JP2014137122A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外側部材と内側部材との間に泥水等が浸入することを抑制するとともに、突出部の突出長さを設定する際に受ける制約を低減できる密封装置を提供する。
【解決手段】相対的に軸心回転する内側部材20及び外側部材30間に形成された隙間S1を密封するために前記外側部材に装着される密封装置1であって、前記外側部材に嵌合される芯金6と、前記芯金に固着されるとともに、前記内側部材に摺接するリップ71,72,73を有する弾性部材7と、前記芯金に固着された状態で前記リップよりも径方向外側に形成されるとともに、径方向外側又は軸方向外側に突出するゴム材料製の突出部70とを備え、前記突出部は、前記リップよりも硬度が高くなるように形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、相対的に軸心回転する内側部材及び外側部材間に形成された隙間を密封するために前記外側部材に装着される密封装置に関する。
従来より、前記のような密封装置としては、例えば自動車用車輪を回転自在に支持するハブベアリングにおいて、ハブフランジ側の外輪とハブ輪との間に形成された隙間を密封するものが知られている。
例えば、下記特許文献1には、外輪に装着される芯金とハブフランジに対して摺動自在に構成されたアキシャルリップとを備えた密封装置が開示されている。この密封装置の芯金には、外輪の内周面に圧入して嵌合される芯金筒部から折り曲げられて、上述の隙間を通って外輪の外径よりも外側に伸びる外フランジ部(8d・特許文献1・図3等参照)が形成されている。これによれば、異物が侵入しやすい隙間に非接触のラビリンスシール部が形成されるので、その隙間からの異物の侵入量を低減することができるとされている。
また下記特許文献2にも、外側部材の内周面に圧入される円筒部と、円筒部から径方向外側に延びる円板状の堰部を有する芯金と、この芯金に加硫接着されたシール部材とを備えた密封装置が開示されている。この密封装置のシール部材は、この堰部(36c)を覆うように外側部材の端部の外径よりも径方向外側に突出して形成された被覆部(37d)を備えている(特許文献2・図3等参照)。
これによれば、この被覆部によって、車両の走行中に外側部材に雨水や泥水がかかっても、外側部材の外周面を伝って、車輪取付フランジとの間に流動することを防止することができるとされている。
特開2010−60126号公報 特開2011−117529号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のものは、芯金の外フランジ部がゴムなどで覆われていない。よって、芯金の錆びの発生を防ぐため、芯金をステンレス鋼(SUS)としたり、芯金に防錆皮膜を施したりするなど、何らかの発錆対策が求められ、材料費の増大や、製造工程の増加等につながっていた。
また上記特許文献2に記載のものは、芯金がシール部材で覆われているので、錆びの発生の懸念は少ない。しかしながら、被覆部がゴムなどの弾性材で構成されているので、被覆部を径方向に延ばすほど泥水等を浴びた際に撓み易くなり、形状を維持するのが難しくなる。
そこで上記特許文献2・図3、図4、図6等に開示されているように、被覆部自体の厚みを他の部位より厚くしたり、被覆部の延長に伴って芯金の堰部を延長したりする等の対策が必要となってしまう。
本発明は、上記に鑑みなされたもので、外側部材と内側部材との間に泥水等が浸入することを抑制するとともに、突出部の突出長さを設定する際に受ける制約を低減できる密封装置を提供することを目的としている。
本発明に係る密封装置は、相対的に軸心回転する内側部材及び外側部材間に形成された隙間を密封するために前記外側部材に装着される密封装置であって、前記外側部材に嵌合される芯金と、前記芯金に固着されるとともに、前記内側部材に摺接するリップを有する弾性部材と、前記芯金に固着された状態で前記リップよりも径方向外側に形成されるとともに、径方向外側又は軸方向外側に突出するゴム材料製の突出部とを備え、前記突出部は、前記リップよりも硬度が高くなるように形成されていることを特徴とする。
以上のような構成によれば、前記突出部によって泥水等がリップ側に浸入することを抑制することができる。また前記突出部は、リップよりも硬度が高くなるように形成されているので、突出長さを延ばしても変形し難く、突出部の突出長さを設定する際に受ける制約を低減できる。
本発明において、前記芯金は、一部材で構成されており、前記芯金は、前記外側部材の内周面に嵌合される円筒部と、前記円筒部から径方向外側に延びる延出部とを備え、前記突出部は、前記芯金に固着され、前記弾性部材と一体に形成されているとともに、前記延出部の端部を覆うように前記外周面よりも径方向外側に突出して形成されているようにしてもよい。
以上のような構成によれば、延出部の端部が突出部によって覆われているため、延出部が泥水等にさらされるおそれが少ない。また径方向外側に突出する突出部の突出長さを延長してもそれに伴って延出部を延長する必要はないため、延出部の存在を考慮せずに突出部の形状を設定することができ、形状の自由度が大きくなる。
本発明において、前記突出部は、前記延出部の表裏両面に接合されるとともに、前記外側部材の端面に対向する部位にまで回り込むように形成されているようにしてもよい。
