JP2014135446A - 光電変換装置及び光電変換装置の製造方法 - Google Patents

光電変換装置及び光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い拡散反射能力を有する絶縁性の拡散反射層を備え、低抵抗且つ高反射率を示す裏面側反射構造を有する光電変換装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】光電変換装置10は、基板11、第1透明電極層12、光電変換層13、第2透明電極層14、拡散反射層15、及び、金属電極層16を備え、拡散反射層15が微細粒子や気泡を分散させた絶縁膜であり、第1方向に配列された複数の第1開口部21において第2透明電極層14と金属電極層16とが接続する。反射層15は、光電変換層に形成される第2溝が設けられた位置において第1方向に延在する第2開口部を有し、第2開口部において光電変換層13、第2透明電極層14及び金属電極層16を貫通する第3溝24が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換装置及びその製造方法に関し、特に発電層を製膜で作製する薄膜系太陽電池に関する。
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置としては、p型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体(i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜をプラズマCVD法等で製膜して形成した光電変換層を備えた薄膜シリコン系太陽電池が知られている。薄膜シリコン系太陽電池では、薄膜シリコン系太陽電池の長所としては、大面積化が容易であること、膜厚が結晶系太陽電池の1/100程度と薄く、材料が少なくて済むことなどが挙げられる。このため、薄膜シリコン系太陽電池は、結晶系太陽電池と比較して低コストでの製造が可能となる。
薄膜シリコン系太陽電池の特性を向上させるために、光閉じ込め技術の開発が行われている。光閉じ込め技術としては、例えば、光入射側の透明電極層の表面の凹凸化、光入射側の反射防止膜の形成、裏面電極側(光入射と反対側)の拡散反射層の反射率向上及び吸収率低減などが検討されている。
近年、図17のように、従来の裏面金属反射層に代えて、チタニアなどの誘電体材料の粒子を透明な絶縁性バインダに分散させた拡散反射材を用いて、入射光の拡散反射能力を向上させることが検討されている。また、拡散反射材は絶縁性か低導電性のために、拡散反射材の上層に形成した金属電極による集電が利用できない。この対応として、導電性に優れる透明電極層を形成し集電させ、透明電極層の上層に透過光を反射させるための拡散反射材を形成する必要がある。しかし、透明導電材料においては、導電性と透明性とは相反する物性であり両立することが難しいことから、裏面電極層の性能向上の課題になっていた。
そこで、特許文献1では、拡散反射材を用いた太陽電池モジュールにおいて、図18のように拡散反射材の光入射と反対側において、セルを分離する溝に直交する方向に延在する線状の金属膜をパターニングして形成することにより、接続抵抗を低減させている。
国際公開第2012/017742号
特許文献1のモジュールの形成では、透過性を確保するような線状の金属膜を用いて裏面電極側の集電を行い隣接セルとの直列接続構造を形成するが、線状の金属膜を形成するに当たってマスクを用いたり、スクリーン印刷を行っている。このように、特許文献1ではマスクを用いる場合は集積化の手法が煩雑であること、スクリーン印刷を用いる場合は、高温での処理が不可能であるので焼成することができず、金属膜の抵抗を低くすることができないことが問題であった。
本発明は、高い拡散反射能力を有する絶縁性の拡散反射層(白色反射材)を備え、低抵抗且つ高反射率を示す裏面側の反射構造を有する光電変換装置、及び、当該裏面側の反射構造を簡易な工程で製造する光電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、基板と、前記基板上に形成され、前記基板の第1方向に延在する複数の第1溝を有する第1透明電極層と、前記第1透明電極層上、及び、前記第1溝内の前記基板上に形成され、前記基板面内において前記第1溝の各々に隣接する位置において前記第1方向に延在する第2溝を有する光電変換層と、前記光電変換層上及び前記第2溝内の前記第1透明電極層上に形成された第2透明電極層と、微細粒子または気泡を分散させ拡散反射する絶縁膜であり、前記第1方向に配列された複数の第1開口部と、前記第2溝と前記第4溝とが設けられた位置を含むとともに前記第1方向に延在する第2開口部とを有するように、前記第2透明電極層上に形成される拡散反射層と、前記拡散反射層上、及び、前記第1開口部及び前記第2開口部内の前記第2透明電極層上に形成された金属電極層と、前記第2開口部において、前記基板面内において前記第1溝と反対側であって前記第2溝に隣接する位置に、前記光電変換層、前記第2透明電極層、及び、前記金属電極層を貫通し、前記第1方向に延在する第3溝とを有する光電変換装置である。
