(図16参照)。
ラック50dが裏面方向A3に移動した場合、ラック50dに取り付けられる指針軸22も裏面方向A3に移動することとなり、指針18が全体的に裏面方向A3に移動する。
以上より、指針18は、裏面方向A3に移動しながら回動することとなる。よって、指針18は、傾斜文字盤14aの上面14cに沿って螺旋駆動することとなる。
また、この状態から車速が減少する場合、CPUは減少した車速に応じて昇降用モータ50a及び指針回動用モータ50eを駆動させる。これにより、指針18は速度減少方向に回動させられると共に、ラック20dは表面方向A4に移動することとなる。
このため、指針18は、表面方向A4に移動しながら回動することとなり、螺旋駆動することとなる。
このようにして、第4実施形態に係る車両用計器1によれば、第1実施形態と同様に、より一層立体的な印象を与えることができる。また、指針18の全体的な移動により奥行き感を強調することができ、見栄えの低下についても防止することができる。
また、駆動機構50は、昇降用モータ50aによって奥行き方向A2に移動可能とされたラック50dと、指針軸22に固定されると共に、ラック50dによって奥行き方向A2の動きが拘束され、奥行き方向A2に伸びる歯が形成されたセレーション雄ギア50iと、セレーション雄ギア50iを内包する筒の内側にセレーション雄ギア50iの歯と噛み合う奥行き方向A2に伸びる歯が形成されたセレーション雌ギア50hと、セレーション雌ギア50hを回動させる指針回動用モータ50eとからなる。このため、昇降用モータ50aを駆動してラック50dを奥行き方向に移動させることによりセレーション雄ギア50iを奥行き方向A2に移動させ、セレーション雄ギア50iに固定される指針軸22を通じて指針18を全体的に奥行き方向A2に移動させることができる。また、指針回動用モータ50eを駆動してセレーション雌ギア50hを回動方向A1に回動させることによりセレーション雄ギア50iを回動させ、セレーション雄ギア50iに固定される指針軸22を通じて指針18を回動させることができる。このように、2つのモータにより指針の奥行き方向A2への移動と回動とを実現することとなり、2つのモータの作動条件を変えることにより、色々な文字盤形状に対応でき標準化を可能とすることができる。
次に、本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態に係る車両用計器は第1実施形態のものと同様であるが、構成が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
図17は、第5実施形態に係る速度計10を示す斜視図であり、図18は、第5実施形態に係る速度計10を示す要部断面図である。また、図19は、図17に示す構成の一部分解斜視図である。
図17及び図18に示すように、第5実施形態に係る速度計10は、指針18を回動方向A1に回動動作させると共に奥行き方向A2に動作させる駆動機構60を備えている。より詳細に駆動機構60は、図18に示すように、指針18の先端側を昇降させる傾斜機構61を指針基部側に備えている。この傾斜機構61により、傾斜文字盤14aに沿って指針18の先端側が奥行き方向A2に動作させられることとなる。
このような傾斜機構61は、軸機構61aと、突き出し部61bと、カバー部材61cとを備えている。軸機構61aは、指針先端を奥行き方向A2に回動可能に支持するものである。この軸機構61aは、図19に示すように、軸部61a1と、軸受部61a2と、ガイド部61a3と、保護カバー61a4とからなっている。
軸部61a1は、指針18の基部側において指針18から側方に伸びる突起部である。この軸部61a1は、軸受部61a2によって受け止められる構成となっている。軸受部61a2は、平面視して凹形状となっており、この凹部にて軸部61a1を保持する構成となっている。よって、第5実施形態において指針18は軸部61a1を中心にして奥行き方向A2に回動可能となっている。
また、軸受部61a2は、指針軸22の表面側に取り付けられる指針軸受け24上に形成されている。指針軸受け24は、断面略T字状に形成されており、指針軸受け24の天板部は略円形板状に形成されている。
ガイド部61a3は、指針18の奥行き方向A2への回動をガイドする部材であって、指針軸受け24の縁部に立設するU字状をなす板材である。指針18はU字部分に嵌るようになっている。
突き出し部61bは、指針18の後端に形成された突起部である。この突き出し部61bは、指針18の延在方向に沿って指針18の基部側から指針18の後方側に伸びて形成されている。このため、第5実施形態では、突き出し部61bについても軸部61a1を中心にして奥行き方向A2に回動可能となっている。また、突き出し部61bの先端には、球状の摺動部61b1が形成されている。
