JP2014141653A - 帯電防止剤及びこれを含有する帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形品の外観及び機械強度を損なうことなく、少量の添加であっても十分な帯電防止性を成形品に与えることができる帯電防止剤及びこれを含有する帯電防止樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】ビニル芳香族化合物(a)及び不飽和酸無水物(b)を必須構成単量体とする共重合体(A)の1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン基に、1価の水酸基含有化合物(B)をエステル化した化合物(C)及びオニウム塩(D)を含む帯電防止剤であって、共重合体(A)中の(a)と(b)とのモル比{(a)/(b)}が99/1〜50/50であり、(B)が重合度10〜100のポリエチレンオキサイド鎖を有する水酸基含有化合物である帯電防止剤;この帯電防止剤及び熱可塑性樹脂(E)を含有する帯電防止性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、帯電防止剤及びこれを含有する帯電防止性樹脂組成物に関する。
従来、絶縁性の高い熱可塑性樹脂に帯電防止性を付与する方法として、熱可塑性樹脂に少量の界面活性剤を練りこむ方法が一般的に用いられている。界面活性剤を練り込んだ熱可塑性樹脂を成形した成形品の帯電防止性は、成形品の表面に低分子量の界面活性剤がブリードアウトすることで効果が発現する。したがって、成形品の水洗いや拭き取り等により帯電防止効果が失われ、永久的な帯電防止性を保持することが困難である問題がある。また、ブリードアウトした界面活性剤のため、成形品の樹脂表面が荒れるという問題もある。
熱可塑性樹脂に永久帯電防止性を付与する他の方法としては、(1)カーボンブラック等の導電性フィラーを練り込む方法、(2)高分子型帯電防止剤を練り込む方法等が知られている。しかしながら、(1)の方法で帯電防止性を発現するためには、一般的に多量の導電性フィラーの配合が必要であり、得られた熱可塑性樹脂組成物は加工性が良好でなく、樹脂組成物の成形品は耐衝撃性等の機械強度に劣るという問題がある。
また、(2)方法として、ポリエーテルポリアミド、ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマーやエチレン共重合体変性物等の高分子型帯電防止剤を樹脂中に比較的少量練り組む方法が知られている。しかしながら、これらの帯電防止剤を用いる場合、熱可塑性樹脂に充分な帯電防止性を付与するためには10重量%を超える量の添加が必要であり、機械強度、耐熱性等の成形品の物性が低下する、帯電防止性が持続しない等の問題がある。したがって、従来よりも少量の添加で帯電防止性が付与できる帯電防止剤が望まれている。
特開平08−12755号公報 特開2001−278985号公報 特開2000−219738号公報 特開平09−111130号公報 特開2003−213138号公報
本発明は、成形品の外観及び機械強度を損なうことなく、少量の添加であっても十分な帯電防止性を成形品に与えることができる帯電防止剤及びこれを含有する帯電防止樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、ビニル芳香族化合物(a)及び不飽和酸無水物(b)を必須構成単量体とする共重合体(A)の1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン基に、1価の水酸基含有化合物(B)をエステル化した化合物(C)及びオニウム塩(D)を含む帯電防止剤であって、共重合体(A)中の(a)と(b)とのモル比{(a)/(b)}が99/1〜50/50であり、(B)が重合度10〜100のポリエチレンオキサイド鎖を有する水酸基含有化合物である帯電防止剤;この帯電防止剤及び熱可塑性樹脂(E)を含有する帯電防止性樹脂組成物である。
本発明の帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物は、下記の効果を奏する。
(1)本発明の帯電防止剤は、少量の添加で、優れた帯電防止性を付与できる。
(2)本発明の帯電防止性樹脂組成物を成形してなる成形品は、帯電防止性、外観及び機械強度に優れる。
本願発明の帯電防止剤は、ビニル芳香族化合物(a)及び不飽和酸無水物(b)を必須構成単量体とする共重合体(A)の1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン基に、1価の水酸基含有化合物(B)をエステル化した化合物(C)及びオニウム塩(D)を含む帯電防止剤であって、共重合体(A)中の(a)と(b)とのモル比{(a)/(b)}が99/1〜50/50であり、(B)が重合度10〜100のポリエチレンオキサイド鎖を有する水酸基含有化合物である帯電防止剤である。
本発明において、ビニル芳香族化合物(a)としては、炭素数8〜25のビニル芳香族化合物(a−1)が含まれる。(a−1)として、具体的には、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、1,3−ビススチリルベンゼン、4−(クロロメチル)スチレン、4−オクチルスチレン、α−(トリフルオロメチル)スチレン及び3,5−ビス(トリフルオロメチル)スチレン等が挙げられる。
(a)として、帯電防止性の観点から、炭素数8〜25のビニル芳香族化合物(a−1)が好ましく、さらに好ましくはスチレンである。
本発明において、不飽和酸無水物(b)には、炭素数4〜20の不飽和酸無水物(b−1)が含まれる。(b−1)としては、不飽和二重結合及び1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン(−CO−O−CO−)基を有する化合物が含まれ、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物及びテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
(b)のうち、帯電防止性の観点から、無水マレイン酸が好ましい。
共重合体(A)は、ビニル芳香族化合物(a)と不飽和酸無水物(b)とが共重合してなる共重合体であって、(a)と(b)とのモル比{(a)/(b)}は99/1〜50/50であるが、帯電防止性、成形品の外観及び機械強度の観点から、95/5〜85/15が好ましく、さらに好ましくは95/5〜90/10である。
本発明において、(A)は、(a)及び(b)のみを構成単量体とする共重合体でもよく、(a)及び(b)以外のビニル化合物(c)を共重合させた共重合体でもよい。
(c)としては、炭素数3〜20の(メタ)アクリロイル基を有する化合物{(メタ)アクリル酸等}、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素{エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン及び4−メチル−1−ペンテン等}、炭素数3〜20のビニルエステル化合物{酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、カプロン酸ビニル、エナント酸ビニル、カプリル酸ビニル、ペラルゴン酸ビニル及びカプリン酸ビニル等}、酢酸イソプロペニル、アクリロニトリル及び塩化ビニル等が挙げられる。
