JP2014141817A - 外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミン - Google Patents

外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミン Download PDF

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Abstract

【課題】建築物のコンクリート外皮に貼付けられたタイルの意匠性を損なうことなく,該タイルの剥落を防止することができる外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンを提供する。
【解決手段】外壁タイル面または目地にアンカーピンを打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着し,該アンカーピンの頭部及び外壁タイル面及び目地にアクリルシリコン樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し,該透明プライマー層の上に,無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強短繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成し,該透明補強層の上に,光安定剤と紫外線吸収剤とを含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成したことを特徴とする外壁タイル剥落防止構造である。
【選択図】図1

Description

本発明は,既存の建築物に施工された外壁タイルが,地震等の振動や接着層の経年劣化により躯体から剥離して地上等に落下することを防止する外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンに関する。
従来、コンクリート建築物には、コンクリートの中性化を効果的に防止するためや,意匠性を付与するため等を目的としてコンクリート外皮面にタイルを貼り付ける場合がある。しかし,タイルのコンクリート外皮への貼り付けはセメントモルタルを主体とした貼付けモルタルを使用することが多いため,自動車の通行や地震,風による振動や貼付けモルタルの冷熱繰り返しや水分による経年劣化等により,タイルがコンクリート外皮より剥離して地上等に落下することがある。
これを防止するため,建築物用外壁の施工方法及びその外壁が提案されている(特許文献1)。該建築物用外壁の施工方法は,基礎外壁の表面にタイルを配設した建築物用外壁において,前記タイルの浮きによる剥離のある部位の表面に下地材としてのラテックスモルタルを薄く塗布し,その後,その表面にネットを配置し,次に該ネットの上から前記基礎外壁にピンを打ち込み,その頭部の周囲に広がる一枚のフランジで前記ネットを押えると共に,該ネットの面と前記ピンの頭部とを略面一にし,次いで,該ピンおよび前記ネットの上面に,該ネットおよび前記ピンがかくれるように,再度,ラテックスモルタルを塗布することを特徴とするものである。また,特許文献1のその外壁とは,基礎外壁の表面にタイルを配設した建築物用外壁において,前記タイルの表面にラテックスモルタルの薄い層を形成し,該ラテックスモルタルの上面にネットを配設すると共に,該配設したネットの複数箇所を,頭部に,周囲に広がる一枚のフランジを備えたピンによって押え,該ピンを前記基礎外壁に固定し,該ピンの頭部と前記ネットの面とを略面一に配置し,該ネットの上にラテックスモルタルの層を形成したことを特徴する建築物用外壁である。
一方,既存外装タイル壁面の持つ色調や色合いの外観を残したまま,タイル片の剥落防止効果を効果的に付与し,意匠性を回復し,汚れ防止機能を付与し,防水性の強化を図ることが可能な,既存外装タイル壁面の補修方法が提案されている(特許文献2)。かかる既存外装タイル壁面の補修方法は,既存外装タイル壁面に透明性プライマーを塗付してプライマー層を形成し,該プライマー層に透明アクリル系樹脂エマルションを主成分とする主材塗料を複数回塗布して主材層を形成し,該主材層に透明性トップコート塗料を塗布してトップコート層を形成する既存外装タイル壁面の補修方法であって,前記主材塗料には,補強短繊維が配合され,粘度が20000〜70000mPa・sであり,チキソトロピー指数が4.0〜10.0であることを特徴とする既存外装タイル壁面の補修方法である。
特公平8−14182号公報 特開2007−247279号公報
しかしながら,特許文献1に示される建築物用外壁の施工方法及びその外壁は,タイル表面にラテックスモルタルを少なくとも2層塗布するため,意匠性を有するタイルがラテックスモルタルで覆われることになってタイルによって付与された意匠が損なわれるという課題があり,またネットを捩れや弛みの無いように全面に配置する必要があるため,その施工が難しい,という課題がある。
また,特許文献2に示される既存外装タイル壁面の補修方法は,透明アクリル系樹脂エマルションを主成分とする主材塗料を複数回塗布して主材層を形成するため,施工工程が多いという課題があり,また施工温度で造膜させることが必要な一液型のアクリル系樹脂エマルションを塗布するため,該アクリル系樹脂のガラス転移温度Tgは低く,建物の南面等で直射日光が当たる部位において補修面が50℃以上となる場合は,その温度における引張強度は低いものとなり,仮に塗布厚みが薄い部分があると,その部分では剥落しようとするタイルを十分に保持する剛性が不足する場合があるという課題がある。また補修面の温度上昇がない場合であっても,主材層は複数回塗布されたアクリル系樹脂エマルションが乾燥成膜した層であるため,初期の引張強度を高くすることは難しく,結果として長期間による紫外線の影響で,剥落状態にあるタイルを十分に保持する剛性が不足する場合があるという課題がある。