保護カバー61a4は、上記した軸部61a1、軸受部61a2、及びガイド部61a3を覆う表面側が有底となる筒状部材である。また、保護カバー61a4は、図19に示すように、第1切り欠きN1と第2切り欠きN2とが形成されている。第1切り欠きN1は、指針18の奥行き方向A2への回動を許容するように、筒側面から筒底面に掛けて形成されている。第2切り欠きN2は、突き出し部61bの奥行き方向A2への回動を許容するように筒側面に形成されている。
図20は、図19に示した軸機構61aを組み立てた状態を示す斜視図である。図20に示すように、軸機構61aを組み立てた場合、指針18は第1切り欠きN1を通じて保護カバー61a4から露出する。一方、突き出し部61bは、第2切り欠きN2を通じて保護カバー61a4から露出する。そして、突き出し部61bが裏面方向A3に回動した場合、軸部61a1が軸受部61a2を中心に回動して指針18の先端が表面方向A4に回動することとなる。一方、突き出し部61bが表面方向A4に回動した場合、軸部61a1が軸受部61a2を中心に回動して指針18の先端が裏面方向A3に回動することとなる。
図21は、図18に示したカバー部材61cの一部破断図であり、(a)は一部破断側面図を示し、(b)は一部破断斜視図を示している。図21に示すように、カバー部材61cは、軸機構61a及び突き出し部61bを覆う表面側が有底となる筒状部材であって、突起部61c1と、レール部61c2とを備えている。
突起部61c1は、筒の開放側端部に複数個設けられる部材である。この突起部61c1が水平文字盤14bに圧入などされることにより、カバー部材61cは水平文字盤14bの表面側に固定される。
レール部61c2は、突き出し部61bの端部(摺動部61b1)が嵌る螺旋状のレール部である。このレール部61c2は、傾斜文字盤14aにあわせた逆向きの螺旋状となっており、指針18の回動方向A1への回転に伴って突き出し部61bを奥行き方向A2に回動させるようにガイドする。
また、カバー部材61cは、図18に示すように、螺旋状の第3切り欠きN3が形成されている。この第3切り欠きN3は、傾斜文字盤14aに沿って形成されており、指針18の螺旋駆動を阻害しないように形成されている。
次に、第5実施形態に係る速度計10の動作を説明する。まず、車両が停止しているとする。このとき、車両のタイヤ部に設けられた車速センサからパルス信号が送信されず、CPUはモータM(図18参照)を駆動させない。よって、速度計10の指針18は、図17及び図18に示すように、傾斜文字盤14aの0km/hを指し示すこととなる。
次いで、車両が走行を開始すると、車速センサからパルス信号が送信される。このパルス信号は、CPUに入力される。そして、CPUは車速に応じてモータMを駆動させる。これにより、速度計10の指針18は、傾斜文字盤14aの目盛増加方向に回動することとなる。
ここで、指針18が目盛増加方向に回動した場合、突き出し部61bがカバー部材61cのレール部61c2に沿って動くこととなる。これにより、突き出し部61bの先端は回動方向A1に回動しながら表面方向A4にも回動することとなる。そして、軸機構61aを介して指針18の先端側は奥行き方向A2(裏面方向A3)に回動する。
以上より、指針18の先端は、裏面方向A3に移動しながら回動方向A1(目盛増加方向)に回動することとなる。よって、指針18の先端は、傾斜文字盤14aの上面14cに沿って螺旋駆動することとなる。
また、この状態から車速が減少する場合、CPUは減少した車速に応じてモータMを駆動させる。これにより、指針18は速度減少方向に回動させられると共に、突き出し部61bがカバー部材61cのレール部61c2に沿って動くことにより、指針18の先端側は表面方向A4に回動する。
よって、指針18の先端は、表面方向A4に回動しながら回動方向A1(目盛減少方向)に回動することとなり、螺旋駆動することとなる。
このようにして、第5実施形態に係る車両用計器1によれば、第1実施形態と同様に、より一層立体的な印象を与えることができる。
また、指針基部と指針先端との奥行き方向A2の位置が異なるように指針18を傾斜させるため、視認者には指針18の先端側と基部側との奥行き方向A2の位置が異なって見えることとなり、指針18自体を立体的に表現して一層奥行き感を強調することができる。