(c)において、帯電防止性の観点から、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素が好ましい。
(A)を構成する単量体のうち、(c)の割合(重量%)は、(A)の重量を基準として、帯電防止性、成形品の外観及び機械強度の観点から、0〜30が好ましく、さらに好ましくは0〜10である。
共重合体(A)の数平均分子量(以下、Mnと記載する)は、帯電防止性、成形品の外観及び機械強度の観点から、5,000〜150,000が好ましく、さらに好ましくは10,000〜30,000である。
共重合体(A)の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定することができる。
装置(一例):「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」(2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
展開溶媒:オルトジクロロベンゼン
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
本発明において、(A)を製造する方法は、ビニル芳香族化合物及び不飽和酸無水物をラジカル重合する公知の方法を使用できる。
本発明において、1価の水酸基含有化合物(B)は、重合度10〜100のポリエチレンオキサイド鎖を有する水酸基含有化合物である。具体的には、炭素数1〜20の水酸基含有化合物へのエチレンオキサイド(以下、EOと略記することがある)付加物等が挙げられる。
炭素数1〜20の水酸基含有化合物としては、1価の脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びヘキサノール等)、芳香族アルコール(フェノール等)、1価の芳香脂肪族アルコール(ベンジルアルコール等)並びに1価の脂環式アルコール(シクロペンタノール、シクロヘキサノール及びメチルシクロヘキサノール等)等が挙げられる。
水酸基含有化合物(B)において、EOの付加モル数は、10〜100であるが、帯電防止性、成形品の外観及び機械強度の観点から、20〜80が好ましく、さらに好ましくは40〜70である。
また、水酸基含有化合物(B)のMnは、帯電防止性、成形品の外観及び機械強度の観点から、470〜5,000が好ましく、さらに好ましくは2,000〜3,000である。
本発明において、化合物(C)は、上記共重合体(A)の1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン基に、1価の水酸基含有化合物(B)をエステル化したものである。
化合物(C)を構成する構成単量体中の共重合体(A)と1価の水酸基含有化合物(B)との重量比{(A)/(B)}は、帯電防止性、成形品の外観及び機械強度の観点から、90/10〜20/80が好ましく、さらに好ましくは70/30〜50/50である。
共重合体(A)への1価の水酸基含有化合物(B)のエステル化は、1つの1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン基に対するモノエステル化でもよく、ジエステル化でもいい。また、一部の1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン基がエステル化されていてもよく、全部の1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン基がエステル化されてもいい。
化合物(C)の酸価(mgKOH/g)は、帯電防止性の観点から、0.1〜100が好ましく、さらに好ましく0.2〜55、特に好ましくは1〜30である。
酸価がこの範囲であると、オニウム塩(D)中のオニウムカチオンが化合物(C)中のカルボキシル基のプロトンと置換されてオニウム塩(D)で無くなることがなく、帯電防止性が良好である。
なお、酸価は下記測定法により測定する。
<酸価の測定方法>
試料約2g(小数点以下3桁まで測定)を、キューラー又は冷却管を付けた200mlマイヤーフラスコに入れ、キシレン40mlを加えて、ホッティングスターラーで加熱溶解させる。完全に溶解したことを確認後、フェノールフタレイン指示薬を用いて、0.1mol/l水酸化カリウム・メチルアルコール滴定用溶液で素早く滴定を行う。
測定試料を加えない以外は同様に作成したブランク溶液について、フェノールフタレイン指示薬を用いて、0.1mol/l水酸化カリウム・メチルアルコール滴定用溶液で素早く滴定を行う。
下記式により酸価を算出する。
酸価=(X−Y)×5.61/Z
X:測定試料を溶解させた溶液の滴定に使用した0.1mol/l水酸化カリウム・メチルアルコール滴定用溶液の量(mL)
Y:ブランク溶液の滴定に使用した0.1mol/l水酸化カリウム・メチルアルコール滴定用溶液の量(mL)
Z:測定試料の重量(g)
化合物(C)中のカルボキシル基のプロトンは、アルカリ金属(ナトリウム及びカリウム等)イオン、アルカリ土類金属(カルシウム等)イオン及びオニウムカチオン(後述するオニウムカチオン)で置換されていてもよい。
化合物(C)のメルトフローレート(以下、MFRと記載する。単位はg/10min)は、帯電防止性の観点から、1〜500が好ましく、さらに好ましくは5〜100である。
ここでMFRとは、樹脂の溶融粘度を表す数値であり、数値が大きいほど溶融粘度が低いことを表す。MFRの測定には、JIS K6760で定められた押出し形プラストメータを用い、測定方法はJIS K7210(1976年)で規定した方法に準拠する。化合物(C)の場合は、190℃、荷重2.16kgfの条件で測定される。
上記共重合体(A)の1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン基に、1価の水酸基含有化合物(B)をエステル化した化合物(C)の製造には、酸無水物とアルコールとをエステル化する公知の反応を用いることができ、例えば、共重合体(A)と1価の水酸基含有化合物(B)とを無触媒下、100℃〜300℃で公知の方法でエステル化する方法等が挙げられる。
オニウム塩(D)には、下記オニウムカチオンと対アニオンとの塩が含まれる。
オニウムカチオン:アンモニウムカチオン(NH4 +)、第4級アンモニウムカチオン(I)、第3級スルホニウムカチオン(II)、第4級ホスホニウムカチオン(III)及び第3級オキソニウムカチオン(IV)からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン
第4級アンモニウムカチオン(I)としては下記が挙げられる。
(I−1)脂肪族第4級アンモニウム{炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有するものが含まれ、具体的には、テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、ジメチルジプロピルアンモニウム、エチルメチルジプロピルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ジメチルジブチルアンモニウム及びテトラブチルアンモニウム等}