以上のような構成によれば、突出部を外側部材の端面に圧接させることができる。したがって、泥水等が外側部材の内周面と芯金の円筒部との間に浸入して芯金に錆びが発生することを抑制することができる。
本発明において、前記突出部に用いられるゴム材料は、前記弾性部材に用いられるゴム材料と同じとしてもよい。
以上のような構成よれば、突出部と弾性部材とを一体に形成する場合、突出部と弾性部材との十分な接合を確保することができる。
本発明において、前記芯金は、前記外側部材の内周面に嵌合される第1芯金と、前記外側部材の外周面に嵌合される第2芯金とから構成され、前記弾性部材は、前記第1芯金に固着され、前記突出部は、前記第2芯金に固着されているようにしてもよい。
以上のような構成によれば、突出部は第1芯金とは別体の第2芯金に固着されているので、1色成形によって突出部を形成することができる。
本発明において、前記突出部は、一定の厚みを有しつつ前記外側部材の前記外周面に対して略垂直に突出するように形成してもよい。
以上のような構成によれば、厚みが一定であっても突出部は軸方向に撓み難く、突出部の突出長さを設定する際に受ける制約を低減できる。そして、径方向における突出部の突出長さを大きくすれば、外側部材の外周面を伝ってリップ側に浸入しようとする泥水等に対する堰き止め効果を高めることができる。
本発明において、前記突出部は、前記ゴム材料に無機質材料を混合して形成されているようにしてもよい。
以上のような構成によれば、所望する無機質材料をゴム材料に混合するだけで、突出部の硬度を高くすることができる。よって、リップに用いられるゴム材料と、突出部に用いられるゴム材料とを同一にすることができる。
本発明において、前記無機質材料は、磁性粉であり、前記突出部は、磁性を帯びた着磁体として構成されているようにしてもよい。
以上のような構成によれば、突出部が着磁体として構成されているので、磁性を帯びた異物が侵入してきた際には、その異物を磁力で引き寄せることができ、リップ側への異物の侵入を抑制することができる。
本発明において、突出部は、加硫済の加硫ゴムを前記ゴム材料に混合して形成されているようにしてもよい。
以上のような構成によれば、ゴム成形時に発生したバリ等を再利用して突出部を形成することができ、経済的である。
本発明において、前記内側部材は、連続して径方向外側に延出して形成されたフランジ部を有しており、前記突出部は、前記フランジ部から離間して設けられるとともに、その径方向における一部分から前記フランジ部に近接する位置まで前記フランジ部に向かって延出するリップ部が形成されているようにしてもよい。
以上のような構成によれば、突出部を径方向に延出すればするほど、外側部材の外周面からの泥水等の浸入を防ぐことはできるが、突出部がフランジ部に近接していると、フランジ部との近接領域が増大し水はけ性が悪くなるおそれがある。そこで以上によれば、突出部はフランジ部から離間させるとともに、リップ部をフランジ部に近接させることで、近接領域の増大を抑えつつ、突出部による堰き止め効果を高めることができる。
本発明の密封装置は、外側部材と内側部材との間に泥水等が浸入することを抑制するとともに、突出部の突出長さを設定する際に受ける制約を低減できる。
本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る密封装置が適用された軸受装置の一例を模式的に示す概略断面図である。 同実施形態における密封装置の一例を模式的に示す概略断面図であり、図1のX部の拡大図である。 同実施形態における密封装置の変形例を示す概略断面図であり、図1のX部の拡大図及びY部の拡大図に相当する図である。 同実施形態における密封装置の別の変形例を示す概略断面図であり、図1のX部の拡大図及びY部の拡大図に相当する図である。 同実施形態における密封装置のさらに別の変形例を示す概略断面図であり、図1のX部の拡大図及びY部の拡大図に相当する図である。 本発明の別の実施形態(第2実施形態)における密封装置を示す概略断面図であり、図1のX部の拡大図に相当する図である。 本発明のさらに別の実施形態(第3実施形態)における密封装置を示す概略断面図であり、図1のX部の拡大図に相当する図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、図1で示す軸心Lに対して略平行な方向を軸方向、軸心Lに対して略垂直な方向を径方向とし、軸心Lから離れる方向を径方向外側(例えば図2では上向き方向)、軸心Lに近づく方向を径方向内側(例えば図2では下向き方向)として説明する。
本実施形態における密封装置1は、相対的に軸心回転する内側部材20及び外側部材30間に形成された隙間S1を密封するために外側部材30に装着される密封装置1である。密封装置1は、外側部材30に嵌合される芯金6と、芯金6に固着されるとともに、内側部材20に摺接するリップ71,72,73を有する弾性部材7とを備えている。
そして密封装置1は、芯金6に固着された状態でリップ71,72,73よりも径方向外側に形成されるとともに、径方向外側又は軸方向外側に突出するゴム材料製の突出部70を備えている。
以下、このような密封装置1が、自動車の車輪を回転自在に支持するハブベアリング(軸受)2に装着された例について、詳しく説明する。
まずは、第1実施形態として、図1〜図5を参照しながら、芯金6が一部材からなり、後記する軸受2のアウター側(図面における右側)に装着される密封装置1について説明する。
