JP2014137362A - 誘導検出型ロータリエンコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型のロータリエンコーダを提供する。
【解決手段】誘導検出型ロータリエンコーダは、ステータと、回転軸に係合されてこの回転軸と共に回転しステータと軸方向に対向するロータとを備える。ステータは、内周側から外周側にかけて配置された2以上の送信巻線及び受信巻線を備え、ロータは、これら2以上の送信巻線及び受信巻線とそれぞれ磁束結合して角度検出トラックを構成する2以上の磁束結合体とを備える。更に、2以上の受信巻線と外周側の受信巻線とは直列に接続され、内周側の受信巻線と外周側の受信巻線とに共通して使用される引き出し配線によって引き出される。
【選択図】図4

Description

本発明は、ステータに対するロータの回転に伴う物理量の変化を検出し、その変化に基づき物体の回転角を測定するロータリエンコーダに関する。
誘導検出型ロータリエンコーダは、送信巻線及び受信巻線が配置されたステータと、これらと磁束結合された磁束結合巻線が配置されたロータとを備える(例えば、特許文献1参照)。ロータリエンコーダでは、それが搭載されるマイクロメータ等の小型化の要請、高精度化の要請により、受信巻線のピッチをさらに微細化することが求められる。
特開2011−085504号公報
絶対位置検出型のロータリエンコーダを構成する場合、最低でも2つの受信巻線を必要する。受信巻線は、異なる位相の信号を検出する複数の配線を有している。従って、受信巻線の数が増加すると、それだけ配線パターンが複雑化し、更に回路規模が増大してしまう。本発明はこの様な課題に鑑みなされたものであり、小型のロータリエンコーダを提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る誘導検出型ロータリエンコーダは、ステータと、回転軸に係合されて回転軸と共に回転しステータと軸方向に対向するロータと、ステータのロータの対向面、及びロータのステータの対向面に回転軸に対して同軸的に形成され、内周側から外周側にかけて配置された2以上の角度検出トラックとを備える。2以上の角度検出トラックは、ステータに設けられ、回転軸を中心として環状に形成された送信巻線と、ステータに設けられ、送信巻線に沿って回転軸を中心として環状に形成された受信巻線と、ロータに設けられ、回転軸を中心として環状に形成されて送信巻線及び受信巻線と磁束結合する磁束結合体とをそれぞれ備える。更に、2以上の角度検出トラックに備えられた一の受信巻線と他の受信巻線の一端は共通に接続され、一の受信巻線と他の受信巻線の他端は引き出し配線によって引き出される。
上記構成を有する誘導検出型ロータリエンコーダにおいては、一の受信巻線と他の受信巻線とは直列に接続され、一の受信巻線と他の受信巻線とに共通して使用される引き出し配線によって引き出される。従って、受信巻線からの引き出し配線数を半数にまで削減し、更に受信制御部の回路規模を縮小することが可能である。
上記誘導検出型ロータリエンコーダは、例えば次のように構成することが可能である。即ち、ロータは、回転軸に係合されて回転軸と共に回転しステータと軸方向に対向する第1のロータと、第1のロータの外周側に配置され第1のロータに対して回転可能でステータと軸方向に対向する第2のロータとであり、回転軸の回転を伝達して第2のロータを第1のロータとは異なる速度で回転させる回転伝達手段を更に備える。また、2以上の角度検出トラックは、内周側の角度検出トラックと、この内周側の角度検出トラックの外周側に配置された外周側の角度検出トラックである。内周側の角度検出トラックは、ステータの前記第1のロータの対向面、及び第1のロータのステータの対向面に回転軸に対して同軸的に形成され、外周側の角度検出トラックは、ステータの第2のロータの対向面、及び第2ロータのステータの対向面に回転軸に対して同軸的に形成される。更に、内周側の角度検出トラックを構成する磁束結合体は第1のロータに設けられ、外周側の角度検出トラックを構成する磁束結合体は第2のロータに設けられる。
また、上記誘導検出型ロータリエンコーダは、次のように構成することも可能である。即ち、上記ロータは、回転軸に係合されて回転軸と共に回転しステータと軸方向に対向する第1のロータと、第1のロータの外周側に配置され第1のロータに対して回転可能でステータと軸方向に対向する第2のロータとであり、回転軸の回転を伝達して第2のロータを第1のロータとは異なる速度で回転させる回転伝達手段とを更に備える。また、上記2以上の角度検出トラックは、ステータの第1のロータに対向する部分、及び第1のロータのステータに対向する部分に、それぞれ回転軸に対して同軸的に形成された第1の角度検出トラック、及び第2の角度検出トラックと、ステータの第2ロータに対向する部分、及び第2ロータのステータに対向する部分に、それぞれ回転軸に対して同軸的に形成された第3の角度検出トラック、及び第4の角度検出トラックである。更に、第1〜第4の角度検出トラックを構成する受信巻線のうち、いずれか2つの受信巻線の一端は共通に接続され、他端は引き出し配線によって引き出される
更に、上記誘導検出型ロータリエンコーダは、例えば第1及び第2の角度検出トラックが、ステータの第1のロータの対向面及び第1のロータのステータの対向面に形成され、2の角度検出トラックが第1の角度検出トラックの外周側に配置され、第3及び第4の角度検出トラックが、ステータの第2のロータの対向面及び第2のロータのステータの対向面に形成され、第4の角度検出トラックが第3の角度検出トラックの内周側に配置される様にしてもよい。また、第1及び第2の角度検出トラックが、ステータ及びロータの対向方向に積層して形成され、第3及び第4の角度検出トラックが、ステータ及びロータの対向方向に積層して形成される様にしてもよい。
また、上記誘導検出型ロータリエンコーダの第1及び第2の角度検出トラックは、第1のロータの1回転でそれぞれN1回及びN2回の周期的変化を生成し、第3及び第4の角度検出トラックは、第2のロータの1回転でそれぞれN3回及びN4回の周期的変化を生成するようにすることも可能である。この場合には、N1,N2,N3,N4は互いに異なり、N1,N2,N3,N4のうちの一と他との最大公約数は全て1である様にすることも考えられる。上記誘導検出型ロータリエンコーダをこの様に構成すれば、第1〜第4の角度検出トラックにおけるクロストークを低減し、測定精度の更なる向上を図ることが可能である。
更に、第1〜第4の角度検出トラックのうちの2つの角度検出トラックは、共通の送信巻線を有し、共通の送信巻線は、第1〜第4の受信巻線のうちの2つの受信巻線に同時に電流を誘起し、2つの受信巻線は、第1〜第4の受信巻線のうちの残りの2つの受信巻線とそれぞれ共通に接続されるようにすることも可能である。この様な構成によれば、送信巻線を2つの角度検出トラックに共通の構成とすることによって部品点数を削減し、製造プロセスを簡略化することによって製造コストを低減させることが可能である。また、一つの送信巻線によって2つの検出トラックの角度を検出することが可能であるため、角度検出の高速化及び回路構成の簡略化が期待される。
本発明によれば、絶対位置の測定を行う事が可能であり、且つ小型のロータリエンコーダを提供することが可能となる。
第1実施形態に係るマイクロメータヘッド1を示す断面図である。 同実施形態の誘導検出型ロータリエンコーダ4を構成する第1のロータ42、第2のロータ51の斜視図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4を構成する第1のロータ42、第2のロータ51の分解斜視図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4のステータ41と、第1及び第2のロータ42及び51との構成を示す側断面図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4のステータ41の構成を示す平面図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4のステータ41の構成を、詳細に説明する為の平面図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4の第1のロータ42の構成を示す平面図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4の第2のロータ51の構成を示す平面図である。 同実施形態の送受信制御部6および演算処理部7の構成を示すブロック図である。 同実施の形態に係る第1の送信巻線S1及び第2の送信巻線S2への電流供給手段を示す回路図である。 同実施の形態に係る第1、第2の送信巻線S1,S2を流れる電流によって第1、第2の磁束結合体M1,M2に生じる誘導電流を示す概略図である。 第2実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2のステータ41−2と、第1及び第2のロータ42−2及び51−2との構成を示す側断面図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4−2のステータ41−2の構成を示す平面図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の第1のロータ42−2の構成を示す平面図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の第2のロータ51−2の構成を示す平面図である。 第3実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−3のステータ41−3と、第1及び第2のロータ42−3及び51−3との構成を示す側断面図である。 同実施形態の送受信制御部6−3および演算処理部7の構成を示すブロック図である。 同実施の形態に係る第1の送信巻線S1、第2の送信巻線S2及び第4の送信巻線S4への電流供給手段を示す回路図である。 第4実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−4のステータ41−4と、第1及び第2のロータ42−4及び51−4との構成を示す側断面図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4−4の第1のロータ42−4の構成を示す平面図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4−4の第2のロータ51−4の構成を示す平面図である。 第5実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−5のステータ41−5と、第1及び第2のロータ42−5及び51−5との構成を示す側断面図である。 同実施形態のステータ41−5を構成する第1の配線層41A上の構成を示す平面図である。 同実施形態のステータ41−5を構成する第2の配線層41B上の構成を示す平面図である。 同実施形態の第1のロータ42−5を構成する第1の配線層42A上の構成を示す平面図である。 同実施形態の第1のロータ42−5を構成する第2の配線層42B上の構成を示す平面図である。 同実施形態の第2のロータ51−5を構成する第1の配線層51A上の構成を示す平面図である。 同実施形態の第2のロータ51−5を構成する第2の配線層51B上の構成を示す平面図である。 同実施形態の、第1のトラックの信号を受信する場合の様子を示す概略図である。 同実施形態の、第2のトラックの信号を受信する場合の様子を示す概略図である。 同実施形態の、第3のトラックの信号を受信する場合の様子を示す概略図である。 同実施形態の、第4のトラックの信号を受信する場合の様子を示す概略図である。 第6実施形態に係るステータ41−6と、第1及び第2のロータ42−6及び51−6との構成を示す側断面図である。 同実施形態に係るステータ41−6を構成する第1の配線層41A−6の構成を示す平面図である。 同実施形態に係るステータ41−6を構成する第2の配線層41B−6の構成を示す平面図である。 同実施形態の第1のロータ42−6を構成する第1の配線層42A−6上の構成を示す平面図である。 同実施形態の第1のロータ42−6を構成する第2の配線層42B−6上の構成を示す平面図である。 第7実施形態に係るマイクロメータヘッド1−7を示す断面図である。 同実施形態の誘導検出型ロータリエンコーダ4−7の分解斜視図である。 第8実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−8のステータ41と、ロータ42−8との構成を示す側断面図である。 同誘導検出型ロータリエンコーダ4−8のロータ42−8の構成を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る誘導検出型ロータリエンコーダの一実施形態について説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
