まず、実施形態の遊技機の概要について説明する。
第1実施形態の遊技機は、種々の図柄を変動表示する図柄表示手段と、遊技球の始動入賞を契機に当否の判定を行う抽選手段と、変動パターンが記憶された複数種類の変動パターン選択テーブルと、前記抽選手段による当否の判定結果に基づいて、利益状態を発生させる利益状態発生手段と、前記変動パターン選択テーブルを参照して、前記変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、決定された変動パターンに基づいて、図柄の変動表示を制御する図柄変動制御手段と、前記変動パターン選択テーブルを指定するのに用いられるテーブル指定情報と、指定された変動パターン選択テーブルによる図柄の変動表示回数を指定する変動表示回数指定情報とから構成され、該テーブル指定情報及び該変動表示回数指定情報からなる指定情報セットを実行順に記憶した変動振分設定テーブルと、実行予定の前記指定情報セットを一時記憶する記憶手段と、遊技の進行に基づいて、参照する変動パターン選択テーブルを変更する変動パターン選択テーブル変更手段とを備え、前記変動パターン選択テーブル変更手段は、前記利益状態の発生を条件に、前記変動振分設定テーブルを参照して、該利益状態の種別に対応した前記指定情報セットの初期設定を行う第1設定手段と、前記変動表示回数指定情報により指定された回数の図柄の変動表示が行われた場合に、前記変動振分設定テーブルを参照して、前回の利益状態の種別に対応した次回の前記指定情報セットの設定を行う第2設定手段とを有することを特徴とする。
本実施形態において、変動パターン選択テーブル変更手段が有する第1設定手段は、利益状態の種別に対応した指定情報セットの初期設定を行う。例えば、確率変動大当りの発生を条件に、テーブル指定情報として「確変序盤」、変動表示回数指定情報として「20」を設定することにより、大当りの終了後、「確変序盤」の変動パターン選択テーブルによって、20回の図柄表示変動が行われる。
また、変動パターン選択テーブル変更手段が有する第2設定手段は、前回、すなわち直前に終了した利益状態の種別に対応した次回の指定情報セットの設定を行う。例えば、初期設定した20回の「確変序盤」の後に、前回の確率変動大当りに対応したテーブル指定情報として「確変中盤」、変動表示回数指定情報として「50」を設定する。これにより、「確変序盤」の終了後、「確変中盤」の変動パターン選択テーブルによって、50回の図柄表示変動が行われる。
変動振分設定テーブルでは、指定情報セットを実行順に記憶しているので、変動パターン選択テーブル変更手段は、遊技の進行に基づいて、変動パターン選択テーブルを変更していく。指定情報セットは、実行前にRAM等の記憶手段に一時記憶され、実行が終了すると、次回の指定情報セットが一時記憶されるという処理が繰り返されるので、データ量の増大を防止しつつ、図柄の変動パターンを複数回に亘って変更させることができ、遊技性が向上する。
本実施形態において、前記変動表示回数指定情報により指定された回数の図柄の変動表示が行われたとき加算されるカウンタを備え、前記第2設定手段は、前記前回の利益状態の種別及び前記カウンタの値に対応した次回の前記指定情報セットの設定を行うことが好ましい。
本実施形態は、変動表示回数指定情報により指定された回数の図柄の変動表示が行われたとき加算されるカウンタを備えており、指定された回数の図柄の変動表示が行われる度にカウンタの値が1加算される。
また、変動パターン選択テーブル変更手段が有する第2設定手段は、前回の利益状態の種別に加え、カウンタの値に対応した次回の指定情報セットの設定を行う。これにより、変動パターン選択テーブルがカウンタの値に伴い変更され、例えば、「確変序盤」、「確変中盤」、「確変終盤」のように、連続した一連の演出モードによる変動パターンを実行できるようになる。
次に、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機を構成する部分について説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3および前扉5を備えている。
前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側および上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が可能となる左演出ボタン13と、中央演出ボタン14が設けられている。演出ボタン13、14は、遊技中に操作の機会が与えられ、ボタンを押下することにより演出を変化させることができる。
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機の背面側の斜視図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。
この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検知信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技盤について説明する。
図3に示すように遊技盤4は、略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴い発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。液晶表示装置36は、本発明の「図柄表示手段」に相当する。
センター飾り体34aの右側には、人形の腕の形状をした可動役物37aが配置されている。また、液晶表示装置36の前面下方には下駄の形状の可動役物37b配置されている。可動役物37a、37bは、いずれも遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。
液晶表示装置36の下方には、第1特別図柄始動口38aおよび第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a、又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示がなされる。また、液晶表示装置36でも、特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
なお、以下では、第1特別図柄始動口38aへの入賞により変動表示を開始する特別図柄を特別図柄1(特図1)、第2特別図柄始動口38bへの入賞により変動表示を開始する特別図柄を特別図柄2(特図2)という。
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合、遊技球が入賞し易い状態となる。上記開閉部材は、後述する普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物と称することがある。
始動入賞装置38の下方には、第1大入賞装置39aが配置されている。また、始動入賞装置38の右側には、第2大入賞装置39bが配置されている。大入賞装置39a、39bは、共に特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りとなったときに所定時間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39a、39bの内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
遊技領域4aの右側下方には、特別図柄表示装置43aおよび普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a、38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個は(右)、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40aへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、普通図柄用始動ゲート40aや遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。普通図柄用始動ゲート40aは、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40aを通過することにより抽選が行われ、普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
また、第2大入賞装置39bの上方には、右普通図柄用始動ゲート40bが配置されている。これは、右打ちを行う遊技状態の場合の普通図柄用の始動ゲートであり、遊技者が右打ちをしているか否かを検知する役割も有する。