本発明が解決しようとする課題は、建築物のコンクリート外皮に貼付けられたタイルの意匠性を損なうことなく,該タイルの剥落を防止し,施工工程数が従来より少なく,また透明補強層の初期の強度を高くすることによって,建築物の外壁面の温度が上昇したり,紫外線により透明補強層の劣化が生じた場合であっても,十分にタイルの剥落を防止することができる外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンを提供することにある。
請求項1記載の発明は,外壁タイル面または目地にアンカーピンを打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着し,該アンカーピンの頭部及び外壁タイル面及び目地にアクリルシリコン樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し,該透明プライマー層の上に,無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強短繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成し,該透明補強層の上に,光安定剤と紫外線吸収剤とを含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成したことを特徴とする外壁タイル剥落防止構造を提供する。
請求項2記載の発明は,外壁タイル面または目地にアンカーピンを打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着し,該アンカーピンの頭部及び外壁タイル面及び目地にアクリルシリコン樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し,該透明プライマー層の上に,無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強短繊維と光安定剤と紫外線吸収剤とを含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成し,該透明補強層の上に,光安定剤と紫外線吸収剤とを含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成することを特徴とする外壁タイル剥落防止工法を提供する。
請求項3記載の発明は,請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造の光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり,紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造を提供する。
請求項4記載の発明は,請求項2記載の外壁タイル剥落防止工法の光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり,紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項2記載の外壁タイル剥落防止工法を提供する。
請求項5記載の発明は,脂環式ポリアミンは式I:
Figure 2014141817

(式中Xはイソシアネート基に対して不活性であり,脂環式炭化水素に結合したm個の第1級アミノ基を含む数平均分子量88〜400の有機ポリアミンから第1級アミノ基を除去することにより得られるm価基であり,R及びRは同一または異なっていて,炭素原子数1〜18の有機基であり,mは少なくとも2の整数である)で表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の外壁タイル剥落防止構造を提供する。
請求項6記載の発明は,脂環式ポリアミンは前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項2または請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法を提供する。
請求項7記載の発明は,請求項1または請求項3記載の外壁タイル剥落防止構造に使用する脂環式ポリアミンであって,前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミンを提供する。
請求項8記載の発明は,請求項2または請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法に使用する脂環式ポリアミンであって,前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミンを提供する。
本発明の請求項1,請求項3及び請求項5記載の外壁タイル剥落防止構造は,外壁タイル面または目地にアンカーピンを打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着するため,外壁タイルは直接アンカーピンでコンクリート躯体に固定されるか目地を介してコンクリート躯体に固定される効果がある。またアンカーピンの頭部と外壁タイル面及び目地にアクリルシリコン樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し,該透明プライマー層の上には透明なポリウレア樹脂塗材が塗付されて透明補強層が形成されるため,透明補強層は透明プライマー層とアンカーピン頭部とアンカーピンを介してコンクリート躯体と一体化する効果がある。特に透明補強層を形成しているポリウレア樹脂塗材は従来のアクリル系樹脂エマルションと比較してより高強度であるため,壁面の温度が上昇して透明補強層の温度が上昇しても高い剛性を保持し,確実に外壁タイルの剥落を防止する効果がある。