先ず、図1を参照して、第1実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4を搭載したマイクロメータヘッド1の全体構成について説明する。図1は、第1実施形態に係るマイクロメータヘッド1を示す断面図である。
マイクロメータヘッド1は、本体2、本体2から延びるスピンドル3、スピンドル3を中心に設けられた誘導検出型ロータリエンコーダ4を有する。また、マイクロメータヘッド1は、送受信制御部6、演算処理部7、及び表示部8を有する。送受信制御部6は、誘導検出型ロータリエンコーダ4との間の送受信を制御する。演算処理部7は、送受信制御部6(誘導検出型ロータリエンコーダ4)からの信号に基づき演算処理を実行する。表示部8は、演算処理部7による演算結果を表示する。
本体2は、略円筒状に形成され、内部に収納空間21,22を備えている。収納空間21、22は、中仕切り板23で仕切られている。この略円筒状の本体2のスピンドル先端側(図中、左側)の壁および中仕切り板23には、それぞれスピンドル3が貫通する貫通孔24,25が形成され、本体2の基端側(図中、右側)の端部には、雌ねじ26が形成されている。これらの貫通孔24,25および雌ねじ26は、同軸上に配置されている。
スピンドル3は、略円柱状に形成され、先端部に被測定物(不図示)との接触面31を有し、基端部につまみ部32を有する。このつまみ部32は、スピンドル3を外部から回転操作するためのものである。そして、スピンドル3は、本体2の貫通孔24,25に挿通され、本体2から両端が突出した状態となっている。また、スピンドル3の外周には送りねじ33が形成され、本体2の雌ねじ26に螺合されている。このようにして、つまみ部32が回転されると、送りねじ33と雌ねじ26との螺合によって、スピンドル3が貫通孔24,25に沿って進退するようになっている。送りねじ33は、例えば、0.5mmピッチで40回転分形成され、スピンドル3を20mm進退させることができる。また、スピンドル3の略中央部には、軸方向に沿って直線状のキー溝34が形成されている。
[1−2.誘導検出型ロータリエンコーダ4の構成]
続いて、図1〜図3を参照して、誘導検出型ロータリエンコーダ4を構成する第1のロータ42、第2のロータ51ついて説明する。図2は、誘導検出型ロータリエンコーダ4を構成する第1のロータ42、第2のロータ51の斜視図である。図3は、誘導検出型ロータリエンコーダ4を構成する第1のロータ42、第2のロータ51の分解斜視図である。誘導検出型ロータリエンコーダ4は、図2及び図3に示すように、第1のロータリエンコーダ40と、第2のロータリエンコーダ50とから構成され、本体2の収納空間22に収納されている。
第1のロータリエンコーダ40は、ステータ41と、第1のロータ42と、第1の回転円筒43とを備えている。
ステータ41は、円板の中央にスピンドル3が挿通される挿通孔44を有し、中仕切り板23に固定されている。具体的には、ステータ41は、中仕切り板23の貫通孔25の周りに形成された縁部材27に外嵌されている。
第1のロータ42は、円板の中央にスピンドル3が挿通される挿通孔45を有し、ステータ41と所定寸法だけ離れた位置に、ステータ41に軸方向に対向して配置されている。
第1の回転円筒43は、当該第1の回転円筒43にスピンドル3が挿通された状態で、ステータ41よりもスピンドル3の先端側に配設され、第1のロータ42をスピンドル3の軸周りに回転可能に支持している。すなわち、第1の回転円筒43のステータ41側の端部には、スピンドル3の外周に沿ってロータ支持部46が形成され、このロータ支持部46の外周に第1のロータ42が外嵌されている。
また、第1の回転円筒43は、外周から中心に向かって螺入されたねじ状のキー47を備えている。このキー47の先端は、第1の回転円筒43の内周から突出し、スピンドル3の外周のキー溝34と係合している。すなわち、スピンドル3が回転すると、スピンドル3のキー溝34にキー47が係合していることから、第1の回転円筒43はスピンドル3と同期して回転するようになっている。
また、第1の回転円筒43の外周には、第1の歯車48が形成されている。この歯車48は、第1の回転円筒43においてスピンドル3の先端側の端部に設けられ、回転円筒43の他の部分の外周よりも大きい外径寸法を有している。第1の歯車48の歯数は、例えば、40枚に設定されている。
第2のロータリエンコーダ50は、前述のステータ41と、第2のロータ51と、第2の回転円筒(保持体)52と、中継歯車53とを備えている。
ステータ41は、第1のロータリエンコーダ40のステータ41であり、第1のロータリエンコーダ40及び第2のロータリエンコーダ50に共通する部品となっている。
第2のロータ51は、円板の中央に第1のロータ42を配置可能な孔54を有し、当該第1のロータ42の外周に、それを取り囲むように配置されている。また、第2のロータ51は、第1のロータ42と同様に、ステータ41と所定寸法だけ離れた位置に、ステータ41に軸方向に対向して配置されている。このように、各ロータ42,51のステータ41と対向する面同士が略同一平面を形成している。
第2の回転円筒52は、第1の回転円筒43(第1の歯車48を除く部分)が内部に挿通された状態で、当該第1の回転円筒43に支持されている。この第2の回転円筒52のステータ41側の端部に、第2のロータ51が貼付されている。このようにして、第2のロータ51がスピンドル3の軸周りに回転可能に支持されている。すなわち、第1のロータ42、第2のロータ51は、それぞれ内側と外側に配置されて2重円筒構造を構成している。
また、第2の回転円筒52の外周には、第2の歯車55が形成されている。この歯車55は、第2の回転円筒52においてスピンドル3の先端側の端部に設けられ、第1の回転円筒43の歯車48と略同じ外径寸法を有している。第2の歯車55の歯数は、例えば、41枚に設定され、第1の歯車48の歯数より1枚だけ大きくなっている。
中継歯車53は、本体2に回転可能に支持され、第1の歯車48と第2の歯車55との両方に噛合した状態で配置されている。すなわち、中継歯車53は、第1の歯車48に噛合する第1の中継歯車53Aと、第2の歯車55に噛合する第2の中継歯車53Bと、これらの中継歯車53A,53Bを同一軸上に軸支する軸部53Cとを有して構成されている。中継歯車53A,53Bの各歯数は同数に設定され、例えば12枚となっている。ここで、一対の歯車となる第1の歯車48および第1の中継歯車53Aの各モジュールは一致しており、他の一対の歯車となる第2の歯車55および第2の中継歯車53Bの各モジュールも一致しており、これによって、第1の回転円筒43が回転すると、中継歯車53を介して、第2の回転円筒52が円滑に回転できるようになっている。
この際、歯車48と歯車55との歯数の違いによって、各ロータ42,51は、異なる速さで回転する。例えば、本実施形態のように歯車48の歯数を40枚として、歯車55の歯数を41枚とした場合には、スピンドル3が進退移動範囲内で40回転する間に、第1のロータ42は40回転し、第2のロータ51は39回転する。
また、第1のロータリエンコーダ40および第2のロータリエンコーダ50は、それぞれのロータ42、51の一回転以内の絶対角度を検出可能となっている。すなわち、ステータ41は、第1のロータ42の一回転あたり一周期の変化を示す位相信号を出力する。そして、第1のロータ42はスピンドル3と同期して回転するので、第1のロータ42に関する位相信号は、スピンドル3の一回転によって本発明の第1の周期の変化を示す。例えば、スピンドル3が40回転する間に40周期の変化を示す。
ステータ41は、第2のロータ51についても一回転あたり一周期の変化を示す位相信号を出力する。そして、第2のロータ51はスピンドル3が40回転する間に39回転するので、第2のロータ51に関する位相信号は、スピンドル3の40回転によって39周期の変化を示す。
[1−3.誘導検出型ロータリエンコーダ4の積層構造]
次に、図4を参照して、ステータ41、第1のロータ42及び第2のロータ51の積層構造について説明する。図4は、ステータ41、第1のロータ42及び第2のロータ51の断面図である。ステータ41は、絶縁層411A及び411B上にまたがって形成された第1の受信巻線R1及び第2の受信巻線R2を有する。また第1の配線層411Aは、挿通孔44と第1の受信巻線R1との間に第1の送信巻線S1を、第2の受信巻線R2の外周に第2の送信巻線S2を備えて構成される。更に、第1の受信巻線R1及び第2の受信巻線R2は第1のコンタクト配線C1によって共通に接続される。第1のロータ42は第1の磁束結合体M1を有する。また、第2のロータ51は第2の磁束結合体M2を有する。
[1−4.誘導検出型ロータリエンコーダ4の平面構造]
次に、図5〜図8を参照して、ステータ41、第1のロータ42、及び第2のロータ51上の平面構成について詳細に説明する。図5〜図8は、それぞれステータ41、第1のロータ42、及び第2のロータ51の構成を示す平面図である。
図5に示すように、第1、第2のロータ42、51に対向するステータ41上には、第1の送信巻線S1及び第2の送信巻線S2がスピンドル3と同軸に設けられている。第1の送信巻線S1は、スピンドル3(回転軸)から第1の径をもって略円形状に形成されている。第2の送信巻線S2は、スピンドル3(回転軸)から第1の径よりも大きい第2の径をもって略円形状に形成されている。
また、図5に示すように、第1、第2のロータ42、51に対向するステータ41の第1の配線層411A上には、第1の受信巻線R1及び第2の受信巻線R2がスピンドル3と同軸的に設けられている。第1の受信巻線R1及び第2の受信巻線R2は第1の送信巻線S1と第2の送信巻線S2との間に形成されており、内周側に第1の受信巻線R1が、外周側に第2の受信巻線R2が形成されている。第1の受信巻線R1は、第1の磁束結合巻線M1により生じた磁束を検出する。第2の受信巻線R2は、第2の磁束結合巻線M2により生じた磁束を検出する。
第1の受信巻線R1及び第2の受信巻線R2は、それぞれ回転方向に位相の異なる3つの受信巻線R11〜R13及び受信巻線R21〜R23から構成される。ここで、受信巻線R11に着目すると、図6に示す通り、ループ状(菱形状)に形成された電線から構成されている。受信巻線R11は、交差部が短絡しないように、互いに交差する部分が基板の上下に配列され、相互がビアホールにて接続されることにより各々絶縁分離されて配置されている。また、この受信巻線R11を構成する電線のループは2つ一組で巻線PAR1を構成する。本実施形態においては、受信巻線R11は9個(N1)の巻線PAR1を直列に接続してなる。また、第2の受信巻線R2を構成する受信巻線R21は10個(N2)の巻線PAR2を直列に接続してなる。更に、これら受信巻線R11及び受信巻線R21はコンタクト配線C11によって直列に接続され、共通の引き出し配線W11によって引き出される。従って、引き出し配線W1を構成する2本の配線のうち、1本は受信巻線R11に接続され、他方は受信巻線R21に接続される。尚、残りの受信巻線R12,R13,R22及びR23もほぼ同様に構成されている。即ち、受信巻線R12及びR13は受信巻線R11と、R22及びR23は受信巻線R21とほぼ同様に構成されており、R12とR22はコンタクト配線C12によって、R13とR23はコンタクト配線C13によって直列に接続され、引き出し配線W12,W13によって引き出されている。