図1は、自動車の車輪を回転自在に支持するハブベアリング(軸受)2の構造の一例を示す図であり、回転軸(軸心L)を含む面による当該軸受2の縦断面図である。なお、以下では、軸受2が車体に組み付けられた状態において、軸受2から見てタイヤホイール側をアウター側、車体の中央部側をインナー側(図における左側)として説明する。
図1に示す軸受2は、いわゆる第3世代と呼ばれる軸受2であり、内輪4と、この内輪4に複数の転動体5…を介して設けられた外輪(外側部材)30とを備えている。
外側部材30は、車体の懸架装置(不図示)に取り付けられ固定される。内輪4を構成するハブ輪(内側部材)20は、例えば錆びが生じ易い炭素鋼等の材料で構成されるとともに、そのハブフランジ(フランジ部)21にはボルト4aによりタイヤホイール(不図示)が固定される。また、内側部材20に形成されたスプライン軸孔4bには駆動シャフト(不図示)がスプライン嵌合されて、該駆動シャフトの回転駆動力がタイヤホイールに駆動伝達される。そして、内側部材20は内輪部材3と共に内輪4を構成し、内輪4が外側部材30に対して軸心L回りに軸回転可能に支持されている。なお、従動輪側の軸受2の場合は、内輪4は駆動シャフトに連結されず、外側部材30に対してフリー回転する。
外側部材30と内輪4との間には、2列の転動体5…がリテーナ5aで保持された状態で介装されている。この転動体5…並びに内側部材20及び外側部材30に形成された各軌道面により環状隙間S1(軸受空間)が構成される。
2列の転動体5…のアウター側における、外側部材30と内側部材20の間には、アウター側の密封装置(シールリング)1が装着されている。一方、2列の転動体5…のインナー側における、外側部材30と内輪4との間には、インナー側の密封装置10が装着されている。
これらアウター側及びインナー側の密封装置1,10により、前記転動体5…の転動部に装填される潤滑剤(グリース)の漏出或いは外部からの泥水等の浸入が防止される。
図2は、アウター側に装着された密封装置1の装着部の拡大縦断面図であり、図1のX部を示している。
内側部材20は、軸心L方向に沿って平坦なラジアル面22bを有した基部22と、アウター側に向かうにつれ径方向外側に向かって連続して拡径するアキシャル面21a(フランジ面21a)を有したフランジ部21とを有している。図中、22aは基部22からフランジ部21へ立ち上がる湾曲面を示しており、断面略円弧状に形成されている。
この密封装置1により、フランジ部21と外側部材30との間に形成された隙間S2からリップ71・・・側へ流れてくる泥水等の浸入を抑制し、基部22と外側部材30との隙間S1を密封する構造となっている。
密封装置1は、外側部材30に嵌合される芯金6と、芯金6に固着されるとともに、内側部材20に摺接するリップ71,72,73を有する弾性部材7とを備えている。
芯金6は、一部材で構成されており、ステンレスやSPCC等の鋼板をプレス加工及び曲げ加工等して形成されている。
芯金6は、外側部材30の内周面30bに嵌合される円筒部61と、円筒部61から径方向外側に延びるとともに、外側部材30の外周面30aよりも突出しないように形成された延出部60とを有している。延出部60の端部60aは、芯金6の他の部位より板厚が薄くなるように形成されている。なお、延出部60の端部60aの板厚は、とくに限定されず、芯金6の他の部位と同じ板厚でもよい。
また芯金6は、円筒部61から径方向内側に延出して形成された円板部62と、円板部62からアキシャル面21a側に延出して形成された内側円筒部63と、内側円筒部63からさらに径方向内側に延出して形成された内側延出部64とを有している。
弾性部材7は、芯金6に固着されるとともに、内側部材20のアキシャル面21a及び湾曲面22a、ラジアル面22bに摺接する3つのリップ71,72,73を有している。3つのリップのうち、径方向外側に設けられたリップ71は、アキシャル面21aに摺接するように形成されている。3つのリップのうち、真ん中に設けられたリップ72は、湾曲面22aに摺接するように形成されている。そして3つのうち、径方向内側に設けられたリップ73は、ラジアル面22bに摺接するように形成されている。
弾性部材7は、特に限定されないが、例えばエラストマー等のゴム材料からなり、具体的には、エチレンプロピレンゴム(EPM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム(ACM)、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)、シリコーンゴム(VMQ)、フロロシリコーンゴム(FVMQ)、フッ素ゴム(FKM)、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレンプロピレンジエン共重合ゴム(EPDM)等が好ましく採用される。
突出部70は、芯金6に固着されたリップ71,72,73よりも径方向外側に形成されるとともに、径方向外側に突出するように形成されている。この突出部70は、リップ71,72,73よりも硬度が高くなるように形成されている。
突出部70の硬度は、特定の数値に限定されるものではなく、要はアキシャル面21a等に弾性的に摺接して泥水等の浸入を防ぐリップ71,72,73の硬度よりも高ければよい。突出部70はリップ71,72,73と同様のシール機能を発揮するような弾性を備えない硬度としてもよく、又泥水等がかかっても変形しない程度の硬度としてもよい。