また,透明補強層は補強短繊維を含むため,無黄変イソシアネートと脂環式ポリアミンが反応して形成される塗膜を補強短繊維がさらに補強する効果があり,特に透明補強層が南側壁面にある際,日射により透明補強層の温度が上昇しても強度低下が少なく,確実に外壁タイルの剥落を防止する効果がある。
また,透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材は,無黄変イソシアネートと脂環式ポリアミンの反応により成膜し,本発明で使用する脂環式ポリアミンは超速硬化である脂肪族アミンと比較して反応が遅いため鏝等で施工できるという効果がある。また一般的に可使時間を確保するために使用されるが硬化反応が遅い芳香族アミンと比較して,硬化塗膜は黄変することが少ないという効果がある。
また透明補強層の上にはアクリルシリコン樹脂塗材を塗布して形成された透明保護層を有し,透明補強層と透明保護層には光安定剤と紫外線吸収剤を含むため,透明補強層及び透明保護層は紫外線の劣化を受けにくく,長期にわたって強度の低下が少ないという効果があり,上記同様に長期にわたって確実に外壁タイルの剥落を防止する効果がある。
また,タイルの上に施工される透明プライマー層,透明補強層,透明保護層はすべて透明であるため,意匠性を有する外壁タイルの該意匠性を保ったまま,外壁タイルの剥落を防止することができるという効果がある。
また,本発明の請求項2,請求項4及び請求項6記載の外壁タイル剥落防止工法は,上記請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造が有する効果のほか,透明プライマー層上の透明補強層を形成する塗材は,無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンから成るポリウレア樹脂塗材であるため,鏝等で塗付可能な可使時間を有する効果がある。
また,本発明の請求項3記載の外壁タイル剥落防止構造は,特に,請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造の光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤であり,紫外線吸収剤がヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であることより,長期にわたって透明補強層及び透明保護層の黄変と強度低下を防止する効果がある。
また,本発明の請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法は,特に,請求項2記載の外壁タイル剥落防止工法の光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤であり,紫外線吸収剤がヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であることより,長期にわたって透明補強層及び透明保護層の黄変と強度低下を防止する効果がある。
また,本発明の請求項7記載の脂環式ポリアミンは,請求項1または請求項3記載の外壁タイル剥落防止構造に使用するものであるため,脂肪族アミンを使用した場合と比較して鏝等で塗付する際の可使時間を確保することが出来る効果があり,芳香族アミンと比較して硬化塗膜が黄変することが少ないという効果がある。
また,本発明の請求項8記載の脂環式ポリアミンは,請求項2または請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法に使用するものであるため,脂肪族アミンを使用した場合と比較して鏝等で塗付する際の可使時間を確保することが出来る効果があり,芳香族アミンと比較して硬化塗膜が黄変することが少ないという効果がある。
本発明に係る外壁タイル剥落防止構造の断面状態図である。
以下本発明について詳細に説明する。
図1は,請求項1,請求項3または請求項5に記載の外壁タイル剥落防止構造20の断面状態図である。1は外壁タイルが貼り付けられているコンクリート建築物の外皮であるコンクリート躯体であり,該コンクリート躯体1には貼付モルタル2により外壁タイル3が貼り付けられている。外壁タイル3のタイル面の略中央部にはアンカーピン4が打ち込まれている。
アンカーピン4は,外壁タイル3と貼付モルタル2とコンクリート躯体1に連続して穿孔されたアンカー孔5に圧入され,アンカーピン4の螺子状の足部4aが貼付モルタル2とコンクリート躯体1部分にあるアンカー孔5に配設されている。該足部4aの周囲にはエポキシ樹脂接着剤6が充填されて固化することで,アンカーピン4はコンクリート躯体1に固着されている。
アンカーピン4には薄いフランジ状の頭部4bが形成され,該頭部4bのフランジ部分の裏側が外壁タイル3のタイル面と当接して外壁タイル3をコンクリート躯体1側に押さえるように固着保持している。
アンカーピン4の頭部4bと足部4aとの中間部分には,足部4aの軸径より太く頭部4bのフランジ径より細い径のタイル圧入部4cが形成され,該タイル圧入部4cには,複数の小さなフランジ4dが設けられていて,アンカー孔5にアンカーピン4を圧入することで該フランジ4dが変形し潰されることで外壁タイル3にアンカーピン4が固着されるように成っている。