遊技領域4aの左側下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球の払出しが行われる。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a、44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a、44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンド作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。なお、CPU241は、本発明の「抽選手段」、「利益状態発生手段」、「変動パターン決定手段」及び「変動パターン選択テーブル変更手段」に相当する。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27、始動入賞口センサ38c、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51、振動センサ52が接続され、各検知信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、異常を検知するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し強い電波が発せられた場合に異常を検知するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し強い振動が与えられた場合に異常を検知するセンサである。
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a、43bに送信される。
さらに、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12cおよび扉開放センサ32が接続されているため、これらのセンサが異常を検知すると、検知信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253を備えている。演出制御基板側CPU251はいわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。なお、CPU251は、本発明の「図柄変動制御手段」に相当する。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。例えば、本発明の「変動パターン選択テーブル」及び「変動振分設定テーブル」は、ROM252に記憶されている。
また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。なお、RAM253は、本発明の「記憶手段」に相当する。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8、盤面装飾LED35、ボリュームスイッチ31、左演出ボタン13、中央演出ボタン14が接続されている。これにより、演出制御基板25は、例えば、スピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御し、演出効果を高めている。
演出ボタン13、14は、遊技者が有効期間にこれらを押下げることで、検知信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示される演出が変化する。
演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266を備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5を参照して、本実施形態の変動振分設定テーブルについて説明する。
図5(a)に示すように、変動振分設定テーブルは、当り種別によって分類されており、当り種別には、「潜伏確変当り」、「小当り1」、「小当り2」、「大当り1」、及び「大当り2」の5種類がある。
「潜伏確変当り」、「大当り1」、及び「大当り2」の終了後には、高確率の確率変動状態となる。但し、何れの場合も77回の図柄変動が終了するまでに、再度当りが発生しなかった場合には、確率変動状態が終了し、通常遊技状態に戻る。
「潜伏確変」とは、当り遊技(以下、特別遊技ともいう)の終了後に高確率の確率変動状態となるが、所定期間、背景等から確率変動状態であることを認識できない遊技状態をいう。また、「小当り」とは、「大当り」と比較してラウンド数が少なく、アタッカの開放時間も短いため、ほぼ出玉が獲得できない当りである。
まず、「潜伏確変当り」に当選した場合についての詳細を説明する。「潜伏確変当り」に当選した場合には、初期設定としてTCODEが「01H」、TCDCNTが「19」に設定される。ここで、「TCODE」は変動パターン振分指定番号を意味し、本発明の「テーブル指定情報」に相当する。また、「TCDCNT」は変動回数指定番号を意味し、本発明の「変動表示回数指定情報」に相当する。
「01H」の演出状態は「チャンス1」であるので(図5(b)参照)、その状態の変動表示が19回行われることになる。その後、変動毎にTCDCNTがカウントダウンされ、TCDCNTが「0」となると、オフセット値が加算される(詳細は後述する)。そして、次回の演出状態としてTCODEが「02H」、TCDCNTが「1」に設定される。
「02H」の演出状態は「チャンス2」であるので、「チャンス1」による変動表示の終了後には、「チャンス2」の状態で変動表示が1回行われる。その後は、変動振分テーブルに記憶された通り、「チャンス1」の変動表示が19回、「チャンス2」の変動表示が1回、再び「チャンス1」の変動表示が19回、「チャンス3」の変動表示が1回行われるように順次設定される。
最終的には、「潜伏確変当り」に特有の演出モードである「潜伏確変」に設定されるので、遊技者は、内部的に確率変動状態であったことを認識できるようになる。ここでは、後述する「特図確変回数カウンタ」により、77回の図柄変動が終了するまで、確率変動状態が保持される。なお、TCDCNTが「0」となっているのは、これ以上移行する演出状態がないことを意味する。
次に、「小当り1」に当選した場合についての詳細を説明する。「小当り1」に当選した場合には、初期設定としてTCODEが「01H」、TCDCNTが「19」に設定される。その後、変動毎にTCDCNTがカウントダウンされ、TCDCNTが「0」となると、オフセット値を加算して、次回の演出状態としてTCODEが「02H」、TCDCNTが「1」に設定される。
これにより、「チャンス1」による変動表示の終了後には、「チャンス2」の状態で変動表示が1回行われる。その後は、変動振分テーブルに記憶された通り、「チャンス1」の変動表示が19回、「チャンス3」の変動表示が1回、最終的には、「通常」の変動表示が行われるように順次設定される。
演出状態は、途中まで上述の「潜伏確変当り」の場合と同様に移行するので、例えば、当りの際のアタッカの動作が同じであれば、遊技者は「潜伏確変当り」か「小当り1」かが区別できない。しかし、最終的な演出状態によって何れの当りであったが分かるようになっている。
「小当り2」に当選した場合については簡潔に説明すると、まず、初期設定としてTCODEが「01H」、TCDCNTが「19」に設定される。その後は、変動振分テーブルに記憶された通り、「チャンス3」の変動表示が1回、最終的には、「通常」の変動表示が行われるように順次設定される。
次に、「大当り1」に当選した場合についての詳細を説明する。「大当り1」は、確変図柄大当りであり、これに当選した場合には、初期設定としてTCODEが「05H」、TCDCNTが「20」に設定される。
「05H」は、演出状態が「確変序盤」であるので(図5(b)参照)、その状態の変動表示が20回行われる。その後、変動毎にTCDCNTがカウントダウンされ、TCDCNTが「0」となると、オフセット値を加算して、次回の演出状態としてTCODEが「06H」、TCDCNTが「50」に設定される。
「06H」の演出状態は「確変中盤」であるので、「確変序盤」による変動表示の終了後には、「確変中盤」の状態で変動表示が50回行われる。その後は、変動振分テーブルに記憶された通り、「確変終盤」の変動表示が7回、最終的には、「通常」の変動表示が行われるように順次設定される(合計77回転の確率変動)。すなわち、「大当り1」では、演出状態は、「確変序盤」、「確変中盤」、「確変終盤」の順番に移行し、「通常」に戻る。
次に、「大当り2」に当選した場合についての詳細を説明する。「大当り2」は、「大当り1」と異なる確変図柄大当りであり、これに当選した場合には、初期設定としてTCODEが「08H」、TCDCNTが「10」に設定される。
