JP2014137881A - 活物質層形成用スラリーの製造方法 - Google Patents

活物質層形成用スラリーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より均質で、活物質層の塗工欠陥(欠点)が生じ難い活物質層形成用スラリーの製造方法を提供すること。抵抗が低減され、高い電池性能を長期に渡り安定して発揮し得る非水電解質二次電池の製造方法を提供すること。
【解決手段】ここで開示される活物質層形成用スラリーの製造方法は、以下の工程:(S10)活物質と該活物質とは異なる高分子化合物とを準備すること;(S20)上記活物質および上記高分子化合物を溶媒と共に混練し、活物質層形成用スラリーを調製すること;を包含する。上記高分子化合物は、所定の波長の赤外線を吸収する官能基を有している。そして、上記活物質層形成用スラリーの調製において、上記活物質層形成用スラリーに該波長の赤外線を照射しつつ混練する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池の製造方法に関する。より詳しくは、電極活物質層形成用スラリーの製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池等の非水電解質二次電池は、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として広く用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両の駆動用高出力電源として好ましく用いられている。
非水電解質二次電池の典型的な構成では、正負の電極が非水電解質とともに電池ケース内に収容されている。該電極は、導電性部材(集電体)の表面に電荷担体を可逆的に吸蔵および放出し得る材料(活物質)を含む活物質層を備える。このような電極は、例えば、活物質と必要に応じて用いられる材料とを適当な溶媒に分散させたスラリー状またはペースト状の組成物(以下、「活物質層形成用スラリー」という。)を集電体に塗工し乾燥することにより作製し得る。
ところで、上記活物質層形成用スラリーの調製では、材料の分散性および/またはスラリーの塗工性を向上させるために、該スラリー中に高分子化合物を含ませる方法が知られている。しかし、高分子化合物は溶媒中で凝集体(ダマ)になり易く、均一に分散させることが難しい。そして、活物質層形成用スラリー中に高分子化合物の凝集体が存在すると、塗工後の活物質層にスケやピンホール等の塗工欠陥(欠点)を生じ、電池性能を低下させる虞がある。これに関連する技術として、例えば特許文献1には、平均粒径の比を所定の範囲に調整した高分子化合物と活物質とを準備して、これらの材料を溶媒中に投入する前に乾式混合する手法が記載されている。
特開2011−063673号公報 特許第4801233号公報
しかしながら、高分子化合物の凝集のし易さは、平均粒径のみならず他の性状(典型的には平均分子量)によっても大きく異なり得る。また、本発明者の検討によれば、活物質が異方性を有する場合(例えば鱗片状や平板状の場合)や活物質の粒径分布がブロードな場合に、特許文献1に記載の技術だけでは高分子化合物の凝集を抑制することが難しいことがあった。加えて、活物質の粒径は電池の特性(エネルギー密度や出力密度等)を左右する重要なパラメータであるため、自由に決定し得ることが好ましい。本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より均質で、活物質層の塗工欠陥(欠点)が生じ難い活物質層形成用スラリーの製造方法を提供することである。関連する他の目的は、かかる活物質層形成用スラリーを用いて形成された活物質層を備えた非水電解質二次電池の製造方法であって、抵抗が低減され、高い電池性能を長期に渡り安定して発揮し得る非水電解質二次電池の製造方法を提供することである。
本発明者は、分子レベルで高分子化合物の凝集を抑制することを考えた。そして、鋭意検討を重ねた結果、上記課題を解決し得る手段を見出し、本発明を完成させた。
本発明によって、活物質層形成用スラリーを製造する方法が提供される。かかる方法は、以下の工程:活物質と、該活物質とは異なる高分子化合物と、を準備すること;上記活物質および上記高分子化合物を溶媒と共に混練し、活物質層形成用スラリーを調製すること;を包含する。ここで、上記高分子化合物は所定の波長の赤外線を吸収する官能基を有している。また、上記活物質層形成用スラリーの調製において、上記活物質層形成用スラリーに対して上記高分子化合物に選択的に吸収される波長の赤外線を照射しつつ混練することを特徴とする。
活物質層形成用スラリーの調製時に、上記高分子化合物に選択的に吸収される波長の赤外線を照射すると、高分子化合物の振動(伸縮振動や変角振動)の状態が変化し得る。すなわち、特定の波長の赤外線を照射すると該赤外線と共鳴し得る官能基の振動エネルギーが励起される。そして、これによって高分子化合物の凝集が解砕され得る。換言すれば、高分子化合物の長鎖同士の絡まりを好適に解すことができる。したがって、ここで開示される方法によれば、溶媒中における高分子化合物の凝集を分子レベルで抑制し得、活物質層の塗工欠損(欠点)が生じ難い均質な活物質形成用スラリーを製造することができる。また、ここで開示される製造方法はスラリー調製時に赤外線を照射するだけでよいので簡便であり、生産性や作業効率の観点からも好ましい。なお、ここで「選択的に吸収される波長」とは、活物質形成用スラリー中に含まれる材料の中で当該高分子化合物のみに吸収される波長だけでなく、例えば他の材料に比べて当該高分子化合物に優位に吸収される波長をも含み得る。
なお、特許文献2には、活物質層形成用スラリーを集電体上に付与した後の乾燥工程において、赤外線を照射する方法が開示されている。かかる乾燥方法によれば、活物質層の厚み方向におけるバインダの分布を従来に比べ均質化し得、該活物質層の剥離やひび割れ等を抑制し得る旨が記載されている。しかしながら、特許文献2には本発明のような課題の意識はなく、また本発明に関して何ら開示も示唆もされていない。
例えば、赤外線を吸収する官能基としてカルボニル基(−C(=O)−)を含む高分子化合物を用いる場合は、上記活物質層形成用スラリーの調製において該活物質層形成用スラリーに8μm以上12μm以下の波長の上記赤外線を照射することが好ましい。一般に、分子内の結合(典型的には官能基)は特定の波長領域に赤外線の吸収帯を有する(すなわち特定の波長領域の赤外線のみを吸収する)ことが知られている。換言すれば、分子内に吸収され得る赤外線の波長は分子構造によって異なることが知られている。例えば、8μm以上12μm以下の波長のみの赤外線を照射すると、活物質形成用スラリー中に存在するカルボニル基を含んだ高分子化合物(例えばカルボキシメチルセルロース)のみが選択的に赤外線を吸収し得る。このため、例えば溶媒として水系のもの(ヒドロキシル基(−OH)を有する水やアルコール等)を用いた場合であっても、ヒドロキシル基には赤外線が吸収されず、すなわち活物質層形成用スラリーの固形分率や粘度を好適な値に維持したまま、高分子化合物の凝集体のみを解砕することができる。
