JP2014141399A - シリコン鋳造用鋳型およびその製造方法 - Google Patents

シリコン鋳造用鋳型およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014141399A
JP2014141399A JP2013265727A JP2013265727A JP2014141399A JP 2014141399 A JP2014141399 A JP 2014141399A JP 2013265727 A JP2013265727 A JP 2013265727A JP 2013265727 A JP2013265727 A JP 2013265727A JP 2014141399 A JP2014141399 A JP 2014141399A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
silicon oxide
mold
release material
average particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013265727A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6096653B2 (ja
Inventor
Yohei Sakai
洋平 坂井
Bunjo Ueno
文城 上野
Shoji Hasegawa
将司 長谷川
Yuki Murakami
有希 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2013265727A priority Critical patent/JP6096653B2/ja
Publication of JP2014141399A publication Critical patent/JP2014141399A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6096653B2 publication Critical patent/JP6096653B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mold Materials And Core Materials (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】従来と比べて少ない塗布量でも離型材が剥離してシリコン融液中に混入することを抑制して、離型材が鋳型に強固に付着して鋳型が再使用できなくなることを低減したシリコン鋳造用鋳型およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一形態に係るシリコン鋳造用鋳型は、鋳型1の内側表面に離型材層2を設けたシリコン鋳造用鋳型であって、離型材層2は、平均粒径が下記式を満足する第1酸化珪素、第2酸化珪素および窒化珪素を含んでいる。
第1の酸化珪素の平均粒径<窒化珪素の平均粒径<第2の酸化珪素の平均粒径
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン鋳造用鋳型およびその製造方法に関する。
太陽電池素子を構成する半導体基板として例えば多結晶シリコン基板が用いられている。多結晶シリコン基板は、多結晶シリコンインゴットをスライス装置などを用いて所定の厚みに切断することによって得られる。多結晶シリコンインゴットは、高温で加熱溶融させたシリコン融液を鋳型内に注湯して凝固させる方法、または、シリコン原料を鋳型内に入れて溶解した後に凝固させる方法(鋳造法)によって製造できる。
鋳型は、通常、内表面に離型材を塗布したものが用いられる。離型材は、凝固後のシリコンインゴットを鋳型から取り出した後、鋳型材と一緒に処分されるか、あるいは、鋳型材から剥離した後に処分される。離型材は産業廃棄物として廃棄されるので、環境への負荷および製造コストの削減という観点からも、離型材の使用量の削減が求められている。
このため、窒化珪素と酸化珪素を28:72〜75:25の質量比率で混合した離型材を鋳型に塗布・乾燥して形成して、酸化珪素成分をガラス化させて内部に窒化珪素粉末を固着させる技術が提案されている(下記の特許文献1を参照)。なお、通常、窒化珪素の平均粒径は0.5μm程度であり、酸化珪素の平均粒径は窒化珪素よりも大きく20μm程度である。
特開平9−175809号公報
しかしながら、鋳造後も離型材粒子形状はある程度維持しているため、離型材粒子体積に対しその粒同士の接着面が小さく、コスト低減のために離型材塗布量を少なくすると離型材層の強度が低下しやすい。