「08H」は、演出状態が「特殊確変」であるので(図5(b)参照)、その状態の変動表示が10回行われる。ここで、「特殊確変」とは、変動毎にTCODEを加算して(後述の図10B:ステップS102)、変動表示時間を調整しながら、複数回に亘って行われる演出である。
変動表示振分設定テーブルには、初期設定の「08H」と「10」のみ記憶されているが、本実施形態の遊技制御プログラムにより、TCODEが「11H」になるまで合計10回更新される。すなわち、「大当り2」は、上記「潜伏確変当り」〜「第1当り」と比較して、TCODE及びTCDCNTの変更回数が多い。
その後は、変動振分テーブルに記憶された通り、「確変中盤」の変動表示が60回、「確変終盤」の変動表示が7回、最終的には、「通常」の変動表示が行われるように順次設定される(合計77回転の確率変動)。
上述の通り、TCODE及びTCDCNTは、当り種別に対応して初期設定が行われ(本発明の「第1設定手段」による)、初期設定による所定回数の変動終了後は、直近(前回)の当り種別に対応して次回設定が行われる(本発明の「第2設定手段」による)。
また、上記の処理は、設定されたTCDCNTがカウントダウンされ、「0」となる度に、次回のTCODE及びTCDCNTがRAM253に一時記憶されるという処理を繰り返し行うものであり、当り種別に応じた演出状態の全データを一度に記憶する方式と比較して、データ量の増大を防止することができる。
次に、図6A、6Bを参照して、本実施形態の変動パターン選択テーブルについて説明する。まず、図6Aは、当否の抽選が外れの場合の変動パターン選択テーブルであり、図柄変動パターンは、TCODEと保留球数(「保1」は、保留球数が1個の意味)により何れかが選択されるようになっている。なお、図柄変動パターンとは、通常変動やリーチ変動等の図柄の変動態様であり、本発明の「変動パターン」に相当する。
例えば、演出状態が「00H」であり、保留球数が「0」であるときは、90%の確率で「通常変動1(12s)」が選択される。また、「ノーマルリーチ」が5%、「スーパーリーチ1」が2%、「スーパーリーチ2」が2%、「スーパーリーチ3」が1%の確率で選択され(合計100%)、その他の図柄変動パターンは選択されることがない。
同様に、演出状態が「00H」であり、保留球数が「1」であるときは、「通常変動1(12s)」が80%、「通常変動2(8s)」が10%、「ノーマルリーチ」が5%、「スーパーリーチ1」が2%、「スーパーリーチ2」が2%、「スーパーリーチ3」が1%の確率で選択される(合計100%)。
また、演出状態が「02H」であるときは、保留球数に関係なく「継続変動」が100%の確率で選択される。本実施形態は、「01H」による所定回数の変動表示が終了したとき、「02H」を挟んで、再度「01H」による変動表示が開始されるようになっている(図5(a)参照)。
同様に、演出状態が「03H」であるときは、保留球数に関係なく「昇格変動」が100%の確率で選択される。ここでは、次回の演出状態が「04H(潜伏確変)」となるか、又は、「00H(通常)」となるかの昇格演出を行うため用いられている(図5(a)参照)。
また、例えば、演出状態が「08H〜11H」であるときは、保留球数に関係なく「特殊確変通常変動(1.5s)」が100%の確率で選択される。当否の抽選が外れの場合、「08H〜11H」の範囲で変動毎にTCODEが加算されていくが(詳細は後述する)、図柄変動パターンは変化しない。
次に、図6Bの当否抽選が当りの場合の変動パターン選択テーブルについて説明する。ここでは、図柄変動パターンは、TCODEのみにより何れかが選択されるようになっている。
例えば、演出状態が「00H」であるときは、「スーパーリーチ1」が25%、「スーパーリーチ2」が25%、「スーパーリーチ3」が50%の確率で選択され(合計100%)、その他の図柄変動パターンは選択されることがない。
同様に、演出状態が「01H」であるときは、「チャンスリーチ1」が30%、「チャンスリーチ2」が30%、「チャンスリーチ3」が40%の確率で選択される(合計100%)。
また、演出状態が「05H(確変序盤)」であるときは、「確変中序盤リーチ」が100%の確率で選択され、「07H(確変終盤)」であるときは、「確変中終盤リーチ」が100%の確率で選択される。しかし、演出状態が「06H(確変中盤)」であるときは、変動回数が多く指定されていることもあり(図5(a)の「大当り1」参照)、「確変中中盤リーチ1」が20%、「確変中中盤リーチ2」が30%、「確変中中盤リーチ3」が50%の確率で選択される(合計100%)。
また、例えば、演出状態が「08H〜11H」であるときは、それぞれ「特殊確変当り変動」が選択される。具体的には、演出状態が「08H」であるとき、「特殊確変当り変動1」が100%の確率で選択され、次回変動では、TCODEが加算されて「09H」となるので、「特殊確変当り変動2」が100%の確率で選択される。
これ以降、変動毎にTCODEが加算されて、合計10回に亘り、図柄変動パターンが「特殊確変当り変動10」となるまで変更される。このとき、当りが何番目に保留されているかにより、各変動時間を調整し、設定された時間で当り表示を出力することができるようになっている。
このように、本実施形態では、当否抽選の結果により異なる変動パターン選択テーブルが参照され、選択される図柄変動パターンを異ならせる。また、図柄変動パターンは、TCODEや保留球数により選択率が異なっている。従って、各変動表示の際に、非常に多彩な図柄変動パターンが選択、実行され、遊技者が図柄変動時の演出に飽きることがない。
以下では、図7を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込処理である。
まず、主制御手段(主制御基板24)は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、後述する特別図柄役物動作タイマの他、普図及び特図役物動作タイマ等の多数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
主制御手段は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)することで、多数のタイマを管理している。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、主制御手段は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38aや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検出し、球検出信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(更には、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した後に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、主制御手段は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40a、又は右普通図柄用始動ゲート40bを通過した場合に行われる処理である。具体的には、始動ゲート40a、40bの内部にある始動ゲート通過センサ40cは、ゲートを通過した遊技球を検出して、球検出信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、普通図柄の抽選乱数を取得する。この抽選乱数は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記抽選乱数の当否を抽選する。
また、主制御手段は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御手段は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御手段は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御手段は、上記所定時間が経過した場合、又は所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS50に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御手段は、何もせず普通電動役物管理処理を終了する。
ステップS50では、主制御手段は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a、又は第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38cが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38cは、球検出信号を主制御手段に送信し、主制御手段では特別図柄の抽選が行われる。