(I−2)芳香族第4級アンモニウム{炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族置換基を有するものが含まれ、具体的には、トリメチルフェニルアンモニウム、ジメチルエチルフェニルアンモニウム及びトリエチルフェニルアンモニウム等}
(I−3)脂環式第4級アンモニウム{炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式の置換基を有するものが含まれ、具体的には、N,N−ジメチルピロジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロジニウム、N,Nジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N,Nジエチルモルホリニウム、N,Nジメチルピペリジニウム及びN,N−ジエチルピペリジニウム等}
(I−4)イミダゾリニウム{炭素数3〜30又はそれ以上のものが含まれ、具体的には、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム,4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシ−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム及び3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム等}
(I−5)イミダゾリウム{炭素数3〜30又はそれ以上のものが含まれ、具体的には、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−カルボキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、N,N’−ジメチルベンゾイミダゾゾリム、N,N’−ジエチルベンゾイミダゾゾリム及びN−メチル−N’−エチルベンゾイミダゾリウム等}
(I−6)テトラヒドロピリミジニウム{炭素数4〜30又はそれ以上のものが含まれ、具体的には、1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチルテトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチル−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム及び4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム等}
(I−7)ジヒドロピリミジニウム{炭素数4〜30又はそれ以上のものが含まれ、具体的には、1,3−ジメチル−2,4−もしくは−2,6−ジヒドロピリミジニウム[これらを1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表現を用いる。]、1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−2,4,(6)−ジヒドロピミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカンジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム及び2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム等}
(I−8)イミダゾリニウム骨格を有するグアニジウム{炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム骨格を有するものが含まれ、具体的には、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、2−ジメチル−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリニウム及び2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム等}
(I−9)イミダゾリウム骨格を有するグアニジウム{炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリウム骨格を有するものが含まれ、具体的には、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド−[1,2a]イミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリウム及び2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム等}
(I−10)テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジウム{炭素数4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム骨格を有するものが含まれ、具体的には、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボキシメチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム及び2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム等}
(I−11)ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジウム{炭素数4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム骨格を有するものが含まれ、具体的には、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム及び2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム等}
第3級スルホニウムカチオン(II)としては、下記が挙げられる。
(II−1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族第3級スルホニウム{トリメチルスルホニウム、トリエチルスルホニウム、エチルジメチルスルホニウム及びジエチルメチルスルホニウム等}
(II−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族第3級スルホニウム{フェニルジメチルスルホニウム、フェニルエチルメチルスルホニウム及びフェニルメチルベンジルスルホニウム等}
(II−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式第3級スルホニウム{メチルチオラニウム及びフェニルチオラニウム等}
第4級スルホニウムカチオンとしては、下記が挙げられる。
(III−1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族第4級ホスホニウム{テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、メチルトリエチルホスホニウム、メチルトリプロピルホスホニウム、メチルトリブチルホスホニウム、ジメチルジエチルホスホニウム、ジメチルジプロピルホスホニウム、ジメチルジブチルホスホニウム、トリメチルエチルホスホニウム、トリメチルプロピルホスホニウム及びトリメチルブチルホスホニウム等}