そこで本発明は、従来と比べて少ない塗布量でも離型材が剥離してシリコン融液中に混入することを抑制して、離型材が鋳型に強固に付着して鋳型が再使用できなくなることを低減したシリコン鋳造用鋳型およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係るシリコン鋳造用鋳型は、鋳型の内側表面に離型材層を設けたシリコン鋳造用鋳型であって、前記離型材層は、平均粒径が下記式を満足する第1酸化珪素、第2酸化珪素および窒化珪素を含んでいる。
第1の酸化珪素の平均粒径<窒化珪素の平均粒径<第2の酸化珪素の平均粒径
また、本発明の一形態に係るシリコン鋳造用鋳型の製造方法は、鋳型の内側表面に、下記式を満足する第1の酸化珪素、第2の酸化珪素および窒化珪素を含んでいる離型材層を設ける。
第1の酸化珪素の平均粒径<窒化珪素の平均粒径<第2の酸化珪素の平均粒径
上記構成のシリコン鋳造用鋳型およびその製造方法によれば、窒化珪素粉末の周囲を第
1の酸化珪素粉末が取り巻くように存在する。これにより、窒化珪素粉末同士を強く結合することができて、離型材が剥離してシリコン融液中に混入するのを低減できる。
また、離型材層に第2酸化珪素を含有させることによって、離型材層が鋳型に強固に付着して鋳型が再使用できなくなることを低減できる。
本発明の一形態に係るシリコン鋳造用鋳型を説明する図であり、(a)はシリコン鋳造用鋳型の一例を示す斜視図、(b)は(a)を水平面に対して垂直方向に切断した様子を示す断面図である。 本発明の一形態に係るシリコン鋳造用鋳型に設けた離型材層において、窒化珪素、第1の酸化珪素および第2の酸化珪素を混在させたときの構造を概念的に示した断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るシリコン鋳造用鋳型およびその製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面は模式的に示したものであるので、図示されている各構成要素のサイズおよび位置関係等は適宜変更できる。
図1(a)に示すように、鋳型1は、例えば、黒鉛または炭素繊維強化材料等のカーボン材などからなる。また鋳型1は、例えば、1つの底部材101と4つの側部材102とを組み合わせた、分割および組み立てが可能な分割型鋳型などで構成される。なお、鋳型1の材料としては、前記材料以外に酸化珪素の焼結体、石英または溶融シリカ等を用いることも可能である。また鋳型1として、前記分割型鋳型に限らず底部と側部とを一体に成形した一体型鋳型を用いても構わない。
底部材101と側部材102は、ボルト(不図示)と、底部材101および側部材102が嵌合する枠部材(不図示)とで固定することによって分割可能に組み立てられる。また、底部材101および側部材102の少なくとも一面には凹凸加工を施すことが好ましい。これにより、後述する鋳型部材への離型材スラリーの接着性、定着性を向上させることができる。
鋳型1の内側表面には、鋳型1を何度も繰り返して使用することができるように、後で詳述する離型材層2が設けられている。なお、離型材層2の作製方法の詳細についても後述するが、離型材の粉末の所定量を秤量して、これを例えば10質量%のPVA(ポリビニルアルコール)水溶液に混合し、撹拌すれば、離型材の粉末をスラリー状とすることができる。スラリー状としたものを鋳型1の内側表面に塗布し、乾燥することによって、鋳型1の内側表面に離型材層2を設けることができる。
次に、離型材層2を設けた鋳型1を0.9kPa以上12kPa以下に減圧したアルゴン(Ar)雰囲気中に置く。そして、鋳型1をシリコン融液と同程度か若干低い温度で加熱してシリコン融液を注湯する。その後、鋳型1の底部から冷却してシリコン融液を凝固させた後、固化したシリコンを鋳型1から取り出してシリコンインゴットを得る。なお、鋳型1内にシリコン原料を入れ、これを直接溶解した後、鋳型1の底部から徐々に降温させてシリコン融液を鋳型1の底部から徐々に凝固させてもよい。なお、シリコンインゴットを得た後、鋳型1の構成部材は離型材層2をへらなどで除去した後、再度、鋳型1の内側表面を離型材層2で被覆し、複数回繰り返し使用することができる。
本実施形態においては、鋳型1の内側表面に設けられた離型材層2は、下記式を満足する少なくとも第1の酸化珪素、第2の酸化珪素および窒化珪素を含んでいる。
第1の酸化珪素の平均粒径<窒化珪素の平均粒径<第2の酸化珪素の平均粒径。
つまり、窒化珪素の平均粒径は第1の酸化珪素の平均粒径よりも大きく、第2の酸化珪素の平均粒径は窒化珪素の平均粒径よりも大きい。
図2に示すように、本実施形態において用いる窒化珪素201としては、シリコンジイミドの熱分解法で得られる球状粉末を用いることが望ましい。この方法によれば、粒度分布の幅が狭く、大きさの揃った窒化珪素201が得られる。そのため、後述する方法によって離型材層2が焼成されたときに、窒化珪素201の粒径のバラツキによって、粒子が凝集したり融着したりすることを抑制することができて、離型材層2の強度を安定させることができる。なお、窒化珪素201としては、平均粒径が0.1μm以上5μm以下の球状粉末を用いることが好ましく、さらに0.1μm以上1μm以下の球状粉末を用いることが好ましい。