図2に示す突出部70は、弾性部材7と一体に形成されているとともに、延出部60の端部60aを覆うように外側部材30の外周面30aよりも径方向外側に突出して形成されている。図例の場合は、突出部70を構成するゴム材料と弾性部材7を構成するゴム材料とは、延出部60の表面側(アキシャル面21aと対向する部位)において、接合されている。
このように突出部70と弾性部材7とを2色成型によって一体に形成すれば、突出部70と弾性部材7との十分な接合を確保することができ、突出部70が弾性部材7から分離してしまうことを防ぐことができる。例えば突出部70に高圧洗浄時の水が当たっても、衝撃に耐えられる接合強度を確保することができる。
またこのように突出部70を外側部材30の外周面30aよりも径方向外側に突出させ、突出部70の突出長さを図例のように大きくすれば、外側部材30の外周面30aを伝ってリップ71・・・側に浸入しようとする泥水等に対する堰き止め効果を高めることができる。
これにより、突出部70を乗り越えてリップ71・・・側に浸入してくる泥水、異物等の量が少なくなるため、リップ71,72,73の摩耗を防ぐことができ、密封装置1のシール性の低下、シール寿命の短期化を防ぐことができる。
また、突出部70はリップ71,72,73よりも硬度が高いため、突出部70の突出長さを設定する際に受ける制約を低減できる。すなわち、例えば、芯金6の延出部60を延長しなくとも、十分な剛性を確保したまま突出部70の突出長さを延長することができる。したがって、延出部60の存在を考慮せずに、突出部70の径方向寸法等を設定することができ、突出部70の形状設計の自由度が大きくなる(図2〜図5等参照)。また、芯金6の延出部60を延長する必要がなくなる分だけ芯金6の形状を小さくすることができ、芯金6の材料コストを抑えることができる。
また、突出部70の硬度が高ければ、例えば、突出部70を把持して密封装置1を外側部材30に圧入するような場合に、突出部70は変形し難いため、密封装置1の取り扱い性が向上する。
突出部70は、延出部60の表裏両面、具体的には延出部60の端部60aの表裏両面に接合され、外側部材30の端面30cに対向する部位に端面30cに向けて突出した突起部74が形成されている。
以上の構成によれば、延出部60の端部60aが突出部70によって覆われることになるため、延出部60が泥水等にさらされるおそれが少ない。また、このように突出部70を延出部60の表裏両面に接合させることができるため、突出部70に突起部74を形成して外側部材30の端面30cに圧接させることができる。したがって、泥水等が外側部材30の内周面30bと芯金6の円筒部61との間に浸入して芯金6に錆びが発生することを抑制することができる。
また突出部70は、一定の厚みを有しつつ外側部材30の外周面30aに対して略垂直に突出して形成された垂直部70aを有している。
以上のような構成によれば、突出部70の垂直部70aは、リップ71,72,73よりも硬度が高く形成されているため、厚みがリップ71,72,73と略同じで一定であっても軸方向に撓み難い。つまり、突出部70がリップ71,72,73と同じ硬度に形成された場合に比べて、軸方向の撓みを懸念することなく突出部70の突出長さを延長することができる。したがって、本実施形態の突出部70は、突出部70の突出長さを設定する際に受ける制約を低減できる。
ここで突出部70(垂直部70a)の厚み寸法は、特に限定されず、突出部70は撓み難い厚み寸法に設定される。本実施形態では、突出部70の硬度は金属材に比べると低いが、突出部70の肉厚は少なくとも延出部60の板厚よりも厚いため、十分な硬度が確保されている。突出部70の厚み寸法は、例えば0.4〜0.8mm程度が望ましい。
また突出部70は、外側部材30の外周面30aに対して略垂直に突出するため、突出部70を径方向外側に延長してもフランジ部21等の他の部位に干渉することがない。したがって、突出部70は、フランジ部21等の周辺構造の存在によってその径方向の突出寸法が制限され難い。突出部70は、泥水等に対する所望の堰き止め効果を発揮できるまでその突出長さを延長することができる。
次に、本実施形態に係る密封装置1の一変形例を、図3を用いて説明する。なお、上記した実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また図3に示す密封装置1と図2に示す密封装置1とでは、芯金6及び弾性部材7の形状が、若干異なるが、機能・構成が同様であるので、詳しい説明は省略する。
本変形例では、突出部70は、フランジ部21から離間して設けられている。突出部70の径方向における一部分には、図3の例では突出部70の中間部分からフランジ部21に近接する位置までフランジ部21に向かって延出するリップ部75が形成されている。
この変形例は、内側部材20のフランジ部21の構成が図2の例とは若干異なるとともに、フランジ部21に近接するように延びるリップ部75が設けられている。
リップ部75の形状は図例に限定されないが、リップ部75は、フランジ部21に近接しても当接しない非接触の状態で配置され、リップ71,72,73よりも硬度が高くなるように形成されている。図例のリップ部75は、基部から先端側になる程薄くなるように形成されており、軸心L側の面が傾斜面75aとされている。また、アキシャル面21aには、外側部材30の内周面30bが設けられている位置より径方向外側に、凹所21bが形成されている。