本発明の第2の態様は、基板上に第1透明電極層が形成される第1透明電極層形成工程と、前記第1透明電極層に、前記基板の第1方向に延在する複数の第1溝が形成される第1溝形成工程と、前記第1透明電極層上及び前記第1溝内の前記基板上に光電変換層が形成される光電変換層形成工程と、前記基板面内で前記第1溝の各々に近隣する位置において、前記光電変換層に前記第1方向に延在する第2溝が形成される第2溝形成工程と、前記光電変換層上及び前記第2溝内の前記第1透明電極層上に、第2透明電極層が形成される第2透明電極層形成工程と、厚さ方向に貫通し前記第1方向に配列された複数の第1開口部が形成され、前記第2溝と前記第4溝とが設けられた位置を含むとともに厚さ方向に貫通し前記第1方向に延在する第2開口部が形成されるように、前記第2透明電極層上に微細粒子または気泡を分散させ拡散反射する絶縁膜である拡散反射層が形成される拡散反射層形成工程と、前記拡散反射層上、及び、前記第1開口部及び前記第2開口部内の前記第2透明電極層上に金属電極層を形成する金属電極層形成工程と、前記基板面内で前記第2開口部が形成される位置であって、前記第1溝と反対側で前記第2溝に隣接する位置に、前記光電変換層、前記第2透明電極層、及び、前記金属電極層を貫通し、前記第1方向に延在する第3溝を形成する第3溝形成工程とを備える光電変換装置の製造方法である。
本発明の第3の態様は、基板と、前記基板上に形成され、前記基板の第1方向に延在する複数の第1溝を有する第1透明電極層と、前記第1透明電極層上及び前記第1溝内の前記基板上に形成され、前記基板面内において前記第1溝の各々に隣接する位置において前記第1方向に延在する第2溝を有する光電変換層と、前記光電変換層上及び前記第2溝内の前記第1透明電極層上に形成された第2透明電極層と、前記基板面内において前記第1溝に対して反対側の位置であって前記第2溝に近隣する位置において、前記光電変換層及び前記第2透明電極層を貫通し、前記第1方向に延在する第4溝と、微細粒子または気泡を分散させ拡散反射する絶縁膜であり、前記第2透明電極層上及び前記第4溝内で前記第1透明電極層上に形成され、前記第1方向に配列された複数の第1開口部と、前記第2溝と前記第4溝とが設けられた位置を含むとともに前記第1方向に延在する第2開口部とを有するように、前記第2透明電極層上に形成される拡散反射層と、前記拡散反射層上及び前記第1開口部内の前記第2透明電極層上に形成された金属電極層と、前記第4溝の上方で前記第1方向に延在し、前記金属電極層を貫通し前記拡散反射層の膜厚方向の一部が除去された第5溝とを有する光電変換装置である。
本発明の第4の態様は、基板上に第1透明電極層が形成される第1透明電極層形成工程と、前記第1透明電極層に、前記基板の第1方向に延在する複数の第1溝が形成される第1溝形成工程と、前記第1透明電極層上及び前記第1溝内の前記基板上に光電変換層が形成される光電変換層形成工程と、前記基板面内で前記第1溝の各々に隣接する位置において、前記光電変換層に前記第1方向に延在する第2溝が形成される第2溝形成工程と、前記光電変換層上及び前記第2溝内の前記第1透明電極層上に、第2透明電極層が形成される第2透明電極層形成工程と、前記第1溝と反対側で前記第2溝に近接する位置に、前記光電変換層及び前記第2透明電極層を貫通し、前記第1方向に延在する第4溝を形成する第4溝形成工程と、前記第2溝と前記第4溝とが設けられた位置を含むとともに厚さ方向に貫通し前記第1方向に配列された複数の第1開口部が形成されるように、前記第2透明電極層上及び前記第4溝内の前記第1透明電極層上に、微細粒子または気泡を分散させ拡散反射する絶縁膜である拡散反射層が形成される拡散反射層形成工程と、前記拡散反射層上、及び、前記第1開口部内の前記第2透明電極層上に金属電極層を形成する金属電極層形成工程と、前記第2溝の上方で、前記金属電極層、及び、前記拡散反射層の膜厚方向の一部を除去して、前記第1方向に延在する第5溝を形成する第5溝形成工程とを備える光電変換装置の製造方法である。
上記態様の光電変換装置は、裏面側に微細粒子や気泡を含む拡散反射層を設けており、光閉じ込め効果により光電流を増大させている。また、拡散反射層に第1開口部を設け、第1開口部及び第2開口部において裏面側の透明電極層と金属電極層との電気的接続を図っている。こうすることにより、裏面側の電極構造でのシート抵抗を低減させている。
第1及び第2の態様では、隣接するセル間を分離する溝(第2溝及び第3溝)が設けられる位置に、拡散反射層が設けられない開口部(第2開口部)を設けて、良好な加工性を得ている。
第3及び第4の態様では、拡散反射層を設ける前に基板側の透明電極層〜裏面側の透明電極層を貫通する溝を設け、さらに、金属電極層及び拡散反射層の一部が除去された溝を設けている。この構成とすることにより、拡散反射層形成時のパターニング及び溝形成加工が容易となる。
第1及び第3の態様において、前記第1開口部が、前記第1方向に直交する第2方向に延在する溝であっても良い。
あるいは、前記第1開口部が、前記拡散反射層の厚さ方向に貫通する貫通孔が前記第2方向に複数配列されたものであっても良い。この場合、前記第1開口部が、中心が正規充填となるように複数の前記貫通孔が配置されることが好ましい。
第2及び第4の態様では、前記拡散反射層形成工程において、前記第1開口部として前記第1方向に直交する第2方向に延在する溝が形成されても良い。
あるいは、前記拡散反射層形成工程において、前記第1開口部として前記拡散反射層の厚さ方向に貫通する貫通孔が前記第2方向に複数配列して形成されても良い。この場合、前記貫通孔の中心が正規充填に配置されるように、前記第1開口部が形成されることが好ましい。
第1開口部を上記形状とすることによって、良好な反射性能と裏面電極構造の導電性とを両立させることができる。
特に、貫通孔の中心を正規充填に配置することによって、効率的な集電を行うことができるので、裏面側の電極構造での抵抗を更に低減できるので好ましい。
本発明の光電変換装置は、拡散反射層により光電流が増大されているとともに、拡散反射層の開口で透明電極層と金属電極層とが接触して裏面側の電極構造の抵抗が低減されている。この結果、光電変換装置の性能を向上させることができる。