(III−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族第4級ホスホニウム{トリフェニルメチルホスホニウム、ジフェニルジメチルホスホニウム及びトリフェニルベンジルホスホニウム等}
(III−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式第4級ホスホニウム
第3級オキソニウムカチオン(IV)としては、下記が挙げられる。
(IV−1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族第3級オキソニウム{トリメチルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、エチルジメチルオキソニウム及びジエチルメチルオキソニウム等}
(IV−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族第3級オキソニウム{フェニルジメチルオキソニウム、フェニルエチルメチルオキソニウム及びフェニルメチルベンジルオキソニウム等}
(IV−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式第3級オキソニウム{メチルオキソラニウム及びフェニルオキソラニウム等}
上記オニウムカチオン{アンモニウムカチオン及び(I)〜(IV)}のうち、帯電防止性の観点から、(I−4)及び(I−5)が好ましく、さらに好ましくは(I−5)であり、最も好ましくは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムベンゼンスルホン酸塩である。
上記オニウムカチオンの対アニオンとしては、ハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-及びI-等)、カルボキシラートアニオン{炭素数1〜7のモノ又はジカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸及びコハク酸等のイオン(−COO-)}、スルホン酸イオン{炭素数1〜20のスルホン酸(メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸等のイオン(−SO3 -)}、リン酸イオン{リン酸又は炭素数1〜10のリン酸基含有化合物のイオン(−OPO3 2-)}、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、硫酸イオン及び硝酸イオン等が挙げられる。
これらのうち、帯電防止性の観点から、スルホン酸イオン及びリン酸イオンが好ましく、さらに好ましくはスルホン酸イオンである。
本発明の帯電防止剤は、化合物(C)及びオニウム塩(D)を含むものである。
帯電防止剤中の化合物(C)とオニウム塩(D)との重量比{(C)/(D)}は、帯電防止性の観点から、99/1〜70/30が好ましく、さらに好ましくは96/4〜80/20である。
帯電防止剤には、(C)及び(D)以外に、必要によりその他の成分{アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属等}を含むことができる。帯電防止剤中の(C)及び(D)以外のその他の成分の含有量は、帯電防止性、成形品の外観及び機械強度の観点から、0〜15重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15重量%であり、次にさらに好ましくは1〜10重量%である。
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、上記本発明の帯電防止剤及び熱可塑性樹脂(E)を含有する帯電防止性樹脂組成物である。具体的には、上記化合物(C)、上記オニウム塩(D)及び熱可塑性樹脂(E)を含有する帯電防止性樹脂組成物である。
(E)としては、ポリフェニレンエーテル樹脂(E1)(PPE);ポリオレフィン樹脂(E2)[ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)及びエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂等];ポリ(メタ)アクリル樹脂(E3)[ポリメタクリル酸メチル等];ポリスチレン樹脂(E4)[ビニル基含有芳香族炭化水素単独、及びビニル基含有芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル及びブタジエンからなる群から選ばれる1種以上とを構成単位とする共重合体;例えばポリスチレン(PS)、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)及びスチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)]等;ポリエステル樹脂(E5)[ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート及びポリエチレンアジペート];ポリアミド樹脂(E6)[ナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66及びナイロン6/12等];ポリカーボネート樹脂(E7)[ポリカーボネート及びポリカーボネート/ABSアロイ樹脂(PC/ABS)等];ポリアセタール樹脂(E8)、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち、後述する成形品の機械特性及び帯電防止剤の(E)への分散性の観点から好ましいのは、(E1)、(E2)、(E3)、(E4)及び(E7)である。
本発明の帯電防止性樹脂組成物において、帯電防止剤と熱可塑性樹脂(E)との重量比{帯電防止剤/(E)}は、帯電防止性、成形品の機械物性及び成形性の観点から、1/99〜30/70が好ましく、さらに好ましくは3/97〜25/75であり、次にさらに好ましくは5/95〜20/80である。
本発明の帯電防止性樹脂組成物において、化合物(C)及びオニウム塩(D)の合計重量と熱可塑性樹脂(E)との重量比{((C)及び(D))/(E)}は、帯電防止性、成形品の機械物性及び成形性の観点から、1/99〜30/70が好ましく、さらに好ましくは3/97〜25/75であり、次にさらに好ましくは5/95〜20/80である。
本発明の帯電防止性樹脂組成物中の化合物(C)の含有量(重量%)は、化合物(C)、オニウム塩(D)及び熱可塑性樹脂(E)の合計重量を基準として、帯電防止性の観点から、0.9〜15が好ましく、さらに好ましくは0.99〜15であり、次にさらに好ましくは2.5〜15である。
また、オニウム塩(D)の含有量(重量%)は、化合物(C)、オニウム塩(D)及び熱可塑性樹脂(E)の合計重量を基準として、帯電防止性、成形品の外観及び機械強度の観点から、0.01〜15が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15であり、次にさらに好ましくは0.5〜10である。
また、熱可塑性樹脂(E)の含有量(重量%)は、化合物(C)、オニウム塩(D)及び熱可塑性樹脂(E)の合計重量を基準として、帯電防止性及び成形品の機械物性の観点から、70〜99が好ましく、さらに好ましくは75〜97である。