突出部70が外側部材30の外周面30aよりも径方向外側に突出しかつ外周面30aに対して略垂直に突出するように形成された垂直部70aを有している点は、図2の例と同様である。
ここで、突出部70の垂直部70aを径方向に延出すればするほど、外側部材30の外周面30aからの泥水等の浸入を防ぐことはできる。しかしながらこの場合、垂直部70aがフランジ部に近接していると、フランジ部21と対向する垂直部70aの近接領域が増大し、浸入してしまった水が排出される流路が狭まり、水はけ性が悪くなるおそれがある。
そこで以上のような構成とすれば、垂直部70aはフランジ部21から離間させる一方、リップ部75はフランジ部21に近接させることができる。したがって、フランジ部21との近接領域の増大を抑えつつ、突出部70による堰き止め効果を高めることができ、リップ71・・・側への水等の浸入を抑制することができる。
図3のY部拡大図(図3の下方側の図面)に示す一点鎖線dは、浸入してしまった水が排出される流路を示している。この一点鎖線dが示すように、フランジ部21と突出部70との間には、ラビリンスが形成される。よって、リップ71側へ浸入してしまった水等を排出しやすい構造でありながら、リップ71・・・側への水等の浸入を抑制することができる。
さらに同じく図3のY部拡大図に示すようにリップ部75が傾斜面75aを有していれば、浸入してしまった泥水等は傾斜面75aを伝ってスムーズに排出されるので、例えば泥水等がリップ71とリップ部75の間に形成される空間に滞留してしまうことを防ぐことができる。
次に、本実施形態に係る密封装置1の異なる一変形例を、図4を用いて説明する。なお、上記した実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また図4に示す密封装置1と図2に示す密封装置1とでは、芯金6及び弾性部材7の形状が、若干異なるが、機能・構成が同様であるので、説明は省略する。
本変形例は、図3の例とは、リップ部75の突出位置が異なるが、突出部70は、フランジ部21から離間して設けられるとともに、その径方向における一部分からフランジ部21に近接する位置までフランジ部21に向かって延出するリップ部75が形成されている点は図3の例と同様である。具体的には、本変形例は、垂直部70aの先端部分にリップ部75が形成されるとともに、反フランジ部21方向に、垂直部70aに対して略直交方向に延出した平行突出部70bを有し、断面略T字形状とされている。
この変形例は、図3の例の更なる変形例とみることができ、内側部材20のフランジ部21の構成が図2の例とは若干異なり、フランジ部21に近接するように延びるリップ部75が設けられている点は図3の例と共通する。なお、凹所21bの形成位置は、図3と若干異なり、図4の例では、外側部材30の外周面30aが設けられる位置より径方向外側に形成されている。なお、内側部材20のフランジ部21の構成は、凹所21bが形成された構成に限らず、凹所21bが形成されていない構成であってもよい。
リップ部75の形状は図例に限定されないが、フランジ部21に近接しても当接しない非接触の状態で配置され、リップ71,72,73よりも硬度が高くなるように形成された突出部70の一部として構成される点は、図2、図3の例と同様である。またこの変形例においても、リップ部75の先端を基部より若干薄く形成し軸心L側の面を傾斜面75aとしてもよい。
以上のような構成としても、図3の例と同様の効果を奏するものとすることができる。また平行突出部70bによって、外側部材30の外周面30aや垂直部70aに当たって跳ね返った水等の浸入を効果的に抑制することができる。
次に、本実施形態に係る密封装置1のさらに異なる一変形例を、図5を用いて説明する。なお、上記した実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また図5に示す密封装置1と図2に示す密封装置1とでは、芯金6の延出部60が省略されたことを除いて、芯金6及び弾性部材7はその機能・構成が同様であるので、説明は省略する。
本変形例は、図3、図4の例とは、リップ部75の突出位置が異なるが、突出部70は、フランジ部21から離間して設けられるとともに、その径方向における一部分からフランジ部21に近接する位置までフランジ部21に向かって延出するリップ部75が形成されている点は図3、図4の例と同様である。具体的には、本変形例の突出部70は、円筒部61のフランジ部21側の端部から外側部材30の端面30cに沿って径方向外側に垂直部70aが形成され、その先端部分にリップ部75が形成されている。したがって、突出部70は断面略L字形状とされている。
この変形例は、図3、図4の例の更なる変形例とみることができ、内側部材20のフランジ部21の構成が図2の例とは若干異なり、フランジ部21に近接するように延びるリップ部75が設けられている点は図3、図4の例と共通する。なお、凹所21bの形成位置は、図3、図4と若干異なり、図5の例では、外側部材30の外周面30aが設けられる位置のほぼ延長線上に形成されている。
リップ部75の形状は図例に限定されないが、リップ部75はフランジ部21に近接して非接触の状態で配置され、リップ71,72,73よりも硬度が高くなるように形成された突出部70の一部として構成される点は、図2〜図4の例と同様である。またこの変形例においても、リップ部75の先端を基部より若干薄く形成し軸心L側の面を傾斜面75aとしてもよい。