また本発明の光電変換装置の製造方法では、高い反射性能及び導電性を確保できる拡散反射層及び溝を容易な工程で製造することが可能である。
第1実施形態に係る光電変換装置の構成を示す概略図である。 第1実施形態の光電変換装置の製造工程を説明する概略図である。 第1実施形態の光電変換装置の製造工程を説明する概略図である。 第1実施形態の光電変換装置の製造工程を説明する概略図である。 第1実施形態の光電変換装置の製造工程を説明する概略図である。 第1実施形態の光電変換装置の製造工程を説明する概略図である。 第1実施形態の光電変換装置の製造工程を説明する概略図である。 第1実施形態の光電変換装置の製造工程を説明する概略図である。 第1開口部の別の形状を説明する概略図である。 第1開口部の別の形状を説明する概略図である。 第1開口部の別の形状を説明する概略図である。 第1開口部の別の形状を説明する概略図である。 第1実施形態の光電変換装置の製造工程を説明する概略図である。 シングル型太陽電池について、透明電極層のシート抵抗と出力との関係を示すグラフである。 タンデム型太陽電池について、透明電極層のシート抵抗と出力との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る光電変換装置の構成を示す概略図である。 従来の光電変換装置の構成を示す概略図であり、(b)は(a)中のA−A’断面図である。 従来の光電変換装置の構成を示す概略図であり、(b)は(a)中のA−A’断面図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置10は太陽電池モジュールであり、基板11、基板側透明電極層(第1透明電極層)12、光電変換層13、裏面側透明電極層(第2透明電極層)14、拡散反射層15及び金属電極層16を備える。
図1乃至図13を用いて、光電変換装置の構成及び製造工程を説明する。図2乃至図13は、光電変換装置として薄膜太陽電池モジュールを製造する工程を説明する模式図である。
図2に示すように、基板11として、面積が1mを越える大型のソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.0mm〜4.5mm)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
図3に示すように、基板11に、基板側透明電極層12として酸化錫膜(SnO)を主成分とする透明電極膜が、熱CVD装置を用いて製膜される。基板側透明電極層12の膜厚は、500nm以上800nm以下nmである。この製膜処理の際、酸化錫膜の表面には、適当な凹凸のあるテクスチャーが形成されることが好ましい。
基板側透明電極層12は、熱CVD装置を用いずに、酸化亜鉛膜(ZnO)を主成分とする透明電極膜やITO膜をスパッタなどで形成してもよい。
基板11と基板側透明電極層12との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成してもよい。アルカリバリア膜は、例えば、熱CVD装置にて20nm〜60nmの酸化シリコン膜(SiO)を製膜することにより形成される。
基板側透明電極層12が製膜されると、図4に示すように透明電極層溝(第1溝)17が形成される。透明電極層溝17は基板側透明電極層12に複数設けられ、図1のY方向に延在して形成される。
具体的には、基板11がX−Yテーブルに設置され、YAGレーザの第1高調波(1064nm)が、図の矢印に示すように、基板側透明電極層12の膜面側から照射される。基板側透明電極層12はレーザ光によりレーザエッチングされ、約6mmから15mmまでの範囲の間隔をあけて透明電極層溝17が形成される。この透明電極層溝17により、基板側透明電極層12は短冊状に区切られる。
入射されるYAGレーザのレーザパワーは、透明電極層溝17の加工速度が適切な速度になるように調節される。基板側透明電極層12に対して照射されるレーザ光は、基板11に対して、発電セルの直列接続方向と略直交する方向に相対移動される。
透明電極層溝17が形成されると、図5に示すように、光電変換層13が基板側透明電極層12上及び透明電極層溝17内の基板11上に積層される。
光電変換層13は、シリコン系光電変換層、化合物半導体系光電変換層(CIGS型、CdTe型)などとされ、特に限定されない。シリコン系光電変換層の場合、アモルファスシリコン系や結晶質シリコン系を適用できる。なお、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)などを含む総称である。また、結晶質シリコン系とは、非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコンも含まれる。
本実施形態の薄膜太陽電池モジュールは、p層、i層、n層からなる発電層を1層備えるシングル型太陽電池としても良い。あるいは、複数の発電層を積層させたタンデム型太陽電池やトリプル型太陽電池としても良い。シリコン系タンデム型太陽電池の場合、アモルファスシリコン系の発電層上に、結晶質シリコン系の発電層を積層させる。
例えば、アモルファスシリコン系の発電層として、非晶質シリコン薄膜からなるp層、i層及びn層を、プラズマCVD装置により製膜する。SiHガス及びHガスを主原料にして、減圧雰囲気:30Pa以上1000Pa以下、基板温度:約200℃にて、太陽光の入射する側から非晶質シリコンp層、非晶質シリコンi層、非晶質シリコンn層の順で製膜する。非晶質シリコンp層は非晶質のBドープシリコンを主とし、膜厚5nm以上30nm以下である。非晶質シリコンi層は、膜厚150nm以上350nm以下である。非晶質シリコンn層は、非晶質シリコンに微結晶シリコンを含有するPドープシリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。非晶質シリコンp層と非晶質シリコンi層の間には、界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。また、非晶質シリコンn層は、結晶質シリコンn層に置換しても良い。