本発明の帯電防止性樹脂組成物組成物には、さらに添加剤(G)を含有させることができる。(G)としては、相溶化剤(G1)、着色剤(G2)、離型剤(G3)、酸化防止剤(G4)、難燃剤(G5)、紫外線吸収剤(G6)、抗菌剤(G7)及び充填剤(G8)等が挙げられる。(G)は2種以上を併用してもよい。
相溶化剤(G1)としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基及びポリオキシアルキレン基からなる群より選ばれる1種以上の官能基(極性基)を有する変性ビニル重合体(例えば、特開平3−258850号公報に記載の重合体、特開平6−345927号公報に記載のスルホン酸基を有する変性ビニル重合体及びポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等)等が挙げられる。
着色剤(G2)としては、無機顔料(白色顔料、コバルト化合物、鉄化合物及び硫化物等)、有機顔料(アゾ顔料及び多環式顔料等)並びに染料(アゾ系、インジゴイド系、硫化系、アリザリン系、アクリジン系、チアゾール系、ニトロ系及びアニリン系等)等が挙げられる。
離型剤(G3)としては、炭素数12〜18の脂肪酸のアルキル(炭素数1〜4)エステル(ステアリン酸ブチル等)、炭素数2〜18の脂肪酸のグリコール(炭素数2〜8)エステル(エチレングリコールモノステアレート等)、炭素数2〜18の脂肪酸の多価(3価以上)アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)及び流動パラフィン等が挙げられる。
酸化防止剤(G4)としては、フェノール化合物〔単環フェノール(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等)、ビスフェノール[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等]及び多環フェノール[1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等]等〕、硫黄化合物(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等)、リン化合物(トリフェニルホスファイト等)及びアミン化合物(オクチル化ジフェニルアミン等)等が挙げられる。
難燃剤(G5)としては、ハロゲン含有難燃剤、窒素含有難燃剤、硫黄含有難燃剤、珪素含有難燃剤及びリン含有難燃剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤(G6)としては、ベンゾトリアゾール[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、ベンゾフェノン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等)、サリチレート(フェニルサリチレート等)及びアクリレート(2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’1−ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。
抗菌剤(G7)としては、安息香酸、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素、ニトリル(2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等)、チオシアノ(メチレンビスチアノシアネート等)、N−ハロアルキルチオイミド、銅剤(8−オキシキノリン銅等)、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、トリハロアリル、トリアゾール、有機窒素硫黄化合物(スラオフ39等)、4級アンモニウム化合物及びピリジン骨格含有化合物等が挙げられる。
充填剤(G8)としては、無機充填剤(炭酸カルシウム、タルク及びクレー等)及び有機充填剤(尿素及びステアリン酸カルシウム等)等が挙げられる。
化合物(C)、オニウム塩(D)及び熱可塑性樹脂(E)の合計重量に基づく(G1)の添加量は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0〜20重量%であり、更に好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは1.5〜8重量%である。
化合物(C)、オニウム塩(D)及び熱可塑性樹脂(E)の合計重量に基づく(G2)〜(G8)の合計添加量は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0〜45重量%であり、更に好ましくは0.001〜40重量%、特に好ましくは0.01〜35重量%、最も好ましくは0.05〜30重量%である。
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、化合物(C)及びオニウム塩(D)並びにその他の成分を混合し、帯電防止剤として、熱可塑性樹脂(E)に混合してもよく、(E)に化合物(C)及び(D)並びにその他の成分を直接混合して帯電防止剤を含む帯電防止性樹脂組成物としてもよい。
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、本発明の化合物(C)、オニウム塩(D)及び熱可塑性樹脂(E)と、必要により添加剤(G)とを溶融混合することにより得ることができる。溶融混合する方法としては、一般的にはペレット状又は粉体状にした各成分を、適切な混合機(ヘンシエルミキサ(登録商標)等)で混合した後、押出機で溶融混合してペレット化する方法が適用できる。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に制限はないが、例えば、
[1]化合物(C)及びオニウム塩(D)を溶融混合した後、熱可塑性樹脂(E)、必要により添加剤(G)を一括投入して溶融混合する方法;
[2]化合物(C)及びオニウム塩(D)を溶融混合した後、熱可塑性樹脂(E)の一部をあらかじめ溶融混合して帯電防止剤の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作製した後、残りの熱可塑性樹脂(E)並びに必要に応じて添加剤(G)を溶融混合する方法(マスターバッチ法又はマスターペレット法);
等が挙げられる。
[2]の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の化合物(C)及びオニウム塩(D)の合計濃度は、帯電防止性及び(E)との混合し易さの観点から、好ましくは40〜80重量%であり、更に好ましくは50〜70重量%である。
[1]及び[2]の方法のうち、化合物(C)及びオニウム塩(D)を熱可塑性樹脂(E)に効率的に分散しやすいという観点から好ましいのは、[2]の方法である。
本発明の帯電防止性樹脂成形品は、本発明の帯電防止性樹脂組成物を成形して得られる。成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形並びにフィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形又は発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。