アンカーピン4の頭部4b及び外壁タイル4のタイル面及び目地7にはアクリルシリコン樹脂プライマーが塗付されて透明プライマー層8が形成され,該透明プライマー層8の上には,無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強短繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材が塗付されて透明補強層9が形成されている。
透明補強層9の上には,光安定剤と紫外線吸収剤とを含むアクリルシリコン樹脂塗材が塗付されて透明保護層10が形成されている。
請求項1,請求項3または請求項5記載の外壁タイル剥落防止構造20は上記のように形成されているが,請求項2,請求項4または請求項6記載の外壁タイル剥落防止工法は,該外壁タイル剥落防止構造20を形成するための施工方法に係る工法である。
次に,請求項1,請求項3または請求項5記載の外壁タイル剥落防止構造及び請求項2,請求項4,請求項6記載の外壁タイル剥落防止工法に使用されるアクリルシリコン樹脂プライマー,ポリウレア樹脂塗材及びアクリルシリコン樹脂塗材について詳しく説明する。
アクリルシリコン樹脂プライマー
本願発明に使用される透明プライマー層を形成するアクリルシリコン樹脂プライマーは,アルコキシシリル基とヒドロキシル基を有するアクリルシリコンオリゴマーを主剤とし,硬化剤として無黄変のイソシアネートプレポリマーを使用することができ,主剤と硬化剤は塗付直前に十分に混合して使用する。塗膜は主剤のヒドロキシル基と硬化剤のイソシアネート基が反応することで形成されると同時に,主剤のアルコキシシリル基の脱アルコール反応が外壁タイル及び金属製のアンカーピンの頭部または該頭部に塗付されたアクリルシリコン樹脂塗料に対して良好な付着性を発現する。主剤のヒドロキシル基の含有量を,水酸基価(OH価)として試料1g中に含まれるOH基をアセチル化するために必要とする水酸化カリウムのmgで表わすと,該水酸基価は2〜40が好ましい。水酸基価が2未満ではアクリルシリコン樹脂プライマーの上に塗布されるポリウレア層との接着性が不十分となり,40超では下地となる外壁タイルとの接着性が不十分となる。
主剤のアルコキシリル基含有量は,5重量%〜25重量%が好ましい。5重量%未満では耐候性が低下し,25重量%超では粘度増加により作業性が低下する。市販のアクリルシリコンオリゴマーとしては,カネカゼムラックYC4611(商品名,シロキサン架橋形反応性ポリマー,粘度2000mP・s/23℃,アルコキシリル基含有量;10重量%,水酸基価;15,株式会社カネカ製)がある。
無黄変イソシアネートプレポリマーには,ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族2官能イソシアネートや,イソホロンジイソシアネート(IPDA)等の脂環式2官能イソシアネートや,4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や4,4´―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水素化MDI)等を多価アルコールでプレポリマー化したものを使用することができる。NCO重量%は,15重量%〜25重量%が好ましく,15重量%未満および25重量%超ではアクリルシリコン樹脂プライマーの上に塗布されるポリウレア層との接着性が不十分となる。市販の無黄変イソシアネートプレポリマーとしては,デュラネートTSA100(商品名,HDI系イソシアネートプレポリマー,重量平均分子量(Mw);700,NCO重量%;20.6重量%,旭化成ケミカルズ(株)製)がある。
主剤の水酸基価から算出されるOH当量と,硬化剤のNCO重量%から算出されるNCO当量とからそれぞれ導かれるOH基とNCO基の比である当量比(OH基/NCO基)は0.9〜1.2が好ましく,より好ましくは1.0〜1.1である。0.9未満ではアクリルシリコン樹脂プライマーの上に塗布されるポリウレア層との接着性が不十分となり,1.2超では下地となる外壁タイルとの接着性が不十分となる。1.0未満ではアクリルシリコン樹脂プライマーの上に塗布されるポリウレア層との接着性が不十分となる傾向があり,1.1超では下地となる外壁タイルとの接着性が不十分となる傾向がある。
ポリウレア樹脂塗材
本願発明に使用される透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材は,無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強短繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含み,無黄変イソシアネートプレポリマーには上述のものを使用することができる。脂環式ポリアミンは,イソホロンジアミン等の少なくとも一つのアミノ基がシクロヘキサン環等に直接結合しているポリアミンであり,第1級アミノ基を含まない第2級アミノ基のみを有するアミンが使用される。重量平均分子量(理論値)は300〜1000が好ましい。300未満では可使時間が短くなって施工性が不良となり,1000超では反応速度が低下し、指触乾燥までの時間および塗膜強度の立ち上がりが遅延する。第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンを使用することによって初めて,ポリウレア樹脂塗材を鏝等で塗付することが可能な可使時間を十分に確保することができ,さらには無黄変イソシアネートプレポリマーと組み合わせて使用することにより,硬化塗膜が紫外線で黄変することが無い。