上記高分子化合物は、一般に他の材料(例えば活物質)を溶媒中に均質に分散させるための分散剤や、活物質形成用スラリーを塗工に好適な粘度に調整するための増粘剤、或いはバインダ(結合剤)として使用され得るものである。かかる高分子化合物としては、例えば、疎水性鎖と親水性基をもつ高分子化合物であって、且つ、上記親水基としてカルボニル基、カルボキシル基、エーテル基、エステル基等の酸素含有基(好ましくは−C(=O)−、例えばカルボニル基やカルボキシル基)を含む高分子化合物を採用し得る。より具体的には、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸アミド、ポリカルボン酸等を好適に採用し得る。一般に、酸素含有基を含む高分子化合物は極性が高いため、溶媒中において該酸素含有機同士が相互作用を生じて凝集体を形成し易い傾向にある。しかしながら、ここで開示される技術によれば、溶媒中における高分子化合物の凝集を好適に抑制し得るため、塗工欠損の発生が低減された活物質層を安定的に形成することができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、上記活物質層形成用スラリーの調製において、上記赤外線を照射しつつ上記活物質と上記高分子化合物とを上記溶媒と共に混練し、上記溶媒中に上記活物質と上記高分子化合物とを分散させた後、バインダを添加してさらに混練する。
まず赤外線を照射しつつ活物質と高分子化合物とを混練することで、高分子化合物に効率的に赤外線を吸収させることができ、その結果、活物質と高分子化合物とを溶媒中に均質に分散させることができる。さらに、そこにバインダを添加し赤外線を照射せずに混練することで、バインダ(例えばスチレンブタジエンゴム)が赤外線の影響を受けることを防止し得る。したがって、集電体からの剥離や割れ等の不具合が生じ難い活物質層を形成し得る。すなわち、活物質層形成用スラリーの調製を2段階で行うことで、より一層優れた電池性能(例えば耐久性)を実現し得、本願発明の効果をより高いレベルで発揮することができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、上記活物質および上記高分子化合物の準備は、粉末状の上記活物質および粉末状の上記高分子化合物を乾式混合し、混合粉末の状態に調製することを包含する。
活物質と高分子化合物とを予め乾式混合することにより、溶媒中で高分子化合物が凝集することをより一層好適に抑制し得る。したがって、本願発明の効果をより高いレベルで発揮することができる。
例えば非水電解質二次電池用の負極活物質スラリーの典型的な製造方法では、活物質として黒鉛を、分散剤や増粘剤としてカルボニル基を含有する高分子化合物(例えばカルボキシメチルセルロース)を、溶媒として水系のものを、それぞれ好適に使用し得る。ここで開示される製造方法によれば、カルボニル基(−C(=O)−)のように高い親水性基を有する高分子化合物を用いた場合であっても、水系溶媒中(典型的には水中)で凝集が生じ難い。このため、水系溶媒中に活物質(黒鉛)と高分子化合物(カルボキシメチルセルロース)とを好適に分散し得、塗工欠損の発生が低減された負極活物質層を安定的に形成し得る。さらに、活物質としての黒鉛は高い電池性能(例えばエネルギー密度)を実現し得る。このため、ここで開示される製造方法によれば、抵抗の増大や反応ムラによるリチウムの析出等の不都合が抑制され且つ高い電池性能を発揮し得る負極を好適に作製することができる。
また、本発明によって、非水電解質二次電池を製造する方法が提供される。かかる方法は、以下の工程:上記いずれかの製造方法により得られた活物質層形成用スラリーを集電体上に付与することにより、該集電体上に活物質層が形成された電極を得ること;上記得られた電極を用いて電池を構築すること;を包含する。
上記製造方法によれば、抵抗が低減され、高い電池性能を安定して発揮し得る電極を備えた非水電解質二次電池を好適に製造することができる。かかる非水電解質二次電池は、例えばエネルギー密度や出力密度に優れ、且つその特性を長期間に亘って発揮し得る耐久性の高いものであり得る。したがって、かかる特徴を活かして、例えば車両の動力源(駆動電源)として好適に利用し得る。
なお、本明細書において「非水電解質二次電池」とは非水電解質(典型的には、非水溶媒中に支持塩を含む電解液)を備えた電池をいう。より具体的には、例えば、二次電池、一次電池、キャパシタ(コンデンサともいう)等であり得、典型的には繰り返し充電可能な蓄電デバイス一般、例えばリチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、疑似容量キャパシタ等を包含する用語である。
一実施形態に係る活物質層形成用スラリーの製造方法を示すフロー図である。 一実施形態で用いられる攪拌混合装置を示す模式図である。 一実施形態に係る非水電解質二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図3の非水電解質二次電池のIV−IV線断面図である。 図4の捲回電極体の構成を示す模式図である。 一試験例に係る塗工欠損(欠点)の発生数を示すグラフである。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、活物質の製造方法、セパレータや電解質の構成、電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
本発明の一実施形態に係る活物質層形成用スラリーの製造方法について、図1を参照しつつ説明する。特に限定することを意図したものではないが、以下では負極活物質層形成用スラリーを製造する例を具体的に示し、各工程を詳細に説明する。
ここで開示される活物質層形成用スラリーの製造方法は、大まかに言って、準備工程(ステップS10)と混練工程(ステップS20)とを包含する。準備工程(ステップS10)には、活物質と高分子化合物とを準備することが含まれる。また、混練工程(ステップS20)には、上記活物質および上記高分子化合物を溶媒と共に混練し、活物質層形成用スラリーを調製することが含まれる。
≪S10;準備工程≫
ステップS10の準備工程は、少なくとも負極活物質と所定の波長の赤外線を吸収し得る官能基を有する高分子化合物とを準備する工程である。
<負極活物質>
負極活物質としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の1種または2種以上の材料を特に限定することなく使用することができる。特に限定されるものではないが、例えば、天然黒鉛(石墨)、人造黒鉛、ハードカーボン(難黒鉛化炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素)、カーボンナノチューブ等の炭素材料;酸化ケイ素、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ニオブ、酸化錫、リチウムケイ素複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物(Lithium Titanium Composite Oxide:LTO、例えばLiTi12、LiTi、LiTi)、リチウムバナジウム複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム錫複合酸化物等の金属酸化物材料;窒化リチウム、リチウムコバルト複合窒化物、リチウムニッケル複合窒化物等の金属窒化物材料;スズ、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、リチウム等の金属もしくはこれらの金属元素を主体とする金属合金からなる金属材料;等を用いることができる。