本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダによれば、第1の受信巻線R1及び第2の受信巻線R2を直列に接続し、更にこれら受信巻線R1及びR2の引き出し配線を共通としている。これによって、受信巻線の引き出し配線の数を半数に削減し、更に受信制御部の回路規模を縮小している。また、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダにおいては、第1の送信巻線S1、後述する第1の磁束結合体M1及び第1の受信巻線R1から構成される第1の角度検出トラックの信号と、第2の送信巻線S1、後述する第2の磁束結合体M2及び第2の受信巻線R2から構成される第2の角度検出トラックの信号とが、共通の引き出し配線W11〜W13から受信される。従って、第1の角度検出トラックによる角度の検出と第2の角度検出トラックによる角度の検出とは、時分割で交互に行われる。
図7に示すように、ステータ41と対向する第1のロータ42上には、第1の磁束結合体M1がスピンドル3と同軸的に設けられている。第1の磁束結合体M1は、第1のロータ42の1回転でスピンドル3(回転軸)からの距離がN1回周期的に変化するように形成されている。また、第1の磁束結合体M1は、第1の送信巻線S1と磁束結合可能とされている。
第1の磁束結合巻線M1は、例えば9個(N1)の配線パターンPAM1を環状に接続して形成される。第1の磁束結合体M1は、ピッチλ1をもって第1のロータ42の回転方向に周期的に変化する連続した歯車状の形状の配線を有する部分と、この歯車状の配線部分に外接する円形状の配線部分とが重なった形状の配線を有する。より具体的に、第1の磁束結合体M1は、スピンドル3から離れる方向に突出する凸部M11と、スピンドル3に近づく方向に窪む凹部M12とを交互に構成する。また、第1の磁束結合体M1は、複数の凸部M11を連結する円環状の連結部M13を有する。即ち、複数の凹部M12及び凸部M11は歯車状の第1の電流経路L11を形成し、複数の凸部M11及び連結部M13は円環状の第2の電流経路L12を形成する。
図8に示すように、ステータ41と対向する第2のロータ51上には、第2の磁束結合体M2がスピンドル3と同軸的に設けられている。第2の磁束結合巻線M2は、第2のロータ51の1回転でスピンドル3(回転軸)からの距離がN2回周期的に変化するように形成されている。また、第2の磁束結合体M2は、第2の送信巻線S2と磁束結合可能とされている。
第2の磁束結合体M2は、例えば10個(N2)の配線パターンPAM2をもって環状に接続して形成される。すなわち、第2の磁束結合巻線M2の配線パターンPAM2の数は、第1の磁束結合巻線M1の配線パターンPAM1の数と1つだけ異なる。第2の磁束結合体M2は、ピッチλ2をもって第1のロータ42の回転方向に周期的に変化する連続した歯車状の配線部分と、この歯車状の配線部分に内接する円形状の配線部分とが重なった形状の配線を有する。より具体的に、第2の磁束結合体M2は、スピンドル3に近づく方向に窪む凹部M21と、スピンドル3から離れる方向に突出する凸部M22とを交互に構成する。また、第2の磁束結合体M2は、複数の凹部M21を連結する円環状の連結部M23を有する。即ち、複数の凹部M21及び凸部M22は歯車状の第1の電流経路L21を形成し、複数の凹部M21及び連結部M23は円環状の第2の電流経路L22を形成する。
[1−5.送受信制御部6及び演算処理部7]
次に、図9を参照して、本実施形態に係る送受信制御部6および演算処理部7の構成について詳細に説明する。図9は、送受信制御部6および演算処理部7の構成を示すブロック図である。
先ず、送受信制御部6について説明する。送受信制御部6は、第1のロータリエンコーダ40に対する信号の送受信を制御する第1の送受信制御部61と、第2のロータリエンコーダ50に対する信号の送受信を制御する第2の送受信制御部62とを備える。
第1の送受信制御部61は、第1の送信制御部63と第1の受信制御部64とを備える。第1の送信制御部63は、ステータ41に第1のロータ42用(第1の送信巻線S1用)の所定の交流信号を送信する。第1の受信制御部64は、ステータ41(第1の受信巻線R1)から第1のロータ42の位相信号を受信する。
同様に、第2の送受信制御部62は、第2の送信制御部65と第2の受信制御部66とを備える。第2の送信制御部65は、ステータ41に第2のロータ51用(第2の送信巻線S2用)の所定の交流信号を送信する。第2の受信制御部66は、ステータ41(第2の受信巻線R2)から第2のロータ51の位相信号を受信する。第1の受信制御部64および第2の受信制御部66は、ステータ41から受信した第1のロータ42の位相信号と、第2のロータ51の位相信号を演算処理部7に出力する。
次に、演算処理部7について説明する。演算処理部7は、回転角算出部71、回転位相算出部72、及びスピンドル位置算出部73を備える。回転角算出部71は、第1のロータ42−2および第2のロータ51−2の回転角θ1,θ2をそれぞれ算出する。回転位相算出部72は、回転角算出部71にて算出された各ロータ42−2,51−2の回転角θ1,θ2に基づいてスピンドル3の回転位相を算出する。スピンドル位置算出部73は、回転位相算出部72にて算出されたスピンドル3の回転位相に基づいてスピンドル3の絶対位置を算出する。
回転角算出部71は、第1の回転角算出部74、及び第2の回転角算出部75を備える。第1の回転角算出部74は、第1の受信制御部64からの位相信号に基づいて第1のロータ42の回転角θ1を算出する。第2の回転角算出部75は、第2の受信制御部66からの位相信号に基づいて第2のロータ51の回転角θ2を算出する。
第1の回転角算出部74は、第1の受信制御部64からの位相信号に基づいて第1のロータ42の回転角θ1を一回転内の絶対角度(0°<θ1<360°)として算出する。ここで、第1の受信制御部64からの位相信号は、第1のロータ42の一回転内においては、同一の位相を生じない。第1の回転角算出部74には、第1のロータ42の回転角θ1と位相信号とが一対一の関係で設定記憶されている。これにより、第1の受信制御部64から出力される位相信号に応じて、第1のロータ42の回転角θ1が一義的に決まり、第1のロータ42の一回転以内の絶対角度が算出される。
また、第2の回転角算出部75は、第1の回転角算出部74と同様に、第2の受信制御部66からの位相信号に基づいて第2のロータ51の回転角θ2を一回転内の絶対角度として算出する。
回転位相算出部72は、差分算出部76、及び総回転位相算出部77を備える。差分算出部76は、回転角算出部71で算出された第1のロータ42の回転角θ1及び第2のロータ51の回転角θ2の差分θ3を算出する。総回転位相算出部77は、差分θ3に基づいてスピンドル3の総回転位相を算出する。
総回転位相算出部77には、差分θ3とスピンドル3の総回転位相とが一対一の関係で設定記憶されている。すなわち、スピンドル3が進退移動範囲内で40回転する間に第1のロータ42の回転角θ1及び第2のロータ51の回転角θ2の差が1回転となるように設定されているので、差分θ3が0°〜360°の範囲内で算出され、この差分θ3に応じてスピンドル3の総回転位相θTが一義的に算出される。
スピンドル位置算出部73には、スピンドル3の一回転当たりの移動ピッチ(0.5mm)が予め設定記憶されている。そして、スピンドル位置算出部73において、移動ピッチ(0.5mm)と総回転位相θTとが乗算されることにより、スピンドル3の総移動量、すなわち、スピンドル3の絶対位置が算出される。表示部8は、例えば、デジタル表示によってスピンドル3の絶対位置を表示する。
[1−6.マイクロメータヘッド1の動作]
次に、本実施形態に係るマイクロメータヘッド1の動作について説明する。つまみ部32によってスピンドル3を回転させると、本体2の雌ねじ26とスピンドル3の送りねじ33との螺合によりスピンドル3が軸方向に進退される。スピンドル3が回転すると、スピンドル3のキー溝34に係合したキー47によって第1の回転円筒43がスピンドル3とともに回転する。
第1の回転円筒43が回転すると、第1の回転円筒43とともに第1のロータ42が回転する。第1のロータ42の回転がステータ41によって検出されて第1の受信制御部64に送られる。続いて、演算処理部7において第1のロータ42の一回転以内の回転角θ1が算出される。
ここで、第1のロータ42はスピンドル3と同期して回転するので、第1のロータ42の一回転内の回転角θ1とは、スピンドル3の一回転内の回転角を示している。
また、第1の回転円筒43が回転すると、第1の回転円筒43の歯車48に噛み合った中継歯車53の第1の中継歯車53Aが回転する。さらに、中継歯車53の第2の中継歯車53Bに噛み合った第2の回転円筒52の歯車55が回転し、第2の回転円筒52とともに第2のロータ51が回転する。第2のロータ51の一回転以内の位相信号がステータ41によって検出されて送受信制御部6に送られる。続いて、演算処理部7において第2のロータ51の一回転以内の回転角θ2が算出される。
続いて、演算処理部7において、各ロータ42,51の回転角θ1,θ2の差分θ3が算出され、この差分θ3に基づいてスピンドル3の総回転位相θTが算出される。最後に、総回転位相θTとスピンドル3の送りピッチ(0.5mm)とに基づいてスピンドル3の絶対位置が算出され、表示部8に表示される。
本実施形態においては、第1のロータリエンコーダ40に対する第2のロータリエンコーダ50の回転角は、1回転まで利用することができる。したがって、本実施形態によれば、スピンドル3の側長範囲を拡大することができる。また、本実施形態と同等の側長範囲をもつ装置に、本実施形態の構成を適用すれば、構成部に要求される部品精度、組立て許容精度を低減することができる。
[1−7.ロータリエンコーダ4の動作]
次に、本実施形態に係るロータリエンコーダ4の動作原理について説明する。
図10に示す通り、第1の送信巻線S1及び第2の送信巻線S2は、一端が共に接地され、他端がスイッチSw1を介して交流電源Vに接続される。測定時においては、第1の送信巻線S1及び第2の送信巻線S2に、周期的に変化する送信電流が交互に供給される。これにより、第1の角度検出トラックによる角度の検出と第2の角度検出トラックによる角度の検出が交互に行われる。
次に、図11を参照して、第1の角度検出トラックによる角度の検出について説明する。第1の送信巻線S1に、例えば時計回りに電流が流れると、各電流経路には、右ねじ方向に磁界が発生するので、この磁界が第1の磁束結合体M1と結合して第1の磁束結合体M1には反時計回りに電流が流れる。
第1の磁束結合体M1においては主に凹部M12に誘起される電流が大勢になる。従って、磁束結合体M1において誘起される電流は主として凹部M12及び凸部M11から形成される歯車状の第1の電流経路L11を流れる。これにより、第1の磁束結合体M1の凹部M12には、図7の紙面の表面から裏面へ、凸部M11には紙面の裏面から表面へ進む磁界が発生し、これらの磁界がピッチλ1の周期的磁気パターンを形成する。これらの磁界を第1の受信巻線R1で受信する。ここで、第1の受信巻線R1は第2の受信巻線R2と共通に接続されている。従って、第1の受信巻線R1において誘起された電流は、第1のコンタクト配線C1を介して第1及び第2の受信巻線R1及びR2に流れる。