脂環式ポリアミンは前記式Iで表され,X,R,R,mが上記のとおりの1種以上のポリアミンである。この脂環式ポリアミンはポリアスパラギン酸エステルまたはポリアスパルテートであり,mは2が好ましい。Xが炭素数6〜30の2価の炭化水素基,たとえば4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(シクロヘキシルアミン)),3,3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)),1−アミノー3,3,5−トリメチルー5−アミノメチルシクロヘキサン、ヘキサヒドロ−(少なくとも2,4−ジアミノトルエンまたは2,6−ジアミノトルエンのいずれかを含む),異性C−モノメチルジアミノジシクロヘキシルメタン及び3(4)−アミノメチルー1−メチルシクロヘキシルアミンから1級アミノ基を除去することにより得られる基を表すポリアスパラギン酸エステルを好適に使用するすことができる。特にはXが4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(シクロヘキシルアミン))または3,3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))から1級アミノ基を除くことにより得ることができる2価の炭化水素基を表す式Iの化合物がより好ましい。
式Iで表される脂環式ポリアミンはR及びRがメチル,エチル,n−ブチルまたは2−エチルヘキシルが好ましく,式X−(−NH)mで表される1級ポリアミンを式ROOC−CH=CH−COORで表されるマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと反応させることにより製造される。
4,4’メチレンビスシクロヘキシルアミン1モルをマレイン酸ジエチル2モルとを反応させて得られる,市販の第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンとしては,フジキュア8111(商品名,4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン・マレイン酸ジエチル付加物,重量平均分子量(Mw);548(理論値),粘度2000mP・s/23℃,株式会社T&K TOKA製)があり,4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)1モルとマレイン酸ジエチル2モルとを反応させて得られる,市販の第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンとしては,フジキュア8111G(商品名,4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)・マレイン酸ジエチル付加物,重量平均分子量(Mw);578(理論値),粘度;2000mP・s/23℃,株式会社T&K TOKA製)がある。
無黄変イソシアネートプレポリマーには,ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族2官能イソシアネートや,イソホロンジイソシアネート(IPDA)等の脂環式2官能イソシアネートや,4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や4,4´―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水素化MDI)等を多価アルコールでプレポリマー化したものを使用することができる。NCO重量%は,5重量%〜20重量%が好ましく,より好ましくは10重量%〜15重量%である。5重量%未満では塗膜強度が不十分なり,20重量%超では塗膜の伸びが低下する。10重量%未満では塗膜強度が不十分となる傾向があり,15重量%超では塗膜の伸びが低下する傾向がある。市販の無黄変イソシアネートプレポリマーとしては,デュラネートTSE100(商品名,HDI系イソシアネートプレポリマー,重量平均分子量(Mw);6000,NCO重量%;12重量%,旭化成ケミカルズ(株)製)がある。
無黄変イソシアネートプレポリマーのNCO基と脂環式アミンの活性水素基の当量比(NCO基/活性水素基)は1.0〜1.4が好ましく,より好ましくは1.1〜1.3である。1.0未満では主剤と硬化剤を混合後の粘度上昇が速くなり可使時間が短くなる。1.4超では指触乾燥までの時間および塗膜強度の立ち上がりが遅延する。1.1未満では主剤と硬化剤を混合後の粘度上昇が速くなり可使時間が短くなる傾向があり,1.3超では指触乾燥までの時間および塗膜強度の立ち上がりが遅延する傾向がある。
無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンは,既に形成された透明プライマー層の上に該ポリウレア樹脂塗材を塗付する直前に十分に混合して使用する。
本願発明に係るポリウレア樹脂塗材に含まれる補強短繊維は,平均繊維長25〜100μm,繊維径1〜20μmのビニロン,ナイロン,ガラス製の短繊維を使用することができ,無黄変イソシアネートプレポリマー及び脂環式ポリアミンの合計100重量部に対して10重量部以上20重量部以下を配合することにより,透明補強層の透明性を保持しながら該透明補強層の強度を向上させることができる。10重量部未満では透明補強層の強度向上が不十分であり,20重量部超では透明補強層の透明性が低下する。市販の短繊維としてはミルドファイバーEFDE−50−31(商品名,ガラス短繊維,平均繊維長50μm,繊維径6μm,表面シランカップリング剤処理,セントラル硝子株式会社製)がある。