なかでも特に、還元電位(vs.Li/Li+)が凡そ0.5V以下、より好ましくは0.2V以下(例えば0.1V以下)となり得る負極活物質は、高いエネルギー密度を実現し得るため好ましい。かかる低電位となり得る材料としては、黒鉛系の炭素材料(典型的には黒鉛)が挙げられる。或いは、黒鉛が非晶質(アモルファス)な炭素材料でコート(被覆)された形態の粒子であってもよい。かかる粒子は、非晶質な炭素材料で表面をコートされているため非水電解質との反応性が相対的に低く抑えられている。したがって、不可逆容量を抑制し得、高い耐久性を発揮し得る。
負極活物質の性状は特に限定されないが、平均粒径が0.5μm〜50μm(典型的には1μm〜30μm、例えば4μm〜25μm)程度の粒子状であり得る。また、比表面積は通常0.1m/g〜30m/g程度が適当であり、典型的には0.5m/g〜20m/であり、例えば1m/g〜10m/g程度のものを好ましく使用し得る。また、タップ密度は通常0.1g/cm〜1.5g/cm程度であり、典型的には0.5g/cm〜1.3g/cmであり、例えば0.7g/cm〜1.2g/cm程度のものを好ましく使用し得る。負極活物質の性状が上記範囲にある場合、緻密で導電性の高い負極活物質層を形成し得、高いエネルギー密度を実現し得る。また負極活物質層内に適度な空隙を保持することができるため、非水電解質が浸漬し易く、高い入出力密度を実現し得る。
なお、本明細書中において「平均粒径」とは、一般的な粒度分布測定装置(例えば、株式会社堀場製作所製の型式「LA−920」)を用いて、レーザー回折・光散乱法により測定した体積基準の粒度分布において、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(すなわち50%体積平均粒子径。メジアン径ともいう。)をいう。また、本明細書中において「比表面積」とは、一般的な比表面積測定装置(例えば日本ベル株式会社製の「BELSORP(商標)−18PLUS」)を用いて、窒素ガスを用いたBET法(例えば、BET1点法)により測定された表面積をいう。また、本明細書中において「タップ密度」とは、一般的なタッピング式の密度測定装置(例えば、筒井理化学器械社製の型式「TPM−3」)を用いて、JIS K1469に規定される方法により測定した密度をいう。
また、ここで好適に用いられる負極活物質(典型的には黒鉛)は形状異方性を有し得、例えば、鱗片状、平板状等であり得る。或いは、鱗片状の黒鉛を球形化したものであり得る。ここで開示される技術では、該粒子の最も長い辺の長さと最も短い辺の長さ(典型的には厚み)の比(いわゆるアスペクト比)が、2以上(好ましくは10以上)であって、100以下(典型的には、50以下、好ましくは10以下)のものを好適に使用し得る。なお、上記黒鉛の形状は、一般的な走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて観察することができる。より具体的には、少なくとも30個以上(例えば30個〜100個)の負極活物質について、例えば、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の走査型電子顕微鏡(FE−SEM)、型式「HITACHI S−4500」を用いて、SEM観察を行い、得られた画像から判断し得る。
<高分子化合物>
高分子化合物は、典型的には、他の材料を溶媒中に均質に分散させるための分散剤および/または活物質形成用スラリーを塗工に好適な粘度に調整するための増粘剤として機能し得る物質である。或いは、活物質層の形状を保持するためのバインダとして機能し得る物質であり得る。このような高分子化合物としては、所定の波長の赤外線を吸収する官能基を有する物質を1種または2種以上使用することができる。特に限定されるものではないが、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチラール、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリカルボン酸等の合成高分子化合物;カードラン、パキマン、ラミナラン、澱粉、デキストリン、グルコマンナン、アガロース、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、クインシードガム、キサンタンガム、アラビアガム、プルラン、寒天、コンニャクマンナン等の天然高分子化合物;等を用いることができる。なかでも、疎水性鎖と親水性基をもつ高分子化合物であって、且つ、親水基として赤外線を吸収し得る酸素含有基(例えば、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル基、エステル基)を含む高分子化合物を好ましく用いることができる。具体的な化合物として、カルボキシメチルセルロース(例えばアルカリ塩、典型的にはナトリウム塩)、ポリアクリル酸アミド、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリカルボン酸等を好適に採用し得る。
高分子化合物の性状は特に限定されないが、例えば重量平均分子量(Mw)が1万以上150万以下(例えば5万以上100万以下、好ましくは10万以上50万以下)のものを好適に用いることができる。分子量が極端に小さい場合は必要な量が増加するため、電池反応に伴う電荷担体の移動が妨げられ電池性能が低下する虞がある。逆に、分子量が極端に大きい場合は溶媒中で絡まったり凝集したりし易く、分散が不安定となる虞がある。なお、かかる重量平均分子量(Mw)は、一般的なゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)−示差屈折率検出(Refractive Index:RI)の手法により得られた分子量分布から算出し得る。
ここで開示される好ましい一態様では、図1に示すように、粉末状の上記活物質と粉末状の上記高分子化合物とを予め乾式混合し、混合粉末の状態に調製する。溶媒と混合する前に乾式混合することで、例えば高分子化合物の親水基と活物質の親水基とが相互作用し得、活物質の表面に高分子化合物が吸着(結合)し得る。このため、高分子化合物の凝集力を低減し得、溶媒中に添加した際に凝集することを好適に抑制し得る。したがって、本願発明の効果をより高いレベルで発揮することができる。
なお、ここで調製される混合粉末には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、各種添加剤(例えば、導電材)等を添加することもできる。導電材としては、例えば、種々のカーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック)、コークス、活性炭、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素材料を好適に用いることができる。