主制御手段は、特別図柄表示装置43aに制御信号を送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄は、所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS60に進む。
最後に、ステップS60では、主制御手段は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により特別電動役物(大入賞装置39a、39b)の動作を制御する処理である。
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りが発生し、所定のラウンド数の特別遊技が遊技者に付与される。特別図柄管理処理(ステップS50)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、主制御手段は、何もせず特別電動役物管理処理を終了する。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図8を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理では、主制御手段は、後述する特別図柄の動作ステータス(変動待機中、変動中、確認時間中)を判定し、それぞれの処理を行う。
まず、主制御手段は、始動口チェック処理1を行う(ステップS51)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞を判断し、大当り判定用乱数等を保留記憶エリアに格納し、必要に応じて保留先読みコマンドの作成等を行うものである。その後、ステップS52に進む。
ステップS52では、主制御手段は、始動口チェック処理2を行う。第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞について、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS53に進む。
次に、主制御手段は、条件装置作動フラグがONしているか否かを判定する(ステップS53)。条件装置作動フラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS58に進む。
一方、条件装置作動フラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS54に進む。すなわち、ステップS54以降は、大当りが発生していない通常遊技の場合の処理となる。
ステップS53の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS54)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が00H、01Hに設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であることを意味するので、ステップS55に進む。
また、特図動作ステータスが02Hに設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であることを意味するので、ステップS56に進む。さらに、特図動作ステータスが03Hに設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であることを意味するので、ステップS57に進む。以下、各特図動作ステータスにおける処理ついて説明する。
まず、図9A、9Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(図8:ステップS54)で、特図動作ステータスが00H、01H(共に変動待機中)と判断された場合に、この処理を行う。
まず、図9Aにおいて、主制御手段は、特図2保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS71)。特図2の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS72に進む。一方、特図2の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS76に進む(図9B参照)。
ステップS71の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特図1の保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS72)。特図1の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS73に進む。一方、特図1の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS76に進む(図9B参照)。
ステップS72の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別図柄動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS73)。後述するが、特別図柄確認時間中処理(図8:ステップS57)が実行された直後は、特図動作ステータスとして01Hがセットされている。
特図動作ステータスが00Hである場合には、「YES」の判定となり、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが00Hでない場合(01Hである場合)には、「NO」の判定となり、ステップS74に進む。
ステップS73の判定が「NO」である場合、主制御手段は、客待ちデモコマンドを送信する(ステップS74)。「客待ちデモコマンド」は、特図1、特図2の保留球がなく、特図動作ステータスが01Hという条件の場合に、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される。その後、ステップS75に進む。
ステップS75では、主制御手段は、特別図柄動作ステータスに00Hをセットする。これで特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留球が発生しない限り、ステップS73の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
次に、ステップS71、ステップS72の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図1又は特図2の保留球数を1減算する(図9B:ステップS76)。その後、ステップS77に進む。
ステップS77では、主制御手段は、保留減算コマンドを送信する。主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「保留減算コマンド」を送信するので、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS78に進む。
ステップS78では、主制御手段は、特別図柄動作確認データをセットする。具体的には、特図1が変動を開始する場合は特別図柄動作確認データとして「00H」を、特図2が変動を開始する場合は「01H」をセットする。その後、ステップS79に進む。
ステップS79では、主制御手段は、保留記憶エリアをシフトする。保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS80に進む。
ステップS80では、主制御手段は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、特図に対応した当り乱数判定用テーブルを決定して乱数判定処理を行う、いわゆる特図の抽選処理である。大当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。その後、ステップS81に進む。
ステップS81では、主制御手段は、特別停止図柄作成処理を行う。具体的には、特図に対応した図柄テーブル選択テーブルを選択し、図柄判定用乱数値、大当り判定フラグを取得して特図の停止図柄を作成する。また、特図1又は特図2の停止図柄番号、大当り判定フラグ等を対応するワークエリアに格納する。その後、ステップS82に進む。
ステップS82では、主制御手段は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがONしている場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS83に進む。