また、第1の送信巻線S1に対して電流を流した場合、第2の磁束結合体M2の第2の電流経路L22に電流がほとんど流れ、この電流によって発生する磁界は、ロータ一周にわたって均一であるため、受信巻線R1には第2の電流経路L22による電流は発生しない。また、第1の電流経路L21にも電流が流れる可能性があるが、第1の磁束結合体M1は、1周の長さがピッチλ1×10であるのに対し、第2の磁束結合体M2は、1周の長さがピッチλ2×9であるから、第1の受信巻線R1に結合される磁界の影響は、1周分のトータルでは第2の磁束結合体M2からの磁界の影響が相殺される。即ち、異なるピッチλ1、λ2によって、第2の受信巻線R2への影響を相殺し、好適に第1の角度検出トラックによる角度の測定を行う事が可能となる。また、小型化等の目的で第1及び第2の角度検出トラックの間隔を狭めた場合、第1の磁束結合体M1によって、第2の受信巻線R2へ電流が誘起される恐れがあるが、同様に第1及び第2の角度検出トラックのピッチの違いにより、この様な誘導電流は相殺され、ほぼ検出されない。
次に、第2の角度検出トラックによる角度の測定について説明する。第2の送信巻線S2に、例えば時計回りに電流が流れると、第2の送信巻線S2の各電流経路には、右ねじ方向に磁界が発生し、この磁界が第2の磁束結合体M2と結合して第2の磁束結合体M2には反時計回りに電流が流れる。
第1の角度検出トラックによる角度の測定の場合と同様に、第2の角度検出トラックによる角度の測定も好適に行う事が可能である。即ち、第2の磁束結合体M2においては歯車状の第1の電流経路L21に電流が誘起され、これによって磁界が発生し、第2の磁束結合体M2と第2の受信巻線R2が磁束結合することにより、受信巻線R2に誘導電流が流れ、これを検出することによって第2の角度検出トラックによる角度の測定がおこなわれる。更に、第2の磁束結合体M2が第1の受信巻線R1に与える影響や、第1の磁束結合体M1が第2の受信巻線R2に与える影響は、第1及び第2の角度検出トラックのピッチの違いによって相殺され、ほぼ検出されない。
[2.第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2について説明する。第1の実施形態においては、2トラックを有する構成の、ABS型誘導検出型ロータリエンコーダ4について説明したが、第2の実施形態においては、4トラックを有する構成のABS型誘導検出型ロータリエンコーダ4−2について説明する。
例えば第1の実施形態に示す通り、一つの受信巻線を3つの配線の組から構成しようとする場合、トラックが一つ増加する毎に引き出し配線が6本ずつ増加することとなる。従って、通常通りに4トラックを有する構成のABS型誘導検出型ロータリエンコーダを構成した場合、受信巻線の為に24本もの引き出し配線が必要となる。従って、多くの配線スペースが必要となり、更に制御回路の回路規模も増大してしまう。しかしながら、4トラックを有する構成のABS型誘導検出型ロータリエンコーダに本発明を適用した場合、引き出し配線が半数の12本まで削減され、必要な配線スペース及び回路規模を半分程度にまで削減することが可能となる。
[2−1.第2実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の積層構造]
次に、図12を参照して、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の積層構造について説明する。本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の積層構成は、第1実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4の構成とほぼ同様であるが、以下の点において異なっている。
即ち、本実施形態においては、ステータ41−2は、挿通孔44から外側に向かって第1〜第4の送信巻線S1〜S4を有しており、第1の送信巻線S1と第2の送信巻線S2との間には、第1の受信巻線R1及び第2の受信巻線R2が配置され、第3の送信巻線S3と第4の送信巻線S4との間には第3の受信巻線R3及び第4の受信巻線R4が配置される。また、第1及び第2の受信巻線R1及びR2は第1のコンタクト配線C1によって直列に接続され、第3及び第4の受信巻線R3及びR4は第2のコンタクト配線C2によって直列に接続される。
更に、第1のロータ42−2は、挿通孔45から外側に向かって第1の磁束結合体M1及び第2の磁束結合体M2を有しており、第2のロータ51−2は、中心方向から外側方向に向かって第3の磁束結合体M3及び第4の磁束結合体M4を有している。
[2−2.第2実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の平面構造]
次に、図13〜図15を参照して、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の平面構造について説明する。
図13は、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2のステータ41−2の構成を示す平面図である。本実施形態に係るステータ41−2は、上述の通り、第1〜第4の送信巻線S1〜S4及び第1〜第4の受信巻線R1〜R4を備えて構成される。本実施形態において、第1の送信巻線S1、第2の送信巻線S2、第1の受信巻線R1及び第2の受信巻線R2の構成は、第1の実施形態と同様である。
第3及び第4の受信巻線R3、R4は第1及び第2の受信巻線R1、R2と同様に、それぞれ回転方向に位相の異なる3つの受信巻線R31〜R33及び受信巻線R41〜R43から構成される。また、第3の受信巻線R3は第1の受信巻線R1と同様に、ループ状(菱形状)に形成された電線対を9個(N1)組み合わせて構成され、第4の受信巻線R4は、第2の受信巻線R2と同様に、ループ状(菱形状)に形成された電線対を10個(N2)組み合わせて構成される。ここで、第3及び第4の受信巻線R3,R4は第1及び第2の送信巻線S1及びS2、第1及び第2の受信巻線R1及びR2よりも外側に配置される。従って、第3及び第4の受信巻線R3,R4の半径は、第1及び第2の受信巻線R1,R2の半径と比較して、大きくなる。
また、本実施形態において、コンタクト配線C1(以下、第1のコンタクト配線と言う)の構成も第1の実施形態と同様である。更に、本実施形態に係るステータ41−2は、配線C21〜C23からなる第2のコンタクト配線C2を有する。配線C21〜C23は、それぞれ受信巻線R31とR41、受信巻線R32とR42及び受信巻線R33とR43とを直列に接続する。更に、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2は、引き出し配線W2を有し、配線W21によって受信巻線R31とR41から、配線W22によって受信巻線R32とR42から、配線W23によって受信巻線R33とR43から、それぞれ配線を引き出す。尚、本実施形態においては、第1の受信巻線R1と第2の受信巻線R2、第3の受信巻線R3と第4の受信巻線R4をそれぞれ直列に接続しているが、異なる組合せを採用することも可能であり、例えば第1の受信巻線R1と第3の受信巻線R3、第2の受信巻線R2と第4の受信巻線R4をそれぞれ接続することも可能である。なお、第2の受信巻線R2と第3の受信巻線R3をそれぞれ接続すると、第2及び第3の角度検出トラックに同時に受信信号が流れるため測定精度が落ちてしまう恐れがある。従って、第2の受信巻線R2と第3の受信巻線R3とを、それぞれ第1の受信巻線R1又は第4の受信巻線R4と接続することによって、この様な測定精度の低下を防止することが可能となる。
また、本実施形態においては第1の受信巻線R1と第3の受信巻線R3及び第2の受信巻線R2と第4の受信巻線R4の電線対の数を等しくしているが、第3及び第4の受信巻線R3、R4を構成する電線対の数は適宜調整可能であり、第1及び第2の受信巻線R1,R2を構成する電線対の数と異なる数とすることも、当然に可能である。
図14は第1の磁束結合巻線M1及び第2の磁束結合巻線M2の構成を示す平面図である。図15は、第3の磁束結合巻線M3及び第4の磁束結合巻線M4の構成を示す平面図である。第3の磁束結合巻線M3は、第1の磁束結合巻線M1とほぼ同様に構成され、第4の磁束結合巻線M4は、第2の磁束結合巻線とほぼ同様に構成される。但し、第3及び第4の磁束結合巻線M3,M4は、それぞれ第3及び第4の受信巻線R3,R4と磁束結合される様に、第1及び第2の磁束結合巻線M1,M2と比較して大きな半径を有する。
[2−3.第2実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の動作]
次に、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の動作について説明する。本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の動作は、第1実施形態とほぼ同様であるが、以下の点において異なっている。即ち、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2は、第1の受信巻線R1と第2の受信巻線R2を直列に接続し、第3の受信巻線R3と第4の受信巻線R4を直列に接続している。従って、第1の実施形態においては、第1及び第2の角度検出トラックによる測定を時分割で交互に行っているが、本実施形態においては更に、第3及び第4の角度検出トラックによる測定も時分割で交互に行う。尚、例えば第1の角度検出トラックによる測定と第3の角度検出トラックによる測定等、異なる引き出し配線から受信される信号によって測定を行うものは、同時に測定することが出来る。
尚、第2実施形態においては、上述の送信制御部6及び演算処理部7によって第1のロータ42−2及び第2のロータ51−2の回転角を比較することにより、十分な精度で1回転内での絶対位置検出を可能にすることができる。加えて、本実施形態に係る構成によれば、機構部に要求される部品精度や組立精度を低減でき、製造上の負担を低減することができる。
また、本実施形態においては、第1のロータリエンコーダ40に対する第2のロータリエンコーダ50の回転角は、1回転まで利用することができる。したがって、本実施形態によれば、スピンドル3の側長範囲を拡大することができる。また、本実施形態と同等の側長範囲をもつ装置に、本実施形態の構成を適用すれば、構成部に要求される部品精度、組立て許容精度を低減することができる。
[3.第3実施形態]
[3−1.第3実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−3の構成]
次に、第3実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−3の構成について説明する。本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−3は、第2実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2とほぼ同様であるが、ステータ41−3の構成が異なる。即ち、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ41−3は、図16に示す通り、第3の送信巻線S3を省略して構成されており、第2の送信巻線S2を第2及び第3の角度検出トラックに用いる共通の送信巻線としている。従って、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダは第2の実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダよりも部品点数が少なく、単純な構成とすることが可能である。