≪S20;混練工程≫
ステップS20の混練工程は、少なくとも負極活物質と、該活物質とは異なる高分子化合物とを溶媒と共に混練し、負極活物質層形成用スラリーを調製する工程である。そして、かかる混練は負極活物質層形成用スラリーに所定の波長の赤外線を照射しつつ行うことを特徴とする。図1に示す態様では、混練工程(ステップS20)は、第一混練工程(ステップS22)と第二混練工程(ステップS24)とを包含する。第一混練工程(ステップS22)には、上記赤外線を照射しつつ負極活物質と高分子化合物とを溶媒と共に混練し、溶媒中に上記活物質と上記高分子化合物とを分散させることが含まれる。また、第二混練工程(ステップS24)には、第一混練工程(ステップS22)で得られた混練物(第一混練物)にバインダを添加して(典型的には赤外線を照射せずに)さらに混練することが含まれる。
≪S22;第一混練工程≫
第一混練工程(ステップS22)では、上記調製した混合粉末(すなわち粉末状の負極活物質および高分子化合物)を、赤外線を照射しつつ溶媒と共に混練する。赤外線を照射しつつ混練することで、上述のような効果によって負極活物質と高分子化合物を溶媒中に均質に分散させることができる。
<溶媒>
溶媒としては、上記材料を均一に分散または溶解し得る限りにおいて特に限定されず、例えば、従来から非水電解質二次電池の製造に用いられている溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。かかる溶媒は、水系溶媒と有機溶剤とに大別される。水系溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒であることが好ましい。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。例えば、溶媒の80質量%以上(より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上)が水である水系溶媒を好ましく使用し得る。また、環境負荷の軽減、廃棄物の減量等の種々の観点から、特に好ましい例として、実質的に水からなる水系溶媒(例えば水)が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、アミド系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミン系溶剤、エーテル系溶剤、ニトリル系溶剤、環状エーテル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等用いることができる。より具体的には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、プロペン酸メチル、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、アセトニトリル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン等が挙げられ、典型的にはNMPを用いることができる。
ここで開示される技術では、活物質層形成用スラリーに所定の波長の赤外線を照射しつつ混練する。この際に、例えば溶媒に含まれる官能基の振動エネルギーが励起されると、活物質層形成用スラリーの固形分率や粘度が意図しない影響を受けることがあり得る。したがって、溶媒には照射する波長の赤外線を吸収しないものを好ましく採用し得る。換言すれば、上記高分子化合物に含まれる官能基(照射する赤外線を吸収し得る官能基)を有しないものを好ましく採用し得る。これにより、活物質層形成用スラリーの性状は好適な値に維持したまま、高分子化合物の凝集体のみを好適に解砕することができる。
混練には、例えば、ボールミル、ロールミル、ミキサー、ディスパー、ニーダ等の従来公知の種々の攪拌混合装置を適宜用いることができる。混練時間は、負極活物質と高分子化合物とが溶媒中に均等に分散するまでの時間とすればよい。混練時間は、装置構成や混練条件によっても異なり得るが、通常は10分〜3時間であり、好ましくは10分〜30分である。
第一混練工程(ステップS22)における固形分濃度は特に限定されないが、通常50質量%〜85質量%(好ましくは60質量%〜80質量%、特に好ましくは負極活物質層形成用スラリーで60質量%〜70質量%、正極活物質層形成用スラリーで70質量%〜80質量%)とすることができる。上記のように比較的高い固形分濃度とすることで、活物質と高分子化合物とが強い力(例えば剪断力)で混練される。そのため、高分子化合物の分散が進み(活物質と高分子化合物とが分散されて均質な状態となり)、活物質の表面に高分子化合物が強く吸着され得る。
図2は、一実施形態で用いられる撹拌混合装置1を示す模式図である。攪拌混合装置1は、大まかに言って、攪拌混合槽2と、攪拌部材4と、原料供給部6Aおよび6Bと、赤外線発生部8とを備えている。
攪拌混合槽2は負極活物質層形成用スラリーの原料(典型的には、負極活物質と高分子化合物と溶媒)を収容するための容器である。攪拌混合槽2の材質は特に限定されないが、収容する溶媒等に対して耐腐食性に優れた材質であることが好ましい。このような材質としては、例えばステンレス(SUS)が挙げられる。また、攪拌混合槽2の形状は特に限定されないが、ここでは有底略円筒形状を有している。
攪拌混合槽2の上部には、混合粉末供給部6Aと、バインダ供給部6Bと、図示しない溶媒供給部と、が設けられている。混合粉末供給部6Aは、攪拌混合槽2内に粉末状の負極活物質および高分子化合物を供給する部位であり、図示しない混合粉末供給装置に接続されている。また、バインダ供給部6Bは、後述する第二混練工程(ステップS24)において攪拌混合槽2内にバインダを供給する部位であり、図示しないバインダ供給装置に接続されている。また、溶媒供給部は、攪拌混合槽2内に、スラリーの粘度や固形分を調整するための溶媒を供給する部位である。
攪拌部材4は、攪拌混合槽2の内容物(すなわち、上述した負極活物質層形成用スラリーの構成材料)を攪拌混合するものである。攪拌部材4としては、ディスパー翼、タービン翼等の強い剪断力を与え得るものを好ましく用いることができる。図2に示す態様では、円盤外周の上方および/または下方に鋸型の刃を立てた円盤型の回転羽根を有するディスパー翼4を採用している。ディスパー翼4は、図示しないモーター等の回転駆動手段に接続された軸部4Aと、該軸部によって回転可能なよう支持された円盤型の回転羽根4Bとを備えている。回転羽根4Bの直径は、攪拌混合槽2の内径に対して10%〜80%を占めることが好ましい。ディスパー翼4は、高速回転により生じた剪断力によって、負極活物質および高分子化合物を溶媒中に均質に混合分散させるとともに、高分子化合物の凝集体(ダマ)を微細化し得る。
ディスパー翼4の回転速度は特に制限されないが、通常は概ね3000rpm以上に調整することが適当であり、例えば4000rpm以上(例えば4000rpm〜6000rpm)程度に調整することが好ましい。