また、傾斜機構61は、指針先端を奥行き方向A2に回動可能に支持する軸機構61aと、指針18の後端に形成された突き出し部61bと、突き出し部61bの端部が嵌る螺旋状のレール部61c2を有したカバー部材61cとを備える。このため、指針18を回動方向A1に回動させると、指針後端側の突き出し部61bがカバー部材61cの螺旋状のレール部61c2に沿って動く。レール部61c2は螺旋状であることから、突き出し部61bの先端は奥行き方向A2に移動することとなる。そして、突き出し部61bが奥行き方向A2に移動することから、軸機構61aを介して指針先端が突き出し部61bとは逆の奥行き方向A2に回動することとなる。これにより、指針先端が奥行き方向A2に回動することとなる。従って、1つのモータで指針18の螺旋駆動を実現することができる。
次に、本発明の第6実施形態を説明する。第6実施形態に係る車両用計器は第5実施形態のものと同様であるが、構成が一部異なっている。以下、第5実施形態との相違点について説明する。
図22は、第6実施形態に係る速度計10を示す斜視図であり、図23は、第6実施形態に係る速度計10を示す要部断面図である。また、図24は、図22に示す構成の一部分解斜視図である。
図22に示すように、第6実施形態に係る速度計10は、指針18を回動方向A1に回動動作させると共に奥行き方向A2に動作させる駆動機構70を備えている。より詳細に駆動機構70は、図23に示すように、指針18の先端側を昇降させる傾斜機構71を指針基部側に備えている。この傾斜機構71により、傾斜文字盤14aに沿って指針18の先端側が奥行き方向A2に動作させられることとなる。
傾斜機構71は、軸機構71aと、可動式アーム1bと、モータケース71cと、カバー部材71dとを備えている。軸機構71aは、図24に示すように、軸部71a1と、軸受部71a2と、ガイド部71a3と、保護カバー71a4とからなっている。なお、これら各部71a1〜71a4は第5実施形態のものと同様である。また、カバー部材71dについても第5実施形態のものと同様である。
可動式アーム71bは、指針18の後端に形成されて水平文字盤14bを通して裏面側に突出する部材である。この可動式アーム71bは、基部71b1と、突き出し部71b2とから構成されている。
基部71b1は、図24に示すように、指針18の基部から後方に向けて伸びる棒状部材である。この基部71b1の先端には、凹部Cが形成されている。凹部Cは、基部71b1の先端面が刳り貫かれるように且つ横向きに形成されて、軸受けを形成している。
突き出し部71b2は、略W字形状の棒状部材であって、Wの一端が基部71b1と接続される構成となっている。具体的に突き出し部71b2の一端には、水平方向に伸びる軸Aを有し、この軸Aが基部71b1の凹部Cに嵌ることにより突き出し部71b2が基部71b1に接続される構成となっている。また、突き出し部71b2の他端には拡大部Eが形成されている。この拡大部Eは、突き出し部71b2の他の部分よりも断面形状が拡大している。
なお、第6実施形態においても第5実施形態と同様に、指針18及び可動式アーム71bが保護カバー71a4から露出することとなる。
モータケース71cは、水平文字盤14bの裏面側に設けられたモータM(図23参照)を保護するものである。このモータケース71cは、筒状に形成されると共に水平文字盤14bの裏面側に固定されている。
図25は、図22に示したモータケース71cの主要部を示す斜視図である。図25に示すように、モータケース71cは、指針軸挿通部71c1と、レール部71c2とを有している。
指針軸挿通部71c1は、指針軸22が挿通される部位であり、開口部Oが形成されている。また、指針軸挿通部71c1は開口部Oの周囲に保護壁Wを有している。
レール部71c2は、可動式アーム71bの端部が嵌る螺旋状の切り欠きである。このレール部71c2は、傾斜文字盤14aにあわせた逆向きの螺旋状となっており、指針18の回動方向A1への回転に伴って可動式アーム71bを奥行き方向A2に移動させるようにガイドする。
なお、可動式アーム71bは、突き出し部71b2の拡大部Eがレール部71c2を介してモータケース71cの外側に露出している。また、レール部71c2の幅は拡大部Eよりも小さく、拡大部Eはケース内に入り込むことがないようになっている。
次に、第6実施形態に係る速度計10の動作を説明する。まず、車両が停止しているとする。このとき、車両のタイヤ部に設けられた車速センサからパルス信号が送信されず、CPUはモータMを駆動させない。よって、速度計10の指針18は、図22及び図23に示すように、傾斜文字盤14aの0km/hを指し示すこととなる。
次いで、車両が走行を開始すると、車速センサからパルス信号が送信される。このパルス信号は、CPUに入力される。そして、CPUは車速に応じてモータMを駆動させる。これにより、速度計10の指針18は、傾斜文字盤14aの目盛増加方向に回動することとなる。