以上のような構成としても、図3、図4の例と同様の効果を奏するものとできる。
また図例のように垂直部70aを外側部材30の外周面30aよりも突出した位置まで延出して形成し、リップ部75の反フランジ部側の面を突出面75bとする。外側部材30の外周面30aを伝う泥水等は垂直部70aの突出面75bによって堰き止めることができ泥水等の浸入を効果的に抑制することができる。また、突出部70は、延出部60を省略することができる程度の十分な硬度を確保することができる。
次に、第2実施形態について、図6を参照しながら説明する。
なお、上記した実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態の芯金6は、外側部材30の内周面30bに嵌合される第1芯金6Aと、外側部材30の外周面30aに嵌合される第2芯金6Bとから構成される点、弾性部材7は、第1芯金6Aに固着される点、突出部70は、第2芯金6Bに固着されている点が第1実施形態と異なる。
第1芯金6A及び第2芯金6Bは、ステンレスやSPCC等の鋼板をプレス加工及び曲げ加工等して形成されている。
第1芯金6Aの形状、構成は図例に限定されないが、図例のものは、外側部材30の内周面30bに嵌合される円筒部61と、円筒部61から径方向内側に延出して形成された円板部62と、円板部62からアキシャル面21a側に延出して形成された内側円筒部63と、内側円筒部63からさらに径方向内側に延出して形成された内側延出部64とを有している。
弾性部材7は、第1芯金6Aに固着される他、形状、構成は図例に限定されないが、図例のものは、内側部材20のアキシャル面21a及び湾曲面22a、ラジアル面22bに弾性的に摺接する3つのリップ71,72,73を有している。
弾性部材7は、特に限定されず、第1実施形態と同様の材料を用いることができる。
第2芯金6Bは、外側部材30の外周面30aに嵌合される外周円筒部66と、外側部材30の端面30cに嵌合される内向鍔状部67とを有し、断面略L字形状とされている。
突出部70は、一定の厚みを有しつつ外側部材30の外周面30aに対して略垂直に突出して形成された垂直部70aと、外周円筒部66に固着される基部70cとを有している。垂直部70aの径方向内側は、内向鍔状部67の端部を覆うように設けられている。
なお、図例のものは、外周円筒部66の一部が露出している例を示しているが、これに限定されず、基部70cによって外周円筒部66の端部まで基部70cで覆われたものとしてもよい。
ここで突出部70(垂直部70a)の厚み寸法は、特に限定されず、突出部70が撓み難い寸法に設定される。実施形態では、突出部70の厚み寸法は、第2芯金6Bの厚みよりも厚くなるように形成されている。
このように突出部70と弾性部材7のそれぞれが固着される芯金は、別々の部材で構成されていても、第1実施形態の図2と同様の効果を発揮することができる。また、弾性部材7及び突出部70をそれぞれ別々に第1芯金6A及び第2芯金6Bに1色成形することができる。
また突出部70の形状は、図6の例に限定されず、図3〜図5に示す形状を適用することもできる。
次に、第3実施形態について、図7を参照しながら説明する。なお、上記した実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態の密封装置1は、いわゆるスリンガ8を備えたパックシールタイプに適用した点、突出部70が、芯金6に固着された状態でリップ76,77,78よりも径方向外側に形成されるとともに、外側部材30の端面30cよりも軸方向外側に突出している点で、上述の実施形態と異なる。
突出部70がリップ76,77,78よりも硬度が高くなるように形成されている点は、上述の実施形態と同様である。
密封装置1は、内側部材20に嵌合されるスリンガ8と、外側部材30の内周面30bに嵌合される芯金6と、芯金6に固着されスリンガ8に弾性的に摺接する複数(図例では3個)のリップ76,77,78とを有した弾性部材7とを備えている。
スリンガ8は、芯金6と同様にステンレスやSPCC等の鋼板をプレス加工及び曲げ加工等して形成されており、図例のスリンガ8は断面形状が略L字形状に形成されている。
スリンガ8は、内側部材20のラジアル面22bに嵌合されるスリンガ円筒部81と、スリンガ円筒部81から径方向外側に略垂直に延出して形成された外向鍔状部80とを有している。
芯金6は、外側部材30の内周面30bに嵌合される円筒部61と、円筒部61から径方向内側に延出して形成された円板部62と、円板部62からアキシャル面21a側に延出して形成された内側円筒部63と、内側円筒部63からさらに径方向内側に延出して形成された内側延出部64とを有している。また円筒部61の端部61aは、芯金6の他の部位より板厚が薄くなるように形成されており、突出部70は、円筒部61の端部61aの表裏両面に接合されている。
このように突出部70を円筒部61の表裏両面に接合させることができるため、突出部70を外側部材30の内周面30bに圧接させることができる。したがって、泥水等が外側部材30の端面30cを伝って内周面30bと芯金6の円筒部61との間に浸入することを抑制でき、ひいては芯金6に錆びが発生することを抑制することができる。