本発明の成形品は、優れた機械物性及び永久帯電防止性を有すると共に、良好な塗装性及び印刷性を有し、成形品に塗装及び/又は印刷を施すことにより成形物品が得られる。
成形品を塗装する方法としては、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装及び刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、プラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が使用でき、具体的にはポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料及びアクリルウレタン樹脂塗料等が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが、帯電防止性の観点から、10〜50μmが好ましい。
成形品又は成形品に塗装を施した面に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられる印刷法であればいずれも用いることができ、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷及びオフセット印刷等が挙げられる。
印刷インキとしては、プラスチックの印刷に通常用いられるものが使用でき、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキ及びオフセットインキ等が挙げられる。
以下実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部、%は重量%を表す。
<製造例1>
[水酸基含有化合物(B−1)の製造]
耐圧性のオートクレーブの反応釜にトリエチレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業(株)製)100部、水酸化ナトリウム(和光純薬工業(株)製)0.1部を入れ、釜内を0.001MPaまで減圧し、反応温度140℃でEO1,124部を5時間かけて滴下し、水酸基含有化合物(B−1)(EO45モル付加物、Mn2,000)を得た。生成物の同定はNMR(BRUKER社製)及びGPC(下記条件)により行った。
装置 : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム: TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度: 40℃
試料溶液: 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量: 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
<製造例2>
[水酸基含有化合物(B−2)の製造]
製造例1において、EO1,124部に代えて、EO455部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、水酸基含有化合物(B−2)(EO20モル付加物、Mn900)を得た。
<製造例3>
[水酸基含有化合物(B−3)の製造]
製造例1において、EO1,124部に代えて、EO1,536部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、水酸基含有化合物(B−3)(EO60モル付加物、Mn2,700)を得た。
<製造例4>
[水酸基含有化合物(B−4)の製造]
製造例1において、EO1,124部に代えて、EO168部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、水酸基含有化合物(B−4)(EO9モル付加物、Mn426)を得た。
<製造例5>
[水酸基含有化合物(B−5)の製造]
製造例1において、EO1,124部に代えて、EO254部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、水酸基含有化合物(B−5)(EO10モル付加物、Mn470)を得た。
<製造例6>
[水酸基含有化合物(B−6)の製造]
製造例1において、EO1,124部に代えて、EO2,540部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、水酸基含有化合物(B−6)(メタノールのEO100モル付加物、Mn4,600)を得た。
<製造例7>
[水酸基含有化合物(B−7)の製造]
製造例1において、EO1,124部に代えて、EO2,100部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、水酸基含有化合物(B−7)(EO80モル付加物、Mn3,600)を得た。
<製造例8>
[オニウム塩(D−1)の製造]
耐圧反応容器に、ベンゼンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)124部をメタノール124部に溶解させ、これと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩(合成方法は特開2001−316372号公報記載の方法に従った)のメタノール溶液(濃度48%)187部とを混合した。反応による炭酸ガスを発生させながら反応させ、炭酸ガスの発生がなくなった後、減圧下約5時間かけて60〜80℃で溶媒等を全量除去することによってオニウム塩(D−1)である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムベンゼンスルホン酸塩を得た。
<製造例9>
攪拌器、温度計、冷却管、ガス導入管を備えた500ミリリットル四つ口フラスコにスチレン95.3部、無水マレイン酸4.7部、メチルエチルケトン100部およびアゾビスイソブチロニトリル2.46部を加え、窒素ガスで充分置換したのち、少量の窒素ガスを通しながら75℃で10時間重合させた。冷却後、重合物を大量のヘキサン中に加え、沈澱したポリマーをろ過、100℃で乾燥し、Mn10,000、スチレン/無水マレイン酸=95/5(モル比)、酸価54mgKOH/gの共重合体(A−1)を得た。
<製造例10>
攪拌器、温度計、冷却管、ガス導入管を備えた500ミリリットル四つ口フラスコにスチレン90.5部、無水マレイン酸9.5部、メチルエチルケトン100部およびアゾビスイソブチロニトリル2.46部を加え、窒素ガスで充分置換したのち、少量の窒素ガスを通しながら75℃で10時間重合させた。冷却後、重合物を大量のヘキサン中に加え、沈澱したポリマーをろ過、100℃で乾燥し、Mn10,000、スチレン/無水マレイン酸=90/10(モル比)、酸価108.4mgKOH/gの共重合体(A−2)を得た。
<製造例11>
攪拌器、温度計、冷却管、ガス導入管を備えた500ミリリットル四つ口フラスコにスチレン98.5部、無水マレイン酸1.5部、メチルエチルケトン100部およびアゾビスイソブチロニトリル2.46部を加え、窒素ガスで充分置換したのち、少量の窒素ガスを通しながら75℃で10時間重合させた。冷却後、重合物を大量のヘキサン中に加え、沈澱したポリマーをろ過、100℃で乾燥し、Mn12,000、スチレン/無水マレイン酸=99/1(モル比)、酸価10.2mgKOH/gの共重合体(A−3)を得た。