そして、窒化珪素201を酸化雰囲気下で熱処理することで、酸化改質処理を施して、表面に非晶質の酸化珪素皮膜201aを形成するとよい。酸化改質処理は、700℃以上1200℃以下の温度範囲で所定時間窒化珪素粉末を処理することによって、窒化珪素201の表面に非晶質の酸化珪素皮膜201aを形成するとよい。酸化珪素皮膜201aの膜厚は1nm以上100nm以下の範囲とすることが望ましい。
例えば、1μmの平均粒径を有する窒化珪素201を、大気雰囲気下、700℃以上1300℃以下の加熱温度で所定時間加熱することによって、約20nmの厚みの非晶質の酸化珪素皮膜201aを窒化珪素201の表面に形成することができる。
このような方法によって、酸化改質処理を施した窒化珪素201の表面の酸化珪素皮膜201aは、大気中の水分などに由来するSi−OH(シラノール基)が形成されている。そして、相互の窒化珪素201のSi−OH(シラノール基)間でSi−O−Si(シロキサン結合)が生じるので、窒化珪素201同士の密着性が大幅に改善され、離型材層2が強固なものになる。
本実施形態において用いる酸化珪素202には、窒化珪素201よりも平均粒径が小さい第1の酸化珪素202aと、窒化珪素201よりも平均粒径が大きい第2の酸化珪素202bとが含まれている。
酸化珪素202は、例えば、石英ガラスを粉砕して得られた粉末を分級することで得ることができる。また、酸化珪素202として、可燃ガスと助燃ガス、例えば水素ガスと酸素ガスとの高温火炎中に、四塩化珪素を噴射して加熱処理して得られる非晶質の球状の酸化珪素粉末を用いてもよい。また、一般的に沈降法またはゲル化法と呼ばれる湿式のシリカ合成法で得られた酸化珪素粉末を用いてもよい。例えば、酸化珪素粉末を水酸化ナトリウム水溶液などと混合して得られた珪酸アルカリ水溶液と硫酸などの酸とを混合して、酸化珪素を析出させて得られた酸化珪素粉末を用いてもよい。
図2に示すように、窒化珪素201の周囲を第1の酸化珪素202aが取り巻くように存在しているので、窒化珪素201同士を強く結合させることができる。また、第2の酸化珪素202bを含有させることによって、離型材が鋳型1の内側表面に強固に付着して鋳型1が再使用できなくなることを低減することができる。
窒化珪素201および酸化珪素202のそれぞれの平均粒径は粒度分布測定法によって判別できる。例えばレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて水を溶媒として粒度分布を体
積基準で測定した結果から求めることができる、例えば、平均粒径は測定対象となる粒子径(最小粒子径:d、最大粒子径:dn+1)の測定範囲をn分割したそれぞれの粒子径区間の代表粒子径Diと、 それぞれの粒子径区間に対応する粒度分布比率Yiとの積
の総和の式、すなわち、Σ[i=1,n]Di・Yiから求めることができる。
また、平均粒径の異なる複数の粒子を含む試料について、レーザ回折式粒度分布測定装置によって粒度分布を測定すると、粒度分布においてそれぞれの粒子の平均粒径に対応したピークが現れる。本実施形態においては、第1の酸化珪素202aの平均粒径を示すピークと第2の酸化珪素202bの平均粒径を示すピークとの間に窒化珪素201の平均粒径を示すピークが存在する。窒化珪素201の平均粒径は0.1μm以上1μm以下程度であればよい。
第1の酸化珪素202aの平均粒径は0.3μm以下であることが望ましい。離型材粒子体積に対しその粒子同士の接着面が大きくなり、コスト低減のために離型材塗布量を低減しても離型材層2の強度を低下しにくくすることができる。
第2の酸化珪素202bの平均粒径は10μm以上50μm以下であることが望ましい。第1の酸化珪素202aの存在によって、離型材塗布時に作製するスラリーの粘度が大きくなるのを低減することができて、塗布時の作業性を向上させることができる。また、離型材層2中の空隙が少なくならないようにして、離型材層2の断熱性が低下するのを抑制し鋳型1内で均一な温度制御がしやすいようにできる。
また、鋳型1の材料として黒鉛製等のカーボン材を用いた場合、本実施形態の離型材層2を用いることによって鋳型1の構成部材の酸化消耗を低減して、作製したシリコンインゴット中の酸素濃度の増加を低減することができる。
また、第1の酸化珪素202aおよび第2酸化珪素202bは非晶質であることが望ましい。なぜなら、第1の酸化珪素202aは非晶質であることによって、上述の製法により平均粒径の揃った粒子を作製できて窒化珪素201同士をより強く結合させることができるからである。
また、離型材層2b中の第1の酸化珪素202aの含有量は、酸化珪素202の総質量を100質量部とした場合に1質量部以上30質量部以下であることが望ましい。なぜなら、離型材層2b中の第1の酸化珪素202aの含有量を調整することによって、窒化珪素201同士をより強く結合させることができて、離型材塗布時に作製するスラリーの粘度が大きくなるのを低減でき、塗布時の作業性を向上させることができるからである。