また、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−3は、送信制御部6−3の構成が、上記第1及び第2の実施形態における送信制御部6の構成と異なっている。即ち、図17に示す通り、本実施形態に係る送受信制御部6−3は、送信制御部60−3、第1の受信制御部64−3、及び第2の受信制御部66−3を有する。
送信制御部60−3は、第1及び第2のロータリエンコーダ40、50に対する信号の送信を制御する。送信制御部60−3は、ステータ41に第1及び第2のロータ42−2、51−2用(第1の送信巻線S1、第2の送信巻線S2及び第4の送信巻線S4用)の所定の交流信号を送信する。
第1の受信制御部64−3は、ステータ41−3(第1の受信巻線R1及び第2の受信巻線R2)から第1のロータ42−2の位相信号を受信する。ここで、位相信号は、第1の磁束結合体M1に基づく信号と、第2の磁束結合体M2に基づく信号との位相差を示す信号である。
第2の受信制御部66−3は、ステータ41−3(第3の受信巻線R3及び第4の受信巻線R4)から第2のロータ51−2の位相信号を受信する。ここで、位相信号は、第3の磁束結合体M3に基づく信号と、第4の磁束結合体M4に基づく信号との位相差を示す信号である。第1の受信制御部64−3および第2の受信制御部66−3は、ステータ41−3から受信した各ロータ42−2,51−2の位相信号を演算処理部7に出力する。
尚、演算処理部7の構成は、第1の実施形態に係る演算処理部7の構成と同様である。
[3−2.第3実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−3の動作]
次に、第3実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−3の動作について説明する。本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−3の動作は、第2実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2の動作とほぼ同様であるが、本実施形態においては、図18に示す通り、スイッチSw2を介して第1の送信巻線S1、第2の送信巻線S2及び第4の送信巻線S4に別々に送信電流を供給する。この点で第1の送信巻線S1及び第3の送信巻線S3に同時に送信電流を供給する第2の実施の形態とは異なる。但し、例えば本実施形態において第1の送信巻線S1及び第4の送信巻線S4に同時に送信電流を供給し、第1及び第4の角度検出トラックによる測定を同時に行うことも可能である。
[4.第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−4について説明する。本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−4においては、ステータ41−4の構成が第2実施形態に係るステータ41−2の構成と異なる。即ち、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ41−4は、図19に示す通り、第1の受信巻線R1と第2の受信巻線R2の間に第1の送信巻線S1−4を、第3の受信巻線R3と第4の受信巻線R4との間に第2の送信巻線S2−4を配置している。従って、第2実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2においては送信巻線を4本設けており、第3の実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−3においては送信巻線を3本設けていたが、本実施形態においては更に送信巻線の数を2本にまで削減し、部品点数の削減及び構成の単純化を図ることが可能である。
尚、本実施形態においては第1の送信巻線S1−4に送信電流を誘起することによって第1及び第2の角度検出トラックによる角度の検出が行われ、第2の送信巻線S2−4に送信電流を誘起することによって第3及び第4の角度検出トラックによる角度の検出が行われる。従って、第1の受信巻線R1及び第2の受信巻線R2は、それぞれ第3の受信巻線R3又は第4の受信巻線R4に接続される。本実施形態においては、第1のコンタクト配線C1−4によって第2の受信巻線R2及び第3の受信巻線R3を、第2のコンタクト配線C2−4によって第1の受信巻線R1及び第4の受信巻線R4を接続している。
また、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−4は、第1のロータ42−4及び第2のロータ51−4の構成が第2の実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−2と異なる。即ち、本実施形態においては第1の送信巻線S1−4が、平面図において第1の受信巻線R1と第2の受信巻線R2の間に位置することとなる。従って、例えば第1及び第2の実施形態と同様の第1の磁束結合巻線M1を用いた場合、誘起される電流は円環状の第2の電流経路L12に流れる電流が大勢となり、測定が好適に行われない恐れがある。従って、本実施形態に係る第1の磁束結合巻線M1−4は、図20に示す通り、歯車状の電流経路及びこの歯車に内接する電流経路を有して構成される。また、図20に示す通り、第2の磁束結合巻線M2−4は誘起される第1の送信巻線S1−4より外側に配置されているから、歯車状の電流経路と、この歯車状の電流経路に外接する円環状の電流経路を有する。尚、図21には本実施形態に係る第3の磁束結合巻線M3−4及び第4の磁束結合巻線M4−4の構成を図示しているが、同様の理由から、第3の磁束結合体M3−4は第1の磁束結合体M1−4とほぼ同様に構成されており、第4の磁束結合体M4−4は第2の磁束結合体M2−4とほぼ同様に構成されている。
[5.第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−5について説明する。第2実施形態においては、平面上に4トラックを配置した構成の誘導検出型ロータリエンコーダ4−2について説明したが、この様な構成においてはその外径が大きくなってしまう。本実施形態においては、4トラックを有し、且つ小型化した誘導検出型ロータリエンコーダ4−5を採用している。
[5−1.第5実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−5の積層構造]
次に、図22を参照して、ステータ41−5、第1のロータ42−5及び第2のロータ51−5の積層構造について説明する。図22は、ステータ41−5、第1のロータ42−5及び第2のロータ51−5の断面図である。ステータ41−5は、図22に示す通り、第1の配線層41A及び第2の配線層41Bを有する。第1の配線層41Aは、絶縁層411A及び412A上にまたがって形成された第1の受信巻線R1−5及び第3の受信巻線R3−5を有する。また第1の配線層41Aは、挿通孔44と第1の受信巻線R1−5との間に第1の送信巻線S1−5を、第1の受信巻線R1−5と第3の受信巻線R3−5との間に第2の送信巻線S2−5を、第3の受信巻線R3−5の外周に第3の送信巻線S3−5を備えて構成される。第2の配線層41Bは、絶縁層411B及び絶縁層412B上にまたがって形成された第2の受信巻線R2−5及び第4の受信巻線R4−5を有する。更に、第1の受信巻線R1−5及び第4の受信巻線R4−5は第1のコンタクト配線C1−5によって共通に接続され、第2の受信巻線R2−5及び第3の受信巻線R3−5は第2のコンタクト配線C2−5によって共通に接続される。第1のロータ42−5は、第1の配線層42A上に第1の磁束結合体M1−5を有し、第2の配線層42B上に第2の磁束結合体M2−5を有する。また、第2のロータ51−5は、第1の配線層51A上に第3の磁束結合体M3−5を有し、第2の配線層51B上に第4の磁束結合体M4−5を有する。
[5−2.第5実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−5の平面構造]
次に、図23〜図28を参照して、ステータ41−5、第1のロータ42−5、及び第2のロータ51−5上の平面構成について詳細に説明する。図23〜図28は、それぞれステータ41−5の第1及び第2の配線層41A及び41B、第1のロータ42−5の第1及び第2の配線層42A及び42B、第2のロータ51−5の第1及び第2の配線層51A及び51Bの構成を示す平面図である。
図23に示すように、第1、第2のロータ42−5、51−5に対向するステータ41−5の第1の配線層41A上には、第1の送信巻線S1−5、第2の送信巻線S2−5、及び第3の送信巻線S3−5がスピンドル3と同軸に設けられている。第1の送信巻線S1−5は、スピンドル3(回転軸)から第1の径をもって略円形状に形成されている。第2の送信巻線S2−5は、スピンドル3(回転軸)から第1の径よりも大きい第2の径をもって略円形状に形成されている。第3の送信巻線S3−5は、スピンドル3(回転軸)から第2の径よりも大きい第3の径をもって略円形状に形成されている。
また、図23に示すように、第1、第2のロータ42−5、51−5に対向するステータ41−5の第1の配線層41A上には、第1の受信巻線R1−5及び第3の受信巻線R3−5がスピンドル3と同軸的に設けられている。第1の受信巻線R1−5は、第1の送信巻線S1−5と第2の送信巻線S2−5との間に形成されている。第3の受信巻線R3−5は、第2の送信巻線S2−5と第3の送信巻線S3−5との間に形成されている。第1の受信巻線R1−5は、第1の磁束結合巻線M1−5により生じた磁束を検出する。第3の受信巻線R3−5は、第3の磁束結合巻線M3−5により生じた磁束を検出する。
第1の受信巻線R1−5は、回転方向に位相の異なる3つの受信巻線R11−5,R12−5及びR13−5にて構成されている。受信巻線R11−5,R12−5及びR13−5は、各々、ループ状(菱型状)に配置された電線から構成されている。受信巻線R11−5,R12−5及びR13−5は、交差部が短絡しないように、互いに交差する部分が基板の上下に配列され、相互がビアホールにて接続されることにより各々絶縁分離されて配置されている。なお、第2の受信巻線R2−5、第3の受信巻線R3−5及び第4の受信巻線R4−5も、第1の受信巻線R1−5とほぼ同様に構成されている。
更に、図24に示すように、第1、第2のロータ42−5、51−5に対向するステータ41−5の第2の配線層41B上には、第2の受信巻線R2−5及び第4の受信巻線R4−5がスピンドル3と同軸的に設けられている。第2の受信巻線R2−5は、第1の受信巻線R1−5と同様に、第1の送信巻線S1−5と第2の送信巻線S2−5との間に対応する位置に形成されている。また、第4の受信巻線R4−5は、第3の受信巻線R3−5と同様に、第2の送信巻線S2−5と第3の送信巻線S3−5との間に対応する位置に形成されている。第2の受信巻線R2−5は、第2の磁束結合巻線M2−5により生じた磁束を検出する。第4の受信巻線R4−5は、第4の磁束結合巻線M4−5により生じた磁束を検出する。
図25及び図26に示すように、ステータ41−5と対向する第1のロータ42−5上には、第1の磁束結合体M1−5及び第2の磁束結合体M2−5がスピンドル3と同軸的に設けられている。第1の磁束結合体M1−5及び第2の磁束結合体M2−5は、絶縁層を介して積層されており、第1の磁束結合体M1−5は、第1の送信巻線S1−5と磁束結合可能とされている。第2の磁束結合体M2−5は、第2の送信巻線S2−5と磁束結合可能とされている。