ステップS83では、主制御手段は、特図変動パターン作成処理を行う。これは、変動パターン振分けテーブルを選択し、特別図柄の変動パターンを作成する処理である。また、変動時間テーブルを参照し、特図の変動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。その後、ステップS84に進む。
ステップS84では、主制御手段は、特図1又は特図2の変動中フラグをONにセットする。具体的には、これから変動することになる一方の特図の変動中フラグをONとする。その後、ステップS85に進む。
ステップS85では、主制御手段は、装飾図柄指定コマンドを送信する。具体的には、「装飾図柄指定コマンド」を作成した後、演出制御基板25に向けて、「装飾図柄指定コマンド」を送信する。その後、ステップS86に進む。
最後に、主制御手段は、変動開始時の各種設定を行う(ステップS86)。具体的には、乱数記憶エリア0に00H(消去)をセットする。また、特別図柄動作ステータスを02H(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図8:ステップS54)にて、後述する特別図柄変動中処理(図8:ステップS56)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。図8に戻るが、その後、ステップS58に進む(後述する)。
次に、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動中処理について簡潔に説明する。主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(ステップS54)にて、特図動作ステータスが「02H」(変動中)と判断された場合、この処理を行う。
主制御手段は、特図の変動時間に関するタイマである特別図柄役物動作タイマが0となった場合に、「変動停止コマンド」を送信する。また、変動停止時の各種設定を行うが、特別図柄動作ステータスを「03H」(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(ステップS54)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(ステップS57)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了し、ステップS58に進む(後述する)。
次に、図10A、10Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄確認時間中処理について説明する。主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(図8:ステップS54)にて、特図動作ステータスが「03H」(確認時間中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、図10Aにおいて、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS91)。ここでは、特図の確定表示の時間が経過したか否かの判定となる。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS92に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。
ステップS91の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特図動作ステータスを「01H」にセットする(ステップS92)。特図動作ステータスを「01H」(変動待機中)にセットすると、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定にて、特別図柄変動開始処理(図8:ステップS55)に分岐するようになる。その後、ステップS93に進む。
次に、主制御手段は、大当り判定フラグがONであるか否かを判定する(ステップS93)。大当り判定フラグがオンである場合には、「YES」の判定となり、ステップS94に進む。一方、大当り判定フラグがオンでない場合には、「NO」の判定となり、ステップS95に進む。
ステップS93の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大当り図柄停止時の各種設定を行う(ステップS94)。例えば、大当り判定フラグを「00H」に戻し、条件装置作動フラグを「ON」に設定する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。
また、ステップS93の判定が「NO」である場合、主制御手段は、小当り判定フラグがONであるか否かを判定する(ステップS95)。小当り判定フラグがオンである場合には、「YES」の判定となり、ステップS96に進む。一方、小当り判定フラグがオンでない場合には、「NO」の判定となり、ステップS97に進む。
ステップS95の判定が「YES」である場合、主制御手段は、小当り図柄停止時の各種設定を行う(ステップS96)。例えば、小当り判定フラグを「00H」に戻し、小当り中フラグを「ON」に設定する。その後、ステップS97に進む。
次に、主制御手段は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS97)。本実施形態の確率変動モードは、特図確変回数カウンタにより、確率変動モードの残り回数がカウントされる。
特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS101に進む(図10B参照)。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS98に進む。
ステップS97の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図確変回数カウンタを1減算する(ステップS98)。以下、ステップS98〜S100は、確変回数の減算に関する処理となる。その後、ステップS101に進む。
次に、主制御手段は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS99)。特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS100に進む(図10B参照)。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS101に進む(図10B参照)。
ステップS99の判定が「YES」である場合、主制御手段は、確変終了時の各種設定を行う(図10B:ステップS100)。例えば、普図確変状態フラグ、特図確変状態フラグをそれぞれ「00H」に設定する。その後、ステップS101に進む。
次に、主制御手段は、TCODEが08H以上か否かを判定する(ステップS101)。上述した通り、「TCODE」は変動パターン振分指定番号であり、「08H」以上は、演出状態が「特殊確変」であることを意味する(図5参照)。
TCODEが08H以上である場合には、「YES」の判定となり、ステップS102に進む。一方、TCODEが08Hに満たない場合には、「NO」の判定となり、ステップS103に進む。
ステップS101の判定が「YES」である場合、主制御手段は、TCODEを1加算する(ステップS102)。TCODEが「08H」から1加算されると、「09H」となり、最終的には「11H」まで加算される。これにより、例えば、1回の変動毎に「特殊確変」の変動パターンが進行していく(図6B参照)。その後、ステップS103に進む。
次に、主制御手段は、TCDCNTが0であるか否かを判定する(ステップS103)。上述した通り、「TCDCNT」は変動回数指定カウンタであり、演出状態を変更する際の図柄の変動回数をカウントする。
TCDCNTが0である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。特に、次に移行する演出状態がない場合には、TCDCNTが「0」となっているので(図5(a)参照)、本ステップで「YES」の判定となる。一方、TCDCNTが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS104に進む。
ステップS103の判定が「NO」である場合、主制御手段は、TCDCNTを1減算する(ステップS104)。以下、ステップS104〜S107は、演出状態の移行に関する処理となる。その後、ステップS105に進む。