例えば、結晶質シリコン系の発電層として、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、結晶質シリコンp層、結晶質シリコンi層、及び、結晶質シリコンn層を順次製膜する。結晶質シリコンp層はBドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。結晶質シリコンi層は微結晶シリコンを主とし、膜厚は1.2μm以上3.0μm以下である。結晶質シリコンn層はPドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。なお、結晶質シリコンn層は、非晶質シリコンn層に置換しても良い。
タンデム型、トリプル型など複数の発電層を積層させた光電変換層13の場合、隣接する2つの発電層の間に、接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる中間コンタクト層(GaやAlドープZnO膜など)を設けることができる。
光電変換層13が積層された後、図6に示すように、接続溝(第2溝)18が形成される。接続溝18は基板面内で複数設けられ、図1のY方向に延在する。
具体的には、基板11がX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、図の矢印に示すように、光電変換層13の膜面側から照射される。光電変換層13は、レーザ光によりレーザエッチングされ、接続溝18が形成される。レーザ光は、約10kHzから約25kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。さらに、接続溝18は透明電極層溝17に隣接する位置で、前工程で加工された透明電極層溝17と交差しないように位置決め公差を考慮した上で選定される。
レーザ光は光電変換層13の膜面側から照射してもよいし、反対側の基板11側から照射しても良く、特に限定するものではない。基板11側から照射した場合、レーザ光のエネルギーは、光電変換層13で吸収されて高い蒸気圧が発生する。この高い蒸気圧を利用して光電変換層13がエッチングされるため、更に安定したレーザエッチング加工を行うことが可能となる。
接続溝18が形成された後、図7に示すように、裏面側透明電極層14が光電変換層13上に積層される。このとき、接続溝18の中にも裏面側透明電極層14が積層され、基板側透明電極層12と裏面側透明電極層14とを接続する接続部が形成される。
裏面側透明電極層14は、GaやAl、BがドープされたZnO膜やITO膜などの透明導電性酸化物の膜とされ、スパッタリング装置や熱CVD装置により製膜される。裏面側透明電極層14の膜厚は、20nm以上5000nm以下とされ、裏面透明電極層の導電性と透明性により適宜調整される。
裏面側透明電極層14が形成された後、図8に示すように、拡散反射層15が裏面側透明電極層14上に積層される。拡散反射層15の厚さは、5μm以上500μm以下である。拡散反射層15は、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化チタンなどの微細粒子や気泡がアクリル樹脂などに混合され分散された塗料が、スクリーン印刷などで形成された層である。光電変換装置が0.3μm〜1.1μmの光を主対象として発電を行う。微細粒子や気泡のサイズは、反射したい波長の1/2程度で散乱が最大となり、このサイズより小さくあるいは大きくなるに従い散乱効果が低下する傾向にある。一方、微細粒子や気泡のサイズは、拡散反射層15の膜厚よりも小さい必要がある。上記を考慮すると、微細粒子としては、直径0.15μm〜3μmのサイズが好ましい。また、気泡は拡散反射層15との屈折率の違いを更に考慮すると、直径0.3μm〜5μmのサイズが好ましい。
図14及び図15は、透明電極層のシート抵抗が光電変換装置の性能に与える影響を抵抗モデルを設定して計算したグラフである。図14はシングル型、図15はタンデム型であり、それぞれセルで性能を評価した。同図において、横軸は基板側透明電極層及び裏面側透明電極層のシート抵抗の和、縦軸は出力比である。
各図では、基板側の透明電極層のシート抵抗を10Ω/cmとした。従って、シート抵抗の和が10Ω/cmのプロットは、拡散反射層を設けず、金属電極層を設けた場合を表している。図中のセル幅は、図17,18で示されているセル有効幅Lを表している。
図14及び図15から、裏面側透明電極層のシート抵抗が大きい程出力が低下することが理解できる。また、セル有効幅が広くなる程、裏面側透明電極層のシート抵抗増加による性能低下への影響が大きくなることが理解できる。
以上の結果から、拡散反射層を有するモジュール構造の場合、裏面側透明電極層の抵抗が増大すると顕著に特性が低下するため、裏面電極構造の工夫による導電性向上が重要である。
拡散反射層15は、微細粒子や気泡を含みアクリル樹脂などがバインダになった塗料状の溶液を、スクリーン印刷等によりパターニングされて形成される。あるいは、拡散反射層15は、上記微細粒子や気泡を含む樹脂製のフィルムあるいは板を、接着剤で裏面側透明電極層14に貼りつけて形成しても良い。この場合、フィルムあるいは板には予め後述するパターニング加工が施されている。接着剤としては、OCA(Optical Clear Adhesive)が使用可能である。