<製造例12>
攪拌器、温度計、冷却管、ガス導入管を備えた500ミリリットル四つ口フラスコにスチレン51.0部、無水マレイン酸49.0部、メチルエチルケトン100部およびアゾビスイソブチロニトリル2.46部を加え、窒素ガスで充分置換したのち、少量の窒素ガスを通しながら75℃で10時間重合させた。冷却後、重合物を大量のヘキサン中に加え、沈澱したポリマーをろ過、100℃で乾燥し、Mn14,000、スチレン/無水マレイン酸=50/50(モル比)、酸価419.3mgKOH/gの共重合体(A−4)を得た。
<製造例13>
攪拌器、温度計、冷却管、ガス導入管を備えた500ミリリットル四つ口フラスコにスチレン86.5部、無水マレイン酸13.5部、メチルエチルケトン100部およびアゾビスイソブチロニトリル2.46部を加え、窒素ガスで充分置換したのち、少量の窒素ガスを通しながら75℃で10時間重合させた。冷却後、重合物を大量のヘキサン中に加え、沈澱したポリマーをろ過、100℃で乾燥し、Mn13,000、スチレン/無水マレイン酸=85/15(モル比)、酸価165.5mgKOH/gの共重合体(A−5)を得た。
<製造例14>
[化合物(C−1)の製造]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、製造例9で得た共重合体(A−1)60部と、製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)40部とをキシレン100部に加え膨潤させた後に、p−トルエンスルホン酸・一水和物(和光純薬工業(株)製))5部を加えた後、3時間、150℃にて加熱還流しながら脱水し、さらに、その後減圧にてキシレンを留去し、化合物(C−1)を得た(酸価21.2mgKOH/g、MFR=7.3g/10min(測定条件:190℃、荷重:2.16kg。以下、同条件で測定した。))。
<製造例15>
[化合物(C−2)の製造]
製造例14において、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)40部」に代えて、「製造例2で得た水酸基含有化合物(B−2)40部」用いたこと以外は製造例14と同様にして、化合物(C−2)を得た(酸価7.4mgKOH/g、MFR=4.4g/10min)。
<製造例16>
[化合物(C−3)の製造]
製造例14において、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)40部」に代えて、「製造例3で得た水酸基含有化合物(B−3)40部」用いたこと以外は製造例14と同様にして、化合物(C−3)を得た(酸価24.9mgKOH/g、MFR=9.5g/10min)。
<製造例17>
[化合物(C−4)の製造]
製造例14において、「製造例9で得た共重合体(A−1)60部」に代えて、「製造例10で得た共重合体(A−2)60部」用いたこと以外は製造例14と同様にして、化合物(C−4)を得た(酸価53.8mgKOH/g、MFR=17.6g/10min)。
<製造例18>
[化合物(C−5)の製造]
製造例14において、「製造例9で得た共重合体(A−1)を60部」に代えて、「製造例9で得た共重合体(A−1)を70.6部」用いて、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)40部」に代えて、「製造例5で得た水酸基含有化合物(B−5)29.4部」用いたこと以外は製造例14と同様にして、化合物(C−5)を得た(酸価0.7mgKOH/g、MFR=2.3g/10min)。
<製造例19>
[化合物(C−6)の製造]
製造例14において、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)40部」に代えて、「製造例6で得た水酸基含有化合物(B−6)40部」用いたこと以外は製造例14と同様にして、化合物(C−6)を得た(酸価9.8mgKOH/g、MFR=14.9g/10min)。
<製造例20>
[化合物(C−7)の製造]
製造例14において、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)40部」に代えて、「製造例7で得た水酸基含有化合物(B−7)40部」用いたこと以外は製造例14と同様にして、化合物(C−7)を得た(酸価9.3mgKOH/g、MFR=12.2g/10min)。
<製造例21>
[化合物(C−8)の製造]
製造例14において、「製造例9で得た共重合体(A−1)60部」に代えて、「製造例11で得た共重合体(A−3)60部」用いたことと、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)40部」に代えて、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)30部」を用いたこと以外は製造例14と同様にして、化合物(C−8)を得た(酸価0.2mgKOH/g、MFR=0.9g/10min)
<製造例22>
[化合物(C−9)の製造]
製造例14において、「製造例9で得た共重合体(A−1)60部」に代えて、「製造例12で得た共重合体(A−4)60部」を用いたこと以外は製造例14と同様にして、化合物(C−9)を得た(酸価85.8mgKOH/g、MFR=50.2g/10min)。
<製造例23>
[化合物(C−10)の製造]
製造例14において、「製造例9で得た共重合体(A−1)60部」に代えて、「製造例13で得た共重合体(A−5)60部」を用いたこと以外は製造例14と同様にして、化合物(C−10)を得た(酸価31.5mgKOH/g、MFR=22.8g/10min)。
<製造例24>
製造例14において、「製造例9で得た共重合体(A−1)60部」に代えて「製造例9で得た共重合体(A−1)70部」を用いて、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)40部」に代えて、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)30部」を用いる以外は製造例14と同様にして、化合物(C−11)を得た。(酸価10.5mgKOH/g、MFR=5.0g/10min)
<製造例25>
製造例14において、「製造例9で得た共重合体(A−1)60部」に代えて「製造例9で得た共重合体(A−1)50部」を用いて、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)40部」に代えて、「製造例1で得た水酸基含有化合物(B−1)50部」を用いる以外は製造例14と同様にして、化合物(C−12)を得た。(酸価4.6mgKOH/g、MFR=12.3g/10min)
<比較製造例1>
[従来の化合物(C’−1)の製造]
特開2001−278985号公報の製造例6に準じて、ブロックポリマー(A1)を製造し、化合物(C’−1)とした。
<比較製造例2>
[比較用化合物(C’−2)の製造]
特開2003−213138号公報の実施例に記載のポリマーポリオール(b−4)を10部、Li・N(CF3SO2)2を0.2部、アジピン酸ジブトキシエトキシエチルを1.0部を混合したものを化合物(C’−2)とした。
<比較製造例3>