次に、主制御手段は、TCDCNTが0であるか否かを判定する(ステップS105)。TCDCNTが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS106に進む。一方、TCDCNTが0でない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。
ステップS105の判定が「YES」である場合、主制御手段は、オフセット値を1加算する(ステップS106)。オフセット値は、大当り直後に「0」がセットされるが、TCDCNTに設定された回数の図柄の変動表示が終了したとき、1加算することで、次回の演出状態がセットされるようになっている(図5参照)。なお、本ステップのオフセット値用カウンタが、本発明の「カウンタ」に相当する。その後、ステップS107に進む。
最後に、主制御手段は、変動振分設定テーブルを参照し、前回の当り種別及びオフセット値に対応するTCODEとTCDCNTをセットする(ステップS107)。なお、「前回の当り種別」とは、直前に終了した大当り又は小当り(潜伏確変当りを含む)の種別を意味する。
例えば、「大当り1」による特別遊技の後には、初期設定としてTCODEが「05H」、TCDCNTが「20」に設定されるが、20回がカウントされ、TCDCNTが「0」となった場合に、オフセット値が「1」に更新される。そして、本ステップにより、オフセット値に対応してTCODEが「06H」、TCDCNTが「50」に設定される。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。そして、図8に戻り、ステップS58に進む。
最後に、主制御手段は、特別図柄表示データを更新する(ステップS58)。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
次に、図11を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理について説明する。特別電動役物管理処理(図7:ステップS60)において、主制御手段は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御手段は、小当り中フラグがONか否かを判定する(ステップS61)。「小当り中フラグ」は、小当りに当選した場合にONするフラグである(図10A:ステップS96)。小当り中フラグがオンの場合には、「YES」の判定となり、ステップS62に進む。一方、小当り中フラグがオンでない場合には、「NO」の判定となり、ステップS63に進む。
まず、ステップS61の判定が「YES」である場合を説明する。この場合、主制御手段は、小当り処理を行う(ステップS62)。上述の通り、小当り(「小当り1」及び「小当り2」)は出玉が殆ど獲得できないが、大当りによる特別遊技の終了後と同様に演出状態が複数回変更される。従って、後述する大当り終了処理(図16)と同様に、小当り終了時の処理として、TCODE及びTCDCNTの初期設定が行われる。
なお、「潜伏確変当り」は大当りに分類され、ステップS64以降の処理となる。その後、小当り終了時の各種設定を行い、小当り処理を終了する。さらに、特別電動役物管理処理を終了する。
次に、ステップS61の判定が「NO」である場合、主制御手段は、条件装置作動フラグがONか否かを判定する(ステップS63)。条件装置作動フラグがオンの場合には、「YES」の判定となり、ステップS64に進む。一方、条件装置作動フラグがオンでない場合には、「NO」の判定となり、この処理を終了する。すなわち、ステップS64以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
ステップS63の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS64)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が「00H」に設定されている場合は、「大当り開始」時であることを意味するので、ステップS65に進む。
また、特電動作ステータスが「01H」に設定されている場合は、「特電作動開始中」であることを意味するので、ステップS66に進む。同様に、特電動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、「特電作動中」であることを意味するので、ステップS67に進む。
さらに、特電動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であることを意味するので、ステップS68に進み、特電動作ステータスが「04H」に設定されている場合は、「大当り終了中」であることを意味するので、ステップS69に進む。
ステップS65〜S69の処理の内容については、以下で詳細を説明する。また、これらの処理が終了した後、主制御手段は、特別電動役物管理処理を終了する。
次に、図12を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り開始処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図11:ステップS64)にて、特電動作ステータスが「00H」(大当り開始)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、大当り開始時の各種設定を行う(ステップS111)。具体的には、役物連続作動装置作動フラグをオンとし、連続回数カウンタに「01H」をセットする。連続回数カウンタは、後述する特別電動役物作動継続判定処理の中でラウンド数をカウントするために用いられ(図15参照)、「01H」は第1ラウンドを意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図11:ステップS64)では、特別電動役物作動開始処理(図11:ステップS66)に進むようになる。大当り開始時の各種設定が終了した後、ステップS112に進む。
ステップS112では、主制御手段は、大当り種別に応じて各種データをセットする。具体的には、最大ラウンド数、ラウンド表示LED番号、大当り開始インターバル時間をRAM243に格納する。大当り開始インターバル時間は、後述する特別電動役物作動開始処理の中で利用する(図13参照)。その後、ステップS113に進む。
最後に、主制御手段は、大当り開始インターバルコマンドを送信する(ステップS113)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大当り開始インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。その後、大当り開始処理を終了する。
次に、図13を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動開始処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図11:ステップS64)にて、特電動作ステータスが「01H」(特電作動開始中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS121)。具体的には、大当り開始インターバル時間が経過したか否か又は後述するラウンド間インターバル時間が経過したか否かを判定する。
特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS122に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動開始処理を終了する。
ステップS121の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大入賞口開放コマンドを送信する(ステップS122)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大入賞口開放コマンド」を送信する。その後、ステップS123に進む。
ステップS123では、主制御手段は、大当り種別とラウンド数に応じた特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。例えば、今回、確変図柄大当りに当選した場合には、13の各ラウンドの特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマにセットする。その後、ステップS124に進む。
ステップS124では、主制御手段は、開放動作開始時の各種設定を行う。具体的には、大入賞口入賞数カウンタを「00H」にセットする。「00H」は、入賞数が「0個」であることを意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを「02H」(特電作動中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図11:ステップS64)では、特別電動役物作動中処理(図11:ステップS67)に進むようになる。その後、ステップS125に進む。