赤外線発生部8は、活物質層形成用スラリーに赤外線を照射する部位である。ここで示す態様では、攪拌混合槽2の表面近傍に設けられている。赤外線発生部8から照射される赤外線は、使用する高分子化合物の分子構造(典型的には官能基)によっても異なり得、高分子化合物に選択的に吸収され得る波長を含むものであれば特に限定されない。例えば、近赤外線、中赤外線、遠赤外線であり得る。換言すれば、照射する赤外線の波長は、凡そ0.78μm〜2.5μmであってもよく、凡そ2.5μm〜4μmであってもよく、凡そ4μm〜1000μmであってもよい。なかでも、高分子化合物に選択的に吸収され得る波長(典型的には該高分子化合物に含まれる官能基の特性吸収帯領域またはそれに近い領域)のみからなる赤外線を好適に用い得る。これによって、溶媒やバインダ等が赤外線照射の影響を受けることを抑制し得る。
攪拌部材4と赤外線発生部8とを有する攪拌混合装置1では、活物質形成用スラリーに赤外線を照射しつつ攪拌混合することができる。これによって、赤外線のエネルギーが高分子化合物に吸収され、高分子化合物の振動(伸縮振動や変角振動)の状態が変化し得る。そして、例えば高分子化合物が温められて粘度が下がることで、高分子化合物の凝集が解砕され得る。さらに、撹拌部材4によって活物質層形成用スラリーを撹拌混合することで、攪拌部材4や赤外線発生部8から離れた部分(例えば、攪拌混合槽2の内壁面付近や底部付近)に存在する高分子化合物の凝集をも次々と解砕され得る。その結果、活物質層形成用スラリー全体を安定的に且つ効率よくシェアする(剪断する)ことができ、分散性に優れた均質な活物質層形成用スラリーを製造することができる。
上記高分子化合物として、例えばカルボニル基を有するものを用いる場合には、凡そ8μm〜12μmの波長の(好ましくは凡そ8μm〜12μmの波長のみの)赤外線を照射することが好ましい。上記範囲の波長の赤外線を照射することにより、活物質形成用スラリー中に存在する高分子化合物を選択的に振動させることができる。このため、例えば溶媒として水系のもの(水やアルコール等)を用いた場合であっても、ヒドロキシル基の振動エネルギーは励起されず、活物質層形成用スラリーの固形分率や粘度は好適な値に維持したまま、高分子化合物の凝集体のみを好適に解砕することができる。
≪S24;第二混練工程≫
第二混練工程(ステップS24)では、上記第一混練工程(ステップS22)で得られた第一混合物にバインダ供給部6B(図2)からバインダを添加して、さらに混練する。混練装置や混練時間等の条件は、上記第一混練工程(ステップS22)と同様であってもよく、異なっていてもよい。また、第二混練工程(ステップS24)における固形分濃度は特に限定されないが、典型的には第一混練工程(ステップS22)よりも低く、例えば30質量%〜80質量%(好ましくは35質量%〜70質量%、より好ましくは35質量%〜60質量%)であり得る。
<バインダ>
バインダとしては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の1種または2種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、水系の溶媒を用いて混練物を調製する場合には、水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく採用し得る。水に溶解する(水溶性の)ポリマー材料としては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系ポリマー;ポリウレタン等のウレタン系ポリマー;等が例示される。また、水に分散する(水分散性の)ポリマー材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のビニル系重合体;ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のエチレン系ポリマー;テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)等のフッ素系樹脂;等が挙げられる。
有機溶剤系の溶媒(分散媒の主成分が有機溶媒である溶媒)を用いて混練物を調製する場合には、有機溶剤に分散または溶解するポリマー材料を好ましく採用し得る。かかるポリマー材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。
なお、バインダ供給部6B(図2)から供給されるバインダは、バインダと溶媒とを混合分散させたものであり得る。溶媒としては上記第一混練工程(ステップS22)で用いたものと均一に混合分散し得るものを好ましく用いることができ、特に上記第一混練工程(ステップS22)で用いたものと同種のものを用いることが好ましい。
ここで開示される好ましい一態様では、第一混練工程(ステップS22)後であって第二混練工程(ステップS24)の前に、および/または、第二混練工程(ステップS24)後に、活物質形成用スラリーを好適な状態に調整する。かかる調整は、例えば溶媒の添加等によって行うことができる。好適な一態様では、液温25℃において、E型粘度計を用いてロータ回転数1rpmで測定したときの粘度が、概ね10000mPa・s以下(例えば8000mPa・sm以下、好ましくは5000mPa・sm以下、より好ましくは3000mPa・sm以下)となるように、活物質形成用スラリーの粘度を調整する。これにより、取扱い性や塗工性に優れた活物質形成用スラリーを得ることができる。また、粘度の下限値は特に限定されないが、概ね300mPa・s以上(例えば500mPa・s以上、好ましくは600mPa・s以上)であり得る。これにより、分散安定性(すなわち、負極活物質の沈降しにくさ)や塗工性に優れた活物質形成用スラリーを得ることができる。
なお、ここで開示される製造方法では、混練工程(ステップS20)において(典型的には第二混練工程(ステップS24)の後に)、塗工欠陥を生じ得る高分子化合物の凝集体や混入異物等を取り除くための他の手法を適宜併用してもよい。かかる手法として、例えば濾過が挙げられる。例えば、目開きが500μm以上(好ましくは300μm以上、特に好ましくは100μm以上)のフィルタを用いることにより、該目開きより大きなサイズ(500μm以上)の凝集体や混入異物を確実に取り除くことができる。フィルタとしては、例えばポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂繊維を絡ませた不織布フィルタや樹脂繊維を編んだメッシュフィルタ等を用いることができる。
また、本発明によって、非水電解質二次電池を製造する方法が提供される。かかる方法は、以下の工程:上記得られた活物質層形成用スラリーを集電体上に付与することにより、該集電体上に活物質層が形成された電極を得ること(電極作製工程);上記得られた電極を用いて電池を構築すること(電池構築工程);を包含する。かかる製造方法によれば、抵抗が低減され、高い電池性能を安定して発揮し得る電極を備えた非水電解質二次電池を好適に製造することができる。以下では、一例として、
(負極作製工程)負極活物質層形成用スラリーを負極集電体上に付与することにより該集電体上に負極活物質層が形成された負極を得ること;および