また、離型材層2中の窒化珪素201の含有量は、酸化珪素202の総質量を100質量部とした場合に100質量%以上300質量%以下であることが望ましい。なぜなら、離型材層2中の窒化珪素201の含有量を前記範囲にすることによって、窒化珪素201と酸化珪素202との固着効果が顕著になり、離型材層2の強度の低下を低減することができるからである。また、離型材層2中の窒化珪素201の含有量を前記範囲にすることによって、離型材層2が鋳型1に強固に付着することを低減できる。これにより、鋳型1が離型材を介してシリコンインゴットに付着して鋳型1からシリコンインゴットを脱型するときに、シリコンインゴットの一部に欠けが発生することを低減できる。
離型材層2中の酸化珪素202aのBET法による比表面積は15から300m/gであることが好ましい。なぜなら、比表面積が15m/gよりも大きいと離型材層2の結合が向上して離型材層2の強度が向上し、比表面積が300m/gよりも小さいと離型材スラリーの粘度上昇が低減できるので離型材の塗布性が良好となるからである。
次に、本実施形態の離型材層2の形成方法について説明する。
上述の方法によって作製した窒化珪素201と酸化珪素202とを所定の混合比で5質量%以上15質量%以下のPVA(ポリビニルアルコール)水溶液に混合・撹拌して、離型材スラリーを作製する。この離型材スラリーを鋳型1の内側表面に塗布、乾燥することによって、本実施形態のシリコン鋳造用鋳型の離型材層2を形成することができる。
PVAの重合度は300以上2000以下であり、酸化珪素202の総質量(100質量部)に対するPVAの質量部は5以上20以下の範囲であることが望ましい。なぜなら、PVAの重合度が300以上の場合、鋳造工程で離型材層2が加熱され焼結が進む際に、離型材層2の密度が低くなり、層の断熱性が向上するからであり、また、PVAの重合度が2000以下の場合、離型材スラリーの粘度が低くなり、塗布性が向上するからである。また、PVAの質量部が5以上の場合、塗布した離型材層の強度が十分に得られ、離型材層と鋳型部材との付着力が十分に得られる。このため、鋳造中に離型材層の一部が鋳型部材から剥離して、それがシリコン中へ混入して異物不良を発生させる恐れが低減する。PVAの質量部が20以下の場合、離型材スラリーの粘度が低下し、塗布性が向上するため好ましい。
離型材スラリーの塗布方法としては、刷毛もしくはへらを用いてもよいし、またはスプレーなどを用いて鋳型1の内側表面に塗布してもよい。塗布したスラリーの乾燥方法としてはホットプレート上で加熱することによって乾燥させてもよいし、熱風を吹き付けることで乾燥させてもよいし、ランプヒーターもしくはセラミックヒーターを用いて乾燥させてもよく、または、ラミネート装置を用いて加熱圧着させる方法でも可能である。
離型材層2は0.1mm以上2mm以下の厚さの範囲内で形成することが望ましい。離型材層2の厚さがこの範囲内であれば、離型材層2の乾燥時間が短くて済む上に、完全に鋳型1の内側表面を被覆することができて、シリコン融液と鋳型1の構成部材とが直接接触することがない。
なお、これらの離型材層2を必要な厚みとするためには、塗布する量を変更したり、塗布して乾燥した後に繰り返し重ねて、同一の離型材スラリーを塗布・乾燥を行えばよい。
脱型後の鋳型1は、その表面から離型材層2をへらなどで除去して、複数回繰り返し使用することができる。また、除去した離型材層2も、窒化珪素201および酸化珪素202を含有しているため、除去した離型材層2を粉砕、分散および洗浄等の処理をすることによって、窒化珪素201および酸化珪素202を含有した離型材粉末とすることができる。さらに、この離型材粉末に新たな窒化珪素201と第2の酸化珪素202b、およびバインダーと溶剤を規定量追加して離型材スラリーを作製することができる。
なお、本実施形態は上述の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が可能である。
例えば、上述の説明では、窒化珪素201がイミド熱分解法によって製造された場合について説明したが、金属珪素の直接窒化法で得られる窒化珪素を用いることも可能である。ただし、直接窒化法による窒化珪素は、直接窒化反応時に生成する粗大粉末の未粉砕粒子を多く含み、粒度分布の幅が広い。このため、加熱焼成後の凝集粒子および融着粒子のうち少なくとも一方の粒径制御が困難となる恐れがある。そこで、適宜、例えば分級などの手段によって、粒度分布の幅を狭く抑えることが望ましい。
また上述の説明では、鋳型1の材質として黒鉛を主成分として含むものについて説明したが、この場合、高純度黒鉛の単体材料に限るものではない。鋳型1の材料として炭素繊維によって強化した黒鉛材料を用いてもよい。さらに、黒鉛以外に溶融酸化珪素などを用いた鋳型を用いてもよい。また、分割型の鋳型の代わりに一体型の鋳型を用いても構わない。
以下、本実施形態をさらに具体化した実施例について説明する。