第1の磁束結合巻線M1−5は、例えば10個(N1−3)の配線パターンPAM1−5を環状に接続して形成される。第1の磁束結合体M1−5は、ピッチλ1−5をもって第1のロータ42の回転方向に周期的に変化する連続した歯車状の配線部分と、この歯車状の配線部分に外接する円形状の配線部分とが重なった形状の配線を有する。より具体的に、第1の磁束結合体M1−5は、スピンドル3から離れる方向に突出する凸部M11−5と、スピンドル3に近づく方向に窪む凹部M12−5とを交互に構成する。また、第1の磁束結合体M1−5は、複数の凸部M11−5を連結する円環状の連結部M13−5を有する。即ち、複数の凹部M12−5及び凸部M11−5は歯車状の第1の電流経路L11−5を形成し、複数の凸部M11−5及び連結部M13−5は円環状の第2の電流経路L12−5を形成する。
第2の磁束結合巻線M2−5は、例えば9個(N2−3)の配線パターンPAM2−5を環状に接続して形成される。すなわち、第2の磁束結合巻線M2−5の配線パターンPAM2−5の数は、第1の磁束結合巻線M1−5の配線パターンPAM1−5の数と1つだけ異なる。第2の磁束結合体M2−5は、ピッチλ2−5をもって第1のロータ42−5の回転方向に周期的に変化する連続した歯車状の配線部分と、この歯車状の配線部分に内接する円形状の配線部分とが重なった形状の配線を有する。より具体的に、第2の磁束結合体M2−5は、スピンドル3に近づく方向に窪む凹部M21−5と、スピンドル3から離れる方向に突出する凸部M22−5とを交互に構成する。また、第2の磁束結合体M2−5は、複数の凹部M21−5を連結する円環状の連結部M23−5を有する。即ち、複数の凹部M21−5及び凸部M22−5は歯車状の第1の電流経路L21−5を形成し、複数の凹部M21−5及び連結部M23−5は円環状の第2の電流経路L22−5を形成する。
図27及び図28に示すように、ステータ41−5と対向する第2のロータ51−5上には、第3の磁束結合体M3−5、及び第4の磁束結合体M4−5がスピンドル3と同軸的に設けられている。第3の磁束結合巻線M3−5及び第4の磁束結合巻線M4−5は、絶縁層を介して積層されており、第3の磁束結合体M3−5は、第3の送信巻線S3−5と磁束結合可能とされている。第4の磁束結合体M4−5は、第2の送信巻線S2−5と磁束結合可能とされている。
第3の磁束結合体M3−5は、例えば11個(N3−3)の配線パターンPAM3−5をもって形成されている。第4の磁束結合体M4−5は、例えば7個(N4−3)の配線パターンPAM4−5をもって歯車形状に形成されている。尚、配線パターンPAM3−5は、上記配線パターンPAM2−5とほぼ同様に形成され、配線パターンPAM4−5は、上記配線パターンPAM1−5とほぼ同様に形成される。
尚、本実施形態においては、N1−5,N2−5,N3−5,N4−5は全て異なる数であり、且つこのうちの一の数と他の数との最大公約数は全て1である。従って、第1〜第4の磁束結合巻線M1−5,M2−5,M3−5,M4−5において発生する磁界は、それぞれ対応する第1〜第4の受信巻線R1−5,R2−5,R3−5,R4−5にのみ電流を誘起する。磁束結合巻線が対応しない磁束結合巻線に誘起する電流は、全て打ち消しあって0になるからである。本実施形態においては、この様な構成によって第1〜第4の角度検出トラックにおけるクロストークを低減し、測定精度の更なる向上を図っている。
[5−3.第5実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−5の動作]
次に、このような構成を備える本実施形態の動作について説明する。先ず、本実施形態に係るロータリエンコーダの動作原理について説明する。
第1〜第3の送信巻線S1−5,S2−5及びS3−5は、周期的に変化する送信電流を任意の順序で、即ち時分割で流す。本実施形態においては、第1の送信巻線S1−5は第1の角度検出トラックによる角度の検出時に、第2の送信巻線S2−5は第2及び第4の角度検出トラックによる角度の検出時に、第3の送信巻線S3−5は第3の角度検出トラックによる角度の検出時に用いられる。
まず、図25及び図29を参照して、第1の角度検出トラックによる角度の検出について説明する。第1の送信巻線S1−5に、例えば時計回りに電流が流れると、送信巻線S1−5の電流経路には、右ねじ方向に磁界が発生するので、この磁界が第1及び第2の磁束結合体M1−5,M2−5と結合して第1及び第2の磁束結合体M1−5,M2−5には反時計回りに電流が流れる。
第1の磁束結合体M1−5においては主に凹部M12−5に誘起される電流が大勢になる。従って、磁束結合体M1−5において誘起される電流は主として凹部M12−5及び凸部M11−5から形成される歯車状の第1の電流経路L11−5を流れる。これにより、第1の磁束結合体M1−5の凹部M12−5には、図29の紙面の表面から裏面へ、凸部M11−5には紙面の裏面から表面へ進む磁界が発生し、これらの磁界がピッチλ1−5の周期的磁気パターンを形成する。これらの磁界を第1の受信巻線R1−5で受信する。ここで、第1の受信巻線R1−5は第4の受信巻線R4−5と共通に接続されている。従って、第1の受信巻線R1−5において誘起された電流は、第1及び第4の受信巻線R1−5及びR4−5に流れる。
また、第2の磁束結合体M2−5においては、凹部M21−5及び連結部M23−5において電流が誘起され、主に円環状の第2の電流経路L22−5に電流が流れる。凹部M21−5及び凸部M22−5からなる歯車状の第1の電流経路L21−5に流れる電流は、第2の電流経路L22−5に流れる電流の10分の1程度の値となる。従って、第2の磁束結合体M2−5において発生するピッチλ2−5の磁気パターンを形成する磁界は、第1の磁束結合体M1−5において発生するピッチλ1−5の磁気パターンを形成する磁界と比較して極めて小さい。また、第1の磁束結合体M1−5は、1周の長さがピッチλ1−5×10であるのに対し、第2の磁束結合体M2−5は、1周の長さがピッチλ2−5×9であるから、第1の受信巻線R1−5に結合される磁界の影響は、図29に示す通り、1周分のトータルでは第2の磁束結合体M2−5からの磁界の影響が相殺される。即ち、異なるピッチλ1−5、λ2−5によって、第1の受信巻線R1−5では第2の磁束結合体M2−5に起因する誘導電圧は打消し合うため、その信号は検出されない。すなわち、第1の受信巻線R1−5では第2の磁束結合体M2−5からのクロストークを抑制することができる。また、第3及び第4の磁束結合巻線M3−5,M4−5は、第1及び第2の磁束結合巻線M1−5,M2−5と比較して第1の送信巻線S1−5との距離が離れており、第1の送信巻線S1−5によって誘起される電流が無視できるほど小さくなる。
次に、図26、図30及び図31を参照して、第2及び第4の角度検出トラックによる角度の検出について説明する。第2の送信巻線S2−5に、例えば時計回りに電流が流れると、第1〜第4の磁束結合体M1−5,M2−5,M3−5及びM4−5に反時計回りに電流が流れる。
第2の磁束結合体M2−5においては凸部M22−5に誘起される電流が大勢になる。このため、電流は主に凹部M21−5及び凸部M22−5から形成される歯車状の第1の電流経路L21−5を流れる。これにより、第2の磁束結合体M2−5の凹部M21−5には、図26の紙面の表面から裏面へ、凸部M22−5には紙面の裏面から表面へ進む磁界が発生し、これらの磁界がピッチλ2−5の周期的磁気パターンを形成する。これらの磁界を第2の受信巻線R2−5で受信する。第2の受信巻線R2−5及び第3の受信巻線R3−5は共通に接続されている為、第2の受信巻線R2−5において誘起された電流は、第2及び第3の受信巻線R2−5及びR3−5に流れる。
第4の磁束結合体M4−5においては凹部M42−5に誘起される電流が大勢になる。このため、電流は主に凹部M42−5及び凸部M41−5から形成される歯車状の第1の電流経路L41−5を流れる。これにより、第4の磁束結合体M4−5の凹部M42−5には、図28の紙面の表面から裏面へ、凸部M41−5には紙面の裏面から表面へ進む磁界が発生し、これらの磁界がピッチλ4−5の周期的磁気パターンを形成する。これらの磁界を第4の受信巻線R4−5で受信する。第4の受信巻線R4−5及び第1の受信巻線R1−5は共通に接続されている為、第4の受信巻線R4−5において誘起された電流は、第1及び第4の受信巻線R1−5及びR4−5に流れる。
本実施形態においては同時に電流が誘起される磁束結合体の磁界を検出する第2及び第4の受信巻線R2−5及びR4−5は接続されておらず、時分割で独立して用いられる、即ち、別のタイミングで電流が誘起される第1及び第4の受信巻線R1−5及びR4−5と、第2及び第3の受信巻線R2−5及びR3−5が共通に接続されている。従って、第2及び第4の角度検出トラックによる角度の検出を同時に行う事が可能であり、更に従来構成と比較して部品点数を削減することが可能である。また、本実施形態においては第1及び第4の受信巻線R1−5及びR4−5が共通に接続されており、更に第2及び第3の受信巻線R2−5及びR3−5が共通に接続されている。この様な構成においては、共通に接続された受信巻線が積層方向に重なっていない為、クロストークを好適に低減することが可能である。
一方、第1の磁束結合体M1−5においては凸部M11−5及び連結部M13−5において電流が誘起され、電流は主に円環状の第2の電流経路L12−5を流れる。従って、上述の場合と同様に第1の磁束結合体M1−5において発生するピッチλ1−5の磁気パターンを形成する磁界は、第2の磁束結合体M2−5において発生するピッチλ2−5の磁気パターンを形成する磁界と比較して極めて小さい。また、若干の磁界が第2の受信巻線R2−5に電流を誘起した場合であっても第1の磁束結合体M1−5と第2の受信巻線R2−5との位相の違いによってその電流は打ち消しあい、殆ど検出される事は無い。また、第3の磁束結合体M3−5についても同様に、電流が円環状の第2の電流経路L32−5に流れるため、信号の検出にはほぼ影響しない。
次に、図27及び図32を参照して、第3の角度検出トラックによる角度の検出について説明する。第3の送信巻線S3−5に、例えば時計回りに電流が流れると、送信巻線S3−5の電流経路には、右ねじ方向に磁界が発生するので、この磁界が第3及び第4の磁束結合体M3−5,M4−5と結合して第3及び第4の磁束結合体M3−5,M4−5には反時計回りに電流が流れる。
第3の磁束結合体M3−5においては主に凸部M32−5に誘起される電流が大勢になる。従って、第3の磁束結合体M3−5において誘起される電流は主として凹部M31−5及び凸部M32−5から形成される歯車状の第1の電流経路L31−5を流れる。これにより、第3の磁束結合体M3−5の凹部M31−5には、図27の紙面の表面から裏面へ、凸部M32−5には紙面の裏面から表面へ進む磁界が発生し、これらの磁界がピッチλ3−5の周期的磁気パターンを形成する。これらの磁界を第3の受信巻線R3−5で受信する。ここで、第3の受信巻線R3−5は第2の受信巻線R2−5と共通に接続されている。従って、第3の受信巻線R3−5において誘起された電流は、第2及び第3の受信巻線R2−5及びR3−5に流れる。
また、第4の磁束結合体M4−5においては、凸部M41−5及び連結部M42−5において電流が誘起され、主に円環状の第2の電流経路L42−5に電流が流れる。凹部M43−5及び凸部M41−5からなる歯車状の第1の電流経路L41−5に流れる電流は、第2の電流経路L42−5に流れる電流の10分の1程度の値となる。従って、第4の磁束結合体M4−5において発生するピッチλ4−5の磁気パターンを形成する磁界は、第3の磁束結合体M3−5において発生するピッチλ3−5の磁気パターンを形成する磁界と比較して極めて小さい。また、第3の磁束結合体M3−5は、1周の長さがピッチ(λ3−5)×11であるのに対し、第4の磁束結合体M4−5は、1周の長さがピッチ(λ4−5)×7であるから、第3の受信巻線R3−5に結合される磁界の影響は、図32に示す通り、1周分のトータルでは第4の磁束結合体M4−5からの磁界の影響が相殺される。即ち、異なるピッチλ3−5、λ4−5によって、第3の受信巻線R3−5では第4の磁束結合体M4−5に起因する誘導電圧は打消し合うため、その信号は検出されない。すなわち、第3の受信巻線R3−5では第4の磁束結合体M4−5からのクロストークを抑制することができる。また、第1及び第2の磁束結合巻線M1−5,M2−5は、第3及び第4の磁束結合巻線M3−5,M4−5と比較して第3の送信巻線S3−5との距離が離れており、第3の送信巻線S3−5によって誘起される電流が無視できるほど小さくなる。