なお、図示していないが、第1実施形態における突起部74に相当するような突起部を突出部70の外側部材30の内周面30bに対向する部位に内周面30bに向けて突出させて形成してもよい。
弾性部材7の形状、構成は、図例に限定されないが、図例のものは、スリンガ8の外向鍔状部80に弾性的に摺接するリップ76と、スリンガ円筒部81に弾性的に摺接するリップ77,78を有している。
このように形成されたスリンガ8と芯金6とは、スリンガ円筒部81と円筒部61、そして外向鍔状部80と円板部62とが互いに向き合うように組み合わされてパックシールタイプの密封装置1が構成される。
突出部70は、芯金6に固着され、突出部70に用いられるゴム材料は、第1実施形態において説明した弾性部材7に用いられるゴム材料を用いることができ、突出部70と弾性部材7とを2色成型によって一体に形成してもよい点は、第1実施形態と同様である。
また、突出部70と弾性部材7とを2色成型によって形成すれば、突出部70と弾性部材7との十分な接合を確保することができ、突出部70の部分のみ分離してしまうことを防ぐことができる。
突出部70は、一定の厚みを有しつつ外側部材30の内周面30bに沿って略平行に、かつ端面30cよりも軸方向フランジ部21側に突出して形成された平行部70dを有している。
ここで突出部70(平行部70d)の厚み寸法は、特に限定されず、突出部70が撓み難い厚み寸法に設定される点も第1実施形態の突出部70(垂直部70a)と同様である。
また突出部70の形状は、図7の例に限定されず、例えば突出部70を先端に向けて次第に薄くなるように形成し、突出部70の軸心L側の面を図5に示すような傾斜面としてもよい。
突出部70に傾斜面を有していれば、浸入してしまった水等は傾斜面を伝ってスムーズに排出されるので、例えば湾曲面22a等に泥水等が滞留してしまうことを防ぐことができる。
この密封装置1により、フランジ部21と外側部材30との間に形成された隙間S2からリップ76・・・側へ流れてくる泥水等の浸入を抑制し、環状隙間S1に浸入しないように環状隙間S1を密封する構造となっている。
また芯金6が外側部材30の端面30cよりも突出して形成されていないようにした場合でも、外側部材30の端面30cよりも軸方向外側には突出部70が存在するため、芯金6が泥水等にさらされるおそれがない。
また突出部70の突出長さを設定する際に受ける制約を低減できる。すなわち、外側部材30の端面30cよりも軸方向外側に突出する突出部70の突出長さを延長してもそれに伴って芯金6の円筒部61を延長する必要はないため、円筒部61の存在を考慮せずに突出部70の形状を設定することができ、突出部70の形状設計の自由度が大きくなる。
以上、軸受2、密封装置1、密封装置1を構成する芯金6、弾性部材7、突出部70等の構成、形状等は、図例や上記説明に限定されるものではない。例えば図3及び図4のリップ部75は傾斜面75aを有していなくてもよいし、図4の平行突出部70bはなくてもよい。
また、図2〜図7では、突出部70が弾性部材7のリップ71,72,73,76,77,78よりも硬度が高いことを示すため、突出部70の図示部分に「点」を複数追記し他の部位と異なる態様に示しているが、硬度を高く設定したゴム材料で形成されている部位は、図例に限定されるものではなく、例えば図7に示すように円筒部61周辺部位にまで硬度の高いゴム材料で形成してもよい。
第1実施形態では、突出部70に突起部74を形成していたが、突起部74を省略してもよい。例えば、突出部70の基端部が外輪部材30の端面30cに対向する部位にまで回り込むように形成され、外側部材30の端面30cに圧接して密封するのであれば、突起部74を省略してもよい。
各実施形態における突出部70には、上述した弾性部材7に用いられるゴム材料と同じゴム材料を用いているが、異なるゴム材料を用いてもよい。
各実施形態における突出部70は、その硬度がリップ71・・・よりも高ければよく、その具体的な手段については限定されない。
例えば、突出部70の素材として、ゴム材料に無機質材料が混合されてなる素材を用いることによって、突出部70がリップ71・・・よりも硬度が高くなるように形成してもよい。ここで用いられる無機質材料としては、所望の硬度が得られれば、特に限定されるものではないが、例えば鉄粉等の磁性粉、フェライト、ガラス繊維等が挙げられる。
また上述の無機質材料として磁性粉を用いた場合、突出部70は、磁性を帯びた着磁体として構成されているようにしてもよい。このような構成によれば、突出部70が着磁体として構成されているので、磁性を帯びた異物が侵入してきた際には、その異物を磁力で引き寄せることができ、リップ71・・・側への異物の侵入を抑制することができる。
また、各実施形態において、突出部70の硬度を得るために、上述のようにゴム材料に無機質材料を添加する代わりに、ポリマー、加硫剤、又は充填剤等から選定し、高硬度となるように配合されたゴム材料を用いることで、突出部70を構成してもよい。
さらに、各実施形態において、突出部70は、加硫済の加硫ゴムを上述のゴム材料に混合して形成されているようにしてもよい。この場合は、ゴム成形時に発生したバリ等を再利用して突出部70を形成することができ、経済的である。
また、各実施形態において、突出部70を加硫成型する場合に、弾性部材7よりも高い温度を付加して加硫することで、突出部70をリップ71・・・より高硬度にしてもよい。このような方法を用いれば、2色成型を実施しなくとも、弾性部材7と突出部70とを一体に成型することができる。