本願発明に係るポリウレア樹脂塗材は,さらに光安定剤と紫外線吸収剤を含むことにより,長期間紫外線に曝されても透明補強層の強度の低下が生じない。光安定剤にはヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ,紫外線吸収剤にはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を使用することができる。市販のヒンダードアミン系光安定剤としては,TINUVIN292(商品名,化学名;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート),チバ・ジャパン株式会社製)が,市販のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては,TINUVIN400(商品名,化学名;2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシランとの反応生成物,チバ・ジャパン株式会社製)がある。
アクリルシリコン樹脂塗材
本願発明に係る透明保護層を形成する際に使用されるアクリルシリコン樹脂塗材は,アルコキシシリル基を有するアクリルシリコンオリゴマーを主剤とし,硬化剤にスズ系の硬化触媒を使用することができ,既に形成された透明補強層の上に該アクリルシリコン樹脂塗材を塗付する直前に主剤と硬化剤を均一に混合してローラ刷毛等により塗付する。主剤のアルコキシシリル基は硬化剤のスズ系の硬化触媒により架橋されて安定なシロキサン結合を形成し,優れた耐久性を発現する。
アルコキシシリル基の含有量は,2重量%〜30重量%が好ましい。2重量%未満では耐候性が低下し,30重量%超では粘度増加により作業性が低下する。市販のアルコキシシリル基を有するアクリルシリコンオリゴマーとしては,カネカゼムラックYC4383(商品名,シロキサン架橋形反応性ポリマー,粘度4000mP・s/23℃,アルコキシリル基含有量;15重量%,株式会社カネカ製)がある。市販のスズ系の硬化触媒としては,BT405Z(商品名,化学名;有機錫化合物,有効錫成分;1.3%,株式会社カネカ製)がある。
本願発明のアクリルシリコン樹脂塗材は,光安定剤と紫外線吸収剤が含まれ,長期間紫外線に曝されても透明補強層の強度の低下が生じない。光安定剤にはヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ,紫外線吸収剤にはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を使用することができ,市販品は上記の通りである。
以下,実施例及び比較例にて具体的に説明する。
実施例
透明プライマー層を形成するアクリルシリコン樹脂プライマーとして,アルコキシシリル基とヒドロキシル基を有するアクリルシリコンオリゴマーにカネカゼムラックYC4611を,その他に石油系希釈剤としてターペンシンナー#50(商品名,亜細亜工業株式会社製)を,消泡剤としてBYK−066N(商品名,シリコン系消泡剤,株式会社ビックケミー社製)を表1に示す所定重量部を配合して主剤とした。また,無黄変のイソシアネートプレポリマーにデュラネートTSA100を,その他に希釈剤としてソルベッソ100(商品名,エクソン・モービル社製)を,硬化触媒としてBT452Z(商品名,化学名;有機錫化合物,有効錫成分;18.6 %,株式会社カネカ製)を,接着補助剤としてZQ964Z(商品名,アミノシラン,株式会社カネカ製)を表1に示す所定重量部配合し硬化剤とした。主剤と硬化剤の重量配合比は7:1であり,これらの主剤と硬化剤とで実施例のアクリルシリコン樹脂プライマーを得た。
透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材として,無黄変イソシアネートプレポリマーにデュラネートTSE100(商品名,HDI系イソシアネートプレポリマー,重量平均分子量(Mw);6000,旭化成ケミカルズ(株)製)を使用して主剤とし,脂環式ポリアミンにフジキュア8111及びフジキュア8111Gを,補強短繊維にミルドファイバーEFDE−50−31を,光安定剤にTINUBIN292を,紫外線吸収剤にTINUVIN400を,その他に消泡剤としてフローレンAC−303(商品名,アクリル系消泡剤,共栄社化学株式会社製)を,沈降防止剤としてBYK405(商品名,株式会社ビックケミー社製)を,補強短繊維との濡れ性を上げるため湿潤剤としてSH6020(商品名,アミノシラン,東レ・ダウコーニング社製)を表1に示す所定重量部配合して硬化剤とした。該SH6020の配合により透明補強層が日射により高温度になっても塗膜強度が保持される効果がある。主剤と硬化剤の重量配合比は20:16.6であり,これらの主剤と硬化剤とで実施例のポリウレア樹脂塗材を得た。
透明保護層を形成するアクリルシリコン樹脂塗材として, アルコキシシリル基を有するアクリルシリコンオリゴマーに,カネカゼムラックYC4383を使用し, 光安定剤にTINUBIN292を,紫外線吸収剤にTINUVIN400を,その他に石油系希釈剤としてターペンシンナー#50を,消泡剤としてBYK−066N(商品名,シリコン系消泡剤,株式会社ビックケミー社製)を表1に示す所定重量部を配合して主剤とした。また硬化触媒BT405Zを硬化剤とした。主剤と硬化剤の重量配合比は19:1であり,これらの主剤と硬化剤とで実施例のアクリルシリコン樹脂塗材を得た。
Figure 2014141817
比較例
比較例の透明プライマー層を形成する塗材及び透明保護層を形成する塗材として上記実施例のアクリルシリコン樹脂塗材を使用し,比較例の透明補強層を形成する塗材として,樹脂固形分が50%の透明アクリルエマルション(ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体,粘度50Pa・s/20℃,T.I値(JISA6024 チキソトロピックインデックス)5.7,ナイロン短繊維(繊維長5mm)2重量%含有)を使用した。