(電池構築工程)上記得られた負極を用いて電池を構築すること;
を包含する製造方法について詳細に説明する。
≪負極作製工程≫
負極作製工程では、上記得られた活物質層形成用スラリーを負極集電体上に付与(塗工)することによって、負極集電体上に負極活物質層が形成された負極を作製する。混練物の塗工には、例えば、スリットコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ディップコーター等の従来公知の塗工装置を用いることができる。
負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼等)からなる導電性部材を好ましく用いることができる。集電体の形状は構築される電池の形状等に応じて異なり得るため特に限定されないが、例えば棒状体、板状体、箔状体、網状体等を用いることができる。なお、後述する捲回電極体を備えた電池では、主に箔状体が用いられる。箔状集電体の厚みは特に限定されないが、電池の容量密度と集電体の強度との兼ね合いから5μm〜50μm(より好ましくは8μm〜30μm)程度のものを用いることができる。
特に限定されるものではないが、負極集電体の単位面積当たりに設ける負極活物質層の質量は、負極集電体の片面当たり3mg/cm〜20mg/cm(典型的には7mg/cm〜15mg/cm)程度とすることができる。なお、負極集電体の両面に負極活物質層を有する構成では、負極集電体の各々の面に設けられる負極活物質層の質量を概ね同程度とすることが好ましい。
負極活物質層全体に占める負極活物質の割合は、凡そ50質量%以上とすることが適当であり、通常は90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%)とすることが好ましい。負極活物質層全体に占める高分子化合物の割合は、例えば凡そ1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。バインダを使用する場合には、負極活物質層全体に占めるバインダの割合は例えば凡そ1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。
好ましい一態様では、負極集電体上に活物質層形成用スラリーを付与した後に、適当な乾燥手法で該活物質層形成用スラリーに含まれる溶媒を除去する。かかる手法としては、自然乾燥、熱風、低湿風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線等による乾燥を単独または組み合わせて用いることができる。
好ましい他の一態様では、上記負極に適宜プレス処理を施すことによって、負極活物質層の厚みや密度を調整する。プレス処理には、例えば、ロールプレス法、平板プレス法等、従来公知の各種プレス方法を採用することができる。プレス処理後の負極活物質層の片面当たりの厚みは特に限定されないが、例えば20μm以上(典型的には50μm以上)であって、200μm以下(典型的には100μm以下)とすることができる。また、負極活物質層の密度は特に限定されないが、例えば0.5g/cm〜4.5g/cm(典型的には1.2g/cm〜4g/cm)程度とすることができる。上記範囲を満たす負極活物質層は、高い電池性能(例えば、高いエネルギー密度や出力密度)を実現し得る。
≪電池構築工程≫
電池構築工程では、上記作製した負極と、正極と、非水電解質と、を用いて非水電解質二次電池を構築する。
<正極>
ここで用いられる非水電解質二次電池の正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された少なくとも正極活物質を含む正極活物質層と、を備えている。
かかる正極を作製する方法は特に限定されないが、典型的には上述した負極と同様であり得、例えば正極活物質と必要に応じて用いられる材料とを適当な溶媒中で混合してスラリー状の組成物を調製し、該スラリーを正極集電体上に付与して正極活物質層を形成することで作製し得る。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼等)からなる導電性部材を好ましく用いることができる。また、負極集電体の形状は負極集電体の形状と同様であり得る。また、上記溶媒としては水性溶媒および有機溶媒のいずれも使用可能であり、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることができる。
正極活物質としては、非水電解質二次電池の正極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料の1種または2種以上を、特に限定なく使用することができる。好適例として、層状系、スピネル系等のリチウム複合金属酸化物(LiNiO、LiCoO、LiMn、LiFeO等)が挙げられる。なかでも、構成元素としてLi,Ni,CoおよびMnを含む、層状構造(典型的には、六方晶系に属する層状岩塩型構造)のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3)は、熱安定性に優れ、且つ他の化合物に比べて理論エネルギー密度が高いため好ましく用いることができる。
ここで用いられる正極活物質層は、上記正極活物質に加え、一般的な非水電解質二次電池において正極活物質層の構成成分として使用され得る1種または2種以上の材料を必要に応じて含有し得る。そのような材料の例として、導電材やバインダが挙げられる。導電材としては、例えば、種々のカーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック)、コークス、活性炭、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素材料を好適に用いることができる。また、バインダとしては、上記負極活物質層用のバインダとして例示したポリマー材料から適当なものを選択することができる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリマー材料を好適に用いることができる。
正極集電体の単位面積当たり設けられる正極活物質層の質量は、正極集電体の片面当たり5mg/cm〜40mg/cm(典型的には10mg/cm〜20mg/cm)程度とすることができる。なお、正極集電体の両面に正極活物質層を有する構成では、正極集電体の各々の面に設けられる正極活物質層の質量を概ね同程度とすることが好ましい。
正極活物質層全体に占める正極活物質の割合は、凡そ60質量%以上(典型的には60質量%〜99質量%)とすることが適当であり、通常は凡そ70質量%〜95質量%であることが好ましい。導電材を使用する場合、正極活物質層全体に占める導電材の割合は、例えば凡そ2質量%〜20質量%とすることができ、通常は凡そ3質量%〜10質量%とすることが好ましい。バインダを使用する場合、正極活物質層全体に占めるバインダの割合は、例えば凡そ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。