最後に、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定処理を行う(ステップS125)。具体的には、大当り種別とラウンド数に応じた大入賞口開閉動作設定テーブルと特別電動役物作動タイマの値を取得し、大入賞装置39a、39bの開閉扉の動作を設定する。その後、特別電動役物作動開始処理を終了する。
次に、図14を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物動作中処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図11:ステップS64)にて、特電動作ステータスが「02H」(特電作動中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、大入賞口最大入賞数チェックを行う(ステップS131)。具体的には、大入賞装置39a、39bの大入賞口に入賞があった場合に、大入賞口カウンタを加算し、最大入賞数に到達した場合に、上述の特別図柄役物動作タイマをゼロクリアする処理となる。その後、ステップS132に進む。
ステップS132では、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定を行う。上述の図13のステップS125と同じ処理であるので、詳細は省略する。その後、ステップS133に進む。
次に、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS133)。ここでは、特別電動役物作動時間となったか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS134に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動中処理を終了する。
ステップS133の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ラウンド間インターバルコマンドを送信する(ステップS134)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「ラウンド間インターバルコマンド」を送信する。なお、「ラウンド間インターバルコマンド」とは、例えば、第1ラウンドと第2ラウンドのインターバル期間に移行することを知らせるコマンドである。その後、ステップS135に進む。
最後に、ステップS135では、主制御手段は、開閉動作終了時の各種設定を行う。具体的には、特別図柄役物動作タイマを1980msにセットする。これは、残存球の排出時間に相当する。また、特別電動役物動作ステータスを03H(特電作動継続判定中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定処理(図11:ステップS64)では、特別電動役物作動継続判定処理(図11:ステップS68)に進むようになる。その後、特別電動役物動作中処理を終了する。
次に、図15を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動継続判定処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図11:ステップS64)にて、特電動作ステータスが「03H」(特電作動継続判定中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS141)。これは、図14のステップS135で設定した残存球排出時間が経過したか否かの判定となる。
特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS142に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
ステップS141の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ラウンド数が最大であるか否かを判定する(ステップS142)。例えば、15ラウンド大当りの場合、最大の第15ラウンドとなった場合に、「YES」の判定となり、ステップS146に進む。一方、第14ラウンドまでは、「NO」の判定となり、ステップS143に進む。
ステップS142の判定が「NO」である場合、主制御手段は、連続回数カウンタを1加算する(ステップS143)。主制御手段は、本ステップにより大当りのラウンド数をカウントする。その後、ステップS144に進む。
ステップS144では、主制御手段は、大当り種別に応じたラウンド間インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。ラウンド間インターバル時間は、特別電動役物作動開始処理(図13参照)に戻った場合に、この処理の中で利用する。その後、ステップS145に進む。
ステップS145では、主制御手段は、継続時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物1作動フラグと特別電動役物2作動フラグを、共に00Hに設定する。特別電動役物作動フラグが00Hに設定されるのは、大当りラウンドの「開始」、「ラウンド間」又は「終了」の何れかの場合であるが、ここでは「ラウンド間」である。
また、特別電動役物動作ステータスを01H(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図11:ステップS64)では、特別電動役物作動開始処理(図11:ステップS66)に進むようになる。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、ステップS142の判定が「YES」である場合、主制御手段は、終了時の各種設定を行う(ステップS146)。具体的には、特別電動役物1作動フラグと特別電動役物2作動フラグを、共に00Hに設定する。特別電動役物作動フラグを00Hに設定するのは、大当りラウンドの「終了」となるためである。
また、特電動作ステータスを04H(大当り終了中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図11:ステップS64)では、大当り終了処理(図11:ステップS69)に進むようになる。その後、ステップS147進む。
ステップS147では、主制御手段は、大当り種別に応じた終了インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。終了インターバル時間は、後述する大当り終了処理の中で利用する。その後、ステップS148に進む。
ステップS148では、主制御手段は、大当り終了インターバルコマンドを送信する。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大当り終了インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、図16を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り終了処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図11:ステップS64)にて、特電動作ステータスが「04H」(大当り終了中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS151)。ここでは、終了インターバル時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS152に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、大当り終了処理を終了する。
ステップS151の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大当り種別に応じた遊技状態フラグをセットする(ステップS152)。「遊技状態フラグ」とは、大当り終了後の遊技状態を指定するフラグであり、本ステップで確率変動状態や時短遊技状態の指定を行う。その後、ステップS153に進む。
ステップS153では、主制御手段は、大当り種別に応じた変動振分設定テーブルを特定する。例えば、「大当り1」に当選した場合には、変動振分設定テーブルのうち「大当り1」に対応する部分を特定する(図5(a)参照)。その後、ステップS154に進む。
ステップS154では、主制御手段は、オフセット値を0クリアする。これにより、特別遊技の終了後は、変動振分設定テーブルのオフセット値「0」に対応する演出状態から遊技が開始するようになる。その後、ステップS155に進む。