評価方法
引張強度
23℃、RH50%条件下にて、透明補強層を形成する実施例及び比較例の塗材を厚さ2mmでシート状に塗り広げ7日間養生後JIS K 6251加硫ゴムの引張試験方法規定の2号ダンベル片形状に成型した。その後、同試験方法に従い引張速度500mm/分で引っ張り、破断時の強度を引張強度(MPa)とした。試験は23℃及び60℃にて行なった。
モルタル付着強度
23℃,RH50%下にて,70mm×70mm×20mmのモルタル試験板(JIS R 5201 10.4規定)の表面をサンディング処理し、その処理面に対し、実施例の場合は,アクリルシリコン樹脂プライマー0.08kg/mを塗布し乾燥後ポリウレア樹脂塗材0.7kg/mを2回塗りし,乾燥後さらにアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/mで2回塗りして、7日間養生したのちに、JIS A 6909 7.9 付着強さ試験に準拠して付着強さを測定した。比較例の場合は,アクリル樹脂塗材を0.12kg/mで塗布し乾燥後,透明アクリルエマルションを0.5kg/mで塗り広げ,乾燥後,同一の材料を0.8kg/mで塗り広げ,さらに乾燥後,同一の材料を0.8kg/mで塗り広げて乾燥させ,次にアクリルシリコン樹脂塗材を0.1kg/mで2回(層)塗布し7日間養生したのちに,JIS A 6909 7.9 付着強さ試験に準拠して付着強さを測定した。すべての試験体でモルタル板が破壊したため,その付着強さをモルタル付着強度(MPa)とした。試験は23℃にて行なった。
耐紫外線性
23℃、RH50%条件下にて、実施例の場合はポリウレア樹脂塗材を厚さ2mmでシート状に塗り広げ,乾燥後さらにアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/mで2回塗りして、7日間養生する。比較例の場合は透明アクリルエマルションを厚さ2mmで塗り広げて乾燥させ,0.5kg/mで塗り広げ,乾燥後,同一の材料を0.8kg/mで塗り広げ,さらに乾燥後,同一の材料を0.8kg/mで塗り広げて乾燥させ,次にアクリルシリコン樹脂塗材を0.1kg/mで2回(層)塗布し7日間養生する。これらのシート状の硬化物をスーパーUVテスター(型式:SUV−W151、岩崎電気製、照射条件:水冷式メタルハライドランプ使用、温度63℃、湿度50%、照度100mW/cm)にて180時間連続照射した後、JIS K 6251加硫ゴムの引張試験方法規定のダンベル2号片形状に成型した。その後、外観を目視にて確認すると同時に、同試験方法に従い引張速度500mm/分で引っ張り、破断時の強度を引張強度(MPa)とした。試験は23℃にて行なった。
曲げ強度
JIS R 5201 10.4に規定のモルタル板(100mm×200mm×30mm)を長手方向の中心部に載荷して2分割する。その破断面をつき合わせて固定した表面をサンディング処理し、その処理面に対し、実施例の場合は,アクリルシリコン樹脂プライマー0.08kg/mで塗布し乾燥後ポリウレア樹脂塗材0.7kg/mを2回塗りし,乾燥後さらにアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/mで2回塗りして、7日間養生したのちに、載荷速度を1.67mm/分で、4点曲げ方式にて曲げ試験を行い曲げ強度(N)を測定した。上側の荷重スパンは50mm、下側の荷重スパンは150mmとした。比較例の場合は,アクリル樹脂塗材を0.12kg/mで塗布し乾燥後,透明アクリルエマルションを0.5kg/mで塗り広げ,乾燥後,同一の材料を0.8kg/mで塗り広げ,さらに乾燥後,同一の材料を0.8kg/mで塗り広げて乾燥させ,次にアクリルシリコン樹脂塗材を0.1kg/mで2回(層)塗布し7日間養生したのちに,同様の試験を行い曲げ強度(N)を測定した。
押し抜き最大荷重
JIS A5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)付属書5に規定する上ぶた式U形側溝(ふた)の1種呼び名300(400×600×60mm)(以下、「U形ふた」という。)のコンクリート中央部裏面を、φ100mmの形状かつ55mm±3mmの深さで、コンクリート用コアカッターにより切り込みを入れた。表面を、サンディング処理し、この処理面に対し実施例については,上記実施例記載のアクリルシリコン樹脂プライマーをローラ刷毛にて0.08kg/m塗付し乾燥させる。次に上記実施例記載のポリウレア樹脂塗材を金鏝にて0.7kg/m均一に塗付し,さらに上記実施例記載のポリウレア樹脂塗材を金鏝にて0.7kg/m均一に塗付する。次に上記実施例記載のアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/m塗付し,指触乾燥後さらに上記実施例記載のアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/m塗付する。23℃、RH50%条件下にて7日間養生して、押し抜き最大荷重測定用試験体を得た。その後、JHS 424−2004 はく落防止の押し抜き試験方法に準じて試験を行ない、最大荷重を押し抜き最大荷重(KN)とした。
比較例については,アクリル樹脂塗材を0.12kg/mで塗布し乾燥後,透明アクリルエマルションを0.5kg/mで塗り広げ,乾燥後,同一の材料を0.8kg/mで塗り広げ,さらに乾燥後,同一の材料を0.8kg/mで塗り広げて乾燥させ,次にアクリルシリコン樹脂塗材を0.1kg/mで2回(層)塗布し23℃、RH50%条件下にて7日間養生したのちに,同様の試験を行った。