各実施形態において、突出部70に突起部74等を設けただけでは泥水等が外側部材30の内周面30bと芯金6の円筒部61との間を経由して環状隙間S1に浸入するおそれがある場合には、弾性部材7によって密封してもよい。すなわち、例えば、円板部62、内側円筒部63、内側延出部64の裏面にも接合されるように弾性部材7を形成し、弾性部材7の一部が環状隙間S1側において外側部材30の内周面30bに圧接するように形成してもよい。このように弾性部材7を形成すれば、外側部材30の内周面30bと芯金6の円筒部61との間に泥水等が浸入しても、泥水等が環状隙間S1にまで到達することを弾性部材7によって抑制できる。
各実施形態における突出部70の厚み寸法は変更してもよく、例えば、突出部70に求められる十分な硬度を確保できるならば、突出部70の厚み寸法を芯金6の厚みより小さくしてもよい。
各実施形態において、リップ71,72,73はそれぞれ、アキシャル面21a、湾曲面22a、及びラジアル面22bに摺接するように形成されているが、リップの摺接箇所はこれに限らない。例えば、リップ71,72の両方とも、アキシャル面21aに摺接するように形成してもよい。また、弾性部材7が有するリップの数は、とくに限定されず、3つより多くともよいし、3つより少なくともよい。
さらに、上述では軸受2のアウター側に装着される密封装置1への適用例を説明したが、インナー側に装着される密封装置10にも適用可能である。例えば、第3実施形態のようなパックシールタイプの形態を密封装置10に適用してもよい。
1 密封装置
20 内側部材
21 フランジ部
30 外側部材
30a 外周面
30b 内周面
30c 端面
6 芯金
60 延出部
60a 端部
61 円筒部
7 弾性部材
70 突出部
71〜73,76〜78 リップ
74 突起部
75 リップ部
S1,S2 隙間

Claims (10)

  1. 相対的に軸心回転する内側部材及び外側部材間に形成された隙間を密封するために前記外側部材に装着される密封装置であって、
    前記外側部材に嵌合される芯金と、
    前記芯金に固着されるとともに、前記内側部材に摺接するリップを有する弾性部材と、
    前記芯金に固着された状態で前記リップよりも径方向外側に形成されるとともに、径方向外側又は軸方向外側に突出するゴム材料製の突出部とを備え、
    前記突出部は、前記リップよりも硬度が高くなるように形成されていることを特徴とする密封装置。
  2. 請求項1に記載の密封装置において、
    前記芯金は、一部材で構成されており、
    前記芯金は、前記外側部材の内周面に嵌合される円筒部と、前記円筒部から径方向外側に延びる延出部とを備え、
    前記突出部は、前記芯金に固着され、前記弾性部材と一体に形成されているとともに、前記延出部の端部を覆うように前記外周面よりも径方向外側に突出して形成されていることを特徴とする密封装置。
  3. 請求項2に記載の密封装置において、
    前記突出部は、前記延出部の表裏両面に接合されるとともに、前記外側部材の端面に対向する部位にまで回り込むように形成されていることを特徴とする密封装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の密封装置において、
    前記突出部に用いられるゴム材料は、前記弾性部材に用いられるゴム材料と同じであることを特徴とする密封装置。
  5. 請求項1に記載の密封装置において、
    前記芯金は、前記外側部材の内周面に嵌合される第1芯金と、前記外側部材の外周面に嵌合される第2芯金とから構成され、
    前記弾性部材は、前記第1芯金に固着され、
    前記突出部は、前記第2芯金に固着されていることを特徴とする密封装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の密封装置において、
    前記突出部は、一定の厚みを有しつつ前記外側部材の前記外周面に対して略垂直に突出することを特徴とする密封装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の密封装置において、
    前記突出部は、前記ゴム材料に無機質材料を混合して形成されていることを特徴とする密封装置。
  8. 請求項7に記載の密封装置において、
    前記無機質材料は、磁性粉であり、
    前記突出部は、磁性を帯びた着磁体として構成されていることを特徴とする密封装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の密封装置において、
    前記突出部は、加硫済の加硫ゴムを前記ゴム材料に混合して形成されていることを特徴とする密封装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の密封装置において、
    前記内側部材は、連続して径方向外側に延出して形成されたフランジ部を有しており、
    前記突出部は、前記フランジ部から離間して設けられるとともに、その径方向における一部分から前記フランジ部に近接する位置まで前記フランジ部に向かって延出するリップ部が形成されていることを特徴とする密封装置。
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