ここで、指針18が目盛増加方向に回動した場合、突き出し部71b2がモータケース71cのレール部71c2に沿って動くこととなる。これにより、突き出し部71b2の先端(拡大部E)は回動方向A1に回動しながら表面方向A4に移動することとなる。そして、基部71b1と突き出し部71b2との接続部位を奥行き方向A2に回動させることとなり、軸機構71aを介して指針18の先端側は奥行き方向A2(裏面方向A3)に回動する。
以上より、指針18の先端は、裏面方向A3に回動しながら回動方向A1(目盛増加方向)に回動することとなる。よって、指針18の先端は、傾斜文字盤14aの上面14cに沿って螺旋駆動することとなる。
また、この状態から車速が減少する場合、CPUは減少した車速に応じてモータMを駆動させる。これにより、指針18は速度減少方向に回動させられると共に、突き出し部71b2の先端(拡大部E)が速度減少方向に回動しながら裏面方向A3に移動する。これにより、指針18の先端側は表面方向A4に回動することとなる。
このため、指針18の先端は、表面方向A4に回動しながら回動方向A1(目盛減少方向)に回動することとなり、螺旋駆動することとなる。
このようにして、第6実施形態に係る車両用計器1によれば、第5実施形態と同様に、より一層立体的な印象を与えることができる。また、指針18自体を立体的に表現して一層奥行き感を強調することができる。
また、傾斜機構71は、指針先端を奥行き方向A2に回動可能に支持する軸機構71aと、指針18の後端に形成されて水平文字盤14bを通して裏面側に突出する可動式アーム71bと、可動式アーム71bの端部が嵌る螺旋状のレール部71c2を有したモータケース71cとを備える。このため、指針18を回動方向A1に回動させると、指針後端側の可動式アーム71bがモータケース71cの螺旋状のレール部71c2に沿って動く。レール部71c2は螺旋状であることから、可動式アーム71bの先端は奥行き方向A2に移動することとなる。そして、可動式アーム71bが奥行き方向A2に移動することから、軸機構71aを介して指針先端が可動式アーム71bとは逆の奥行き方向A2に回動することとなる。従って、1つのモータで指針18の螺旋駆動を実現することができる。特に、モータケース71cが螺旋状のレール部71c2を有していることから、このレール部71c2を別部材に設ける必要が無く、部品点数の増加を抑えることもできる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、本実施形態において傾斜文字盤14aは、計測値が増加するにつれて水平文字盤14bに対する高さが小さくなるように構成されているが、これに限らず、計測値が増加するにつれて水平文字盤14bに対する高さが大きくなるように構成されていていてもよい。
また、本実施形態において螺旋形状とは1方向に伸びる螺旋でなくともよく、例えば1方向に伸びる螺旋と反対方向に伸びる螺旋との結合であってもよい。すなわち、視認者から最も奥まって見える目盛は計測値の最大値や最小値に限らず、これら値の間の中間値であってもよい。より詳細に説明すると、図1において視認者から最も奥まって見える目盛は時速180kmであるが、これに限らず時速0km及び180kmが最も手前に見え、時速100kmが最も奥まって見えるように構成されていてもよい。
さらに、傾斜文字盤14aは、一部に水平面を有していてもよい。特に、傾斜文字盤14aの螺旋形状は、全体的な意味で螺旋であればよく、例えば階段状に形成された略螺旋形状であってもよい。
また、本実施形態において傾斜文字盤14aの目盛16は、略円形に配置されていればよく、真円上に配置される必要はない。特に、車両用計器1が傾斜機構61,71を備える例において、指針18が0km/hを指し示す場合と180km/hを指し示す場合とでは、正面視したときの指針18の長さが異なってしまう。よって、目盛16は、正面視したときの指針18の長さにあわせて配置するようにしてもよい。すなわち、車両用計器1が傾斜機構61,71を備える例において、目盛16が高速側ほどやや外側に配されるようになっていてもよい。
さらに、本実施形態では、指針18の少なくとも先端側が奥行き方向A2に移動するが、この奥行き方向A2は、視認者の視認方向と全くの同一でなくともよく、視認方向に対して多少の角度を有していてもよい。一例を挙げると、特許文献1のように、視認方向と直交する平面に対して傾いて設けられる車両用表示装置については、その傾き分だけ奥行き方向A2が視認方向に対して角度を有することとなる。本発明は、このような特許文献1に示す車両用表示装置に適用してもよいといえる。
また、上記実施形態において、溝部30d1は、底を有する溝であってもよいし、底が無い貫通孔のような溝であってもよい。