図8に示すように、透明電極層溝17及び接続溝18の延在方向(Y方向)に複数配列された第1開口部21aが設けられる。第1開口部21aは、裏面側透明電極層14上で拡散反射層15が設けられていない領域である。第1開口部21aのY方向での間隔は、加工精度、セル有効面積(発電領域の面積)、反射性能、集電性能等を考慮して決定される。具体的に、第1開口部21aの間隔は、1mm以上10mm以下に設計される。
第1開口部21aは、図8に示されるように、X方向に延在する溝であっても良い。この場合、第1開口部21aの幅及び間隔は、加工精度、セル有効面積(発電領域の面積)、反射性能、集電性能等を考慮して決定される。第1開口部21aの幅は、0.02mm以上1mm以下の範囲で、第1開口部21aの長さは、セル有効幅(図17,18の符号L)の以下に設計される。
また、拡散反射層15の接続溝18上に、接続溝18の延在方向(図8のY方向)に延在する第2開口部22が設けられる。従って、第2開口部22は接続溝18と同数量もしくは、接続溝18の数本毎に設置されており、基板面内で複数設けられている。
拡散反射層15は、膜厚が厚く後述する分離溝及び絶縁溝形成のためのレーザ加工でレーザ照射による除去が困難である。このため、拡散反射層15形成後のレーザ加工予定領域(後述する分離溝及び絶縁溝形成領域)には、拡散反射層15は設けられない。すなわち、この第2開口部22は裏面側透明電極層14上で拡散反射層15が設けられていない領域である。
第2開口部22の幅は、加工精度、セル有効幅、反射性能等を考慮して設定される。反射効果を高めるためには、基板面内での拡散反射層15領域が広い(第2開口部22の領域が狭い)方が好ましいが、セル有効幅が狭くなるとともに、後述する分離溝を形成する領域が狭くなり分離溝加工の要求精度が高くなる。一方、拡散反射層15領域が狭い(第2開口部22の領域が広い)と、拡散反射層15による十分な反射効果が得られない。また、薄膜太陽電池モジュールへと積層化する際に分離溝及び絶縁溝形成用に通常使用するレーザのパワー密度を用いたパターニング工程では、狭幅の開口部を設けることは困難である。このために、第1開口部21aと第2開口部22は、拡散反射層15を形成時にマスキングなどで予め膜を設けない方法を利用しても良い。従って、第2開口部22の幅は、0.2mm以上3mm以下の範囲で、第2開口部22の長さは、セル有効長さまたは接続溝長さと同一長さに設計される。
このように拡散反射層15を設ける場合は、拡散反射層15をスクリーン印刷などにより形成する際に第1開口部21a及び第2開口部22を設ける。その後、後述のように金属電極層16を薄膜太陽電池モジュールの裏面側全体に製膜することで、第1開口部21a及び第2開口部22で裏面側透明電極層14と金属電極層16との間で良好な電気的接続を確保する。こうすることによって、裏面電極構造での抵抗増加を防止し、良好な導電性を得る。
図9は第1開口部の別の例である。図9の第1開口部21bは、円形の貫通孔23bがX方向及びY方向に所定間隔に配列している。開口の形状は貫通孔に限定されず、楕円形、四角形、三角形などとしても良い。隣り合う貫通孔23bの間隔は、1mm以上10mm以下mmに設計される。このように、拡散反射層15の基板面内で貫通孔23bを点在させることにより、裏面側透明電極層14と金属電極層16との電気的接続を確保して裏面電極構造の抵抗を低くしつつ、基板面内での拡散反射層15の領域の面積を増大させることができる。
この場合、図10に示すように、中心が正規充填となる配置で貫通孔23bが設けられることが好ましい。このような配置とすることにより、貫通孔23b間の距離が均等になるので、効率的な集電が可能である。
図11及び図12は第1開口部の別の例である。図11の第1開口部21cは、十字型の貫通孔23cがX方向及びY方向に所定間隔に配列している。図12は、第1開口部として、複十字型の貫通孔23dがX方向及びY方向に配列されている。貫通孔23dは、複十字の長軸がX方向に延在し、短軸がY方向に延在する。短軸の数は特に制限されない。図11及び図12の形状の貫通孔23c,23dはX方向及びY方向に開口部分が延びているので、X方向及びY方向のいずれの方向に外力が加わっても、裏面側透明電極層14と金属電極層16とが開口部分の接触部分で剥離せず、良好な電気的接触を確保することができる。
貫通孔23c,23dの寸法は、加工精度、セル有効面積(発電領域の面積)、反射性能、集電性能、裏面側透明電極層14と金属電極層16との剥離強度などを考慮して設計される。なお、隣り合う貫通孔23c,23dの間隔は、他の例と同様に、1mm以上10mm以下に設計されると良い。
拡散反射層15が形成された後、図13に示すように、金属電極層16が拡散反射層15上、及び、第1開口部21及び第2開口部22内の裏面側透明電極層14上に形成される。すなわち、第1開口部21及び第2開口部22で金属電極層16と裏面側透明電極層14とが電気的に接続される。
金属電極層16は、Ag膜、Ag膜とTi膜、または、Ag膜とAl膜からなる層とされ、スパッタリング装置により製膜される。例えば、金属電極層16は、Ag膜/Ti膜を、スパッタリング装置により、減圧雰囲気、製膜温度:150℃から200℃にて製膜する。本実施形態では、金属電極層16の膜厚は、拡散反射層15に形成される領域において、Ag膜:150nm以上500nm以下、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10nm以上20nm以下を、この順に積層する。あるいは、金属電極層16を、25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。