[比較用化合物(C’−3)の製造]
製造例14において、「水酸基含有化合物(B−1)40部」に代えて、「水酸基含有化合物(B−4)23部」用いたこと以外は製造例14と同様にして、化合物(C−6)を得た(酸価0.8mgKOH/g、MFR=2.4g/10min)。
<実施例1>
[帯電防止剤の製造]
化合物(C−1)100部とオニウム塩(D−1)5部とをプラストミル((株)東洋精機製作所)(190℃、40rpm)にて混練し、帯電防止剤(1)を得た。
<実施例2〜14>
[帯電防止剤の製造]
実施例1において、「化合物(C−1)100部とオニウム塩(D−1)5部」に代えて、表1に記載の組成で混練することにより、帯電防止剤(2)〜(14)を得た。
<比較例1〜4>
[比較用の帯電防止剤の製造]
実施例1において、「化合物(C−1)100部とオニウム塩(D−1)5部」に代えて、表1に記載の組成で混練することにより、比較用の帯電防止剤(1’)〜(4’)を得た。
Figure 2014141653
<実施例15〜33>
[帯電防止性樹脂組成物の製造]
帯電防止剤(1)〜(14)及び熱可塑性樹脂(E)をそれぞれ表2に記載の量でプラストミル(220℃、40rpm)にて5分間混練した。さらに、これをペレタイザー((株)ホーライ製)を用いてペレット状に裁断し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)で3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、900rpm、滞留時間5分間、溶融温度220℃で溶融混練して帯電防止性樹脂組成物(T1)〜(T19)を得た。
<比較例5〜8>
[比較用の帯電防止性樹脂組成物の製造]
実施例15の各成分に代えて、表2に記載の組成で実施例15と同様の方法で混練し、比較の帯電防止性樹脂組成物(T’1)〜(T’4)を得た。
Figure 2014141653
なお、表2中の各成分は下記を用いた。
E−1:ABS樹脂[商品名「セビアン 680SF」、ダイセルポリマー(株)製]
E−2:HIPS樹脂(耐衝撃性ポリスチレン樹脂)[商品名「HIPS 433」、PSジャパン(株)製]
E−3:PP樹脂[商品名「PM771M」、サンアロマー(株)製]
E−4:PC/ABS樹脂[商品名「サイコロイ C6600」、SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製]
実施例15〜33及び比較例5〜8で得られた帯電防止性樹脂組成物(T1)〜(T19)及び(T’1)〜(T’4)を射出成形機[型番「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)製。以下同じ]を用い、シリンダー温度220℃、金型温度50℃の条件で成形品(100mm×100mm×2mm)を作製し、下記項目の性能評価を行った。結果を表2に示す。
<性能試験項目>
(1)表面固有抵抗値(単位:Ω)
ASTM D257に準拠し、試験片(100mm×100mm×2mm)について、超絶縁計「DSM−8103」[東亜電波(株)製]を用いて23℃、湿度50%RHの雰囲気下で表面固有抵抗値を測定した。
(2)アイゾット衝撃強度(単位:J/m)
ASTM D256 Method A(ノッチ付き、3.2mm厚)に準拠して測定した。
(3)外観
(3−1)表面外観
射出成形品(100mm×100mm×2mm)の表面および裏面の外観を観察して下記の基準で評価した。
(評価基準)
○ 異常なく良好(帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂と同等)
× 表面荒れ、フクレ等が認められる
(3−2)断面外観
試験片(100mm×100mm×2mm)の面中央部を通るように面に垂直にカッターで切断し、その断面を観察して下記の基準で評価した。
(評価基準)
○ 断面が均一で良好(帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂と同等)
× 断面が層状で不均一
表2から明らかなように、本発明の帯電防止剤を用いれば、少量の添加で帯電防止性を付与できることが分かる。また、本発明の帯電防止剤を含有させた帯電防止性樹脂組成物は、優れた帯電防止性を有する成形品を与え、外観及び機械強度に優れる。
本発明の帯電防止剤は、成形品に優れた帯電防止性を付与でき、外観及び機械強度に優れるため、各種成形法[射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形及びフィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法)等]で成形されるハウジング製品(家電・OA機器、ゲーム機器及び事務機器用等)、プラスチック容器材[クリーンルームで使用されるトレー(ICトレー等)及びその他容器等]、各種緩衝材、被覆材(包材用フィルム及び保護フィルム等)、床材用シート、人工芝、マット、テープ基材(半導体製造プロセス用等)及び各種成形品(自動車部品等)用材料として好適である。

Claims (9)

  1. ビニル芳香族化合物(a)及び不飽和酸無水物(b)を必須構成単量体とする共重合体(A)の1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン基に、1価の水酸基含有化合物(B)をエステル化した化合物(C)及びオニウム塩(D)を含む帯電防止剤であって、共重合体(A)中の(a)と(b)とのモル比{(a)/(b)}が99/1〜50/50であり、(B)が重合度10〜100のポリエチレンオキサイド鎖を有する水酸基含有化合物である帯電防止剤。
  2. 化合物(C)とオニウム塩(D)との重量比{(C)/(D)}が99/1〜70/30である請求項1に記載の帯電防止剤。
  3. 共重合体(A)と1価の水酸基含有化合物(B)との重量比{(A)/(B)}が90/10〜20/80である請求項1又は2に記載の帯電防止剤。
  4. 1価の水酸基含有化合物(B)の数平均分子量が470〜5,000である請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止剤。
  5. ビニル芳香族化合物(a)が炭素数8〜25のビニル芳香族化合物(a−1)であり、不飽和酸無水物(b)が炭素数4〜20の不飽和酸無水物(b−1)である請求項1〜4のいずれかに記載の帯電防止剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の帯電防止剤及び熱可塑性樹脂(E)を含有する帯電防止性樹脂組成物。
  7. 帯電防止剤と熱可塑性樹脂(E)との重量比{帯電防止剤/(E)}が1/99〜30/70である請求項6に記載の帯電防止性樹脂組成物。
  8. 化合物(C)、オニウム塩(D)及び熱可塑性樹脂(E)の合計重量を基準として、化合物(C)の含有量が0.99〜29.9重量%、オニウム塩(D)の含有量が0.01〜29.01重量%、(E)の含有量が70〜99重量%である請求項6又は7に記載の帯電防止性樹脂組成物。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の帯電防止性樹脂組成物を成形してなる成形品。
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