以上より、ステータ41−5に対する第1及び第2のロータ42−5及び51−5の位置に応じて変化する受信信号が第1〜第4の受信巻線R1−5,R2−5,R3−5,R4−5から得られる第1及び第2の角度検出トラックから検出された受信信号は、第1のロータ42−5が1回転する間に1周分ずれているので、2つの受信信号から1回転における絶対位置を検出することができる。また、第3及び第4の角度検出トラックから検出された受信信号も同様に、第2のロータ51−5が1回転する間に1周分ずれているので、2つの受信信号から1回転における絶対位置を検出することが出来る。
尚、本実施形態に係るマイクロメータヘッド1の構成及び動作は、第1実施形態に係るマイクロメータヘッド1の構成及び動作とほぼ同様である。更に、本実施形態に係る送信制御部6及び演算処理部7の構成及び動作は、第2実施形態の構成及び動作とほぼ同様である。
[6.第6実施形態]
次に、図33〜37を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。図33は本実施形態に係るステータ41−6と、第1及び第2のロータ42−6及び51−5との構成を示す側断面図である。また、図34及び図35は、本実施形態に係るステータ41−6の第1の配線層41A−6及び第2の配線層41B−6の構成を示す平面図である。更に、図36及び図37は、それぞれ第1のロータ42−6を構成する第1及び第2の配線層42A−6及び42B−6上の構成を示す平面図である。
図33〜図35に示す通り、本発明に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−6は基本的には第3実施形態に係るマイクロメータヘッド4−5と同様であるが、本実施形態においては、ステータ41−6において第1の配線層41A−6に形成された2つの受信巻線が第1のコンタクト配線C1−6によって直列に接続されており、第1の引き出し配線W1−6によって共通に引き出されている。同様に、第2の配線層41B−6に形成された2つの受信巻線が第2のコンタクト配線C2−6によって直列に接続されており、第2の引き出し配線W2−6によって共通に引き出されている。この様な構成においては、第1の配線層41A−6と第2の配線層41B−6との間に形成された絶縁層にビア配線等を設ける工程を省略することが可能であり、製造プロセスの簡略化及び製造コストの削減が可能となる。
次に、上記構成を採用した場合の誘導検出型ロータリエンコーダ4−6の動作について検討する。第2の送信巻線S2−5に電流を流すと、第1のロータ42−6に設けられた磁束結合巻線のうち、歯車状の配線部分と、この歯車状の配線部分に内接する円形状の配線部分とが重なった形状を有するもの(第5の実施形態においては、第2の磁束結合巻線M2−5)に電流が誘起され、同時に第2のロータ51−5に設けられた磁束結合巻線のうち、歯車状の配線部分と、この歯車状の配線部分に外接する円形状の配線部分とが重なった形状を有するもの(第5の実施形態においては、第4の磁束結合巻線M4−5)にも電流が誘起される。第5の実施形態においては第2の受信巻線R2−5と第4の受信巻線R4−5とを独立して設け、これらの電流を好適に受信する。
上記点に鑑み、本実施形態においても第2の送信巻線S2−5によって誘起される電流が、異なる受信巻線に流れる様にすることが考えられる。このためには種々の方法が適用可能であるが、本実施形態においては、図36及び37に示す通り、第1の磁束結合体M1−6を、歯車状の配線部分と、この歯車状の配線部分に内接する円形状の配線部分とが重なった形状に形成し、第2の磁束結合体M2−6を、歯車状の配線部分と、この歯車状の配線部分に外接する円形状の配線部分とが重なった形状に形成する。尚、配線パターンのピッチ等は第5の実施形態と同様であり、第1の磁束結合体M1−6においてはピッチλ1−5の磁気パターンが、第2の磁束結合体M2−6においてはピッチλ2−5の磁気パターンが形成される。これにより、第2の送信巻線S2−5によって誘起される電流が、電気的に独立に形成された(導通していない)第1の受信巻線R1−5と第4の受信巻線R4−5に流れる事となり、第1の角度検出トラックと第4の角度検出トラックによる角度の検出を好適に行う事が可能となる。尚、本実施形態においては、第5の実施形態と異なり、第1の送信巻線S1によって第2の角度検出トラックによる角度の検出が行われる。
尚、第1及び第2の磁束結合巻線を第5の実施形態と同様に構成し、第3の磁束結合巻線を、歯車状の配線部分と、この歯車状の配線部分に外接する円形状の配線部分とが重なった形状とし、第4の磁束結合巻線を、歯車状の配線部分と、この歯車状の配線部分に内接する円形状の配線部分とが重なった形状とすることも可能である。
[7.第7実施形態]
[7−1.構成]
次に、図38を参照して、第7実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ4−7を搭載したマイクロメータヘッド1−7の全体構成について説明する。図38は、第7実施形態に係るマイクロメータヘッド1−7を示す断面図である。なお、第7実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
マイクロメータヘッド1−7は、図38に示すように、第1実施形態と異なるスピンドル3−7、及びスピンドル3−7を中心に設けられた誘導検出型ロータリエンコーダ4−7を有する。なお、マイクロメータヘッド1−7は、その他、第1実施形態と同様の構成を有する。
スピンドル3−7は、第1実施形態と同様に、略円柱状に形成され、先端側の端部に被測定物(不図示)との接触面31を有し、基端側の端部につまみ部32を有する。
スピンドル3−7の中央部には、第1実施形態と異なり、リード角が異なる2本のキー溝34a−7、34b−7が設けられている。第1のキー溝34a−7は、スピンドル3−7の軸と平行に直線状に設けられている。第2のキー溝34b−7は、スピンドル3−7に対して螺旋状に設けられている。第1のキー溝34a−7と第2のキー溝34b−7との始点および終点の位置は、スピンドル3−7の軸方向において略一致している。すなわち、第1のキー溝34a−7と第2のキー溝34b−7とは、スピンドル3−7の軸方向において略同じ範囲に形成されている。
なお、スピンドル3−7が進退する際に、キー溝34a−7、34b−7は、スピンドル3−7と共に本体2の外部に出ることになるが、スピンドル3−7が最大限に前進した場合でもキー溝34a−7、34b−7が外部に露出しないように外側フレーム11が設けられている。
続いて、誘導検出型ロータリエンコーダ4−7について説明する。図39は、誘導検出型ロータリエンコーダ4−7の分解斜視図である。誘導検出型ロータリエンコーダ4−7は、図39に示すように、第1のロータリエンコーダ40−7と、第2のロータリエンコーダ50−7とから構成され、本体2の収納空間22内に配設されている。
第1のロータリエンコーダ40−7は、ステータ41−7、及びキー溝34−7に係合するキー47−7を有しスピンドル3−7を中心にして回転可能に設けられた第1のロータ42−7を有する。
ステータ41−7は、スピンドル3−7が挿通された状態で収納空間22の前端側内壁28に固定されている。
第1のロータ42−7は、スピンドル3−7のすぐ外側に配設されている。第1のロータ42−7は、ステータ41−7と所定距離だけ離れた位置に、ステータ41−57軸方向に対向して配置されている。第1のロータ42−7は、ステータ41−7と対になってステータ41−7と対向した状態で回転される第1の配線層42A−7及び第2の配線層42B−7と、スピンドル3−7を中心とする第1及び第2の配線層42A−7,42B−7の回転を支持する第1の回転円筒43−7と、第1のキー溝34a−7に係合する第1のキー47−7とを備える。本実施形態において、第1の配線層42A−7及び第2の配線層42B−7は、スピンドル3−7が挿通される孔を有する小円板である。
第1の回転円筒43−7は、スピンドル3−7に外嵌する円筒状であって第1のロータ板48−7の背面に接続され第1のロータ板48−7の回転を支持している。第1の回転円筒43−7には、軸に直交する方向で貫通形成された二つの孔43−7a、43−7bが設けられ、第1の孔43−7aには第1のキー47a−7が螺合されている。また、第2の孔43−7bは、第1の回転円筒43−7の周方向に長さを有する長孔状に形成されている。
第2のロータリエンコーダ50−7は、ステータ41−7、及びキー溝34bに係合するキー47bを有しスピンドル3−7を中心にして回転可能に設けられた第2のロータ51−7を有する。
第2のロータ51−7は、第1のロータ42−7の外側に、それを取り囲むように配置されている。第2のロータ51−7は、ステータ41−7所定距離だけ離れた位置に、ステータ41−7に軸方向に対向して配置されている。第2のロータ51−7は、第1のロータ42−7と同様に、ステータ41−7と対になってステータ41−7と対向した状態で回転される第1の配線層51A−7及び第2の配線層51B−7と、スピンドル3−7を中心とする第2のロータ板55−7の回転を支持する第2の回転円筒52−7と、第2のキー溝34b−7に係合する第2のキー47bとを備える。
第1の配線層51A−7及び第2の配線層51B−7は、第1のロータ42−7に含まれる第1の配線層42A−7及び第2の配線層42B−7を内側に遊嵌する程度の内孔を有する環状板である。第2の回転円筒52−7は、第2の配線層51B−7の背面に接続され、内側に第1の回転円筒43−7を遊嵌する孔を有する円筒状である。
第2の回転円筒52−7には、軸に直交する方向から貫通形成された孔52−7aを有し、この孔52−7aに第2のキー47b−7が螺合されている。なお、第2のキー47b−7は、第1の回転円筒43−7の長孔である第2の孔43−7bを通過して第2のキー溝34b−7に係合している。
そして、第2の回転円筒52−7は、第1のロータ42−7を間にしてステータ41−7と反対側においてスピンドル3−7を軸受けする軸受部52−7bを有する。また、スピンドル軸方向において、第2のキー47b−7の位置は第1の回転円筒43−7に設けられた第1のキー47a−7の位置と略同じである。
なお、ステータ41−7が固定されている収納空間22の前端側内壁28においてスピンドル軸受け27−7がステータ41−7よりも後端側にわずかに延設されており、また、第1の回転円筒43−7のスピンドル軸受け43−7cが第1の配線層51A−7及び第2の配線層51B−7よりステータ41−7側にわずかに延設されており、第1の回転円筒43−7のスピンドル軸受け43−7cが本体2のスピンドル軸受け27−7に当接することにより、ステータ41−7と第1の配線層51A−7とのギャップが適切に確保される。
また、第2の回転円筒52−7と中仕切り板23との間に図示しないコイルバネ(付勢手段)が介装されて、第2のロータ51−7がステータ41−7側に向けて付勢されているとともに、第1のロータ42−7が第2の回転円筒52−7の内壁にて押されることで第1のロータ42−7もステータ41−7に向けて付勢されている。
[7−2.マイクロメータヘッド1−7の動作]
次に、このような構成を備える第5実施形態に係るマイクロメータヘッド1−7の動作について説明する。つまみ部32によってスピンドル3−7が回転操作されると、本体2の雌ねじ26とスピンドル3−7の送りねじ33との螺合によってスピンドル3−7が軸方向に進退される。