そして、上記負極と同様に、適宜プレス処理を施すことによって正極活物質層の厚みや密度を調整することができる。プレス処理後の正極活物質層の片面当たりの厚みは、例えば20μm以上(典型的には50μm以上)であって、200μm以下(典型的には100μm以下)とすることができる。また、正極活物質層の密度は、例えば1.5g/cm〜4g/cm(典型的には1.8g/cm〜3g/cm)程度とすることができる。正極活物質層の性状を上記範囲とすることで、所望の容量を維持しつつ、抵抗を低く抑えることができる。このため、高い電池性能(例えば、高いエネルギー密度や出力密度)を実現し得る。
<電極体>
次に、上記正極および負極を積層し、電極体を作製する。ここで開示される非水電解質二次電池の典型的な構成では、正極と負極との間にセパレータが介在される。セパレータとしては、従来から非水電解質二次電池に用いられるものと同様の各種多孔質シートを用いることができ、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔質樹脂シート(フィルム、不織布等)が挙げられる。かかる多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複数構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。また、上記多孔質シート、不織布等の片面または両面(典型的には片面)に、多孔質の耐熱層を備える構成のものであってもよい。セパレータの厚みは、例えば、凡そ10μm〜40μmの範囲内で設定することが好ましい。なお、固体状の非水電解質を用いた二次電池(例えば、リチウムポリマー電池)では、上記非水電解質がセパレータを兼ねる構成としてもよい。
<非水電解質>
非水電解質としては、非水溶媒中に支持塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等。リチウムイオン二次電池ではリチウム塩。)を溶解または分散させたものを好ましく採用し得る。或いは、液状の非水電解質にポリマーが添加され固体状(典型的には、いわゆるゲル状)となったものでもよい。支持塩としては、一般的な非水電解質二次電池と同様のものを適宜選択して採用し得、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、Li(CFSON、LiCFSO等のリチウム塩を用いることができる。このような支持塩は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましい支持塩としてLiPFが挙げられる。また、非水電解質は上記支持塩の濃度が0.7mol/L〜1.3mol/Lの範囲内となるように調製することが好ましい。
非水溶媒としては、一般的な非水電解質二次電池において非水電解液として用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、或いは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。さらに、非水電解質中には本発明の目的を大きく損なわない限度で、各種添加剤を適宜添加することもできる。上記添加剤は、例えば、電池の出力性能の向上、保存性の向上(保存中における容量低下の抑制等)、サイクル特性の向上、初期充放電効率の向上等の1または2以上の目的で使用され得る。好ましい添加剤の例として、フルオロリン酸塩(典型的にはジフルオロリン酸塩、例えばジフルオロリン酸リチウム)、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等が挙げられる。
≪電池ケース≫
電池ケースとしては、従来から非水電解質二次電池に用いられる材料や形状を用いることができる。該電池ケースの材質としては、例えば、アルミニウム、スチール等の金属材料;ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料;が挙げられる。なかでも、放熱性向上やエネルギー密度を高める目的から、比較的軽量な金属(例えばアルミニウムやアルミニウム合金)を好ましく採用し得る。また、該ケースの形状(容器の外形)は、例えば円形(円筒形、コイン形、ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、袋体形、およびそれらを加工し変形させた形状等であり得る。また、該ケースには電流遮断機構(電池の過充電時に、内圧の上昇に応じて電流を遮断し得る機構)等の安全機構を設けることもできる。
特に限定することを意図したものではないが、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の概略構成として、扁平に捲回された電極体(捲回電極体)と、非水電解質と、を扁平な直方体形(角形)の容器に収容した形態の非水電解質二次電池(単電池)を例とし、図3〜5にその概略構成を示す。
ここで開示される技術の一実施形態に係る非水電解質二次電池は、例えば図3および図4に示すように、捲回電極体80が、図示しない非水電解質とともに、該電極体80の形状に対応した扁平な直方体形状(角形)の電池ケース50に収容された構成を有する。この電池ケース50は、上端が開放された扁平な直方体形状(角形)の電池ケース本体52と、その開口部を塞ぐ蓋体54とを備える。電池ケース50の上面(すなわち蓋体54)には、外部接続用の正極端子70および負極端子72が、それら端子の一部が蓋体54から電池の外方に突出するように設けられている。また、蓋体54には電池ケース内部で発生したガスをケースの外部に排出するための安全弁55が備えられている。
かかる構成の非水電解質二次電池100は、例えば、ケース50の開口部から電極体80を内部に収容し、該ケース50の開口部に蓋体54を取り付けた後、蓋体54に設けられた図示しない電解液注入孔から非水電解質を注入し、次いでかかる注入孔を塞ぐことによって構築される。
図5は、捲回電極体80を組み立てる前段階における長尺状のシート構造(電極シート)を模式的に示す図である。捲回電極体80は、長尺状の正極集電体12の片面または両面(典型的には両面)に長手方向に沿って正極活物質層14が形成された正極シート10と、長尺状の負極集電体22の片面または両面(典型的には両面)に長手方向に沿って負極活物質層24が形成された負極シート20とを重ね合わせて捲回し、得られた捲回体を側面方向から押圧して拉げさせることによって扁平形状に成形されている。そして、正極活物質層14と負極活物質層24との間は、両者の直接接触を防ぐ絶縁層が配置されている。ここに示す態様では、捲回電極体80を作製するに際して、上記絶縁層として長尺シート状のセパレータ40を使用している。
なお、正極シート10は、その長手方向に沿う一方の端部において正極活物質層14が設けられておらず(或いは除去されて)、正極集電体12が露出するよう形成されている。同様に、負極シート20は、その長手方向に沿う一方の端部において、負極活物質層24が設けられておらず(或いは除去されて)、負極集電体22が露出するように形成されている。そして、正極集電体12の該露出端部に正極集電板が、負極集電体22の該露出端部には負極集電板がそれぞれ付設され、上記正極端子70(図2)および上記負極端子72(図2)とそれぞれ電気的に接続されている。