また、シリコン系タンデム型太陽電池など600nm以上の長波長側反射光が必要なものでは、Ag膜の代わりにCu膜を用いても良い。この場合、約100nm〜450nmの膜厚を有するCu膜と、約5nm〜150nmの膜厚を有するTi膜との積層構造としても良い。
金属電極層16が積層された後、図1に示すように、金属電極層16を隣接する発電セル間で絶縁し、発電セルを分離するために分離溝(第3溝)24が形成される。分離溝24は、接続溝18に隣接する位置において、接続溝18に対して透明電極層溝17の設置側と反対側に設けられる。
具体的には、基板11がX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、基板11側から照射される。入射されたレーザ光は光電変換層13で吸収され、光電変換層13内で高いガス蒸気圧が発生する。このガス蒸気圧により光電変換層13及び裏面側透明電極層14、金属電極層16は爆裂して除去される。
レーザ光は、約1kHzから約50kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。
分離溝24が形成された後、分離溝24内が、拡散反射層15の形成で用いられた微細粒子や気泡を含むアクリル樹脂などをバインダとする塗膜で充填されても良い。この構成とすることにより、分離溝部分から漏れる光を拡散反射層で再度光電変換層に戻すことができるため、さらなる光電流の向上が望めるので好ましい。
分離溝24が形成された後、基板11の端周辺の膜端部において絶縁溝が形成される。絶縁溝は、発電領域を区分することにより、基板の端周辺の膜端部において直列接続部分が短絡し易い部分を切り離して、その影響を除去するものである。絶縁溝は、基板11の端より5mmから20mmまでの範囲内の位置まで形成されていることが好ましい。
絶縁溝を形成する際には、基板がX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第1高調波(1062nm)が、基板側から入射され、金属電極層16、裏面側透明電極層14、光電変換層13及び基板側透明電極層12が除去される。
また、絶縁溝を形成する際には、加工速度に対してレーザパワーの調節を行うことで、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)を利用してもよい。
レーザ光は、約1kHzから約50kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。
なお、ここまでに説明した工程においてYAGレーザをレーザ光として用いているが、YAGレーザに限られることなく、YVO4レーザや、ファイバーレーザなども同様にレーザ光として使用してもよい。
絶縁溝が形成された後、基板周辺(周囲膜除去領域)の積層膜(金属電極層〜基板側透明電極層)が除去されて周囲膜除去領域が形成される。上述の積層膜は、基板の端から5mmから15mmまでの範囲内で、基板の全周囲にわたり除去され周囲膜除去領域を形成する。周囲膜の除去は、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて行う。当該積層膜を除去することにより、後工程において行われる接着充填材シートを介したバックシートの接着が健全に行われ、シール面を確保することができる。このようにすることで、絶縁耐圧の確保及び太陽電池パネル端部から薄膜太陽電池モジュール内部への外部水分の侵入を抑制することができる。
上記の周囲膜除去工程後、集電用銅箔の配置、バックシート(PETシート/Al箔/PETシート)の接着、及び、端子箱の取付けが行われ、太陽電池パネルが完成する。太陽電パネルの周囲にアルミフレームが取り付けられても良い。
上記工程で形成された太陽電池パネルについて発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m)のソーラシミュレータを用いて行う。
<第2実施形態>
図16は、第2実施形態に係る光電変換装置の構成を示す断面概略図である。図16において、図1と同じ構成には同じ符号が付されている。
第2実施形態の光電変換装置20は太陽電池モジュールであり、積層構成は図1と同じである。光電変換装置20では、光電変換層13及び裏面側透明電極層14を貫通する分離溝(第4溝)34が設けられる。拡散反射層15は、裏面側透明電極層14上と、分離溝34内の基板側透明電極層12上とに形成されている。分離溝34の上方に、拡散反射層15の膜厚方向の一部と金属電極層16が除去された上部分離溝(第5溝)35が形成されている。
第2実施形態に係る光電変換装置の製造方法を以下で説明する。
基板側透明電極層12〜裏面側透明電極層14の形成方法は、第1実施形態と同じである。
裏面側透明電極層14が積層された後、分離溝34が形成される。分離溝34の形成位置及び形成工程は、第1実施形態と同じである。
分離溝34が形成された後、裏面側透明電極層14上、及び、分離溝34内の基板側透明電極層12上に、微細粒子や気泡が分散された樹脂とされる拡散反射層15が形成される。第1実施形態と同様に、拡散反射層15はバインダをスクリーン印刷等でパターニングして形成されても良いし、予めパターニング加工されたフィルムや板を接着剤で貼り合わせても良い。
第2実施形態の拡散反射層15は、第1実施形態と同様に、第1開口部21が設けられる。第1開口部21は、透明電極層溝17、接続溝18及び分離溝34の延在方向(Y方向)に複数配列された第1開口部の形状は、第1実施形態と同様の形状が採用できる。すなわち、第1開口部の形状は、線状の溝(図8に例示)、貫通孔(図9,10に例示)、十字型(図11)、複十字型(図12)等とされる。