また、スピンドル3−7が回転されると、スピンドル3−7の第1のキー溝34a−7および第2のキー溝34b−7に第1の回転円筒43−7の第1のキー47a−7と第2の回転円筒52−7の第2のキー47b−7とがそれぞれ係合されているので、スピンドル3−7の回転に伴って第1の回転円筒43−7と第2の回転円筒52−7とが回転される。このとき、第1の回転円筒43−7はスピンドル軸受け43−7cによってスピンドル3−7を軸受けしているので、第1の回転円筒43−7はスピンドル3−7を基準にして回転する。また、第2の回転円筒52−7は軸受部622によってスピンドル3−7を軸受けしているので、第2の回転円筒52−7もスピンドル3−7を基準として回転する。
そして、第1のキー溝34a−7と第2のキー溝34b−7とは互いにリード角が異なっているので、スピンドル3−7が一回転するに当たって第1の回転円筒43−7と第2の回転円筒52−7とでは互いに異なる回転量(回転位相)で回転される。スピンドル3−7の回転によって第1および第2の回転円筒43−7、52−7が回転されると、第1の回転円筒43−7とともに第1のロータ板48−7が回転され、第2の回転円筒52−7とともに第2のロータ板55−7が回転される。すなわち、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1のロータ42−7は、第2のロータ51−7と異なる回転速度で回転する。
なお、第5実施形態においても、第1実施形態と同様に、ステータ41と対向する第1のロータ42−7上には、第1、第2の磁束結合巻線M1、M2が形成されている。ステータ41と対向する第2のロータ51−7上には、第3、第4の磁束結合巻線M3、M4が形成されている。第1、第2のロータ42−7、51−7と対向するステータ41−7上には、第1〜第3の送信巻線S1〜S3、及び第1〜第3の受信巻線R1〜R3が形成されている。
[7−3.効果]
第7実施形態に係るマイクロメータヘッド1−7は、第1実施形態と略同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
[8.第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態について説明する。上記第1〜第7実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダは、異なる速度で回転するロータを2つずつ有して構成されていた。しかしながら、本発明は、ロータが一つである場合や3つ以上ある様な場合でも当然に採用可能である。本実施形態においては、ロータが1つのみの場合について説明する。
図40は、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダを構成するロータ42−8及びステータ41の構成を示す側断面図である。本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダは、第1実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダとほぼ同様の構成を有しているが、第1実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダは第1のロータ42及び第2のロータ51を備えていたのに対し、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダはロータ42−8を一つのみ備えている点において異なる。尚、ステータ41の構成は第1実施形態に係るステータ41の構成と同様である。
図41は、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダを構成するロータ42−8の構成を示す平面図である。このロータ42−8上には、第1実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダの第1の磁束結合巻線M1及び第2の磁束結合巻線M2と同様に構成された第1の磁束結合巻線M1及び第2の磁束結合巻線M2が配置される。
本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダは一つのロータ42−8のみを備えているから、このロータ42−8とステータ51との回転角度からスピンドル3の位置を算出する。また、歯車等の回転機構を必要とせず、第1〜第7実施形態と比較して単純な構成とすることが可能である。この様なロータリエンコーダも第1実施形態と同様に構成されたステータ51を備えるため、引出配線の数を削減して第1実施形態と同様の利点を享受することが可能である。
[9.その他実施形態]
以上、本発明に係る誘導検出型ロータリエンコーダの一実施形態を説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、置換等が可能である。例えば、第1〜第4の磁束結合体は、上記実施形態のように第1〜第4の磁束結合巻線ではなく、電極、導電板に形成された穴、凹部などでも良い。
また、上記実施形態は、第1のロータと第2のロータの位置関係に基づき、第1のロータが何回転目であるかを検出するものである。しかしながら、本発明は、第1のロータと第2のロータの位置関係に基づき、第2のロータが何回転目であるかを検出するものであってもよい。
1…マイクロメータヘッド、 2…本体、 3…スピンドル、 4…誘導検出型ロータリエンコーダ、 40…第1のロータリエンコーダ、 50…第2のロータリエンコーダ、 7…演算処理部、 41…ステータ、 42…第1のロータ、 51…第2のロータ、 43…第1の回転円筒、 48…第1の歯車、 52…第2の回転円筒、 53…中継歯車、 53A…第1の中継歯車、 53B…第2の中継歯車、 53C…中継歯車の軸部、 55…第2の歯車、 S1〜S4…第1〜第4の送信巻線、 R1〜R4…第1〜第4の受信巻線、 M1〜M4…第1〜第4の磁束結合巻線。

Claims (7)

  1. ステータと、
    回転軸に係合されて前記回転軸と共に回転し前記ステータと軸方向に対向するロータと、
    前記ステータの前記ロータの対向面、及び前記ロータの前記ステータの対向面に前記回転軸に対して同軸的に形成され、内周側から外周側にかけて配置された2以上の角度検出トラックと
    を備え、
    前記2以上の角度検出トラックは、
    前記ステータに設けられ、前記回転軸を中心として環状に形成された送信巻線と、
    前記ステータに設けられ、前記送信巻線に沿って前記回転軸を中心として環状に形成された受信巻線と、
    前記ロータに設けられ、前記回転軸を中心として環状に形成されて前記送信巻線及び前記受信巻線と磁束結合する磁束結合体と
    をそれぞれ備え、
    前記2以上の角度検出トラックに備えられた一の受信巻線と他の受信巻線の一端は共通に接続され、前記一の受信巻線と前記他の受信巻線の他端は引き出し配線によって引き出される
    ことを特徴とする誘導検出型ロータリエンコーダ。
  2. 前記ロータは、
    回転軸に係合されて前記回転軸と共に回転し前記ステータと軸方向に対向する第1のロータと、
    前記第1のロータの外周側に配置され前記第1のロータに対して回転可能で前記ステータと軸方向に対向する第2のロータと
    であり、
    前記回転軸の回転を伝達して前記第2のロータを前記第1のロータとは異なる速度で回転させる回転伝達手段を更に備え、
    前記2以上の角度検出トラックは、内周側の角度検出トラックと、この内周側の角度検出トラックの外周側に配置された外周側の角度検出トラックであり、
    前記内周側の角度検出トラックは、前記ステータの前記第1のロータの対向面、及び前記第1のロータの前記ステータの対向面に前記回転軸に対して同軸的に形成され、
    前記外周側の角度検出トラックは、前記ステータの前記第2のロータの対向面、及び前記第2ロータの前記ステータの対向面に前記回転軸に対して同軸的に形成され、
    前記内周側の角度検出トラックを構成する磁束結合体は前記第1のロータに設けられ、
    前記外周側の角度検出トラックを構成する磁束結合体は前記第2のロータに設けられた
    ことを特徴とする請求項1記載の誘導検出型ロータリエンコーダ。
  3. 前記ロータは、
    回転軸に係合されて前記回転軸と共に回転し前記ステータと軸方向に対向する第1のロータと、
    前記第1のロータの外周側に配置され前記第1のロータに対して回転可能で前記ステータと軸方向に対向する第2のロータと
    であり、
    前記回転軸の回転を伝達して前記第2のロータを前記第1のロータとは異なる速度で回転させる回転伝達手段を更に備え、
    前記2以上の角度検出トラックは、
    前記ステータの前記第1のロータに対向する部分、及び前記第1のロータの前記ステータに対向する部分にそれぞれ前記回転軸に対して同軸的に形成された第1の角度検出トラック及び第2の角度検出トラックと、
    前記ステータの前記第2のロータに対向する部分、及び前記第2ロータの前記ステータに対向する部分にそれぞれ前記回転軸に対して同軸的に形成された第3の角度検出トラック、及び第4の角度検出トラックと
    であり、
    前記第1〜第4の角度検出トラックを構成する受信巻線のうち、いずれか2つの受信巻線の一端は共通に接続され、他端は引き出し配線によって引き出される
    ことを特徴とする請求項1記載の誘導検出型ロータリエンコーダ。
  4. 前記第1及び第2の角度検出トラックは、前記ステータの前記第1のロータの対向面及び前記第1のロータの前記ステータの対向面に形成され、
    前記第2の角度検出トラックは前記第1の角度検出トラックの外周側に配置され、
    前記第3及び第4の角度検出トラックは、前記ステータの前記第2のロータの対向面及び前記第2のロータの前記ステータの対向面に形成され、
    前記第4の角度検出トラックは前記第3の角度検出トラックの内周側に配置される
    ことを特徴とする請求項3記載の誘導検出型ロータリエンコーダ。
  5. 前記第1及び第2の角度検出トラックは、前記ステータ及び前記ロータの対向方向に積層して形成され、
    前記第3及び第4の角度検出トラックは、前記ステータ及び前記ロータの対向方向に積層して形成される
    ことを特徴とする請求項3記載の誘導検出型ロータリエンコーダ。
  6. 前記第1の角度検出トラックは、前記第1のロータの1回転でN1回の周期的変化を生成し、
    前記第2の角度検出トラックは、前記第1のロータの1回転でN2回の周期的変化を生成し、
    前記第3の角度検出トラックは、前記第2のロータの1回転でN3回の周期的変化を生成し、
    前記第4の角度検出トラックは、前記第2のロータの1回転でN4回の周期的変化を生成し、
    N1,N2,N3,N4は互いに異なり、
    N1,N2,N3,N4のうちの一と他との最大公約数は全て1である
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の誘導検出型ロータリエンコーダ。
  7. 前記第1〜第4の角度検出トラックのうちの2つの角度検出トラックは、共通の送信巻線を有し、
    前記共通の送信巻線は、前記第1〜第4の受信巻線のうちの2つの受信巻線に同時に電流を誘起し、
    前記2つの受信巻線は、前記第1〜第4の受信巻線のうちの残りの2つの受信巻線とそれぞれ共通に接続される
    ことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項記載の誘導検出型ロータリエンコーダ。
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