可使時間
実施例のポリウレア樹脂塗材について,主剤と硬化剤をそれぞれ23℃に調製し,主剤と硬化剤を混合直後にB型回転粘度計7号ローター20rpmで粘度を測定して初期粘度とし,その後5分毎に粘度を測定し,初期粘度の2倍の粘度に到達するまでの時間を可使時間として算出した。
アンカーピン付着性
タイル固着用アンカーピンJB−TA(商品名,SUS304製,アイカ工業株式会社製)に固着する頭部キャップの平面部(アクリルシリコン樹脂塗膜)にアクリルシリコン樹脂プライマーを0.08kg/mで塗布し乾燥後7日間23℃にて養生後,カッターナイフの刃の先端を頭部フランジ部と硬化したアクリルシリコン樹脂プライマー層の界面に沿って入り込ませ,その際のアクリルシリコン樹脂プライマー層の剥離の状態を評価した。評価は以下によって行なった。
○:入り込ませたカッターナイフの刃の先端の周囲に剥離が生じない。
△:入り込ませたカッターナイフの刃の先端に周囲にわずかに剥離部分がある。
×:入り込ませたカッターナイフの刃の先端の周囲の全体に剥離が生じている。
評価結果
評価結果を表2に示す。
Figure 2014141817

1 コンクリート躯体
2 貼付モルタル
3 外壁タイル
4 アンカーピン
4a 足部
4b 頭部
4c 圧入部
4d フランジ
5 アンカー孔
6 エポキシ樹脂接着剤
7 目地
8 透明プライマー層
9 透明補強層
10 透明保護層
20 外壁タイル剥落防止構造




Claims (8)

  1. 外壁タイル面または目地にアンカーピンを打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着し,該アンカーピンの頭部及び外壁タイル面及び目地にアクリルシリコン樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し,該透明プライマー層の上に,無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強短繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成し,該透明補強層の上に,光安定剤と紫外線吸収剤とを含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成したことを特徴とする外壁タイル剥落防止構造。
  2. 外壁タイル面または目地にアンカーピンを打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着し,該アンカーピンの頭部及び外壁タイル面及び目地にアクリルシリコン樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し,該透明プライマー層の上に,無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強短繊維と光安定剤と紫外線吸収剤とを含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成し,該透明補強層の上に,光安定剤と紫外線吸収剤とを含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成することを特徴とする外壁タイル剥落防止工法。
  3. 請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造の光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり,紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造。
  4. 請求項2記載の外壁タイル剥落防止工法の光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり,紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項2記載の外壁タイル剥落防止工法。
  5. 脂環式ポリアミンは式I:
    Figure 2014141817

    (式中Xはイソシアネート基に対して不活性であり,脂環式炭化水素に結合したm個の第1級アミノ基を含む数平均分子量88〜400の有機ポリアミンから第1級アミノ基を除去することにより得られるm価基であり,R及びRは同一または異なっていて,炭素原子数1〜18の有機基であり,mは少なくとも2の整数である)で表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の外壁タイル剥落防止構造。
  6. 脂環式ポリアミンは前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項2または請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法。
  7. 請求項1または請求項3記載の外壁タイル剥落防止構造に使用する脂環式ポリアミンであって,前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミン。
  8. 請求項2または請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法に使用する脂環式ポリアミンであって,前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミン。

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