拡散反射層15が形成された後、金属電極層16が形成される。金属電極層16の形成工程は第1実施形態と同じである。
第2実施形態では、分離溝形成レーザ加工後、分離溝34の溝部分には後から絶縁性の拡散反射層15が充填される。分離溝34部分から漏れる光を拡散反射層15で再度光電変換層13に戻すことができるため、さらなる光電流の向上が望める。
金属電極層16が形成された後、図16に示すように上部分離溝(第5溝)35が形成される。上部分離溝34は、金属電極層16を絶縁し、発電セルを分離する。
具体的に、基板11がX−Yテーブルに設置され、メカニカルスクライブにより金属電極層16と、拡散反射層15の膜厚方向の一部とが除去されて、上部分離溝35が形成される。
上部分離溝34が形成された後は、第1実施形態と同様にして絶縁溝の形成、周囲膜除去領域の形成、バックシートの接着、及び、端子箱の取付けが行われる。その後、発電検査が実施される。
実施例として、50mm×50mmのガラス基板を用いて、図1のタンデム型太陽電池モジュールを作製した。作製した太陽電池セルの構成は下記のとおりである。
基板側透明電極層:FドープSnO膜、約10Ω/cm、0.7μm
光電変換層:非晶質シリコン光電変換層(200nm)
中間コンタクト層(GZO、90nm)
結晶室シリコン光電変換層(2.0μm)
裏面側透明電極層:AlドープZnO膜、約100Ω/cm、150nm
拡散反射層:Marabu社製Special Ink 3070、100μm
金属電極層:Ag膜(200nm)/Ti膜(15nm)
セル有効幅:10mm
拡散反射層に設けられる第1開口部として、幅0.3mm、長さ8mmの線状の開口を3mmピッチ(間隔)で設け、拡散反射層の第2開口部の幅は0.84mmとした。
比較例1として、図17に示す第1開口部を形成しない太陽電池モジュールを作製した。図17(a)はセル長手方向に直交する断面構造を示し、図17(a)はセル長手方向に直交する断面構造を示し図17(b)はセル長手方向に平行する断面構造((a)のA−A断面)を示している。図17のモジュールでは、基板上に、基板側の透明電極層、光電変換層、裏面側の透明電極層、拡散反射層の順で積層されている。比較例1では金属電極層を設けていない。
表1に、各太陽電池モジュールの特性を示す。各性能は、比較例1を基準として規格化した値である。
第1開口部を設けることで金属電極層と裏面透明電極が接触し、抵抗が低減されることで曲線因子が大幅に改善され1.34倍となり、変換効率が1.37倍に改善された。拡散能力の低い金属電極層が裏面透明電極上に形成されているにもかかわらず、短絡電流密度もわずかに増加している。これは比較例1の形状因子が悪く、短絡電流密度にも影響している可能性、又は、拡散反射層上に金属電極が形成されているため、拡散反射層を透過する光を金属電極が反射し、再度光電変換層に戻し光吸収が増大していることが示唆される。
Figure 2014135446
比較例2として、図18に示すように、実施例の図13のモジュール構造に対して、第2開口部22に形成される金属電極層がなく、第1開口部の金属電極層に相当する部分として、線状の金属電極層をパターニングした構造のモジュールを作製した。すなわち、基板上に、基板側の透明電極層、光電変換層、裏面側の透明電極層、金属電極層、拡散反射層の順で積層され、線状の金属電極層は裏面側の透明電極層上に形成されている。図18(a)はセル長手方向に直交する断面構造を示し、図18(a)はセル長手方向に直交する断面構造を示し、図18(b)はセル長手方向に平行する断面構造((a)のA−A断面)を示している。
金属電極層はAgからなり、幅0.1mm、ピッチ(間隔)5mmで配置した。表2に各太陽電池モジュールの特性を示す。各性能は、比較例2を基準として規格化した値である。
Figure 2014135446
実施例は、比較例2に比べて短絡電流密度、開放電圧、形状因子がそれぞれわずかに増大しており、変換効率が1.05倍となった。実施例の方が金属電極層のピッチ(間隔)が狭く形状因子が良好であることが確認できる。さらに、裏面側の透明電極層上に形成されている光拡散能力の低い金属電極層の面積に注目すると、実施例は比較例2よりも面積が広いにも関わらず、短絡電流密度が増加している。実施例では、拡散反射層上に製膜された金属電極層により、透過光の反射による光吸収が増大していること、金属電極層の集電効果の向上により特性が向上していることが確認できる。
10,20 光電変換装置
11 基板
12 基板側透明電極層
13 光電変換層
14 裏面側透明電極層
15 拡散反射層
16 金属電極層
17 透明電極層溝
18 接続溝
21a,21b,21c 第1開口部
22 第2開口部
23b,23c,23d 貫通孔
24,34 分離溝
35 上部分離溝

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成され、前記基板の第1方向に延在する複数の第1溝を有する第1透明電極層と、
    前記第1透明電極層上、及び、前記第1溝内の前記基板上に形成され、前記基板面内において前記第1溝の各々に隣接する位置において前記第1方向に延在する第2溝を有する光電変換層と、
    前記光電変換層上及び前記第2溝内の前記第1透明電極層上に形成された第2透明電極層と、
    微細粒子または気泡を分散させ拡散反射する絶縁膜であり、前記第1方向に配列された複数の第1開口部と、前記第2溝と前記第4溝とが設けられた位置を含むとともに前記第1方向に延在する第2開口部とを有するように、前記第2透明電極層上に形成される拡散反射層と、