平均粒径が0.8μmの窒化珪素201と、所定の平均粒径を有する第1の酸化珪素202aと、所定の平均粒径を有する第2の酸化珪素202bとを混合し、さらに重合度500で酸化珪素(第1の酸化珪素と第2の酸化珪素)の総量100に対する質量比が10のポリビニルアルコールを含んだ水溶液で攪拌混合して離型材スラリー得た。なお、用いた第1の酸化珪素202aのBET法による比表面積は8から400m/gのものを用いた。そして、得られた離型材スラリーを黒鉛製の鋳型1の内側表面にへらで塗布した後、ホットプレート上で乾燥させ、約2.0mmの厚さの離型材層2を得た。
窒化珪素201および酸化珪素202の平均粒径は、レーザー回折散乱法によって粒度分布の測定によって判別して求めた。酸化改質処理で表面に非晶質の酸化珪素皮膜201aを形成した窒化珪素も同様に粒度分布の測定ができて、平均粒径を求めた。
上述の方法によって作製した鋳型1を1Paに減圧したアルゴン雰囲気中に置いた。そして、黒鉛ヒータを使用して約1000℃に加熱した状態で鋳型1内にシリコン融液68kgを注湯し、鋳型1の底部からシリコン融液を徐々に凝固させた。冷却後固化したシリコンインゴットを鋳型1から取り出し、シリコンインゴットをスライスしてシリコンウエハとした。
また、離型材層2の形成の際、窒化珪素201および酸化珪素202の含有質量比、平均粒径を変えて表1に示すNo.1〜No.19の条件でシリコンインゴットを作製した。
そして、離型材スラリーの粘度等に起因する塗布性、鋳型1と離型材層2および離型材層2とシリコンインゴットとの剥離性(離型性)、離型材層2の強度(離型材強度)、および断熱性に係わるシリコンインゴットの形状異常の評価(断熱性)を評価して、これらの評価項目の評価結果を総合して、各製造条件で作製したシリコンインゴットの判定を行った。この結果を表1に示す。
Figure 2014141399
なお、表1中に示した窒化珪素の質量比は酸化珪素(第1の酸化珪素と第2の酸化珪素)の総量100に対する質量比を示している。また、条件No.6の第1の酸化珪素は平均粒径が0.1μm未満であり、粒径が測定装置の測定下限未満の粒子が多いため、平均粒径の算定ができなかった。
表1において「塗布性」は離型材スラリーの粘度異常による離型材層2の厚み不良等に起因するシリコンインゴットの欠け等の異常の有無を示した項目である。○は異常が無かったものであり、△は異常が軽微であり許容できたものであり、×は許容できなかったものである。
また、「離型性」は、シリコンインゴットに離型材が固着することに起因するシリコンインゴットの欠け等の有無を目視で判断して示した項目である。この項目で○は固着が無かったものであり、△は固着が軽微であり許容できたものであり、×は許容できなかったものである。
また、「離型材強度」は、離型材層2の破損によってシリコンインゴットが鋳型1に固着して発生した欠け等の有無を目視で判断して示した項目である。○は欠けが無かったものであり、△は欠けが軽微であり許容できたものであり、×は許容できなかったものである。
さらに、「断熱性」は、離型材層2の熱伝導が大きいことによる熱応力によって発生したクラック等、離型材層2の断熱に係わる異常の有無をインゴット切断後の目視検査で判断して示した項目である。○は異常が無かったものであり、△は異常が軽微で許容できたものであり、×は許容できなかったものである。
判定は次のようにして行った。「塗布性」、「離型性」、「離型材強度」および「断熱性」の一つでも×(許容できないもの)があれば×と判定した。また、「離型材強度」が△であれば△と判定した。また、「塗布性」、「離型性」および「断熱性」において、2つ以上△があれば△と判定した。そして上記以外を○と判定した。
これらの結果より、条件No.2−4、6、8、9,11、17,18は、特に優れた特性の太陽電池素子を作製することが可能なシリコンインゴットが得られると思われるため判定が○であった。
また、条件No.5,7,10,12,16は判定が△であった。
さらに、本発明の範囲外である条件No.1,13−15は判定が×であった。
レーザー回折散乱法によって、本発明の範囲内である条件No.2−12,16−19の場合、第1の酸化珪素202aの平均粒径を示すピークと第2の酸化珪素202bの平均粒径を示すピークとの間に窒化珪素201の平均粒径を示すピークが存在することを確認した。
また、本発明の範囲内である条件2−12,16−19の場合は、第1の酸化珪素202aのBET法による比表面積は15から300m2/gであった。
以上のように、本発明の範囲内である条件No.2−12,16−19のシリコンインゴットは、すべて許容範囲内の結果が得られたのに対して、本発明の範囲外である条件No.1,13−15のシリコンインゴットについては、いずれかの評価項目が×の結果となり、本発明の効果が確認された。
1:鋳型
2:離型材層
101:底部材
102:側部材
201:窒化珪素
201a:酸化珪素皮膜
202:酸化珪素
202a:第1の酸化珪素
202b:第2の酸化珪素

Claims (7)

  1. 鋳型の内側表面に離型材層を設けたシリコン鋳造用鋳型であって、