ステップS155では、主制御手段は、変動振分設定テーブルに基づいて、TCODEとTCDCNTをセットする。上述のステップS153で特定した変動振分設定テーブルに基づいて、TCODEとTCDCNTをセットするが、例えば、「大当り1」に当選した場合には、TCODEとして「05H」、TCDCNTとして「20」がセットされる(図5(a)参照)。その後、ステップS156に進む。
最後に、主制御手段は、大当り終了時の各種設定を行う(ステップS156)。具体的には、特別電動役物管理処理中の各ステップで使用した条件装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大連続回数バッファ等を全て0クリアする。
また、特電動作ステータスを「00H」(大当り開始)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図11:ステップS64)では、大当り開始処理(図11:ステップS65)に進むようになる。その後、大当り終了処理を終了する。以上、主制御手段で行われる処理について説明した。
以下では、図17を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、副制御手段(演出制御基板25)の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、副制御手段は、初期化処理を行う(ステップS211)。これは、主に、副制御手段の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS212に進む。
次に、副制御手段は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS212)。メインループとは、後述するステップS214〜S219までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS212に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS214に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS213に進む。
ステップS212の判定が「NO」である場合、副制御手段は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS213)。その後、ステップS212の判定が「YES」となるまでステップS212、S213の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込処理(図18参照)が実行されるが、副制御手段は、この割込処理の回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS212の判定が「YES」である場合、副制御手段は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS214)。上述の通り、ステップS214〜S219はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS215に進む。
ステップS215では、副制御手段は、受信コマンド解析処理を行う。これは、受信した制御コマンドの種別を解析し、それに応じた各種処理を行うものである。その後、ステップS216に進む。
ステップS216では、副制御手段は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、制御コマンドに応じた演出の各種設定を行う。その後、ステップS217に進む。
ステップS217では、副制御手段は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS218に進む。
ステップS218では、副制御手段は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、大入賞装置39a等に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS219に進む。
ステップS219では、副制御手段は、ノイズ対策用処理を行う。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS212に戻り、以降の処理を継続して実行する。
最後に、図18を参照して、副制御側のタイマ割込処理について説明する。このタイマ割込処理は、上述の副制御側メイン処理(図17参照)に対して、1ms周期で実行される処理である。
まず、副制御手段は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS221)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS222に進む。
ステップS222では、副制御手段は、出力処理を行う。具体的には、可動役物37に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS223に進む。
ステップS223では、副制御手段は、演出ボタン入力状態更新処理を行う。副制御手段は、演出ボタン13、14の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS224に進む。
ステップS224では、副制御手段は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、選択された図柄変動パターンに関するコマンドを液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS225に進む。
ステップS225では、副制御手段は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物37等に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS226に進む。
ステップS226では、副制御手段は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS227に進む。
最後に、副制御手段は、メインループ更新周期用ワークを1加算する(ステップS227)。これは、メインループ処理(図17:ステップS214〜S219)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけ加算する処理である。その後、タイマ割込処理を終了する。以上、パチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上述したように、変動振分設定テーブルの指定情報セットは、変動パターン選択テーブルを指定するのに用いられる変動パターン振分指定番号(TCODE)と、指定された変動パターン選択テーブルによる図柄の変動表示回数を指定する変動回数指定カウンタ(TCDCNT)とから構成される。変動振分設定テーブルは、指定情報セットを実行順に記憶しているので、利益状態の発生を条件に、変動振分設定テーブルを参照して、当り種別に対応した指定情報セットの初期設定が行われる。そして、変動表示回数指定情報により指定された回数の図柄の変動表示が行われたとき、直近(前回)の当り種別に対応した次回の指定情報セットの設定が行われる。
指定情報セットは、実行前にRAM等に一時記憶され、実行が終了すると、次回の指定情報セットが一時記憶されるという処理が繰り返されるので、データ量の増大を防止しつつ、遊技性を向上させることができる。
上記の実施形態は、本発明の一例であり、これ以外にも本発明を実施することができる種々の変形例が考えられる。
図柄変動パターンには、擬似連続変動や演出ボタンを使用して図柄を停止させる変動等を加えて、より多彩なものとすることができる。また、演出状態についてもその種類や回数は任意に設定することができる。
実施形態は、特別遊技の終了後における演出状態に関するものであったが、通常遊技の途中で発生する複数回に亘る背景、ステージ、及び遊技モードの変更に適用してもよい。
以上、実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機、回胴式遊技機、遊技球が遊技媒体となる回胴式遊技機(いわゆる、パロット機)等の遊技機にも適用可能である。
例えば、回胴式遊技機には、ボーナス遊技の終了後や通常遊技中の特定役入賞を契機に、ART(アシストリプレイタイム)遊技を付与したり、高確率ゾーンに移行するものがあるが、所定数回のゲームで演出状態を切替えるような場合に、本発明を用いることができる。