    前記拡散反射層上、及び、前記第1開口部及び前記第2開口部内の前記第2透明電極層上に形成された金属電極層と、
    前記第2開口部において、前記基板面内において前記第1溝と反対側であって前記第2溝に隣接する位置に、前記光電変換層、前記第2透明電極層、及び、前記金属電極層を貫通し、前記第1方向に延在する第3溝とを有する光電変換装置。
  2. 基板と、
    前記基板上に形成され、前記基板の第1方向に延在する複数の第1溝を有する第1透明電極層と、
    前記第1透明電極層上及び前記第1溝内の前記基板上に形成され、前記基板面内において前記第1溝の各々に隣接する位置において前記第1方向に延在する第2溝を有する光電変換層と、
    前記光電変換層上及び前記第2溝内の前記第1透明電極層上に形成された第2透明電極層と、
    前記基板面内において前記第1溝に対して反対側の位置であって前記第2溝に近隣する位置において、前記光電変換層及び前記第2透明電極層を貫通し、前記第1方向に延在する第4溝と、
    微細粒子または気泡を分散させ拡散反射する絶縁膜であり、前記第2透明電極層上及び前記第4溝内で前記第1透明電極層上に形成され、前記第1方向に配列された複数の第1開口部と、前記第2溝と前記第4溝とが設けられた位置を含むとともに前記第1方向に延在する第2開口部とを有するように、前記第2透明電極層上に形成される拡散反射層と、
    前記拡散反射層上及び前記第1開口部内の前記第2透明電極層上に形成された金属電極層と、
    前記第4溝の上方で前記第1方向に延在し、前記金属電極層を貫通し前記拡散反射層の膜厚方向の一部が除去された第5溝とを有する光電変換装置。
  3. 前記第1開口部が、前記第1方向に直交する第2方向に延在する溝である請求項1または請求項2に記載の光電変換装置。
  4. 前記第1開口部が、前記拡散反射層の厚さ方向に貫通する貫通孔が前記第2方向に複数配列されたものである請求項1または請求項2に記載の光電変換装置。
  5. 前記第1開口部が、中心が正規充填となるように複数の前記貫通孔が配置される請求項4に記載の光電変換装置。
  6. 基板上に第1透明電極層が形成される第1透明電極層形成工程と、
    前記第1透明電極層に、前記基板の第1方向に延在する複数の第1溝が形成される第1溝形成工程と、
    前記第1透明電極層上及び前記第1溝内の前記基板上に光電変換層が形成される光電変換層形成工程と、
    前記基板面内で前記第1溝の各々に近隣する位置において、前記光電変換層に前記第1方向に延在する第2溝が形成される第2溝形成工程と、
    前記光電変換層上及び前記第2溝内の前記第1透明電極層上に、第2透明電極層が形成される第2透明電極層形成工程と、
    厚さ方向に貫通し前記第1方向に配列された複数の第1開口部が形成され、前記第2溝と前記第4溝とが設けられた位置を含むとともに厚さ方向に貫通し前記第1方向に延在する第2開口部が形成されるように、前記第2透明電極層上に微細粒子または気泡を分散させ拡散反射する絶縁膜である拡散反射層が形成される拡散反射層形成工程と、
    前記拡散反射層上、及び、前記第1開口部及び前記第2開口部内の前記第2透明電極層上に金属電極層を形成する金属電極層形成工程と、
    前記基板面内で前記第2開口部が形成される位置であって、前記第1溝と反対側で前記第2溝に隣接する位置に、前記光電変換層、前記第2透明電極層、及び、前記金属電極層を貫通し、前記第1方向に延在する第3溝を形成する第3溝形成工程とを備える光電変換装置の製造方法。
  7. 基板上に第1透明電極層が形成される第1透明電極層形成工程と、
    前記第1透明電極層に、前記基板の第1方向に延在する複数の第1溝が形成される第1溝形成工程と、
    前記第1透明電極層上及び前記第1溝内の前記基板上に光電変換層が形成される光電変換層形成工程と、
    前記基板面内で前記第1溝の各々に隣接する位置において、前記光電変換層に前記第1方向に延在する第2溝が形成される第2溝形成工程と、
    前記光電変換層上及び前記第2溝内の前記第1透明電極層上に、第2透明電極層が形成される第2透明電極層形成工程と、
    前記第1溝と反対側で前記第2溝に近接する位置に、前記光電変換層及び前記第2透明電極層を貫通し、前記第1方向に延在する第4溝を形成する第4溝形成工程と、
    前記第2溝と前記第4溝とが設けられた位置を含むとともに厚さ方向に貫通し前記第1方向に配列された複数の第1開口部が形成されるように、前記第2透明電極層上及び前記第4溝内の前記第1透明電極層上に、微細粒子または気泡を分散させ拡散反射する絶縁膜である拡散反射層が形成される拡散反射層形成工程と、
    前記拡散反射層上、及び、前記第1開口部内の前記第2透明電極層上に金属電極層を形成する金属電極層形成工程と、
    前記第2溝の上方で、前記金属電極層、及び、前記拡散反射層の膜厚方向の一部を除去して、前記第1方向に延在する第5溝を形成する第5溝形成工程とを備える光電変換装置の製造方法。
  8. 前記拡散反射層形成工程において、前記第1開口部として前記第1方向に直交する第2方向に延在する溝が形成される請求項6または請求項7に記載の光電変換装置の製造方法。
  9. 前記拡散反射層形成工程において、前記第1開口部として前記拡散反射層の厚さ方向に貫通する貫通孔が前記第2方向に複数配列して形成される請求項6または請求項7に記載の光電変換装置の製造方法。
  10. 前記拡散反射層形成工程において、前記貫通孔の中心が正規充填に配置されるように、前記第1開口部が形成される請求項9に記載の光電変換装置の製造方法。
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