    前記離型材層は、下記式を満足する第1の酸化珪素、第2の酸化珪素および窒化珪素を含んでいるシリコン鋳造用鋳型。
    第1の酸化珪素の平均粒径<窒化珪素の平均粒径<第2の酸化珪素の平均粒径
  2. 前記第1の酸化珪素、前記第2の酸化珪素および前記窒化珪素のそれぞれの平均粒径は粒度分布測定法によって判別されて、前記第1の酸化珪素の平均粒径を示すピークと前記第2の酸化珪素の平均粒径を示すピークとの間に前記窒化珪素の平均粒径を示すピークが存在する請求項1に記載のシリコン鋳造用鋳型。
  3. 前記鋳型が黒鉛製である請求項1または2に記載のシリコン鋳造用鋳型。
  4. 前記第1の酸化珪素の平均粒径が0.3μm以下、前記第2の酸化珪素の平均粒径が10μm以上50μm以下であり、
    前記離型材層における前記第1の酸化珪素の含有量は、前記離型材層に含まれる酸化珪素の総質量を100質量部とした場合に1質量部以上10質量部以下であり、
    かつ、前記離型材層における前記窒化珪素の含有量は、前記離型材層に含まれる酸化珪素の総質量を100質量部とした場合に100質量部以上300質量部以下である請求項1乃至3のいずれかに記載のシリコン鋳造用鋳型。
  5. 前記第1の酸化珪素が非晶質である請求項1乃至4のいずれかに記載のシリコン鋳造用鋳型。
  6. 前記第1の酸化珪素はBET法による比表面積が10m/g以上300m/g以下である請求項1乃至5のいずれかに記載のシリコン鋳造用鋳型。
  7. 鋳型の内側表面に、下記式を満足する第1の酸化珪素、第2の酸化珪素および窒化珪素を含んでいる離型材層を設けるシリコン鋳造用鋳型の製造方法。
    第1の酸化珪素の平均粒径<窒化珪素の平均粒径<第2の酸化珪素の平均粒径
JP2013265727A 2012-12-28 2013-12-24 シリコン鋳造用鋳型およびその製造方法 Expired - Fee Related JP6096653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013265727A JP6096653B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-24 シリコン鋳造用鋳型およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012286791 2012-12-28
JP2012286791 2012-12-28
JP2013265727A JP6096653B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-24 シリコン鋳造用鋳型およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014141399A true JP2014141399A (ja) 2014-08-07
JP6096653B2 JP6096653B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=51423050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013265727A Expired - Fee Related JP6096653B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-24 シリコン鋳造用鋳型およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6096653B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018012632A (ja) * 2016-07-18 2018-01-25 グリーン エナジー テクノロジー インク. 多結晶シリコンインゴットの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09175809A (ja) * 1995-12-27 1997-07-08 Kyocera Corp シリコンの鋳造法
JP2004291027A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Kyocera Corp シリコン鋳造用鋳型の製造方法
JP2007534590A (ja) * 2004-04-29 2007-11-29 ベスビウス クルーシブル カンパニー シリコン結晶化用坩堝
WO2008026688A1 (fr) * 2006-08-30 2008-03-06 Kyocera Corporation Procédé de formation d'un moule pour la production d'un lingot de silicium, procédé de production d'un substrat pour élément de cellule solaire, procédé de production d'un élément de cellule solaire et moule pour la production d'un lingot de silicium