ここで開示される非水電解質二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)は各種用途に利用可能であるが、従来に比べ抵抗が低減され、高い電池性能(例えば、エネルギー密度や出力密度)を長期に渡り安定的に発揮し得ることを特徴とする。よって、このような性質を利用して、例えば車両に搭載されるモーター用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両は、典型的には自動車であり、例えば、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車、電気トラック、原動機付自転車、電動アシスト自転車、電動車いす、電気鉄道等であり得る。したがって、本発明の他の側面として、ここで開示されるいずれかの非水電解質二次電池を(好ましくは動力源として)備えた車両が提供される。なお、車両に搭載される非水電解質二次電池は、複数個の非水電解質二次電池が相互に接続された組電池の形態であり得る。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例>
負極活物質として、粒径:20μm、比表面積:2.5〜3.5m/gの性状を有する天然黒鉛(C)粉末を用意した。また、高分子化合物として、粒径:60〜80μm、重量平均分子量:33万〜38万の性状を有するカルボキシメチルセルロース(CMC)粉末を用意した。まず、これら材料粉末を質量比が98.6:0.7となるよう秤量し、乾式混合した。得られた混合粉末を撹拌混合槽に投入し、固形分濃度が65質量%となるようにイオン交換水を添加した。そして、8μm〜12μmの波長の赤外線を照射しながら混練し、スラリー状の組成物(第一混練物)を調製した。
次に、得られた第一混練物にイオン交換水を添加して固形分濃度を55質量%に調整(希釈)し、その後、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)を上記CMCと同量(すなわち、C:CMC:SBR=98.6:0.7:0.7となるよう)添加し、さらに混練した。これによって、実施例に係る負極活物質層形成用スラリーを調製した。
<比較例>
第一混練物の調製時に赤外線を照射しなかったこと以外は実施例と同様にして、比較例に係る負極活物質層形成用スラリーを調製した。
<性能評価>
上記調製したスラリーを、それぞれ厚み14μmの長尺状銅箔(負極集電体)の表面に幅100mm、長さ200mmで目付量が15mg/cmとなるようドクターブレード法で塗工し、乾燥機で乾燥(100℃、5分)させた。これにより、実施例と比較例に係る負極を作製した。
そして、作製した負極の負極活物質層について、45mm×45mmの範囲内における塗工欠損(欠点)の発生数を目視で数えた。ここでは、実施例・比較例共に、各3枚の負極を作製し、1枚の負極につき任意の3地点で塗工欠損の計測を行った。その結果を図6に示す。ここでは、計9箇所の計測結果の算術平均値をそれぞれ算出し、比較例を100として相対的に示した。また、測定結果のバラつきの範囲をエラーバーで示した。
図6に示すように、第一混練物の調製時に赤外線を照射しなかった比較例に比べて、赤外線を照射した実施例では欠点の数が凡そ1/4に減少した。この理由として、8μm〜12μmの波長の赤外線を照射することによってカルボキシメチルセルロースのカルボニル基(C=O基)が振動、発熱することで溶媒中に溶解し易くなり、凝集体(ダマ)の発生が減少したことが考えられる。すなわち、第一混練物の調製時に赤外線を照射することで、活物質形成用スラリー中にカルボキシメチルセルロースを均質に分散し得、これによって活物質層の塗工欠損(欠点)を低減し得ることが示された。かかる結果は、本発明の技術的意義を示すものである。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
S10 準備工程
S20 混練工程
S22 第一混練工程
S24 第二混練工程
1 攪拌混合装置
2 攪拌混合槽
4 攪拌部材(ディスパー翼)
4A 軸部
4B 回転羽根
6A 混合粉末供給部
6B バインダ供給部
8 赤外線発生部
10 正極シート(正極)
12 正極集電体
14 正極活物質層
20 負極シート(負極)
22 負極集電体
24 負極活物質層
40 セパレータシート(セパレータ)
50 電池ケース
52 ケース本体
54 蓋体
55 安全弁
70 正極端子
72 負極端子
80 捲回電極体
100 非水電解質二次電池

Claims (8)

  1. 活物質層形成用スラリーを製造する方法であって:
    活物質と、該活物質とは異なる高分子化合物と、を準備すること;および、
    前記活物質および前記高分子化合物を溶媒と共に混練し、活物質層形成用スラリーを調製すること;
    を包含し、
    ここで、前記高分子化合物は、所定の波長の赤外線を吸収する官能基を有しており、且つ、
    前記活物質層形成用スラリーの調製において、前記活物質層形成用スラリーに対して前記高分子化合物に選択的に吸収される波長の赤外線を照射しつつ混練することを特徴とする、活物質層形成用スラリーの製造方法。
  2. 前記高分子化合物は、前記赤外線を吸収する官能基として少なくともカルボニル基を有しており、且つ、
    前記活物質層形成用スラリーの調製において、前記活物質層形成用スラリーに8μm以上12μm以下の波長の前記赤外線を照射する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記活物質層形成用スラリーの調製において、
    前記赤外線を照射しつつ前記活物質と前記高分子化合物とを前記溶媒と共に混練し、前記溶媒中に前記活物質と前記高分子化合物とを分散させた後、バインダを添加してさらに混練する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記バインダとしてスチレンブタジエンゴムを用いる、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記活物質および前記高分子化合物の準備は、
    粉末状の前記活物質および粉末状の前記高分子化合物を乾式混合し、混合粉末の状態に調製することを包含する、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記高分子化合物としてカルボキシメチルセルロースを用いる、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記活物質として黒鉛を用いる、請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 非水電解質二次電池を製造する方法であって:
    請求項1から7のいずれか一項に記載の製造方法により得られた活物質層形成用スラリーを集電体上に付与することにより、該集電体上に活物質層が形成された電極を得ること;および、
    前記得られた電極を用いて電池を構築すること;
    を包含する、非水電解質二次電池の製造方法。
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