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09175809A (ja) * 1995-12-27 1997-07-08 Kyocera Corp シリコンの鋳造法
JP2004291027A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Kyocera Corp シリコン鋳造用鋳型の製造方法
JP2007534590A (ja) * 2004-04-29 2007-11-29 ベスビウス クルーシブル カンパニー シリコン結晶化用坩堝
WO2008026688A1 (fr) * 2006-08-30 2008-03-06 Kyocera Corporation Procédé de formation d'un moule pour la production d'un lingot de silicium, procédé de production d'un substrat pour élément de cellule solaire, procédé de production d'un élément de cellule solaire et moule pour la production d'un lingot de silicium

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018012632A (ja) * 2016-07-18 2018-01-25 グリーン エナジー テクノロジー インク. 多結晶シリコンインゴットの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6096653B2 (ja) 2017-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5153636B2 (ja) シリコンインゴット製造用鋳型の形成方法、太陽電池素子用基板の製造方法、および太陽電池素子の製造方法
JP4328161B2 (ja) シリコン鋳造用鋳型
KR101307478B1 (ko) 질화규소를 포함하는 견고하게 부착된 분리층
JP2018008870A (ja) 優れた硬度の窒化ケイ素含有剥離層
CN104412358B (zh) 半导体用复合基板的操作基板
WO2011122585A1 (ja) シリコンインゴット鋳造用積層ルツボ及びその製造方法
JP4192070B2 (ja) シリコン鋳造用鋳型およびその製造方法
CN112566738A (zh) 涂料组合物的应用和用于制造具有涂料覆盖层的离心铸型的相应的方法
JP6096653B2 (ja) シリコン鋳造用鋳型およびその製造方法
JP4395114B2 (ja) 球状金属酸化物粉末の製造方法
US20150273571A1 (en) Precision casting mold and method of producing the same
CN107916451A (zh) 一种铸造多晶硅免喷坩埚
JP2010280529A (ja) 多結晶シリコン製造用ルツボの製造方法
JP4116914B2 (ja) シリコン鋳造用鋳型の製造方法、シリコンインゴットの製造方法
JP4884150B2 (ja) シリコン鋳造用鋳型の製造方法
CN105190838B (zh) 半导体用复合基板的操作基板以及半导体用复合基板
JP4025671B2 (ja) シリコン鋳造用鋳型の製造方法
US20150283601A1 (en) Precision casting mold and method of producing the same
JP2013227171A (ja) 単結晶シリコン育成用るつぼ、単結晶シリコン育成用るつぼの製造方法、及び単結晶シリコンの製造方法
JP2010052996A (ja) 多結晶シリコン製造用容器
JP5053206B2 (ja) 型材を用いた石英ガラス材料の成形方法
JP2005104743A (ja) シリコン鋳造用鋳型
JP4051181B2 (ja) シリコン鋳造用鋳型及びこれを用いた太陽電池の形成方法
JP2005152987A (ja) シリコン鋳造用鋳型およびその製造方法
JP4245942B2 (ja) 金属板用ディスクロール及びその製造方法、並びにディスクロール用基材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6096653

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees